(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
現在の前記D/A変換装置のボリューム値近傍の値は、現在の前記D/A変換装置のボリューム値を四捨五入した値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の音楽再生装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スマートフォンには、スマートフォンのシステムボリュームを調整するためのボリュームキーが設けられている。このボリュームキーをUSB DACのボリューム調整に用いることが考えられる。しかしながら、システムボリュームはステップ数が限られているため、ボリュームキーをUSB DACのボリューム調整に用いると、USB DACのボリューム変化が粗くなるという問題がある。また、UIボリュームによれば、ユーザーは、ステップ数を細かく設定することができるが、再生画面上でしか設定できないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、音楽再生装置からD/A変換装置のボリュームを容易に調整可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明の音楽再生装置は、自装置のボリュームを調整するための第1操作キーと、制御部と、を備え、前記制御部は、デジタルオーディオデータをD/A変換装置に出力し、前記デジタルオーディオデータを前記D/A変換装置に出力しているときに、前記第1操作キーの操作があった場合、変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値と、現在の前記D/A変換装置のボリューム値と、を比較し、変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値と、現在の前記D/A変換装置のボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値よりも大きい場合、現在の前記D/A変換装置のボリューム値近傍の値に対応する自装置のボリューム値から変更後の自装置のボリューム値を算出し、算出した変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値に、前記D/A変換装置のボリュームを設定することを特徴とする。
【0008】
例えば、音楽再生装置のボリュームのステップ数が0〜10であり、D/A変換装置のボリュームのステップ数が0〜100であったとする。また、現在の音楽再生装置のボリューム値が8であり、D/A変換装置のボリューム値が50であったとする。従来の音楽再生装置は、音楽再生装置の操作キーにより、音楽再生装置のボリューム値が8から9に変化した場合、D/A変換装置のボリュームを50から90に変更してしまう。これは、音楽再生装置のボリュームと、D/A変換装置のボリュームと、が同期していないからである。
【0009】
本発明では、制御部は、変更後の自装置のボリューム値に対応するD/A変換装置のボリューム値と、現在のD/A変換装置のボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値(例えば、20)よりも大きい場合、現在のD/A変換装置のボリューム値近傍の値に対応する自装置のボリューム値から変更後の自装置のボリューム値を算出する。上記のように、音楽再生装置のボリュームのステップ数が0〜10であり、D/A変換装置のステップ数が0〜100であったとする。この場合、自装置のボリューム値に対応するD/A変換装置のボリューム値は、自装置のボリューム値の10倍の値である。例えば、自装置のボリューム値が9であれば、対応するD/A変換装置のボリューム値は、90である。ここで、変更後の自装置のボリューム値9に対応するD/A変換装置のボリューム値が90であり、現在のD/A変換装置のボリューム値が52である場合、差の絶対値が38であるため、制御部は、現在のD/A変換装置のボリューム値52近傍の値50に対応する自装置のボリューム値5から変更後の自装置のボリューム値として、6(=5+1)を算出する。
【0010】
そして、制御部は、算出した変更後の自装置のボリューム値6に対応するD/A変換装置のボリューム値60に、D/A変換装置のボリュームを設定する。このように、本発明では、音楽再生装置のボリュームとD/A変換装置のボリュームとの同期がとれているため、第1操作キーの操作により、D/A変換装置のボリュームが急激に変化するということがない。従って、本発明によれば、ユーザーは、第1操作キーを用いて、音楽再生装置からD/A変換装置のボリュームを容易に調整することができる。
【0011】
第2の発明の音楽再生装置は、第1の発明の音楽再生装置において、前記制御部は、変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値と、現在の前記D/A変換装置のボリューム値と、の差の絶対値が、前記所定の閾値以下である場合、変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値に、前記D/A変換装置のボリュームを設定することを特徴とする。
【0012】
