(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記推定手段は、上記電子機器から取得する上記操作履歴情報に含まれる特定の操作情報に基づいて、上記ユーザーが所望する上記動作を推定する、ことを特徴とする請求項1に記載の操作補助システム。
上記決定結果と、上記所望する動作の実行に必要な操作情報とを関連付けたデータを上記データベースに追加するか、または当該データによって上記データベースを更新するデータ更新手段を更に備えていることを特徴とする請求項9に記載のサーバー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の従来技術は何れも、先述した「家電機器が故障してしまったと誤認したユーザー」からの故障通報に着目していない。つまり、従来技術は何れも、故障通報総数を低減させようという発想が無い。
【0010】
そこで、本願発明者らは、電子機器が故障してしまったと誤認したユーザーのなかには、誤認であると判れば、通報せずに、操作をやり直すなど自身で解決方法を模索して解決に至るユーザーもいるはずであると考え、本発明を想起した。通報せずに自身で解決方法を模索するユーザーが増加すれば、故障通報総数を低減させることができ、故障通報された電子機器の修理を長時間放置する事態を解消することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、電子機器に対するユーザーの操作をサポートする操作補助システム、当該システムに備えられたサーバー、電子機器およびモジュール、並びに、プログラムを提供することにある。
【0012】
そこで、本発明に係る操作補助システムは、上記の課題を解決するために、
電子機器とサーバーとを備えている操作補助システムであって、
上記電子機器は、
機器可動手段と、
上記機器可動手段の動作を設定するためにユーザーによって操作される操作手段と、
上記操作手段の操作履歴情報を記録する記録手段と、
補助を求める要求信号を生成する補助要求手段と、
上記要求信号を取得すると、上記操作履歴情報を、ネットワークを介して上記サーバーへ送信する電子機器側通信手段と、
上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な操作を決定した決定結果を、ネットワークを介して上記サーバーから取得する電子機器側取得手段と、
を備え、
上記サーバーは、
上記操作履歴情報を上記電子機器から取得するサーバー側取得手段と、
上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作を推定する推定手段と、
上記推定手段の推定結果に基づいて、上記所望する動作の実行に必要な操作を決定する実行操作決定手段と、
上記実行操作決定手段の決定結果を、ネットワークを介して上記電子機器に送信するサーバー側通信手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を電子機器の機器可動手段に実行させることができる。
【0014】
また、本発明に係る操作補助システムは、上記の構成に加えて、
上記サーバーは、上記機器可動手段に或る動作を実行させるために必要な上記操作手段の操作手順が上記機器可動手段の動作ごとに蓄積されたデータベースを更に備え、
上記推定手段は、上記電子機器から取得した上記操作履歴情報を、上記データベースと照合して、合致する当該操作手順の一部を検索して、合致した当該一部を含む操作手順によって実行される上記機器可動手段の動作を、上記ユーザーが所望する上記動作として推定することができる。
【0015】
上記の構成によれば、例えば、新たな機能が追加された商品を購入したユーザーにとって未経験の事象が生じた場合でも的確な解決策を提供することができるというメリットがある。また、あらかじめ設計者が想定した手順誤りだけでなく、不特定多数のユーザーにより実際に発生した事例情報を用いることで、ユーザーが間違えやすい操作手順をランキング化するなどにより推定精度を上げることができる(速やかに解決策を提示することができる)というメリットがある。
【0016】
また、本発明に係る操作補助システムは、上記の構成に代えて、
上記推定手段は、上記電子機器から取得する上記操作履歴情報に含まれる特定の操作情報に基づいて、上記ユーザーが所望する上記動作を推定することも可能である。
【0017】
上記の構成によれば、例えば、「もしかして○○では?」とユーザーの操作ミスあるいは周囲の阻害要因を婉曲的に示唆することで、ユーザー自身が冷静に自身の操作履歴を振り返り、誤操作や周囲環境異常に気づきやすくなる。これによりユーザーの納得性、安心感、信頼感が高まる。また、機器の操作手順誤りや機器故障等がない場合の、ユーザの所望動作推定精度を上げることができる。
【0018】
また、本発明に係る操作補助システムは、上記の構成に加えて、
上記電子機器は、上記機器可動手段の動作状況を検知する検知手段を更に備え、
上記電子機器側通信手段は、上記要求信号を取得すると、上記操作履歴情報と上記検知手段の検知結果とを、ネットワークを介して上記サーバーへ送信する、
ことが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、検知手段によって、機器可動手段の現状を把握することができ、実行操作決定手段による対応操作決定過程において、この現状を考慮した決定結果を求めることが可能となる。
【0020】
また、検知手段を用いれば、電子機器が故障しているか否かを検知することができ、ユーザー側の操作手段の操作方法に誤りがあるのか、電子機器が故障して操作手段の操作情報に従った動作の実行ができないのかを判断することができる。
【0021】
また、本発明に係る操作補助システムは、上記の構成に加えて、
上記電子機器は、上記電子機器側取得手段が取得した上記決定結果を提示する提示手段を更に備えている、
ことが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、電子機器のユーザーが、提示手段に提示された上記決定結果に基づいて所望している動作が実現されるように対応することが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る操作補助システムは、上記の構成に加えて、
上記決定結果は、上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な、上記操作手段の操作手順を示している、
ことが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、ユーザーが当初の操作手段の操作方法を誤っていた場合に、正しい操作手順をユーザーに対して提示することができる。これにより、機器可動手段に対してユーザーが所望する動作を実行することが可能となる。
【0025】
また、本発明に係る操作補助システムは、上記の構成に加えて、
上記決定結果は、上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な、上記電子機器の周辺環境の整備手順を示している、
ことが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、例えば、ユーザーの操作手段の操作方法に問題がない場合であっても所望している動作が実行されないことがある。具体的には、電子機器として洗濯機を例示することができるが、この洗濯機において投入された洗濯物が所定の重量を超過している場合には洗濯や脱水が実行されない場合がある。これはユーザー側の操作手段の操作手順ではなく、洗濯機の周辺環境である洗濯物量が、ユーザーの所望する動作の実行を妨げている。そこで、対応操作決定手段によって生成される決定結果が、上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な、上記電子機器の周辺環境の整備手順を示していることによって、上述の洗濯機の場合では、ユーザーが洗濯物の一部を取り除いて減量することにより、所望する動作を実行することが可能となる。
