(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、米飯塊を成形孔に投入して圧縮し、目的の形状のおにぎりを成形するおにぎり成形装置では、米飯塊の全体が一様の力で圧縮されるのではなく、大きく圧縮される箇所と僅かしか圧縮されない箇所など、圧縮状態が部位で異なるために、米飯の密度にバラツキが発生してしまう。
【0006】
そのため、成形されたおにぎりを成形孔から取り出すと、圧縮力が大きい箇所が当該圧縮力を解放しようと伸長するように型崩れしてしまい、成形孔の形状つまり目的とする形状が得られなくなる。
【0007】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、成形後の型崩れを抑制することのできるおにぎり成形装置およびおにぎり成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のおにぎり成形装置は、
シート状になった米飯塊を折り畳む折り畳み手段と、前記折り畳み手段で折り畳まれた米飯塊を、最終形状である第1の形状
に対して圧縮方向に沿った長さが短くなった第2の形状に
圧縮する第1の圧縮手段と、前記第1の形状に形成された成形孔が周方向に一定の間隔で複数形成された回転体である成形テーブルと、前記第1の圧縮手段で圧縮された米飯塊を所定の前記成形孔に投入する投入手段と、前記投入手段により米飯塊が投入される前記成形孔よりも前記成形テーブルの回転方向下流側に位置する前記成形孔に対応して設けられ、前記成形孔内の米飯塊を上下方向に圧縮しておにぎりを成形する1または複数の第2の圧縮手段と、成形されたおにぎりを前記成形孔から取り出す取出手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記
請求項1記載の発明において、前記投入手段は、前記成形孔に対して下方から入出可能に設けられ、米飯塊が前記成形孔の上部へ移載されたときに前記成形孔の上端まで上昇し、その後下降する下型と、前記成形孔に対して上方から入出可能に設けられ、米飯塊が前記成形孔の上部へ移載されたときに前記成形孔の外側まで上昇し、その後前記下型の下降に連動して下降して米飯塊を前記成形孔内に投入する上型とで構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、上記
請求項1または2記載の発明において、前記第2の圧縮手段は、前記投入手段によって米飯塊が投入される前記成形孔側の前記成形孔に対応して設けられた第1の圧縮部と、前記第1の圧縮部よりも前記成形テーブルの回転方向下流側に隣接する前記成形孔に対応して設けられた第2の圧縮部とで構成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1、2または3記載の発明において、前記成形テーブルは水平方向に間欠的に回転する回転体であり、前記第1の圧縮手段
と前記投入手段
とが前記成形テーブルに沿って同じ位置に配置され、これらと前記第2の圧縮手段
と前記取出手段
とが前記成形テーブルに沿って別の位置に配置されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4の何れか1項に記載の発明において、前記第1の圧縮手段は、米飯塊を投入先の前記成形孔の上方へと移載する移載部と、前記移載部により前記成形孔の上方へ移載された前記米飯塊を受け止めて前記移載部と協働して当該米飯塊を前記第2の形状に圧縮する移載受部とで構成されている、ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記
請求項5記載の発明において、具材の載置さ
れたシート状の米飯塊を搬送
して前記折り畳み手段に渡す搬送手段
をさらに有し、前記移載部は、前記折り畳み手段で折り畳まれた米飯塊を当該折り畳み手段から前記成形孔の上方へ移載するとともに、前記搬送手段に搬送された米飯塊を前記折り畳み手段へと移載する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、上記
請求項5記載の発明において、具材の載置さ
れたシート状の米飯塊を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に搬送された米飯塊の重量を計測する計測手段と
