特許第6119146号(P6119146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6119146
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】リニアガイド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20170417BHJP
   F16C 33/62 20060101ALI20170417BHJP
   F16C 33/64 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   F16C29/06
   F16C33/62
   F16C33/64
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-185781(P2012-185781)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-43878(P2014-43878A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】中川 匠
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4332408(JP,B2)
【文献】 特開昭53−011264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00−19/56
F16C 29/00−31/06
F16C 33/30−33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内レールとスライダーとの間に多数のボールを介装するリニアガイド装置において、
前記スライダーの本体を構成し、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れかから構成されるスライダー本体と、
前記案内レールの周囲を覆うように前記スライダー本体に形成された収納部と、
前記スライダー本体とは別体に構成され、必要な機械的強度が付与されるように炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れかから前記案内レールを覆う形状に構成され、前記案内レールとの間のボールが収納されるボール溝を有するボール溝部材と、を備え、
前記ボール溝部材は、前記スライダー本体の収納部に収納されて弾性力によってスライダー本体の収納部内に固定されると共にスライダー本体の収納部に窪ませて形成されたスライダー中央腹受部及びスライダー下側ボール溝受部の夫々にスライダー中央腹部及び左右下側ボール溝部の三点で支持されることを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項2】
案内レールとスライダーとの間に多数のボールを介装し、前記スライダーの本体を構成し、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れかから構成されるスライダー本体と、前記案内レールの周囲を覆うように前記スライダー本体に形成された収納部と、前記スライダー本体とは別体に構成され、炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れかから前記案内レールを覆う形状に構成されて必要な機械的強度が付与され、前記スライダー本体の収納部に収納されて弾性力によってスライダー本体の収納部内に固定されると共にスライダー本体の収納部に窪ませて形成されたスライダー中央腹受部及びスライダー下側ボール溝受部の夫々にスライダー中央腹部及び左右下側ボール溝部の三点で支持され、前記スライダー本体に組み込まれた状態でボール溝が研削加工され、前記案内レールとの間のボールが前記ボール溝に収納されるボール溝部材とを備えたリニアガイド装置の製造方法において、
前記ボール溝部材は、素材をプレス加工で成形し、プレス成形後、熱処理により前記必要な機械的強度が付与されることを特徴とするリニアガイド装置の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内レールとスライダーとの間に多数のボールを介装するリニアガイド装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなリニアガイド装置では、案内レールとスライダーとの間でボールが転動するボール溝部は高い機械的強度が必要とされるが、その他の部位はさほど機械的強度が必要とされない。そのため、下記特許文献1では、スライダーの本体と案内レールの本体の夫々に、別体のボール溝部材を取付ける構成とし、ボール溝部材には機械的強度の高い材料を用い、その他の部材には機械的強度のさほど高くない材料を用いてコストの低廉化を図っている。また、下記特許文献2でも、スライダーの本体と案内レールの本体の夫々に、別体のボール溝部材を取付ける構成としている。その際、特許文献1では、例えば案内レールを挟んだ両側のボール溝に対し、夫々の側のボール溝を単独で構成するボール溝部材を用い、それらをスライダーの本体の案内レールを挟んだ両側及び案内レール自体の案内レールを挟んだ両側に独立して取付ける。一方、特許文献2では、案内レールを挟んだ両側のボール溝を一体に構成するボール溝部材を用い、そのボール溝部材をスライダーの本体の案内レール収容部及び案内レールの外形部に嵌め込み、ボール溝部材の弾性力でそれ自体がスライダーの本体及び案内レールに固定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3670663号公報