【0027】
本発明に係る操作補助方法は、上記の課題を解決するために、
電子機器とサーバーとを備えている上述の構成を具備した操作補助システムにおける操作補助方法であって、
ユーザーによる、上記電子機器の機器可動手段の動作を設定するための上記電子機器の操作手段の操作、を受け付ける操作受付工程と、
上記操作受付工程の操作履歴情報を上記電子機器において記録する記録工程と、
補助を求める要求信号を上記電子機器において生成する補助要求工程と、
上記要求信号を取得して、上記操作履歴情報を、ネットワークを介して上記電子機器から上記サーバーへ送信する電子機器側通信工程と、
上記操作履歴情報を上記サーバーが取得するサーバー側取得工程と、
上記サーバーにおいて上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作を推定する推定工程と、
上記推定工程の推定結果に基づいて、上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な操作を上記サーバーにおいて決定する実行動作決定工程と、
上記実行動作決定工程の決定結果を、ネットワークを介して上記サーバーから上記電子機器に送信するサーバー側通信工程と、
上記決定結果を、上記電子機器がネットワークを介して上記サーバーから取得する電子機器側取得工程と、
を含むことを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を電子機器の機器可動手段に実行させることができる。
【0029】
本発明に係る電子機器は、上記の課題を解決するために、
サーバーと通信する電子機器であって、
機器可動手段と、
上記機器可動手段の動作を設定するためにユーザーによって操作される操作手段と、
上記操作手段の操作履歴情報を記録する記録手段と、
補助を求める要求信号を生成する補助要求手段と、
上記要求信号を取得すると、上記操作履歴情報を、ネットワークを介して上記サーバーへ送信する電子機器側通信手段と、
上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な操作を決定した決定結果を、ネットワークを介して上記サーバーから取得する電子機器側取得手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を電子機器の機器可動手段に実行させることができる。
【0031】
本発明に係るサーバーは、上記の課題を解決するために、
電子機器と通信するサーバーであって、
上記操作履歴情報を上記電子機器から取得するサーバー側取得手段と、
上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作を推定する推定手段と、
上記推定手段の推定結果に基づいて、上記所望する動作の実行に必要な操作を決定する実行操作決定手段と、
上記実行操作決定手段の決定結果を、ネットワークを介して上記電子機器に送信するサーバー側通信手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を電子機器の機器可動手段に実行させることができる。
【0033】
本発明に係るモジュールは、上記の課題を解決するために、
機器可動手段と、
上記機器可動手段の動作を設定するためにユーザーによって操作される操作手段と、
を備えている電子機器に設けられているモジュールであって、
上記操作手段の操作履歴情報を記録する記録手段と、
補助を求める要求信号を生成する補助要求手段と、
上記要求信号を取得すると、上記操作履歴情報を、ネットワークを介して上記サーバーへ送信する電子機器側通信手段と、
上記機器可動手段に対してユーザーが所望する動作の実行に必要な操作を決定した決定結果を、ネットワークを介して上記サーバーから取得する電子機器側取得手段と、
を有している、
ことを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を電子機器の機器可動手段に実行させることができる。
【0035】
なお、上記モジュールは、コンピュータによって実現してもよい。この場合、上記モジュールが備える上記各手段としてコンピュータを動作させることにより上記モジュールをコンピュータにおいて実現するプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0036】
また、上記サーバーは、コンピュータによって実現してもよい。この場合、上記サーバーが備える上記各手段としてコンピュータを動作させることにより上記電子機器をコンピュータにおいて実現するプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、電子機器のユーザーに対してその操作をサポートする操作補助システム、当該システムに備えられたサーバー、電子機器およびモジュール、並びに、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
〔実施形態1〕
本発明に係る操作補助システムの一実施形態について、
図1から
図7に基づいて説明する。
【0040】
なお、本実施形態1では、本発明に係る電子機器の一例として洗濯機を例示して、洗濯機とサーバーとを備えた操作補助システムの一形態について説明するが、本発明に係る電子機器は洗濯機に限定されるものではない。
【0041】
図1は、本実施形態1の操作補助システムの要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態1の操作補助システム50は、洗濯機10(電子機器)と、サーバー20とを備えている。また、洗濯機10と、サーバー20とは、ネットワーク30によって互いに通信可能である。
【0042】
(操作補助システム50の利用形態)
本実施形態1の操作補助システム50は、洗濯機10のユーザーが、洗濯機の機器可動部11(機器可動手段)に所望の動作を実行させようと操作部12(操作手段)を操作するも、その操作が間違っているが故に当該動作が実行されない場合に、操作部12の正しい操作方法(操作補助情報)をサーバー20から入手して洗濯機10の提示部13(提示手段)に提示するシステムである。ユーザーは、提示された正しい操作方法に沿って操作部12の操作をやり直すことによって、機器可動部11に所望の動作を実行させることができる。ここで、本実施形態1において特徴的な点としては、サーバー20が、ユーザーがおこなった操作部12の操作(誤った操作)に基づいて、ユーザーが機器可動部11に所望している動作を推定し、その動作を実現するための(ユーザーによる)操作部12の操作手順を決める点にある。
【0043】
まず、洗濯機10とサーバー20の各構成を説明し、続いて、本実施形態1の操作補助システムのフローを説明する。
【0044】
(洗濯機10の構成)
洗濯機10は、
図1に示すように、機器可動部11と、操作部12と、提示部13と、ガイドボタン14(補助要求手段)、記録部15(記録手段)および機器側通信部16(電子機器側通信手段、電子機器側取得手段)を有する操作補助モジュール100と、駆動部17とを有している。
【0045】
図2は、洗濯機10の構成を示す図であり、
図2の(a)が全体構成を示す斜視図であり、
図2の(b)が操作部12を拡大して示す部分拡大図であり、
図2の(c)が提示部13およびガイドボタン14を拡大して示す部分拡大図である。
【0046】
機器可動部11は、洗濯槽および洗濯槽内の洗濯物を洗濯するための部材(撹拌機構など)を含む、洗濯をおこなう部分である。
図2の(a)には、洗濯槽がいわゆるドラム式の態様で示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。機器可動部11は、
