特許第6120210号(P6120210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120210
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】位置検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20170417BHJP
【FI】
   G01D5/20 A
   G01D5/20 K
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-558120(P2012-558120)
(86)(22)【出願日】2012年12月13日
(86)【国際出願番号】JP2012082426
(87)【国際公開番号】WO2013089205
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年12月8日
(31)【優先権主張番号】特願2011-272818(P2011-272818)
(32)【優先日】2011年12月13日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-139212(P2012-139212)
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】597156971
【氏名又は名称】株式会社アミテック
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】後藤 忠敏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 太輔
(72)【発明者】
【氏名】坂元 和也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 宏
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 康弘
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−004309(JP,A)
【文献】 特開2004−301774(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/000952(WO,A1)
【文献】 国際公開第00/036427(WO,A1)
【文献】 特開2005−300199(JP,A)
【文献】 特開昭57−103012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコイルを含むコイル部と、
検出対象位置に応じて前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれるコイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材からなるものと、
前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記コイル部に含まれるコイルを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでいるものと、
前記自励発振回路の発振出力信号の振幅レベルを抽出し、前記検出対象の位置データとして出力する出力回路と
を備え
前記コイル部は、少なくとも1対のコイルを含み、該1対のコイルにおける各コイルは所定の間隔で離隔されて配置されており、
前記ターゲット部は、該1対のコイルにおける各コイルのインダクタンス変化が互いに逆特性を示すように構成してなり、
前記自励発振回路は、該1対のコイルを構成する2つのコイルを直列接続し、その接続点から該自励発振回路の前記発振出力信号を出力することからなる位置検出装置。
【請求項2】
前記自励発振回路の発振周波数は、1MHz前後あるいはそれ以上である、請求項1の位置検出装置。
【請求項3】
前記出力回路は、前記自励発振回路の発振出力信号を整流する整流回路を含む、請求項1又は2の位置検出装置。
【請求項4】
前記出力回路は、前記整流回路の出力直流信号のレベルをオフセット調整すると共に、そのゲインを調整する回路を更に含む、請求項3の位置検出装置。
【請求項5】
前記コイルは、プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルからなる、請求項1乃至4のいずれかの位置検出装置。
【請求項6】
フラットコイルは多層状に重ねて配列された複数フラットコイル部分を直列接続したものからなる、請求項5の位置検出装置。
【請求項7】
前記コイル部は、複数のコイル対を含み、
前記自励発振回路は、前記複数のコイル対の各対毎に該1対のコイルを構成する2つのコイルをそれぞれ直列接続し、かつ、これらの直列回路を並列接続してなり、かつ、各対毎のコイル接続点から該自励発振回路の発振出力信号をそれぞれ個別に出力し、
前記出力回路は、前記自励発振回路から出力される複数の前記発振出力信号の振幅レベルをそれぞれ抽出し、前記検出対象の位置を示す複数の位置データとして出力する、請求項1乃至6のいずれかの位置検出装置。
【請求項8】
少なくとも1つのコイルを含むコイル部と、
検出対象位置に応じて前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれるコイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材からなるものと、
前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記コイル部に含まれるコイルを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでいるものと、
前記自励発振回路の発振出力信号の振幅レベルを抽出し、前記検出対象の位置データとして出力する出力回路と
を備え、
前記自励発振回路は、自励発振のための前記インダクタンス要素を分圧回路により構成し、該分圧回路内に前記コイルが組み込まれ、該分圧回路の分圧点から該自励発振回路の前記発振出力信号を出力し、
前記コイル部は、複数のコイルを含み、各コイルは所定の間隔で離隔されて配置されており、
前記自励発振回路は、複数の前記分圧回路を並列接続して前記自励発振のための前記インダクタンス要素を構成し、各分圧回路内に前記各コイルが組み込まれ、該各分圧回路の分圧点から複数の前記発振出力信号を出力する位置検出装置。
【請求項9】
複数のコイル対を含むコイル部と、
検出対象位置に依存して前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれる各コイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材からなるものと、
前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記複数のコイル対の各対毎に該コイル対を構成する2つのコイルをそれぞれ直列接続して複数の直列回路を形成し、かつ、これらの直列回路を並列接続してなるものを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでなり、かつ、各コイル対毎のコイル接続点から取り出した複数の発振出力信号を、特性の異なる複数の位置検出信号として出力するように構成されたものと、