をさらに有し、前記折り畳み手段は、前記計測手段に重量の計測された米飯塊を折り畳み、前記移載部は、前記折り畳み手段で折り畳まれた米飯塊を前記折り畳み手段から前記成形孔の上方へ移載し、重量の計測された米飯塊を前記計測手段から前記折り畳み手段へ移載し、さらに前記搬送手段に搬送された米飯塊を前記折り畳み手段へ移載する、ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明のおにぎり成形方法は、シート状になった米飯塊を折り畳む折り畳み工程と、前記折り畳み手工程
で折り畳まれた米飯塊を
第1の方向に圧縮して、最終形状である第1の形状に対して圧縮方向に沿った長さが短くなった第2の形状
にする第1の工程と、前記第1の工程で圧縮された米飯塊を第1の形状に形成された成形孔に投入する第2の工程と、前記成形孔に投入された米飯塊を前記第1の方向と直交する第2の方向に圧縮しておにぎりを成形する第3の工程と、成形されたおにぎりを前記成形孔から取り出す第4の工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
米飯塊を最終形状である第1の形状よりも圧縮方向に沿った長さが短くなった第2の形状に圧縮しておき、この第2の形状の米飯塊を第1の形状に形成された成形孔に投入しておにぎりを成形しているので、成形孔から取り出されたおにぎりは第1の形状に維持されることになり、成形後の型崩れが抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
図1および
図2に示す装置は、米飯を矩形シート状に成形する米飯シート成形装置M1と、米飯シート成形装置M1で成形された米飯を受け取ってこれを搬送し、おにぎりに成形するおにぎり成形装置M2とで構成されている。
【0020】
米飯シート成形装置M1は、キャスタ1aによって移動可能とされた台座2a上に搬送コンベア3、第1の計量コンベア4、第2の計量コンベア5が搬送方向上流側から下流側に沿って配置されている。また、搬送コンベア3の上方後端側には、米飯(生地)をシート状に成形して送り出す送出部6が配置されている。
【0021】
台座2の後側(
図1において右側)には、上下方向に延びる一対の縦レール7に沿って米飯容器8を昇降させるリフタ9が設けられている。このリフタ9によって米飯容器8は上部に設置されたホッパ10の位置まで持ち上げられ、リフタ9の上端に設けられた反転部28によってホッパ10に向けて上下反転されることにより、米飯容器8内の米飯がホッパ10に投入される。
【0022】
ホッパ10には、投入された米飯を解すための第1の解しローラ11が設けられており、この第1の解しローラ11の下側には、第1の解しローラ11に解された米飯を搬送するための搬送ローラ12、および搬送ローラ12に搬送された米飯をさらに解すための第2の解しローラ31が設けられている。そして、第2の解しローラ31に解された米飯が、前述した送出部6に投入される。
【0023】
なお、ホッパ10に隣接した位置には、作業者が所望する装置の動作設定を行うとともに設定された動作内容が表示される操作部30が設けられている。
【0024】
送出部6内には、左右一対で合計2段となった第1のローラ対13が上下方向に配置されている。この第1のローラ対13は、上段に位置する第1のローラ対13aの間隔よりも下段に位置する第1のローラ対13bの間隔の方が狭くなっている。したがって、米飯が第1のローラ対13a,13bにより上方より下方へ送られることによって、シート状に圧縮成形される。
【0025】
下段に位置する第1のローラ対13bの下方には、左右一対となった第2のローラ対14が配置されている。この第2のローラ対14は相互に接近離間可能になっており、第1のローラ対13から送られたシート状の連続した米飯は、第2のローラ対14の間隔に応じて厚みが調整されて下方へと送り出されて搬送コンベア3に載せられる。そして、搬送コンベア3から第1の計量コンベア4へと搬送される。
【0026】
