特許第6119046号(P6119046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6119046多波長エンコードするためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6119046
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】多波長エンコードするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/02 20060101AFI20170417BHJP
   H04B 10/516 20130101ALI20170417BHJP
   H04B 10/67 20130101ALI20170417BHJP
【FI】
   H04J14/02
   H04B10/516
   H04B10/67
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-546833(P2015-546833)
(86)(22)【出願日】2013年12月11日
(65)【公表番号】特表2016-506652(P2016-506652A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】CN2013089088
(87)【国際公開番号】WO2014090158
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】61/735,842
(32)【優先日】2012年12月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/902,085
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】アラン・フランク・グラヴェス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・アッシュウッド−スミス
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−026874(JP,A)
【文献】 特開平11−177624(JP,A)
【文献】 特開2001−197121(JP,A)
【文献】 特開2002−084228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多波長エンコードのための方法であって、
アドレスおよびデータを有する入力パケットストリームを受信するステップと、
前記入力パケットストリームのアドレスをエンコードして、エンコードされたアドレスを生成するステップと
M個の候補の波長から前記エンコードされたアドレスに対応するn個の波長の組み合わせを選択するステップと、
前記エンコードされたアドレスに対応する前記n個の選択された波長を生成するステップと、
前記入力パケットストリームを用いて前記n個の波長を変調することによって、入力パケットのデータおよび前記選択された波長を有する出力光パケットストリームを生成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記M個の候補の波長はk個のグループの候補の波長に分割され、各グループはM/k個の候補の波長を含み、各グループからn/k個の波長が選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
多波長アドレスをデコードするための方法であって、
複数の波長を有する入力光パケットストリームを第1の光ストリームおよび第2の光ストリームに分割するステップと、
M個の候補の波長について前記第1の光ストリームにおける光電力が閾値より上であるかどうかを検出してn個の波長を生成し、光電力が検出された前記n個の波長に基づいて前記アドレスをデコードするステップと
を含む方法。
【請求項4】
前記M個の候補の波長はk個のグループの候補の波長に分割され、各グループはM/k個の候補の波長を含み、各グループの候補の波長について前記第1の光ストリームにおける光電力が閾値より上であるかどうかが検出され、各グループについてn/k個の波長を生成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記n個波長を用いて前記第2の光ストリームをスイッチングするステップをさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項6】
入力パケットストリームのアドレスを多波長エンコードするためのシステムであって、
前記入力パケットストリームの入力光パケットのアドレスを判定するように構成されたパケットストリームアドレス読み取り器と、
前記パケットストリームアドレス読み取り器に結合された少なくとものエンコーダであって、前記エンコーダは、M個の候補の波長からn個の波長を選択することによって前記アドレスをエンコードするように構成された少なくとものエンコーダと、
M個候補の波長源と、
前記M個の候補の波長源に結合された複数のスイッチと、
変調器手段と、
を備え、
前記複数のスイッチは、前記入力パケットストリームを用いて前記n個の波長を変調するために、前記M個の候補の波長源から選択された前記n個の波長源を前記光変調器手段に結合するように構成された、システム。
【請求項7】
前記M個の候補の波長はk個のグループの候補の波長に分割され、各グループはM/k個の候補の波長を含み、前記システムは各グループからn/k個の波長を選択するように構成されたk個のエンコーダを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
入力光パケットストリームのパケットルーディングアドレスを多波長デコードするためのシステムであって、
前記入力光パケットストリームを第1の光ストリームおよび第2の光ストリームに分割するように構成されたスプリッタと、
フィルタ、および、記光フィルタに結合された光検出器であって、前記光フィルタおよび前記光検出器は、M個の候補の波長からのn個について前記第1の光ストリームにおいて光電力が存在するかどうかを検出するように構成された、光フィルタおよび光検出器と、
光電力が検出された前記n個の波長に基づいてアドレスをデコードするためのデコーダと、
を備えるシステム。
【請求項9】
前記M個の候補の波長はk個のグループに分割され、各グループはM/k個の候補の波長を含み、各グループの候補の波長について光電力が閾値より上であるかどうかが検出され、各グループについてn/k個の波長を生成し、各グループについてデコーダが提供される、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信のためのシステムおよび方法に関し、特に、多波長エンコードするためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
関連する出願への相互参照
