(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気光学効果を有する基板上に形成されるマッハツェンダ型光導波路を有し、前記マッハツェンダ型光導波路の光分岐部及び光合波部の間に位置する一対の分岐導波路に沿って信号電極及び接地電極を有し、進行波電極とされる前記信号電極に、変調データに対応する電気信号を印加することにより、前記マッハツェンダ型光導波路を伝搬する光の変調を行う複数の光変調部が並列に配置され、前記各光変調部からそれぞれ出力される変調光を合波する出力光合波部を有する第1の基板と、
前記第1の基板とは別に設けられ、前記各光変調部にそれぞれ対応する複数の第1の信号線路を有する第2の基板と、
前記第1の基板及び前記第2の基板を収容するパッケージと、
前記パッケージの外に設けられ、前記各光変調部にそれぞれ対応する複数の第2の信号線路を有するフレキシブル回路基板と、を備え、
前記第1の基板上の前記各光変調部の信号電極の、前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記第1の基板の一側面に並べて配置され、前記各光変調部の一対の分岐導波路のうちの前記信号電極が沿う分岐導波路上の、前記出力光合波部からの光路長が互いに等しくなる基点を個別に設定するとき、前記各信号電極の入力端から前記基点までの各々の電気長が互いに異なり、
前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記第2の基板の一側面に並べて配置され、かつ、前記第1の基板上の対応する前記光変調部の信号電極の入力端に電気的に接続される各々の出力端が、前記第2の基板の他の側面に並べて配置され、
前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記フレキシブル回路基板の一側面に並べて配置され、かつ、前記第2の基板上の対応する前記第1の信号線路の入力端に電気的に接続される各々の出力端が、前記フレキシブル回路基板の他の側面に並べて配置されるとともに、前記各第2の信号線路の入力端から出力端までの各々の電気長が互いに異なり、
前記各光変調部にそれぞれ対応する、前記第2の信号線路の入力端から前記第2の信号線路の出力端に接続する前記第1の信号線路の入力端を経由し、前記第1の信号線路の入力端から前記第1の信号線路の出力端に接続する前記信号電極の入力端を経由して前記信号電極上の前記基点に至るまでの信号経路の電気長が、互いに等しく、
前記第1の基板の前記入力端と、前記第2の基板の前記入力端および前記出力端と、前記フレキシブル回路基板の前記出力端が同一平面に設けられていることを特徴とする光変調器。
前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の入力端の間隔と異なることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の入力端の間隔よりも広く、
前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第1の基板上の対応する前記各信号電極の入力端の間隔よりも広いことを特徴とする請求項2に記載の光変調器。
前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の隣り合う入力端の間の中心線が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の隣り合う入力端の間の中心線とずれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光変調器。
前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路が前記第1の基板の長手方向に対して斜めに配線されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光変調器。
前記各光変調部にそれぞれ対応する、前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の単位長さあたりの損失と長さとの積、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の単位長さあたりの損失と長さとの積、及び前記第1の基板上の前記各信号電極の単位長さあたりの損失と前記各信号電極の前記入力端から前記基点に至るまでの信号経路の長さとの積の合計が、互いに等しいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光変調器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この光変調器及び光送信機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
・光変調器の第1の例
図1は、実施の形態にかかる光変調器の第1の例を示す説明図である。
図1に示すように、光変調器1は、パッケージ2の中に第1の基板3、及び第1の基板3とは別の第2の基板4を収容し、パッケージ2の外にフレキシブル回路基板5を有する。第1の基板3は変調器チップの基板である。
【0012】
第1の基板3は、例えばLiNbO
3(以下、LNと略す)またはLiTaO
2などの電気光学効果を有するZ−カットの結晶基板であってもよい。このような電気光学結晶を用いる光導波路デバイスは、結晶基板上の一部にTiなどの金属膜を形成して熱拡散させたり、パターニング後に安息香酸中でプロトン交換したりすることによって光導波路を形成し、光導波路の近傍に電極を設けることによって形成されてもよい。
【0013】
第1の基板3には、複数の光変調部が並列に配置される。
図1に示す例では、
