特許第6119503号(P6119503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6119503情報送信装置、情報処理装置、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6119503
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】情報送信装置、情報処理装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20170417BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20170417BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170417BHJP
   H04M 1/274 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   H04N1/32 F
   H04N1/00 C
   H04N1/00 107Z
   H04M11/00 303
   H04M1/274
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-168699(P2013-168699)
(22)【出願日】2013年8月14日
(65)【公開番号】特開2015-37268(P2015-37268A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】行木 祐
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−049710(JP,A)
【文献】 特開2007−158720(JP,A)
【文献】 特開2012−129727(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0091776(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32
H04M 1/274
H04M 11/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部と、
前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記ユーザ情報記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出し、読み出した当該送信先情報により特定される送信先に情報を送信する情報送信手段と
ユーザによる前記選択がなされたときのユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示手段と、
を備える情報送信装置。
【請求項2】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を取得するユーザ情報取得部と、
ユーザによる前記選択がなされたときの前記ユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記選択肢表示手段は、前記第1の選択肢および前記第2の選択肢を表示するに際し、当該第2の選択肢が既に選択された状態で、当該第1の選択肢および当該第2の選択肢の当該表示を行うことを特徴とする請求項に記載の情報送信装置。
【請求項4】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部と、
前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶するとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記ユーザ情報記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出し、読み出した当該送信先情報により特定される送信先に情報を送信する情報送信手段と、
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、ユーザに対し当該変更に関する通知を行う通知手段と、
を備え
前記通知手段は、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合であっても、変更された当該送信先情報に対応付けられている前記送信先識別情報と、前記ユーザ情報記憶部に記憶されている前記ユーザ選択識別情報とが異なる場合には、前記変更の通知を行わない情報送信装置。
【請求項5】
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が変更される場合に、変更される当該送信先情報に対応付けられている前記送信先識別情報が、前記ユーザ情報記憶部に記憶されているか否かを判断する判断手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報送信装置。
【請求項6】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部と、
前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶するとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記ユーザ情報記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出し、読み出した当該送信先情報により特定される送信先に情報を送信する情報送信手段と、
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、ユーザに対し当該変更に関する通知を行う通知手段と、
を備えるとともに、
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が変更される度に当該変更に関する情報を記憶する変更情報記憶部を更に備え、
前記通知手段は、前記変更情報記憶部を参照することで、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報の変更が、前記選択がなされたときよりも後に行われているか否かを判断し、