【特許文献2】特許4332408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のリニアガイド装置では、前記特許文献2にも指摘されるように、案内レールを挟んだ両側の夫々の側のボール溝を単独で構成するボール溝部材を、スライダーの本体の案内レールを挟んだ両側及び案内レール自体の案内レールを挟んだ両側に独立して取付けるため、それらボール溝部材の組付作業性に改善の余地がある。これに対し、前記特許文献2のリニアガイドでは、案内レールを挟んだ両側のボール溝を一体に構成するボール溝部材を用い、そのボール溝部材をスライダーの本体の案内レール収容部及び案内レールの外形部に嵌め込み、ボール溝部材の弾性力でそれ自体がスライダーの本体及び案内レールに固定するようにしている。そのため、ボール溝部材の組付作業性としては改善されているが、ボール溝部材は、案内レールを挟んだ両側の夫々の側で2箇所ずつ、計4箇所で支持され、しかも支持箇所の精度及びボール溝部材の精度でボール溝自体の精度が凡そ決定する。従って、ボール溝部材の部品形状精度や組付精度の誤差を取り除くことができず、ボール溝部材の部品形状精度や組付精度を管理する必要がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、ボール溝部材の組付作業性に優れ、しかもボール溝部材の部品形状や組付精度の誤差を除去してそれらの管理を容易化することが可能なリニアガイド装置及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るリニアガイド装置の一態様は、案内レールとスライダーとの間に多数のボールを介装するリニアガイド装置において、前記スライダーの本体を構成し、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れかから構成されるスライダー本体と、前記案内レールの周囲を覆うように前記スライダー本体に形成された収納部と、前記スライダー本体とは別体に構成され、必要な機械的強度が付与されるように炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れかから前記案内レールを覆う形状に構成され、前記案内レールとの間のボールが収納されるボール溝を有するボール溝部材と、を備える。そして、前記ボール溝部材は、前記スライダー本体の収納部に収納されて弾性力によってスライダー本体の収納部内に固定されると共にスライダー本体の収納部に窪ませて形成されたスライダー中央腹受部及びスライダー下側ボール溝受部の夫々にスライダー中央腹部及び左右下側ボール溝部の三点で支持されることを特徴とするものである。
【0006】
なお、左右下側ボール溝部は、スライダーの内側両側面に形成された複数列のボール溝部のうち、案内レール搭載面から遠い側のボール溝部を意味する。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るリニアガイド装置の製造方法一態様は、案内レールとスライダーとの間に多数のボールを介装し、前記スライダーの本体を構成し、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れかから構成されるスライダー本体と、前記案内レールの周囲を覆うように前記スライダー本体に形成された収納部と、前記スライダー本体とは別体に構成され、炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れかから前記案内レールを覆う形状に構成されて必要な機械的強度が付与され、前記スライダー本体の収納部に収納されて弾性力によってスライダー本体の収納部内に固定されると共にスライダー本体の収納部に窪ませて形成されたスライダー中央腹受部及びスライダー下側ボール溝受部の夫々にスライダー中央腹部及び左右下側ボール溝部の三点で支持され、前記スライダー本体に組み込まれた状態でボール溝が研削加工され、前記案内レールとの間のボールが前記ボール溝に収納されるボール溝部材とを備えたリニアガイド装置の製造方法において、前記ボール溝部材は、素材をプレス加工で成形し、プレス成形後、熱処理により前記必要な機械的強度が付与されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