を備える位置検出装置。
【請求項10】
前記複数の直列回路の各々は、そこで直列接続されている2つのコイルが互いに逆特性のインダクタンス変化を示すように構成されている、請求項の位置検出装置。
【請求項11】
前記複数の直列回路のうち第1の直列回路のコイル接続点から取り出した第1の発振出力信号と、前記複数の直列回路のうち第2の直列回路のコイル接続点から取り出した第2の発振出力信号とが、検出対象位置に対して互いに逆特性を示すように構成されている、請求項10の位置検出装置。
【請求項12】
前記複数の発振出力信号は、それぞれ、検出対象位置θに対して、+sinθsinωt、−sinθsinωt、+cosθsinωt、及び−cosθsinωtの特性を持つ4つの発振出力信号を含み、ここで、ωは自励発振の角周波数である、請求項乃至11のいずれかの位置検出装置。
【請求項13】
前記検出対象は回転方向に変位し、回転位置検出装置として構成された請求項1乃至12のいずれかの位置検出装置。
【請求項14】
前記検出対象は直線方向に変位し、直線位置検出装置として構成された請求項1乃至12のいずれかの位置検出装置。
【請求項15】
前記検出対象は円弧状に変位し、傾き検出装置として構成された請求項1乃至12のいずれかの位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出要素としてのコイルを自励発振回路のインダクタンス要素として組み込んだ構成からなる位置検出装置に関し、更には、プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルを検出要素として自励発振回路のインダクタンス要素として組み込んだ構成からなる位置検出装置に関し、微小変位検出装置、直線位置検出装置、回転位置検出装置、傾き検出装置など任意のタイプの位置検出に応用可能なものである。
【背景技術】
【0002】
コイル(インダクタンス要素)を検出要素として使用する位置検出装置は従来より様々なタイプのものが知られている。その種の多くの位置検出装置においては、コイル励磁のための交流信号源を専用に具備し、該交流信号源から発生された交流信号をコイルに印加することで該コイルを交流励磁する。これに対して、LC発振回路の原理を利用して、検出要素としてのコイルを自励発振回路のインダクタンス要素として組み込むことにより、専用の励磁用交流信号源を不要にした近接センサも知られている(例えば特許文献1)。この種の自励発振型の近接センサは、専用の励磁用交流信号源を設ける必要がないため、装置構成を小型化することができるので有利である。しかし、従来の自励発振型の近接センサは、検出対象の近接に応じた発振周波数の変動を検出する構成からなっているため、周波数弁別回路が必要であった。また、従来の自励発振型の近接センサは、発振周波数の変動を検出するのに適した構成ではあったが、発振出力信号の振幅レベルに基づき検出対象の位置を検出できる構成とはなっていなかった。
【0003】
一方、装置構成の小型化という課題を別の観点からみると、プリント基板上に渦巻き状に配置された小さなフラットコイルを検出要素として用いるアプローチがあり、一例として特許文献2に示されたものを挙げることができる。このようなフラットコイルを用いた位置検出装置にあっては、通常の円筒コイルに比べて1コイルの巻数がかなり少ないので検出に十分な磁束を得ることが困難であるため、特許文献2では多層状にフラットコイルを設けるという工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−173437号公報
【特許文献2】特開2010−122012号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明の主たる目的は、コイルを検出要素として用いた位置検出装置において、全体的な装置構成の簡略化及び小型化を押し進めることである。この目的達成のための主たるアプローチは、検出要素としてのコイルを自励発振回路のインダクタンス要素として組み込んだ構成からなる自励発振型の位置検出装置において、発振出力信号の振幅レベルに基づき検出対象の位置を検出することができるようにすることであり、これにより、周波数弁別によらない、シンプルな振幅レベル弁別による位置検出を可能にする。この目的達成のための付加的なアプローチは、プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルを検出要素として用いることにより更に簡素化した構成を採用することと、その場合に、不足しがちな磁束を補うことができるようにすることである。
【0006】
本発明に係る位置検出装置は、少なくとも1つのコイルを含むコイル部と、検出対象位置に応じて前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれるコイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材からなるものと、前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記コイル部に含まれるコイルを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでいるものと、前記自励発振回路の発振出力信号の振幅レベルを抽出し、前記検出対象の位置データとして出力する出力回路とを備え、前記コイル部は、少なくとも1対のコイルを含み、該1対のコイルにおける各コイルは所定の間隔で離隔されて配置されており、前記ターゲット部は、該1対のコイルにおける各コイルのインダクタンス変化が互いに逆特性を示すように構成してなり、前記自励発振回路は、該1対のコイルを構成する2つのコイルを直列接続し、その接続点から該自励発振回路の前記発振出力信号を出力することからなることを特徴とする。
【0007】
従来は、自励発振回路におけるインダクタンスLの変化(又はコンデンサ容量の変化)が共振周波数の変動の観点でしか考慮されていなかった。これに対して、本発明者らの観察によれば、共振周波数帯域では大きなQ特性(振幅(ゲイン)のピーク)近傍の減衰率が大きい領域で発振するように、容量Cを選択し、そこの発振振幅信号を観察することで、自励発振回路におけるインダクタンスLの変化を発振出力信号の振幅変化として検出することができることが判った。
【0008】
また、自励発振回路の発振周波数を高周波数帯域(例えば1MHz程度あるいはそれ以上)に設定すれば、発振出力信号を整流した直流電圧信号において振幅レベルの変動幅(ダイナミックレンジ)を大きくとることができる。これにより、本発明によれば、周波数弁別によらない、整流回路等を用いたシンプルな振幅レベル弁別による位置検出を可能にすることができる。
【0009】
一例として、前記コイルとして、プリント基板上に渦巻き状に配置されたフラットコイルからなるものを用いるとよい。すなわち、本発明によれば、出力ゲインを大きくとることができるので、プリント基板上に渦巻き状に配置されたフラットコイルを検出要素として用いることにより更に簡素化した構成を採用することと、その場合に、不足しがちな磁束を補うことができるようになるので、好適である。
【0010】
