(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6120034
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】携帯端末ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20170417BHJP
A45C 11/38 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
A45C11/00 E
A45C11/38 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-146922(P2016-146922)
(22)【出願日】2016年7月27日
【審査請求日】2016年8月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516225809
【氏名又は名称】株式会社トレンドゲート
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 敏弥
【審査官】
遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−013300(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3204680(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3198976(JP,U)
【文献】
特表2014−535113(JP,A)
【文献】
特開2000−301875(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3200002(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3197881(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3174929(JP,U)
【文献】
特開2014−135037(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0027911(US,A1)
【文献】
特開2016−040898(JP,A)
【文献】
特開2015−037835(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0296942(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A45C 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平板面部と第2平板面部とが開閉可能に連結される手帳型の携帯端末ケースであって、
前記第1平板面部の内側面に接触可能に設けられる接触面と、前記接触面とは反対側の面であり携帯端末が貼着される貼着面とを有し、前記第1平板面部とは独立した部材として設けられた平板状の貼着部を備え、
前記貼着部は、前記第1平板面部の端辺に固定される一方側の端辺と平行な折曲部を有し、
前記貼着面のうち前記折曲部によって二分割された領域において他方側の端辺を含む領域に貼着部材が配置されており、
前記一方側の端辺を回動軸として前記第1平板面部の内側面から離間して前記第1平板面部から露出するように回動可能に設けられていることを特徴とする携帯端末ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末ケースにおいて、
前記貼着部は、前記第1平板面部よりも小さく前記第1平板面部の略半分の平板面積を有しており、
前記貼着部の下部が前記第1平板面部の下部の近傍に設けられており、前記貼着部の下部の反対側の上部に切欠き部が形成されていることを特徴とする携帯端末ケース。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末ケースにおいて、
前記貼着部は、前記貼着部材が配置される領域の内部に設けられる貼着部側磁石を有し、
前記第1平板面部の内部には、前記貼着部側磁石を吸着するように設けられる第1平板面部側磁石を有することを特徴とする携帯端末ケース。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末ケースにおいて、
前記第2平板面部の内部には、第2平板面部側磁石を有し、
一方端が前記第1平板面部の前記一方側の端辺に固定され他方端の内部に前記第2平板面部側磁石に吸着するための開き止め用磁石を有する帯状の開き止め部をさらに備え、
前記第2平板面部側磁石は、前記開き止め部の他方端が前記第2平板面部の外側面に位置したときに前記開き止め用磁石を吸着することを特徴とする携帯端末ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの携帯端末を収納する器具が開発されている。例えば、特許文献1には、スマートフォンの裏面を覆う本体と、スマートフォンの表面を覆い、本体に対して回動可能に結合された蓋部と、蓋部を裏面から表面に向けて付勢して、少なくとも0.5秒以内に、蓋部を表面からの角度360度から180度まで回動する付勢部材と、を備えるスマートフォン用ケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−119573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成は、使用中にスマートフォンを落としてもタッチパネルを保護することができるが、カメラを使用する際にはケースからスマートフォンを取り外して使用する必要があり不便である。また、ケース自体にカメラ用の貫通孔を形成した場合は美観上好ましいものではない。
【0005】
本発明の目的は、ケース自体にカメラ用の貫通孔などを形成することなく、簡便にカメラを使用することを可能とする手帳型の携帯端末ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯端末ケースは、第1平板面部と第2平板面部とが開閉可能に連結される手帳型の携帯端末ケースであって、前記第1平板面部の内側面に接触可能に設けられる接触面と
