(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6120238
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】フィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造、及び当該分離構造を備えたフィルタエレメント容器及びフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20170417BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20170417BHJP
F16L 55/24 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
B01D29/10 501
B01D29/10 510C
B01D46/24 B
F16L55/24 B
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-213270(P2016-213270)
(22)【出願日】2016年10月31日
【審査請求日】2016年11月7日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年8月30日、電子メールにて、株式会社セキヤが取引先に対して提案のために開示した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】395019753
【氏名又は名称】株式会社セキヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】関谷 亮
【審査官】
関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−169630(JP,A)
【文献】
特開2000−033448(JP,A)
【文献】
特開2004−066194(JP,A)
【文献】
実公平07−008890(JP,Y2)
【文献】
実開平02−059392(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 27/00−27/10
B01D 29/00−29/48
B01D 46/00−46/54
F16L 55/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部ハウジング及び下部ハウジングの2つに分割可能な筒型のフィルタエレメント容器の中で当該上部ハウジング及び下部ハウジングで上下から挟み込むようにフィルタエレメントを固定して収納可能なフィルタ容器における前記上部ハウジングの流体の流入空間及び流出空間を分離するための空間分離構造であって、
有天円筒形状の外筒と、
当該外筒の側面を貫通するように設けられた前記流体の流入口及び流出口と、
前記外筒の天面中心及び前記流入口を含む空間と、前記流出口を含む空間と、を前記外筒内で分離するために、前記外筒の内周天面から前記外筒の内周側面にかけて連続的に接触する形状で一体成形されると共に、前記フィルタエレメントに前記流体を送り出すための開口部を底面側に備えたセパレータと、を備える
ことを特徴とするフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記セパレータは、前記外筒の内周面と接触する部分の全周に渡ってフランジを備え、
当該フランジは、前記セパレータを絞り出しにより形成する際に一体的に絞り出されて形成されている
ことを特徴とするフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記外筒の少なくとも天面及び側面は、絞り出しにより一体成形し、当該天面から側面にかけての前記外筒の内周面は、段付き無く形成されている
ことを特徴とするフィルタ容器の上部ハウジング空間分離構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記セパレータの底面は、下方に向かって凸となるようにアーチ形状に形成されている
ことを特徴とするフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記流入口には、流体を導くための流入パイプが接続固定されており、
前記セパレータは、当該流入パイプに接触することなく、前記流入口を取り囲むように前記外筒の内周面に接合されている
ことを特徴とするフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかのフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造を備えたフィルタエレメント容器。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかのフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造を備えたフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管の途中に配置され、当該配管内を流れる流体(気体、液体)を濾過するためのフィルタエレメントを収納するフィルタエレメント容器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、配管の途中に配置され、当該配管を流れる流体(気体、液体)を濾過するためのフィルタエレメントを収納するフィルタエレメント容器及びフィルタについては様々な提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、構成が簡易で小型化でき、さらに、圧損が少なく、エレメントの交換も容易に行えるフィルタを提供するべく、上部ハウジング3(本段落における符号は引用文献1で使用されている符号をそのまま使用している。)および下部ハウジング4に分割可能なハウジング2の内部に、円筒状の接続管20と円筒状のフィルタエレメント11を同軸状に連結して配置し、これらが上部および下部ハウジングで挟み込まれて固定するようにしたことによって、エレメント11を上下のハウジングで固定できるので、テンションボルトを無くすことができ、構成を簡易にしてエレメントの交換が簡単に行えるようになる。さらに、接続管20の荷重的な負荷も小さくなるので、圧損の少ない形状を採用することができ、フィルタで発生する圧力損失を低減できる、とされている。