別の観点に従う本発明の位置検出装置は、少なくとも1つのコイルを含むコイル部と、検出対象位置に応じて前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれるコイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材からなるものと、前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記コイル部に含まれるコイルを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでいるものと、前記自励発振回路の発振出力信号の振幅レベルを抽出し、前記検出対象の位置データとして出力する出力回路とを備え、前記自励発振回路は、自励発振のための前記インダクタンス要素を分圧回路により構成し、該分圧回路内に前記コイルが組み込まれ、該分圧回路の分圧点から該自励発振回路の前記発振出力信号を出力し、前記コイル部は、複数のコイルを含み、各コイルは所定の間隔で離隔されて配置されており、前記自励発振回路は、複数の前記分圧回路を並列接続して前記自励発振のための前記インダクタンス要素を構成し、各分圧回路内に前記各コイルが組み込まれ、該各分圧回路の分圧点から複数の前記発振出力信号を出力することを特徴とする。
【0011】
更に別の観点に従う本発明の位置検出装置は、複数のコイル対を含むコイル部と、検出対象位置に依存して前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれる各コイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材からなるものと、前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記複数のコイル対の各対毎に該コイル対を構成する2つのコイルをそれぞれ直列接続して複数の直列回路を形成し、かつ、これらの直列回路を並列接続してなるものを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでなり、かつ、各コイル対毎のコイル接続点から取り出した複数の発振出力信号を、特性の異なる複数の位置検出信号として出力するように構成されたものとを備えることを特徴とする。これによれば、1個の自励発振回路を用いるだけで、特性の異なる複数の位置検出信号を発生することができるという優れた利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例に係る位置検出装置の回路構成例を示す回路図。
図2】本発明の一実施例に係る位置検出装置におけるコイルとターゲット部の関係の一例を示す略図。
図3】位置検出用のコイルをインダクタンス要素として組み込んだ自励発振回路の一例を示す回路図。
図4】自励発振回路における共振特性の一例を示す図。
図5】温度特性補償のために図1に示すような位置検出装置を逆特性で2系列設けた位置検出システムの一例を示す図。
図6図5における2系列の検出値の特性例を示す図。
図7】本発明の位置検出装置を回転位置検出装置として構成した一例を示す軸方向断面略図。
図8図7におけるステータ部とロータ部の一例を示す分解斜視図。
図9】上記回転位置検出装置のための検出回路構成例を示すブロック図。
図10】本発明の位置検出装置を直線位置検出装置として構成した一例を示す平面略図。
図11図10の分解斜視図略図。
図12】本発明に係る直線位置検出装置の別の構成例を示す平面略図。
図13図12の分解斜視図略図。
図14】本発明に係る位置検出装置のための検出回路の別の構成例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1において、本発明の一実施例に係る位置検出装置における位置検出要素の1つであるコイル部(コイル4)は、可変インダクタンス要素として自励発振回路10内に組み込まれており、自励発振によって励磁される。この実施例において、コイル部は1個のコイル4からなっている。すなわち、格別の(専用の)交流発振源を持たない、若しくは外部から励磁用交流信号を供給する必要がない、ので回路構成をかなり簡素化することができる。該コイル4は、例えばプリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルからなる。そのようなフラットコイルは、装置構成の小型化に寄与する。この場合、フラットコイル4は、多層状に重ねて配列された複数のフラットコイル部分を直列接続したものからなるように構成するとよい。これによりインダクタンスを上げることができる。なお、フラットコイルに限らず、巻線型のコイルでコイル4を構成してもよい。
【0014】
図2(a)に略示するように、位置検出装置においては、もう1つの位置検出要素として、コイル4に対して相対的に変位し得るようにターゲット部3が設けられている。ターゲット部3は、図示しない検出対象物の変位に応じて変位し、コイル4に対する相対的位置が変化するように配置され、また、該相対的位置に応じてコイル4のインダクタンスを変化させるようにその形状が構成された磁気応答部材(磁気応答部材とは、磁性体又は導電体等、磁気すなわち磁束に応答してリラクタンス/磁気抵抗が変化する素材を、最も広範囲な意味合いで定義する用語である)からなっている。一例として、ターゲット部3を構成する磁気応答部材は、鉄のような強磁性体である。また、ターゲット部3を構成する磁気応答部材の形状としては、例えば、コイル4に対するターゲット部3の相対的位置の変化に応じて、コイル4に対するターゲット部3の対向面積及びギャップの少なくとも一方が変化するような形状であればよい。なお、検出対象位置の運動形態は、直線変位、回転変位、揺れ変位、傾きなど、どのような運動形態に対しても本発明は適用可能である。ターゲット部3の形状あるいは機械的構成又は構造は、誘導型あるいは可変磁気抵抗型の位置検出装置で公知の如何なる形状・構成・構造としてもよい。
【0015】
図2(b)は、コイル4に対するターゲット部3の相対的位置xに対するコイル4のインダクタンスLの変化の一例を示すグラフである。この図では、インダクタンスLの変化がリニア特性である例を示しているが、これに限らず、任意の非線形特性(例えばサイン特性あるいはコサイン特性など)とすることができる。
【0016】
図3は、コイル4をインダクタンス要素として組み込んだ自励発振回路10の一例を示す。自励発振回路10は、並列LC回路11と増幅器12とで構成されたコルピッツ型発振回路である。並列LC回路11は、検出対象の変位に応じてインダクタンスLが変化する可変インダクタンスとして機能する前記コイル4と、コンデンサ14,15とからなる。増幅器12は、増幅素子としてのトランジスタ16と、電源−コレクタ間の抵抗17、エミッタ−接地間の抵抗18、ベース電圧設定用の抵抗19,13を含む。なお、増幅素子は、トランジスタに限らず、FETあるいはオペアンプ等任意の反転増幅素子を用いてよい。増幅器12の入力端子IN(ベース入力)に並列LC回路11の一方のコンデンサ14とコイル4の接続点の信号が入力し、増幅器12の出力端子OUT(コレクタ出力)が並列LC回路11の他方のコンデンサ15とコイル4の接続点に入力する。この例では、発振出力信号は、増幅器12の入力端子IN(ベース入力)から取り出される。発振出力信号においては、コイル4のインダクタンスLの変化に応じてその周波数及び振幅レベルが変動する。従って、自励発振回路10の発振出力信号はコイル4に基づく位置検出出力信号と等価である。なお、自励発振回路10の基本構成は、図示のようなコルピッツ型発振回路に限らず、ハートレイ型発振回路であってもよい。