図1に示す駆動部17によって駆動される構成となっている。機器可動部11の動作は、後述するように、ユーザーによる操作部12の操作によって設定(制御)される。
【0047】
駆動部17は、
図1に示すように、機器可動部11に接続し、機器可動部11を駆動する部材である。ユーザーが操作部12を操作した操作情報を取得して、その操作情報に応じた動作が機器可動部11において実現されるように機器可動部11を制御し駆動する。
【0048】
操作部12は、洗濯機10(機器可動部11)においてどのような洗濯をおこなうかをユーザーが設定(選択)できるように複数のボタンを有している。換言すれば、操作部12は、ユーザーによる、洗濯機10(機器可動部11)の動作を設定するための操作を受け付ける。
図2の(b)では、操作部12は、電源ボタン12Aと、洗濯モードを選択する領域12Bと、詳細条件を選択する領域12Cと、スタート/ストップボタン12Dとに大別される。
【0049】
電源ボタン12Aは、洗濯機10の電源であり、オン/オフを切り替えることができる。洗濯モードを選択する領域12Bには、洗いとすすぎと脱水とから構成される「通常」モード、注水とすすぎと脱水とから構成される「すすぎ」モードと、脱水のみから構成される「脱水のみ」モード、および、通常モードに比べて念入りに洗いとすすぎと脱水をおこなう「念入り」モードが含まれる。詳細条件を選択する領域12Cには、洗い、すすぎ、脱水の各ステップの詳細条件を選択することができる構成となっており、洗いの期間を10分間、20分間、30分間の三択から選択することができる。また、すすぎの回数を、1回、2回の二択から選択することができる。また、脱水の期間を5分間、10分間、15分間の三択から選択することができる。スタート/ストップボタン12Dは、機器可動部11の動作の開始と停止(一時停止を含む)とを入力するためのボタンである。ユーザーにより上述の各モードあるいは各詳細条件が設定されている状態でスタート/ストップボタン12Dが押下されるとその設定条件において機器可動部11の動作を開始し、動作が開始している状態においてスタート/ストップボタン12Dが再び押下されると動作が停止する。
【0050】
このような操作部12において、ユーザーがいずれかのボタンを操作すると、その情報は記録部15に送信されて記録される。
【0051】
本実施形態1における特徴の一つは、ユーザーが操作部12を操作する(ボタンを押下する)情報は、たとえそのボタンに関連付けられる動作が機器可動部11において実現されない場合であっても記録部15に送信され、記録部15において記録される点にある。一例をあげると、洗濯モードを選択する領域12Bにおいて「念入り」モードが選択されている状態では、詳細条件を選択する領域12Cの各ボタンは押下しても選択することができない。しかし、「念入り」モードが選択されている状態で、洗濯モードを選択する領域12Bのいずれかのボタンが押下された場合、押下されたボタンに関連付けられる動作は実行されないものの、押下したという情報は記録部15に送信されて記録される。
【0052】
なお、操作部12は複数のボタンをユーザーにより操作させる構成となっているが、本発明はボタンの形態に限定されるものではなく、タッチパネルの形態によって実現してもよい。
【0053】
ガイドボタン14は、ユーザーが操作補助を求める際にユーザーが押下するボタンである。ガイドボタン14がユーザーにより押下されると、操作部12の操作方法についての補助を求める要求信号を記録部15が取得する構成となっている。詳細は後述するが、ガイドボタン14が押下されると、提示部13に操作部12の操作方法についての補助する操作補助情報が提示される構成となっている。
【0054】
なお、ガイドボタン14は、操作部12の一区画に配設されてもよい。すなわち、ガイドボタン14はその機能が実現される限りにおいて、配設箇所を問わない。また操作部12と同じく、ガイドボタン14はタッチパネルによって実現されてもよい。
【0055】
提示部13は、表示パネルであり、液晶表示パネルや有機ELパネルなどの従来周知の構成することができる。提示部13には、後述するサーバーからの情報が提示される。
【0056】
なお、本実施形態1では、提示部13を表示パネルから構成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、サーバーからの情報は音声によってユーザーに提示されてもよく、この場合には、提示部13をスピーカーから構成することが可能である。
【0057】
記録部15は、操作部12から送信される操作情報を取得してこれを記録し操作履歴情報を作成する。上述したように、記録部15には、操作部12のボタンの押下情報が全て操作部12から送信され、この押下情報も含めた操作履歴情報を作成する。また、記録部15は、ユーザーによりガイドボタン14が押下された情報(要求信号)を取得する。記録部15は、ガイドボタン14が押下された情報を取得すると、当該情報がトリガとなって上記操作履歴情報を機器側通信部16に送信する構成となっている。記録部15は、メモリを有して構成すればよい。
【0058】
機器側通信部16は、ネットワーク30を介してサーバー20と通信する機能を有し、記録部15と、提示部13とに接続している。機器側通信部16は、記録部15から取得した操作履歴情報をサーバー20に送信する。
【0059】
ここでネットワーク30とは、有線であっても無線であってもよく。従来周知のネットワークを適用することができる。
【0060】
以上が洗濯機10の構成であるが、以上の説明は上記した構成要素以外の構成を洗濯機10が具備することを排除するものではない。上記した構成要素以外の構成(例えば、乾燥機能を実現する構成)を洗濯機10に設けることも可能である。
【0061】
(サーバー20の構成)
サーバー20は、洗濯機10の記録部15が作成した操作履歴情報を洗濯機10から取得すると、ユーザーが所望している機器可動部11の動作を実現するための対応策を決定する。
【0062】
操作履歴情報は、ガイドボタン14が押下されたことによって生成された要求信号がトリガとなってサーバー20に送信される。すなわち、操作履歴情報がサーバー20によって取得されるということは、ユーザーが操作補助を要求していることを示す。ここで、本発明の前提には、ユーザーが機器可動部11に所望の動作を実行させようと操作部12を操作するも、当該所望の動作が機器可動部11において実現されないという事態がある。先述したように、このときユーザーは自身の操作部12の操作が誤った操作であったとは思っていない。すなわち、正しく操作したと思い込んでいる。しかし、実際には、誤った操作がおこなわれており、それ故に、機器可動部11において所望の動作は実行されない。一方、そのようなことを知る由の無いユーザーは、所望の動作が何故実行されないのか判らない。この場合、自分の操作方法が間違っていたのかもしれないと考えるユーザーもいれば、洗濯機10が故障しているのかもしれないと考えるユーザーもいる。本発明では、そういったユーザーに一先ずガイドボタン14を押すように予め喚起しておく。これにより、所望の動作が実行されない事態が生じた時点で、ガイドボタン14が押下され、サーバー20から操作補助情報の提示を受けることができる。
【0063】
そして、先述したが、本実施形態1における特徴点の一つは、サーバー20が、取得した操作履歴情報を、データベースと照合することによって、ユーザーが所望している操作が何であるのかを推定して、その推定結果からその動作を実現するための操作部12の操作手順を決定する点にある。
【0064】
そのため、サーバー20は、
図1に示すように、サーバー側通信部21(サーバー側取得手段、サーバー側通信手段)と、推定部22(推定手段)と、実行操作決定部23(実行操作決定手段)と、データ更新部24とを備えている。
【0065】
サーバー側通信部21は、洗濯機10の機器側通信部16とネットワーク30を介して通信する部材である。サーバー側通信部21は、機器側通信部16から操作履歴情報を受信する。また、サーバー側通信部21は、後述する決定結果を機器側通信部16へ送信する。
