特許第6119247号(P6119247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6119247
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】粘着ラベル付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20170417BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   B65D25/20 Q
   G09F3/10 J
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-422(P2013-422)
(22)【出願日】2013年1月7日
(65)【公開番号】特開2014-131917(P2014-131917A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智
(72)【発明者】
【氏名】山口 無我
(72)【発明者】
【氏名】谷口 正幸
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−106253(JP,A)
【文献】 特開2011−116409(JP,A)
【文献】 特開2002−311835(JP,A)
【文献】 特開2004−045812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
G09F 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面に部分的に設けられた剥離性ニス層を有し、該剥離性ニス層の全部を覆う粘着シール材を有し、該粘着シール材は粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域を有し、
該粘着シール材の外周は、前記剥離性ニス層の領域からはみ出し、
前記剥離性ニス層は、シリコーンを含有し撥液性を有するニス層をパターン状に設け、この上に、シリコーンを含有しない紫外線硬化型グロスニス層を塗布したことによって形成された、表面に凹凸を有するものであることを特徴とする粘着ラベル付き容器。
【請求項2】
前記剥離性ニス層の下に、反射層と絵柄層を有することを特徴とする請求項1に記載の粘着ラベル付き容器。
【請求項3】
前記粘着シール材の粘着ラベルとして機能する領域とそれ以外の領域との間に、つなぎ部分を有する切目線が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着ラベル付き容器。
【請求項4】
前記粘着シール材は、粘着ラベルとして機能する領域のみからなることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着ラベル付き容器。
【請求項5】
前記粘着シール材の粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域の一部に、該粘着ラベルを剥離する時のきっかけとなる、粘着剤の設けられていない部分が存在することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き容器。
【請求項6】
前記粘着シール材の粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域の一部に、該粘着ラベルを剥離する時のきっかけとなる、粘着剤を覆うシートが貼られている部分が存在することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に医薬品や医療器具等を収納するための容器に関し、特に容器の外表面に内容物に関する情報を記載した粘着ラベルを備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特殊な医薬品や医療用器具等のように、特に厳重な管理を要する内容物を収納するための包装容器において、使用履歴を明確にしたり、あるいは誤使用を防止するために、包装容器に内容物を示す粘着ラベルを備え、使用毎にこの粘着ラベルを患者のカルテ等に貼り付けることができる包装容器が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された医薬品の包装体は、モルヒネ等の麻薬として規制される鎮痛剤等を収納するための包装体であり、表面に記入された使用情報が下層に複写されて残るように構成された複写式ラベルを備えた包装体である。
【0004】
特許文献1に記載された包装体によれば、複数の内容物が収納された包装体から、内容物を一つ取り出す毎に、必要事項をラベルに記入することにより、記入したラベルを患者のカルテ等に貼り付けることができ、また包装体にも同じ記録が残るので、医療ミスの防止に役立つ。
【0005】
特許文献2に記載された薬剤管理用多層ラベルは、医療現場において薬剤を注射器や点滴の灌注器等に充填した時に、内容表示を行うために用いる多層ラベルである。この多層ラベルは、2層になっており、例えば注射器とカルテなど2箇所に同じ内容の粘着ラベルを貼ることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3836308号公報
【特許文献2】特開2002−6743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された医薬品の包装体も、特許文献2に記載された薬剤管理用多層ラベルも多くの層からなる複雑な構成であるため、高価なものとならざるを得ない。薬品の種類によっては、それ程の複雑な管理を必要とはしないものもあり、単に転記の手間や転記ミスを防ぐ目的であれば、複層である必要はなく、単層の粘着ラベルでも十分な場合が多い。