搬送コンベア3と第1の計量コンベア4との間には、このようにして搬送コンベア3から第1の計量コンベア4へと搬送されるシート状の米飯を搬送方向と交差する方向(ここでは、搬送方向とほぼ直交した方向)に分割するためのカッタ15が配置されている。したがって、シート状に連続した米飯は搬送コンベア3から第1の計量コンベア4へと搬送される途中でカッタ15により分割され、第1の計量コンベア4から搬送された分割後の米飯つまり米飯塊Rが第2の計量コンベア5へと搬送される。
【0027】
第1の計量コンベア4には、搬送コンベア3から送られてくる連続したシート状の米飯の重量を経時的に計測するためのロードセル(図示せず)が設けられている。また、第2の計量コンベア5には、第1の計量コンベア4から搬送された分割後の米飯塊Rの重量を計測するためのロードセル(図示せず)が設けられている。したがって、第1の計量コンベア4では、搬送コンベア3から搬送された米飯の重量を経時的に計測しながら搬送し、第2の計量コンベア5では、第1の計量コンベア4から搬送された矩形シート状の米飯塊Rの重量を計測しながら搬送する。
【0028】
なお、本実施の形態の米飯シート成形装置M1では、分割された矩形シート状の米飯塊Rの寸法は、長さ110mm、幅65mm、高さ(厚さ)15mmとなっており、1時間に約3000枚製造可能な性能を有している。
【0029】
米飯シート成形装置M1の搬送方向下流側には、米飯塊Rを所定の形状に成形(例えば三角形のおにぎり形状に成形)するためのおにぎり成形装置M2が配置されている。そして、第2の計量コンベア5を搬送される米飯塊Rは、米飯シート成形装置M1からおにぎり成形装置M2へと取り込まれる。
【0030】
図1〜
図3に示すように、おにぎり成形装置M2は、米飯シート成形装置M1で所定量に計量された矩形シート状の米飯塊Rに梅干し、シャケ、タラコなどといった所定の具材Tを載置する具材載置部24と、具材Tの載置された矩形シート状の米飯塊Rを搬送する搬送コンベア16(搬送手段)と、搬送コンベア16によって搬送された米飯塊Rを折り畳む折り畳みユニット17(折り畳み手段)と、折り畳みユニット17で折り畳まれた米飯塊Rをおにぎりに成形する成形孔22の形成された成形テーブル18と、成形されたおにぎりを取り出す取出型20(取出手段)と、取り出されたおにぎりを機外に排出する排出コンベア21とを備えている。
【0031】
また、おにぎり成形装置M2は、折り畳みユニット17で折り畳まれた米飯塊Rを第1の方向である水平方向に圧縮する圧縮型29(第1の圧縮手段)と、圧縮された米飯塊Rを上方から成形テーブル18の成形孔22に投入する投入ユニット23(投入手段)と、成形孔22内の米飯塊Rを第1の方向と直交する第2の方向である上下方向に圧縮しておにぎりを成形する圧縮型19(第2の圧縮手段)とを備えている。
【0032】
ここで、具材載置部24は、矩形シート状の米飯塊Rを搬送する具入れコンベア24aと、具入れコンベア24a上に配置されて米飯塊Rに具材Tを載置する載置部24bとからなる。
【0033】
なお、具材載置部24はスタンド25上に設置され、搬送コンベア16、折り畳みユニット17、成形テーブル18、圧縮型19、取出型20および排出コンベア21は、キャスタ1bによって移動可能とされた台座2b上に設置されている。
【0034】
さらに、おにぎり成形装置M2は、矩形シート状の米飯塊Rの重量を計測するウエイトチェッカ26(計測手段)を備えている。このウエイトチェッカ26は搬送コンベア16と折り畳みユニット17との間に配置されている。
【0035】
なお、ウエイトチェッカ26はなくてもよく、この場合には、搬送コンベア16で搬送された矩形シート状の米飯塊Rは重量計測されることなく直ちに折り畳みユニット17に導かれる。
【0036】
ここで、成形テーブル18は図示しないモータによって水平方向に間欠的に回転する回転体であり、成形孔22は成形テーブル18の周方向に一定の間隔で複数(本実施の形態では8箇所に)形成されている。そして、圧縮型29および投入ユニット23、圧縮型19ならびに取出型20は成形テーブル18の回転方向に沿って順次配置されている。
【0037】
図4および