【0004】
また、特許文献2においては、小型で、圧力損失が小さく、さらに、耐久性があり、低コストで製造可能な二重容器(本発明における上部ハウジングに相当する。)を提供するべく、外筒となる上部ハウジング3(本段落における符号は引用文献2で使用されている符号をそのまま使用している。)の上端壁3aに係合部となる段部31を設け、ここに内筒となる接続管20の上端21を当てて位置決めする。さらに、上部ハウジング3および接続管20を貫通するように連絡管となる流入ノズル5を設置する。これらを組み立てると自動的に位置が決まるので、ロー付炉にいれてロー付けすると小型で耐久性の高い二重容器30を低コストで製造できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−169630号公報
【特許文献2】特開2000−33448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の上部ハウジングは、それ以前の技術に比べるとシンプルな構造になっているとはいっても、上部ハウジング内の流入空間と流出空間を分離するために、外筒の中に中筒を設け(所謂二重の筒構造)、流入口を外筒のみならず中筒にまで貫通させるという構造であるため、部品点数も未だに多く、製造の工数もその部品点数の多さに起因して不可避的に多くならざるを得ない状況であった。
【0007】
そこで本発明は、このような問題点を解消するべくなされたものであって、より部品点数を少なくして更なる小型化・軽量化を図ると共に、部品点数を少なくすることで組み付け精度の向上を図りつつも低コスト化を実現できるフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造、及び当該分離構造を備えたフィルタエレメント容器及びフィルタを提供する事をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するべく、本願発明は、上部ハウジング及び下部ハウジングの2つに分割可能な筒型のフィルタエレメント容器の中で当該上部ハウジング及び下部ハウジングで上下から挟み込むようにフィルタエレメントを固定して収納可能なフィルタ容器における前記上部ハウジングの流体の流入空間及び流出空間を分離するための空間分離構造であって、有天円筒形状の外筒と、当該外筒の側面を貫通するように設けられた前記流体の流入口及び流出口と、前記外筒の天面中心及び前記流入口を含む空間と、前記流出口を含む空間と、を前記外筒内で分離するために、前記外筒の内周天面から前記外筒の内周側面にかけて連続的に接触する形状で一体成形されると共に、前記フィルタエレメントに前記流体を送り出すための開口部を底面側に備えたセパレータと、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成を採用したことによって、従来のように、外筒と内筒の二重の筒を配置し、流入口を内筒にまで延在させるといった複雑な構成を採用する必要がなく、単に外筒内に上記のような構成のセパレータを配置するのみで上部ハウジングにおける流体の流入空間と流出空間とを分離することが可能となった。また、本発明におけるセパレータは、天面側にも接触しているので、下部ハウジングとの間で挟持するフィルタエレメントから受ける反力を上部ハウジングの天面で受けることができるため、セパレータ自体の厚みを薄く構成した場合でも十分な強度を確保することができる。
【0010】
また、前記セパレータは、前記外筒の内周面と接触する部分の全周に渡ってフランジを備え、当該フランジは、前記セパレータを絞り出しにより形成する際に一体的に絞り出されて形成するのが望ましい。
【0011】
このように、セパレータのフランジを絞り出し加工により一体成形することによって、外筒内周面の形状に対して組付精度の高いフランジを容易に形成することができる。また、セパレータ自体も絞り出し加工で形成されるため、セパレータ本体とフランジを別途溶接等して接合する必要も無く、接合部分からの流体漏れも未然に防止する事ができる。
【0012】
また、前記外筒の少なくとも天面及び側面は、絞り出しにより一体成形し、当該天面から側面にかけての前記外筒の内周面は、段付き無く形成することが望ましい。
【0013】
このように構成すれば、外筒の側面を構成する部材と天面を構成する部材を溶接等により接合する必要が無いので、部品点数が少なくなる事に加えて接合部分からの流体漏れも未然に防止する事ができる。また、内筒を位置決めするような段付きを天面に設ける必要も無いので、よりシンプル且つ小型軽量に構成することが可能となる。
【0014】
また、前記セパレータの底面は、下方に向かって凸となるようにアーチ形状に形成してもよい。
【0015】
このように構成すれば、上部ハウジングと下部ハウジングでフィルタエレメントを挟持した際にフィルタエレメントから受ける反力に対するセパレータの剛性を構造的に確保することができるので、セパレータの厚みをより薄くすることができ、軽量コンパクト化を実現できることに加えて、同じ大きさの外筒であっても、より大きな内部流量を確保することも可能となる。
【0016】