前記変更情報記憶部は、変更された前記送信先情報に対応付けられた前記送信先識別情報、および、当該送信先情報の変更がなされたときについての情報の2種類の情報のみを、前記変更に関する情報として記憶する情報送信装置。
【請求項7】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部を備えたコンピュータ装置に、
前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶部に記憶させる記憶機能と、
前記記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出す読み出し機能と、
前記読み出し機能により読み出した送信先情報により特定される送信先に対する情報の送信を送信手段に行わせる送信機能と
ユーザによる前記選択がなされたときのユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を取得するユーザ情報取得機能と、
ユーザによる前記選択がなされたときの前記ユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項9】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部を備えたコンピュータ装置に、
前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶部に記憶させるとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を当該記憶部に記憶させる記憶機能と、
前記記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出す読み出し機能と、
前記読み出し機能により読み出した送信先情報により特定される送信先に対する情報の送信を送信手段に行わせる送信機能と、
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、当該変更に関する通知を通知手段に行わせる通知機能と、
を実現させるためのプログラムであり、
前記通知機能は、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合であっても、変更された当該送信先情報に対応付けられている前記送信先識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記ユーザ選択識別情報とが異なる場合には、前記変更に関する通知を前記通知手段に行わせないプログラム。
【請求項10】
情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部を備えたコンピュータ装置に、
前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶部に記憶させるとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を当該記憶部に記憶させる記憶機能と、
前記記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出す読み出し機能と、
前記読み出し機能により読み出した送信先情報により特定される送信先に対する情報の送信を送信手段に行わせる送信機能と、
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、当該変更に関する通知を通知手段に行わせる通知機能と、
前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が変更される度に当該変更に関する情報を変更情報記憶部に記憶させるとともに変更された当該送信先情報に対応付けられた当該送信先識別情報および当該送信先情報の変更がなされたときについての情報の2種類の情報のみを当該変更に関する情報として当該変更情報記憶部に記憶させる機能と、
を実現させるためのプログラムであり、
前記通知機能は、前記変更情報記憶部を参照することで、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報の変更が、前記選択がなされたときよりも後に行われているか否かを判断するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報送信装置、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、データを、あらかじめ記憶された送信先情報に係る送信先へと送信できるデータ送信装置が開示されている。このデータ送信装置では、送信指示に係る送信先情報を参照して行われた最後のデータ送信の後に、送信先情報が更新されているか判定し、送信先情報が、送信先への最後のデータ送信の後に更新されているものと判定した場合、送信指示をした利用者に対して、送信先情報が更新されていることを通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−229869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、記憶部に記憶されている送信先情報を利用して情報送信を行う際の誤送信を起こりにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部と、前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶するユーザ情報記憶部と、前記ユーザ情報記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出し、読み出した当該送信先情報により特定される送信先に情報を送信する情報送信手段と、ユーザによる前記選択がなされたときのユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示手段と、を備える情報送信装置である。