【0017】
なお、検出用コイル4の温度特性補償及び発信回路の温度特性補償のために、発振回路(図3)中に適切な温度補償素子を設置する(例えば、反転増幅器12のベース抵抗19又は13の経路に温度補償素子を挿入する)とよい。もっとも有効な温度特性補償は、後述する図5の様に2系列構成によりMCU等の演算回路で2信号の差動演算を行う方法が考えられる。
【0018】
自励発振回路10の共振周波数は高周波数帯域に設定するものとする。そのように高い共振周波数に設定すると、発振出力を整流回路で直流電圧変化した場合に十分なゲインを確保できるので、有利である。特に、プリント基板上に形成されたフラットコイルを検出用インダクタンス要素として用いる場合は、巻数を多く取ることができないので、共振周波数を比較的高めに設定することでゲインを確保することは極めて有利に作用する。
【0019】
公知のようにコルピッツ型発振回路の共振周波数foscは、
osc〜=1/2π√{L・(C1・C2)/C1+C2}}
と定義されるので、インダクタンスL及び容量C1、C2の定数を、所望の高周波数帯域(ゲインが急峻に変化する強いピーク特性Qの近傍)に共振周波数foscを設定すればよい。図4は、発振特性の一例を示しており、共振周波数foscの近傍でゲインが急峻に変化する強いピーク特性Qが存在する。例えば、容量C1、C2の定数及びコイル4の定常時(例えば変位0)のインダクタンスLを該所望の共振周波数foscを得る値に設定し、検出対象変位の全範囲にわたるコイル4のインダクタンスLの変化に対応して共振周波数fosc振幅が変化する帯域がピーク特性Qの近傍に対応する部分となるように設計すれば、急峻なピーク特性Qに対応する帯域を利用して、発振出力信号の振幅がインダクタンスLの変化に応答した検出信号を得ることができる。
【0020】
図1に戻り、自励発振回路10の発振出力信号は整流回路21に入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路21の出力は、ゲイン調整回路22でゲイン調整され、それから、オフセット調整回路23で所望のオフセット電圧を加算(又は減算)してオフセット調整されることで、所望の特性の位置検出直流電圧信号DVを得る。これらの整流回路、ゲイン調整回路22、オフセット調整回路23等が、自励発振回路10の発振出力信号の振幅レベルを抽出し、検出対象の位置データとして出力する出力回路に相当する。一例として、この位置検出直流電圧信号DVの特性は図2(b)のようなリニア特性である。別の例としては、位置検出直流電圧信号DVの特性は、任意の非線形特性(例えばサイン特性あるいはコサイン特性など)である。この位置検出直流電圧信号DVを、アナログ信号のままで若しくはデジタル値に変換して利用することができる。
【0021】
図1に示すような検出回路を2系列以上併設し、同一の検出対象変位に対して、各系列で異なる特性の検出出力信号を得ることができるようにしてもよい。例えば、第1の系列では検出対象位置の変化に対して漸増する特性の振幅特性を示す検出信号を生成するのに対して、第2の系列では検出対象位置の変化に対して漸減する特性の振幅特性を示す検出信号を生成する構成とすることができる。あるいは、第1の系列では検出対象位置の変化に対してサイン関数で変化する振幅特性を示す検出信号を生成するのに対して、第2の系列では検出対象位置の変化に対してコサイン関数で変化する特性の振幅特性を示す検出信号を生成する構成とすることができる。その場合、各系列毎の共振周波数が異なるように設定するとよい。これによって、各系列のコイル間の磁気的干渉若しくは相互インダクタンスによる影響を受けない検出出力(発振出力)を得ることができるので、それらによる悪影響を容易に取り除くことができるから、有利である。
【0022】
図5は、図1に示すような検出回路を2系列A,B併設し、演算装置24で両系列A,Bの位置検出信号DV1,DV2の差ΔDVを求めることにより、温度特性補償した位置検出データΔDVを求めることができるようにした位置検出システムの一例を示す。図5において、各系列A,Bを構成する検出用コイル4a,4b、自励発振回路10a,10b、整流回路21a,21b、ゲイン調整回路22a,22b、オフセット調整回路23a,23bは、図1に示された同一名称の部品と同等の機能を持つ。ただし、両系列A,Bは、互いに逆特性(差動特性)で位置検出信号DV1,DV2を生成するように、それぞれの持つターゲット部3の構成が逆特性パターンを示すものとする。例えば図6に示すように、第1の系列Aでは検出対象位置の変化に対して漸増する特性の振幅特性を示す位置検出信号DV1を生成し、第2の系列Bでは同じ検出対象位置の変化に対して漸減する特性の振幅特性を示す位置検出信号DV2を生成する。逆特性の(差動的な)位置検出信号DV1,DV2の差ΔDVは検出対象位置を示しており、かつ、両位置検出信号DV1、DV2中に含まれる温度特性に依存する誤差変動成分αは理論的に同一値を示すため、該誤差変動成分αが差動演算によって差ΔDV中から除去されることとなり、差ΔDVは温度特性補償した正確な位置検出データとなる。なお、演算装置24は、デジタル又はアナログのどちらで演算を行うものであってもよい。
【0023】
図7は、本発明の位置検出装置を回転位置検出装置として構成した一例を示す軸方向断面略図である。検出対象の回転変位が与えられる回転軸30にロータ部50が固定されており、ステータ部40はベース部60に固定される。ベース部60に回転軸受61を介して回転軸30が取り付けられる。図8は、ステータ部40とロータ部50の一例を示す分解斜視図である。
【0024】
ステータ部40はコイル部を固定的に設けてなるもので、該コイル部は4つのコイル41〜44をステータ部40の円周方向に沿って等間隔(90度間隔)で配置したものからなっている。各コイル41〜44は、例えばプリント回路基板45上に配置されたフラットコイルからなる。ロータ部(回転タイプのターゲット部)50は、検出対象位置の変位に応じて、ステータ部40に対して相対的に回転変位するように構成されている。検出対象たる回転運動が加えられる回転軸30に所定形状、例えば偏心円板状、の磁気応答部材51が取り付けられて、ロータ部(回転タイプのターゲット部)50が構成される。一例として、磁気応答部材51の材質は鉄のような磁性体からなっているものとして説明を進めるが、これに限らず、非磁性かつ導電性の材質(例えば銅あるいはアルミニウム等)であってもよい。
【0025】
一例として、図7及び8に示すように、ロータ部50に対してスラスト方向に向き合うような形でステータ部40(回路基板45)が配置される。その場合、各コイル41〜44は、コイル内を通る磁束が回転軸30の軸方向を指向するように配置される。回路基板45上の各コイル41〜44の端面と、ロータ部50の磁気応答部材51の表面との間に空隙が形成され、ロータ部50はステータ部40に対して非接触で回転する。この空隙の距離は、一定に保たれるように、ロータ部50とステータ部40の相対的配置が定められる。ロータ部50の磁気応答部材51の所定の形状、例えば偏心円板状、の故に、空隙を介して磁気応答部材51と向き合うコイル端面の面積が、回転位置に応じて、変化する。この対向空隙面積の変化によって、各コイル41〜44を貫く磁束量が変化し、もって、各コイル41〜44のインダクタンスが変化する。
【0026】