図1において上側に位置する第1の光変調部6と
図1において下側に位置する第2の光変調部7との2つの光変調部6,7が並列に配置されている。並列に配置される光変調部の数は2つに限らないが、本実施の形態では光変調部の数が2つである場合を例にして説明する。第1の光変調部6及び第2の光変調部7は、それぞれ電気光学効果を有する基板上に形成されるマッハツェンダ型光導波路を有する。
【0014】
第1の光変調部6において、マッハツェンダ型光導波路は、第1の入力導波路8、第1の光分岐部9、第1の分岐導波路10、第2の分岐導波路11、第1の光合波部12及び第1の出力導波路13を有する。第1の分岐導波路10と第2の分岐導波路11とは、第1の光分岐部9と第1の光合波部12との間に平行に配置される。
【0015】
第1の光変調部6において、第1の分岐導波路10に沿って第1の信号電極14が設けられ、第2の分岐導波路11に沿って接地電極15,16が設けられる。接地電極15、第1の信号電極14及び接地電極16はコプレーナ電極を形成する。Zカット基板を用いる場合には、第1の分岐導波路10の真上に第1の信号電極14が配置され、第2の分岐導波路11の真上に接地電極16が配置される。それによって、Z方向の電界による屈折率変化を利用することができる。
【0016】
電気光学結晶と第1の信号電極14及び接地電極16との間には、例えば厚さ0.2〜2μm程度のSiO
2などのバッファ層が設けられてもよい。それによって、第1の分岐導波路10中を伝搬する光及び第2の分岐導波路11中を伝搬する光がそれぞれ第1の信号電極14及び接地電極16によって吸収されるのを防ぐことができる。
【0017】
第2の光変調部7において、マッハツェンダ型光導波路は、第2の入力導波路18、第2の光分岐部19、第3の分岐導波路20、第4の分岐導波路21、第2の光合波部22及び第2の出力導波路23を有する。第3の分岐導波路20と第4の分岐導波路21とは、第2の光分岐部19と第2の光合波部22との間に平行に配置される。
【0018】
第2の光変調部7において、第3の分岐導波路20に沿って第2の信号電極24が設けられ、第4の分岐導波路21に沿って接地電極25,16が設けられる。接地電極25、第2の信号電極24及び接地電極16はコプレーナ電極を形成する。Zカット基板を用いる場合には、第3の分岐導波路20の真上に第2の信号電極24が配置され、第4の分岐導波路21の真上に接地電極25が配置される。それによって、Z方向の電界による屈折率変化を利用することができる。
【0019】
電気光学結晶と第2の信号電極24及び接地電極25との間には、例えば厚さ0.2〜2μm程度のSiO
2などのバッファ層が設けられてもよい。それによって、第3の分岐導波路20中を伝搬する光及び第4の分岐導波路21中を伝搬する光がそれぞれ第2の信号電極24及び接地電極25によって吸収されるのを防ぐことができる。
【0020】
第1の信号電極14の、第1の光変調部6に対応する電気信号が与えられる入力端31、及び第2の信号電極24の、第2の光変調部7に対応する電気信号が与えられる入力端32は、第1の基板3の一側面に並べて配置される。
図1に示す例では、第1の信号電極14の入力端31及び第2の信号電極24の入力端32は
図1において第1の基板3の下側の側面に並べて配置されている。
【0021】
第1の信号電極14の終端33及び第2の信号電極24の終端34は第1の基板3の他の側面の終端部35において並べて配置される。
図1に示す例では、第1の信号電極14の終端33及び第2の信号電極24の終端34は
図1において第1の基板3の上側の側面に並べて配置されている。
【0022】
終端部35において、第1の信号電極14の終端33は、図示しない抵抗を介して接地電極16の終端に接続されている。それによって、第1の信号電極14は進行波電極となる。第1の信号電極14の入力端31に変調データに対応するマイクロ波の第1の電気信号を印加すると、発生する電界によって第1の分岐導波路10及び第2の分岐導波路11の屈折率がそれぞれ+Δn
1及び−Δn
2のように変化する。それによって、第1の分岐導波路10と第2の分岐導波路11との間の位相差が変化し、マッハツェンダ干渉によって第1の出力導波路13から出力される信号光が強度変調される。
【0023】
終端部35において、第2の信号電極24の終端34は、図示しない抵抗を介して接地電極25の終端に接続されている。それによって、第2の信号電極24は進行波電極となる。第2の信号電極24の入力端32に変調データに対応するマイクロ波の第2の電気信号を印加すると、発生する電界によって第3の分岐導波路20及び第4の分岐導波路21の屈折率がそれぞれ+Δn
3及び−Δn
4のように変化する。それによって、第3の分岐導波路20と第4の分岐導波路21との間の位相差が変化し、マッハツェンダ干渉によって第2の出力導波路23から出力される信号光が強度変調される。
【0024】
第1の信号電極14及び第2の信号電極24の断面形状を変化させることによって、マイクロ波の実効屈折率を制御することができる。それによって、光とマイクロ波の速度を整合させることができ、高速の光応答特性を得ることができる。
図1に示す光変調器1は、第1の電気信号と第2の電気信号とが互いに異なることによって、多値変調の信号を生成することができる。
【0025】
また、第1の基板3には、入力光分岐部26及び出力光合波部27が形成される。入力光分岐部26の光入力端には例えばコネクタ41を介して光ファイバ42が接続されてもよい。入力光分岐部26の一方の光出力端には第1の入力導波路8が接続される。入力光分岐部26の他方の光出力端には第2の入力導波路18が接続される。入力光分岐部26は、例えばコネクタ41を介して光ファイバ42から入力される入力光を例えば1:1の強度比で2分岐して第1の入力導波路8及び第2の入力導波路18へ出力する。
【0026】
