特許第6119583号(P6119583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6119583
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】移動体用照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20170417BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170417BHJP
【FI】
   F21S8/10 353
   F21S8/10 352
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-249510(P2013-249510)
(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公開番号】特開2015-106539(P2015-106539A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】畑中 登志浩
(72)【発明者】
【氏名】日野 清和
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0302777(US,A1)
【文献】 特開2013−239238(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102007038787(DE,A1)
【文献】 特開2007−194173(JP,A)
【文献】 特開2011−119168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
F21V15/04−17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基部と、前記第1の基部の一方の端部から移動体用照明装置の中心軸に直交する方向に向けて突出するフランジ部と、を有する本体部と;
前記フランジ部の前記第1の基部が設けられる側とは反対側に設けられ、発光素子が設けられた基板と;
前記フランジ部の前記第1の基部が設けられる側とは反対側に設けられた第2の基部と、前記第2の基部の周縁近傍に設けられ、前記フランジ部に接触するとともに、弾性力により、前記第2の基部を前記フランジ部に押し付ける保持爪と、前記第2の基部の前記フランジ部側とは反対側に設けられた光学要素部と、を有したカバー部と;
を具備した移動体用照明装置。
【請求項2】
前記保持爪は、前記第2の基部から前記フランジ部側に向けて突出するアーム部と、前記アーム部の前記第2の基部の側とは反対側の端部に設けられ、前記移動体用照明装置の中心軸側に向けて突出する接触部と、を有している請求項1記載の移動体用照明装置。
【請求項3】
前記フランジ部の周端であって、前記第1の基部が設けられる側に設けられ前記接触部と接触する第1の斜面と、
前記接触部の前記第2の基部側に設けられ前記フランジ部と接触する第2の斜面と、
の少なくともいずれかを有する請求項2記載の移動体用照明装置。
【請求項4】
前記第1の斜面は、前記第1の基部の側になるに従い前記移動体用照明装置の中心軸に近接する方向に傾斜し、
前記第2の斜面は、前記第2の基部の側になるに従い前記移動体用照明装置の中心軸から離れる方向に傾斜している請求項3記載の移動体用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、移動体用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が設けられた基板と、基板を取り付ける本体部と、を具備した移動体用照明装置がある。
また、この様な移動体用照明装置においては、リフレクタなどを有するカバー部に設けられた係合爪の先端を本体部に設けられた凹部の内部に挿入することで、カバー部を本体部に取り付けるようにしている。
しかしながら、カバー部に設けられた係合爪の先端を本体部に設けられた凹部の内部に挿入するためには、係合爪の先端と本体部に設けられた凹部との間に隙間を設ける必要がある。
そのため、カバー部と、本体部との間にはがたつきが発生するおそれがある。
ここで、移動体用照明装置には、移動体からの振動が伝わる。そのため、カバー部と本体部との間にがたつきがあると、カバー部と本体部との間の位置関係に狂いが生じ、移動体用照明装置の機能が低下するおそれがある。
