【文献】
井上慶一郎,西川泰弘,(仮称)読売銀座2丁目ビル 凹形状平面をもつ高層商業施設,鉄構技術2007年5月号,日本,株式会社鋼構造出版,2007年 4月15日,第20巻,通巻第228号,56−62頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術では、前記屈曲柱部を配することで地上部分における上層側と下層側の面積変更を効率的に行うことができるものの、意匠面で評価が分かれる虞のある屈曲柱部が建物外観に現れるため、施主の評価次第では実施が困難になる問題がある。
【0004】
また、より下層から床面積を変更するのが望ましい場合でも、地上二階以上からしか床面積を変更できないなど、建物設計の自由度が低い問題もある。
【0005】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、上層側と下層側との間での面積変更を効率的に行うことができながら、その面積変更を実現する屈曲柱部が建物外観に現れるのを回避することができるとともに、建物設計の自由度も高めることのでき
る建物の建築方法、
及び、該建物を既存建物に替えて建築する建替
工法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の
第1発明に係る建築方法は、地下部分の外周部に配される柱部が、鉛直方向に沿う鉛直部と鉛直方向に交差する斜め部とを有した屈曲柱部に構成される建物の建築方法であって、
前記鉛直部としての下側部分と前記斜め部としての上側部分とを備えた前記屈曲柱部を構真柱とし、その構真柱の下側部分を地盤に建て込む工程と、
前記下側部分の建て込み後、
前記下側部分の上端が地盤から露出する状態で前記下側部分を埋め戻すとともに前記上側部分の配設スペースを掘削する工程と、
前記上
側部分を
前記下側部分の上端に連設する工程と、
前記上側部分の連設後、前記上側部分の周囲の地盤を逆打ち工法の開始レベルまで埋め戻す工程と、
前記上側部分の周囲を埋め戻した後、前記開始レベルから前記地下部分を逆打ち工法により形成する工程と、を備える
ものである。
【0010】
第1発明によれば、前記屈曲柱部により上層階側と下層階側との間での面積変更を効率的に行うことができながら、その屈曲柱部を地下部分の外周部に配することで、意匠面で評価の分かれる虞のある屈曲柱部が外観に現れるのを回避することができる。従って、施主の意匠面での評価にかかわらず実施をすることが可能になる。
しかも、例えば、隣地との境界側の地盤中の特定の深さに障害物等がある場合でも、その箇所だけ後退させるように屈曲柱部を適宜に屈曲させて地下部分を形成することができるから、その分、建物設計の自由度を大幅に高めることができる。
さらに、第1発明によれば、柱部全体として地盤への建て込みのできない前記屈曲柱部を備えた特定の地下区域について、地盤への建て込みが可能な前記下側部分(鉛直部)は地盤に建て込むとともに、地盤への建て込みの不能な前記上側部分(斜め部)は下側部分の上端に連設する。
【0011】
そして、屈曲柱部の上側部分の周囲も逆打ち工法の開始レベルまで埋め戻して、屈曲柱部を有した地下区域も他の地下区域と同じレベルとし、両区域を逆打ち工法で同時的に施工する。
【0012】
すなわち、この構成によれば、柱部全体として地盤に建て込みできない屈曲柱部を備えた特定の地下区域についても、他の地下区域と一緒に逆打ち工法により施工するから、地下部分の外周部における屈曲柱部の存在で、逆打ち工法の開始レベルを下げたり、前記屈曲柱部を有する特定の地下区域だけを別の工法で施工したりする非効率な工事を回避することができる。従って、地下部分の外周部に屈曲柱部を有する建物を効率的に建築することが可能になる。
【0013】
本発明の
第2発明に係る建替方法は、