ロータ部50の磁気応答部材51の偏心円形状の故に、各コイル41〜44におけるインダクタンス変化は、回転軸30の1回転につき1サイクル(1周期)の割りで生じる。ロータ部50の磁気応答部材51の材質、形状等その他の適宜の要素を適切に設計することにより、各コイル41〜44におけるインダクタンス変化の周期的特性が、理想的なあるいは近似的な三角関数特性を示すように、適切に設計することができる。
【0027】
ここで、回転角度θに関して、或るコイル41のインダクタンス変化の周期的特性が下記A(θ)に示すようにプラスサイン関数特性であるとすると、これに対して、機械角で順次90度づつずれて配置された各コイル42〜44のインダクタンス変化の周期的特性は下記B(θ)〜D(θ)に示すような関係になる。
A(θ)=P0+Psinθ (コイル41)
B(θ)=P0+Pcosθ (コイル42)
C(θ)=P0−Psinθ (コイル43)
D(θ)=P0−Pcosθ (コイル44)
ここで、P0はインダクタンス変化の振れの中点、Pは振れの振幅であり、Pは1とみなして省略しても説明上不都合はないので、以下の説明ではこれを省略することにする。
【0028】
本発明においては、コイル部における各コイル41〜44は、各2個のコイル41〜44同士で複数の対をなすように組み合わされる。対をなす2個のコイルは、検出対象位置(回転位置)に対する各々のインダクタンス変化が互いに逆相特性を示すように定められる。すなわち、+sin特性(プラスサイン相)のコイル41と−sin特性(マイナスサイン相)のコイル43が1つの対をなし、+cos特性(プラスコサイン相)のコイル42と−cos特性(マイナスコサイン相)のコイル44が1つの対をなす。
【0029】
図9は、上述したような4つのコイル41〜44を持つ回転位置検出装置の検出回路構成例を示す。基本的には、前記図5と同様に、各コイル毎に個別の自励発振回路10a〜10dを設け、各自励発振回路10a〜10dに対応して、整流回路21a〜21d、ゲイン調整回路22a〜22d、オフセット調整回路の系列を個別に設ければよい。ただし、図9の例では、オフセット調整回路の構成が前記図5と幾分異なっている。
【0030】
図9において、sinθのインダクタンス変化特性を示すコイル41が自励発振回路10a内にそのインダクタンス要素として組み込まれる。自励発振回路10aの構成は、図3と同様であり、ただし、コイル11に代えて、コイル41が組み込まれる。自励発振回路10aの発振出力信号は、検出対象回転位置θに対して、+sinθsinωtの特性を持つ。ここで、ωは、自励発振回路10aの自励発振の角周波数である。自励発振回路10aの発振出力信号は整流回路21aに入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路21aの出力は、ゲイン調整回路22aでゲイン調整され、それから、差動増幅及びオフセット調整回路25sに入力される。
【0031】
一方、−sinθのインダクタンス変化特性を示すコイル43が自励発振回路10c内にそのインダクタンス要素として組み込まれる。自励発振回路10cの構成も、図3と同様であり、ただし、コイル11に代えて、コイル43が組み込まれる。自励発振回路10cの発振出力信号は、検出対象回転位置θに対して、−sinθsinωtの特性を持つ。ここで、ωは、自励発振回路10cの自励発振の角周波数である。自励発振回路10cの発振出力信号は整流回路21cに入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路21cの出力は、ゲイン調整回路22cでゲイン調整され、それから、差動増幅及びオフセット調整回路25sに入力される。
【0032】
差動増幅及びオフセット調整回路25sは、ゲイン調整回路22aの出力とゲイン調整回路22cの出力の差を求める差動増幅演算を行い、その差動増幅演算結果に所望のオフセット電圧を加算(又は減算)してオフセット調整することで、検出対象角度θに対してサイン関数特性sinθの振幅電圧を示す検出信号VOsinを出力する。前記図5に示された演算装置24の出力と同様に、この検出信号VOsinは、温度特性補償されたデータである。
【0033】
一方、cosθのインダクタンス変化特性を示すコイル42が自励発振回路10b内にそのインダクタンス要素として組み込まれる。自励発振回路10bの構成も、図6と同様であり、ただし、コイル11に代えて、コイル42が組み込まれる。自励発振回路10bの発振出力信号は、検出対象回転位置θに対して、+cosθsinωtの特性を持つ。ここで、ωは、自励発振回路10bの自励発振の角周波数である。自励発振回路10bの発振出力信号は整流回路21bに入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路21bの出力は、ゲイン調整回路22bでゲイン調整され、それから、差動増幅及びオフセット調整回路25cに入力される。
【0034】
一方、−cosθのインダクタンス変化特性を示すコイル44が自励発振回路10dにそのインダクタンス要素として組み込まれる。自励発振回路10dの構成も、図3と同様であり、ただし、コイル11に代えて、コイル44が組み込まれる。自励発振回路10dの発振出力信号は、検出対象回転位置θに対して、−cosθsinωtの特性を持つ。ここで、ωは、自励発振回路10dの自励発振の角周波数である。自励発振回路10dの発振出力信号は整流回路21d1に入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路21dの出力は、ゲイン調整回路22dでゲイン調整され、それから、差動増幅及びオフセット調整回路25cに入力される。
【0035】
差動増幅及びオフセット調整回路25cは、ゲイン調整回路22bの出力とゲイン調整回路22dの出力の差を求める差動増幅演算を行い、その差動増幅演算結果に所望のオフセット電圧を加算(又は減算)してオフセット調整することで、検出対象角度θに対してコサイン関数特性cosθの振幅電圧を示す検出信号VOcosを出力する。前述と同様に、この検出信号VOcosは、温度特性補償されたデータである。
【0036】
このように、この回転位置検出装置からは、回転位置検出信号として、サイン関数特性sinθの振幅電圧を示す検出信号VOsinと、コサイン関数特性cosθの振幅電圧を示す検出信号VOcosの2種類の検出信号が出力される。こうして、公知のレゾルバ出力に基づく検出信号と同様のサイン及びコサインの2種類の検出信号を出力することができる。なお、少なくとも一方の検出信号VOsin又はVOcosを回転位置検出データとして使用すればよい。なお、図9に示したコイル以外の回路部品は、回路基板45上の他の領域に配置され得るか、若しくは、回路基板45を複数基板で構成し、そのうち1つの基板にフラットコイル41〜44を配置し、他の基板にその他の回路部品を配置するようにしてもよい。なお、各自励発振回路10a〜10dの共振周波数が異なるように設定するとよい。
【0037】
なお、円周上に配置するコイルの数(極数)は4に限らず、2、3、6あるいは8等任意に増減してよい。その場合、コイルの数及び円周上の配置角度に応じて、ロータ部50の磁気応答部材51の形状を適宜に変更し、各コイルから所望のインダクタンス変化特性が得られるようにする。
【0038】
また、図7図8のようにロータ部50に対してステータ部40(回路基板45)がスラスト方向に向き合うような形式の配置に限らず、その他の形式の配置を採用してもよい。例えば、ロータ部50に対してステータ部40の各コイル41〜44がラジアル方向に向き合うような形式で配置してもよい。