出力光合波部27の一方の光入力端には第1の出力導波路13が接続される。出力光合波部27の他方の光入力端には第2の出力導波路23が接続される。出力光合波部27の光出力端には例えばコネクタ43を介して光ファイバ44が接続されてもよい。出力光合波部27は、第1の出力導波路13及び第2の出力導波路23からそれぞれ出力される変調光を合波し、コネクタ43を介して光ファイバ44へ出力してもよい。
【0027】
ここで、第1の分岐導波路10及び第3の分岐導波路20のそれぞれについて、出力光合波部27からの光路長が互いに等しくなる基点を個別に設定する。これ以降の説明において、第1の分岐導波路10上の基点をP
C1とし、第3の分岐導波路20上の基点をP
C2と表すことがある。第1の信号電極14の入力端31から第1の分岐導波路10上の基点P
C1までの電気長と、第2の信号電極24の入力端32から第3の分岐導波路20上の基点P
C2までの電気長とは、互いに異なる。
【0028】
第2の基板4は例えばセラミックスでできた基板であってもよい。第2の基板4には、各光変調部6,7にそれぞれ対応する複数の第1の信号線路51,52が設けられる。これ以降の説明において、第1の光変調部6に対応する第1の信号線路51を第1−1の信号線路51とし、第2の光変調部7に対応する第1の信号線路52を第1−2の信号線路52と表すことがある。
【0029】
第1−1の信号線路51の、第1の光変調部6に対応する電気信号が与えられる入力端53、及び第1−2の信号線路52の、第2の光変調部7に対応する電気信号が与えられる入力端54は、第2の基板4の一側面に並べて配置される。
図1に示す例では、第1−1の信号線路51の入力端53及び第1−2の信号線路52の入力端54は
図1において第2の基板4の下側の側面に並べて配置されている。
【0030】
第1−1の信号線路51の出力端55及び第1−2の信号線路52の出力端56は第2の基板4の他の側面に並べて配置される。
図1に示す例では、第1−1の信号線路51の出力端55及び第1−2の信号線路52の出力端56は
図1において第2の基板4の上側の側面に並べて配置されている。
【0031】
第1−1の信号線路51の出力端55は例えばワイヤボンディングによって第1の信号電極14の入力端31に電気的に接続されてもよい。第1−2の信号線路52の出力端56は例えばワイヤボンディングによって第2の信号電極24の入力端32に電気的に接続されてもよい。第1−1の信号線路51の出力端55、第1−2の信号線路52の出力端56、第1の信号電極14の入力端31及び第2の信号電極24の入力端32には、それぞれ図示しない電極パッドが設けられており、それぞれの電極パッドにワイヤがボンディングされてもよい。
【0032】
フレキシブル回路基板5には、各光変調部6,7にそれぞれ対応する複数の第2の信号線路61,62が設けられる。これ以降の説明において、第1の光変調部6に対応する第2の信号線路61を第2−1の信号線路61とし、第2の光変調部7に対応する第2の信号線路62を第2−2の信号線路62と表すことがある。
【0033】
第2−1の信号線路61の、第1の光変調部6に対応する電気信号が与えられる入力端63、及び第2−2の信号線路62の、第2の光変調部7に対応する電気信号が与えられる入力端64は、フレキシブル回路基板5の一側面に並べて配置される。
図1に示す例では、第2−1の信号線路61の入力端63及び第2−2の信号線路62の入力端64は
図1においてフレキシブル回路基板5の下側の側面に並べて配置されている。
【0034】
第2−1の信号線路61の出力端65及び第2−2の信号線路62の出力端66はフレキシブル回路基板5の他の側面に並べて配置される。
図1に示す例では、第2−1の信号線路61の出力端65及び第2−2の信号線路62の出力端66は
図1においてフレキシブル回路基板5の上側の側面に並べて配置されている。
【0035】
第2−1の信号線路61の出力端65は、例えばパッケージ2の側面に設けられる図示しない電気コネクタを介して第1−1の信号線路51の入力端53に電気的に接続されてもよい。第2−2の信号線路62の出力端66は、例えばパッケージ2の側面に設けられる図示しない電気コネクタを介して第1−2の信号線路52の入力端54に電気的に接続されてもよい。
【0036】
このようにパッケージ2の片側に光変調器1への電気信号の入力部が並んで配置されることにより、例えばプリント回路基板71に光変調器1を容易に実装できる。また、光変調器1の実装面積を小さくすることができる。さらに、例えばプリント回路基板71と光変調器1への電気信号の入力部とをフレキシブル回路基板5を用いて接続することによって、光変調器1の実装面積を小さくすることができる。
【0037】
第2−1の信号線路61の入力端63から第2−1の信号線路61の出力端65までの電気長と、第2−2の信号線路62の入力端64から第2−2の信号線路62の出力端66までの電気長とは、互いに異なる。例えば
図1に示す例では、第2−1の信号線路61は、第1の基板3の長手方向に直交する方向、すなわち第1の基板3の短手方向に直線状に伸びている。
【0038】
一方、第2−2の信号線路62は、入力端64から第1の基板3の短手方向に伸び、途中で第1の基板3の長手方向へ折れ曲がり、再び第1の基板3の短手方向へ折れ曲がり、再び第1の基板3の長手方向の逆向きへ折れ曲がり、再び第1の基板3の短手方向へ折れ曲がって出力端66に至る。第2−2の信号線路62の電気長は、第2−2の信号線路62が4回折れ曲がって第1の基板3の長手方向へ行って戻ってくる分、第2−1の信号線路61の電気長よりも長くなる。
【0039】
そして、第2−1の信号線路61の入力端63から第1の信号電極14の基点P
C1に至るまでの信号経路の電気長と、第2−2の信号線路62の入力端64から第2の信号電極24の基点P