【0066】
推定部22は、本実施形態1の特徴的構成の一つである。推定部22は、操作履歴情報を取得して、ユーザーが所望している動作が何であるのかを推定して、推定結果を生成する。詳細は後述するが、推定処理には
図1に示す操作履歴情報データベース25を使用する。
【0067】
実行操作決定部23も、本実施形態1の特徴的構成の一つのである。実行操作決定部23は、推定部22の推定結果に基づいて、ユーザーが所望している動作を実行するための操作補助情報(決定結果)を決定する。詳細は後述するが、決定処理には
図1に示すマニュアルデータベース26を使用する。本実施形態1では、操作補助情報は操作部12の操作手順である。操作補助情報(決定結果)は、実行操作決定部23からサーバー側通信部21に送られ、サーバー側通信部21から洗濯機10に送信される。
【0068】
データ更新部24は、詳細は後述するが、サーバー側通信部21と接続しており、操作履歴情報データベース25を更新する機能を有する。
【0069】
以上の構成を具備するサーバー20は、
図3に示すように、複数の洗濯機A〜Eと通信可能に構成されている。各洗濯機A〜Eのユーザーが、それぞれのガイドボタン14を押すことで、各洗濯機A〜Eから操作履歴情報がサーバー20に送られ、サーバー20では、それぞれの操作履歴情報から各ユーザーが所望する動作を推定し、それぞれの操作補助情報を決定して送り返す処理がおこなわれる。
【0070】
(操作補助システムの処理手順)
以下に、操作補助システムの全体的なフローと、推定部22の処理フローと、実行操作決定部23の処理フローについてそれぞれ説明する。
【0071】
図4は、本実施形態1の操作補助システムの全体的なフローを示したフローチャートである。本実施形態1では、「ユーザーが所望している動作」が「脱水のみ15分間」である場合を例示して説明する。
【0072】
図4に示すように、ユーザーは、まず、洗濯機10の操作部12の電源ボタン12Aをオンする(ステップS1)(操作受付工程)。そして、詳細条件を選択する領域12Cの脱水ボタンを1回または複数回押下して脱水時間15分を選択する(ステップS2)(操作受付工程)。この時点で、ユーザーは、操作部12を正しく操作し、機器可動部11は脱水のみを15分間おこなうと思っている。
【0073】
ところが、実際には洗濯機10は操作部12の洗濯モードを選択する領域12Bが洗いとすすぎと脱水とから構成される「通常」モードになっている。そのため、ユーザーの上述の操作手順では、洗いとすすぎと脱水とをこの順でおこない、且つ、そのうちの脱水を15分間おこなうというプログラムが実行する。「通常」モードは、電源を入れると常に設定されている標準設定であってもよく、前回の選択モード(「通常」モード)を引き継ぐ形態であってもよい。
【0074】
そして、次の段階でユーザーがスタート/ストップボタン12Dを押してスタートすると、洗いのための注水が始まる(ステップS3)。ユーザーが所望している脱水のみの動作であれば脱水動作が始まるはずであるところ、注水が始まる。
【0075】
そこで、ユーザーは、所望している動作とは異なる動作がおこなわれていると判って、スタート/ストップボタン12Dを再び押して動作をストップさせる(ステップS4)(操作受付工程)。記録部15では、ここまでのユーザーによる操作を全て記録している(記録工程)。
【0076】
次に、ユーザーはガイドボタン14を押して操作補助を要求する(ステップS5)(補助要求工程)。ガイドボタン14が押されると、その要求信号がトリガとなり、記録部15から操作履歴情報が機器側通信部16に送信される。そして、操作履歴情報は、機器側通信部16からサーバー20に送信される(ステップS6)(電子機器側通信工程)。
【0077】
サーバー20では、操作履歴情報を受信すると(ステップS7)(サーバー側取得工程)、ユーザーが所望している動作が何であるのかを推定する処理をおこなう(ステップS8)。この推定処理を、推定部22がおこなう。ここで、
図5は、推定部22のフローチャートを示す図である。
【0078】
推定部22は、まず、サーバー側通信部21から操作履歴情報を取得する(ステップS8−1)ことで推定処理(推定工程)をスタートする。次に、推定部22は、取得した操作履歴情報を操作履歴情報データベース25と照合させる(ステップS8−2)。操作履歴情報データベース25には、取得した操作履歴情報を生成した洗濯機10と同一の洗濯機あるいは別の洗濯機から過去に取得した操作履歴情報とその操作によって実現された洗濯機(機器可動部)の動作とが関連付けられた情報が蓄積されている。そこで、推定部22は、今回の操作履歴情報とその一部が合致した操作履歴情報を操作履歴情報データベース25から検索して、その検索した操作履歴情報に関連付けられた動作を推定結果として生成する(ステップS8−3)。そして最後に、推定部22は、取得した推定結果を実行操作決定部23に送信する(ステップS8−4)。
【0079】
ここで、
図5には示していないが、ステップS8−3において推定部22が複数の推定結果を生成した場合には、ステップS8−4に代えて、以下に説明するステップS8−4´を含めても良い。
【0080】
ステップS8−4´は、
図4に示すステップS9からステップS16を含む。
図4に示すように、推定部22が複数の推定結果を生成する(ステップS9)、サーバー側通信部21はこれを取得して(ステップS9)、ネットワーク30を介して洗濯機10に送信する(ステップS10)。そして、複数の推定結果を洗濯機10の機器側通信部16が取得する(ステップS11)。このとき、推定部22は、複数の推定結果を実行操作決定部23にも送信してもよい。そして、次に、複数の推定結果を洗濯機10の提示部13が取得し、提示部13においてユーザーに対して複数の推定結果を提示する(ステップS12)。複数の推定結果とは、例えば、(a)脱水のみ5分間、(b)脱水のみ10分間、(c)脱水のみ15分間である。ユーザーは、このなかから一つを選択する(ステップS13)。選択方法は、提示部13がタッチパネルであれば上記(a)〜(c)の何れかをユーザーがタッチして選択することができる。あるいは、提示部13に選択ボタンを設けて、この選択ボタンをユーザーが押下することで選択してもよい。あるいは、操作部12のボタンを用いてこれを押下することで選択してもよい。選択された一つの推定結果(選択情報)は、機器側通信部16からネットワーク30を介してサーバー側通信部21に送信され(ステップS14)、サーバー20の実行操作決定部23が選択情報を受信する(ステップS15)。
【0081】
なお、ステップS8−4´では、複数の推定結果がある場合に提示部13に提示させてユーザーに選択させる構成を説明したが、ステップS3において推定部22が生成する推定結果が一つである場合であっても、ステップS8−4´と同様に、提示部13に提示させてユーザーに確認をとる構成としてもよい。
【0082】
図4に示すように、(一つの)推定結果が得られると(ステップS9)、この一つの推定結果をもとに、ユーザーが所望している動作を実現するための操作部12の模範的な操作手順を決定する処理をおこなう(ステップS16)。この決定処理を、実行操作決定部23がおこなう。ここで、
図6は、実行操作決定部23のフローチャートを示す図である。
【0083】
実行操作決定部23が一つの推定結果を取得する(ステップS16−1)(実行動作決定工程)と、取得した推定結果を、複数の模範的な操作手順が蓄積されたマニュアルデータベース26と照合する(ステップS16−2)。マニュアルデータベース26には、洗濯機10の機器可動部11が或る動作を実行するために必要な、操作部12の正しい(模範的な)操作手順が、動作ごとに格納されている。
【0084】
そこで、実行操作決定部23は、取得した推定結果が示すユーザーが所望している動作を実行するための操作部12の正しい操作手順を示す或るマニュアルデータをマニュアルデータベース26から取得する(ステップS16−3)。そして、或るマニュアルデータを決定結果として、当該決定結果をサーバー側通信部21に送信する(ステップS16−4)。
