(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る遠隔会議システムの情報処理装置を構成する、クライアント端末、サーバコンピュータ、そして、ホストコンピュータの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0013】
本発明の情報処理装置に好適な各クライアント端末100a、100b、100cは、例えば、パーソナルコンピュータであって、これらの各クライアント端末は、遠隔会議システムを通し、描画したデータを共有することが出来る。
【0014】
各クライアント端末100a、100b、100cで描画された描画データは、インターネット回線600を介してサーバコンピュータ200を経由し、ホストコンピュータ300におき、データの合成が行われる。
【0015】
また、ホストコンピュータ300において、合成された描画のデータを、インターネット回線600を介してサーバコンピュータ200を経由し、各クライアント端末100a、100b、100cに表示する。
【0016】
なお、各クライアント端末100a、100b、100cは、描画する単位であるレイヤ情報として、レイヤ情報テーブル400へ各端末の情報が保存される。
【0017】
また、各クライアント端末100a、100b、100cで描画された描画データは、リージョンとして、リージョンテーブル500へ保存がされる。これらのテーブルのデータの登録のされ方の詳細については、後述する。
【0018】
なお、リージョンとは、クライアント端末におけるユーザによる描画操作の開始から描画の終了までを1つの描画単位のことを指し、レイヤとは、クライアント端末に対して描画操作の結果を記憶するための領域として割り当てる描画保存領域のことを指す。
【0019】
なお、本発明におけるホストコンピュータ300は、クライアント端末100a、100b、100cと同一の機能を有することが可能であることとする。すなわちクライアント端末としてユーザからの操作を受け付け、ホストコンピュータ300に通知するという実施形態における説明については、ホストコンピュータ300がクライアント端末100a、100b、100cでもある場合には、ユーザから受け付けた操作を、同一筐体であるホストコンピュータ300に通知するという処理になる。また、本発明の実施形態において後述する「ホストコンピュータ300上におけるユーザからの操作」については、クライアント端末100a、100b、100cで受け付け、当該操作のイベントをホストコンピュータ300に通知し、ホストコンピュータ300においてユーザが操作した場合と同様の動きをすることが可能であるとしても良い。
【0020】
図2は、各クライアント端末100a、100b、100c、サーバコンピュータ200、ホストコンピュータ300に適応可能な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0021】
図2に示すように、クライアント端末100a、100b、100c、サーバコンピュータ200、ホストコンピュータ300の各CPU201では、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208が接続され、各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0022】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0023】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0024】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0025】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0026】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0027】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、各クライアント端末100a、100b、100c、サーバコンピュータ200、ホストコンピュータ300間の通信において、インターネット回線600を介するデータの受け渡し、または受け取りを制御する。
【0028】
なお、後述する本発明の処理の一例を示すフローチャートを実行するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムも、この外部メモリ211に記憶されているものとする。
【0029】
なお、外部メモリ211は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0030】