図5に示すように、折り畳みユニット17は、中央に位置して台座17aに固定されたセンタープレート17−1と、センタープレート17−1の両側にヒンジ17bを介して連結されてセンタープレート17−1に対して旋回自在となった2枚のサイドプレート17−2とを備えている。台座17aには、外側に向かって上方に湾曲した一対のアーム17cが揺動自在に取り付けられている。また、当該アーム17cの自由端は、一方端がサイドプレート17−2に対して回動自在に取り付けられた第1のリンク棒17dの他方端に回動自在に取り付けられている。さらに、アーム17cの途中には、モータ軸17eに固定されたカム17fが長孔17gを水平方向に往復することにより上下動する昇降ユニット17hの先端に回動自在に取り付けられた第2のリンク棒17jの先端が回動自在に取り付けられている。
【0038】
そして、昇降ユニット17hの下死点におけるアーム17cの台座17aに対する取付位置よりもアーム17cと第2のリンク棒17jとの取付位置の方が外側となっている。また、昇降ユニット17hの下死点では、センタープレート17−1と2枚のサイドプレート17−2とは相互に展開した状態になっている。
【0039】
このような構造により、昇降ユニット17hが上昇すると第2のリンク棒17jを介してアーム17cが外側に弧を描くように上昇する。これにより、第1のリンク棒17dを介して2枚のサイドプレート17−2が起き上がり、センタープレート17−1の上方で自由端が接近するように旋回する(
図5の二点鎖線による表示部分参照)。
【0040】
したがって、このような折り畳みユニット17のプレート17−1,17−2に矩形シート状の米飯塊Rが搭載されると、ヒンジ17bの位置を折り曲げ位置として米飯塊Rの両側が起き上がり、中央側に倒れるように折り畳まれる。
【0041】
なお、本実施の形態では、米飯塊Rが略三角に折り畳まれるようになっているが、例えばサイドプレート17−2の形状をL字状にすることにより、米飯塊Rが略平らに折り畳まれるようになっていてもよい。
【0042】
また、本実施の形態においては、1枚のセンタープレート17−1と2枚のサイドプレート17−2の合計3枚のプレートにより矩形シート状の米飯塊Rを折り畳んでいるが、プレートの枚数は3枚に限定されるものではなく、自由に設定することができる。一例を挙げれば、相互に旋回自在となった2枚のプレートでサイドプレートを構成し、これをセンタープレート(1枚)の両側に取り付けることにより、合計5枚のプレートのプレートで折り畳むことなどが考えられる。
【0043】
投入ユニット23では、折り畳みユニット17によって折り畳まれた部位が上方を向くようにして米飯塊Rが成形孔22に投入される。図示するように、本実施の形態の成形孔22の水平方向の断面は略三角形となっており、三角形のおにぎりが成形される。なお、投入ユニット23の構造の詳細については後述する。
【0044】
さて、おにぎり成形装置M2には、搬送コンベア16で搬送される矩形シート状の米飯塊Rを水平方向に押してウエイトチェッカ26へ移載し、ウエイトチェッカ26で重量計測された米飯塊Rを折り畳みユニット17へ移載し、さらに折り畳みユニット17で折り畳まれた米飯塊Rを水平方向に押して投入先の成形孔22の上方へ移載する移載型29−1(移載部)が設けられている。そして、当該移載型29−1が、後述する移載受型29−2(移載受部)とともに、折り畳みユニット17で折り畳まれた米飯塊Rを水平方向に圧縮する第1の圧縮手段である圧縮型29を構成している。なお、移載型29−1の動作は、成形テーブル18の間欠的な回転に対応して行われる。
【0045】
図9、
図11および
図12に示すように、圧縮型29の一方である移載型29−1は、天板29aと、天板29aの下面に移載方向に沿って下方に延びて取り付けられた3枚の壁板29bと、図示しないアームに係止される係止突起29cを備えている。
【0046】
後退位置では、
図9に示すように、先端の壁板29b−1の外側に折り畳みユニット17上の米飯塊Rが位置し、先端の壁板29b−1と中央の壁板29b−2との間にウエイトチェッカ26上の米飯塊Rが位置し、中央の壁板29b−2と後端の壁板29b−3との間に搬送コンベア16上の米飯塊Rが位置している。つまり、移載型29−1の前後長は搬送コンベア16と折り畳みユニット17という2領域に跨った長さとなっている。
【0047】
そして、このような移載型29−1がアームにより水平方向に1領域分だけ動いた前進位置では、