また、移動体用照明装置の破損につながるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−35210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、カバー部と、本体部との間のがたつきを抑制することができる移動体用照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る移動体用照明装置は、第1の基部と、前記第1の基部の一方の端部から移動体用照明装置の中心軸に直交する方向に向けて突出するフランジ部と、を有する本体部と;前記フランジ部の前記第1の基部が設けられる側とは反対側に設けられ、発光素子が設けられた基板と;前記フランジ部の前記第1の基部が設けられる側とは反対側に設けられた第2の基部と、前記第2の基部の周縁近傍に設けられ、前記フランジ部に接触するとともに、弾性力により、前記第2の基部を前記フランジ部に押し付ける保持爪と、前記第2の基部の前記フランジ部側とは反対側に設けられた光学要素部と、を有したカバー部と;を具備している。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、カバー部と、本体部との間のがたつきを抑制することができる移動体用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る移動体用照明装置1を例示するための模式断面図である。
図2図1におけるA−A線矢視図である。
図3】保持爪32を例示するための模式図である。
図4】(a)、(b)は、接触部32bとフランジ部12との接触部分における他の実施形態を例示するための模式図である。
図5】保持爪32の他の配設形態を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態に係る発明は、第1の基部と、前記第1の基部の一方の端部から移動体用照明装置の中心軸に直交する方向に向けて突出するフランジ部と、を有する本体部と;前記フランジ部の前記第1の基部が設けられる側とは反対側に設けられ、発光素子が設けられた基板と;前記フランジ部の前記第1の基部が設けられる側とは反対側に設けられた第2の基部と、前記第2の基部の周縁近傍に設けられ、前記フランジ部に接触するとともに、弾性力により、前記第2の基部を前記フランジ部に押し付ける保持爪と、前記第2の基部の前記フランジ部側とは反対側に設けられた光学要素部と、を有したカバー部と;を具備した移動体用照明装置である。
この移動体用照明装置によれば、カバー部と、本体部との間のがたつきを抑制することができる。
【0009】
また、前記保持爪は、前記第2の基部から前記フランジ部側に向けて突出するアーム部と、前記アーム部の前記第2の基部の側とは反対側の端部に設けられ、前記移動体用照明装置の中心軸側に向けて突出する接触部と、を有しているものとすることができる。
この様にすれば、弾性力により、第2の基部をフランジ部に押し付けることが容易となる。
【0010】
また、前記フランジ部の周端であって、前記第1の基部が設けられる側に設けられ前記接触部と接触する第1の斜面と、前記接触部の前記第2の基部側に設けられ前記フランジ部と接触する第2の斜面と、の少なくともいずれかを有するものとすることができる。
この様にすれば、第2の基部をフランジ部に向けて押圧する力を発生させることができる。
【0011】
また、前記第1の斜面は、前記第1の基部の側になるに従い前記移動体用照明装置の中心軸に近接する方向に傾斜し、前記第2の斜面は、前記第2の基部の側になるに従い前記移動体用照明装置の中心軸から離れる方向に傾斜しているものとすることができる。
この様にすれば、第2の基部をフランジ部に向けて押圧する力を発生させることができる。
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、以下に例示をする移動体用照明装置1は、自動車、鉄道用車輌、航空機、船舶などの移動体に設けられる照明装置とすることができる。
例えば、移動体用照明装置1は、自動車のリアフォグランプ、ポジションランプ(車幅灯)、ナンバー灯、バックランプ、ストップランプ、テールランプ(尾灯)、ウィンカー(方向指示器)、室内灯、表示用や信号用の照明装置などとすることができる。ただし、移動体用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る移動体用照明装置1を例示するための模式断面図である。 なお、図1図2におけるC−C線断面図である。
図2は、図1におけるA−A線矢視図である。
図1および図2に示すように、移動体用照明装置1には、本体部10、発光部20、カバー部30、および配線40が設けられている。
本体部10には、基部11(第1の基部の一例に相当する)、フランジ部12、および位置合わせ部13が設けられている。
【0014】
基部11は、フランジ部12の一方の端面から移動体用照明装置1の中心軸1a方向に向けて突出している。基部11の内部には配線40の一方の端部側が挿入されている。
また、基部11には、図示しない複数の放熱フィンを設けることができる。
フランジ部12は、板状を呈している。
フランジ部12は、基部11の一方の端部の側面から移動体用照明装置1の中心軸1aに直交する方向に向けて突出している。
位置合わせ部13は、フランジ部12の基部11が設けられる側とは反対側の端面から移動体用照明装置1の中心軸1a方向に向けて突出している。位置合わせ部13のフランジ部12側とは反対側の端面には、発光部20の基板21が設けられている。
位置合わせ部13には、カバー部30の基部31(第2の基部の一例に相当する)に設けられた凹部31aが嵌め合わされている。
そのため、本体部10に設けられた発光部20と、カバー部30に設けられた後述する光学要素部33との位置合わせができるようになっている。