請求項2に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を取得するユーザ情報取得部と、ユーザによる前記選択がなされたときの前記ユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示手段と、を備える情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記選択肢表示手段は、前記第1の選択肢および前記第2の選択肢を表示するに際し、当該第2の選択肢が既に選択された状態で、当該第1の選択肢および当該第2の選択肢の当該表示を行うことを特徴とする請求項に記載の情報送信装置である。
請求項4に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部と、前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶するとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を記憶するユーザ情報記憶部と、前記ユーザ情報記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出し、読み出した当該送信先情報により特定される送信先に情報を送信する情報送信手段と、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、ユーザに対し当該変更に関する通知を行う通知手段と、を備え、前記通知手段は、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合であっても、変更された当該送信先情報に対応付けられている前記送信先識別情報と、前記ユーザ情報記憶部に記憶されている前記ユーザ選択識別情報とが異なる場合には、前記変更の通知を行わない情報送信装置である。
請求項5に記載の発明は、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が変更される場合に、変更される当該送信先情報に対応付けられている前記送信先識別情報が、前記ユーザ情報記憶部に記憶されているか否かを判断する判断手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報送信装置である。
請求項6に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部と、前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶するとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を記憶するユーザ情報記憶部と、前記ユーザ情報記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出し、読み出した当該送信先情報により特定される送信先に情報を送信する情報送信手段と、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、ユーザに対し当該変更に関する通知を行う通知手段と、を備えるとともに、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が変更される度に当該変更に関する情報を記憶する変更情報記憶部を更に備え、前記通知手段は、前記変更情報記憶部を参照することで、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報の変更が、前記選択がなされたときよりも後に行われているか否かを判断し、前記変更情報記憶部は、変更された前記送信先情報に対応付けられた前記送信先識別情報、および、当該送信先情報の変更がなされたときについての情報の2種類の情報のみを、前記変更に関する情報として記憶する情報送信装置である。
請求項7に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部を備えたコンピュータ装置に、前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶部に記憶させる記憶機能と、前記記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出す読み出し機能と、
前記読み出し機能により読み出した送信先情報により特定される送信先に対する情報の送信を送信手段に行わせる送信機能と、ユーザによる前記選択がなされたときのユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項8に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を取得するユーザ情報取得機能と、ユーザによる前記選択がなされたときの前記ユーザ選択識別情報に対応する送信先情報と、当該選択がなされたとき以降の、当該ユーザ選択識別情報に対応する当該送信先情報とが異なる場合に、当該異なるようになる前の送信先をユーザに選択させるための第1の選択肢、および、当該異なるようになった後の送信先をユーザに選択させるための第2の選択肢の2つの選択肢を少なくとも表示する選択肢表示機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項9に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部を備えたコンピュータ装置に、前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶部に記憶させるとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を当該記憶部に記憶させる記憶機能と、前記記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出す読み出し機能と、前記読み出し機能により読み出した送信先情報により特定される送信先に対する情報の送信を送信手段に行わせる送信機能と、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、当該変更に関する通知を通知手段に行わせる通知機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記通知機能は、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合であっても、変更された当該送信先情報に対応付けられている前記送信先識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記ユーザ選択識別情報とが異なる場合には、前記変更に関する通知を前記通知手段に行わせないプログラムである。
