特許第6120198号(P6120198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6120198
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170417BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   H01M2/10 A
   H01M2/12 101
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-248564(P2016-248564)
(22)【出願日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年12月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000130732
【氏名又は名称】株式会社サンエス
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(72)【発明者】
【氏名】橘高 薫
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−260401(JP,A)
【文献】 特開2012−243548(JP,A)
【文献】 特開2009−146812(JP,A)
【文献】 特開2015−060866(JP,A)
【文献】 特開2015−225888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/12
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端側に開口部が設けられ、内部が蓄電素子収納部となった本体ケースと、
この本体ケースの前記蓄電素子収納部に収納された蓄電素子と、
前記開口部に装着されるとともに、この開口部に、その外周部が接合された蓋体とを備え、
前記開口部と蓋体外周部との接合部から噴出する可燃性ガスの噴出経路を、前記開口部とは反対側の表面、または前記蓋体の表面に延長する難燃性カバーを装着した蓄電装置。
【請求項2】
前記本体ケースと前記蓋体は長方形状とし、長方形状の前記本体ケース、または前記蓋体の一つの短辺側外周部分には、操作部、または接続部の少なくとも一方を配置し、前記難燃性カバーの、前記操作部、または前記接続部に対応する外周部分には操作開口部、または接続開口部を形成し、長方形状の前記本体ケースの長辺側部分の内部には、前記蓄電素子収納部を配置し、前記難燃性カバーの、前記蓄電素子収納部に対応する外周部分は、開口非形成部とした請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記本体ケース内部、または前記蓋体内部で、前記操作部、または前記接続部の少なくとも一方が設けられた側には、前記操作部、または前記接続部と、前記蓄電素子収納部とを、仕切る仕切り壁を設けた請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記蓄電素子収納部には、複数の前記蓄電素子を配置した請求項1から3のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記蓄電素子として、安全弁付の電池素子、安全弁付のコンデンサ素子を用いた請求項1から4のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記難燃性カバーは、シリコン樹脂により構成した請求項1から5のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記本体ケースと前記蓋体の少なくとも一方は、合成樹脂により構成し、これら本体ケースおよび蓋体を、前記接合部にて接着剤による接着、または合成樹脂の溶融により接合した請求項1から6のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記難燃性カバーと前記本体ケースは、有底筒状とし、前記難燃性カバーの底面部分で、前記蓋体、または前記蓋体の反対側の前記本体ケース表面を覆い、この有底筒状の難燃性カバーの外周面部分で、前記本体ケースと前記蓋体の前記接合部を覆い、この有底筒状の難燃性カバーの開口部内周面部分で、前記蓋体の反対側の前記本体ケースの表面外周部分、または前記蓋体の外周部分を覆った請求項1から7のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器や、各種電子機器に活用される蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
持ち運び可能な携帯機器や各種電子機器は、電源として蓄電装置が必須のものとなっており、この蓄電装置は、携帯機器や各種電子機器に内臓され、または電源ケーブルで接続された状態となっている。
【0003】