また、本発明を実現するため外部メモリ211や、それ以外の記憶媒体に記録されたプログラムは、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0031】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0032】
次に、
図3を用いて、本発明におけるクライアント端末100a、100b、100c、会議サーバ装置であるサーバコンピュータ200、ホストコンピュータ300、描画データの保存先となるリージョンテーブル500、クライアント端末毎に割り当てられる描画の保存領域であるレイヤの情報が記憶されるレイヤ情報テーブル400、が備える機能構成の一例を示す機能構成図について説明する。
【0033】
本発明における機能構成図のうち、クライアント端末100a、100b、100cは、描画操作通知部301、リージョン操作指定部302、リージョン操作通知部303、レイヤ操作指定部304、レイヤ操作通知部305、合成描画データ受取部306から構成され、ホストコンピュータ300は、描画操作受取部307、描画部308、レイヤ割当部309、合成描画作成部310、合成描画データ受渡部311、レイヤ記憶部312、リージョン情報記憶部313、リージョン操作受付部314、リージョン操作実施部315、レイヤ操作受付部316、レイヤ操作実施部317、レイヤ表示非表示切替部318、特定レイヤ描画データ削除部319、特定リージョン非表示部320、特定リージョン表示部321、特定リージョン削除部322、リージョン情報表示部323、リージョン選択肢表示部324から構成される。
【0034】
クライアント端末100a、100b、100cの描画操作通知部301は、クライアント端末における描画操作を、各クライアント端末の描画操作をホストコンピュータ300タへ通知を行う。
【0035】
クライアント端末100a、100b、100cのリージョン操作指定部302は、クライアント端末のユーザに、描画の開始から描画の終了までを1つの描画単位とするリージョンと、該リージョンに対する操作をリージョン操作として選択させる。
【0036】
クライアント端末100a、100b、100cのリージョン操作通知部303は、クライアント端末のユーザによるリージョン操作を前記ホストコンピュータへ通知する。
【0037】
クライアント端末100a、100b、100cのレイヤ操作指定部304は、クライアント端末ごとに割り当てられた描画操作の描画結果を記憶する描画保存領域であるレイヤに対する操作を、クライアント端末のユーザに選択させる。
【0038】
クライアント端末100a、100b、100cのレイヤ操作通知部305は、レイヤ操作をホストコンピュータへ受け渡す。
【0039】
クライアント端末100a、100b、100cの合成描画データ受取部306は、ホストコンピュータにより合成された合成描画データを、クライアント端末で表示可能にするために、合成描画データを受け取る。
【0040】
ホストコンピュータ300の描画操作受取部307は、クライアント端末における描画操作を受け取る。
【0041】
ホストコンピュータ300の描画部308は、クライアント端末から受け取った描画操作に基づき、描画保存領域に描画内容を描画する。
【0042】
ホストコンピュータ300のレイヤ割当部309は、描画操作を通知したクライアント端末に対して、描画操作の描画結果を記憶する描画保存領域であるレイヤを割り当てる。
【0043】
ホストコンピュータ300の合成描画作成部310は、クライアント端末に対応する描画保存領域に描画手段により記憶された描画イメージを合成して、合成画像領域に合成描画データを作成する。
【0044】
ホストコンピュータ300の合成描画データ受渡部311は、サーバコンピュータ200を中継し、クライアント端末へ、合成描画作成部310で作成された合成描画データを通知する。
【0045】
ホストコンピュータ300のレイヤ記憶部312は、クライアント端末情報である、クライアント端末の名称、割り当てられたレイヤ名、クライアント端末に対してログインをしているログインユーザ名が記憶される。
【0046】
ホストコンピュータ300のリージョン情報記憶部313は、リージョンテーブル500へ、クライアント端末において描画されるリージョンの識別情報と、レイヤ種別と、描画の軌跡の座標位置と、表示状態とをリージョン情報として記憶する。
【0047】
ホストコンピュータ300のリージョン操作受付部314は、クライアント端末のリージョン操作通知部303によって通知されたリージョン操作を受け付ける。
【0048】
ホストコンピュータ300のリージョン操作実施部315は、リージョン操作受付部314で受け付けたリージョン操作に基づいて、リージョンに指定された操作を行う。
