【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施例の平面図、
図2は、同正面図、
図3は防音ドア開扉時の同平面図、
図4は本発明の実施例におけるガイドレールの斜視図、
図5は本発明実施例におけるガイドレールの取付位置と動作を示すA−A線拡大縦断側面図で、1は消音・吸音材を内張りした筒状部、2,2は開閉駆動装置D,Dによって左右に開閉される消音・吸音材を内包する防音ドア、3,3は前記筒状部1と防音ドア2,2とで構成される消音ドームの前後に設けた防音ドア2,2の断面がコ状のガイドレールである。
【0023】
ガイドレール3,3の両端には、ガイドレール3,3と同一材料を用いた弧状の連結部材4,4が連結され、小判状の枠体を構成し、ガイドレール2,2の取付位置を
図5に示すように、防音ドア2,2をスライドして開扉可能の位置に、支持部材5,5,6,6,7,7,8,8,9,9を介して筒状部1に取付けられている。
【0024】
そしてガイドレール3,3の中央部下面には、
図4に示すように切欠10,10が形成され、この切欠10,10内を迫りのように昇降する昇降用ガイドレール3’,3’が設けられている。
【0025】
この昇降用ガイドレール3’,3’は、ガイドレール3,3より断面形状の小さい断面コ状の鋼材で構成され、上面にはガイドレール3,3に設けたガイド孔11,11,11に挿通するガイドピン12,12,12が植設されていて、筒状部1の外側の前後に設けた昇降装置C,Cによって前記切欠10,10内を迫のように昇降にするように構成されている。
【0026】
また、防音ドア2の前後には補助部材13,13を介して2個づつの走行ローラー14,14,14,14が取付けられていて、防音ドア2,2の閉鎖時に昇降用ガイドレール3’,3’と係合するように構成されている。従って昇降用ガイドレール3’,3’を昇降装置C(
図2図示)を作動させ、防音ドア2,2の開扉時にガイドレール3,3の位置まで上昇させると、
図5(b)に示すように防音ドア2,2が左右にスライド可能の状態となり、閉鎖時は、昇降用ガイドレール3’,3'を降下させて
図5(a)に示すように防音ドア2,2を走行ローラ14,14,14,14を介して降下させると、防音ドア2,2を筒状部1の上縁に密着させることができる構成となっている。
【0027】
昇降装置Cは、
図2に示すように、油圧シリンダー15の上端を筒状部1に一端を枢着16したレバー17の端部18に枢着し、油圧シリンダー15を動作させることにより、筒状部1に取り付けられた縦方向のガイド19内を摺動するスライダー20及びスライダーピン21と、該スライダーピン21に下端を連結し、上端を昇降用ガイドレール3’に連結したロッド22,22を介して昇降用ガイドレール3’を昇降させるように構成されている。なお、スライダーピン21はレバー17に設けた長孔(図示せず)に挿入係合している。
【0028】
そしてこの昇降装置Cでは、更に油圧シリンダー15の下端を一端を基盤23(実施例では筒状体1の下部に設けたフランジ)に設けた軸受24に枢着し、自由端25を前記基盤23に接触させたリンク26の中間に枢着すると共に、前記自由端25を前記基盤23に弾圧するコイルバネ18を設け、このコイルバネ28の弾圧力は調整ボルト29によって加減できるように構成されている。
【0029】
以上のように構成されているので、昇降装置Cを動作させて、
図5(b)に示すように、昇降用ガイドレール3’を迫りのようにガイドレール3の位置まで上昇させ、開閉駆動装置Dを作動させることにより、先行技術のように衝突音を発生したり、ガイドレールに衝撃を与えることなく円滑に防音ドア2,2を開扉又は閉鎖させることができる。
【0030】