【0008】
しかし、単層の粘着ラベルであっても、容器の外面に粘着ラベルを備えようとすると、従来の方法では、粘着ラベルの剥離紙の裏面にさらに粘着層を設けておき、容器の表面にこの剥離紙と粘着ラベルを一体として貼り付ける必要があった。
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、剥離紙を用いない粘着ラベル付き容器を提案するものである。またさらに、粘着ラベルを剥がしたあとの意匠性に優れた容器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、外表面に部分的に設けられた剥離性ニス層を有し、該剥離性ニス層の全部を覆う粘着シール材を有し、該粘
着シール材は粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域を有し、
該粘着シール材の外周は、前記剥離性ニス層の領域からはみ出し、
前記剥離性ニス層は、シリコーンを含有し撥液性を有するニス層をパターン状に設け、この上に、シリコーンを含有しない紫外線硬化型グロスニス層を塗布したことによって形成された、表面に凹凸を有するものであることを特徴とする粘着ラベル付き容器である。
【0011】
本発明に係る粘着ラベル付き容器は、容器の外面に剥離性ニス層を設け、この上に粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域を有する粘着シール材を設けたので、剥離紙を必要としない粘着ラベルを備えた容器が実現できる。
【0012】
削除。
【0013】
また、本発明によれば、シリコーンを含有する撥液性のニス層の上にシリコーンを含有しない紫外線硬化型グロスニス層を塗布することにより、紫外線硬化型グロスニス層が撥液性のニス層によってはじかれて島状に分布する。つまり上層の紫外線硬化型グロスニス層の表面が凹凸状態となることにより、離型性を発揮する。このため粘着ラベルに対しては、剥離性ニス層の働きをする。
【0014】
また、請求項に記載の発明は、前記剥離性ニス層の下に、反射層と絵柄層を有することを特徴とする請求項1に記載の粘着ラベル付き容器である。
【0015】
また、請求項に記載の発明は、前記粘着シール材の粘着ラベルとして機能する領域とそれ以外の領域との間に、つなぎ部分を有する切目線が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着ラベル付き容器である。
【0016】
また、請求項に記載の発明は、前記粘着シール材は、粘着ラベルとして機能する領域のみからなることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着ラベル付き容器である。
【0017】
また、請求項に記載の発明は、前記粘着シール材の粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域の一部に、該粘着ラベルを剥離する時のきっかけとなる、粘着剤の設けられていない部分が存在することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き容器である。
【0018】
また、請求項に記載の発明は、前記粘着シール材の粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域の一部に、該粘着ラベルを剥離する時のきっかけとなる、粘着剤を覆うシートが貼られている部分が存在することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き容器である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る粘着ラベル付き容器は、容器の外表面に部分的に設けられた剥離性ニス層を有し、該剥離性ニス層の全部を覆う粘着シール材を有し、該粘着シール材は粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域を有するので、粘着ラベルが容器の表面に直接設けられた構造となり、剥離紙を必要としないため、粘着ラベル付き容器を低コストで実現できる。
【0020】
また、本発明において、前記剥離性ニス層が、シリコーンを含有し撥液性を有するニス層をパターン状に設け、この上に、シリコーンを含有しない紫外線硬化型グロスニス層を塗布したことによって形成された、表面に凹凸を有するものである場合、粘着ラベルを除去した後の剥離性ニス層の表面が凹凸を有し、意匠的に優れたものとなる。
【0021】
また、撥液性を有するニス層の粗密やパターンを考慮することにより、粘着ラベルの剥
離強度を最適に調節することができる。また撥液性ニス層の存在する部分のみを剥離性ニス層とすることができるので、紫外線硬化型グロスニス層は部分コートではなく、全面コートで差し支えない。このため、製造工程が簡略化されるという利点がある。
【0022】
請求項に記載の発明においては、剥離性ニス層の下に、反射層と絵柄層を有するので、剥離性ニス層は、絵柄層の保護層としての機能をも発揮する。また反射層が存在することにより、金属光沢などの意匠的に好ましい効果を発揮する。特に剥離性ニス層がシリコーンを含有し撥液性を有するニス層をパターン状に設け、この上に、シリコーンを含有しない紫外線硬化型グロスニス層を設けたことによって形成された、表面に凹凸を有するものである場合においては、意匠効果の向上は特に顕著である。