本発明では、制御部は、変更後の自装置のボリューム値に対応するD/A変換装置のボリューム値と、現在の前記D/A変換装置のボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値以下である場合、変更後の自装置のボリューム値に対応するD/A変換装置のボリューム値に、D/A変換装置のボリュームを設定する。ここで、変更後の自装置のボリューム値6に対応するD/A変換装置のボリューム値が60であり、D/A変換装置の現在のボリューム52である場合、差の絶対値が8であるため、制御部は、変更後の自装置のボリューム値6に対応するD/A変換装置のボリューム値60に、D/A変換装置のボリュームを設定する。
【0013】
第3の発明の音楽再生装置は、第1又は第2の発明の音楽再生装置において、前記制御部は、前記デジタルオーディオデータを前記D/A変換装置に出力していないときに、前記第1操作キーの操作があった場合、自装置のボリューム調整を受け付け、受け付けたボリューム値に自装置のボリュームを設定することを特徴とする。
【0014】
第4の発明の音楽再生装置は、第1〜第3の発明のいずれかの音楽再生装置において、前記D/A変換装置の音量を調整するための第2操作キーを表示するための表示部をさらに備え、前記制御部は、前記デジタルオーディオデータを前記D/A変換装置に出力しているときに、前記第2操作キーを前記表示部に表示し、前記第2操作キーの操作があった場合、前記D/A変換装置のボリューム調整を受け付け、受け付けたボリューム値に前記D/A変換装置のボリュームを設定することを特徴とする。
【0015】
第5の発明の音楽再生装置は、第1〜第4の発明のいずれかの音楽再生装置において、現在の前記D/A変換装置のボリューム値近傍の値は、現在の前記D/A変換装置のボリューム値を四捨五入した値であることを特徴とする。
【0016】
第6の発明の音楽再生プログラムは、自装置のボリュームを調整するための第1操作キーと、制御部と、を備えるコンピュータの制御部に、デジタルオーディオデータのD/A変換装置への出力、前記デジタルオーディオデータを前記D/A変換装置に出力しているときに、前記第1操作キーの操作があった場合、変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値と、現在の前記D/A変換装置のボリューム値と、の比較、変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値と、現在の前記D/A変換装置のボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値よりも大きい場合、現在の前記D/A変換装置のボリューム値近傍の値に対応する自装置のボリューム値から変更後の自装置のボリューム値の算出、算出した変更後の自装置のボリューム値に対応する前記D/A変換装置のボリューム値に、前記D/A変換装置のボリュームの設定、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザーは、第1操作キーを用いて、音楽再生装置からD/A変換装置のボリュームを容易に調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスマートフォン等の構成を示すブロック図である。スマートフォン1は、USB DAC2(D/A変換装置)に接続されている。スマートフォン1は、記憶部12に記憶されている音楽再生プログラムPが実行されることにより、デジタルオーディオデータをUSB DAC2に出力する音楽再生装置として機能する。USB DAC2は、スマートフォン1から出力されたデジタルオーディオデータをアナログオーディオデータにD/A変換する。そして、USB DAC2は、D/A変換したアナログオーディオデータを増幅し、ヘッドホン3に出力する。ヘッドホン3は、USB DAC2から出力されたアナログオーディオデータに基づいて、音楽を含む音声を外部に出力する。
【0020】
(スマートフォン1)
スマートフォン1は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、スピーカー15、ネットワーク通信部(以下、「NW通信部」という。)16、ブルートゥース(登録商標)通信部(以下、「BT通信部」という。)17、コネクタ18、USBホストコントローラ19等を備えている。スマートフォン1は、例えば、OS(Operating System)プログラムとして、Andoroid(登録商標)を搭載したスマートフォンである。
【0021】
制御部11は、制御プログラム、OSプログラム、音楽再生プログラムPを含むアプリケーションプログラムに従って、スマートフォン1を構成する各部を制御する。また、制御部11は、音楽再生プログラムPに従って、デジタルオーディオデータをUSB DAC2に出力する。制御部11が音楽再生プログラムPに従って実行する処理については、後述する。
【0022】
記憶部12は、制御部11の主メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、OSプログラムや音楽再生プログラムPを含むアプリケーションプログラム等のプログラム、デジタルオーディオデータ等の各種データを記憶するフラッシュメモリから構成されている。なお、記憶部12は、例示する構成に限られず、HDD(Hard Disk Drive)等を含んでいてもよい。また、音楽再生プログラムPは、工場出荷時に記憶部12に記憶されていてもよいし、後述するNW通信部16を介して、図示しないサーバーからダウンロードされ、記憶部12に記憶されていてもよい。
【0023】