請求項10に記載の発明は、情報の送信先に関する情報である複数の送信先情報と、当該複数の送信先情報の各々に対応付けられ各送信先情報の識別に用いられる送信先識別情報とを記憶する送信先情報記憶部を備えたコンピュータ装置に、前記送信先情報記憶部に記憶された前記送信先識別情報の中からユーザにより選択された送信先識別情報であるユーザ選択識別情報を記憶部に記憶させるとともに、当該ユーザによる当該ユーザ選択識別情報の当該選択がなされたときを示す情報を当該記憶部に記憶させる記憶機能と、前記記憶部に記憶された前記ユーザ選択識別情報に対応した送信先情報を前記送信先情報記憶部から読み出す読み出し機能と、前記読み出し機能により読み出した送信先情報により特定される送信先に対する情報の送信を送信手段に行わせる送信機能と、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が、前記選択がなされたときよりも後に変更された場合に、当該変更に関する通知を通知手段に行わせる通知機能と、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報が変更される度に当該変更に関する情報を変更情報記憶部に記憶させるとともに変更された当該送信先情報に対応付けられた当該送信先識別情報および当該送信先情報の変更がなされたときについての情報の2種類の情報のみを当該変更に関する情報として当該変更情報記憶部に記憶させる機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記通知機能は、前記変更情報記憶部を参照することで、前記送信先情報記憶部に記憶されている前記送信先情報の変更が、前記選択がなされたときよりも後に行われているか否かを判断するプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1、2によれば、信先情報を利用して情報送信を行う際の誤送信を起こりにくくすることができ、また、ユーザは、送信先情報の変更後の送信先および送信先情報の変更前の送信先の何れかを選んで情報の送信を行えるようになる。
本発明の請求項3によれば、第1の選択肢および第2の選択肢の中から第2の選択肢を選ぶ選択操作をユーザは行わずに済み、また、第1の選択肢が既に選択された状態で第1の選択肢および第2の選択肢を表示する場合に比べ、誤送信が起きにくくなる。
本発明の請求項4によれば、誤送信が起きにくい状態であるにも関わらずユーザへの通知がなされることを抑制できる。
本発明の請求項5によれば、送信先情報の変更が、情報の誤送信を招きうる変更であるか否かを判断できるようになる。
本発明の請求項6によれば、変更情報記憶部の容量が少なくても、送信先情報記憶部に記憶されている送信先情報の変更が、選択がなされたときよりも後に行われているか否かの判断を行えるようになる。
本発明の請求項7〜10によれば、信先情報を利用して情報送信を行う際の誤送信を起こりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態の全体構成を例示した図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を例示したブロック図である。
図3】表示部の表示制御、ファックス送信に関する機能ブロック図である。
図4】表示部における表示例を示した図である。
図5】アドレス帳の変更履歴等を説明する図である。
図6】月度報告がファックス送信される際に実行される処理の詳細を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態の全体構成を例示した図である。画像形成装置10は、文書の複写機能、文書を読み取り読み取った文書の画像データを生成する機能、画像データが示す画像を用紙に形成する機能を備えた装置である。各装置は装置間を通信可能に接続する通信回線40に接続されており、通信回線40を介して互いに通信を行うことが可能となっている。サーバ装置20A,20Bは、クライアントとなる装置からの要求を受けてサービスを提供する装置である。各装置は装置間を通信可能に接続する通信回線40に接続されており、通信回線40を介して互いに通信を行うことが可能となっている。なお、図1においては、一つの画像形成装置、一つのコンピュータ装置および2つのサーバ装置が図示されているが、通信回線40には二つ以上の画像形成装置やコンピュータ装置、3つ以上のサーバ装置が接続されていてもよい。
【0010】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置10のハードウェア構成を例示したブロック図である。同図に示したように、画像形成装置10の各部は、バス101に接続されており、このバス101を介して各種データの授受を行う。
操作部106は、ユーザ操作を受け付けるための複数の操作手段を備えている。操作手段は、ハードウェアキーでもあってもよい。また、操作手段は、表示部107に表示され、押圧された位置に応じた制御信号を出力するタッチパネルによって構成してよい。
表示部107は、例えば液晶ディスプレイを有する表示装置であり、CPU102の制御の下、例えば画像形成装置10を操作するためのメニュー画面や画像形成装置10に関するデータを表示する。
画像読取部108は、文書を読み取り、読み取った文書の画像を表す画像データを生成する画像読取装置を備えており、生成した画像データを画像処理部111へ出力する。
【0011】
画像形成部109は、電子写真方式によって例えば紙などの記録媒体に対して画像データに応じたトナー像を形成する画像形成機構を具備している。
通信部110は、通信回線40に接続されており、通信回線40に接続されている他の装置と通信を行う通信インターフェースとして機能する。
画像処理部111は、入力される画像データが表す画像に色補正や階調補正等の画像処理を施すものであり、画像処理が施された画像データを生成して画像形成部109へ出力する。
記憶部105は記憶装置を具備しており、例えば通信部110で受信したデータや画像形成装置10で生成されたデータを記憶する。
【0012】