【0049】
ホストコンピュータ300のレイヤ操作受付部316は、クライアント端末のレイヤ操作通知部305によって通知されたレイヤ操作を受け取る。
【0050】
ホストコンピュータ300のレイヤ操作実施部317は、レイヤ操作受付部316で受け付けたレイヤ操作に基づいて、指定されたレイヤに、指定された操作を行う。
【0051】
ホストコンピュータ300のレイヤ表示非表示切替部318は、クライアント端末の画面において選択されたレイヤの表示、非表示を切り替える。
【0052】
ホストコンピュータ300の特定レイヤ描画データ削除部319は、クライアント端末の画面において選択されたレイヤで描画された描画データの全てを削除する。
【0053】
ホストコンピュータ300の特定リージョン非表示部320は、クライアント端末の画面において選択されたリージョンを非表示にする。
【0054】
ホストコンピュータ300の特定リージョン表示部321は、クライアント端末において、特定リージョン非表示部320によって非表示にされた描画データを、再度、クライアント端末の画面上で表示がされるようにする。
【0055】
ホストコンピュータ300の特定リージョン削除部322は、クライアント端末の画面において選択されたリージョンを削除する。
【0056】
ホストコンピュータ300のリージョン情報表示部323は、クライアント端末の画面において選択されたリージョンのクライアント端末の名称、レイヤの名称、該クライアント端末において描画操作を行っているログインユーザの情報を、表示する。
【0057】
ホストコンピュータ300のリージョン選択肢表示部324は、クライアント端末の画面において選択した描画データにおける選択箇所が、複数の描画データが重なっている場合に、処理対象リージョンを選択するための画面を表示する。
【0058】
サーバコンピュータ200の合成描画データ受取部325は、中継サーバコンピュータとして、ホストコンピュータ300の合成描画作成部310で作成された合成描画データを受け取る。
【0059】
サーバコンピュータ200の合成描画データ受渡部326は、中継サーバコンピュータとして、合成描画データ受取部325で受け取った合成描画データをクライアント端末100a、100b、100cへ受け渡す。
【0060】
レイヤ情報テーブル400は、レイヤ記憶部312によって、本発明の遠隔会議システムに参加しているクライアント端末情報である、クライアント端末の名称、割り当てられたレイヤ名、クライアント端末に対してログインをしているログインユーザ名が記憶される。
【0061】
リージョンテーブル500は、リージョン情報記憶部313によって、クライアント端末において描画されるリージョンの識別情報、レイヤ種別、描画の軌跡の座標位置、表示状態が記憶される。また、1レコードは、描画の一点である、描画の軌跡の座標位置として保存される。
【0062】
次に、本発明の実施形態のフローについて、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8を用いて説明する。
【0063】
図4は、本発明における、遠隔会議システムの開始から終了までの描画データの各クライアント端末とホストコンピュータとのサーバを通しての通信の流れ説明した図である。
【0064】
まず、ステップS401において、遠隔会議システムが開始されると、次のステップS402において、ホストコンピュータ300は、本遠隔会議システムに接続される各クライアント端末の情報を取得する。
【0065】
ステップS403において、ホストコンピュータ300は、該遠隔会議システムに接続された各クライアント端末100a、100b、100cに対して、子プロセスを起動する。なお、この子プロセスの処理については、
図5で後述する。
【0066】
ステップS404において、ホストコンピュータ300は、該遠隔会議システムに接続された各クライアント端末100a、100b、100cに対して、各端末用の画像が描画される領域であるレイヤのためのメモリを確保する。
【0067】
続いて、ステップS405からステップS410までの処理は、会議終了指示があるまで繰り返される。
【0068】
まず、ステップS405において、ホストコンピュータ300は、各クライアント端末のレイヤに描かれた画像をビデオメモリに合成する。
【0069】
次にステップS406において、ステップS405で合成された描画データを、サーバコンピュータ200へ通知する。
【0070】
ステップS407において、サーバコンピュータ200は、合成された描画データをホストコンピュータ300から受け取る。
【0071】
ステップS408において、サーバコンピュータ200は、ステップS406でホストコンピュータ300から通知された合成画像を受け取る。