地下部分の外周部に配される柱部が、鉛直方向に沿う鉛直部と鉛直方向に交差する斜め部とを有した屈曲柱部に構成される建物を既存建物に替えて建築する建替方法であって、
既存建物側に属する既存地下外壁又は既存土留め壁を残して既存建物側の構造体を解体し、残った既存地下外壁又は既存土留め壁の内側に新設土留め壁を施工し、その新設土留め壁の内側に新設の前記地下部分を形成するのに、
前記地下部分の上側を除く下側の深さ範囲の地盤に前記新設土留め壁を形成する工程と、
前記新設土留め壁の内側に前記鉛直部としての前記屈曲柱部の下側部分を形成する工程と、
前記斜め部として上方ほど外方に位置する外方広がり姿勢に構成された前記屈曲柱部の上側部分を、前記新設土留め壁の直上方空間に張り出し位置させる状態で前記屈曲柱部の下側部分に連設する工程と、を備える
ものである。
【0014】
第2発明によれば、前記屈曲柱部により上層階側と下層階側との間での面積変更を効率的に行うことができながら、その屈曲柱部を地下部分の外周部に配することで、意匠面で評価の分かれる虞のある屈曲柱部が外観に現れるのを回避することができる。従って、施主の意匠面での評価にかかわらず実施をすることが可能になる。
しかも、例えば、隣地との境界側の地盤中の特定の深さに障害物等がある場合でも、その箇所だけ後退させるように屈曲柱部を適宜に屈曲させて地下部分を形成することができるから、その分、建物設計の自由度を大幅に高めることができる。
さらに、第2発明によれば、既存地下外壁又は既存土留め壁の内側に新設土留め壁を形成して新設建物を建築するに当たり、土圧の影響の小さな上側部分を省く状態で新設土留め壁を形成するとともに、その新設土留め壁の形成を省いた省略空間(つまり、地下における新設土留め壁の直上方空間)に外方広がり姿勢の前記屈曲柱部の上側部分を張り出し位置させるから、その張り出し分だけ、新設建物の建築面積を広く確保することができ、敷地面積を効果的且つ効率的に活用することができる。
【0015】
本発明の
第3発明に係る建替方法は、
地下部分の外周部に配される柱部が、鉛直方向に沿う鉛直部と鉛直方向に交差する斜め部とを有した屈曲柱部に構成される建物を既存建物に替えて建築する建替方法であって、
既存建物側に属する既存土留め壁と、その既存土留め壁の内側に位置する既存地下外壁の少なくとも下側部分とを残して既存建物側の構造体を解体し、残った既存土留め壁及び既存地下外壁の内側に新設の前記地下部分を形成するのに、
前記既存地下外壁の下側部分の内側に前記鉛直部としての前記屈曲柱部の下側部分を形成する工程と、
前記斜め部として上方ほど外方に位置する外方広がり姿勢に構成された前記屈曲柱部の上側部分を、これに対応する前記既存地下外壁の上側部分を解体してなる空間に張り出し位置させる状態で前記屈曲柱部の下側部分に連設する工程と、を備える
ものである。
【0016】
第3発明によれば、前記屈曲柱部により上層階側と下層階側との間での面積変更を効率的に行うことができながら、その屈曲柱部を地下部分の外周部に配することで、意匠面で評価の分かれる虞のある屈曲柱部が外観に現れるのを回避することができる。従って、施主の意匠面での評価にかかわらず実施をすることが可能になる。
しかも、例えば、隣地との境界側の地盤中の特定の深さに障害物等がある場合でも、その箇所だけ後退させるように屈曲柱部を適宜に屈曲させて地下部分を形成することができるから、その分、建物設計の自由度を大幅に高めることができる。
さらに、第3発明によれば、既存土留め壁及びその内側の既存地下外壁を新設建物用の土留め壁に活用して新設建物を建築するに当たり、既存地下外壁のうちの土圧の影響の小さな上側部分を解体し、その解体空間(つまり、地下における既存地下外壁の直上方空間)に外方広がり姿勢の前記屈曲柱部の上側部分を張り出し位置させるから、その張り出し分だけ、新設建物の建築面積を広く確保することができ、敷地面積を効果的且つ効率的に活用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