【0085】
ここで、或るマニュアルデータ、つまり正しい(模範的な)操作手順とは、ユーザーが洗濯機10の電源をオンするところから始まる手順であってもよいし、ユーザーがガイドボタン14を押したところ以降の手順であってもよい。つまり、前者の手順の場合には、電源が一度オフになる態様、あるいは、リセット方法をまずユーザーに提示する態様が考えられる。
【0086】
決定結果(或るマニュアルデータ)は、サーバー側通信部21からネットワーク30を介して機器側通信部16に送信され(ステップS17)(サーバー側通信工程)、
図4に示すように機器側通信部16が受信して(ステップS18)(電子機器側取得工程)、提示部13がこの決定結果(或るマニュアルデータ)を取得し、或るマニュアルデータを提示部13に提示する(ステップS19)。
【0087】
ユーザーは、提示部13に提示された正しい操作手順を確認して、操作部12を再び操作する(ステップS20)。今回は、所望している動作を実行するために必要な操作手順で操作部12は操作されるため、所望している「脱水のみ15分間」をおこなうこと示す操作情報が駆動部17に送信され、駆動部17が機器可動部11を駆動する。
【0088】
ここで、「脱水のみ15分間」をおこなうための正しい操作手順とは、洗濯モードを選択する領域12Bにおいて「脱水のみ」モードに切り替える操作をおこない、その上で、詳細条件を選択する領域12Cにおいて脱水15分間を選択して、スタート/ストップボタン12Dを押してスタートするという操作である。この手順が提示部13に提示される。
【0089】
正しい操作手順で操作されてユーザーが所望している動作が実行されたことは、操作履歴情報として記録部15に記録される。そこで、適切なタイミングで、この操作履歴情報がサーバー20に送信され(ステップS21)、データ更新部24において、この操作履歴情報(正しい操作手順に沿った操作履歴)と決定結果(「脱水のみ15分間」)とを関連付けて、そのデータによって操作履歴情報データベース25を更新または追加して(ステップS22)、一連の操作補助方法が終了する。ユーザーが所望している動作が実行されているか否かは、ユーザーによってガイドボタン14が押下されるか否かによって判断することができる。この判断は、記録部15がおこなうことができる。
【0090】
なお、操作履歴情報データベース25およびマニュアルデータベース26は、サーバー20内に無くともよい。
【0091】
なお、以上で説明した本実施形態1の操作補助システムは、洗濯機10が故障していないことが前提である。すなわち、当初、ユーザーが所望する動作が実行されなかったのは、洗濯機10の故障に因るものではなく、ユーザーによる操作部12の操作方法が間違っていたことに因る。そこで、本実施形態1の操作補助システムには、洗濯機10に機器可動部11の動作状況を検知するセンサ(検知手段)を設けて、このセンサにより、故障でないことを検知させる構成とすることが好ましい。
【0092】
そして、記録部15が、要求信号を取得すると、操作履歴情報と上記センサの検知結果とをネットワーク30を介してサーバー20に送信する構成とすることが好ましい。操作履歴情報と上記センサの検知結果とをサーバー20の推定部22が取得すると、推定部22においてまず洗濯機10が故障しているか否かを判定し、故障していない場合に上述した推定処理をおこなう。
【0093】
もし、洗濯機10が故障していると判定されれば、故障していることを示す情報を洗濯機10に送り返して提示部13にその情報を提示する。その構成において、サーバーには例えば故障箇所や故障の程度に応じた修理費用と修理完了までに要する日数とがデータベース化されており、故障している旨を提示部13に提示する際に併せて、故障箇所、故障の程度、修理費用、修理完了までに要する日数、最寄の修理店に関する情報を提示部13に提示する構成としてもよい。また、故障か否かを判定する際、洗濯機10が有効経過年数を超過したことで正常に動作することができない(つまり寿命に達している)と判定する場合には、その旨を提示部13に提示するのに合わせて、新しい洗濯機を購入する際に有用な情報を提示してもよい。有用な情報とは、同一メーカーの新機種の紹介情報、購入店の紹介などが挙げられる。
【0094】
(本実施形態の作用効果)
このように、本実施形態1によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を洗濯機10に実行させることができる。
【0095】
(変形例)
上述の実施形態1では、ユーザーが当初誤った操作手順で動作をスタートさせた態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本変形例では、洗濯モードを選択する領域12Bにおいて「念入り」モードとなっている状態において、ユーザーが詳細条件を選択する領域12Cにおいて洗い時間、すすぎ回数、脱水時間を設定しようとボタンを押したが何も反応がない場合の態様について説明する。
【0096】
ここで、本変形例では、「念入り」モードとは、洗い時間(30分間)、すすぎ回数(2回)、脱水時間(15分間)が既にプログラムされており、各詳細条件を選択することができないモードである。そのため、詳細条件を選択する領域12Cの各ボタンは機能しない。
【0097】
図7は、本変形例の操作補助システムの全体的なフローを示す図である。ユーザーは、電源をオンし(ステップS50)、「念入り」モードにおいて、詳細条件を選択する領域12Cにおいてすすぎ回数1回を選択するべく該当ボタンを押下する(ステップS51)。しかし、該当ボタンが機能しない。そこで、ガイドボタン14を押して操作補助を求める(ステップS52)。記録部15は、「念入り」モードであることと、該当ボタンが押下されたことが記録している。そして、実施形態1と同様に、ガイドボタン14の押下を受けて、記録部15が記録している情報(操作履歴情報)がサーバー20に送信され(ステップS53)、推定部22がこの操作履歴情報を取得する(ステップS54)。推定部22では、
図5のフローに沿って、「ユーザーが所望している動作」は「念入りモードの各詳細条件のうち、すすぎ回数を1回にしたい」=「洗い時間(30分間)、すすぎ回数(1回)、脱水時間(15分間)を実行したい」であるという推定結果を生成する(ステップS55)。
【0098】
図7のフローでは、
図4と同様に推定結果をユーザーに提示して確認をとる(ステップS56〜59)。そして、この推定結果(選択情報)をサーバー20に送信する(ステップS60)。
【0099】
そして、サーバー20が推定結果(選択情報)を受信し(ステップS61)、推定結果を実行操作決定部23が取得すると、
図6のフローに沿って、操作部12の正しい操作手順(或るマニュアルデータ)を取得し(ステップS62)、これを洗濯機10に送信する(ステップS63)。そして、操作部12の正しい操作手順(或るマニュアルデータ)を洗濯機10において受信し(ステップS64)、提示部13に提示する(ステップS65)。
【0100】
ここで、本変形例における操作部12の正しい操作手順とは、洗濯モードを選択する領域12Bにおいて「通常」モードに切り替える操作をおこなう。「通常」モードは、各詳細条件を設定変更することが可能なモードである。そして、「通常」モードを選択した上で、詳細条件を選択する領域12Cにおいて洗い時間30分間)、すすぎ回数1回、脱水時間15分間を選択して、スタート/ストップボタン12Dを押してスタートするという操作である(ステップS66)。正しい操作手順に沿った操作は、記録部15に記録され、その操作履歴情報がサーバー20に送信されて(ステップS67)、実施形態1と同様に操作履歴情報データベース25が更新される(ステップS68)。
【0101】