また、前記流入口には、流体を導くための流入パイプが接続固定されており、前記セパレータは、当該接続パイプに接触することなく、前記流入口を取り囲むように前記外筒の内周面に接続されるのが望ましい。
【0017】
このように構成することによって、上部ハウジングと下部ハウジングでフィルタエレメントを挟持した際にフィルタエレメントから受ける反力が、セパレータを介して流入口(流入パイプ)に加わることを防止できる。即ち、繰り返しの使用によって流入パイプにガタ付きが生じたり、流入パイプの接合部分に亀裂が生じる等の不具合を根本から解消させることが可能となる。
【0018】
なお、本発明は、見方を変えると、上記のいずれかのフィルタエレメント容器の上部ハウジング空間分離構造を備えたフィルタエレメント容器、更にはフィルタと捉えることも可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明を適用することで、より部品点数を少なくして更なる小型化・軽量化を図ると共に、部品点数を少なくすることで組み付け精度の向上を図りつつも低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態の一例として示したフィルタエレメント容器の上部ハウジングを上方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の一例として示したフィルタエレメント容器の上部ハウジングを下方(底面側)から見た斜視図である(外筒のフランジ省略)。
【
図3】本発明の実施形態の一例として示したフィルタエレメント容器の上部ハウジングの底面図である(外筒のフランジ省略)。
【
図4】本発明の実施形態の一例として示したフィルタ(フィルタエレメント及びフィルタエレメント容器含む)の一部断面概略構成図である。
【
図5】本発明の実施形態の一例として示したセパレータ単体の一方側から見た斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態の一例として示したセパレータ単体の他方側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例であるフィルタエレメント容器2の上部ハウジング10の空間分離構造について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0022】
本発明の実施形態の一例として示す、フィルタエレメント容器2の上部ハウジング10は、
図4に示しているように、下部ハウジング20と一対となってフィルタエレメント容器2を構成する。更に、これら上部ハウジング10と下部ハウジング20によって、上下から挟み込まれて固定されて収納されるフィルタエレメント30を加えて、全体として、配管の途中に配置されて当該配管内を流れる流体(気体、液体)を濾過するためのフィルタ1として機能する。なお、下部ハウジング20及びフィルタエレメント30自体には、本発明に係る特徴的な部分は存在しないので、これらに関する詳細な説明は本明細書においては省略する。
【0023】
〈フィルタエレメント容器の上部ハウジングの構成〉
上部ハウジング10は、
図1に示している通り、天面を備えた略円筒型に形成され、側面の対向する位置に、流入口(流入パイプ)110及び流出口(流出パイプ)120を備える。
【0024】
外筒100は、一枚のブランク材を絞り出すことによって製造されるため、天面102から側面104にかけて一体的に形成される。また、側面104の裾部分は、下部ハウジング10と連結するためのバンド(図示していない)を取り付ける為に広げられて大径となりフランジ(外筒)106として機能する。なお、
図2及び
図3においては、このフランジ(外筒)106を省略して図示している。
【0025】
流入口(流入パイプ)110及び流出口(流出パイプ)120は、いずれも外筒100を貫通して接続固定されている。これは、絞り出した外筒100の側面両サイドを打ち抜き加工(ピアス加工)した後に、パイプ材が溶接して取り付けられる。
【0026】
外筒100の内側には、セパレータ130がロー付けにより取り付け固定されている。このセパレータ130は、外筒100の天面102の中心Oの位置及び流入口(流入パイプ)110を含む空間と、それ以外の空間(流出口(流出パイプ)120を含む空間)とを外筒100内で分離する機能を備える。その機能を発揮できるよう、
図2〜
図4に示しているように、外筒100の内周天面102から外筒の内周側面104にかけて連続的に接触してこれらを取り囲む形状に構成される。また、フィルタエレメント30に流体を送り出すための開口部132が底面側に備わっている。更に、特に
図5及び
図6で明確に示されているように、セパレータ130の外筒内周への取り付け面には、全周に渡ってフランジ(セパレータ)134が形成される。
【0027】
このセパレータ130も、外筒100と同様に、一枚のブランク材を絞り出すことによって形成されている。特に、全周に渡って設けられているフランジ134についても、セパレータ本体部分と同じブランク材から絞り出すことによって形成されている。もちろん、その工程においては、余分な部分をカットしたり、必要に応じて熱処理をする等の行程を経る場合もあるが、重要なポイントは、フランジ(セパレータ)134まで含めたセパレータ134全体を一枚のブランク材から絞り出しにより形成した点である。これにより外筒100と接合するフランジ(セパレータ)134の形状を高い精度に仕上げることが可能となっている。なお、開口部132は打ち抜き加工(ピアス加工)によって形成される。また、取り付けるフィルタエレメントの形状によっては、この開口部132に更なる部材(アタッチメント)を取り付けて使用する場合もある。
【0028】
〈フィルタエレメント容器の上部ハウジングの作用・機能〉