【0015】
本体部10は、発光部20およびカバー部30などが取り付けられるとともに、発光部20などで発生した熱を移動体用照明装置1の外部に放出する機能を有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、本体部10を熱伝導率の高い材料から形成することができる。例えば、本体部10は、アルミニウム、アルミニウム合金、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等からなる繊維や粒子を混合させたものである。
この場合、図示しない放熱フィンなどの熱を外部に放出する部分を熱伝導率の高い材料から形成し、その他の部分を樹脂などから形成することもできる。
なお、本体部10の外観は、例示をしたものに限定されるわけではなく、移動体用照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
【0016】
発光部20には、基板21および発光素子22が設けられている。
基板21は、フランジ部12の基部11が設けられる側とは反対側に設けられている。 基板21は、板状を呈し、表面に図示しない配線パターンが設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁体で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁体で被覆する場合には、絶縁体は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0017】
発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁体で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0018】
基板21には、厚み方向を貫通する孔が設けられている。そして、基板21の厚み方向を貫通する孔の周りには、図示しない配線パターンの入力端子が設けられている。図示しない配線パターンの入力端子には、基板21の厚み方向を貫通する孔に挿入された配線40の接続端40aが半田付けされている。そのため、発光素子22は、図示しない配線パターン2、半田付け部分、配線40を介して、外部に設けられた電源などと電気的に接続される。
【0019】
発光素子22は、基板21の表面に設けられた図示しない配線パターンの上に実装されている。
発光素子22は、図示しない配線パターンに設けられる側とは反対側の面(上面)に図示しない電極を有したものとすることができる。なお、図示しない電極は、図示しない配線パターンに設けられる側の面(下面)と、図示しない配線パターンに設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
【0020】
発光素子22の下面に設けられた図示しない電極は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して図示しない配線パターンに設けられた実装パッドと電気的に接続される。発光素子22の上面に設けられた図示しない電極は、図示しない配線を介して図示しない配線パターンに設けられた配線パッドと電気的に接続される。図示しない配線の接合は、例えば、ワイヤボンディング法を用いて行うことができる。
【0021】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22の光の出射面である上面は、移動体用照明装置1の正面側に向けられており、主に、移動体用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、移動体用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
また、発光素子22に流れる電流を制御する図示しない制御素子を図示しない配線パターンの上に実装することもできる。
またさらに、必要に応じて、図示しない回路部品などを図示しない配線パターンの上に実装することもできる。
【0022】
また、発光素子22を覆う図示しない封止部を設けることができる。
図示しない封止部は、透光性を有する材料から形成することができる。図示しない封止部は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
また、図示しない封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。 例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が移動体用照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、移動体用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0023】
カバー部30には、基部31、保持爪32、および光学要素部33が設けられている。 カバー部30は、発光素子22を保護するとともに、リフレクタやレンズなどの光学要素による配光制御を行うために設けられている。