上述の本変形例のようにユーザーによる当初の操作部12の操作が、動作に反映されないものであったとしても、その操作自体が記録部15に記録される。そして、この操作履歴情報に基づいて推定部22が推定処理をおこない、結果的に、ユーザーが所望している動作で洗濯機10の機器可動部11を駆動することができる。
【0102】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について
図8および
図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、先述の実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、先述の実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0103】
先述の実施形態1と本実施形態2との相違点は、実施形態1では、推定部22が操作履歴情報を、過去のデータが蓄積された操作履歴情報データベース25と照合して推定結果を生成しているのに対して、本実施形態2では、サーバー20に洗濯機10から周辺環境情報と操作履歴情報とが送信され、推定部22は、この周辺環境情報と操作履歴情報とに基づいて推定部22が推定結果を生成する点にある。また実施形態1では、ユーザーの当初の操作部12の操作手順が誤っていたが、本実施形態2では、この当初の操作部12の操作手順は正しい操作手順であるものの、操作手順以外の周辺環境が理由でユーザーが所望している動作が実行されないケースを用いて、本発明に係る操作補助システムの一形態を説明する。
【0104】
図8は、本実施形態2の操作補助システムの全体構成を示すブロック図を示す。本実施形態2では、実施形態1の洗濯機10に更に重量検出部18(検知手段)を備えた構成となっている。また、実施形態1のサーバー20の操作履歴情報データベース25(
図1)による推定処理を必須としない。
【0105】
重量検出部18は、機器可動部11の洗濯槽に入っている洗濯物の重量を検出し、操作部12の操作情報に示された動作が実行可能か否かを判定する。具体的には、洗濯槽に入っている洗濯物の重量が所定値を超える場合には動作に支障をきたす事態(洗濯槽の回転軸が振れて洗濯槽が回転しないなど)が想定される。そのため、重量検出部18は、このように重量オーバーの場合には、操作部12の操作情報に示された動作が実行不可であると判定し、駆動部17に判定結果を送信する。駆動部17は、実行不可であるとの判定結果を重量検出部18から取得している場合は、操作部12の操作情報を取得してもその動作を開始しない。また、重量検出部18は、
図8に示すように記録部15に接続しており、検出した重量(周辺環境情報)と判定結果(周辺環境情報)とは記録部15に記録される。
【0106】
本実施形態2では、機器可動部11の洗濯槽に上記所定値を超える洗濯物が投入されている場合を前提として、
図9に示すフローチャートで本実施形態2の操作補助システムを説明する。本実施形態2では、「ユーザーが所望している動作」が「念入りモードによる洗濯」である場合を例示して説明する。
【0107】
図9に示すように、ユーザーは、まず、洗濯機10の操作部12の電源ボタン12Aをオンする(ステップS101)。洗濯モードを選択する領域12Bにおいて「念入り」モードを押し(ステップS102)、続いてスタート/ストップボタン12Dを押す(ステップS103)。つまり、ユーザーは正しい操作手順で操作部12を操作している。しかし、先述のように、重量オーバーのために動作の実行が不可能であるという情報を駆動部17が取得しているため、洗い(注水)が始まらない。
【0108】
この時点で、ユーザーは、所望している動作が実行されないので、ガイドボタン14を押して操作補助を要求する(ステップS104)。ガイドボタン14が押されると、その要求信号がトリガとなり、記録部15から操作履歴情報と重量(周辺環境情報)と判定結果(周辺環境情報)とが機器側通信部16に送信され、機器側通信部16からサーバー20に送信される(ステップS105)。
【0109】
サーバー20では、操作履歴情報と周辺環境情報を受信すると(ステップS106)、ユーザーが所望している動作が何であるのかを推定する処理をおこなう(ステップS107)。この推定処理を、推定部22´がおこなう。ここで、
図10は、推定部22´のフローチャートを示す図である。
【0110】
推定部22´は、推定処理として、まず、サーバー側通信部21から操作履歴情報を取得する(ステップS107−1)ことで推定処理(推定工程)をスタートする。次に、推定部22´は、取得した操作履歴情報に特定の操作情報が含まれているか検索する(ステップS107−2)。特定の操作情報とは、念入りモードがユーザーにより選択されたことを示す情報である。本実施形態2においては、操作履歴情報には、推定処理の上で有用な情報として念入りモードがユーザーにより選択されたことを示す情報以外に含まれていない。そのため、推定部22´は特定の操作情報があれば(ステップS107−3)、この特定の操作情報に基づいて、ユーザーが念入りモードを実行したいのではないかと推定することができる。そして、推定部22´は、ユーザーが所望している動作は念入りモードであることを推定結果として生成する(ステップS107−4)。
【0111】
なお、もし、ステップS8´−3において特定の操作情報が無い場合は、
図5と同様に、操作履歴情報データベース25(
図1)と照合して(ステップS107−6)、推定結果を生成すればよい(ステップS107−7)。
【0112】
そして最後に、推定部22´は、取得した推定結果と、周辺環境情報(重量オーバーで動作不可能である旨の情報)とを、実行操作決定部23に送信する(ステップS107−5)。なお、
図9では、
図4と同様に、この推定結果をユーザーに提示して確認をとることができる(ステップS108〜113)。提示内容としては、例えば「念入りモードで洗濯がしたいのか?」が挙げられる。
【0113】
そして、実行操作決定部23が、推定結果と周辺環境情報を取得すると、これらに基づいてユーザーが所望している動作を実現するための模範的な対応策を決定する処理をおこなう(ステップS114)。決定処理は、
図6に示したフローに従って実行操作決定部23がおこなう。そして、実行操作決定部23は決定結果(模範的な対応策)を生成する。本実施形態2では、模範的な対応策は、機器可動部11の洗濯槽内の洗濯物を減らすことである。決定結果は提示部13に提示される。提示内容は「減量をおこなって、再びスタートボタンを押してください」などである(ステップS115〜117)。
【0114】
ユーザーが、提示部13に提示された対応策を確認して、機器可動部11の洗濯槽内の洗濯物を減らす(ステップS118)と、重量検出部18は重量を検出し、動作可能であるか否かを検出する。そして、重量が所定値以内になって動作可能となれば、スタートボタンが押されたことを示す操作情報に従って、駆動部17が機器可動部11を駆動して、洗い(注水)を開始させる。正しい操作手順に沿った操作は、記録部15に記録され、その操作履歴情報がサーバー20に送信されて(ステップS119)、実施形態1と同様に操作履歴情報データベース25が更新される(ステップS120)。
【0115】
なお、ユーザーが減量作業をおこなっても未だ重量オーバーである場合には、ユーザーが当該減量作業後にスタート/ストップボタン12Dを押しても動作(念入りモードによる洗濯)はスタートしない。未だ重量オーバーである場合は、提示部13に「減量をおこなって、スタートボタンを押してください」という決定結果(対応策)が提示され続ける。そして、重量検出部18が、重量が所定値以内になり動作可能となることを検出すれば、ユーザーが当該減量作業後にスタート/ストップボタン12Dを押した直後に、提示部13に提示されていた決定結果が消えて、「念入り」モードによる洗濯がスタート(注水がスタート)する。
【0116】