表示部13は、種々の画像(静止画像、動画像を含む)を表示するものであり、液晶パネルにより構成されている。操作部14は、各種設定を行うための操作キー、及び、表示部13と連動したタッチパネルを備えている。ユーザーは、操作部14を介して、電話番号やメールアドレス等の各種の文字入力、通信設定などを行うことが可能である。また、操作部14は、スマートフォン1のボリュームを調整するためのボリュームキー141(第1操作キー)を有する。スピーカー15は、制御部11から出力されるオーディオデータに基づいて、音楽等の種々の音声を出力する。NW通信部16は、図示しない携帯電話網および携帯基地局を介してインターネットに接続可能なように構成されている。スマートフォン1は、NW通信部16を介して、他の端末との通話、通信等を行うことが可能である。BT通信部17は、ブルートゥース規格に基づいて、ブルートゥース規格に対応した図示しない周辺装置と無線通信を行う。
【0024】
コネクタ18は、スマートフォン1を外部の機器と接続するためのものである。コネクタ18は、例えば、USBのマイクロBタイプのメス型コネクタある。本実施形態では、スマートフォン1とUSB DAC2とは、コネクタ18を介して、USBケーブル4により接続される。USBホストコントローラ19は、USB規格に対応した通信をUSBデバイス(本実施形態では、USB DAC2)と行うためのコントローラである。USBホストコントローラ19により、スマートフォン1は、USBホストとして機能する。
【0025】
(USB DAC2)
USB DAC2は、制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、D/Aコンバータ25、増幅部26、コネクタ27、USBデバイスコントローラ28、ヘッドホン端子29等を備えている。制御部21は、制御プログラムに従って、USB DAC2を構成する各部を制御する。
【0026】
記憶部22は、制御部21の主メモリとして機能するRAM、制御プログラムを記憶するROMから構成されている。なお、記憶部22は、例示する構成に限られず、フラッシュメモリ等を備えていてもよい。表示部23は、電源のオンオフを表示するLEDランプ等である。操作部24は、ユーザー操作を受け付けるためのものであり、USB DAC2の筐体に設けられた操作ボタン等である。D/Aコンバータ25は、スマートフォン1から出力されるデジタルオーディオデータをアナログオーディオデータにD/A変換する。増幅部26は、D/Aコンバータ25がD/A変換したアナログオーディオデータを増幅し、ヘッドホン端子29に出力する。
【0027】
コネクタ27は、USB DAC2を外部の機器と接続するためのものである。コネクタ27は、例えば、USBのAタイプのメス型コネクタである。スマートフォン1のコネクタ18と、USB DAC2のコネクタ27と、がUSBケーブル4で接続されることにより、スマートフォン1とUSB DAC2とが接続される。USBデバイスコントローラ28は、USB規格に対応した通信をUSBホスト(本実施形態では、スマートフォン1)と行うためのコントローラである。USBデバイスコントローラ28により、USB DAC2は、USBデバイスとして機能する。本実施形態では、スマートフォン1とUSB DAC2とは、USBオーディオクラスに対応した通信を行う。ヘッドホン端子29には、ヘッドホン3が接続され、ヘッドホン3から、アナログオーディオデータに基づいた、音楽等の音声が出力される。
【0028】
スマートフォン1からUSB DAC2へは、音楽再生プログラムPが起動され、ユーザーの操作部14の操作により選択されたデジタルオーディオデータが出力される。以下、制御部11が音楽再生プログラムPに従って実行する、ボリューム調整処理について説明する。
図2は、スマートフォン1に表示される再生画面等を示す図である。スマートフォン1のシステムボリュームのステップ数は、0〜10である。また、USB DAC2のボリュームのステップ数は、0〜100である。従って、スマートフォン1には、ユーザーインターフェースボリューム(以下、「UIボリューム」という。)131として、USB DAC2のボリューム0〜100の値が表示される。
図2においては、再生画面の下部に、スライドバーによりUIボリューム131(第2操作キー)が表示されている。
【0029】
(ボリューム調整処理)
制御部11は、デジタルオーディオデータをUSB DAC2に出力しているとき、すなわち、音楽再生プログラムPを起動しているときに、ボリュームキー141の操作があった場合、変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUSB DAC2のボリューム値(以下、「USB DAC2のボリューム値」を「UIボリューム値」ともいう。)と、現在のUIボリューム値と、を比較する。上述のように、スマートフォン1のシステムボリュームのステップ数が0〜10であり、USB DAC2のボリュームのステップ数が0〜100である場合、スマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値は、スマートフォン1のシステムボリューム値の10倍の値である。例えば、スマートフォン1のシステムボリューム値が9であれば、対応するUIボリューム値は、90である。
【0030】