【0023】
請求項に記載の発明においては、粘着シール材の粘着ラベルとして機能する領域とそれ以外の領域との間に、つなぎ部分を有する切目線を設けたので、単なる連続した切目線を設けた場合に比較して、粘着ラベル部分の脱落が生じ難く、取扱いが容易となる。
【0024】
請求項に記載の発明においては、粘着シール材が、粘着ラベルとして機能する領域のみからなるため、容器の外面に粘着ラベル以外の余計な部分が存在しないので、容器はデザイン的にすっきりしたものになる。
【0025】
請求項に記載の発明においては、粘着シール材の粘着ラベルとして機能する剥離可能な領域の一部に、該粘着ラベルを剥離する時のきっかけとなる、粘着剤の設けられていない部分が存在するので、粘着ラベルの引き剥がしが容易となる。この効果は、請求項に記載の発明においても、同様に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明に係る粘着ラベル付き容器の一参考態様を示す斜視図である。
図2図2は、粘着ラベル部分の平面説明図である。
図3図3は、粘着ラベル部分の実施態様を示した平面説明図である。
図4図4は、図3のA−A’断面を示した断面模式図である。
図5図5は、粘着ラベル部分の他の参考態様を示した平面説明図である。
図6図6は、粘着ラベル部分の他の参考態様を示した平面説明図である。
図7図7は、粘着ラベル部分の他の実施態様を示した平面説明図である。
図8図8は、図7のB−B’断面を示した断面模式図である。
図9図9は、粘着ラベル部分の他の参考態様を示した平面説明図である。
図10図10は、図9のC−C’断面を示した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下図面を参照しながら、本発明に係る粘着ラベル付き容器について詳細に説明する。図1は、本発明に係る粘着ラベル付き容器の一参考態様を示す斜視図である。また、図2は、粘着ラベル部分の平面説明図である。
【0028】
本発明に係る粘着ラベル付き容器(1)は、外表面に部分的に設けられた剥離性ニス層(13)を有し、剥離性ニス層(13)の全部を覆う粘着シール材(2)を有し、粘着シール材(2)は粘着ラベル(3)として機能する剥離可能な領域を有することを特徴とする。
【0029】
図2に示した例では、剥離性ニス層(13)が設けられた領域を、粘着シール材(2)が全て覆っており、粘着シール材(2)から切目線(4)によって区画された領域が粘着ラベル(3)として機能する。粘着ラベル(3)はすべて剥離性ニス層(13)が設けられた領域に乗っているため、剥離して粘着ラベルとして使用できる。粘着シール材(2)
の外周は、剥離性ニス層(13)の領域からはみ出しているので、容器表面に接着し、容易に剥離することはない。
【0030】
本発明に係る粘着ラベル付き容器(1)の容器本体の材質としては、厚紙やプラスチックシートなどのように、平面の状態で印刷や塗工を施すことのできる材質が一般的であるが、プラスチック成形品などのように、立体的な形状を持ったものでも実施可能である。
【0031】
図2の例では、剥離性ニス層(13)として、粘着シールや粘着テープの離型紙に一般的に用いられる離型コート剤を印刷することによって形成することができる。離型コート剤としては、シリコーン樹脂あるいは変性シリコーン樹脂や、シリコーンを添加した合成樹脂をワニスとするコート剤が使用できる。
【0032】
剥離性ニス層(13)を形成する方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の比較的膜厚を厚くできる印刷法を用いることが望ましい。
【0033】
図3は、粘着ラベル部分の実施態様を示した平面説明図である。また図4は、図3のA−A’断面を示した断面模式図である。図3図4に示した実施態様においては、剥離性ニス層(13)が、シリコーンを含有し撥液性を有するニス層(14)をパターン状に設け、この上に、シリコーンを含有しない紫外線硬化型グロスニス層(15)を塗布したことによって形成された、表面に凹凸を有するものであることを特徴とする。図3では、3枚ある粘着ラベル(3)のうち1枚が剥離除去された状態を示している。
【0034】
図3図4に示した例では、容器基材(10)の表面に反射層(11)が設けられており、この上に絵柄層(12)が設けられている。反射層(11)としては、金属箔や金属蒸着層、金属粉末顔料やパール顔料等の光輝性顔料を含むインキ層などを用いることができる。紙やフィルムにアルミニウムを蒸着した蒸着紙や蒸着フィルムを用いてもよい。
【0035】
撥液性ニス層(14)に含まれるシリコーンは、紫外線硬化型グロスニス層(15)を弾いて凹凸を生じさせることで、紫外線硬化型グロスニス層(15)表面に離型性を付与する働きをする。
【0036】
撥液性ニス層(14)に含まれるシリコーンとしては、比較的低分子量のシリコーンが望ましく、シリコーンオイルないしは、低分子シリコーン樹脂を用いることができる。
【0037】
図3図4に示した例では、撥液性ニス層(14)を砂目状に印刷することにより、砂目状の凹凸を持った剥離性ニス層(13)を形成している。紫外線硬化型グロスニス層(15)は、撥液性ニス層(14)の部分のみに塗布してもよいが、全面に塗布してもよい。撥液性ニス層(14)が存在しない部分においては、紫外線硬化型グロスニス層(15)は離型性を示さないので、粘着シール材(2)の外周部分は強固に接着することになる。紫外線硬化型グロスニス層(15)は、絵柄層(12)に対する透明保護層の役割を兼ねている。
【0038】