C2に至るまでの信号経路の電気長とは、互いに等しい。それによって、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64とに同時に変調データに対応する電気信号を印加すると、第1の分岐導波路10と第1の信号電極14との相互作用部及び第3の分岐導波路20と第2の信号電極24との相互作用部に同時に電気信号が到達する。
【0040】
従って、第1の出力導波路13から出力される変調光と第2の出力導波路23から出力される変調光とのタイミングが一致する。すなわち、第1の光変調部6と第2の光変調部7とのスキューゼロが実現される。
【0041】
フレキシブル回路基板5の単位長さあたりの損失をα
fとし、第2の基板4単位長さあたりの損失をα
cとし、第1の基板3単位長さあたりの損失をα
mとする。フレキシブル回路基板5上の第2の信号線路61,62において、第2−1の信号線路61の長さをL
f1とし、第2−2の信号線路62の長さをL
f2とする。第2の基板4上の第1の信号線路51,52において、第1−1の信号線路51の長さをL
c1とし、第1−2の信号線路52の長さをL
c2とする。第1の基板3上の第1の信号電極14において、入力端31から基点P
C1までの長さをL
m1とし、第1の基板3上の第2の信号電極24において、入力端32から基点P
C2までの長さをL
m2とする。
【0042】
次の式が成り立つように信号電極14,24、第1の信号線路51,52及び第2の信号線路61,62の各構造を設計するとよい。そうすれば、第1の光変調部6と第2の光変調部7とで帯域が異なってしまうのを防ぐことができる。つまり、第1の光変調部6の帯域と第2の光変調部7の帯域とを互いに等しくすることができる。
α
f×L
f1+α
c×L
c1+α
m×L
m1=α
f×L
f2+α
c×L
c2+α
m×L
m2
【0043】
光変調器1は例えばプリント回路基板71に実装されてもよい。第2−1の信号線路61の入力端63は、例えばプリント回路基板71に形成される第1の信号配線72に半田付けによって電気的に接続されてもよい。第2−2の信号線路62の入力端64は、例えばプリント回路基板71に形成される第2の信号配線73に半田付けによって電気的に接続されてもよい。第1の信号配線72及び第2の信号配線73は、光変調器1を駆動する図示しないドライバに接続されてもよい。ドライバは、例えばプリント回路基板71に実装されてもよい。
【0044】
図2は、光変調器の別の例を示す説明図である。
図2に示す光変調器は、パッケージ2内の第2の基板4において、第1−2の信号線路52を何度も折り曲げる形状にして、第1−2の信号線路52の電気長を第1−1の信号線路51の電気長よりも長くし、光変調部6,7のスキューゼロを実現するものである。フレキシブル回路基板5において、第2−1の信号線路61の電気長と第2−2の信号線路62の電気長とは互いに等しい。
【0045】
図1に示す光変調器1によれば、パッケージ2の外のフレキシブル回路基板5において電気長の調整を行うことによって、
図2に示す例のようにパッケージ2内の第2の基板4において電気長を調整する構成に比べて、第2の基板4の第1の基板3の短手方向の長さを短くすることができる。従って、パッケージ2を小型化することができる。
【0046】
・光変調器の第2の例
図3は、実施の形態にかかる光変調器の第2の例を示す説明図である。
図3に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔D
fが、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔D
cと異なるものである。
【0047】
図3に示す例では、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔D
fが第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔D
cよりも広くなっている。第2の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0048】
図3に示す光変調器1によれば、例えばプリント回路基板71に形成される信号配線72,73の間隔が第1の基板3における信号電極14,24の入力端31,32の間隔よりも広い場合でも、フレキシブル回路基板5においてピッチを変換することができる。フレキシブル回路基板5においてピッチを変換することによって、第2の基板4においてピッチの変換を行う場合と比べて、第2の基板4の第1の基板3の短手方向の長さを短くすることができる。従って、パッケージ2を小型化することができる。
【0049】
・光変調器の第3の例
図4は、実施の形態にかかる光変調器の第3の例を示す説明図である。
図4に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔D
fが第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔D
cよりも広くなっているものである。
【0050】
また、
図4に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔D
cが第1の信号電極14の入力端31と第2の信号電極24の入力端32との間隔D
mよりも広くなっているものである。第3の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0051】
図4に示す光変調器1によれば、例えばプリント回路基板71に形成される信号配線72,73の間隔が第1の基板3における信号電極14,24の入力端31,32の間隔よりも広い場合でも、フレキシブル回路基板5と第2の基板4とにおいてピッチを変換することができる。フレキシブル回路基板5と第2の基板4とにおいてピッチを変換することによって、第2の基板4のみでピッチの変換を行う場合と比べて、第2の基板4の第1の基板3の短手方向の長さを短くすることができる。従って、パッケージ2を小型化することができる。