、前記接触面とは反対側の面であり携帯端末が貼着される貼着面とを有
し、前記第1平板面部とは独立した部材として設けられた平板状の貼着部を備え、前記貼着部は、
前記第1平板面部の端辺に固定される一方側の端辺と平行な折曲部を有し、前記貼着面のうち前記折曲部によって二分割された領域において他方側の端辺を含む領域に貼着部材が配置されており、前記一方側の端辺を回動軸として前記第1平板面部の内側面から離間して前記第1平板面部から露出するように回動可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る携帯端末ケースにおいて、
前記貼着部は、前記第1平板面部よりも小さく前記第1平板面部の略半分の平板面積を有しており、前記貼着部の下部が前記第1平板面部の下部の近傍に設けられており、前記貼着部の下部の反対側の上部に切欠き部が形成されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る携帯端末ケースにおいて、前記貼着部は、前記貼着部材が配置される領域の内部に設けられる貼着部側磁石を有し、前記第1平板面部の内部には、前記貼着部側磁石を吸着するように設けられる第1平板面部側磁石を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る携帯端末ケースにおいて、前記第2平板面部の内部には、第2平板面部側磁石を有し、一方端が前記第1平板面部の前記一方側の端辺に固定され他方端の内部に前記第2平板面部側磁石に吸着するための開き止め用磁石を有する帯状の開き止め部をさらに備え、前記第
2平板面部側磁石は、前記開き止め部の他方端が前記第
2平板面部の外側面に位置したときに前記開き止め用磁石を吸着することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、携帯端末が貼着される貼着部が第1平板面部の内側面から離間して第1平板面部から露出するように回動可能に設けられている。これにより、ケース自体にカメラ用の貫通孔などを形成することなく、簡便にカメラを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態の携帯端末ケースを閉じている様子を示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の携帯端末ケースを開いている様子を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の携帯端末ケースを開き、さらに貼着部を開いた状態を示す図である。
【
図4】本発明に係る実施形態において、携帯端末を貼着して携帯端末ケースを閉じようとしている様子を示す図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の携帯端末ケースを開き、カメラ撮影を行うために貼着部を露出させている様子を示す図である。
【
図6】本発明に係る実施形態の携帯端末ケースにおいて、貼着部を活用して携帯端末を起立させている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、携帯端末ケース10を閉じている様子を示す図である。
図2は、携帯端末ケース10を開いている様子を示す図である。
図3は、携帯端末ケース10を開き、さらに貼着部16を開いた状態を示す図である。
図4は、携帯端末8を貼着して携帯端末ケース10を閉じようとしている様子を示す図である。
図5は、携帯端末ケース10を開き、カメラ撮影を行うために貼着部16を露出させている様子を示す図である。
図6は、携帯端末ケース10において、貼着部16を活用して携帯端末8を起立させている様子を示す図である。
【0014】
携帯端末ケース10は、第1平板面部12と第2平板面部14とが開閉可能に連結される手帳型のケースである。
図2,3では、右側に位置するのが第1平板面部12であり、左側に位置するのが第2平板面部14である。
【0015】
第1平板面部12は、適度な強度を有する布部材や皮部材等で構成される平板形状を有している。第1平板面部12の大きさは、携帯端末の大きさに応じて適宜設定されており、例えば、縦の長さ(
図2,3における上下方向の長さ)が13.5cmで、横の長さ(
図2,3における左右方向の長さ)が7.5cmで、厚みを3mmに設定することができる。
【0016】
第1平板面部12の内側面12aには、貼着部16が設けられている。貼着部16は、第1平板面部12の内側面12aに接触可能に設けられる接触面16aと、携帯端末8が貼着される貼着面16bとを備えている。貼着部16は、適度な強度を有する布部材や皮部材等で構成される平板形状を有している。
【0017】
貼着部16は、第1平板面部12よりも小さい平板面積に設定されており、例えば、縦の長さ(
図2,3における上下方向の長さ)が7.5cmで、横の長さ(
図2,3における左右方向の長さ)が5.5cmで、厚みを3mmに設定することができる。貼着部16の上部には、所定の大きさの切欠き部17が形成されている。
【0018】
貼着部16は、切欠き部17が第1平板面部12の略中央部に位置するように、第1平板面部12の下部側に寄せて取り付けられている。貼着部16は、第1平板面部12の端辺12cに固定される一方側の端辺16cを回動軸として第1平板面部12の内側面12aから離間して第1平板面部12から露出するように回動可能に設けられている。貼着部16の一方側の端辺16cは、第1平板面部12の端辺12cに対し、糸等を縫い付けることで固定してもよく、接着部材を用いて固定してもよい。
【0019】
具体的には、
図2に示されるように貼着部16の接触面16aが第1平板面部12の内側面12aに接触した状態から貼着部16が回動軸を軸として180°回動し、
図3に示されるように第1平板面部12から完全に露出した状態にすることができる。
【0020】
貼着部16は、一方側の端辺16cと平行な折曲部18を有し、貼着面16bのうち折曲部18によって二分割された領域において他方側の端辺16dを含む領域20に貼着部材22が配置されていることが好ましい。
【0021】
貼着部材22は、携帯端末8を着脱可能に装着することが可能な粘着性シートを用いて構成されている。貼着部材22は、適度な接着力を有する部材、例えば、ゲルシートを用いてもよく、アクリル系の粘着剤を含む皮膚貼付用両面テープを用いてもよい。携帯端末8の裏面を貼着部材22の表面に貼り付けることにより、携帯端末8が位置ずれすることなく固定されるようになる。