近年、このような蓄電装置は、エネルギー密度の高いものが用いられるようになってきたので、安全のために、蓄電素子を本体ケース内に内蔵させた構成となっている。具体的には、この蓄電装置は、少なくとも一端側に開口部が設けられ、内部が蓄電素子収納部となった本体ケースと、この本体ケースの蓄電素子収納部に収納された蓄電素子と、本体ケースの開口部に装着されるとともに、この開口部に、その外周部が接着、または溶着により接合された蓋体とを備えた構成となっている(これに類似する構成としては例えば、下記特許文献1が存在する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−218210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例においては、本体ケースの開口部に蓋体を装着するとともに、その外周部を、本体ケースの開口部に、接着または溶着して接合することにより、蓄電素子に容易に手が触れないようにすることで安全性を高めている。また、上記従来例は、蓄電素子収納部に収納された複数の蓄電素子間に耐火壁を設けることで、隣接する蓄電素子への類焼を防いでいる。つまり、従来より、蓄電素子が発火する可能性があることは広く知られ、その対策として耐火壁が設けられている。
【0006】
しかしながら、衝撃などにより一つの蓄電素子から高温の可燃性ガスが噴出し、それが発火してしまうと本体ケース内全体が高温雰囲気となるので、耐火壁を設けても、隣接する蓄電素子の損傷は避けられない。
【0007】
そこで、本発明は、蓄電素子が損傷しても安全性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る蓄電装置は、少なくとも一端側に開口部が設けられ、内部が蓄電素子収納部となった本体ケースと、この本体ケースの前記蓄電素子収納部に収納された蓄電素子と、前記開口部に装着されるとともに、この開口部に、その外周部が接合された蓋体とを備え、前記開口部と蓋体外周部との接合部から噴出する可燃性ガスの噴出経路を、前記開口部とは反対側の表面、または前記蓋体の表面に延長する難燃性カバーを装着したことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る蓄電装置は、前記本体ケースと前記蓋体は長方形状とし、長方形状の前記本体ケース、または前記蓋体の一つの短辺側外周部分には、操作部、または接続部の少なくとも一方を配置し、前記難燃性カバーの、前記操作部、または前記接続部に対応する外周部分には操作開口部、または接続開口部を形成し、前記長方形状の前記本体ケースの長辺側部分の内部には、前記蓄電素子収納部を配置し、前記難燃性カバーの、前記蓄電素子収納部に対応する外周部分は、開口非形成部としたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る蓄電装置は、前記本体ケース内部、または前記蓋体内部で、前記操作部、または前記接続部の少なくとも一方が設けられた側には、前記操作部、または前記接続部と、前記蓄電素子収納部とを、仕切る仕切り壁を設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る蓄電装置は、前記蓄電素子収納部には、複数の前記蓄電素子を配置したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る蓄電装置は、前記蓄電素子として、安全弁付の電池素子、安全弁付のコンデンサ素子を用いたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る蓄電装置は、前記難燃性カバーは、シリコン樹脂により構成したことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る蓄電装置は、前記本体ケースと前記蓋体の少なくとも一方は、合成樹脂により構成し、これら本体ケースおよび蓋体を、前記接合部にて接着剤による接着、または合成樹脂の溶融により接合したことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る蓄電装置は、前記難燃性カバーと前記本体ケースは、有底筒状とし、前記難燃性カバーの底面部分で、前記蓋体、または前記蓋体の反対側の前記本体ケース表面を覆い、この有底筒状の難燃性カバーの外周面部分で、前記本体ケースと前記蓋体の前記接合部を覆い、この有底筒状の難燃性カバーの開口部内周面部分で、前記蓋体の反対側の前記本体ケースの表面外周部分、または前記蓋体の外周部分を覆ったことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明の蓄電装置は、前記本体ケースと蓋体の少なくとも一方の外周部に、前記本体ケースの開口部と蓋体外周部との接合部から噴出する可燃性ガスの噴出経路を、この本体ケースの前記開口部とは反対側の表面、または蓋体の表面に延長する難燃性カバーを装着したものであるので、蓄電素子が損傷しても安全性を高めることができる。
【0017】
