特許第6119915号(P6119915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6119915
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 5/24 20060101AFI20170417BHJP
   A47L 7/04 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   A47L5/24 A
   A47L7/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-505117(P2016-505117)
(86)(22)【出願日】2015年1月30日
(86)【国際出願番号】JP2015052734
(87)【国際公開番号】WO2015129387
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】特願2014-36352(P2014-36352)
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100115543
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 康男
(72)【発明者】
【氏名】関根 加津典
(72)【発明者】
【氏名】山岸 直樹
(72)【発明者】
【氏名】古山 拓也
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0192286(US,A1)
【文献】 特開2004−121469(JP,A)
【文献】 特開2007−268436(JP,A)
【文献】 特開2013−233222(JP,A)
【文献】 特開平04−354511(JP,A)
【文献】 特開2001−241728(JP,A)
【文献】 特開2013−013538(JP,A)
【文献】 特開2004−024521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24、9/00、9/28
B01D 46/00
F24F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させるためのブロアモーターと、前記ブロアモーターに電力を供給する充電池と、塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室へ連通し前記ブロアモーターによる吸引力が作用する吸気風路と、前記吸気風路の入口に設けられた吸込口体と、を備える縦型の掃除機本体と、
前記掃除機本体を直立させた状態で着脱可能に構成され、前記掃除機本体が載置された状態で前記充電池を充電する充電台と、を備え、
前記充電台は、
空気を吸気する吸気口と、
吸気した空気を浄化するためのフィルターと、
浄化した空気を外部空間へ排気するための排気口と、
空気を前記吸気口から吸気して前記排気口から排気させるファンと、
を備え
前記吸気口は、前記排気口よりも上方に配置され、
前記ファンは、前記フィルターよりも下方に配置される電気掃除機。
【請求項2】
前記掃除機本体は、直立した状態で前記吸気風路が鉛直方向に延在するよう構成され、
前記充電台は、前記吸気口から吸気された空気を前記排気口まで流通させるダクト部を含み、
前記ダクト部は前記吸気風路に沿って配置されて成る請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記排気口は、水平よりも上方に向かって排気されるように構成されて成る請求項1又は請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記排気口は、前記充電台の側方又は前方に向かって排気されるように構成されて成る請求項1から請求項の何れか1項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機に係り、特に充電台を備えた充電式の電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、電気掃除機と空気清浄機の双方を一体化した電気掃除機が開示されている。この電気掃除機では、電気掃除機のための構成に加えて、電気掃除機の内部に空気清浄用のクリーンフィルター装置と、このクリーンフィルター装置に空気を導入するための空気清浄用ファン内蔵電動機を備えている。