本願は、2012年12月11日に出願された、発明の名称を「System and Method for Multi-Wavelength Signaling in a Photonic Packet Switch」とする米国仮出願第61/735,842号の利益を主張し、2013年5月24日に出願された、発明の名称を「System and Method for Multi-Wavelength Encoding」とする米国特許出願第13/902,085号の優先権を主張し、これらはその全体が複製されたかのように参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
データセンターは大量のデータをルーティングする。現在、データセンターは約5〜7テラバイト毎秒のスループットを有する可能性があり、これは将来において劇的に増加することが予想される。これらのデータセンターにおいてデータパケットをルーティングするために電気的なパケットスイッチが使用される。電気的なパケットスイッチは、ステージ間のバッファを用いてパケットヘッダに基づいてパケットをスイッチングまたはルーティングする。バッファはオーバーフローする可能性があり、パケット損失およびパケット再送の必要を引き起こす。
【0004】
サーバ、記憶装置、および入出力機能のラックはトップ・オブ・ラック(TOR)パケットスイッチを含むことが可能であり、これは、それらに関連付けされたサーバおよび/または他の周辺機器からのパケットストリームをTORスイッチごとにより少ない数のたいへん高速なパケットストリームに結合する。これらのパケットストリームはパケットスイッチングのコアスイッチリソースにルーティングされる。また、TORスイッチは、そのリソースから返信されるスイッチングされたストリームを受信し、それらのラック内のサーバに分配する。各々のTORスイッチからコアスイッチングリソースへの4×40Gb/sのストリーム、および同じ数の返信ストリームが存在し得る。ラックあたり1個のTORスイッチ、数百から数万のラック、従ってデータセンター内に数百から数万のTORスイッチが存在し得る。
【0005】
データセンターの能力において大きな発展が存在し、大量の電子的なパケットスイッチング構成に導き、これは実現することがより複雑、困難、かつ高価になっている。光子パケットスイッチングのような、このアプローチへの代替えの要望が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
多波長エンコードのための実施例の方法は、アドレスおよびデータを有する入力パケットストリームを受信するステップと、入力パケットストリームのアドレスをエンコードして、第1の選択されたシンボルを含むシンボルの第1のグループを含むエンコードされたアドレスを生成するステップであって、シンボルの第1のグループは2つより多くのシンボルを有する、ステップと、を含む。この方法は、また、第1の選択されたシンボルに従って第1の波長を生成するステップと、入力光パケットのデータおよび第1の波長を有する出力光パケットストリームを生成するステップであって、第1の波長は第1の選択されたシンボルに対応する、ステップと、を含む。さらに、この方法は、入力光パケットストリームを用いて第1の波長を変調するステップを含む。
【0007】
多波長アドレスをデコードするための実施例の方法は、複数の波長を有する入力光パケットストリームを第1の光ストリームおよび第2の光ストリームに分割するステップと、波長によって第1の光ストリームを光ストリームの第1のグループに分離するステップであって、光ストリームの第1のグループは2つより多くの光ストリームである、ステップと、を含む。この方法は、また、光ストリームの第1のグループにおける光電力を検出して、複数のシンボルを生成するステップであって、光電力は光ストリームの第1のグループの第1の光ストリームにおいて検出される、ステップを含む。
【0008】
入力パケットストリームのアドレスを多波長エンコードするための実施例のシステムは、入力パケットストリームの入力光パケットのアドレスを判定するように構成されたパケットストリームアドレス読み取り器と、パケットストリームアドレス読み取り器に結合された第1のエンコーダであって、第1のエンコーダは、アドレスをエンコードして、第1の選択されたシンボルを含むシンボルの第1のグループを含む第1のエンコードされたアドレスを生成するように構成され、シンボルの第1のグループは2つより多くのシンボルを有する、第1のエンコーダと、を含む。このシステムは、また、シンボルの第1のグループに結合された第1の複数のスイッチと、第1の複数のスイッチに結合された第1の複数の波長源と、を含む。さらに、このシステムは、第1の複数のスイッチおよび入力光パケットに結合された第1の光変調器であって、第1の複数のスイッチは第1の複数の波長源のうちの第1の波長源を第1の光変調器に結合するように構成され、第1の波長源は第1の選択されたシンボルに対応する、第1の光変調器を含む。
【0009】
入力光パケットストリームのアドレスを多波長デコードするための実施例のシステムは、入力光パケットストリームを第1の光ストリームおよび第2の光ストリームに分割するように構成されたスプリッタと、波長によって第1の光ストリームを分離して、2つより多くの光ストリームを含む光ストリームの第1のグループを生成するように構成された第1の光フィルタと、を含む。このシステムは、また、第1の光フィルタに結合され、光ストリームの第1のグループにおける電力を検出し、光ストリームの第1のグループの第1の光ストリームにおける電力を検出するように構成された第1の複数の光検出器を含む。さらに、このシステムは、第1の複数の光検出器に結合され、光ストリームの第1のグループを用いて第2の光ストリームをスイッチングするように構成されたスイッチを含む。
【0010】
上記は、続く発明の詳細な説明がより良く理解され得るように、本発明の実施例の特徴をむしろ広く略述した。以下で、本発明の実施例の追加の特徴および効果が説明され、これは本発明の請求項の対象を形成する。開示される概念および具体的な実施例は本発明と同じ目的を実施するために他の構成または処理を変更または設計するための基礎として容易に利用され得ることは、この技術分野の当業者によって理解されるべきである。また、そのような等価な構成は添付の請求項に記載された本発明の思想および範囲からそれることなく、この技術分野の当業者によって実現されるべきである。
【0011】
本発明およびその利点のより十分な理解のために、ここで添付図面に関して行われる次の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】多波長エンコードおよびデコードするための実施例のシステムを表わす。
図2A】多波長エンコードするためのもう1つの実施例のシステムを表わす。
図2B】多波長エンコードするためのもう1つの実施例のシステムを表わす。
図3】アドレス空間およびキャリアあたりのビットレートを有する表を表わす。
図4A】m進数エンコードするためのアドレスフィールドサイズおよび候補の波長の数の表を表わす。
図4B】m進数エンコードするためのアドレスフィールドサイズおよび候補の波長の数の表を表わす。