図11に示すように、折り畳みユニット17上の米飯塊Rが壁板29b−1に押されて成形テーブル18の成形孔22上に移載され、ウエイトチェッカ26上の米飯塊Rが壁板29b−2に押されて折り畳みユニット17上に移載され、搬送コンベア16上の米飯塊Rが壁板29b−3に押されてウエイトチェッカ26上に移載される。さらに、搬送コンベア16上の米飯塊Rが壁板29b−3に押されてウエイトチェッカ26上に移載された搬送コンベア16上の米飯塊Rの位置には、次の米飯塊Rが搬送される。
【0048】
前進位置に動いた移載型29−1は、アームに持ち上げられるようにして米飯塊Rとの干渉を回避しながら前述の後端位置へと戻り、以降このような前進移動および後退移動を繰り返す。
【0049】
なお、前述のようにウエイトチェッカ26はなくてもよい。この場合には、移載型29−1の前後長は搬送コンベア16(あるいは折り畳みユニット17)のみの1領域相当の長さになるとともに、中央の壁板29b−2が省略されて前端の壁板29b−1および後端の壁板29b−3だけとなる。そして、後退位置では、先端の壁板29b−1の外側に折り畳みユニット17上の米飯塊Rが位置し、先端の壁板29b−1と後端の壁板29b−3との間に搬送コンベア16上の米飯塊Rが位置する。
【0050】
そして、移載型29−1がアームにより水平方向に1領域分だけ動いた前進位置では、折り畳みユニット17上の米飯塊Rが壁板29b−1に押されて成形孔22上に移載され、搬送コンベア16上の米飯塊Rが壁板29b−3に押されて折り畳みユニット17上に移載される。
【0051】
つまり、搬送コンベア16で搬送された矩形シート状の米飯塊Rは重量計測されることなく直ちに折り畳みユニット17に導かれる。
【0052】
なお、前進位置に動いた移載型29−1がアームに持ち上げられるようにして米飯塊Rとの干渉を回避しながら前述の後端位置へと戻り、以降このような前進移動および後退移動を繰り返す点は同様である。
【0053】
圧縮型29の他方である移載受型29−2は、
図3、
図6および
図7に示すように、成形孔22を挟んで移載型29−1と対向するように配置されて、移載型29−1により成形孔22の上方へ移載された米飯塊Rを受け止める。この移載受型29−2は、移載型29−1に向けて開いた形状となって2つの内壁面29−2aが形成されており、前進位置になった移載型29−1の先端面29−1aとで三角形の形状を構成している。そして、この三角形の形状になって前述のように米飯塊Rを受け止める。
【0054】
図示するように、移載受型29−2の内壁面29−2aは、当該内壁面29−2aに対応した成形孔22の内壁面22aよりも移載型29−1の方向にずれた位置になっている。
【0055】
すなわち、移載受型29−2の2つの内壁面29−2aと移載型29−1の先端面29−1aとで形成される三角形について、2つの内壁面29−2aが合わさった箇所を頂点とするとき、この頂点の位置が成形孔22の三角形の対応する頂点の位置よりも移載型29−1の方向にずれている。本実施の形態においては、移載受型29−2の内壁面29−2aと移載型29−1の先端面29−1aとで形成される三角形の高さ(前述した頂点を通り、この頂点の対向位置にある底辺に下ろした垂線から、当該三角形が切り取る線分)は成形孔22の三角形の高さの約2/3となっている。なお、2つの三角形の底辺の長さは略同一になっている。
【0056】
したがって、移載型29−1が符号D1(
図7)に示す方向である前進位置に動き、第1の圧縮手段としての圧縮型29である移載型29−1と移載受型29−2とが協働して米飯塊Rが第1の方向である水平方向に圧縮されると、当該米飯塊Rは、最終形状(第1の形状)である成形孔22の形状よりも当該圧縮方向に沿った長さが短くなった形状(第2の形状)に変形される。
【0057】
よって、第2の形状に圧縮された米飯塊Rは、第1の形状との相違部分(
図6でハッチングで示した部分)だけ余分に圧縮されることになる。
【0058】
なお、移載受型29−2の内壁面29−2aと移載型29−1の先端面29−1aとで形成される三角形の高さは成形孔22の三角形の高さの約2/3である必要はなく、前者の三角形の高さが後者の三角形の高さよりも小さくなっていればよい。
【0059】
このようにして移載型29−1および移載受型29−2で構成される圧縮型29で圧縮された米飯塊Rを成形テーブル18の成形孔22に投入する投入ユニット23は、
図3、
図6および