【0052】
また、フレキシブル回路基板5の伝搬損失が大きい場合、フレキシブル回路基板5のみでピッチを変換すると伝搬損失が大きくなり、帯域劣化が著しくなるという不都合が生じる虞がある。
図4に示す光変調器1のように、フレキシブル回路基板5と第2の基板4とにおいてピッチを変換することによって、フレキシブル回路基板5のみでピッチの変換を行う場合と比べて、フレキシブル回路基板5での伝搬損失を抑え、帯域劣化を抑えることができる。
【0053】
・光変調器の第4の例
図5は、実施の形態にかかる光変調器の第4の例を示す説明図である。
図5に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間の中心線C
fが、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間の中心線C
cとずれているものである。
【0054】
また、第2−2の信号線路62が第1の基板3の長手方向に対して斜めに配線されていてもよい。さらに、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔に合わせて、第2−1の信号線路61が第1の基板3の長手方向に対して斜めに配線されていてもよい。
【0055】
図3に示す光変調器1のように、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔が第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔よりも広くなっていてもよい。さらに、
図4に示す光変調器1のように、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔が第1の信号電極14の入力端31と第2の信号電極24の入力端32との間隔よりも広くなっていてもよい。第4の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0056】
図5に示す光変調器1によれば、第2−2の信号線路62を何度も折り曲げなくても第2−2の信号線路62の電気長を第2−1の信号線路61の電気長よりも長くすることができる。従って、フレキシブル回路基板5を小さくすることができる。また、第2−2の信号線路62を斜めに配線することによって、第2−2の信号線路62を短くすることができる。従って、第2の光変調部7の帯域を広げることができる。
【0057】
・光変調器の第5の例
図6は、実施の形態にかかる光変調器の第5の例を示す説明図である。
図6に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間の中心線C
fが、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間の中心線C
cとずれているものである。
【0058】
また、第2−2の信号線路62と第1−2の信号線路52とが第1の基板3の長手方向に対して斜めに一直線状に配線されている。さらに、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔に合わせて、第2−1の信号線路61と第1−1の信号線路51とが第1の基板3の長手方向に対して斜めに一直線状に配線されていてもよい。
【0059】
図3に示す光変調器1のように、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔が第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔よりも広くなっていてもよい。さらに、
図4に示す光変調器1のように、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔が第1の信号電極14の入力端31と第2の信号電極24の入力端32との間隔よりも広くなっていてもよい。第5の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0060】
図6に示す光変調器1によれば、第2−2の信号線路62の入力端64から第1−2の信号線路52の出力端56までの信号経路の長さを短くすることができる。従って、第2の光変調部7の帯域を広げることができる。また、第2−2の信号線路62の入力端64から第1−2の信号線路52の出力端56までの信号経路の長さと、第2−1の信号線路61の入力端63から第1−1の信号線路51の出力端55までの信号経路の長さとのバランスをとりながら両信号経路の長さを短くすることができる。従って、高周波信号の伝搬損失を低減し、変調帯域を広げることができる。また、高速駆動時の駆動電圧を低減することができる。
【0061】
・光変調器の第6の例
図7は、実施の形態にかかる光変調器の第6の例を示す説明図である。
図7に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間の中心線C
fが、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間の中心線C
cとずれているものである。
【0062】
また、第2−2の信号線路62と、第1−2の信号線路52と、第2の信号電極24において入力端32から第3の分岐導波路20に沿う部分の始まりの箇所に至るまでの部分とが、第1の基板3の長手方向に対して斜めに一直線状に配線されている。さらに、第2−1の信号線路61と、第1−1の信号線路51と、第1の信号電極14において入力端31から第1の分岐導波路10に沿う部分の始まりの箇所に至るまでの部分とが、第1の基板3の長手方向に対して斜めに一直線状に配線されていてもよい。