【0072】
ステップS409において、サーバコンピュータ200は、ステップS408で受け取った、合成された描画データをクライアント端末100a、100b、100cへ表示データとして受け渡す。
【0073】
ステップS410において、クライアント端末100a、100b、100cは、ステップS409でサーバコンピュータ200より受け渡された、合成された描画データを受け取り、各クライアント端末のモニタへ表示する。
【0074】
ホストコンピュータ300におき、会議終了の指示が入ると、ステップS411において、ステップS403で起動した、子プロセスを終了する。
【0075】
次に
図5を用いて、
図4のステップS416のパターンAのダウンロード処理の詳細について説明をする。
【0076】
図5は、遠隔会議システムの開始から終了までにおける、ホストコンピュータ300における、クライアント端末100a、100b、100cから受け付けた描画データに対する各種処理のフローを説明している。なお、ステップ501からステップS508までの処理は、会議終了指示があるまで繰り返される。
【0077】
まず、ステップS501において、クライアント端末100a、100b、100cは、描画、または、描画されたものに対する各種処理のマウス操作を受け付ける。
【0078】
次に、ステップS502において、クライアント端末100a、100b、100cは、ステップS501において受け付けたマウス操作をホストコンピュータ300へ通知する。
【0079】
ステップS503において、ホストコンピュータ300は、ステップS502において、通知されたクライアント端末100a、100b、100cのマウス操作を受け取る。
【0080】
続いて、ステップS504において、ホストコンピュータ300は、ステップS503において、受け付けた各クライアント端末からのマウス操作に対応する、各クライアント端末情報、及び対応するレイヤ情報の取得を行う。なお、この取得したレイヤについては、レイヤ情報テーブル400に保存をする。
【0081】
図9のレイヤ情報テーブル400は、遠隔会議システムに参加している各クライアント端末の情報を、ホストコンピュータ側で管理するためのテーブルの一例を示した図である。このレイヤ情報テーブル400は、端末名401、レイヤ名402、ログインユーザ名403、レイヤのメモリアドレス(start)404、レイヤのメモリアドレス(end)405、レイヤのメモリサイズ406、表示状態407の項目からなる。
【0082】
端末名401には、クライアント端末装置の装置名が登録され、レイヤ名402には、遠隔会議システムに参加した時のクライアント端末のレイヤ名が登録され、ログインユーザ名403は、端末名401に登録されているクライアント端末装置へログインしている、ログインユーザ名が登録される。また、レイヤのメモリアドレス(start)404には、クライアント端末が描画領域として使用するメモリ領域の開始アドレスが登録され、レイヤのメモリアドレス(end)405には、クライアント端末が描画領域として使用するメモリ領域の終了アドレスが登録され、レイヤのメモリサイズ406には、クライアント端末が描画領域として使用するためのレイヤのサイズが登録され、表示状態407にはレイヤの状態が表示状態か、非表示状態かのいずれかが登録される。
【0083】
ステップS505では、ステップS504で受け付けたマウス操作が、「描画処理」、「リージョン選択」、「レイヤ選択」、「マウス描画操作無し」、のいずれの処理を行なおうとしているのかを判定する。
【0084】
「描画処理」とは、文字通り各クライアント端末における描画の処理のことである。「リージョン選択」とは、各クライアント端末に描画された一筆描きのデータの1つを選択して状態のことである。「レイヤ選択」とは、各クライアント端末の描画領域単位に対する処理のためにいずれかのレイヤを選択している状態のことである。また、「マウス描画操作無し」とは、マウス描画でない他の操作、例えば、マウスのポインタを動かしていることを指す。
【0085】
ステップS505におけるマウス操作が、「描画処理」と判定された場合は、ステップS506の処理へ移り、ステップS505におけるマウス操作が、「リージョン選択」と判定された場合は、ステップS507の処理へ移り、ステップS505におけるマウス操作が、「レイヤ選択」と判定された場合は、ステップS508の処理へ移り、ステップS505におけるマウス操作が、「マウス描画操作無し」と判定された場合は、この処理を終了する。
【0086】
なお、ステップS506の描画と表示処理については
図6で、ステップS507の選択リージョンに対する各処理については
図7で、ステップS508の選択レイヤに対する各処理については
図8で説明を行う。
【0087】
次に
図6を用いて、