制御部11は、変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値と、現在のUIボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値(例えば、20)よりも大きい場合、現在のUIボリューム値近傍の値に対応するスマートフォン1のシステムボリューム値から変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値を算出する。ここで、変更後のスマートフォン1のボリューム値9に対応するUIボリューム値が90であり、現在のUIボリューム値が52である場合、絶対値が38であるため、制御部11は、現在のUIボリューム値52近傍の値50に対応するスマートフォン1のボリューム値5から変更後のスマートフォン1のボリューム値として、
図3の(1)に示すように、6(=5+1)を算出する。そして、制御部11は、
図3の(2)に示すように、算出した変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値6に対応するUIボリューム値60に、USB DAC2のボリュームを設定する。従って、UIボリューム131も60に変更される。上記した現在のUIボリューム値近傍の値は、具体的には、現在のUIボリューム値を四捨五入した値である。
【0031】
また、制御部11は、変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値と、現在のUIボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値(例えば、20)以下である場合、変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。ここで、変更後のスマートフォン1のボリューム値6に対応するUIボリューム値が60であり、現在のUIボリューム値が52である場合、絶対値が8であるため、制御部11は、
図4の(1)に示すように、変更後のスマートフォン1のボリューム値6に対応するUIボリューム値60に、USB DAC2のボリュームを設定する。従って、UIボリューム131も60に変更される。
【0032】
また、制御部11は、
図5に示すように、デジタルオーディオデータをUSB DAC2に出力しているとき、すなわち、音楽再生プログラムPを起動しているときに、UIボリューム131を表示部13に表示する。制御部11は、UIボリューム131の操作があった場合、USB DAC2のボリューム調整を受け付ける。例えば、制御部11は、UIボリューム131が操作されることにより、UIボリューム値として、60を受け付ける。制御部11は、受け付けたUIボリューム値にUSB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、
図5の(1)に示すように、受け付けたUIボリューム値60にUSB DAC2のボリュームを設定する。このとき、スマートフォン1のシステムボリュームは変更されない。
【0033】
なお、制御部11は、デジタルオーディオデータをUSB DAC2に出力していないとき、すなわち、音楽再生プログラムPを起動していないときに、ボリュームキー141の操作があった場合、スマートフォン1のシステムボリューム調整を受け付ける。例えば、制御部11は、ボリュームキー141が操作されることにより、システムボリューム値として、6を受け付ける。制御部11は、受け付けたシステムボリューム値にスマートフォン1のシステムボリュームを設定する。例えば、制御部11は、
図6の(1)に示すように、受け付けたシステムボリューム値6にスマートフォン1のシステムボリュームを設定する。
【0034】
図7は、ボリュームキー141がボリュームアップ操作された場合にスマートフォン1で実行される処理動作を示すフローチャートである。制御部11は、ボリュームキー141のボリュームアップ操作を受け付けると、変更後のシステムボリューム値aに対応するUIボリューム値bを算出する(S1)。例えば、制御部11は、システムボリューム値aが5から6になった場合、対応するUIボリューム値bとして、60(=6×10)を算出する。ここで、現在のUIボリューム値をb’とする。また、閾値をc(=20)とする。
【0035】
次に、制御部11は、|b−b’|<cであるか否かを判断する(S2)。例えば、変更後のUIボリューム値bが60であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、|b−b’|=8である。この場合、|b−b’|<c(=20)である。制御部11は、|b−b’|<cであると判断した場合(S2:Yes)、b>b’であるか否かを判断する(S3)。例えば、変更後のUIボリューム値bが60であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、b>b’である。制御部11は、b>b’であると判断した場合(S3:Yes)、システムボリューム値にaを設定する(S4)。例えば、制御部11は、システムボリューム値に6を設定する。次に、制御部11は、システムボリューム値からUIボリューム値を変更する(S5)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を52から60に変更する。
【0036】
制御部11は、b>b’でないと判断した場合(S3:No)、システムボリュームにa+1を設定する(S4)。例えば、変更後のUIボリューム値bが60であり、現在のボリューム値b’が60であれば、b>b’ではない。この場合、制御部11は、システムボリューム値に6+1=7を設定する。次に、制御部11は、システムボリューム値からUIボリューム値を変更する(S5)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を60から70に変更する。