このように、本実施形態2によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができるので、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を洗濯機10に実行させることができる。
【0117】
なお、本実施形態2では、ユーザーが所望している動作を妨げる事象(周辺環境情報により示される事象)が重量オーバーであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該事象は、洗濯物が入っていないことであってもよく、洗濯槽の蓋が完全に閉まっていないことであってもよく、水道の栓が閉まっていることであってもよく、洗剤が洗剤投入ケースに投入されていないことであってよく、他の事象であってよい。これら他の事例については、重量オーバーを検出する重量検出部のように、そのそれぞれの事象に応じた検出機構を洗濯機10が具備していればよい。なお、検出機構における動作の実行可否の判断は、サーバー側でおこなってもよい。
【0118】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について
図11および
図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、先述の実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、先述の実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0119】
先述の実施形態1と本実施形態3との相違点は、本実施形態3では、実施形態1において説明した洗濯機10に代えて温水便座装置40を備えている点にある。また、実施形態1では、ユーザーの当初の操作部12の操作手順が誤っていたため、正しい操作手順を提示部13に提示してユーザーが所望している動作を実行する態様を説明した。これに対して、本実施形態3では、当初の操作部12の操作手順は正しい操作手順であるにもかかわらず、操作手順以外の周辺環境が理由でユーザーが所望している動作が実行されないケースに基づいて、その対応策を提示部13に提示することで所望の動作を実現する態様について説明する。
【0120】
図11は、本実施形態3の操作補助システムの要部構成を示すブロック図である。本実施形態3の操作補助システムは、温水便座装置40を備えている。温水便座装置40は、
図11に示すように、機器可動部11と、操作部12と、提示部13と、ガイドボタン14と、記録部15と、機器側通信部16と、駆動部17と、着座センサ19(検知手段)とを有している。
【0121】
本実施形態3では、機器可動部11は、温水便座装置40に設けられたシャワーである。また、温水便座装置40を使用するユーザーは、操作部12を操作して機器可動部11であるシャワー機能を実行(温水を出す)させたり停止させたり(出していた温水を止める)する。シャワーの構成自体は従来周知のものを使用することができる。
【0122】
本実施形態3の操作部12は、少なくともシャワーの入/切を操作するボタンがあればよいが、従来周知の温水便座装置に実装されるものを使用することができ、他にも、シャワーの強弱、温水の温度設定、乾燥などを選択することができるボタンなどがあってもよい。なお、本実施形態3において説明する操作部12は、ユーザーが温水便座装置に搭載された各種機能の中から所望する機能(動作)を選択するために操作されるという意味で実施形態1において説明した操作部12と類似しているため同一符号を付しているだけである。そのため、選択する内容、ボタンの形状、ボタンの種類などは、当然のことながら
図2に示した実施形態1の洗濯機10の操作部12とは異なる。
【0123】
同様に、提示部13と、ガイドボタン14、駆動部17についても、機能的に実施形態1のそれと同じであるため同一符号を付しているものであり、配置や形状については本実施形態3の温水便座装置に適した構成として実現される。
【0124】
着座センサ19は、温水便座装置40にユーザーが便座に着座しているか否かを検知するセンサである。ここで、温水便座装置40は、便器とその上に配設されたユーザーが着座する便座とを有しており、便座は、ユーザーが着座するとユーザーの重さで便器との距離が近くなる構造となっている。そして、着座センサ19は、この距離の変化を検知して着座しているか否かを検知する。例えば、着座センサ19はバネ機構を有して構成され、上記の距離をバネの伸縮として捉えることで着座を検知することができる。
【0125】
着座センサ19が具備されていることにより、ユーザーが着座していない状態で何らかの衝撃を受けて操作部12のシャワー入/切ボタンが押されてもシャワーから温水が噴出する虞がない。つまり、本実施形態3の温水便座装置40は、着座センサ19がユーザーの着座を検知した場合に限って、シャワー入ボタンが押された場合にシャワーから温水を出す機構になっている。
【0126】
着座センサ19が着座を検知していない場合(非着座状態である場合)には、シャワーから温水を出すよう操作部12が操作されてその操作情報が駆動部17に送信されても駆動部17は機器可動部11を駆動しない。つまり、機器可動部11はユーザーが所望している動作(シャワーから温水を出す動作)を実行しない。着座センサ19は、
図11に示すように記録部15に接続しており、着座検知結果(周辺環境情報)は記録部15に記録される。
【0127】
次に、
図12に基づいて、本実施形態3の操作補助システムの全体的なフローを説明する。なお、本実施形態3では、先述のように、ユーザーが便座に着座して操作部12を正しく操作しているにもかかわらず、操作手順以外の周辺環境が理由でユーザーが所望している動作(操作部12を操作したことによって機器可動部に反映されるべき動作)が実行されないケースを挙げる。具体的には、ユーザーが便座に着座しているにもかかわらず、着座センサ19が着座を検知しないために、シャワーから温水を出す動作(ユーザーが所望している動作)が実行されないというケースである。一例として、便座と便器の間に比較的厚手の便座カバーが挟まっていることによって着座センサ19が着座を検知できない場合が挙げられる。
【0128】
まず、ユーザーは着座して(ステップS151)、シャワーから温水を出すべく操作部12のシャワー入ボタンを押下する(ステップS152)。しかし、このとき着座センサ19はユーザーが着座していることを検知できていないため、押下されたシャワー入ボタンは機能しない。
【0129】
ユーザーは、所望している動作(シャワーから温水を出す)が実行されないので、ガイドボタン14を押して操作補助を求める(ステップS153)。記録部15には、ガイドボタン14が押下されるまでに、シャワー入ボタンの操作情報が操作履歴情報として記録されているほか、着座センサが非着座状態を示す着座オフ情報(周辺環境情報)が記録されている。
【0130】
そして、実施形態1と同様に、ガイドボタン14の押下を受けて、記録部15が記録している操作履歴情報および着座オフ情報がサーバー20に送信され(ステップS154)、サーバー20がこれらを受信する(ステップS155)。そして、推定部22がこの操作履歴情報および着座オフ情報を取得して、
図5のフローに沿って、ユーザーが所望している動作を推定する(ステップS156)。推定部22は、取得した操作履歴情報を操作履歴情報データベース25(
図1)と照合して、ユーザーがシャワーから温水を出したいのではないかという推定結果を生成する。
【0131】
次に、推定部22は、取得した推定結果と、周辺環境情報(着座オフ情報)とを、実行操作決定部23にする。
【0132】
そして、推定結果と周辺環境情報を取得した実行操作決定部23は、これらに基づいてユーザーが所望している動作を実現するための模範的な対応策を決定する処理をおこなう(ステップS157)。決定処理は、