ROM(Read Only Memory)103は、CPU102により実行される制御プログラムを記憶している。CPU102は、ROM103に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM(Random Access Memory)104を作業エリアにして制御プログラムを実行する。CPU102により制御プログラムが実行されると、CPU102により画像形成装置10の各部が制御され、画像形成装置10は、例えば用紙に画像を形成して出力することや文書を読み取って文書の画像データを生成すること、通信回線を介して他の装置と通信を行うことが可能となる。
【0013】
CPU102によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて画像形成装置10にダウンロードさせてもよい。
【0014】
図3は、表示部107の表示制御、ファックス送信に関する機能ブロック図である。
本実施形態では、表示部107の表示を制御する表示制御部201が設けられている。また、操作部106からのデータの受け付けや予め定められた処理を実行する処理部202が設けられている。なお、本実施形態では、操作部106は、表示部107に設けられたタッチパネルにより構成されている。さらに、本実施形態では、画像読取部108(図2参照)や通信部110を制御し、ファックス送信を行うFAX送信部203が設けられている。
【0015】
さらに、本実施形態では、ファックス送信に用いられる送信先名などを記録したアドレス帳を記憶したアドレス帳記憶部204、このアドレス帳の内容が変更される度にこの変更に関する情報を記憶する変更履歴記憶部205、ファックス送信などに用いられる各種設定情報を記憶した設定情報記憶部206が設けられている。
【0016】
なお、図3にて示した各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、ROM103(図2参照)や記憶部105に、オペレーティングシステム、オペレーティングシステムと協働して各構成部の特定の機能を実行するアプリケーションソフト等が記憶されている。
そして、CPU102(図2参照)が、これらのプログラムをROM103等から主記憶装置であるRAM104に読み込み、実行することで、表示制御部201、処理部202、FAX送信部203の各機能部が実現される。また、記憶部105(図2参照)によって、アドレス帳記憶部204、変更履歴記憶部205、および、設定情報記憶部206が実現されている。
【0017】
なお、本実施形態では、以下、ファックス送信に関する内容を説明するが、本実施形態にて説明する処理は、画像形成装置10から外部へ、Eメールなどを利用してデータ送信を行う際にも適用できる。
【0018】
図4は、表示部107における表示例を示した図である。
本実施形態における表示部107には、通常、図中(A)で示すホーム画面が表示されている。このホーム画面には、複数の選択用ボタン(アイコン)21が表示されており、この選択用ボタン21の何れかがユーザにより選択(押圧)されることで、選択用ボタン21に関連付けられている機能が実行される。
【0019】
具体的には、図4に示す例では、選択用ボタン21として、「コピー」、「スキャン」、「ファックス」、「メール」、「月度報告」の何れかを選択するための選択用ボタン21が表示されており、このボタンの何れかがユーザにより選択されると、選択されたボタンに関連付けられた機能(コピーなどの機能)が実行される。なお、「月度報告」がユーザにより選択された場合には、ファックスによって、予め登録されている宛先に対して、文書データが送信される。
【0020】
ここで、「月度報告」の選択用ボタン21が選択された場合の処理の詳細を説明する。
「月度報告」の選択用ボタン21が選択されると、表示画面における表示が、図4(B)に示す画面(以下「月度報告用画面」と称する)に切り替わる。
【0021】
そして、この月度報告用画面中に表示されている「スタート(Start)」ボタンがユーザにより選択(押圧)されると、図3にて示したFAX送信部203によって、予め定められた宛先に向けてファックス送信がなされる。具体的には、画像読取部108(図2参照)にセットされた原稿(月度報告)が読み取られて画像データが生成され、そして、画像データが通信部110を介して、外部(予め登録されている送信先)へ送信される。
【0022】
ここで、月度報告用画面の図中右下には、確認用ボタン(図中、「Confirm」と表示)が表示されている。そして、この確認用ボタンがユーザにより押圧されると、表示画面における表示が、図4(C)に示す画面(以下「設定確認用画面」と称する)に切り替わる。
ここで、この設定確認用画面では、ユーザにより予め設定された設定情報が表示される。具体的には、原稿を読み取る際の読み取り条件や、ファックスの送信先についての情報が表示される。また、「月度報告」の選択用ボタン21をユーザが作成した作成日(Created Date)も表示される。
【0023】
ここで、本実施形態では、ユーザ自身によって選択用ボタン21を作成することが可能になっており、「月度報告」の選択用ボタン21は、ユーザにより作成された選択用ボタン21である。ここで、このようにユーザ自身によって、選択用ボタン21を作成できる場合、ユーザは、ユーザ自身が好む設定などを予め登録しておくことができるようになる。そして、この場合、ユーザは、ファックスやコピーなどを行う都度、設定を行う必要がなくなり、ユーザが行う作業が簡略化される。
【0024】
次に、「月度報告」の選択用ボタン21を作成する際にユーザが行う操作を説明する。
「月度報告」の選択用ボタン21の作成にあたっては、まず、図4(A)における「ファックス」の選択用ボタン21がユーザにより押圧され、これにより、表示画面における表示が、図4(D)に示す画面(以下「FAX用画面」と称する)に切り替わる。
【0025】
このFAX用画面では、図中下側に、原稿読み取り時等の条件を設定するための設定用ボタン22が複数表示され、この設定用ボタン22をユーザが操作することで、原稿読み取り時等の条件が設定される。また、表示画面の図中左上には、送信先の一覧を表示するための、一覧表示用ボタン23が設けられている。
【0026】