【0037】
制御部11は、|b−b’|<cではないと判断した場合(S2:No)、現在のUIボリューム値b’近傍のシステムボリューム値a’に設定した場合のUIボリューム値b’’を算出する(S7)。例えば、変更後のUIボリューム値bが90であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、|b−b’|=38である。この場合、|b−b’|<c(=20)ではない。制御部11は、例えば、現在のUIボリューム値b’が52であれば、この近傍の(52を四捨五入した)UIボリューム値50に対応するシステムボリューム値5から、システムボリューム値a’として、6を算出する。そして、制御部11は、システムボリューム値a’=6に対応するUIボリューム値b’’=60を算出する。
【0038】
次に、制御部11は、b’’>b’であるか否かを判断する(S8)。例えば、変更後のUIボリューム値b’’が60であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、b’’>b’である。制御部11は、b’’>b’であると判断した場合(S8:Yes)、システムボリューム値にa’を設定する(S9)。例えば、制御部11は、システムボリューム値に6を設定する。次に、制御部11は、システムボリューム値からUIボリューム値を変更する(S5)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を52から60に変更する。
【0039】
制御部11は、b’’>b’ではないと判断した場合(S8:No)、システムボリューム値にa’+1を設定する(S10)。例えば、変更後のUIボリューム値bが60であり、現在のUIボリューム値b’が60であれば、b>b’ではない。この場合、制御部11は、システムボリューム値に6+1=7を設定する。次に、制御部11は、システムボリュームからUIボリュームを変更する(S5)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を60から70に変更する。
【0040】
(従来装置との比較)
例えば、スマートフォンのシステムボリュームのステップ数が0〜10であり、USB DACのボリュームのステップ数が0〜100であったとする。また、現在のスマートフォンのシステムボリューム値が8であり、USB DACのボリューム値が50であったとする。従来のスマートフォンは、スマートフォンのボリュームキーにより、スマートフォン1のシステムボリューム値が8から9に変化した場合、USB DACのボリュームを50から90に変更してしまう。これは、スマートフォンのボリュームと、USB DACのボリュームと、が同期していないからである。
【0041】
本実施形態では、制御部11は、変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値と、現在のUIボリューム値と、の差の絶対値が、所定の閾値(例えば、20)よりも大きい場合、現在のUIボリューム値近傍の値に対応するスマートフォン1のシステムボリューム値から変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値を算出する。上記のように、スマートフォン1のボリュームのステップ数が0〜10であり、USB DACのステップ数が0〜100であったとする。この場合、スマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値は、スマートフォン1のシステムボリューム値の10倍の値である。例えば、スマートフォン1のシステムボリューム値が9であれば、対応するUIボリューム値は、90である。ここで、変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値9に対応するUIボリューム値が90であり、現在のUIボリューム値が52である場合、差の絶対値が38であるため、制御部11は、現在のUIボリューム値52近傍の(52を四捨五入した)値50に対応するスマートフォン1のシステムボリューム値5から変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値として、6(=5+1)を算出する。
【0042】
そして、制御部11は、算出した変更後のスマートフォン1のシステムボリューム値6に対応するUIボリューム値60に、USB DAC2のボリュームを設定する。このように、本実施形態では、スマートフォン1のシステムボリュームとUSB DAC2のボリュームとの同期がとれているため、ボリュームキー141の操作により、USB DAC2のボリュームが急激に変化するということがない。従って、本実施形態によれば、ユーザーは、ボリュームキー141を用いて、スマートフォン1からUSB DAC2のボリュームを容易に調整することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0044】
上述の実施形態においては、
図7に基づいて、ボリュームキー141がボリュームアップ操作された場合にスマートフォン1で実行される処理動作を説明した。