【0063】
図3に示す光変調器1のように、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔が第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔よりも広くなっていてもよい。さらに、
図4に示す光変調器1のように、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔が第1の信号電極14の入力端31と第2の信号電極24の入力端32との間隔よりも広くなっていてもよい。第6の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0064】
図7に示す光変調器1によれば、第2−2の信号線路62の入力端64から、第2の信号電極24の第3の分岐導波路20に沿う部分の始まりの箇所までの信号経路の長さを短くすることができる。従って、第2の光変調部7の帯域を広げることができる。また、第2−2の信号線路62の入力端64から、第2の信号電極24の第3の分岐導波路20に沿う部分の始まりの箇所までの信号経路の長さと、第2−1の信号線路61の入力端63から、第1の信号電極14の第1の分岐導波路10に沿う部分の始まりの箇所までの信号経路の長さとのバランスをとりながら両信号経路の長さを短くすることができる。従って、高周波信号の伝搬損失を低減し、変調帯域を広げることができる。また、高速駆動時の駆動電圧を低減することができる。
【0065】
・光変調器の第7の例
図8は、実施の形態にかかる光変調器の第7の例を示す説明図である。
図8に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、第1の出力導波路13及び第2の出力導波路23のそれぞれに沿ってDC電極81,82を有するものである。
図8に示す光変調器1において、DC電極81,82にバイアス83を与え、2つのマッハツェンダ型光導波路からの出力の位相差が90度となるようにそれぞれの位相を調節してもよい。また、それぞれのマッハツェンダ型光導波路からの出力を0とπとの2値で変調するDPSK(Differential Phase Shift Keying)変調としてもよい。そうすることによって、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調信号を生成することができる。
【0066】
図5に示す光変調器1のように、第2−2の信号線路62が第1の基板3の長手方向に対して斜めに配線されていてもよい。第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔に合わせて、第2−1の信号線路61が第1の基板3の長手方向に対して斜めに配線されていてもよい。
【0067】
図3に示す光変調器1のように、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔が第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔よりも広くなっていてもよい。さらに、
図4に示す光変調器1のように、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔が第1の信号電極14の入力端31と第2の信号電極24の入力端32との間隔よりも広くなっていてもよい。第7の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0068】
なお、
図3及び
図4〜
図7のそれぞれに示す光変調器1においても同様にして、QPSK変調信号を生成するようにしてもよい。
【0069】
・光変調器の第8の例
図9は、実施の形態にかかる光変調器の第8の例を示す説明図である。
図9に示す光変調器1は、
図1に示す光変調器1において、一方のマッハツェンダ型光導波路からの出力を、偏波回転器91により偏波を90度回転させてから、他方のマッハツェンダ型光導波路からの出力と偏波合成器92(Polarization Beam Combiner、PBC)によって合成するものである。そうすることによって、偏波多重化信号を生成して偏波合成器92から出力させることができる。
【0070】
図5に示す光変調器1のように、第2−2の信号線路62が第1の基板3の長手方向に対して斜めに配線されていてもよい。第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔に合わせて、第2−1の信号線路61が第1の基板3の長手方向に対して斜めに配線されていてもよい。
【0071】
図3に示す光変調器1のように、第2−1の信号線路61の入力端63と第2−2の信号線路62の入力端64との間隔が第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔よりも広くなっていてもよい。さらに、
図4に示す光変調器1のように、第1−1の信号線路51の入力端53と第1−2の信号線路52の入力端54との間隔が第1の信号電極14の入力端31と第2の信号電極24の入力端32との間隔よりも広くなっていてもよい。第8の例のその他の構成は
図1に示す光変調器1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0072】
なお、
図3及び
図4〜
図7のそれぞれに示す光変調器1においても同様にして、偏波多重化信号を生成するようにしてもよい。
【0073】
・光送信機の一例
図10は、実施の形態にかかる光送信機の一例を示す説明図である。
図10に示すように、光送信機101は、光変調器102、発光素子103、データ生成回路104及びドライバ105を有する。
【0074】