ここで、一覧表示用ボタン23が押圧されると、表示画面における表示が、図4(E)に示す画面(以下「送信先一覧画面」と称する)に切り替わる。ここで、この送信先一覧画面には、複数の送信先情報が表示されるとともに、送信先の各々の識別に用いられる送信先識別情報の一例としての識別番号(index)が表示される。付言すると、本実施形態では、送信先情報記憶部の一例としてのアドレス帳記憶部204(図3参照)に、識別番号、ユーザ名、電話番号、メールアドレスなどが互いに関連付けられた状態で記録されたアドレス帳が格納されており、一覧表示用ボタン23が押圧されると、このアドレス帳の内容が表示される。
【0027】
また、図4(D)に示すように、FAX用画面では、上部且つ中央部に、識別番号入力欄が設けられている。ここで、本実施形態では、この識別番号入力欄に、送信を行いたい相手の識別番号を入力する。そして、本実施形態では、この識別番号が、ユーザ選択識別情報として、設定情報記憶部206(図3参照)に記憶(登録)される。
また、本実施形態では、図4(D)に示すように、表示画面の上部且つ右上に、確認用ボタン24が設けられている。この確認用ボタン24がユーザにより押圧されると、図4(F)に示す画面に切り替わり、登録済みの識別番号、および、識別番号に対応付けられている送信先(名称およびFAX番号)が表示される。
【0028】
ここで、本実施形態では、「月度報告」の選択用ボタン21の作成にあたり、送信先についての情報(名称やファックス番号など)をそのまま登録するのではなく、識別番号を登録する。これにより、送信先についての情報をそのまま登録する場合に比べ、メモリの使用量が減るようになる。
【0029】
なお、上記では説明を省略したが、原稿読み取り時等の条件の設定、宛先(識別番号)の登録などの作業が終わると、ユーザによって、図4(D)にて符号25で示すセーブボタンが押圧される。これにより、図4(A)にて示したホーム画面上に、「月度報告」の選択用ボタン21が生成されるとともに、設定された条件および宛先(識別番号)についての情報が、ユーザ情報記憶部として機能する設定情報記憶部206に記憶される。また、「月度報告」の選択用ボタン21をユーザが作成した作成日(Created Date)(=送信先の選択をユーザが行った日)も、設定情報記憶部206に記憶される。
【0030】
なお、宛先についての情報については、上記のとおり、送信先そのもの(名称やファックス番号等)ではなく、識別番号が、設定情報記憶部206に記憶される。これにより、送信先そのものが記憶される場合に比べ、メモリ(設定情報記憶部206)の容量を減らせるようになる。
【0031】
ここで、「月度報告」の選択用ボタン21がユーザにより選択されてファックス送信が実際に行われる際の基本動作を説明する。
「月度報告」の選択用ボタン21がユーザにより選択されてファックス送信が行われる場合、ユーザによって、まず、図4(A)における「月度報告」の選択用ボタン21が選択され、次いで、図4(B)における「スタートボタン」が押圧される。これにより、まず、情報送信手段として機能するFAX送信部203が、設定情報記憶部206に記憶された条件(原稿読み取り時等の条件)をこの設定情報記憶部206から読み出し、読み出したこの条件に基づき、原稿(月度報告)の画像読み取りを行う。
【0032】
また、FAX送信部203は、設定情報記憶部206から識別番号を読み出す。そして、アドレス帳記憶部204に記憶されているアドレス帳を参照し、識別番号に対応付けられているファックス番号を読み出す。その後、このファックス番号を用い、送信先の各々にファックス(月度報告)を送信する。
【0033】
ところで、アドレス帳記憶部204に記憶されている上記アドレス帳は、複数のユーザによって共有されており、「月度報告」の選択用ボタン21を作成したユーザとは異なるユーザによって、アドレス帳の内容が変更される場合がある。このような場合、月度報告が、誤った送信先に送信されることが起こり得る。付言すると、月度報告は、アドレス帳に登録された送信先に基づき送信されるため、アドレス帳の内容が変更されると、本来の送信先とは異なる送信先にファックスが送信されてしまうおそれがある。
【0034】
このような不具合の発生を抑制するため、本実施形態では、図5(アドレス帳の変更履歴等を説明する図)の(A)に示す、アドレス帳の変更履歴を、変更情報記憶部として機能する変更履歴記憶部205に記憶するようにしている。具体的には、アドレス帳の変更日時、識別番号、旧送信先(送信先の名称が変わった場合)、旧電話番号(送信先の電話番号が変わった場合)、旧メールアドレス(送信先のメールアドレスが変わった場合)、変更が行われた理由(図中、「推定される理由」参照)、および、処理内容(Action)が互いに関連付けられた状態で記憶される。
【0035】
ここで、月度報告がファックス送信される際の処理の詳細を説明する。
図6は、月度報告がファックス送信される際に実行される処理の詳細を示した図である。
月度報告がファックス送信される際には、まず、上記のとおり、図4(A)における「月度報告」の選択用ボタン21がユーザにより選択され、図4(B)における「スタートボタン」がユーザにより押圧される。次いで、処理部202(図3参照)が、設定情報記憶部206(図3参照)を参照し、「月度報告」の選択用ボタン21の作成をユーザが行った日である作成日(図4(C)の最下欄に記載の「作成日(Created Date)」参照)(以下、「ボタン作成日」と称する)を把握する(ステップ101)。
【0036】
次いで、処理部202が、変更履歴記憶部205に記憶されている変更履歴(図5(A)参照)を参照し、ステップ101にて把握したボタン作成日よりも後に、アドレス帳の変更(更新)があったか否かを判断する(ステップ102)。付言すると、このステップ102の処理では、アドレス帳の更新履歴を日付が新しいものから上記ボタン作成日まで遡ってスキャンし、ボタン作成日よりも後に、アドレス帳の変更があったか否かを判断する。
【0037】
ここで、アドレス帳の変更が無かった場合には、上記にて説明した基本動作が実行され、アドレス帳がそのまま用いられてファックス送信がなされる(ステップ103)。詳細には、設定情報記憶部206に記憶されている識別番号が読み出されるとともに、アドレス帳記憶部204に記憶されているアドレス帳がそのままが参照されて、識別番号に対応付けられているファックス番号が読み出される。その後、このファックス番号が用いられ、送信先の各々にファックス(月度報告)が送信される。
【0038】