図5】m進数エンコードするための候補のキャリアの数およびキャリアあたりのビットレートを有する表を表わす。
図6】多波長エンコードするための追加の実施例のシステムを表わす。
図7】各種のエンコード方法のためのアドレス値を有する表を表わす。
図8】多波長エンコードするための追加の実施例のシステムを表わす。
図9】多波長デコードするための実施例のシステムを表わす。
図10】多波長デコードするための追加の実施例のシステムを表わす。
図11A】m個の波長のうちのn個を選択するための候補の波長、使用される波長の数、およびアドレスフィールドサイズを有する表を表わす。
図11B】m個の波長のうちのn個を選択するための候補の波長、使用される波長の数、およびアドレスフィールドサイズを有する表を表わす。
図11C】m個の波長のうちのn個を選択するための候補の波長、使用される波長の数、およびアドレスフィールドサイズを有する表を表わす。
図12】多波長エンコードするための追加の実施例のシステムを表わす。
図13】多波長デコードするための追加の実施例のシステムを表わす。
図14A】8個の波長のうちの4個を選択するための組み合わせを表わす。
図14B】8個の波長のうちの4個を選択するための組み合わせを表わす。
図15A】M/2個の波長からn/2個を選択するための候補の波長の数、使用される波長の数、およびアドレスフィールドを有する表を表わす。
図15B】M/2個の波長からn/2個を選択するための候補の波長の数、使用される波長の数、およびアドレスフィールドを有する表を表わす。
図16A】M/k個の波長からn/k個を選択するための候補の波長の数、使用される波長の数、およびアドレスフィールドサイズを有する表を表わす。
図16B】M/k個の波長からn/k個を選択するための候補の波長の数、使用される波長の数、およびアドレスフィールドサイズを有する表を表わす。
図17】多波長エンコードするためのもう1つの実施例のシステムを表わす。
図18】多波長デコードするためのもう1つの実施例のシステムを表わす。
図19】多波長エンコードする実施例の方法を表わす。
図20】多波長デコードする実施例の方法を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0013】
異なる図面における対応する数字および符号は、一般に、別のやり方で示されるのでなければ、対応する部分を指す。図面は、実施例の関係する態様を明確に表わすために描かれ、縮尺で製図するために描かれているとは限らない。
【0014】
1つまたはより多くの実施例の例示の実装が以下で与えられるが、開示されるシステムおよび/または方法は、現在知られているまたは存在する任意の数の技術を使用して実現され得ることは、まず、理解されるべきである。開示は、ここで表わされ説明される例示の設計および実装を含む、以下で表わされる例示の実装、図面、および技術に、決して限定されるべきでなく、その等価な最大の範囲とともに添付の請求項の範囲内で変更され得る。
【0015】
光子パケットスイッチは、データセンター内のコアスイッチとして使用され、または任意の他のパケットスイッチング環境において使用されることが可能であるネットワーク通信要素のファミリーである。光子パケットスイッチにおいて、パケットは、それらを電気信号に変換することなく、光子デバイスによってスイッチングされる。パケットスイッチは、各々のパケットを独立にその宛先に向けてスイッチングすることによってパケットのストリームをスイッチングする。
【0016】
波長を基にしたアドレス符号化のいくつかの方法、およびそれらの符号化を実現するための様々な実装が存在する。各々のパケットの宛先アドレスは、いくつかの方式を用いて、送信器において波長の組み合わせを照射することによってエンコードされる。一例において、2進数符号化が使用される。シンボルをエンコードするために、2つの波長のうちの1つが選択される。例えば、“0”について第1の波長が選択され、“1”について第2の波長が選択される、または逆の場合も同じである。アドレスは、シンボルあたり2つの波長を用いてエンコードされ得る。
【0017】
もう1つの例において、アドレスは、基数mを有するn個の数字としてエンコードされる。いくつかの波長のうちの1つが選択される。候補の波長の数はm×nである。これは、アドレスが、光キャリアの波長のアドレスへの3進数、4進数、またはより高いレベルの符号化で表現されることに導く。アドレス空間は、3、4、または一般の場合にmである。与えられた総数の選択された波長について増加したアドレス空間、または任意の与えられたアドレス空間について選択された波長の数における減少が存在し、それによって、光キャリアあたりのビットレートが増加する。この方式は、正確なシナリオに依存して、与えられたアドレス空間についての候補の波長の数を増加または減少させ得る。
【0018】
追加の例において、M個の候補からn個の波長が、それらをグループに割り当てることなく、選択される。これは大きなアドレス空間を与え、かつ/または、候補の波長の数を減少させ、かつ照射された波長の数を減少させる。最大のアドレス空間はM!/((M−n)!×n!)である。
【0019】
もう1つの例において、アドレスは、(M/k個の波長からのn/k個)のk個のグループにエンコードされ、これは、結果として、繰り返しk回、アドレスラインの1/kにおいて[M/k個からn/k個を選択すること]になる。これらの例は組み合わされ得る。
【0020】
1つの実施例において、選択された波長はアドレスのシグナリングのためにのみ使用され、データペイロードを搬送しない。もう1つの実施例において、選択された波長はアドレスのシグナリングために使用され、一方、波長のいくつかまたは全てがデータペイロードも搬送する。
【0021】
図1は、パケットアドレス多波長デコーダ80を表わす。光子スイッチを通して送られるパケットストリームは、最初にパケットアドレスマッパー82へ進む。ルックアップ波長モジュール84は、電気的パケットのアドレスを読み取る。一例において、パケットアドレスがパケットヘッダから読み取られる。その代わりに、パケットアドレスはラッパーから読み取られ、またはラッパーによって生成される。
【0022】
そして、パケットストリームデータおよびパケットアドレス情報は、ルックアップ波長モジュール84に渡される。ルックアップ波長モジュール84は、パケットアドレスと波長の値のマッパーであり、これは対応するパケットについてパケットアドレスをエンコードするために波長を設定する。波長は、そのアドレスに基づいて、各々のパケットについて異なる。一例において、アドレス内のシンボルは、ビットが“0”であるか、または“1”であるかに依存して、2つの波長の値のうちの1つにマッピングされる。ビットが“0”ならば波長の1つが選択され、ビットが“1”ならば他の波長が選択される。従って、10個のビットアドレスについて、10個の別個の動作が発生し、各々はビットの値に基づいて2つの波長の値のうちの1つを選択する。従って、10ビットのアドレスについて、選択された20個の波長が存在する。
【0023】