【0039】
上記回転位置検出装置において示したような複数のコイル41〜44を1回転未満の狭い範囲(例えば45度)に配列し、可動部材である磁気応答部材51を該範囲(例えば45度)内で揺動可能に構成することにより、本発明の位置検出装置を傾き位置検出装置として構成することもできる。すなわち、検出対象たる傾き変位に応じて磁気応答部材51を変位させることにより、各コイル41〜44に対応する自励発振出力に基づき傾き検出データ(角度検出データ)を得ることができる。なお、この場合、複数のコイル41〜44を配置した回路基板を検出対象たる傾き変位に応じて変位させ、磁気応答部材51は固定するようにしてもよい。このような傾き位置検出装置の検出用回路としては、図9と同様の構成を使用することができる。
【0040】
図10は本発明の位置検出装置を直線位置検出装置として構成した一例を示す平面略図であり、図11はその分解斜視図略図である。この直線位置検出装置は、複数のコイル41〜44(説明の便宜上、コイルの参照番号は上記回転位置検出装置におけるコイルと同じ番号を用いる)を直線変位方向に所定間隔で配置した回路基板部70と、直線変位方向に沿って所定の特性で各コイルのインダクタンスを変化させるような形状の磁気応答部材(リニアタイプのターゲット部)80とで構成される。磁気応答部材(リニアタイプのターゲット部)80は、直線変位方向に沿って複数サイクルにわたって繰り返すように配置された磁気応答材質の変化パターン80a,80b,80cを有しており、図示しないベース部に固定される。回路基板部70においては、磁気応答部材80の1つの変化パターン(80a)の1サイクル長に対応する長さ範囲において4つのコイル41〜44が等間隔で配置されており、検出対象である直線変位に応じて直線的に変位する。回路基板70上の各コイル41〜44の端面と、磁気応答部材80のパターン面との間に空隙が形成され、コイル部側の回路基板70はベース部側の磁気応答部材80のパターンに対して非接触で対向し、相対的に直線変位する。この空隙の距離は、一定に保たれるように、コイル部側の回路基板70はベース部側の磁気応答部材80の相対的配置が定められる。磁気応答部材80のパターン80a,80b,80cの1サイクルの所定の形状、例えば漸増し漸減する形状(菱形形状)、の故に、空隙を介して磁気応答部材80の1パターンと向き合う各コイル端面の面積が、直線位置に応じて、変化する。この対向空隙面積の変化によって、各コイル41〜44を貫く磁束量が変化し、もって、各コイル41〜44のインダクタンスが変化する。磁気応答部材80の変化パターン80a,80b,80cは直線変位方向に沿って複数サイクルにわたって繰り返し配置されているので、1サイクル以上の長さにわたる検出対象直線変位に応じて、各コイル41〜44のインダクタンスが1以上のサイクルにわたって変化する。勿論。上記とは逆に、磁気応答部材80の方を検出対象直線変位に応じて直線変位させ、コイル部側の回路基板70はベース部側に固定してもよい。
【0041】
図10図11に示す直線位置検出装置のための検出回路の構成は、基本的に、図9と同様の回路構成を採用することができる。すなわち、各コイル41〜44毎に個別の自励発振回路10a〜10dを設け、各自励発振回路10a〜10dに対応して、整流回路21a〜21d、ゲイン調整回路22a〜22dを設け、また、サイン特性出力用及びコサイン特性出力用の差動増幅及びオフセット調整回路25s、25cを設ける。
【0042】
図12は本発明に係る直線位置検出装置の別の構成例を示す平面略図であり、図13はその分解斜視図略図である。この例では、磁気応答部材80の変化パターン80aは1サイクル分のみ設けられ、検出対象の直線変位に応じて磁気応答部材80が直線変位する。回路基板部70には、1サイクル分が4つのコイルからなるコイル部が直線変位方向に沿って複数サイクル分(41a〜44a,41b〜44b,41c〜44c)配置されている。
【0043】
図12図13に示す直線位置検出装置のための検出回路の構成も、基本的に、図9と同様の回路構成を採用することができる。ただし、複数サイクル分のコイル41a〜44a,41b〜44b,41c〜44cにおいて、同じサイン相用のコイル41a,41b,41c同士を直列接続したもので図9のコイル41に置き換えるものとし、同様に、同じコサイン相用のコイル42a,42b,42c同士を直列接続したもので図9のコイル42に置き換え、同じマイナスサイン相用のコイル43a,43b,43c同士を直列接続したもので図9のコイル43に置き換え、同じマイナスコサイン相用のコイル44a,44b,44c同士を直列接続したもので図9のコイル44に置き換える。この場合も、1サイクル以上の長さにわたる検出対象直線変位に応じて、直列接続されたコイルからなる各コイルグループ(41〜44)のインダクタンスが1以上のサイクルにわたって変化する。勿論。上記とは逆に、コイル部側の回路基板70の方を検出対象直線変位に応じて直線変位させ、磁気応答部材80はベース部側に固定してもよい。
【0044】
上記図5及び図9の実施例の変形例として、自励発振回路10a〜10dのみを設け、各自励発振回路10a〜10dの複数の発振出力信号を、異なる特性の複数の位置検出信号として出力するように構成してもよい。このような変形例を要約して述べると、複数のコイル(4a,4bあるいは41〜44)を含むコイル部と、検出対象位置に応じて前記コイル部に対する相対的位置が変化するターゲット部(40または80)であって、該相対的位置に応じて前記コイル部に含まれる各コイルのインダクタンスを変化させるように構成された磁気応答部材(40または80)を具備し、少なくとも2以上の前記コイル間で前記検出対象位置に応じた前記インダクタンスの変化特性が異なるように構成してなるものと、前記コイル部に含まれるコイルとコンデンサによって構成された複数の自励発振回路(10a,10b又は10a〜10d)であって、各自励発振回路は前記コイル部に含まれる複数のコイルの少なくとも1つを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでいるものと、を備え、前記複数の自励発振回路の複数の発振出力信号に基づき、特性の異なる複数の位置検出信号が出力される、ことを特徴とする位置検出装置である。このような変形例によれば、自励発振回路を用いた位置検出装置において、異なる特性の複数の位置検出信号(例えばレゾルバタイプの4つの出力信号+sinθsinωt、−sinθsinωt、+cosθsinωt、及び−cosθsinωt)を出力することができる、という利点がある。
【0045】
各実施例では、同じ検出対象位置に対して異なる出力特性を示す複数の検出信号を得るために、複数の自励発振回路10a,10b,・・・をそれぞれ設けている。これは、各系列の発振周波数を異ならせることができるというメリットがある。しかし、これに限らず、1つの自励発振回路10を用いて異なる出力特性を示す複数の検出信号を得るようにすることもできる。そのようにすると、自励発振用の回路構成を簡素化できるというメリットがある。図14はそのいくつかの回路例を示す。
【0046】