図6は、地上部分Bgと地下部分Buを備えた鉄筋コンクリート造の建物Bを示し、この建物Bは、地上部分Bg及び地下部分Buの各柱部1のうち、地下部分Buの外周部の一部の箇所に屈曲柱部2を配して構成してある。なお、3は隣接する柱部1どうしの間に亘らせた梁、4は梁の上部に一体的に支持させた床版、9は基礎である。
【0019】
前記屈曲柱部2の上側部分2A(鉛直方向に交差する斜め部の一例)は、鉛直方向に交差する斜め姿勢として、上方ほど外方に位置する外方広がりの斜め姿勢に構成するとともに、屈曲柱部2の下側部分2B(鉛直方向に沿う鉛直部の一例)は、鉛直方向に沿う鉛直姿勢に構成してある。
【0020】
つまり、この建物Bは、地下部分Buの外周部に配された屈曲柱部2の上側部分2Aを外方広がりの斜め姿勢にすることで、地下部分Buの上層側となる地上部分Bgの床面積を地下部分Buよりも拡大する構成にしてある。
【0021】
上述の如く構成された建物Bを逆打ち工法を採用して建築する建築方法について説明する。
【0022】
まず、
図1に示すように、建築計画地の地盤Gの外周側に土留め壁5を形成する。前記土留め壁5は、ソイルセメント柱列山留め壁(SMW)やソイルセメント連続壁(TDR)、又は、その他の種々の壁体により構成することができる。
【0023】
前記土留め壁5を形成したのち、土留め壁5の内側の各構真柱設置予定箇所に対して、構真柱としての地下部分Buの柱部1、及び、それを固定支持するための構真台柱7を形成するための設置孔8を掘削する。
【0024】
そして、各設置孔8の内部にコンクリートを打設して構真台柱7を形成するとともに、各構真台柱7の硬化前に構真台柱7内に構真柱としての柱部1を挿入する。このとき、地下部分Buの柱部1のうちの外周部の屈曲柱部2については、鉛直姿勢の下側部分2Bのみを建て込む。
【0025】
図2に示すように、建て込まれた各柱部1の周囲を土砂で埋め戻す。このとき、地下部分Buの柱部1のうちの前記屈曲柱部2については、鉛直姿勢の下側部分2Bの周囲のみを埋め戻す。なお、孔壁保護水等の関係から鉛直姿勢の下側部分2Bの上部も埋め戻すようにしてもよい。
【0026】
そして、屈曲柱部2の上側部分2Aの配置空間S1(つまり、屈曲柱部2の下側部分の横外方における下側部分の上端レベルよりも上方側の空間)を別途に土留め壁を形成しない工法(例えば深礎工法等)で掘削する。
【0027】
その後、掘削により形成した空間S1内において、露出状態にある屈曲柱部2の下側部分2Bの上端に対して屈曲柱部2の上側部分2Aを連設し、
図3に示すように、屈曲柱部2の上側部分2Aの周囲を逆打ち工法の開始レベルまで埋め戻す。
【0028】
逆打ち工法の開始レベルとしての埋め戻しレベルは、地下部分Buを逆打ち工法により形成するに当たり、屈曲柱部2の上側部分2Aの周囲に崩落等が生じずに他の区域と同一又は略同一レベルの構造体の形成作業を行える範囲のレベルであればよい。
【0029】
その後、
図4に示すように、屈曲柱部2を有する地下区域、及び、鉛直姿勢の柱部1のみで屈曲柱部2を有しない地下区域の両方について、地下一階の梁下近傍レベルまで掘削し、地下一階の梁3と地上一階の床版4を形成する。
【0030】
そして、
図5に示すように、地上一階の床版4を作業床として、地上一階の梁3と地上二階の床版4を形成するとともに、地下二階の梁下近傍レベルまで掘削して地下二階の梁3と地下一階の床版4を形成する。
【0031】
同様の手法により、地上部分Bgの形成を上方に向かって進めるとともに、地下部分Buの形成を下方に向かって進め、
図6に示すように、地上部分Bgと地下部分Buとを備えた鉄筋コンクリート造の建物Bの建築を完了する。
【0032】