選択された波長は、パケットとともに送信モジュール88に与えられる。送信モジュール88は、変調器のバンクを含む。一例において、パケットは逆多重化され、結果として各々の選択された波長についての逆多重化されたストリームとなる。もう1つの例において、パケットストリームは逆多重化機能をバイパスし、最高帯域幅のストリームが単一の電気−光変調器に与えられ、各々のストリームについてパケットの光学的な複製を作る。
【0024】
そして、パケットストリームは光スプリッタ90によって2つのストリームに分割される。1つのパケットストリームが光フィルタ94に与えられ、これはリング共振器であり得る。光フィルタ94は波長に従って光キャリアを分離する。これらの個々の光キャリアは光受信器92に与えられ、これはフィルタリングされた周波数で光電力の存在または不存在を測定する。光受信器92の出力はペアで論理ゲート96に与えられ、これは、第1入力で検出された電力および第2入力で検出された電力なしについて“1”を与え、または、第1入力で検出された電力なしおよび第2入力で検出された電力について“0”を与える。論理ゲート96の1つに進む波長のペアは、アドレスビットをエンコードする波長のペアである。
【0025】
遅延モジュール98は他のパケットストリームを遅延させる。光スイッチ01は、論理ゲート96からの出力に基づいて2つの出力ポートのうちの1つにこの光パケットストリームをルーティングする。光スイッチ01の第1の出力は、2つの次の段のスイッチの1つの入力に接続され、ここで、処理は段において続く。表わされている光スイッチ01は1:2スイッチであるが、より大きいスイッチが使用され得る。
【0026】
追加のパケットアドレスデコーダが、2012年1月27日に出願された、発明の名称を“Spectral Encoding of an Optical Label or Destination”とする米国仮特許出願第61/591,628号、2012年10月10日に出願された、発明の名称を“Optical Switching Device Using Spectral Trigger”とする米国特許出願ドケット番号第4194-52800号、および2012年1月27日に出願された、発明の名称を“Spectral Encoding of an Optical Label or Destination”とする米国仮特許出願ドケット番号第4194-52701号に開示され、これによってこれらの出願は参照によりここに組み込まれる。
【0027】
図2A、2Bは、パケットアドレス読み取り器86を表わす。パケットアドレス読み取り器86は、4個のシンボルのアドレスフィールを表わすが、より少ないまたはより多いアドレスシンボルが使用され得る。入力パケットストリームがパケットアドレス読み取り器16に与えられ、これは入力アドレスを抽出する。アドレスはn個のシンボルを有し、ここでn=4が図示されている。アドレスはn個の並列なシンボルとして抽出され、このシンボルは並列構成00へ進む。
【0028】
並列構成00は、論理インバータ08と並列の論理バッファゲート06を含む。論理バッファゲート06および論理インバータ08は、シンボルの値に基づいて光スイッチ04を駆動する。一例において、光スイッチ04は、小さいオン/オフ光スイッチである。光スイッチ04は、波長光源02の1つへの接続を開く。波長光源02のペアのうちの1つは、シンボルの値に基づいて光変調器22に接続される。
【0029】
一例において、逆多重化が使用される。並列のn個の光変調器22が存在する。パケットストリームが逆多重化器20に与えられ、これはパケット境界同期逆多重化器であり得る。逆多重化器20は、パケットストリームにおけるパケットを、n個の出力ラインについて逆多重化器への入力の1/nのレートでn個のより低速のデータストリームにおけるパケットフラグメントに変換し、これはn個の光変調器22に与えられる。これらのn個のデータストリームはn個の光変調器22に与えられてn個の異なる光キャリアを作る。組み合わせにおけるこれらのn個の光キャリアは、ルーティング情報および波長の両方、およびパケットデータを含む。
【0030】
もう1つの例において、逆多重化は使用されない。1つの光変調器23が存在する。選択された光キャリアは、広帯域光変調器である光変調器23において最高データレートでパケットデータを用いて変調されるマルチキャリア光信号に光学的に結合され得る。光変調器23は、元のデータレートで光信号のセットを変調する。図3は、シンボルの数n、使用される波長の数2n、アドレス空間、および入力ビットレートのパーセンテージとしてキャリアあたりのビットレート、の間の関係を表わす表60を表わす。アドレス空間は2n個の候補のキャリアから選択されたn個の光キャリアについて2個のアドレス位置を有する。例えば、20個の光キャリアから選択された10個の光キャリアについて、1024個のアドレスが存在し、キャリアあたりのビットレートは入力ビットレートの10.00%である。数千のアドレスフィールドについて、パケットストリームあたり多数のアクティブな光キャリアおよび多数のパケットストリームが存在し、結果として、データストリームあたりのたいへん低いデータレートになる。また、ストリームあたり多数のソース、変調器、および検出器が存在する。
【0031】
m進数符号化において、波長は、それぞれ、2つより多くの候補の波長のうちの1つから選択され得る。より多くの候補の波長から、与えられた数のアクティブな波長を選択することは、アドレス空間を増加させる。与えられた要求されたアドレス空間について、アクティブな光キャリアの数が減少されることが可能であり、それによって、光キャリアあたりのビットレートを増加させる。図4A、4Bは、選択された波長の数、使用される基数、アドレスフィールドサイズ、およびm進数符号化のための候補の光波長の数、の間の関係を表わす表40を表わす。基数mを使用する符号化ストリームについて、ここで、前の例においてmは2に等しく、n個の並列な光波長について、アドレス空間はm個であり、候補の光キャリアの数はm×nである。m=2かつn=10の場合について、2n=20個の候補の光キャリアを使用する2=1024個のアドレスのアドレス空間が存在する。しかし、変調前かつ受信後のアドレス指定経路にそれぞれ2進数のm進数への符号化器および復号化器を挿入することによって、アドレスフィールドサイズと波長の数の間の関係は変わり、それによって、m=3かつn=10について、アドレス空間は310=59,049に増加し、光キャリアの数は3n=30個の候補の光キャリアに増加する。m=4かつn=10について、アドレス空間は410=1,048,576にさらに増加し、一方、候補の光キャリアの数は4n=40個の光キャリアに増加する。従って、nを一定に保持してmを増加させることは、アドレス空間を増加させる。さらに、mを増加させることは、nを減少させ、一方、少なくとも同じ数のアドレスを維持する。例えば、m=3かつn=7は、21個の候補の波長を使用して2187個のアドレスを与え、nは30%減少される。m=4かつn=5について、1024個のアドレスが存在し、一方、アクティブな光キャリアの数は半減される。基数8(8進数)の符号化レベルを用いて、ほんの3個のアクティブな波長が4,096個までのアドレスをサポートでき、一方、10個の波長は80個の候補の波長を用いて10億個を超えるアドレスのアドレスフィールドをサポートする。80個の候補の波長は、実行可能な光キャリアの数の上限内であり、50GHzの光キャリア間隔配置を用いた標準の高密度波長分割多重(DWDM)に対応する。2進数論理符号化の利用可能性のために、基数4および8は実装に便利であり得る。