図14(a)は、図5における自励発振回路10a,10bに代替し得る自励発振回路10の一例を示す。この場合、位置検出装置におけるコイル部は1対のコイル4a,4b(第1のコイル対)のみならず、もう1対のコイル4a´,4b´(第2のコイル対)を含むように構成する。第1のコイル対4a,4bにおいては、前述のように、検出対象位置xに対してコイル4aがDV1に相当するインダクタンス変化特性を示すとすると、もう一方のコイル4bはそれとは逆特性のDV2に相当するインダクタンス変化特性を示すように、両コイルの配置及びターゲット部3が構成されている(図6参照)。第2のコイル対4a´,4b´も、第1のコイル対4a,4bと同一の特性が得られるように、両コイルの配置及びターゲット部3を構成する。つまり、検出対象位置に対するコイル4a´のインダクタンス変化特性はコイル4aのインダクタンス変化特性と全く同一であり、検出対象位置に対するコイル4b´のインダクタンス変化特性もコイル4bのインダクタンス変化特性と全く同一である。したがって、第2のコイル対4a´,4b´においては、検出対象位置xに対してコイル4a´がDV1に相当するインダクタンス変化特性を示すとすると、もう一方のコイル4b´はそれとは逆特性のDV2に相当するインダクタンス変化特性を示す。このように、同じ逆特性のインダクタンス変化を示すコイル対を二重に設ける。なお、自励発振回路10における増幅器12の具体例は図3に示されたものと同じであってよいため、詳細は省略してある。
【0047】
図14(a)において、自励発振回路10は、第1のコイル対4a,4bを構成する2つのコイル4a,4bを直列接続したもの(第1直列回路)(又は第1分圧回路)と、第2のコイル対4a´,4b´を構成する2つのコイル4b´,4a´を第1直列回路とは逆の順序で直列接続したもの(第2直列回路)(又は第2分圧回路)とを並列接続したものをそのインダクタンス要素Lとして並列LC回路11内に組み込み、各直列回路におけるコイル接続点(中点若しくは分圧点)から該自励発振回路10の2つの発振出力信号+DVout及び−DVoutを出力する。
【0048】
図14(a)において、第1直列回路のコイル4a,4bの接続点から出力される発振出力信号のレベルは、両コイル4a,4bのインダクタンスに応じて該コイルの部分に生成される電圧の分圧値として把握することができる。検出対象位置xに対するコイル4aのインダクタンスに応じた電圧降下成分DV1及びコイル4bのインダクタンスに応じた電圧降下成分DV2を、xの関数f(x)を用いて表すと、両者は逆特性であるため、
DV1=P0+Pf(x)
DV2=P0−Pf(x)
と略記できる。ここで、P0は初期値、Pはxに依存しない係数であり、Pは1とみなして省略しても説明上不都合はないので、以下の説明ではこれを省略することにする。
【0049】
第1直列回路におけるコイル4a,4bの分圧比は、DV1/(DV1+DV2)で表され、その分母では変数要素Pf(x)が相殺され、分子にのみ変数要素+Pf(x)が残るので、結局、変数要素として+Pf(x)の成分を含む信号が得られる。つまり、第1のコイル対4a,4bの分圧値に基づき得られる発振出力信号+DVoutは、検出対象位置xに応じた振幅特性f(x)を示す信号である。
【0050】
一方、第2直列回路におけるコイル4b´,4a´の分圧比は、DV2/(DV2+DV1)で表され、分子にのみ変数要素−Pf(x)が残るので、結局、変数要素として−Pf(x)の成分を含む信号が得られる。つまり、第2のコイル対4b´,4a´の分圧値に基づき得られる発振出力信号−DVoutは、検出対象位置xに応じた振幅特性−f(x)を示す。この例の場合、2つの発振出力信号+DVout及び−DVoutは、検出対象位置xに対して逆特性を示しており、図6に示したDV1及びDV2の関係と対応している。
【0051】
このように、図14(a)においては、1つの自励発振回路10を使用して、検出対象位置xに対して異なる特性を示す2つの発振出力信号+DVout及び−DVoutを得ることができる。これらの2つの発振出力信号+DVout及び−DVoutは、図5に示した2系列A,Bの整流回路21a,21bにそれぞれ入力される。すなわち、図14(a)の構成を実施する場合、図5における2つの自励発振回路10a,10bに代えて、図14(a)に示す1つの自励発振回路10を使用し、その第1の発振出力信号+DVoutを整流回路21aに入力し、第2の発振出力信号−DVoutを整流回路21bに入力する。したがって、演算回路24による差演算により、温度特性補償した検出信号を得ることができる。なお、図14(a)の発振出力信号+DVout及び−DVoutを、図5の回路に適用することなく、そのまま、位置検出振幅情報を含む交流信号として、任意の用途に利用することもできる。
【0052】
図14(b)は、図9における4つの自励発振回路10a〜10dに代替し得る1つの自励発振回路10の一例を示す。この場合、回転位置検出装置(あるいは直線位置検出装置あるいは傾き位置検出装置)におけるコイル部は2対のコイル41,43(第1のサイン用コイル対)及びコイル42,44(第1のコサイン用コイル対)のみならず、もう2対のコイル41´,43´(第2のサイン用コイル対)及びコイル42´,44´(第2のコサイン用コイル対)を含むように構成する。前記図14(a)の場合と同様に、第2のサイン用コイル対41´,43´及び第2のコサイン用コイル対42´,44´は、第1のサイン用コイル対41,43及び第1のコサイン用コイル対42,44と同一のインダクタンス変化特性を示す。図14(a)と同様に、図14(b)においても、各コイル対における2つのコイルは、そのインダクタンス変化が互いに逆特性(例えば+sinθと−sinθのように逆相特性)を示すように構成される。
【0053】
従って、回転位置θに対する、第2のコイル対における各コイル41´〜44´のインダクタンス変化の周期的特性は下記に示すような関係になる。
A´(θ)=P0+Psinθ (コイル41´)
B´(θ)=P0+Pcosθ (コイル42´)
C´(θ)=P0−Psinθ (コイル43´)
D´(θ)=P0−Pcosθ (コイル44´)
【0054】
このように、同じサイン特性及びコサイン特性のインダクタンス変化を示すコイル対を二重に設ける。このように第2のコイル対を追加的に設けるための構成例としては、例えば、図7におけるステータ部40の構成を変形して、4つのコイル41〜44を配置した回路基板45と同様の構成からなる追加の回路基板を更に設け、ロータ部50を挟んで回路基板45の反対側に該追加の回路基板を固定配置すればよい。この追加の回路基板には、回路基板45のコイル41〜44の配置と同様の配置で、4つのコイル41´〜44´がロータ部50に面して配置する。これにより、1つのロータ部50の磁気応答部材51の回転変位に応じて、その両側の2つの回路基板(45)に配置された第1及び第2のコイル対の各コイルに特有のインダクタンス変化がそれぞれ生じる。
【0055】
図14(b)において、自励発振回路10は、第1のサイン用コイル対41,43を構成する2つのコイル41,43を直列接続したもの(第1直列回路又は第1分圧回路)と、第2のサイン用コイル対41´,43´を構成する2つのコイル41´,43´を第1直列回路とは逆の順序で直列接続したもの(第2直列回路又は第2分圧回路)と、第1のコサイン用コイル対42,44を構成する2つのコイル42,44を直列接続したもの(第3直列回路又は第3分圧回路)と、第2のコサイン用コイル対42´,44´を構成する2つのコイル42´,44´を第3直列回路とは逆の順序で直列接続したもの(第4直列回路又は第4分圧回路)とを並列接続したものをそのインダクタンス要素Lとして並列LC回路11内に組み込み、各直列回路におけるコイル接続点(中点若しくは分圧点)から該自励発振回路10の4つの発振出力信号+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUTを出力する。