そして防音ドア2,2を開閉駆動装置Dにより閉鎖させてから、昇降装置Cにより昇降用ガイドレール3’,3’を降下させると、防音ドア2,2は走行ローラ014,14,14,14を介してパッキン30を設けた筒状部1の上縁に圧接され、良好な気密性を与えることができる。
【0031】
この気密性は、昇降装置Cにおける油圧シリンダー15の縮小量と、コイルバネ28の弾発力によって決まると共に、前記コイルバネ28のクッション作用により、昇降装置Cの各部に支障を来たすことを防止する効果がある。
【0032】
次に実施例における開閉駆動装置Dについて説明する。
図1は防音ドア2,2を閉鎖させた時の状態を、また
図3は防音ドア2,2を開扉させた時の状態を示すもので、開閉駆動装置Dの構造は、各防音ドア2,2の外側に、下方に連結ピン31を突設した突出部材32を各設け、前記連結ピン31を防音ドア2,2の接合線33と平行な長孔34に係合させたL状連結片35と、枠体を構成するガイドレール3,3とを平行リンク36,36で連結し、平行リンク36の一つとガイドレール3に開閉用油圧シリンダー37の両端をそれぞれ枢着して成るものである。
【0033】
従って、各開閉用油圧シリンダー37,37を作動させると、各平行リンク36,36とL状連結片35と連結ピン31及び突出部材32をそれぞれ介して防音ドア2,2は開閉される。
【0034】
この構造によると、開閉用シリンダー37,37は先行技術のような構造とする場合よりも短いもので済み、しかも平行リンク機構は防音ドア2,2の下方の開閉に邪魔にならない空間に設けることができるので、左右に張出す長さを短くすることができ、従って、装置全体を小型化することができるという効果がある。
【0035】
次に、本発明の特徴の一つであるワイヤロープ挿通孔規正装置Eと、ワイヤロープ揺れ止装置Fについて説明する。
【0036】
ワイヤロープ挿通孔規正装置Eとワイヤロープ揺れ止装置Fは防音ドア2,2のワイヤロープ挿通孔38上に2分して取付けられ、その構造の詳細は
図6〜
図8に示す通りのものである。
【0037】
図6は 本発明実施例におけるワイヤロープ挿通孔規正装置Eとワイヤロープ揺れ止装置Fの拡大正面図で、ワイヤロープ挿通孔規正装置Eとワイヤロープ揺れ止装置Fは上下2段に設けられている。
【0038】
下段に設けたワイヤロープ挿通孔規正装置Eは、ワイヤロープ挿通孔38側を開口させた鉄製の筒状部39内に、3分割されたナイロン等の合成樹脂製の挿通孔規正用摺動子401,402,403が収納され、調節ネジ411,412,413を回動させることによりワイヤロープの挿通孔方向にそれぞれ押し出すことが出来るように構成されている。42は調節ネジのロックナットである。
【0039】
なお、真中の挿通孔規正用摺動子402には挿通孔規正用の半円状の縦溝43が設けてあり、また筒状部39と接する底面と側面には防音ドア開閉時に挿通孔規正用摺動子が飛び出すことがないようにマグネットシート(図示せず)が接着剤等で取付けられている。
【0040】
また上段に設けたワイヤロープ揺れ止装置Fは、溝付ローラーを向かい合わせに支持筐体45,45に設けたもので、ワイヤロープ46の揺れを抑制して、ワイヤロープ46の揺れに基因するワイヤロープ挿通孔38の拡大化を防ぎ、またワイヤロープ挿通孔を規正する挿通孔規正用摺動子402,402の縦溝43,43が磨耗した場合は、調節ネジ412,412を回動してワイヤロープ挿通孔方向に移動させて、ワイヤロープ挿通孔の口径を略一定に維持することが出来るので、消音効果が劣化する従来の消音ドームよりも消音機能の高い消音ドームとすることができる。図中47はカバーである。
【0041】
ここでは、
走行ローラ14を介して防音ドア2とガイドレールとを係合させたが、走行ローラ14を設けずに防音ドア2の側縁部を直接、ガイドレールに係合させるようにすることもできる。なお、図中39は消音マフラーで、
図1に示すように筒状部1の外側上下2箇所に設けられている。