【0032】
一例として、5,000のアドレスフィールドについて、図5に表わされているm、nの値が十分である。図5は、2から20に及ぶ基数を有する、2(符号化なし)および3から8(異なる基数への符号変換を有する)に及ぶ基数mの各種形式について要求されるアクティブな波長の最低数を表わす表20を表わす。2進数符号化は、少なくとも5,000のアドレスフィールドを実現するために13個のアクティブな波長を要求する(m=2の13個の波長で8,192であるが、12個の波長は5,000より下である4,096個を与える)。しかし、他の基数への符号変換が適用された例を調べると、8進数符号化(基数8)は、ほんの5個のアクティブな光キャリアを用いた、十分に5,000を超える32,768個のアドレスフィールドを有する。8進数符号化を有する4個の光キャリアの使用は、ほんの4,096個のアドレスを実現し、これは、この例の目的の5,000に近いが足りない。20の基数において利益はさらに大きく、アドレスフィールドは、要求された例5,000を十分に超える、8,000のアドレス空間を与える、ほんの3個のアクティブな光キャリアを用いて実現される。しかし、図5に表わされているように、照射された波長の数の減少に加えて、与えられたアドレス空間(この場合において少なくとも5,000)についてmが増加するに連れて、候補の波長の数における増加が存在する。実際、1つの帯域において少なくとも80〜100個の候補の光キャリアを与える50GHz光グリッドを用いて動作する現在商業的に利用可能なDWDM送信を用いて波長の間隔配置の選択によって候補の波長の数は任意に大きくされ得るので、これは問題ではない。また、このチャネル間隔配置において動作するために、同調可能なデバイスおよび光フィルタ/多重化器が容易に入手可能である。さらに、12.5GHzに下げる、より密な波長グリッドが実装可能であることが示されており、これは単一の光帯域において20個までの候補の光波長を生じる。符号変換の適用によりmが増加するに連れて、アクティブな波長の数が減少し、従って、波長あたりのビットレートが増加する。図5において、これは、元のビットレートの1/13(0.077×元のビットレート)への基本(符号変換器のない)ビットレートの減少によって表わされている。しかし、20の符号化基数を用いて、ビットレートは元のビットレートの33%、または先行する基数系の性能の429%である。
【0033】
図6は、各々がm個の光キャリアから選択された、1つまたは複数の波長キャリアについて光パケットストリームを生成するために使用され得る多波長変調器10を表わし、ここでm>2である(すなわち、2進数/m進数符号変換が適用された)。キャリアの波長はm進数符号化方式におけるルーティングアドレスを搬送し、ここでmは整数である。入力パケットストリームはパケットアドレス読み取り器16に与えられる。逆多重化が存在し得る。逆多重化が使用されるとき、パケットストリームは、1/nのデータレートを有するn個の光キャリア上にパケットストリームを拡散させるパケット境界同期逆多重化器である逆多重化器20に与えられる。そして、逆多重化器20のn個の出力は、n個の光変調器22に与えられる。逆多重化なしの一例において、光キャリアは、光変調器23によって同じ全帯域幅のデータを用いて変調される。逆多重化の使用はキャリアあたりのビットレートを低くし、これはスイッチ横切るリンクの集積を改善し、各々の光キャリアの個々の使用にデータストリームの異なる部分を搬送させる。一方、逆多重化を使用しないことはより簡単であるが、より多くの帯域幅を占有する複製された光データストリームに導き、1つのストリームの光側波帯は隣接チャネルの光キャリア波長と重なるべきでないので、これは光チャネルの間隔配置を危うくし得る。
【0034】
逆多重化を用いて、または逆多重化なしで、全体の光パケットストリーム帯域幅は、1つのファイバー上で搬送され、多波長信号として1つのスイッチを通して与えられる。出力は光増幅器24によって増幅される。図示しない遠端光変換は、キャリアを光学的に逆多重化すること、およびキャリアを別個の光受信器に送信することを含む。逆多重化を用いて、n個の受信器のアレイは、元のパケットストリームを復元するために逆・逆多重化器を与え得る。逆多重化なしで、受信器は、全帯域幅において全体のパケットストリームのバージョンを生成する。スイッチを横切るリンクの集積が高速信号について限界に近いならば、複製されたコピーの各々は高い誤り率を有し得る。高い誤り率は、多数決のような組み合わせ技術を適用することによって劇的に減少され得る。
【0035】
パケットアドレスは、パケットの2進数アドレスを他の基数にマッピングするエンコーダ12に入る。図7は、エンコーダ12によって使用され得る2進数のm進数へのマッピングの例を表わす表50を表わす。エンコーダ12からの出力のいくつかのグループが存在し、ここで、各々のグループがm個のラインを有し、グループあたりただ1つのラインが一度にアクティブ化される。各グループ内のアクティブ化されたラインは、そのグループのm進数シンボルの値を示す。グループの数は、アドレスフィールドにおけるm進数シンボルの数に等しい。
【0036】
これらのアクティブなラインは集積型マッハツェンダー(Mach-Zehnder)スイッチのような小さく速い光オン/オフスイッチである光スイッチ14をアクティブ化する。これらのスイッチは、100Gb/sのストリームについて約1ナノ秒または40Gb/sのストリームについて2.5ナノ秒であるパケットストリームのパケットの間のパケット間ギャップの間に光キャリアをセットアップするために速くなければならない。光スイッチ14は波長生成器13に結合される。従って、光スイッチ14は選択されたソース、従って選択された波長を結合し、1つのm進数シンボルを光キャリアにエンコードする。グループあたり1つの光スイッチおよび1つの波長生成器がアクティブ化される。従って、n個の光キャリアは、m個のアドレスフィールドにおいてパケットデータとパケットアドレス情報を搬送する。n個のシンボルのm進数アドレスについて、候補の光キャリアの総数はm×nである。
【0037】
そして、選択された波長は、例えば光結合器からの損失をオフセットするために光増幅器18によって増幅される。逆多重化を用いて、選択された波長は光変調器22に与えられる。そして、光変調器22の出力は、元のデータレートの1/nで逆多重化されたパケットデータおよびm個のアドレスフィールドを含むn個の光キャリアを用いてマルチキャリア光信号を生成するために結合される。逆多重化なしで、選択された波長は光変調器23に与えられる。mの操作によって、与えられたnの値によって任意に大きなアドレスフィールドが作られ得る。その代わりに、与えられたサイズのアドレスフィールドについて、光キャリアあたりのビットレートの減少は、mおよびnの選択によって変動し得る。