図8は、ボリュームキー141がボリュームダウン操作された場合にスマートフォン1で実行される処理動作を示すフローチャートである。制御部11は、ボリュームキー141のボリュームダウン操作を受け付けると、変更後のシステムボリューム値aに対応するUIボリューム値bを算出する(S101)。例えば、制御部11は、システムボリューム値aが5から4になった場合、対応するUIボリューム値bとして、40(=4×10)を算出する。ここで、現在のUIボリューム値をb’とする。また、閾値をc(=20)とする。
【0045】
次に、制御部11は、|b−b’|<cであるか否かを判断する(S102)。例えば、変更後のUIボリューム値bが40であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、|b−b’|=12である。この場合、|b−b’|<c(=20)である。制御部11は、|b−b’|<cであると判断した場合(S102:Yes)、b<b’であるか否かを判断する(S3)。例えば、変更後のUIボリューム値bが40であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、b<b’である。制御部11は、b<b’であると判断した場合(S103:Yes)、システムボリューム値にaを設定する(S104)。例えば、制御部11は、システムボリューム値に4を設定する。次に、制御部11は、システムボリューム値からUIボリューム値を変更する(S105)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を52から40に変更する。
【0046】
制御部11は、b<b’でないと判断した場合(S103:No)、システムボリュームにa−1を設定する(S104)。例えば、変更後のUIボリューム値bが50であり、現在のボリューム値b’が50であれば、b<b’ではない。この場合、制御部11は、システムボリューム値に5−1=4を設定する。次に、制御部11は、システムボリューム値からUIボリューム値を変更する(S105)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を50から40に変更する。
【0047】
制御部11は、|b−b’|<cではないと判断した場合(S102:No)、現在のUIボリューム値b’近傍のシステムボリューム値a’に設定した場合のUIボリューム値b’’を算出する(S107)。例えば、変更後のUIボリューム値bが10であり、現在のボリューム値b’が52であれば、|b−b’|=42である。この場合、|b−b’|<c(=20)ではない。制御部11は、例えば、現在のUIボリューム値b’が52であれば、この近傍の(四捨五入した)UIボリューム値50に対応するシステムボリューム値5から、システムボリューム値a’として、4を算出する。そして、制御部11は、システムボリューム値a’=4に対応するUIボリューム値b’’=40を算出する。
【0048】
次に、制御部11は、b’’<b’であるか否かを判断する(S108)。例えば、変更後のUIボリューム値b’’が40であり、現在のUIボリューム値b’が52であれば、b’’<b’である。制御部11は、b’’<b’であると判断した場合(S108:Yes)、システムボリューム値にa’を設定する(S109)。例えば、制御部11は、システムボリューム値に4を設定する。次に、制御部11は、システムボリューム値からUIボリューム値を変更する(S105)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を52から40に変更する。
【0049】
制御部11は、b’’<b’ではないと判断した場合(S108:No)、システムボリューム値にa’−1を設定する(S110)。例えば、変更後のUIボリューム値bが50であり、現在のUIボリューム値b’が50であれば、b<b’ではない。この場合、制御部11は、システムボリューム値に5−1=4を設定する。次に、制御部11は、システムボリュームからUIボリュームを変更する(S105)。すなわち、制御部11は、システムボリューム値に対応するUIボリューム値に、USB DAC2のボリュームを設定する。例えば、制御部11は、UIボリューム値を50から40に変更する。
【0050】
上述の実施形態においては、スマートフォン1のシステムボリュームのステップ数が0〜10であり、USB DAC2のステップ数が0〜100である場合について説明した。この場合、スマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値は、スマートフォン1のボリューム値の10倍の値であった。これに限らず、例えば、スマートフォン1のシステムボリュームのステップ数が0〜10であり、USB DAC2のステップ数が0〜50であってもよい。この場合、スマートフォン1のシステムボリューム値に対応するUIボリューム値は、スマートフォン1のシステムボリューム値の5倍の値である。例えば、スマートフォン1のシステムボリューム値が9であれば、対応するUIボリューム値は、45である。
【0051】
上述の実施形態においては、スマートフォンに音楽再生プログラムがインストールされており、スマートフォンを音楽再生装置として機能させる場合について説明した。これに限らず、音楽再生装置として機能させる機器として、タブレットPC、フィーチャーフォン、携帯ゲーム機等であってもよい。
【0052】
上述の実施形態においては、USB DAC2は、ヘッドホン3にアナログオーディオデータを出力するようになっている。これに限らず、USB DAC2は、ヘッドホン以外のスピーカー等にアナログオーディオデータを出力するようになっていてもよい。