一方で、ステップ102にて、アドレス帳の変更があったと判断した場合、処理部202は、アドレス帳のうちの変更された項目を把握するとともに、この把握したこの項目に対応付けられている識別番号を把握する(以下、この識別番号を「変更対応識別番号」と称する)(ステップ104)。
次いで、処理部202は、設定情報記憶部206を参照し、「月度報告」の選択用ボタン21の作成時にユーザが登録(設定)した上記識別番号(以下、「ユーザ登録識別番号」と称する)を把握する(ステップ105)。次いで、ステップ104にて把握した変更対応識別番号と、ステップ105にて把握したユーザ登録識別番号とを比較し、両者が一致しているか否かを判断する(ステップ106)。
【0039】
そして、変更対応識別番号とユーザ登録識別番号とが一致しなかった場合には、即ち、「月度報告」に関し、アドレス帳の変更が実質的になされていない場合には、ステップ103の処理が実行される。即ち、アドレス帳がそのまま用いられてファックス送信がなされる。
【0040】
一方で、ステップ106にて、変更対応識別番号とユーザ登録識別番号とが一致すると判断された場合は、通知手段として機能する表示制御部201が、ユーザに対し、アドレス帳の変更に関する通知を行う。具体的には、例えば、図5(B)に示すように、「アドレス帳に変更が見つかりました。」というメッセージを表示する。
【0041】
さらに、表示制御部201は、複数の選択肢を表示した画面を表示する(ステップ107)。その後、本実施形態では、ユーザによって選択された選択肢に応じた処理が処理部202などによって実行される。具体的には、ユーザによって選択された送信先へのファックス送信、又は、ファックス送信の中止が行われるようになる(ステップ108)。
【0042】
ここで、図5(A)にて示した変更履歴では、ボタン作成日である「2012/4/16」よりも後に、識別番号3〜5の各々にて、ユーザ名等が変更されている。一方で、「月度報告」の選択用ボタン21の作成時には、識別番号1,3,7,11が送信先として登録され(図4(C)、(F)参照)、登録された送信先には、識別番号3が含まれた状態となっている。
このような場合、上記ステップ106にて、変更対応識別番号とユーザ登録識別番号とが一致すると判断され、そして、この場合、上記ステップ107にて、選択肢表示手段として機能する表示制御部201が、複数の選択肢を表示した画面を表示する。具体的には、図5(B)に示す表示画面を表示する。
【0043】
ここで、図5(B)に示す表示画面では、(1)アドレス帳の変更前の送信先(「月度報告」の選択用ボタン21の作成(設定登録)時の送信先)に送信する、(2)アドレス帳の変更後の送信先(現時点での送信先)(最新の送信先)に送信する、あるいは、(3)送信しない、の3つの選択肢を、表示画面に表示する。これにより、本実施形態では、送信するか否か、また、送信する場合には何れを送信先とするか、の問い合わせがユーザに対しなされるようになる。
【0044】
そして、例えば、上記(1)の、アドレス帳の変更前の送信先に送信する、がユーザにより選択された場合には、処理部202は、アドレス帳の変更前の送信先(「月度報告」の選択用ボタン21の作成時に登録された送信先)を、識別番号3についての送信先として設定する。
また、例えば、上記(2)の、アドレス帳の変更後の送信先に送信する、がユーザにより選択された場合には、処理部202は、アドレス帳の変更後の送信先を、識別番号3についての送信先として設定する。
一方で、上記(3)の、送信しない、がユーザにより選択された場合には、処理部202は、送信先から、識別番号3に対応した送信先を外す。なお、送信しない、がユーザにより選択された場合、ファックスの送信自体を取り止める処理を行うようにしてもよい。
【0045】
ここで、上記では説明を省略したが、本実施形態では、図5(B)に示す表示画面を表示する際、一つの選択肢が既に選択された状態でこの表示を行う。なお、図5(B)では、上記(2)の選択肢が既に選択された状態での表示を行っている。
このような表示を行う場合、既に選択された選択肢により実行される処理内容と、ユーザの希望する処理内容とが一致する場合には、ユーザは、選択操作を省略できるようになり、ユーザは、継続ボタン(図5(B)中、「Continue」と表示)を押すだけで、次の操作に進めるようになる。
【0046】
なお、一つの選択肢が既に選択された状態での上記表示にあたっては、表示制御部201が、図5(A)にて示す「推定される理由」を参照し、この推定される理由に基づき、選択された状態での表示を行う上記一つの選択肢を決定する。
付言すると、本実施形態では、ユーザがアドレス帳の変更を行う際、処理部202によって、変更の理由が推定されるようになっている。付言すると、ユーザがアドレス帳の変更を行う際の変更項目に基づき、処理部202が、変更の理由を推定するようになっている。そして、本実施形態では、推定されたこの理由に基づき、選択された状態での表示を行う上記一つの選択肢を決定する。
【0047】
具体例を挙げて説明すると、変更された内容が、ユーザ名のみであった場合(図5(A)における識別番号7参照)、処理部202は、例えば社名変更や結婚が、変更の理由であると推定する。また、例えば、変更された内容が、電話番号のみであった場合(識別番号4参照)、処理部202は、事務所移転が、変更の理由であると推定する。
【0048】
さらに、変更された内容が、メールアドレスのみであった場合(識別番号3参照)、処理部202は、プロバイダ変更が、変更の理由であると推定する。また、変更された内容が、例えば、ユーザ名、電話番号、および、メールアドレスであった場合(識別番号5参照)、処理部202は、人の移動/変更が、変更の理由であると推定する。
【0049】
ここで、本実施形態では、このように、一つの選択肢が既に選択された状態での上記表示は、上記推定された理由に基づき行われる。なお、本実施形態では、推定される理由が、社名変更や結婚であった場合(識別番号7の場合)、上記(3)の、送信しない、が既に選択された状態での表示を行う。また、推定される理由が、事務所移転であった場合(識別番号4の場合)は、上記(2)の、アドレス帳の変更後の送信先に送信する、が既に選択された状態での表示を行う。
【0050】
また、推定される理由が、プロバイダ変更であった場合(識別番号3の場合)も、上記(2)の、アドレス帳の変更後の送信先に送信する、が既に選択された状態での表示を行う。さらに、推定される理由が、人の移動/変更であった場合(識別番号5の場合)は、上記(3)の、送信しない、が既に選択された状態での表示を行う。