図7に示すように、下型23aと上型23bとからなる。そして、当該投入ユニット23は、
図12に詳しく示すように、移載型29−1と移載受型29−2とにより前述のように第2の形状に圧縮された米飯塊Rを成形孔22に投入するために、成形孔22に対して入出可能に設けられている。
【0060】
すなわち、下型23aは、成形孔22に対して下方から入出可能に設けられており、移載型29−1によって米飯塊Rが成形孔22の上方へ移載されたときに成形孔22の上端まで上昇し、その後下降する。また、上型23bは、成形孔22に対して上方から入出可能に設けられており、米飯塊Rが成形孔22の上方へ移載されたときに成形孔22の外側まで上昇し、その後下型23aの下降に連動して下降する(符号D2(
図7)米飯塊Rを成形孔22内に投入する。
【0061】
そして、このような構成の投入ユニット23により、前述のような第2の形状(最終形状である第1の形状よりも圧縮方向に沿った長さが短くなった形状)に圧縮された米飯塊Rが、最終形状である第1の形状に形成された成形孔22に投入される。
【0062】
さて、このようにして成形孔22に投入された米飯塊Rを前述した第1の方向(水平方向)と直交する第2の方向である上下方向に圧縮するための第2の圧縮手段である圧縮型19は、
図3に示すように、投入ユニット23によって米飯塊Rが投入される成形孔22側の成形孔22に対応して設けられた第1の圧縮型19a(第1の圧縮部)と、第1の圧縮型19aよりも成形テーブル18の回転方向下流側に隣接する成形孔22に対応して設けられた第2の圧縮型19b(第2の圧縮部)とで構成されている。
【0063】
図13および
図14に示すように、何れの圧縮型19a,19bも下型19a−1,19b−1と上型19a−2,19b−2とで構成されている。下型19a−1,19b−1は成形孔22に対して下方から入出可能に設けられ、上型19a−2,19b−2は成形孔22に対して上方から入出可能に設けられており、両者が最接近した位置で所定の間隔が形成されるようになっている。そして、下型19a−1,19b−1が上昇すると同時に上型19a−2,19b−2が下降することにより、両者に挟まれた米飯塊Rが上下方向から圧縮されることにより、上下面が略平坦で、外周が周方向に連続した3つの略平坦な面からなり、最終形状である第1の形状となった成形孔22に沿った形状のおにぎりが成形される。
【0064】
そして、水平方向に第2の形状に圧縮された米飯塊Rが圧縮型19により上下方向に圧縮されて第1の形状になるとき、当該米飯塊Rは第2の形状から水平方向に押し広げられるようにして第1の形状になる。これにより、第2の形状に圧縮された際の米飯塊R内の圧縮力が除去されるので、米飯塊Rが第1の形状になったとき、米飯塊R内には殆ど圧縮力は残留しなくなる。
【0065】
なお、このように、本実施の形態では、米飯塊Rを一気に圧縮するのではなく、第1の圧縮型19aで圧縮した後、再度第2の圧縮型19bで圧縮するように2段階に分けて圧縮して、成形されたおにぎりが一層柔らかくなるようにしている。但し、1つの圧縮型19だけを設けるようにしてもよい。
【0066】
圧縮型19で圧縮されて成形されたおにぎりを成形孔22から取り出すための取出型20は、
図3に示すように、排出コンベア21の直上に位置する成形孔22に対応して設けられている。そして、
図15に示すように、当該成形孔22に対して上方から入出可能になっており、成形テーブル18が回転することによって送られてきたおにぎりを上方から叩いて排出コンベア21の上に落下させる。これにより、第1の形状に成形されたおにぎりは排出コンベア21に搬送されて機外に排出される。
【0067】
このとき、前述のように、米飯塊Rが第1の形状になったとき米飯塊R内には圧縮力は殆ど残留していないので、取出型20により成形孔22から取り出されたおにぎりは、当該成形孔22に沿った形状(第1の形状=最終形状)に保たれることになり、成形後の型崩れが抑制される。
【0068】
以上の構成を有するおにぎり成形装置M2によるおにぎり成形プロセスについて、
図8〜
図15を用いて説明する。
【0069】
まず、具材載置部24において、
図8に示すように、矩形シート状の米飯塊Rに所定の具材Tを載置する。
【0070】
次に、移載型29−1が具材Tの載置された米飯塊Rを搬送コンベア16からウエイトチェッカ26、折り畳みユニット17へと移載することにより、米飯塊Rは、