図5のステップS506の描画と表示処理の詳細について説明をする。
【0088】
図6は、クライアント端末100a、100b、100cから描画された内容をホストコンピュータが各クライアント端末で閲覧可能にする処理を示したフローの図である。
【0089】
まず、ステップS601において、クライアント端末100a、100b、100cから、マウスによる描画が開始される。
【0090】
ステップS602からステップS604までの処理は、描画が終了するまでの間、繰り返す。
【0091】
ステップS602において、クライアント端末100a、100b、100cは、マウスによる描画および描画データ操作に関するイベントをホストコンピュータへ通知する。
【0092】
続いて、ステップS603において、ホストコンピュータ300は、ステップS602においてクライアント端末100a、100b、100cより通知された、描画および描画データ操作に関するイベントを受け付ける。
【0093】
ステップS604において、ホストコンピュータ300は、ステップS603で受け取った各クライアント端末からのマウスによる描画の電気信号を、ホストコンピュータ300上のクライアント端末ごとの描画データが記憶される領域であるレイヤに描画を行う。
【0094】
なお、
図11の1100から1103に示す図は、各クライアント端末におけるレイヤごとの描画と、それぞれのレイヤが合成された時の表示について説明をした図である。
図11の1100は、レイヤAにおいて描画がされた画面の図であり、
図11の1101は、レイヤBにおいて描画がされた画面の図であり、
図11の1102は、レイヤCにおいて描画がされた画面の図である。これら其々のレイヤの描画データが、ホストコンピュータ300において合成され(
図11の1103)、さらにそれが、各クライアント端末側に受け渡されることによって、全クライアント端末上の描画のデータが各クライアント端末上で参照することができるようにしている。
【0095】
ステップS604において、ホストコンピュータ300がクライアント端末ごとに対応するレイヤに描画を行った後、ステップS605において、その描画のデータをリージョン情報としてリージョンテーブル500に保存する。リージョンテーブル500へは、描画データを構成する座標点単位でレコードが登録されていく。また、描画されたデータで一筆描きの単位のデータの集まりを、リージョンと呼ぶ。
【0096】
図10のリージョンテーブル500は、各クライアント端末から描画されたデータをホストコンピュータ側で管理するためのテーブルの一例を示した図である。このリージョンテーブル500は、識別情報501、リージョンを所有するレイヤ種別502、書き込み時刻503、色504、座標(X,Y)505、表示状態506の項目からなる。
【0097】
識別情報501には、登録される描画を構成する座標点どうしが、同じ一筆描きの描画を構成する場合は、この項目へは、識別番号として同じ番号が登録される。リージョンを所有するレイヤ種別502には、描画を構成する座標点が所属するレイヤの種別が登録され、書き込み時刻503は、描画を構成する座標点が書き込まれた時刻が登録される。また、色504には、描画を構成する座標点の色の情報が登録され、座標(X,Y)505には、描画を構成する座標点の座標軸の位置が登録され、表示状態506には、描画を構成する座標点の表示/非表示の状態の区別が登録される。
【0098】
次に
図7を用いて、
図5のステップS507の選択リージョンに対する各処理の詳細について説明をする。
【0099】
図7は、クライアント端末100a、100b、100cから描画されたデータを、ホストコンピュータ300において、リージョン単位で、表示/非表示を切り替えたり、削除したり、描画の情報を取得する処理の実施形態の一例を示したフローの図である。
【0100】
まず、ステップS701において、ホストコンピュータ300は、クライアント端末100a、100b、100cのいずれかの端末からの操作が、レイヤ上に表示される描画データ(座標)のマウスを選択しているのか、それとも、非表示になっているリージョンを再表示するための、非表示描画データの表示化ツールを選択しているのか、を判定する。
【0101】
ステップS701の判定におき、クライアント端末からの操作がレイヤ上に表示される描画データ(座標)のマウスを選択している場合は、ステップS702以降の処理に進み、非表示描画データの表示化ツールを選択している場合は、ステップS712以降の処理に進む。
【0102】
次に、ステップS701の判定におき、クライアント端末からの操作がレイヤ上に表示される描画データ(座標)のマウスを選択している場合の後続の処理である、ステップS702以降の処理について説明を行う。
【0103】