つまり、この建物Bの建築工法は、柱部全体として地盤Gへの建て込みのできない屈曲柱部2を備えた特定の地下区域について、地盤Gへの建て込みが可能な鉛直姿勢の下側部分2Bのみを地盤Gに建て込むとともに、地盤Gへの建て込みの不能な斜め姿勢の上側部分2Aは別途の掘削後に下側部分2Bの上端に連設して埋め戻し、屈曲柱部2も構真柱として構成することで、屈曲柱部2を有した地下区域についても他の地下区域と一緒に逆打ち工法により形成するようにしてある。
【0033】
それ故に、地下部分Buの外周部における一部の屈曲柱部2の存在で、全体としての逆打ち工法の開始レベルを下げたり、屈曲柱部2を有する特定の地下区域だけを別の工法で施工したりする非効率な工事を回避することができ、地下部分Buの外周部に屈曲柱部2を有する建物Bを効率的に建築することができる。
【0034】
[第2実施形態]
図7〜
図9は、地上部分Bgと地下部分Buとを備え、且つ、地下部分Buの外周部の一部の箇所に屈曲柱部2を配して構成してある建物B(
図9参照)を、既存建物B´に替えて建築する建替工法を示す。なお、本例では、既存建物B´が地上二階、地下一階の構造である場合を例に挙げて説明する。
【0035】
まず、
図7に示すように、既存建物B´側に属する既存土留め壁10を残して、既存建物B´を解体する。既存建物B´の地下部分の解体空間については敢えて埋め戻す必要はないが、本例では解体ガラ等で埋め戻す。
【0036】
次に、
図8に示すように、既存土留め壁10の内側に、既存建物B´よりも地階が深くなる新設建物Bの地下部分Buに対応して既存土留め壁10よりも深い領域に新設土留め壁5を形成する。
【0037】
このとき、新設土留め壁5は、後述する屈曲柱部2の上側部分2Aを張り出し位置させる空間S2を上方に形成するように該空間S2の下方領域に形成する。つまり、新設土留め壁5は、新設建物Bの地下部分Buの上側部分を省いて下側部分にだけ形成する。そして、新設建物Bの地下部分Buの形成領域を掘削する。
【0038】
なお、新設土留め壁5の上側部分への土圧の影響は小さく、且つ、外側に既存土留め壁10が存在するため、該上側部分を省いても特に問題はない。
【0039】
その後、
図9に示すように、基礎9と地下二階の床版4、及び、地下二階の柱部1、梁3、地下一階の床版4を形成し、順次、上方に向かって地下部分Buの施工を進める。このとき、地下一階の柱部1に相当する屈曲柱部2の上側部分2Aについては、新設土留め壁5の形成を省いた省略空間S2(つまり、地下における新設土留め壁5の直上方空間)に張り出し位置させる状態で形成する。そして、同様に、順次、上方に向かって地上部分Bgの施工を進めて建物Bの建築を完了する。
【0040】
つまり、この建替工法によれば、土圧の小さな上側部分を省く状態で新設土留め壁5を形成するとともに、その新設土留め壁5の形成を省いた省略空間S2(つまり、地下空間における新設土留め壁5の直上方空間)に外方広がり姿勢の前記屈曲柱部2の上側部分2Aを張り出し位置させることで、その張り出し分だけ、新設建物Bの建築面積を広く確保することができ、敷地面積を効果的且つ効率的に活用することができる。
【0041】
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0042】
[第3実施形態]
図10〜
図12は、地上部分Bgと地下部分Buとを備え、且つ、地下部分Buの外周部の一部の箇所に屈曲柱部2を配して構成してある建物B(
図12参照)を、既存建物B´に替えて建築する建替工法の別実施形態を示す。なお、本例では、既存建物B´が地上二階、地下二階の構造である場合を例に挙げて説明する。
【0043】
まず、
図10に示すように、既存建物B´側に属する既存土留め壁10と、既存建物B´の地下外壁11(本例では、地下の外周部の壁と柱と梁)の少なくとも下側部分とを残して既存建物B´を解体し、第2実施形態同様、既存建物B´の地下部分の解体空間は解体ガラ等で埋め戻す。