【0038】
m進数符号化アプローチの実施例およびその実装は、m=2の場合についてであり、ここでkは整数である。図8は、多波長変調器10に類似した多波長変調器30を表わす。波長変調器30はm=2を必要とし、ここでkは1より大きい整数である。例えば、波長変調器30は、4進数、8進数、または16進数符号化のために使用され得る。2進数の2進数への符号化は、エンコーダ32によって実行され得る。2進数シンボルの特定のグループの、各々の2進数へのマッピングは、他の2進数シンボルの値と独立であるので、エンコーダ32は、エンコーダ12より小さく簡単な並列の符号化器によって実装され得る。
【0039】
エンコーダ32の出力は光スイッチ14に与えられる。エンコーダの出力は光スイッチのグループに与えられる。光スイッチ14は、各々のグループにおいて接続される1つの波長生成器13を選択する。出力は、光増幅器18によって増幅され、そして光変調器22または光変調器23に与えられ得る。
【0040】
多波長変調器10におけるように、入力パケットストリームはパケットアドレス読み取り器16に与えられ、そのパケットアドレスがエンコーダ32に与えられる。逆多重化が使用されるとき、パケットストリームは逆多重化器20に与えられ、出力は光変調器23に与えられる。しかし、逆多重化が使用されないとき、パケットストリームは光変調器22に与えられる。光変調器23または光変調器22の出力は光増幅器24に与えられる。
【0041】
多波長変調器10または多波長変調器30の出力は光子スイッチング機構に与えられ、ここでパケットレベルの光子スイッチングを行う。光子スイッチング機構を通したルーティングは、選択された波長によって搬送されるパケットアドレスによって判定される。
【0042】
多波長エンコードされたアドレスは、デコーダ、例えば図9に表わされている多波長デコーダ80によってデコードされ得る。入って来る光電力は分割される。いくつかの光電力はフィルタ82に送られる。そして、フィルタ82は候補の波長のうちの1つをフィルタ出力する。一例において、フィルタ82は光リング共振器同調フィルタであり得る。もう1つの例において、フィルタ82はアレイ導波路回折格子(AWG)波長分割多重(WDM)多重化器である。フィルタリングされた波長は、フィルタリングされた波長において光電力を検出する光受信器84に送られる。従って、アドレスは復元される。
【0043】
ゲート86は、有効なアドレスが存在するかどうかを判定するためにストローブラインおよびワードラインを受け入れる。デコードされた2進数シンボルは多段スイッチに与えられ、スイッチを通して接続を可能とするクロスポイントをセットアップする。1×2スコアスイッチを2×2マルチポートスイッチにするために、複数の入力ポートからの追加のデコードされたシグナリング・ルーティングが必要とされる。
【0044】
スプリッタからの光電力のバランスは、短い光遅延器である光遅延器88に渡される。光遅延器88はアドレスのデコードのための時間を許容する。一例において、遅延は数10ナノ秒である。遅延されたパケットは光スイッチ90に渡される。図示されているように、光スイッチ90は1×2スイッチ段である。その代わりに、1×16光スイッチ92のようなより複雑なスイッチが使用され得る。
【0045】
光受信器84はアドレスワードをデコーダ85に渡す。図示されているように、1×2スイッチ段のチェーンについて、デコーダ85はm進数の2進数へのデコーダである。最初のスイッチ段は、2進数アドレスの最上位ビットによって駆動され、一方、最終段は最下位ビットによって駆動される。その代わりに、デコーダ85はもう1つの形式にデコードされる。一例として、デコーダは、1:4スイッチ段とともに使用するために4進数出力またはペアにされた2進数ビット出力を与え得る。スイッチ段のサイズが符号化の基数に合致する、例えば、符号化の基数が6であり、1×6スイッチが使用される一実施例において、スイッチ段はデコーダ85なしで光受信器から直接に駆動され得る。デコーダ85は専用の論理機能によって実装され得る。その代わりに、デコーダ85は、ルックアップテーブルとして動作するようにエンコードされたリード・オンリ・メモリ(ROM)の使用によって作られ得る。
【0046】
図10は、多波長デコーダ80に類似した多波長デコーダ00を表わす。多波長デコーダ00はm=2であるときに使用され、ここで、kは1より大きい整数である。一例において、多波長デコーダ00はエンコーダ32を使用してエンコードされたアドレスをデコードするために使用される。多波長デコーダ80におけるように、入力光信号が分割され、一部はフィルタ82へ、そして光受信器84へ進む。光受信器84の出力はデコーダ02へ送られる。デコーダ02は2進数の2進数へのデコーダである。また、デコーダ02は、任意選択で、2進数のスイッチドライバへのデコーダを含み得る。デコーダ02の出力は、アドレスの有効性を判定するためにストローブラインを使用するゲート86を用いて検査される。
【0047】
光電力の残りの部分は光遅延器88へ、そして光スイッチ90または光スイッチ92へ与えられる。光スイッチ90または光スイッチ92は、デコーダ02からのアドレスを使用して光遅延器88からのデータ信号をスイッチングする。
【0048】
もう1つの例において、グループにおけるm個の候補の波長のうちのn個を選択する代わりに、M個の候補の波長のフィールドから1個より多くの波長が選択され得る。M個の候補の波長について、1番目の波長を選択するためにM個のやり方、2番目の波長を選択するためにM−1個のやり方、n番目の波長を選択するために(M−(n−1))個のやり方が存在する。選択の順序が重要であるとき、M!/n!個の組み合わせが存在する。選択の順序が重要でないとき、波長の選択におけるように、組み合わせの数は
【0049】
【数1】
【0050】
によって与えられる。n=10かつM=20について、アドレスフィールド内のアドレスの数は、184,756である。さらに、20個の候補の波長について、n=3を使用して、アドレスフィールド内に1,140個のアドレスが存在する、従って、10の代わりにほんの3個のアクティブなキャリア波長を用いて、与えられた元の解決手段よりやや多いアドレスフィールドが作られ得る。
【0051】