ステップS702において、ホストコンピュータ300は、レイヤ上で選択した描画データの座標軸に対する、マウス操作を受け取る。
【0104】
ステップS703において、ホストコンピュータ300は、リージョンテーブル500から、レイヤ上で選択した描画データの座標軸より、選択対象となっているリージョンを検索する。
【0105】
ステップS703の検索の結果、ステップS704におき、ホストコンピュータ300は、レイヤ上で選択された描画データのリージョンとレイヤを特定する。
【0106】
なお、ステップS701において、リージョンで選択された箇所が、複数のリージョンの描画の線が重なっている場合は、どのレイヤのリージョンを選択するのかを聞いてくる画面が立ち上がる。
図12の1201は、リージョン選択箇所が、複数のリージョンが重なる場所である場合のイメージ図である。
【0107】
描画に対してこのような選択がなされた場合は、
図12の1202に示すように、「処理対象の描画を選択してください。(複数選択可)」といった、複数選択状態になっているリージョンのサムネイルの一覧を表示し、本来の処理対象をユーザに選択してもらうようにする。
【0108】
次にステップS705において、ホストコンピュータ300は、ステップS703において特定されたリージョンに対する、クライアント端末からの操作内容が、「選択リージョン削除」、「選択リージョン非表示」、「選択リージョンのツールチップ表示」のいずれの処理を行なおうとしているのかを判定する。
【0109】
ステップS705におけるリージョン操作が、「選択リージョン削除」と判定された場合は、ステップS706以降の処理へ移り、ステップS705におけるリージョン操作が、「選択リージョン非表示」と判定された場合は、ステップS708以降の処理へ移り、ステップS705におけるリージョン操作が、「選択リージョンのツールチップ表示」と判定された場合は、ステップS710以降の処理へ移る。
【0110】
次に、ステップS705におけるリージョン操作が、「選択リージョン削除」と判定された場合の、ステップS706以降の処理について説明を行う。
【0111】
ステップS706では、ホストコンピュータ300は、特定したレイヤの中のリージョンを削除する。
図13はそのイメージ図である。
図13の1301におき、ホストコンピュータ300は、ホストコンピュータのユーザにより、一本の横棒であるリージョンが選択されたことを検知し、選択時に右クリックを行うとメニューを表示させる(
図13の1301)。次に選択した横棒のデータを削除するために、メニューの中より「削除」を選択する(
図13の1302)。その結果、
図13の1303の画面イメージになる。
【0112】
なお、
図14の1401は、リージョンテーブルにおけるリージョンの削除前の状況のイメージを示した図であり、
図14の1402は、リージョンテーブルにおけるリージョンの削除後の状況のイメージを示した図になる。削除前の
図14の1401においては、識別情報1401aがNO1、NO2、NO3と3種類のデータがあるため、リージョンが3つあるが、この中より、識別情報1401aがNO2のリージョンのデータをレイヤ上で削除すると、リージョンテーブル500から識別情報1401aがNO2のレコードは削除されて無くなり、
図14の1402のイメージ図に示すように、識別情報1402aがNO1とNO3の2種類のデータとなり、リージョンが2つとなる。
【0113】
次に、ステップS705におけるリージョン操作が、「選択リージョン非表示」と判定された場合の、ステップS708以降の処理について説明を行う。
【0114】
ステップS708では、ホストコンピュータ300は、特定したレイヤの中のリージョンを非表示にする。
図15はそのイメージ図である。
図15の1501におき、ホストコンピュータ300は、ホストコンピュータのユーザにより、一本の横棒であるリージョンが選択されたことを検知し、選択時に右クリックを行うとメニューを表示させる(
図15の1501)。次に選択した横棒のデータを非表示にするために、メニューの中より「非表示」を選択する(
図15の1502)。その結果、
図15の1503の画面イメージになる。
【0115】
なお、
図16の1601は、リージョンテーブルにおけるリージョンの非表示にする前の状況のイメージを示した図であり、
図16の1602は、リージョンテーブルにおけるリージョンの非表示にした後の状況のイメージを示した図になる。削除前の
図16の1601においては、識別情報1601aがNO1、NO2、NO3のレコードが登録されているため、3種類のリージョンが登録されているが全て表示状態1601bは全て表示となっている。この中より、識別情報1601aがNO2のリージョンのデータがレイヤ上で非表示化されると、