【0056】
図14(b)において、前述と同様に、各直列回路のコイルの接続点(分圧点)から出力される発振出力信号のレベルは、両コイルのインダクタンスに応じて該コイルの部分に生成される電圧の分圧値として把握することができる。したがって、前記式のA(θ)〜D(θ)及びA´(θ)〜D´(θ)を用いて各発振出力信号+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUTを表すと、概ね次のように表せる。すなわち、分圧比の分母にくる互いに逆相の2変数要素(例えば、+sinθsinωtと−sinθsinωt)が相殺され、分子にのみ変数要素(例えば、+sinθsinωt)が残る。なお、ωは自励発振の角周波数、tは時間である。
+sinOUT=A(θ)/[A(θ)+C(θ)]
〜=+sinθsinωt
−sinOUT=C´(θ)/[C´(θ)+A´(θ)]
〜=−sinθsinωt
+cosOUT=B(θ)/[B(θ)+D(θ)]
〜=+cosθsinωt
−cosOUT=D´(θ)/[D´(θ)+B´(θ)]
〜=−cosθsinωt
【0057】
このように、図14(b)においては、1つの自励発振回路10を使用して、検出対象位置θに対して異なる特性を示す4つの発振出力信号+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUTを得ることができる。これらの4つの発振出力信号+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUTは、図9に示した4系列の整流回路21a,21c,21b,21dにそれぞれ入力される。すなわち、図14(b)の構成を実施する場合、図9における4つの自励発振回路10a〜10dに代えて、図14(b)に示す1つの自励発振回路10を使用し、そのプラスサイン振幅特性の発振出力信号+sinOUTを整流回路21aに入力し、マイナスサイン振幅特性の発振出力信号−sinOUTを整流回路21cに入力し、プラスコサイン振幅特性の発振出力信号+cosOUTを整流回路21bに入力し、マイナスコサイン振幅特性の発振出力信号−sinOUTを整流回路21dに入力する。したがって、回路25s,25cによる差動増幅演算により、温度特性補償した検出信号VOsin及びVOcosを得ることができる。
【0058】
なお、図14(b)の発振出力信号+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUTを、図9の回路に適用することなく、そのまま、位置検出振幅情報を含む交流信号として、任意の用途に利用することもできる。特に、発振出力信号+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUTは、公知のレゾルバから出力される4つの交流出力信号+sinθsinωt、−sinθsinωt、+cosθsinωt、−cosθsinωtと同じであるため、極めて簡略化された回路構成で、公知のレゾルバと同様の出力信号を得ることができる。例えば、レゾルバタイプの検出装置の位置検出システムにおいて公知のように、図14(b)の4つの発振出力信号+sinOUT(=+sinθsinωt)、−sinOUT(=−sinθsinω)、+cosOUT(=+cosθsinωt)、−cosOUT(=−cosθsinωt)を合成して、振幅要素(sinθ)中の位置検出情報θを、sin(ωt−θ)という交流信号中の位相ずれ要素θに変換し、このsin(ωt−θ)という交流信号を公知のR/Dコンバータあるいは位相検出回路に入力して、該位相ずれ要素θに対応する位置検出データを得るようにすることができる。
【0059】
図14(c)は、図14(b)の変形例を示す。図14(c)に示した自励発振回路10においては、第2のコイル対を設けることなく、第1のコイル対41、43及び42、44の各直列接続回路及びその並列接続回路のみを形成してインダクタンス要素として組み込んでいる。したがって、プラスサイン振幅特性の発振出力信号+sinOUTとプラスコサイン振幅特性の発振出力信号+cosOUTが得られる。図14(c)の場合、図9に示されたような4系列の検出用回路のうち2系列分の検出用回路のみを使用すればよい。すなわち、図14(c)の発振出力信号+sinOUT、+cosOUTを、整流回路21a,21bにそれぞれ入力するようにしてよい。また、図14(c)の場合も、公知のレゾルバから出力される2つの交流出力信号+sinθsinωt、+cosθsinωtと同じ信号を得ることができる。従って、上述と同様に、図14(c)の発振出力信号+sinOUT、+cosOUTを、図9の回路に適用することなく、そのまま、位置検出振幅情報を含む交流信号として、任意の用途に利用することもできる。
【0060】
なお、上述では、図14(b)の構成を採用するために、追加の回路基板を設けるように説明したが、それ以外の任意の構成を採用してよい。例えば、1個の回路基板45上に、8つのコイル41〜44、41´〜44´を等間隔(45度間隔)で配置し、ロータ部50の磁気応答部材51を楕円円板形状として、1回転につき2サイクルのインダクタンス変化が各コイル41〜44、41´〜44´に生じるような構成としてもよい。その場合でも、半回転範囲の回転位置を絶対値で検出することができ、半回転以上の回転範囲は半回転単位のサイクル数をカウントする等、公知の手法で検出すればよい。
【0061】
図14の変形例として、自励発振回路10におけるコイルの各直列回路(分圧回路)において、検出用コイル(4a,4b,41〜44)を少なくとも1個含むように構成してもよい。例えば、図14(a)の場合、第1直列回路(分圧回路)をコイル4aと固定抵抗(又は固定インダクタンス)の直列接続とし、第2直列回路(分圧回路)をコイル4bと固定抵抗(又は固定インダクタンス)の直列接続とする。図14(b)、(c)についても同様の変形が可能であ。このような変形例を要約して述べると次の通りである。自励発振回路(10)は、自励発振のための前記インダクタンス要素を分圧回路により構成し、該分圧回路内に前記コイル(4a,4bあるいは41〜44)が組み込まれ、該分圧回路の分圧点から該自励発振回路の前記発振出力信号(+DVout,−DVoutあるいは+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUT)を出力するようにしてよい。また、前記コイル部は、複数のコイル(4a,4bあるいは41〜44)を含み、各コイルは所定の間隔で離隔されて配置されており、前記自励発振回路(10)は、複数の前記分圧回路を並列接続して前記自励発振のための前記インダクタンス要素を構成し、各分圧回路内に前記各コイル(4a,4bあるいは41〜44)が組み込まれ、該各分圧回路の分圧点から複数の前記発振出力信号(+DVout,−DVoutあるいは+sinOUT、−sinOUT、+cosOUT、−cosOUT)を出力するようにしてよい。このような変形例によっても、1個の自励発振回路10を用いるだけで、特性の異なる複数の位置検出信号を発生することができる、という優れた利点を持つ。
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