図11A〜11Cは、候補の波長の数および選択された波長の数についてのアドレスフィールドサイズを表わす表30を表わす。20またはより多くの候補の波長について、選択された少数の波長を用いて大変大きいアドレス空間が実現可能である。40個の候補の波長について、n=4について100,000個近くのアドレスが利用可能である。3または4ぐらい少ない選択された波長を用いて大きなデータセンターが作り上げられることが可能であり、結果として、波長あたり100Gb/sの信号が33.33Gb/sまたは25Gb/sに落とされる逆多重化となる。この状況において、100Gb/sのデータストリームのいくつかの具体例は、4×25Gb/sのサブストリームを使用し、従って、これらは、さらなる逆多重化なしで、(各々のストリームが複製なしで情報の別個の構成要素を搬送する)逆多重化の利点を有して、適切な波長の光キャリアに適用され得る。20個の波長から選択された4個の波長を使用する接続シグナリング方式は、4,845個のアドレスのアドレスフィールドサイズを有し、一方、40個からの4個の波長を使用するシグナリング方式は、(最大の既存のまたは計画されたデータセンターのTORの全数量より大きくなりそうな)91,390個のアドレスのアドレスフィールドサイズを有する。しかし、60個の波長から選択された4個の波長を使用する接続方式は、487,635個のアドレスのアドレスフィールドサイズを有する。40個の候補の波長またはより多くの使用は、地球上のインターネットのために十分なアドレスを作ることができる。例えば、60個の候補の波長から選択された10個のアクティブな波長は、753億個のアドレスのアドレスフィールドサイズを与える。
【0052】
図12は、M個の候補の波長からn個を選択する多波長エンコーダ40を表わす。多波長エンコーダ40において、光学的にフォーマットされたマルチキャリアパケットストリームが生成され、ここで、各々の選択された波長は全体のデータストリームの複製を有する。光学的にスイッチングされるパケットストリームはパケットアドレス読み取り器16に進入する。そして、パケットアドレスは、2進数のMのうちのnへのエンコーダであるエンコーダ41に送られる。エンコーダ41は、入って来る2進数アドレスを、M個の波長の候補のフィールドからちょうどn個の光キャリアの波長が選択される形式にエンコードする。エンコーダ41は論理を基にし得る。その代わりに、エンコーダ41は、例えばROMに記憶された、ルックアップテーブルを使用し得る。
【0053】
エンコーダ41は、そのM個の出力ラインのうちの特定のn個をアクティブ化し、対応するM個のうちのn個の関連付けされた光スイッチ14がアクティブ化されることを引き起こす。そして、光スイッチ14は、特定のM個のうちのn個の波長生成器13を光結合器42に接続する。例えば、光結合器42は、波長分割多重(WDM)多重化器である。そして、アドレスは、光結合器における損失をオフセットするために光増幅器18を通して、光変調器22へ渡される。n個の光キャリアの複合グループは、そのn個の構成キャリアの各々の波長の選択によってエンコードされたパケットアドレス情報を送信する。光変調器22は、パケットアドレス読み取り器16からのパケットストリームおよび選択されたn個の波長を変調する。パケットデータを搬送するマルチキャリア光信号およびパケットルーティングは多波長エンコーダ40から出力される。図12は逆多重化を表わしていないが、図8のそれに類似したn方向逆多重化が追加され得る。
【0054】
図13は、M個の候補の波長からn個の選択された波長について、パケットスイッチにおいてパケットストリームのアドレスに基づいて光波長を抽出および処理するための多波長検出器10を表わす。多波長検出器10は、エンコーダ41を使用してエンコードされたアドレスをデコードするために使用され得る。多波長デコーダ10は多波長デコーダ80に類似する。多波長デコーダ10の入力におけるアドレスフィールドは、m進数シンボルとしてではなく、M個の可能性からn個の値の選択を与えるために全ての波長にわたる特定の形式の符号化動作として扱われる。
【0055】
図示されているように、入力された光信号は分割され、電力の一部は、光リング共振器同調フィルタであり得るフィルタ82へ進む。その代わりに、フィルタ82は、AWG WDM逆多重化器であり得る。フィルタリングされた波長は、フィルタリングされた波長において光電力が存在するかどうかを判定する光受信器84、そしてデコーダ12へ進む。デコーダ12はMからのnの2進数へのデコーダである。任意選択で、デコーダ12は2進数のスイッチドライバへのデコーダも含む。出力波長は、有効なアドレスが存在するかどうかを判定するためにゲート86およびストローブラインによって検査される。
【0056】
入力された光パケットの他の部分は光遅延器88を通して光スイッチ90または光スイッチ92へ送られ、ここで、デコーダ12からのアドレスを用いてスイッチングされる。
【0057】
図14A、14Bは、Mからのn符号化の具体例を表わす表14を表わす。この場合において、n=4、M=8である。従って、この表は、8個の候補の波長のうちのいずれか4個の波長を選択する組み合わせを表わす。ユニークな組み合わせの数は、M!/(n!×(M−n)!)=8!/(4!×4!)によって与えられる70である。
【0058】
M個のフィールドから生成されるn個のアクティブなキャリアが常に存在するMからのn符号は、ルックアップテーブルによって、または論理的に、または、ルックアップテーブルと論理の組み合わせによって、生成されることが可能である。しかし、大きな値のnについて、エンコードは複雑になり得る。複雑さは、候補の波長をn/2個の2つのグループに分割することによって減少され得る。各々のグループにおいて、M/2個の候補の波長からn/2個の波長が選択される。しかし、これは、アドレス空間をいくぶん減少させる。n=10かつM=40を用いて、8億4800万個のアドレスが存在する。10個の選択された波長を、2つのグループの、グループあたり20個の候補の波長のうちの選択された5個の波長として扱い、2組の20のうちの5エンコーダおよびデコーダを使用することによって、約2億4000万個のアドレスが実現される。その代わりに、40個の候補の波長のうちの4個の波長の選択について、91,360個のアドレス位置が存在する。それを2組の20のうちの2エンコーダおよびデコーダに細分することによって、さらに36,100個の利用可能なアドレス位置が存在する。
【0059】
図15A、15Bは、候補の波長の数、選択された波長の数、およびM/2個のアドレスからn/2個を選択するための、2個のM/2のからのn/2多波長エンコーダの組み合わせからのアドレスフィールドのサイズ、の間の関係を表わす表190を表わす。この組み合わせは、1個のMからのnデコーダの代わりに、2個のM/2からのn/2デコーダを要求する。この符号化は、M個の候補の波長からn個の波長を単一選択する方法ほど効率的でないが、より簡単な符号化器または復号化器の使用を可能にする。1組の60からの4エンコーダおよびデコーダの代わりに、2組の30からの2エンコーダおよびデコーダを使用して、使用されるルックアップテーブルは、約88,000個のエントリではなく、870個のエントリを有する。これは、結果として、487,635から減少した189,225のアドレスフィールドサイズになる。n=10、M=40の例について、1個の40からの10符号化器の代わりに、2個の20からの5符号化器を使用することは、結果として、8億4800万個のエントリの単一のルックアップテーブルに対して、各々が15,504個のエントリの2個のルックアップテーブルとなる。
【0060】