すなわち、何らかの原因で、蓄電素子が損傷し、この蓄電素子から高温の可燃性ガスが噴出した場合、その高温の可燃性ガスは、本体ケースの開口部と蓋体外周部との接合状態を外し、この部分から本体ケース外に噴出することになるが、その部分は、難燃性カバーで覆われているので、前記可燃性ガスは本体ケースの開口部とは反対側の表面、または蓋体の表面に導かれることになる。
【0018】
その結果、この可燃性ガスが本体ケース外の空気と触れる部分は、前記本体ケース内の損傷した蓄電素子とは遠く離れた個所となり、これにより可燃性ガスが発火する可能性は極めて少なくなり、安全性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る蓄電装置の断面が示され、図1におけるA−A断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る蓄電装置の断面が示され、図1におけるA−A断面においてガスの噴出経路を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0021】
図1図3は、本発明の一実施形態にかかる蓄電装置を示し、1は一端側に開口部2が設けられた有底筒状の本体ケースで、図4のごとく、この本体ケース1内の蓄電素子収納部3には、蓄電素子として複数の電池素子4が収納されている。また、前記本体ケース1の開口部2には、有底筒状の蓋体5が装着されている。前記本体ケース1と蓋体5は、合成樹脂により構成されており、両者の接合部1Aは、接着剤による接着、または合成樹脂の溶融により接合している。
【0022】
つまり、有底筒状の本体ケース1の開口部2に、有底筒状の蓋体5の外周部を当接させ、この当接部にて接着剤による接着、または合成樹脂の溶融により接合することで、電池素子4、またはその他の回路部分に不用意に手が触れないようにしている。
【0023】
このような状態で、本実施形態では、本体ケース1と蓋体5部分に難燃性カバー6を装着した。各部について詳細に説明すると、先ず、前記本体ケース1と蓋体5と難燃性カバー6は平面視で長方形状としており、これら長方形状となった本体ケース1(または蓋体5でもよい)の一つの短辺側外周部分には、充電用、または給電用の接続部7a(各種操作部7bでもよい)を配置し、前記難燃性カバー6の、前記接続部7a(または操作部7b)に対応する外周部分には接続開口部8a(または操作開口部8b)を形成し、前記長方形状となった本体ケース1の長辺側部分の内部には、蓄電素子収納部3を配置し、前記難燃性カバー6の、蓄電素子収納部3に対応する外周部分は、開口非形成部9とした。
また、本体ケース1内部(または蓋体5内部)で、接続部7a(または操作部7b)の少なくとも一方が設けられた側には、接続部7(または操作部7b)と、蓄電素子収納部3とを、仕切る仕切り壁10を設けている。
【0024】
蓄電素子として用いた電池素子4は、その正極側に安全弁(図示せず)が設けられており、蓄電素子としてコンデンサ素子を用いる場合にも、安全弁付のものを使用する。
【0025】
前記難燃性カバー6は、上述のごとく、本体ケース1、蓋体5とともに有底筒状とし、この難燃性カバー6の底面部分で、蓋体5を覆い、この有底筒状の難燃性カバー6の外周面部分で、本体ケース1と蓋体5の接合部1A部分を覆い、この有底筒状の難燃性カバー6の開口部内周面部分12で、蓋体5の反対側の本体ケース1の表面外周部分13を覆っている。
【0026】
なお、図4とは逆に、有底筒状の蓋体5が上方、本体ケース1が下方となるときには、難燃性カバー6の底面部分で、蓋体5の反対側の本体ケース1表面を覆い、この有底筒状の難燃性カバー6の外周面部分で、本体ケース1と蓋体5の接合部1A部分を覆い、この有底筒状の難燃性カバー6の開口部内周面部分12で、蓋体5の外周部分14を覆う構造となることもある。
【0027】
また、難燃性カバー6は、耐熱性が200℃〜400℃と高く、しかも柔軟性、熱伝導率の低いシリコン樹脂により構成した。
【0028】
また、蓄電素子として用いた複数の電池素子4は、制御基板11に固定している。
【0029】
以上の構成において、本実施形態の特徴は、本体ケース1と蓋体5部分に難燃性カバー6を装着したことである。柔軟性、緩衝性のあるシリコン樹脂により構成されているので、本体ケース1を落下させてしまった場合や、本体ケース1や蓋体5に他の物をぶつけてしまった場合でも、その柔軟性、緩衝性により本体ケース1内の電池素子4を損傷させることが少なくなる。
【0030】
また、何らかの原因で本体ケース1内の電池素子4が損傷し、その結果として電池素子4の安全弁部分から可燃性ガスが噴出した場合にも、本実施形態では、その安全性を極めて高くすることができる。
【0031】
この点を詳細に説明すると、電池素子4の安全弁部分から可燃性ガスが噴出した場合、先ずは、本体ケース1と蓋体5の接合部1A部分における接合が高温、あるいは高圧により図5のごとく外れ、隙間1Bが形成される。
その結果、この隙間1Bから本体ケース1外に噴出した可燃性ガスは、この図5のごとく柔軟性のある難燃性カバー6を、本体ケース1の外方へと押し広げ、これにより本体ケース1の外周壁と、難燃性カバー6の内面との間の狭い隙間1Cを上方に向けて流出し、本体ケース1の表面部分で空気に接することになる。
【0032】