図16の1602のイメージ図に示すように、リージョンテーブルの表示状態1602bの項目も非表示に変わり、識別情報1602aがNO1とNO3の2種類のデータのみの表示となる。
【0116】
次に、ステップS705におけるリージョン操作が、「選択リージョンのツールチップ表示」と判定された場合の、ステップS710以降の処理について説明を行う。
【0117】
ステップS710では、ホストコンピュータ300は、特定したレイヤの中のリージョンのレイヤ名、端末名、ログインユーザ名等を取得する。
図17はそのイメージ図である。
図17の1701におき、ホストコンピュータ300は、ホストコンピュータのユーザにより、一本の横棒であるリージョンが選択されたことを検知し、選択時に右クリックを行うとメニューを表示させる(
図17の1701)。次に選択した横棒のデータのレイヤ名、端末名、ログインユーザ名等を取得するために、メニューの中より「ツールチップ表示」を選択する(
図17の1702)。その結果、
図17の1703の画面イメージになる。
【0118】
次に、ステップS701の判定におき、クライアント端末からの操作が非表示描画データの表示化ツールを選択している場合の後続の処理である、ステップS712以降の処理について説明を行う。
【0119】
ステップS712では、ホストコンピュータ300は、非表示になっているリージョンを再表示するために
図18の非表示となっているリージョンの検索の画面より、非表示リージョンを検索する。表示化したいリージョンが含まれる端末名として、例えばCOMPUTER2を選択し(
図18の1802)、
図18の1803の検索ボタンを押下すると、
図18の1804に示すように、非表示リージョンの情報を示す画面が表示される。
【0120】
図18は非表示リージョンの情報を示す画面であり、
図18の1801で選択したレイヤの、非表示リージョンが表示状態である場合のイメージを示す画面(
図18の1805)
と、レイヤBにおける非表示リージョンの一覧1806の情報を表示する。なお、この一覧は、サムネイル単位で情報が表示される。
【0121】
図18のレイヤBにおける非表示リージョンの一覧1806は、表示1807、識別情報1808、リージョンを所有するレイヤ種別1809、リージョンのサムネイル1810、表示状態1811の項目からなる。
【0122】
表示1807は、非表示状態のリージョンを表示にする場合に、チェックを入れる場所として使用され、識別情報1808へは、非表示状態のリージョンの識別情報が表示され、リージョンを所有するレイヤ種別1809へは、非表示状態のリージョンが属するレイヤの情報が表示され、リージョンのサムネイル1810へは、非表示状態のリージョンのサムネイルが表示され、表示状態1811へは、非表示状態のリージョンの表示状態が非表示であることを明確にするために、表示状態が非表示であることが表示される。
【0123】
この
図18のレイヤBにおける非表示リージョンの一覧1806におき、表示化したいリージョン(
図18の1806の識別情報1808がNO2のデータ)を選択し、
図18の表示化ボタン1802を押下すると、非表示リージョンを再表示することが可能となる。
【0124】
なお、
図18のように、非表示リージョンの情報を示す画面を提供することによって、非表示リージョンを表示化する方法を説明したが、ホストコンピュータ300の端末に接続されている、キーボードにおけるCTRLキーとZキー同時により押下することによって、リージョンを非表示にした操作を戻すことにより、再表示するようにしても良い。
【0125】
図19の1901は、リージョンテーブル500における非表示リージョンを再表示化する前の状況のイメージを示した図であり、
図19の1902は、リージョンテーブル500における特定の非表示リージョンの再表示化を行った後の状況のイメージを示した図になる。
【0126】
再表示化前の
図19の1901においては、識別情報1901aがNO1、NO2、NO3のレコードが登録されており、3種類のリージョンが登録されているが、その中で、識別情報1901aが2のデータは表示状態1901bが非表示となっている。この、識別情報1901aがNO2のリージョンのデータを
図18の1802の画面で再表示化の処理を行うと、
図19の1902のように、リージョンテーブル500の識別情報1902aがNO2のデータの表示状態1902bの項目が表示に変わり、再びホストコンピュータ300で合成される描画データの中に表示がされる。
【0127】
次に
図8を用いて、
図5のステップS508の選択レイヤに対する各処理の詳細について説明をする。
【0128】
図8は、クライアント端末100a、100b、100cから描画されたデータを、ホストコンピュータ300において、レイヤ単位で、表示/非表示を切り替えることや、削除することを可能とする処理の実施形態の一例を示したフローの図である。