もう1つの例において、2つより多くのサブブロックが組み合わせられ得る。より一般に、エンコードは、M/kからのn/kエンコーダおよびデコーダのセットについてであり得る。図16A、16Bは、候補の波長の数、選択された波長の数、および2、3、および4セットのM/kからのn/kエンコーダおよびデコーダについてのアドレスフィールドサイズ、を表わす表00を表わす。図17は、入れ子式のエンコーダを用いた多波長エンコーダ10を表わす。最初に、パケットストリームが受信され、パケットアドレス読み取り器16がパケットアドレスを読み取る。パケットアドレスはエンコーダ12およびエンコーダ14に送られる。エンコーダ12およびエンコーダ14は2つのM/2からのn/2エンコーダであり、これはルックアップテーブルによって、または論理によって実装され得る。2個のエンコーダが図示されているが、より多くのエンコーダが使用され得る。例えば、k個のM/kからのn/kエンコーダが存在し得る。エンコーダはnおよびMについて同じ値を有し得るか、または異なる値を有し得る。
【0061】
アドレスが、波長生成器13に結合された光スイッチ14に与えられる。光スイッチ14は、選択された波長生成器を、WDM多重化器であり得る光結合器42に接続する。これらのアドレスは、データおよびアドレスを含む光パケットストリームを作る光変調器22において、パケットアドレス読み取り器16から入力されたパケットストリームを用いて変調される。
【0062】
図18は、k回、M/k個の波長からn/k個を選択する、多波長デコーダ50を表わす。最初に、スプリッタ52は、入力された光データストリームを分割する。光電力の一部は、AWG WDM逆多重化器であり得るフィルタ54へ進む。その代わりに、光リング共振器がフィルタ54として使用され得る。フィルタ54からの出力は、フィルタリングされた波長において光電力を検出する光受信器84へ進む。光受信器84の出力はデコーダ56およびデコーダ58へ進む。2つのデコーダが図示されているが、より多くのデコーダ、または入れ子式のデコーダが使用され得る。デコーダは、図示されているように、各々が同じデコーダであり得る。その代わりに、デコーダは異なり得る。例えば、k個のM/kのうちのn/kデコーダが存在し得る。デコーダ56およびデコーダ58の出力はスイッチ60へ進み、場合によって、モジュール264において、有効性を判定するためにストローブに対して検査される。
【0063】
光電力の他の部分は光遅延器88、そしてスイッチ60へ進む。スイッチ60は単一のスイッチ、または一連のスイッチでり得る。スイッチ60はデータを用いて選択された波長を変調する。
【0064】
図19は、光データストリームにおいて光アドレスを多波長エンコードする方法のためのフローチャート20を表わす。最初に、ステップ22において、データのパケットアドレスが読み取られる。これは、ヘッダによってまたはラッパーによって判定され得るか、またはラッパーによって生成され得る。
【0065】
そして、任意選択で、ステップ24において、入力光子パケットが逆多重化される。例えば、アドレスがn個のシンボルを用いてエンコードされたならば、逆多重化によって、各々が1/nのデータレートを有するn個の逆多重化ストリームが生成される。
【0066】
一方、ステップ28において、アドレスがエンコードされる。一例において、アドレスはm進数符号化を用いてエンコードされ、ここで、m個の波長のうちの1個がn個のグループの各々について選択される。その代わりに、M個の候補の波長のうちのいずれかn個の波長が選択される。もう1つの例において、kセットの、M/k個の候補の波長のうちのn/k個の波長が選択される。エンコーダは、2進数形式のアドレスを所望の形式に変換する。そして、エンコードされたアドレスは、適切な波長生成器を1つまたは複数の光変調器に結合する。波長符号化が生成される。例えば、これは、符号化に基づいて光スイッチを使用して波長光源を接続することによって実行され得る。n個の波長光源のうちのm個の選択が選択され得る。その代わりに、M個の波長光源のうちのn個が接続され得る。
【0067】
最後に、ステップ32において、光データを含む光ストリームは生成された波長を変調する。出力は増幅され得る。出力信号は、波長においてエンコードされたデータおよびアドレスを含む。
【0068】
図20は、多波長デコードのためのフローチャート40を表わす。例えば、フローチャート40に表わされている方法は、フローチャート20によって表わされている方法を使用してエンコードされた多波長アドレスをデコードするために使用され得る。最初に、ステップ42において、入力光子パケットが分割される。波長の主要部分はステップ44へ進み、ここで、例えば数10ナノ秒だけ、任意選択で遅延される。遅延は、デコードされるアドレスに対して時間について与えられる。
【0069】
光信号の他の部分は、ステップ46において一連のフィルタによってフィルタリングされ、ここで、各々の波長について1つのフィルタが存在する。フィルタリングは、光リング共振器同調フィルタまたはAWG WDM逆多重化器によって実行され得る。そして、ステップ48において、波長によってフィルタリングされた出力光エネルギーは、各々の波長について光電力が存在するかどうかを判定するために検出される。
【0070】
次に、ステップ50において、検出された光エネルギーは任意選択でデコードされ得る。最後に、ステップ52において、光データは、光アドレスを用いてスイッチングされ、デコードされた信号を生成する。
【0071】
本開示においていくつかの実施例が提供されたが、開示されたシステムおよび方法は本開示の思想または範囲から逸脱することなく他の多くの具体的な形式で具現され得ることを理解すべきである。本例は限定ではなく例示として解釈されるべきであり、意図はここで与えられる詳細に制限されない。例えば、他のシステムにおいて様々な素子または構成要素が組み合わされ、または統合されることが可能であり、またはある特徴は省略され、または実装されないことが可能である。さらに、様々な実施例において別個または個々に説明され、表わされた技術、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく他のシステム、モジュール、技術、または方法を用いて組み合わされ、または統合され得る。互いに結合され、または直接に結合され、または通信するように表わされ、または説明された他の事項は、電気的、機械的、またはそれ以外であるにせよ、間接的に結合され、またはあるインタフェース、デバイス、または中間の構成要素を通して通信し得る。変形、代替、および変更の他の例は、この技術分野の当業者が確かめることができ、ここで開示された思想および範囲から逸脱することなく行われ得る。
【符号の説明】
【0072】
50、80、00 多波長デコーダ
54、82 フィルタ
80 パケットアドレス多波長デコーダ
86 パケットアドレス読み取り器
02 波長光源
10、40 多波長エンコーダ
10、30 多波長変調器
13 波長生成器
18 光増幅器
42 光結合器
84 光受信器
86 ゲート
88 光遅延器
10 多波長検出器
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20