発光素子103は、光を出射する。レーザーダイオード(LD)は発光素子103の一例である。データ生成回路104は、変調データを生成する。ドライバ105は、データ生成回路104から出力される変調データに対応する振幅の電気信号を生成する。光変調器102は、ドライバ105から出力される電気信号に基づいて、発光素子103から出射される光の変調を行う。
図1、
図3及び
図4〜
図9のそれぞれに示す光変調器1は、光送信機101の光変調器102の一例である。光変調器102から出力される光は,図示省略するコネクタを介して光ファイバ106へ出力されてもよい。
【0075】
図10に示す光送信機によれば、光変調器102として
図1、
図3及び
図4〜
図9のそれぞれに示す光変調器1を用いることによって、光変調器102のパッケージを小型化することができる。また、ドライバ105と光変調器102とを接続する複数の信号配線のピッチが変調器チップの信号電極のピッチよりも広い場合でも、光変調器102のフレキシブル回路基板においてピッチの変換を行うことができる。
【0076】
なお、
図1、
図3及び
図4〜
図9のそれぞれに示す光変調器1においては、マッハツェンダ型光導波路及び信号電極をそれぞれ2つずつ有するが、マッハツェンダ型光導波路及び信号電極をそれぞれ2つ以上ずつ有する場合も同様である。
【0077】
上述した各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1)電気光学効果を有する基板上に形成されるマッハツェンダ型光導波路を有し、前記マッハツェンダ型光導波路の光分岐部及び光合波部の間に位置する一対の分岐導波路に沿って信号電極及び接地電極を有し、進行波電極とされる前記信号電極に、変調データに対応する電気信号を印加することにより、前記マッハツェンダ型光導波路を伝搬する光の変調を行う複数の光変調部が並列に配置され、前記各光変調部からそれぞれ出力される変調光を合波する出力光合波部を有する第1の基板と、前記第1の基板とは別に設けられ、前記各光変調部にそれぞれ対応する複数の第1の信号線路を有する第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板を収容するパッケージと、前記パッケージの外に設けられ、前記各光変調部にそれぞれ対応する複数の第2の信号線路を有するフレキシブル回路基板と、を備え、前記第1の基板上の前記各光変調部の信号電極の、前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記第1の基板の一側面に並べて配置され、前記各光変調部の一対の分岐導波路のうちの前記信号電極が沿う分岐導波路上の、前記出力光合波部からの光路長が互いに等しくなる基点を個別に設定するとき、前記各信号電極の入力端から前記基点までの各々の電気長が互いに異なり、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記第2の基板の一側面に並べて配置され、かつ、前記第1の基板上の対応する前記光変調部の信号電極の入力端に電気的に接続される各々の出力端が、前記第2の基板の他の側面に並べて配置され、前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記フレキシブル回路基板の一側面に並べて配置され、かつ、前記第2の基板上の対応する前記第1の信号線路の入力端に電気的に接続される各々の出力端が、前記フレキシブル回路基板の他の側面に並べて配置されるとともに、前記各第2の信号線路の入力端から出力端までの各々の電気長が互いに異なり、前記各光変調部にそれぞれ対応する、前記第2の信号線路の入力端から前記第2の信号線路の出力端に接続する前記第1の信号線路の入力端を経由し、前記第1の信号線路の入力端から前記第1の信号線路の出力端に接続する前記信号電極の入力端を経由して前記信号電極上の前記基点に至るまでの信号経路の電気長が、互いに等しいことを特徴とする光変調器。
【0079】
(付記2)前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の入力端の間隔と異なることを特徴とする付記1に記載の光変調器。
【0080】
(付記3)前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の入力端の間隔よりも広く、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第1の基板上の対応する前記各信号電極の入力端の間隔よりも広いことを特徴とする付記2に記載の光変調器。
【0081】
(付記4)前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の隣り合う入力端の間の中心線が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の隣り合う入力端の間の中心線とずれていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の光変調器。
【0082】
(付記5)前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路が前記第1の基板の長手方向に対して斜めに配線されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の光変調器。
【0083】
(付記6)前記第2の基板上の前記各第1の信号線路が前記第1の基板の長手方向に対して斜めに配線されており、前記各第1の信号線路と、前記フレキシブル回路基板上の対応する前記各第2の信号線路とが、一直線状に配線されることを特徴とする付記5に記載の光変調器。
【0084】