紫外線硬化型グロスニス層(15)を形成する方法としては、パターンコートであれば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等を用いることができ、全面コートであればグラビアコート、ロールコート、リバースロールコート等のコーティング方法を用いることが出来る。
【0039】
撥液性ニス層(14)の絵柄密度は、紫外線硬化型グロスニス層(15)を形成した後の塗膜表面の離型性に影響を与える。撥液性ニス層の絵柄密度が高い程、離型性はより高まる。撥液性ニス層(14)の絵柄密度は、100%すなわちベタでもよい。撥液性ニス
層(14)がべたで形成されていると、紫外線硬化型グロスニス層(15)は、撥液性ニス層(14)上で島状に散らばって硬化する。
【0040】
粘着ラベル(3)を剥離した後の剥離性ニス層(13)(紫外線硬化型グロスニス層(15))の表面は、撥液性ニス層(14)のパターンに起因する凹凸状態となっているので、撥液性ニス層(14)のパターンを最適にデザインすることによって、外観的に優れた効果を発揮することができる。この時、反射層(11)が存在することにより、さらに意匠的には優れたものとすることができる。撥液性ニスは、無色透明でもよいし、必要に応じて着色してもよい。
【0041】
粘着ラベル(3)の構造としては、ラベル基材(17)の下面に粘着層(16)が形成された、一般的な粘着シール材の構成でよい。粘着ラベル(3)を容器表面に貼りつける前の段階では、離型紙などの保持材上に保持するのが一般的であるが、ラベル基材(17)の表面を離型性にすることにより、離型紙なしの構成とすることもできる。
【0042】
図5は、粘着ラベル部分の他の参考態様を示した平面説明図である。図5に示した実施形態では、粘着シール材(2)の粘着ラベル(3)として機能する領域とそれ以外の領域との間に、つなぎ部分(5)を有する切目線(4)が設けられていることを特徴とする。
【0043】
このように切目線(4)につなぎ部分(5)を設けることにより、粘着ラベル(3)が不用意に脱落して紛失するのを防止する効果がある。つなぎ部分(5)の長さや数、位置などは、粘着ラベル(3)の寸法や粘着力などに応じて調節することができる。
【0044】
図6は、粘着ラベル部分の他の参考態様を示した平面説明図である。図6に示した参考形態では、粘着シール材(2)は、粘着ラベル(3)として機能する領域のみからなることを特徴とする。すなわち、図3の状態から粘着シール材(2)の周縁部分を除去した形態であり、さらに粘着ラベル(3)同士の間も切目線(4)のみとなっている。
【0045】
このような形態とした場合には、不要な粘着シール材の周縁部分がないため、デザイン的にはすっきりしたものとすることができる。しかし一方では、粘着ラベル(3)が脱落し易くなるので、付着性を上げて脱落しないように注意する必要がある。
【0046】
剥離性ニス層(13)に、部分的に剥離力の強い(剥離し難い)部分を設けて、粘着ラベルの付着性を上げることも可能である。剥離性ニス層(13)の剥離性を撥液性ニス層(14)の粗密パターンによって発現する方法を採用することによって、きめ細かい剥離性の調節が可能となる。
【0047】
図7は、粘着ラベル部分の他の実施態様を示した平面説明図である。また図8は、図7のB−B’断面を示した断面模式図である。図7図8に示した実施態様においては、粘着シール材(2)の粘着ラベル(3)として機能する剥離可能な領域の一部に、粘着ラベルを剥離する時のきっかけとなる、粘着剤の設けられていない部分(18)が存在することを特徴とする。
【0048】
このようにすることにより、粘着ラベル(3)を剥がし取る際に、剥離するきっかけが得られ易くなるので、操作が円滑に行われるようになる。但し、この方法によると、粘着ラベル(3)が不用意に脱落する危険性も増大するので、図5に示したように、切目線(4)につなぎ部分(5)を設けるなどの方法を併用すると良い。
【0049】
図9は、粘着ラベル部分の他の参考態様を示した平面説明図である。また、図10は、図9のC−C’断面を示した断面模式図である。図9図10に示した参考形態によれば
、粘着シール材の粘着ラベル(3)として機能する剥離可能な領域の一部に、粘着ラベル(3)を剥離する時のきっかけとなる、粘着剤を覆うシート(19)が貼られている部分が存在することを特徴とする。
【0050】
粘着剤を覆うシート(19)が貼られていることにより、図7図8に示した実施形態におけると同様に、粘着剤が働かない部分が生じるため、粘着ラベル(3)を剥がし取る際に、剥離するきっかけが得られ易くなる。この参考形態では、図9に示したように、粘着剤を覆うシート(19)が粘着ラベル(3)よりもはみ出して設けられており、さらにきっかけが掴みやすくなっている。
【0051】
粘着剤を覆うシート(19)の材質は特に制約されず、一般的な紙やフィルムを用いることができる。
【0052】
本発明に係る粘着ラベル付き容器は、医薬品や医療材料を収納する容器として好ましく用いられる他、クーポン券付き商品や試食用の容器などとしても利用が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1・・・粘着ラベル付き容器
2・・・粘着シール材
3・・・粘着ラベル
4・・・切目線
5・・・つなぎ部分
10・・・容器基材
11・・・反射層
12・・・絵柄層
13・・・剥離性ニス層
14・・・撥液性ニス層
15・・・グロスニス層
16・・・粘着層
17・・・ラベル基材
18・・・粘着剤の設けられていない部分
19・・・粘着剤を覆うシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10