而して、本発明に係るリニアガイド装置及びその製造方法の一態様によれば、スライダーのスライダー本体とボール溝部材とを別体とする。スライダー本体は一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れかから構成する。ボール溝部材は炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れかから案内レールを覆う形状に構成して必要な機械的強度を付与する。また、案内レールの周囲を覆うようにスライダー本体に収納部を形成する。このスライダー本体の収納部にボール溝部材を収納するとボール溝部材は自身の弾性力によって収納部内に固定し、スライダー本体の収納部に窪ませて形成されたスライダー中央腹受部及びスライダー下側ボール溝受部の夫々にスライダー中央腹部及び左右下側ボール溝部の三点で支持される。そして、ボール溝部材がスライダー本体の収納部内に組み込まれた状態で形成されたボール溝、案内レールとの間のボールが収納される。そのため、ボール溝部材の組付作業性に優れ、しかもボール溝部材の部品形状や組付精度の誤差を解消することができるので、それらの管理を容易化することができる。
また、本発明に係るリニアガイド装置の製造方法の一態様によれば、ボール溝部材は、素材をプレス加工で成形し、プレス成形後、熱処理によって必要な機械的強度を付与する。そのため、ボール溝部材の加工コストを低廉化し、安価なリニアガイド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のリニアガイド装置の一実施形態を示す斜視図である。
図2図1のリニアガイド装置の縦断面図である。
図3図2のスライダーの縦断面図である。
図4図3のスライダー本体の縦断面図である。
図5図3のボール溝部材の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明のリニアガイド装置及びその製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のリニアガイド装置の全体構成を示す斜視図、図2は、図1のリニアガイド装置の縦断面図である。このリニアガイドは、断面が略方形で長手の案内レール1と、この案内レール1の長手方向にスライド可能に跨設された断面略コ字状のスライダー2とを備えて構成される。スライダー2が搭載される案内レール1の面を上面とし、その両側に連続する面を側面とすると、前記案内レール1は両側面上下方向中央部に断面略半円弧の案内レール下側ボール溝3が長手方向に沿って形成されている。また、この案内レール1の両側面上端縁部に断面略1/4円弧の案内レール上側ボール溝4が長手に沿って形成されている。一方、スライダー2の内側両側面には、前記案内レール下側ボール溝3に対向するスライダー下側ボール溝5、及び前記案内レール上側ボール溝4に対向するスライダー上側ボール溝6が形成されている。そして、案内レール下側ボール溝3とスライダー下側ボール溝5の間、及び案内レール上側ボール溝4とスライダー上側ボール溝6の間の夫々にボール転動路が形成され、それらのボール転動路に多数のボール8が転動自在に介装されている。なお、スライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6の案内レール1と反対側には循環路7が形成されており、この循環路7とボール転動路をボール8が循環する。
【0010】
図3は、図2のスライダーの縦断面図、図4は、図3のスライダー本体の縦断面図、図5は、図3のボール溝部材の縦断面図である。本実施形態では、スライダー2は、スライダー2の本体を構成するスライダー本体9と、スライダー本体9に固定されて前記スライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6を構成するボール溝部材10に分割される。つまり、スライダー2をスライダー本体9とボール溝部材10に別体化する。スライダー2が案内レール1に沿って滑らかに移動するためには、ボール8がスライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6内で滑らかに転動する必要があり、従ってスライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6は高い加工精度が要求される。また、多数のボール8が転動するため、スライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6は高い機械的強度も要求される。これに対し、スライダー2の本体自体には、さほど高い加工精度も機械的強度も要求されない。
【0011】
そのため、本実施形態では、スライダー本体9は、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れか、好ましくは一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材の何れかを用いて構成する。一方、ボール溝部材10は、炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れか、好ましくは炭素工具鋼鋼材を用いて構成する。スライダー本体9は、前述した循環路7などが必要であるため、素材を機械加工して成形する。一方、ボール溝部材10は、スライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6は高い加工精度が要求されるものの、それ以外の部分はさほど高い加工精度が要求されない。そのため、ボール溝部材10は板金素材をプレス加工して、案内レール1を覆う形状に成形する。プレス成形時には、スライダー下側ボール溝5を形成するためのスライダー下側ボール溝部11、スライダー上側ボール溝6を形成するためのスライダー上側ボール溝部12、及び案内レール1の上面中央に相当するスライダー中央腹部13を、夫々、内側から外側に膨出するように形成する。ボール溝部材10は、プレス成形後、予め設定された熱処理を施して、必要な機械的強度が付与される。