基部31は、板状を呈し、フランジ部12の基部11が設けられる側とは反対側に設けられている。
基部31のフランジ部12側(本体部10側)には凹部31aが設けられている。
【0024】
保持爪32は、基部31の周縁近傍に設けられている。
保持爪32は、フランジ部12に接触するとともに、弾性力により、カバー部30の基部31を本体部10のフランジ部12に押し付ける。
そのため、カバー部30と、本体部10との間のがたつきを抑制することができる。
なお、保持爪32に関する詳細は後述する。
保持爪32の数には特に限定はないが、保持爪32の数を2つ以上とすれば、カバー部30の取り付けを安定させることができる。
また、保持爪32の配置にも特に限定はないが、複数の保持爪32同士の間の距離が等しくなるようにすれば(均等配置とすれば)、カバー部30の取り付けを安定させることができる。
【0025】
光学要素部33は、基部31のフランジ部12側(本体部10側)とは反対側に設けられている。
光学要素部33は、移動体用照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。 例えば、図1および図2に示すように、内部に発光素子22が露出するすり鉢状の凹部33aを設けることで、リフレクタの機能を有する光学要素部33とすることができる。 また、図示しない凸状の曲面や凹状の曲面を設けることで、レンズの機能を有する光学要素部33とすることもできる。
なお、光学要素部33は、リフレクタの機能またはレンズの機能を有するものに限定されるわけではなく、移動体用照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。 そのため、所望の光学的機能を有する光学要素部33が設けられたカバー部30を交換可能に設けることができる。その結果、移動体用照明装置1の種々の用途に対応することができる。
この場合、移動体用照明装置1の種々の用途に対して、本体部10および発光部20の共用化を図ることができる。
【0026】
カバー部30の材料には、特に限定はない。
この場合、カバー部30の材料は、本体部10の材料と同じものにすることもできるし、本体部10の材料と異なるものとすることもできる。
また、基部31、保持爪32、および光学要素部33の材料を同じものとすることもできるし、基部31、保持爪32、および光学要素部33の材料を異なるものとすることもできる。
この場合、光学要素部33の材料は、所望の光学的機能に応じて適宜選択することができる。
例えば、レンズの機能を有する光学要素部33とする場合には、光学要素部33の材料は、透明樹脂などの透光性材料とすることができる。
また、リフレクタの機能を有する光学要素部33とする場合には、光学要素部33の材料は、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料とすることができる。
発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料は、例えば、酸化チタンなどの粒子が混合された樹脂や、白色の樹脂などとすることができる。
なお、酸化チタンの粒子が混合された樹脂に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子が混同された樹脂とすればよい。
【0027】
配線40は、例えば、銅や銅合金などの導電性材料からなる素線に耐摩耗性が高い絶縁体を被覆したものとすることができる。
配線40の少なくとも一方の端部は、素線が露出している。素線が露出している部分が接続端40aとなる。
また、複数の配線40をまとめたワイヤーハーネス(Wire Harness)とすることもできる。
なお、配線40の数や寸法は例示をしたものに限定されるわけではなく、移動体用照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
【0028】
次に、保持爪32についてさらに説明する。
図3は、保持爪32を例示するための模式図である。
なお、図3は、図1におけるB部の拡大図である。
図3に示すように、保持爪32は、アーム部32aと接触部32bを有する。
【0029】
アーム部32aは、基部31からフランジ部12側に向けて突出している。
アーム部32aの一端は、基部31に設けられている。
ここで、基部31のフランジ部12側には凹部31bが設けられている。そして、アーム部32aの一端は凹部31bの上方において基部31と接続されている。この場合、凹部31bの上方における部分32cが、アーム部32aの支点となる。
この様にすれば、アーム部32aの長さを長くすることができるので、弾性力を利用したアーム部32aの揺動運動を容易とすることができる。
【0030】
接触部32bは、アーム部32aの他端(基部31の側とは反対側の端部)に設けられている。
接触部32bは、移動体用照明装置1の中心軸1a側に向けて突出している。
接触部32bの基部31側は、フランジ部12と接触する。
接触部32bの基部31側には、フランジ部12の斜面12a(第1の斜面の一例に相当する)と接触する斜面32b1(第2の斜面の一例に相当する)が設けられている。