つまり、本実施形態では、本体ケース1と蓋体5との接合部1Aから噴出する可燃性ガスの噴出経路が、本体ケース1の外周壁と、難燃性カバー6の内面との間の狭い隙間1Cを介して本体ケース1の表面にまで延長され、この延長部分を通過した後に空気と接する構成となっている。
このため、損傷した電池素子4から、可燃性ガスが空気と触れる場所までの距離が長くなり、この結果として可燃性ガスが発火する可能性は極めて低くなり、安全性の高いものとなるのである。
【0033】
また、本実施形態では、難燃性カバー6を、耐熱性があるシリコン樹脂により構成しているので、接合部1Aから噴出する高温の可燃性ガスによって難燃性カバー6が破損することはない。それよりも難燃性カバー6を、シリコン樹脂により構成しているので、その柔軟性により、わずかながらに外側に変形し、本体ケース1の外周壁と、難燃性カバー6の内面との間に、可燃性ガスが噴出する狭い隙間1Cを確実に形成し、その結果として、可燃性ガスが空気と接するエリアを、本体ケース1の表面にまで延長し、安全性の高いものとできる。
【0034】
また、本実施形態では、上述のごとく、本体ケース1と蓋体5と難燃性カバー6は平面視で長方形状としており、これら長方形状となった本体ケース1(または蓋体5でもよい)の一つの短辺側外周部分には、充電用、または給電用の接続部7a(各種操作部7bでもよい)を配置し、前記難燃性カバー6の、前記接続部7a(または操作部7b)に対応する外周部分には接続開口部8a(または操作開口部8b)を形成し、前記長方形状となった本体ケース1の長辺側部分の内部には、蓄電素子収納部3を配置し、前記難燃性カバー6の、蓄電素子収納部3に対応する外周部分は、開口非形成部9とした。
【0035】
つまり、何らかの原因で本体ケース1内の電池素子4が損傷し、その結果として電池素子4の安全弁部分から可燃性ガスが噴出した場合であっても、本実施形態では、本体ケース1の長辺側部分の方が、短辺側部分と比較して強度が低く、撓みやすいため、本体ケース1、蓋体5の長辺部分の接合部1Aが外れやすくなる。この長辺側部分に対応する難燃性カバー6外周部分は開口非形成部9としているので、本体ケース1の外周壁と、難燃性カバー6の内面との間に、可燃性ガスが噴出する狭い隙間1Cを確実に形成し、その結果として、可燃性ガスが空気と接するエリアを、本体ケース1の表面にまで延長し、安全性の高いものとできる。
【0036】
また、本体ケース1内部(または蓋体5内部)で、接続部7a(または操作部7b)の少なくとも一方が設けられた側には、接続部7a(または操作部7b)と、蓄電素子収納部3とを、仕切る仕切り壁10を設けている。
【0037】
つまり、仕切り壁10によって、本体ケース1の短辺側部分が補強されるため、この点からも、短辺側部分と比較して、本体ケース1、蓋体5の長辺部分の接合部1Aが外れやすくなる。この長辺側部分に対応する難燃性カバー6外周部分は開口非形成部9としているので、本体ケース1の外周壁と、難燃性カバー6の内面との間に、可燃性ガスが噴出する狭い隙間1Cが確実に形成され、その結果として、可燃性ガスが空気と接するエリアを、本体ケース1の表面にまで延長し、安全性の高いものとすることができる。
【0038】
なお、参考として、一般的な携帯機器としてのスマートフォンは、利用者が手で把持しやすいように長方形であり、親指や人差し指で操作しやすいように長辺側部分に操作部が配置されている。このことから、カバーもスマートフォンの形状に倣って長方形であり、カバーの長辺側部分において、操作部を露出させるための開口部が形成されている。したがって、長辺側部分から可燃性ガスが噴出した場合、カバーの開口部において、可燃性ガスはすぐに外気と混合することになる。
【0039】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明は、蓄電装置の安全性を高めることができ、極めて有用なものとなる。
【符号の説明】
【0040】
1 本体ケース
1A 接合部
1B 隙間
1C 隙間
2 開口部
3 蓄電素子収納部
4 電池素子
5 蓋体
6 難燃性カバー
7a 接続部
7b 操作部
8a 接続開口部
8b 操作開口部
9 開口非形成部
10 仕切り壁
11 制御基板
12 開口部内周面部分
13 表面外周部分
14 蓋体の外周部分
【要約】
【課題】本発明は、蓄電装置に関するもので、安全性を高めることを目的とするものである。
【解決手段】本体ケース1と蓋体5の少なくとも一方の外周部に、本体ケース1の開口部と蓋体5の外周部との接合部1Aから噴出する可燃性ガスの噴出経路を、この本体ケース1の開口部とは反対側の表面に延長する難燃性カバー6を装着した。つまり、可燃性ガスが、本体ケース1の開口部と蓋体5の外周部との接合状態を外し、この部分から本体ケース1外に噴出しても、その部分は、難燃性カバー6で覆われているので、可燃性ガスが本体ケース1外の空気と触れる部分は、損傷した電池素子4とは遠く離れた個所となり、これにより可燃性ガスに着火する可能性は極めて少なくなり、安全性の高いものとなる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5