図9に示すように、各所に送り込まれる。このとき、折り畳みユニット17上に送り込まれた矩形シート状の米飯塊Rは、
図10に示すように折り畳まれる。
【0071】
そして、
図11に示すように移載型29−1が後退位置から前進位置へと動くことで、折り畳みユニット17上の米飯塊Rが成形孔22上に移載され(
図12参照)、ウエイトチェッカ26上の米飯塊Rが折り畳みユニット17上に移載され、搬送コンベア16上の米飯塊Rがウエイトチェッカ26上に移載される。このとき、移載型29−1と移載受型29−2とが協働することにより、成形孔22上に移載された米飯塊Rは第1の方向である水平方向に圧縮され、最終形状(第1の形状)よりも当該圧縮方向に沿った長さが短くなった第2の形状になる(第1の工程)。
【0072】
次に、成形孔22上に移載された第2の形状の米飯塊Rは、
図12に示すように、投入ユニット23により成形テーブル18に形成された第1の形状の成形孔22に投入される(第2の工程)。
【0073】
そして、成形孔22内の米飯塊Rは成形テーブル18の間欠的に回転により送られて行き、その送り動作中で、
図13および
図14に示すように、第1の圧縮型19aおよび第2の圧縮型19bによって第2の方向である上下方向に圧縮されておにぎりが成形される(第3の工程)。このとき、米飯塊Rは第2の形状から水平方向に押し広げられるようにして第1の形状になる。そして、第2の形状に圧縮された際の米飯塊R内の圧縮力が除去され、米飯塊R内には殆ど圧縮力は残留しなくなる。
【0074】
最後に、
図15に示すように、取出型20により、成形後の米飯塊Rが成形孔22から取り出される(第4の工程)。そして、取り出されたおにぎりには圧縮力は殆ど残留していないので、当該成形孔22に沿った第1の形状(最終形状)に保たれ、成形後の型崩れが抑制される。
【0075】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0076】
本実施の形態の成形孔22の水平方向の断面は略三角形となって三角形のおにぎりが成形されるようになっているが、略三角形以外の様々な断面形状を採用することが可能である。例えば、
図16に示すように、水平方向の断面が略円形のおにぎりを成形するようにしてもよい。なお、図示する場合には、第2の形状と、成形孔22である第1の形状との相違部分(ハッチングで示した部分)は圧縮方向の前後2箇所となっている。第1の形状と第2の形状との相違部分は、
図6に示すように1箇所でもよいが、
図16に示すように2箇所設けてもよい。
【0077】
また、本実施の形態では、米飯塊Rを水平方向(第1の方向)に圧縮して第2の形状にし、上下方向(第2の方向)に圧縮して第1の形状にしているが、第1の方向と第2の方向はそれぞれ水平方向および上下方向に限定されるのではなく、例えば成形テーブル18を垂直方向に間欠的に回転するようにして、第1の方向を上下方向、第2の方向を水平方向にしてもよい。
【0078】
さらに、本実施の形態では、圧縮型29の一方である移載型29−1は3枚の壁板29bを有し、3つの米飯塊Rを同時に次工程に移送している構造となっているが、1つの米飯塊Rを成形テーブル18の成形孔22へと移載するようになっていれば足りる。
【0079】
さらに、本実施の形態においては、折り畳まれた部位が上方を向くようにして米飯塊Rが成形孔22に投入されるようになっているが、下方を向いて投入されるようになっていてもよく、あるいは折り畳みユニット17を省略して、米飯塊Rが折り畳まれずに投入されるようになっていてもよい。
【0080】
さらに、本実施の形態では、米飯塊Rは矩形シート状になっているが、米飯塊Rの形状は自由に設定することができ、矩形シート状に限定されるものではない。そして、米飯塊Rには、必ずしも具材は載置されていなくてもよい。
【0081】
さらに、第1の圧縮手段としての圧縮型29、投入手段としての投入ユニット23、第2の圧縮手段としての圧縮型19の構造も本実施の形態に限定されるものではなく、それぞれ米飯塊Rを第2の形状に圧縮でき、第2の形状に圧縮された米飯塊Rを成形孔22に投入でき、成形孔22に投入された米飯塊Rを第1の形状に圧縮できるものであれば、様々な構造を採用することができる。