このように、本願発明の実施形態の一例として示した上部ハウジング10は、有天(天面102を備えた)円筒形状の外筒100と、この外筒100の側面104を貫通するように設けられた流体の流入口(流入パイプ)110及び流出口(流出口)120と、外筒100の天面102の中心O及び流入口(流入パイプ)110を含む空間と、それ以外の空間(流出口(流出パイプ)120を含む空間)とを外筒100内で分離するために、外筒100の内周天面102から外筒100の内周側面104にかけて連続的に接触する形状で一体成形されると共に、フィルタエレメント30に流体を送り出すための開口部134を底面側に備えたセパレータ130と、を備えることによって、従来のように、外筒と内筒の二重の筒を配置し且つ流入口を内筒にまで延在させるといった複雑な構成を採用する必要がなく、単に外筒内にセパレータをロー付けにより配置するのみで流体の流入空間と流出空間とを分離することが可能となった。また、本発明におけるセパレータ130は、外筒100天面102側にも接触しているので、下部ハウジング20との間で挟持するフィルタエレメント30から受ける反力を上部ハウジング10の(外筒100の)天面102で効率よく受けることができるため、セパレータ130自体の厚みを薄く構成した場合でも十分な強度を確保することができる。更に、部品点数としては、外筒100を構成するためのブランク材、流入口110及び流出口120を構成する2つのパイプ材、セパレータ130を構成するブランク材の僅か4点で足り、加えて、セパレータ130自体も一切溶接工程を経ることなく形成されるため、上部ハウジング10全体を完成させるに必要な工数も少なく、軽量・コンパクトを実現可能となっている。
【0029】
また、セパレータ130は、外筒100の内周面(天面102及び側面104)と接触する部分の全周に渡ってフランジ134を備え、このフランジ134は、セパレータ130を絞り出しにより形成する際に一体的に絞り出されて形成される このように、セパレータ130のフランジを絞り出し加工により一体成形することによって、外筒100の形状に対して組付精度の高いフランジ134を容易に形成することができる。また、セパレータ130自体も絞り出し加工で形成されるため、セパレータ本体とフランジ134を別途溶接等して接合する必要も無く、接合部分からの流体漏れも未然に防止する事が可能となっている。
【0030】
また、外筒100の少なくとも天面102及び側面104は、絞り出しにより一体成形され、天面102から側面104にかけての外筒100の内周面は、段付き無く形成されている。このように構成することで、外筒100の側面104を構成する部材と天面102を構成する部材を溶接等により接合する必要が無いので、部品点数が少なくなる事に加えて接合部分からの流体漏れも未然に防止する事ができる。また、従来のように内筒を位置決めするような段付きを天面102に設ける必要も無いので、よりシンプル且つ小型軽量に構成することも可能となる。
【0031】
また、セパレータの底面は、各図面から明らかなように、下方に向かって凸となるようにアーチ形状に形成されていた。このように構成したことによって、上部ハウジング10と下部ハウジング20でフィルタエレメント30を挟持した際にフィルタエレメント30から受ける反力に対するセパレータ130の剛性を構造的に確保することができるので、セパレータ130の厚みをより薄くすることができ、軽量コンパクト化を実現できることに加えて、同じ大きさの外筒110であっても、より大きな内部流量を確保することも可能となっている。
【0032】
また、流入口(流入パイプ)110には、流体を導くためのパイプ材が接続固定されて構成されているが、本発明を適用したセパレータ130は、このパイプ材に接触することなく、流入口(流入パイプ)110を取り囲むように外筒100に接合されている。このように構成することによって、上部ハウジング10と下部ハウジング20でフィルタエレメント30を挟持した際にフィルタエレメント30から受ける反力が、セパレータ130を介して流入口(流入パイプ)110に加わることを防止できる。即ち、繰り返しの使用によって流入口(流入パイプ)110にガタ付きが生じたり、流入口(流入パイプ)110の接合部分に亀裂が生じる等の不具合を根本から解消させることが可能となっている。
【0033】
〈その他の構成例〉
上記では、上部ハウジング及び下部ハウジングとして、ハウジングが上下に分割される構成であったが、左右方向に分割して使用される場合(要するに横に倒して使用される場合)も本発明の概念から逸脱しないものである。
【0034】
また、上下ハウジングの構造が上下逆転した状態で使用される場合も、本発明の概念から逸脱しないものである。
【符号の説明】
【0035】
1・・・フィルタ
2・・・フィルタエレメント容器
10・・・上部ハウジング
20・・・下部ハウジング
30・・・フィルタエレメント
100・・・外筒
102・・・天面(外筒)
104・・・側面(外筒)
106・・・フランジ(外筒)
110・・・流入口(流入パイプ)
120・・・流出口(流出パイプ)
130・・・セパレータ
132・・・開口部(セパレータ)
134・・・フランジ(セパレータ)
O・・・天面中心
【要約】
【課題】
より部品点数を少なくして更なる小型化・軽量化を図ると共に、部品点数を少なくすることで組み付け精度の向上を図りつつも低コスト化を実現する。
【解決手段】
有天円筒形状の外筒100と、この外筒100の側面を貫通するように設けられた流体の流入口110及び流出口120と、外筒100の天面102の中心O及び流入口110を含む空間と、それ以外の空間(流出口120を含む空間)と、を分離するために、外筒100の内周天面102から側面104にかけて連続的に接触する形状で一体成形されると共に、フィルタエレメント30に流体を送り出すための開口部134を底面側に備えたセパレータ130を備える。
【選択図】
図4