(付記7)前記第1の基板上の前記各信号電極の入力端から、前記分岐導波路に沿う部分に至るまでの部分が前記第1の基板の長手方向に対して斜めに配線されており、前記各信号電極の入力端から、前記分岐導波路に沿う部分に至るまでの部分と、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路と、前記フレキシブル回路基板上の対応する前記各第2の信号線路とが、一直線状に配線されることを特徴とする付記6に記載の光変調器。
【0085】
(付記8)前記各光変調部にそれぞれ対応する、前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の単位長さあたりの損失と長さとの積、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の単位長さあたりの損失と長さとの積、及び前記第1の基板上の前記各信号電極の単位長さあたりの損失と前記各信号電極の前記入力端から前記基点に至るまでの信号経路の長さとの積の合計が、互いに等しいことを特徴とする付記1乃至7のいずれか一項に記載の光変調器。
【0086】
(付記9)QPSK変調器であることを特徴とする付記1乃至8のいずれか一項に記載の光変調器。
【0087】
(付記10)偏波多重変調器であることを特徴とする付記1乃至8のいずれか一項に記載の光変調器。
【0088】
(付記11)光を出射する発光素子と、変調データを生成するデータ生成回路と、前記データ生成回路から出力される変調データに対応する電気信号を生成するドライバと、前記ドライバから出力される電気信号に基づいて、前記発光素子から出射される光の変調を行う光変調器と、を備え、前記光変調器は、電気光学効果を有する基板上に形成されるマッハツェンダ型光導波路を有し、前記マッハツェンダ型光導波路の光分岐部及び光合波部の間に位置する一対の分岐導波路に沿って信号電極及び接地電極を有し、進行波電極とされる前記信号電極に、前記変調データに対応する前記電気信号を印加することにより、前記マッハツェンダ型光導波路を伝搬する光の変調を行う複数の光変調部が並列に配置され、前記各光変調部からそれぞれ出力される変調光を合波する出力光合波部を有する第1の基板と、前記第1の基板とは別に設けられ、前記各光変調部にそれぞれ対応する複数の第1の信号線路を有する第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板を収容するパッケージと、前記パッケージの外に設けられ、前記各光変調部にそれぞれ対応する複数の第2の信号線路を有するフレキシブル回路基板と、を備え、前記第1の基板上の前記各光変調部の信号電極の、前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記第1の基板の一側面に並べて配置され、前記各光変調部の一対の分岐導波路のうちの前記信号電極が沿う分岐導波路上の、前記出力光合波部からの光路長が互いに等しくなる基点を個別に設定するとき、前記各信号電極の入力端から前記基点までの各々の電気長が互いに異なり、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記第2の基板の一側面に並べて配置され、かつ、前記第1の基板上の対応する前記光変調部の信号電極の入力端に電気的に接続される各々の出力端が、前記第2の基板の他の側面に並べて配置され、前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端が、前記フレキシブル回路基板の一側面に並べて配置され、かつ、前記第2の基板上の対応する前記第1の信号線路の入力端に電気的に接続される各々の出力端が、前記フレキシブル回路基板の他の側面に並べて配置されるとともに、前記各第2の信号線路の入力端から出力端までの各々の電気長が互いに異なり、前記各光変調部にそれぞれ対応する、前記第2の信号線路の入力端から前記第2の信号線路の出力端に接続する前記第1の信号線路の入力端を経由し、前記第1の信号線路の入力端から前記第1の信号線路の出力端に接続する前記信号電極の入力端を経由して前記信号電極上の前記基点に至るまでの信号経路の電気長が、互いに等しいことを特徴とする光送信機。
【0089】
(付記12)前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第2の基板上の対応する前記各第1の信号線路の入力端の間隔よりも広く、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の入力端の間隔が、前記第1の基板上の対応する前記各信号電極の入力端の間隔よりも広く、前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の、前記各光変調部にそれぞれ対応する前記電気信号が与えられる各々の隣り合う入力端の間の中心線が、前記第1の基板上の対応する前記各信号電極の隣り合う入力端の間の中心線とずれていることを特徴とする付記11に記載の光送信機。
【0090】
(付記13)前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路が前記第1の基板の長手方向に対して斜めに配線され、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路が前記第1の基板の長手方向に対して斜めに配線され、前記各第1の信号線路と、対応する前記各第2の信号線路とが、一直線状に配線されることを特徴とする付記11または12に記載の光送信機。
【0091】
(付記14)前記各光変調部にそれぞれ対応する、前記フレキシブル回路基板上の前記各第2の信号線路の単位長さあたりの損失と長さとの積、前記第2の基板上の前記各第1の信号線路の単位長さあたりの損失と長さとの積、及び前記第1の基板上の前記各信号電極の単位長さあたりの損失と長さとの積の合計が、互いに等しいことを特徴とする付記11乃至13のいずれか一項に記載の光送信機。