図6に示したフローに従って実行操作決定部23がおこない、実行操作決定部23は決定結果(模範的な対応策)を生成する。決定結果は、温水便座装置40に送信され(ステップS158、159)、温水便座装置40は受信した決定結果を、提示部13に提示する(ステップS160、161)。本実施形態3では、模範的な対応策は、便座カバーを取り外すことである。よって、提示部13に提示される提示内容(整備手順)は「便座カバーを取り外してください」などである。
【0133】
ユーザーが、提示部13に提示された対応策を確認して、便座カバーを取り外して着座し直すと(ステップS162)、着座センサ19が正常に着座を検知することができる。そして、駆動部17は、先の操作部12の操作情報に従って、機器可動部11を駆動することができる。正しい操作手順に沿った操作は、記録部15に記録され、その操作履歴情報がサーバー20に送信されて(ステップS163)、実施形態1と同様に操作履歴情報データベース25が更新される(ステップS164)。
【0134】
このように、本実施形態3によれば、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができる。そのため、ユーザーは、その対応策をとることによって、途方に暮れることも無く、また、故障であると誤解して故障通報することも無く、結果的に、所望している動作を温水便座装置40に実行させることができる。
【0135】
なお、本実施形態3では、周辺環境情報として着座センサの検知情報を用いたが、これに限定されるものではなく、水道栓が閉まっていることを周辺環境情報としてもよい。また、この場合において、必ずしも水道栓の開閉を検知する機構がなくとも、実行操作決定部23が生成する決定結果として水道栓の開閉を確認することをユーザーに対して求めてもよい。
【0136】
(変形例)
本変形例では、本実施形態3で例示した温水便座装置40に代えて、テレビなどの受像機に接続されているレコーダー装置(電子機器)を操作補助システムに備えている。
【0137】
図13は、本変形例の操作補助システムの全体的なフローを説明する。なお、本変形例では、ユーザーが或る録画番組(録画番組A)を視聴しようとリモコンの操作部12を正しく操作しているにもかかわらず、操作手順以外の周辺環境が理由でユーザーが所望している動作(操作部12を操作したことによって機器可動部に反映されるべき動作)が実行されないケースを挙げる。この周辺環境とは、本変形例では、テレビとレコーダー装置との間の接続系統を挙げる。この接続系統が正しく選択されていないことにより、ユーザーが所望している動作が実行されない場合を例示して説明する。
【0138】
ユーザーは、録画リスト表示ボタンを操作して(ステップS201)、視聴したい録画番組Aを選択する操作をおこない(ステップS202)、視聴スタートボタンを押す(ステップS203)。ここまでのユーザーの操作部12の操作手順は正しい。しかし、録画番組Aはテレビに表示されない。
【0139】
ユーザーは、所望している動作(録画番組Aをテレビに表示する)が実行されないので、ガイドボタン14を押して操作補助を求める(ステップS204)。記録部15には、ガイドボタン14が押下されるまでに、操作部12の操作情報が操作履歴情報として記録されているほか、接続系統情報(周辺環境情報)が記録されている。
【0140】
そして、実施形態1と同様に、ガイドボタン14の押下を受けて、記録部15が記録している操作履歴情報および周辺環境情報がサーバー20に送信され(ステップS205)、サーバー20がこれらを受信する(ステップS206)。
【0141】
続いて、推定部22が、この操作履歴情報および周辺環境情報を取得して、
図5のフローに沿って、ユーザーが所望している動作を推定する。推定部22は、取得した操作履歴情報を操作履歴情報データベース25(
図1)と照合して、ユーザーは録画番組Aを視聴したいのではないかという推定結果を生成する(ステップS208)。
【0142】
次に、推定部22は、取得した推定結果と、周辺環境情報とを、実行操作決定部23にする。なお、
図13では、
図4と同様に、この推定結果をユーザーに提示して確認をとることができる(ステップS209〜213)。これについては先述した構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0143】
そして、推定結果と周辺環境情報を取得した実行操作決定部23は、これらに基づいてユーザーが所望している動作を実現するための模範的な対応策を決定する処理をおこなう。決定処理は、
図6に示したフローに従って実行操作決定部23がおこない、実行操作決定部23は決定結果(模範的な対応策)を生成する(ステップS214)。本実施形態3では、模範的な対応策は、端子を切り替えることである。
【0144】
そこで、サーバー20は、実行操作決定部23の決定結果を、レコーダー装置に送信する(ステップS215)。レコーダー装置が、この決定結果を取得すると(ステップS216)、端子を切り替える処理をおこなう(ステップS217)。これにより、録画番組Aがテレビに表示される。最後に、これまでの操作履歴情報と、決定結果とをサーバーに送信して(ステップS218)、操作履歴情報データベースを更新する(ステップS219)。
【0145】
このように、本変形例によっても、ユーザーが所望している動作が実行されない場合に、サーバーが、ユーザーが所望している動作を推定し、その推定結果に基づいて、所望している動作を実行するための対応策を決定して、ユーザーに対応策を提示することができる。
【0146】
なお、本発明は、各実施形態および変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態および変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0147】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、サーバー20に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0148】
すなわちサーバー20は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。
【0149】
この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアであるサーバー20のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。この記録媒体は、サーバー20に供給される。コンピュータとしてのサーバー20(またはCPUやMPU)は、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行する。
【0150】
プログラムコードをサーバー20に供給する記録媒体は、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)である。また、当該記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0151】
また、サーバー20を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してサーバー20に供給する。この通信ネットワークはサーバー20にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0152】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0153】
また、容器10または情報端末に含まれている各ブロックも、サーバー20と同様に、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0154】
なお、操作補助モジュール100についてもサーバー20と同様に、各ブロックをハードウェアロジックによって構成すればよい。または、上述のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。