そして、空気清浄用ファン内蔵電動機を駆動させて、吸気口から順にクリーンフィルター装置及び空気清浄用ファン内蔵電動機を経て排気口に至る風路を形成することにより、電気掃除機を空気清浄機として機能させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開平4−352925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の電気掃除機では、本来移動させる必要のない空気清浄機としての構成を掃除機本体に内蔵させているため、掃除機本体の大型化及び重量増によって使い勝手が悪くなるという課題がある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、使い勝手を悪化させることなく、電気掃除機としての機能と空気清浄機としての機能を両立した電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電気掃除機は、吸引力を発生させるためのブロアモーターと、ブロアモーターに電力を供給する充電池と、塵埃を捕集する集塵室と、集塵室へ連通しブロアモーターによる吸引力が作用する吸気風路と、吸気風路の入口に設けられた吸込口体と、を備える縦型の掃除機本体と、掃除機本体を直立させた状態で着脱可能に構成され、掃除機本体が載置された状態で充電池を充電する充電台と、を備え、充電台は、空気を吸気する吸気口と、吸気した空気を浄化するためのフィルターと、浄化した空気を外部空間へ排気するための排気口と、空気を吸気口から吸気して排気口から排気させるファンと、を備え
吸気口は排気口よりも上方に配置され、ファンはフィルターよりも下方に配置されるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、電気掃除機の充電台に空気を清浄するための構成を設けることとしたため、使い勝手を悪化させることなく、電気掃除機としての機能と空気清浄機としての機能を両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1における電気掃除機の全体構成を示す図である。
図2】この発明の実施の形態1における掃除機本体の側面図である。
図3図1に示す電気掃除機の側面図である。
図4図1に示す電気掃除機をA−A断面で切断した断面図である。
図5図1に示す充電台の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。なお、各図中において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電気掃除機の全体構成を示す図である。この図に示すように、実施の形態1の電気掃除機は、ハンディタイプの掃除機本体1と充電台20とを備えている。掃除機本体1は、内部に充電池を備えるコードレスタイプの縦型電気掃除機である。充電台20は、掃除機本体1を直立した状態で着脱可能に構成されている。充電台20は図示しない電源ケーブルによって外部電源に接続されており、掃除機本体1が充電台20に載置されることにより両者が電気的に接続されて充電池が充電される仕組みになっている。
【0011】
次に、掃除機本体1の構成について更に詳しく説明する。図2は、この発明の実施の形態1における掃除機本体の側面図である。この図に示すように、掃除機本体1は、塵埃を捕集する集塵室2を備えている。集塵室2は図示しない旋回室を介して吸気風路3に連通しており、吸気風路3の入口には吸込口体4が接続されている。掃除機本体1の内部には、吸引力を発生させるブロアモーター5が内蔵されており、充電池6から電力の供給を受けて駆動される。また、掃除機本体1の上部には取っ手7が設けられ、集塵室2の下方の部位には端子8が設けられている。端子8は、充電池6を充電するための電気の供給を受ける部位であって、掃除機本体1を充電台20に載置した際に充電台20と電気的に接続されるものである。
【0012】
このような縦型の電気掃除機では、使用者は掃除機本体1の取っ手7を把持して清掃を行う。ブロアモーター5が駆動されると、吸気風路3に吸引力が作用し吸込口体4から空気とともに塵埃が吸入される。吸入された空気と塵埃は吸気風路3を通って旋回室に流通する。旋回室では、空気と塵埃とが分離されて、塵埃のみが集塵室2へ集塵される。
【0013】
次に、充電台20の構成について更に詳しく説明する。図3は、図1に示す電気掃除機の側面図である。また、図4は、図1に示す電気掃除機をA−A断面で切断した断面図である。さらに、図5は、図1に示す充電台の斜視図である。以下、図1から図4を適宜参照して充電台20の構成について説明する。
【0014】
充電台20は、台座部21と、当該台座部21に直立して支持された円柱状の支柱部22とから構成されている。掃除機本体1は充電台20に着脱自在に載置される。この場合、掃除機本体1は吸込口体4を台座部21の前方に設置した状態で直立して支持される。より詳しくは、吸気風路3は掃除機本体1が直立した状態で鉛直方向に延在した縦長の形状を有しており、掃除機本体1を充電台20に設置した状態で吸気風路3が支柱部22の側面に沿って平行に配置される。また、集塵室2は掃除機本体1が直立した状態で吸気風路3の上部に位置し、掃除機本体1を充電台20に設置した状態で支柱部22の上面によって支持される。支柱部22の上面には送電部23が設けられ、上述した端子8と電気的に接触する。掃除機本体1は、充電台20から供給された電気を用いて充電池6の充電動作を行う。
【0015】