【0051】
次に、他の処理例を説明する。
上記では、ユーザが登録した上記複数の識別番号のうちの一つの識別番号(識別番号3)に対応づけられた項目が、他のユーザにより変更された場合の処理を一例に説明した。具体的には、一つの識別番号(識別番号3)に対応づけられた項目が、他のユーザにより変更された場合には、変更前の送信先に送信するか、変更後の送信先に送信するか、あるいは、送信しない、の何れかをユーザに選択させ、そして、ユーザが選択した処理を実行する態様を一例に説明した。
【0052】
ところで、他のユーザによって変更された項目が複数有り、複数の識別番号において、変更が行われている場合は、上記のような問い合わせを行うことが難しくなる。具体的に説明すると、複数の識別番号において変更が行われている場合にて、上記のような問い合わせを行う場合、識別番号毎に、上記3つの項目についての問い合わせを行うことが必要となり、ユーザにとっては、手続きが煩雑となる。このため、複数の識別番号において、変更が行われている場合は、次の(1)〜(3)の3つの選択肢が表示部107に表示されるようにしてもよい。
【0053】
(1)アドレス帳の変更前の送信先(「月度報告」の選択用ボタン21の作成時の送信先)に含まれる全ての送信先を、そのまま送信先とする。
(2)アドレス帳の変更後の送信先(現時点での送信先、最新の送信先)に含まれる全ての送信先を、そのまま送信先にする。
(3)変更があった識別番号毎に、送信先を確認する。
【0054】
また、上記では、アドレス帳の変更履歴の記憶に際し、識別番号、変更日、および変更内容(ユーザ名、電話番号などについての変更内容)を記憶したが、識別番号および変更日の2種類の情報のみを記憶し、変更内容の記憶を省略するようにしてもよい。
そして、この場合は、上記と同様、変更日と、「月度報告」の選択用ボタン21の作成日(ボタン作成日)とを比較する。そして、変更対応識別番号とユーザ登録識別番号とが一致しており、且つ、選択用ボタン21の作成日よりも後にアドレス帳の変更がなされている場合には、例えば、次の(1)、(2)の2つの選択肢を表示部107に表示する。
【0055】
(1)アドレス帳の変更後の送信先(現時点の送信先、最新の送信先)に含まれる全ての送信先を、そのまま送信先とする。
(2)送信しない(送信を中止する)。
【0056】
なお、この(1)、(2)の2つの選択肢の表示にあたっては、上記と同様、一つの選択肢が既に選択された状態での表示を行ってもよく、例えば、(2)の、送信しない、の選択肢が既に選択された状態での表示を行うことができる。このように、送信しない、の選択肢が既に選択された状態での表示を行う場合、(1)の選択肢が既に選択された状態での表示を行う場合や、選択肢が既に選択された状態での表示を行わない場合に比べ、誤送信が起こりにくくなる。
【0057】
なお、上記では、識別番号および変更日の2種類の情報を記憶する場合を説明したが、識別番号、変更日、および、旧ユーザ名(変更前のユーザ名)の3種類の情報を記憶するようにしてもよい。また、識別番号、変更日、旧ユーザ名、および、旧電話番号の4種類の情報や、同じく、識別番号、変更日、旧ユーザ名、および、旧メールアドレスの4種類の情報を記憶するようにしてもよい。さらに、識別番号、変更日、旧ユーザ名、旧電話番号、および、旧メールアドレスの5種類の情報を記憶するようにしてもよい。
このように記憶する情報の種類を増やすと、メモリの使用量が増えてしまうが、その一方で、ユーザについての情報がより多く収集されるようになり、操作性の向上などを図れる可能性が高まる。
【0058】
次に、アドレス帳の内容が変更される際の処理の一例を説明する。
アドレス帳の内容が変更される場合、変更される内容に対応する識別番号が、「月度報告」の選択用ボタン21の作成時に登録された識別番号に含まれる識別番号と一致するか否かを判断するようにしてもよい。
付言すると、「月度報告」の選択用ボタン21の作成時に登録された上記複数の識別番号(設定情報記憶部206に記憶されている識別情報)を検索し、変更される内容に対応する識別番号と同じ識別番号が、既に登録されているか否かを、判断手段の一例としての処理部202にて判断するようにしてもよい。
【0059】
そして、変更される項目に対応する識別番号が、「月度報告」の選択用ボタン21の作成時に登録された識別番号と一致する場合には、例えば、「変更しようとしている項目は、設定済みの「月度報告」で参照しています。」というメッセージを表示画面に表示する。
【0060】
また、変更される項目に対応する識別番号が、「月度報告」の選択用ボタン21の作成時に登録された識別番号と一致する場合、表示画面には、選択肢として、次の(1)、(2)の二つの選択肢を表示してもよい。
(1)変更しようとしている項目を「月度報告」に反映する。
(2)変更しようとしている項目を「月度報告」に反映しない。
【0061】
そして、(1)の選択肢がユーザにより選択された場合には、アドレス帳記憶部204に記憶されているアドレス帳の一部であってユーザが変更を希望する項目の内容を、ユーザが希望する内容に変更する。また、一方で、(2)の選択肢が選択された場合には、アドレス帳における変更を省略する。
【0062】
なお、この二つの選択肢を表示する場合も、上記と同様、一つの選択肢が既に選択された状態での表示を行うことができる。例えば、ユーザによって変更されようとしている項目が、送信先のみ(ファックス番号のみ)のように単数であった場合は、上記(1)の選択肢を、既に選択された状態で表示する。また、例えば、ユーザによって変更されようとしている項目が、識別番号および送信先(ファックス番号)のように複数であった場合は、上記(2)の選択肢を、既に選択された状態で表示する。
【0063】
また、本実施形態では、画像形成装置10について説明を行ったが、この画像形成装置10には、様々な機能が含まれており、機能の組み合わせによっては、画像形成装置10以外の装置として捉えることができる。例えば、画像読取部108、FAX送信部203などで装置を構成すると、この装置は、情報送信装置として捉えることができるようになる。
【符号の説明】
【0064】
10…画像形成装置、201…表示制御部、203…FAX送信部、204…アドレス帳記憶部、205…変更履歴記憶部、206…設定情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6