【0129】
ステップS801は、ホストコンピュータ300は、レイヤ単位でリージョンの表示/非表示を切り替えることや、レイヤ単位でリージョンのデータを削除することを可能とするために、
図20のレイヤの表示/非表示の切り替えの画面や、
図21の特定レイヤのリージョンを全て削除する画面を提供する。
【0130】
ステップS802において、ホストコンピュータ300は、ステップS801で提供された画面の中から選択されたレイヤを検知する。
【0131】
次に、ステップS803において、ステップS801で選択された画面でなされた操作
を判定する。ステップS801で
図20の画面を選択し、レイヤに対して表示を指定した場合は、ステップS804へ処理を進め、ステップS801で
図20の画面を選択し、レイヤに対して非表示を指定した場合は、ステップS805へ処理を進め、ステップS801で
図21の画面を選択し、特定のレイヤのリージョンを全て削除する指定を行った場合は、ステップS806へ処理を進める。
【0132】
図20の2001は、遠隔会議システムに参加している各クライアント端末に該当するレイヤの表示、非表示をクライアント端末ごとに切り替えることが出来る機能を持つ画面のイメージの一例である。
【0133】
図20の2002のように、表示を指定し確定2004のボタンを押下した場合は、ステップS804において該当のレイヤを非表示状態にし、
図9のレイヤ情報テーブル400の表示状態407を表示状態にする。また、
図20の2003のように、非表示を指定し確定2004のボタンを押下した場合は、ステップS805において該当のレイヤを非表示状態にし、
図9のレイヤ情報テーブル400の表示状態407を非表示状態にする。
【0134】
図21の2101は、特定のレイヤに属する描画データを全て一度に削除することができる機能を持つ画面のイメージの一例である。
【0135】
例えば、
図21の2102のように、レイヤBにチェックを入れて、削除2103のボタンを押下した場合は、ステップS806においてレイヤBに属していた描画データをすべて削除することが出来る。
【0136】
なお、
図22の2201は、リージョンテーブル500における特定のレイヤにおける全リージョンを削除する前の状況のイメージを示した図であり、
図20の2002は、リージョンテーブル500における特定のレイヤにおける全リージョン削除した後の状況のイメージを示した図になる。
【0137】
削除前の
図22の2201においては、識別情報2201aがNO1、NO2、NO3のレコードが登録されているため、3種類のリージョンが登録されているが、この中より、識別情報2201aがレイヤBの全リージョンを削除する処理を
図21の画面で行うと、
図16の1602のイメージ図に示すように、リージョンテーブル500よりリージョンを所有するレイヤ種別2202aがレイヤBであるデータが全て削除され、リージョンを所有するレイヤ種別2202aがレイヤAのみのレコードが残ることになる。
【0138】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0139】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0140】
また、本発明におけるプログラムは、
図4から
図8に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4から
図8の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図4から
図8の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0141】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0142】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0143】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0144】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0145】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0146】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0147】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0148】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。