斜面32b1は、基部31の側になるに従い移動体用照明装置1の中心軸1aから離れる方向に傾斜している。
また、フランジ部12の周端であって、基部11が設けられる側には、接触部32b(斜面32b1)と接触する斜面12aが設けられている。
斜面12aは、基部11の側になるに従い移動体用照明装置1の中心軸1aに近接する方向に傾斜している。
斜面32b1の傾斜角θ32は、斜面12aの傾斜角θ12と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0031】
また、斜面32b1および斜面12aは少なくともいずれかが設けられていればよい。 図4(a)、(b)は、接触部32bとフランジ部12との接触部分における他の実施形態を例示するための模式図である。
例えば、図4(a)に示すように、接触部32bに斜面32b1を設け、フランジ部12には斜面12aを設けないようにすることができる。
また、図4(b)に示すように、接触部32bには斜面32b1を設けないようにし、フランジ部12には斜面12aを設けるようにすることができる。
斜面32b1および斜面12aの少なくともいずれかを設けるようにすれば、アーム部32aの揺動運動により、基部31をフランジ部12に向けて押圧する力を発生させることができる。
【0032】
また、図3図4(a)、および図4(b)に示すように、基部31の部分32cの中心位置32c1は、フランジ部12の周端よりも移動体用照明装置1の中心軸1a側にある。
また、基部31のフランジ部12側の面から接触部32bとフランジ部12とが接触する位置までの距離L1は、フランジ部12の基部31側の面からフランジ部12と接触部32bとが接触する位置までの距離L2より僅かに短くなっている。
この様にすれば、フランジ部12によりアーム部32aがフランジ部12の外方に押されるため、弾性力を利用した押圧力を発生させることができる。
【0033】
また、図3図4(a)、および図4(b)に示すように、接触部32bの基部31側とは反対側には、斜面32b2が設けられている。
斜面32b2は、基部31側になるに従い移動体用照明装置1の中心軸1aに近接する方向に傾斜している。
カバー部30を本体部10に取り付ける際には、斜面32b2とフランジ部12の周端とが接触する。そして、斜面32b2により、アーム部32aをカバー部30の外方に向けて押す力が発生する。そのため、アーム部32aがカバー部30の外方に向けて曲げられるので、カバー部30の取り付けを容易とすることができる。
【0034】
図5は、保持爪32の他の配設形態を例示するための模式図である。
なお、図5は、図1におけるA−A線矢視図に相当する。
前述した図2においては、平面視において、保持爪32のアーム部32aが基部31の周縁の内側に設けられる場合を例示した。
これに対して、図5に示すように、平面視において、保持爪32のアーム部32aが基部31の周縁から外側に突出するようにすることもできる。
この場合、図2に示すように、保持爪32のアーム部32aが基部31の周縁の内側に設けられるようにすれば、アーム部32aに対する意図しない作業者などの接触を抑制することができる。そのため、カバー部30の意図しない脱落などを抑制することができる。 一方、図5に示すように、保持爪32のアーム部32aが基部31の周縁の外側から突出するようにすれば、カバー部30を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0035】
ここで、移動体用照明装置1には、移動体からの振動が伝わる。そのため、カバー部30と本体部10との間にがたつきがあると、カバー部30と本体部10との間の位置関係に狂いが生じ、移動体用照明装置1の機能が低下するおそれがある。
また、移動体用照明装置1の破損につながるおそれもある。
本実施の形態に係る移動体用照明装置1には、弾性力により、カバー部30を本体部10に押し付ける保持爪32を有するカバー部30が設けられている。
そのため、カバー部30と、本体部10との間のがたつきを抑制することができる。
【0036】
この場合、カバー部30は本体部10に押し付けられるため、カバー部30と本体部10との間を接着する必要なない。
ただし、例えば、移動体用照明装置1が設置される環境における振動が大きい場合などにおいては、必要に応じて、カバー部30と本体部10とを接着することもできる。
この場合、接着剤はシリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤などとすることができる。 また、接着剤が硬化するまでの間、カバー部30を本体部10に押し付けておくことができるので、カバー部30と本体部10の位置関係がずれて接着されるのを抑制することができる。
【0037】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 移動体用照明装置、1a 中心軸、10 本体部、11 基部、12 フランジ部、12a 斜面、13 位置合わせ部、20 発光部、21 基板、22 発光素子、30 カバー部、31 基部、32 保持爪、32a アーム部、32b 接触部、32b1 斜面、32b2 斜面、33 光学要素部
図1
図2
図3
図4
図5