本実施の形態1の電気掃除機は、充電台20に空気清浄機能を搭載している。すなわち、充電台20の支柱部22の背面側には、吸気口25が設けられている。また、充電台20の台座部21の両側面には、それぞれ排気口26が設けられている。吸気口25と排気口26とは、支柱部22の内部空間に形成されたダクト部27を介して連通している。なお、排気口26の開口部には、排気方向を水平方向よりも上方に調整するためのルーバー261が設けられている。また、台座部21の内部に位置するダクト部27には、吸気口25から空気を吸気して排気口26へ排気するためのファン28が配置されている。さらに、ダクト部27には、吸気口25から吸入された空気が通過するフィルター29が設けられている。フィルター29は、吸気口25から吸入を浄化するためのものである。
【0016】
このような構成において、ファン28が駆動されると、外部の空気が吸気口25から吸入されてフィルター29により浄化される。浄化後の空気はダクト部27を通過して排気口26から外部空間へ放出される。掃除機本体1を用いて掃除を行うと空気中に塵埃が飛散する。本実施の形態1の電気掃除機によれば、電気掃除機の使用によって飛散した塵埃を充電台20の空気浄化機能によって取り除くことができるので、清掃後の室内の空気を有効に浄化することが可能となる。
【0017】
また、本実施の形態1の電気掃除機によれば、フィルター29が汚れた場合に、掃除機本体1を用いて当該フィルター29を清掃することができる。このため、フィルター29を掃除するために別途掃除機を用意することが不要となり使い勝手が向上する。また、一般的に空気清浄機の周囲には気流の影響で塵埃が溜まり易いが、本実施の形態の電気掃除機によれば、空気清浄機能を備える充電台20の周囲を、別途掃除機を用意することなく掃除機本体1を用いて手軽に清掃することができる。
【0018】
また、本実施の形態1の電気掃除機では、吸気口25が排気口26よりも上方側に配置されている。このような構成によれば、床面から離れた位置の空気が吸入されるので、服などに付着している花粉等を効果的に吸い込むことができる。
【0019】
また、本実施の形態1の電気掃除機では、掃除機本体1を充電台20に載置した場合に、掃除機本体1の吸気風路3が充電台20のダクト部27に対して平行な位置となるように、すなわち、ダクト部27の風路方向と吸気風路3の風路方向とが平行になるように構成されている。このような構成によれば、細長いそれぞれの風路を密接して配置させることができるので、スペース効率を最大限に向上させることができる。
【0020】
また、本実施の形態1の電気掃除機では、フィルター29が支柱部22の内部に配置され、ファン28が台座部21の内部に配置されている。このような構成によれば、フィルターよりも重量の重いファン28がフィルター29よりも下方に配置されるため、充電台20を低重心化させて安定性を向上させることができる。
【0021】
また、本実施の形態1の電気掃除機では、排気口26からの排気方向が水平よりも上方になるように構成されている。このような構成によれば、床面に溜まった塵埃を舞い上げることなく綺麗な空気を室内空間へ放出することができる。
【0022】
ところで、本実施の形態1の電気掃除機では、吸気口25を支柱部22に設け、排気口26を台座部21に設けることにより、吸気口25が排気口26よりも上方に配置されることとした。しかしながら、吸気口25及び排気口26の配置はこれに限られず、台座部21に吸気口25を設け、支柱部22に排気口26設けることにより、吸気口25が排気口26よりも下方に配置されることとしてもよい。このような構成は、例えば、ファン28による送風方向を逆方向にすればよい。このような構成によれば、床面から舞い上がる塵埃を台座部21に配置された吸気口25から効果的に吸入して浄化することができる。
【0023】
また、本実施の形態1の電気掃除機では、排気口26を台座部21の側面に設けることとしたが、台座部21の配置はこれに限られず、例えば台座部21の上面に設けることとしてもよい。尚、台座部21の背面は排気口26の配置として不適である。台座部21の背面側は壁に密着することが想定され、この場合排気口が塞がれてしまうからである。また、壁に密着していないとしても、排気が壁に当たり続けると壁が汚れてしまうことがある。このため、排気口26が台座部21の側面又は上面に配置されている場合には、排気方向が側方又は前方になるように、すなわち排気方向が背面方向にならないように、ルーバー261の角度を設定することが好ましい。
【0024】
また、本実施の形態1の電気掃除機では、旋回室を備えたサイクロン式の電気掃除機について説明したが、電気掃除機の種類はこれに限られない。すなわち、充電台を備える縦型の電気掃除機であれば、紙パック式の電気掃除機でもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 掃除機本体、2 集塵室、3 吸気風路、4 吸込口体、5 ブロアモーター、6 充電池、7 取っ手、8 端子、20 充電台、21 台座部、22 支柱部、23 送電部、25 吸気口、26 排気口、27 ダクト部、28 ファン、29 フィルター、261 ルーバー
図1
図2
図3
図4
図5