【0012】
このボール溝部材10を収納固定するため、スライダー本体9には、案内レール1を覆う形状の収納部14を形成する。収納部14には、ボール溝部材10の外側に膨出するスライダー下側ボール溝部11の収納されるスライダー下側ボール溝受部15やスライダー中央腹部13の収納されるスライダー中央腹受部16を窪ませて形成する。この収納部14内にプレス成形後のボール溝部材10を嵌め込むと、ボール溝部材10の弾性力によってボール溝部材10は収納部14内に固定される。その際、ボール溝部材10は、左右のスライダー下側ボール溝部11が左右のスライダー下側ボール溝受部15によって支持されると共に、スライダー中央腹部13がスライダー中央腹受部16によって支持される。つまり、ボール溝部材10は3点でスライダー本体9に支持されるため、ガタが生じにくく、固定状態も安定している。なお、これら3点及びスライダー上側ボール溝部12以外の部分は、収納部14との間に隙間があり、この隙間によってボール溝部材10の部品形状や組付精度の誤差が吸収される。また、スライダー2にローリング方向のこじりがあった場合、隙間の部分が撓むことによって取付誤差が吸収されて調心性が高くなる。
【0013】
スライダー下側ボール溝5やスライダー上側ボール溝6は、ボール溝部材10を収納部14内に収納固定してスライダー本体9に取付けた後、研削加工によって高精度に作成される。スライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6は、図示しない加工基準を基準として研削加工されるので、スライダー本体9やボール溝部材10の部品形状や組付精度の誤差に関わらず、高精度の作成されるため、スライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6に関するスライダー本体9やボール溝部材10の部品形状や組付精度の誤差は解消される。
【0014】
例えば、図3に示すように、左右のスライダー下側ボール溝部11を支持するスライダー下側ボール溝受部15の支持面の垂線及びスライダー中央腹部13を支持するスライダー中央腹受部16の支持面の垂線の交点における角度をθとしたとき、3つの支持点におけるボール溝部材10の弾性力の釣り合いを考慮すると、90°≦θ<180°がよい。また、支持点における接触角は、スライダー2の寿命にも影響するため、70°≦θ≦38°がよく、3つの支持点におけるボール溝部材10の弾性力の均等な釣り合いを考慮するとθ=60°が一番よい。
【0015】
このように本実施形態のリニアガイド装置及びその製造方法では、スライダー2のスライダー本体9とボール溝部材10とを別体とする。スライダー本体9は一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、クロムモリブデン鋼鋼材、及びステンレス鋼鋼材の何れかから構成する。ボール溝部材10は炭素工具鋼鋼材、及びクロムモリブデン鋼鋼材の何れかから案内レール1を覆う形状に構成して必要な機械的強度を付与する。また、案内レール1の周囲を覆うようにスライダー本体9に収納部14を形成する。このスライダー本体9の収納部14にボール溝部材10を収納するとボール溝部材10は自身の弾性力によって収納部14内に固定し、スライダー本体9の収納部14にスライダー中央腹部13及び左右下側ボール溝部11の三点で支持される。そして、ボール溝部材10がスライダー本体9の収納部14内に組み込まれた状態でスライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6を研削加工し、案内レール1との間のボール8をスライダー下側ボール溝5及びスライダー上側ボール溝6に収納する。そのため、ボール溝部材10の組付作業性に優れ、しかもボール溝部材10の部品形状や組付精度の誤差を解消することができるので、それらの管理を容易化することができる。
また、ボール溝部材10は、素材をプレス加工で成形し、プレス成形後、熱処理によって必要な機械的強度を付与する。そのため、ボール溝部材10の加工コストを低廉化し、安価なリニアガイド装置及びその製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0016】
1は案内レール
2はスライダー
3は案内レール下側ボール溝
4は案内レール上側ボール溝
5はスライダー下側ボール溝
6はスライダー上側ボール溝
7は循環路
8はボール
9はスライダー本体
10はボール溝部材
11はスライダー下側ボール溝部
12はスライダー上側ボール溝部
13はスライダー中央腹部
14は収納部
15はスライダー下側ボール溝受部
16はスライダー中央腹受部
図1
図2
図3
図4
図5