【0044】
このとき、地下外壁11の上側部分は、後に形成する屈曲柱部2の上側部分2Aが張り出し位置させるための空間S3を形成するように解体する。地下外壁11の上側部分にかかる土圧の影響は小さいため、この部分を解体しても特に問題はない。なお、地下外壁11の上側部分の解体は、地下部分Buの形成領域の掘削時や屈曲柱部2の上側部分2Aの形成時等であってもよい。そして、
図11に示すように、新設建物Bの地下部分Buの形成領域を掘削する。
【0045】
その後、
図12に示すように、基礎9と地下二階の床版4、及び、地下二階の柱部1、梁3、地下一階の床版4を形成し、順次、上方に向かって施工を進める。このとき、地下一階の柱部1に相当する屈曲柱部2の上側部分2Aについては、既存建物B´の地下外壁11の解体空間S3(つまり、残した地下外壁11の下側部分の直上方空間)に張り出し位置させる状態で形成する。その後、同様に地上部分を上方に向かって順次に形成して建物Bの建築を完了する。
【0046】
つまり、この建替工法によれば、既存土留め壁10及びその内側の既存地下外壁11の下側部分を新設建物B用の土留め壁として活用するとともに、既存地下外壁11のうち、受ける土圧の小さな上側部分を解体し、その解体空間S3(つまり、地下における既存地下外壁11の直上方空間)に外方広がり姿勢の前記屈曲柱部2の上側部分2Aを張り出し位置させることで、その張り出し分だけ、新設建物Bの建築面積を広く確保することができ、敷地面積を効果的且つ効率的に活用することができる。
【0047】
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0048】
〔別実施形態〕
(1)屈曲柱部2は、前述の各実施形態で示した如き隣接階どうしの間で屈曲するものに限らず、特定階の上下方向中間位置で屈曲するもの等であってもよい。
【0049】
(2)また、屈曲柱部2は、前述の各実施形態で示した如き直線的に折れ曲がるものに限らず、曲線的に曲がるもの等であってもよい。
【0050】
(3)前述の第1実施形態では、地下部分Buの外周部に配された屈曲柱部2の上側部分2Aを外方広がりの斜め姿勢にすることで、地下部分Buの上層側となる地上部分Bgの床面積を地下部分Buよりも拡大する構成にする場合を例に示したが、例えば、屈曲柱部2の上側部分2Aを上方ほど内方に位置する内方窄まりの斜め姿勢にすることで、地上部分Bgの下層側となる地下部分Buの床面積を地上部分Bgよりも拡大する構成にしてもよい。
【0051】
(4)前述の第2実施形態では、既存土留め壁10を除く既存建物B´側の構造体を全て解体する場合を例に示したが、既存土留め壁10と既存建物B′の地下外壁との結合状態が強くて、既存土留め壁10を損傷させずに既存地下外壁を解体するのが困難な場合には、既存建物B´側の構造体として既存土留め壁10と既存地下外壁を残して、その地下外壁の内側に新設土留め壁10を形成するようにしてもよい。その際、例えば、地下外壁における壁体よりも厚い箇所(柱部や梁部の一部)を削ぎ落とす等により、壁体の厚み分だけを残すようにしてもよい。
【0052】
(5)前述の第2、第3実施形態では、新設建物Bの地下部分Buを順打ち工法により上方に向かって形成する場合を例に示したが、逆打ち工法により下方に向かって形成するようにしてもよい。
【0053】
(6)前述の第3実施形態では、既存建物B´における地下外壁11として壁体と柱部と梁部とを残す場合を例に示したが、地下外壁11における壁体よりも厚い箇所(柱部や梁部の一部)を削ぎ落とす等により、壁体の厚み分だけを残すようにしてもよい。
【0054】
(7)前述の第2、第3実施形態において、新設建物Bの地下部分Buを構築する際には、必要に応じて、土留め部分に切梁等を架設したり、切梁等の代わりに既存建物B´の梁を残したりしてもよい。