【0022】
貼着部16は、貼着部材22が配置される領域20の内部に設けられる平板上の貼着部側磁石24を有する。貼着部16は、貼着部材22が配置されない領域19の内部に適度な強度を有する非磁性の平板部材を有する。この非磁性の平板部材と貼着部側磁石24の間には所定の隙間が設けられ、これにより折曲部18が形成される。この折曲部18を利用して、貼着部材22が配置される領域20を第1平板面部12の内側面12a側に折り曲げたり、反対側に折り曲げたりすることができる。
【0023】
第1平板面部12の内部には、貼着部側磁石24を吸着するように設けられる第1平板面部側磁石26を有する。また、第1平板面部側磁石26は、開き止め部30の他方端が第1平板面部12の外側面12bに位置したときに開き止め用磁石32を吸着する。第1平板面部側磁石26は、貼着部側磁石24及び開き止め用磁石32を吸着するように適度な面積を有する一枚の平板部材として説明するが、2つに分離して貼着部側磁石24と開き止め用磁石32とをそれぞれ吸着するような位置に配置してもよい。
【0024】
第2平板面部14は、適度な強度を有する布部材や皮部材等で構成される平板形状を有している。第2平板面部14の大きさは、携帯端末8の大きさに応じて適宜設定されており、例えば、縦の長さ(
図2,3における上下方向の長さ)が13.5cmで、横の長さ(
図2,3における左右方向の長さ)が7.5cmで、厚みを3mmに設定することができる。第2平板面部14の内部には、平板形状の第2平板面部側磁石28を有している。
【0025】
第2平板面部14の内側面14aには、紙幣等を収納するための収納ポケット部40が取り付けられている。収納ポケット部40は、第2平板面部14の上部から下部にわたって取り付けられ、紙幣等は第1平板面部12側から挿入可能に設けられている。収納ポケット部40には、上部において、カード等を挿入するための開口部44が設けられている。また、収納ポケット部40には、中央部において、カードなどを収納するためのポケット42がさらに設けられている。
【0026】
開き止め部30は、一方端が第1平板面部12の一方側の端辺12cに固定され、他方端の内部に第2平板面部側磁石28に吸着するための開き止め用磁石32を有する帯状部材である。開き止め部30は、適度な強度を有する布部材や皮部材等で構成される平板形状を有している。
【0027】
開き止め部30の大きさは、例えば、縦の長さ(
図2,3における上下方向の長さ)が2.5cmで、横の長さ(
図2,3における左右方向の長さ)が5cmで、厚みを3mmに設定することができる。開き止め部30の一方端は、第1平板面部12の端辺12cに対し、糸等を縫い付けることで固定してもよく、接着部材を用いて固定してもよい。
【0028】
続いて、上記構成の携帯端末ケース10の作用について説明する。携帯端末8の裏面を貼着部材22の表面に貼着し、
図4に示されるように携帯端末ケース10を閉じ、さらに、開き止め部30の開き止め用磁石32を第2平板面部14の外側面14bに位置させて、第2平板面部側磁石28に吸着させることで携帯端末ケース10が勝手に開いてしまうことを抑制することができる。また、この際、貼着部16の貼着部側磁石24を第1平板面部側磁石26に吸着させることができるため、携帯端末8の重みなどで貼着部16が誤って回動してしまうことを防止することができる。
【0029】
一般的に、携帯端末8にはカメラ機能が設けられているが、カメラレンズの位置は携帯端末8の裏面の上部に位置することが多く、携帯端末8の裏面が
図4に示されるように第1の平板面部12の内側面12aに覆われた状態では撮影対象物を撮影することができない。
【0030】
しかしながら、携帯端末ケース10では、貼着部16を回動させて、
図5に示されるように折曲部18で折り曲げることで携帯端末8の向きを変えることなく、携帯端末8を露出させることができる。これにより、携帯端末8のカメラで撮影対象物を撮影することができる。また、携帯端末8の種類によっては、カメラレンズの位置が裏面の中央部付近に設けられていることもあるが、携帯端末ケース10によれば、貼着部16に切欠き部17が形成されており、切欠き部17によってカメラレンズが露出した状態となるため、撮影対象物を撮影することができる。
【0031】
また、
図6に示されるように、折曲部18を頂点として貼着部16をピラミッド形状で中空の三角にすることで、適度な傾斜を持たせつつ携帯端末8を起立させることができる。これにより、例えば、机の上に携帯端末8を起立させた状態で、椅子に座りながら、携帯端末8を用いて動画を楽しむことができるという利点がある。
【0032】
さらに、携帯端末ケース10の開き止め部30は、第1の平板面部12の外側面12bで第1平板面部側磁石26に吸着することができるため、携帯端末ケース10を開く際に開き止め部30の開き止め用磁石32から外した際にも開き止め部30が重力に従って回動して邪魔になるような課題を解消することができるメリットがある。
【符号の説明】
【0033】
8 携帯端末、10 携帯端末ケース、12 第1の平板面部、12a 第1の平板面部の内側面、12b 第1の平板面部の外側面、12c 端辺、14 第2の平板面部、14a 第2の平板面部の内側面、14b 第2の平板面部の外側面、16 貼着部、16a 接触面、16b 貼着面、16c 端辺、16d 端辺、17 切欠き部、18 折曲部、19 領域、20 領域、22 貼着部材、24 貼着部側磁石、26 第1平板面部側磁石、28 第2平板面部側磁石、30 開き止め部、32 開き止め用磁石、40 収納ポケット部、42 ポケット、44 開口部。
【要約】
【課題】手帳型の携帯端末ケースにおいて、ケース自体にカメラ用の貫通孔などを形成することなく、簡便にカメラを使用することを可能とすることである。
【解決手段】携帯端末ケース10は、第1平板面部12と第2平板面部14とが開閉可能に連結される手帳型の携帯端末ケースであって、第1平板面部12の内側面12aに接触可能に設けられる接触面16aと携帯端末8が貼着される貼着面16bとを有する貼着部16を備え、貼着部16は、第1平板面部12の端辺12cに固定される一方側の端辺16cを回動軸として第1平板面部12の内側面12aから離間して第1平板面部12から露出するように回動可能に設けられている。
【選択図】
図1