【実施例】
【0073】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の試験はいずれも室温(19℃以上25℃以下)で行った。また、下記表中において、「wt%」は質量%を、「vоl%」は体積%をそれぞれ示す。
【0074】
[実施例1] 第1のタンパク質抽出剤による抽出−1
本発明の第1のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、抽出対象液から抽出対象物(タンパク質)を抽出した。
【0075】
1.抽出対象液の構成
豆乳(株式会社紀文食品製、豆乳中にはタンパク質(不溶性)が含まれる) 1ml
リン酸バッファ(SIGMA社製、商品名「Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline」) 9ml
上記を試験管内で混合及び撹拌した後、得られた溶液にクマシーブリリアントブルーG250を加え、タンパク質を青色に着色し、抽出対象液を得た。
【0076】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
イソステアリルアルコール(高級アルコール工業株式会社、商品名「イソステアリルアルコール EX」、第1の高級アルコールに相当する) 2ml
オレイン酸(東京化成工業株式会社、商品名「Oleic Acid」、脂肪酸に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第1のタンパク質抽出剤を調製した。
【0077】
3.第1の抽出工程
抽出対象液(6ml)に第1のタンパク質抽出剤(4ml)を添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した。なお、以下、溶液の撹拌は試験管を約20秒間、上下倒立させることで行った。
【0078】
4.結果
第1の抽出工程の前後の結果を
図1(A)に示す。
図1(A)の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図1(A)の右側は、第1の抽出工程後の試験管内の様子である。
図1(A)の右側に示される通り、溶液が2層にはっきりと分離しており、タンパク質が上層に抽出されていることがわかる。なお、下層の液体はほぼ透明だった。
【0079】
図1(B)は、
図1(A)の右側の試験管中の上層における液体(以下、「実施例1の上層の液体」ともいう)を光学顕微鏡(400倍)で観察した結果である。
図1(B)に示される通り、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在する。
【0080】
[実施例2] 第2のタンパク質抽出剤抽出−1
本発明の第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、実施例1の上層の液体からタンパク質をさらに抽出した。
【0081】
1.第2のタンパク質抽出剤の調製
オクチルドデカノール(高級アルコール工業株式会社、商品名「リソノール 20SP」、第2の高級アルコールに相当する) 2ml
リモネン(東京化成工業、商品名「(+)−リモネン」、炭化水素に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第2のタンパク質抽出剤を調製した。
【0082】
2.第2の抽出工程
実施例1の上層の液体に第2のタンパク質抽出剤を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0083】
3.結果
第2の抽出工程の前後の結果を
図2(A)に示す。
図2(A)の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図2(A)の右側は、第2の抽出工程後の試験管内の様子である。
図2(A)の右側に示される通り、溶液が2層にはっきりと分離しており、タンパク質が下層に抽出されていることがわかる。
【0084】
図2(B)は、
図2(A)の右側の試験管中の下層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察した結果である。
図2(B)に示される通り、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在する。
【0085】
[実施例3] 第1のタンパク質抽出剤による抽出−2
本発明の第1のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、抽出対象液から抽出対象物(タンパク質)を抽出した。
【0086】
1.抽出対象液の構成
実施例1の抽出対象液と同様である。
【0087】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
イソステアリルアルコール(高級アルコール工業株式会社、商品名「イソステアリルアルコール EX」、第1の高級アルコールに相当する) 2ml
イソステアリン酸(高級アルコール工業株式会社、商品名「イソステアリン酸 EX」、脂肪酸に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第1のタンパク質抽出剤を調製した。
【0088】
3.第1の抽出工程
実施例1と同様である。
【0089】
4.結果
第1の抽出工程の前後の結果を
図3に示す。
図3の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図3の右側は、第1の抽出工程後の試験管内の様子である。
図3の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が上層に抽出されていることがわかる。なお、下層の液体はほぼ透明だった。
【0090】
図3の右側の試験管中の上層における液体(以下、「実施例3の上層の液体」ともいう)を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0091】
[実施例4] 第2のタンパク質抽出剤による抽出−2
本発明の第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、実施例3の上層の液体からタンパク質をさらに抽出した。
【0092】
1.第2のタンパク質抽出剤の調製
実施例2と同様である。
【0093】
2.第2の抽出工程
実施例3の上層の液体に第2のタンパク質抽出剤を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0094】
3.結果
第2の抽出工程の前後の結果を
図4に示す。
図4の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図4の右側は、第2の抽出工程後の試験管内の様子である。
図4の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が下層に抽出されていることがわかる。
【0095】
図4の右側の試験管中の下層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0096】
[実施例5] 第1のタンパク質抽出剤による抽出−3
本発明の第1のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、抽出対象液から抽出対象物(タンパク質)を抽出した。
【0097】
1.抽出対象液の構成
実施例1の抽出対象液と同様である。
【0098】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
オレイルアルコール(東京化成工業株式会社、商品名「Oleyl Alcohol」、第1の高級アルコールに相当する) 2ml
イソステアリン酸(高級アルコール工業株式会社、商品名「イソステアリン酸 EX」、脂肪酸に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第1のタンパク質抽出剤を調製した。
【0099】
3.第1の抽出工程
実施例1と同様である。
【0100】
4.結果
第1の抽出工程の前後の結果を
図5に示す。
図5の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図5の右側は、第1の抽出工程後の試験管内の様子である。
図5の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が上層に抽出されていることがわかる。なお、下層の液体はほぼ透明だった。
【0101】
図5の右側の試験管中の上層における液体(以下、「実施例5の上層の液体」ともいう)を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0102】
[実施例6] 第2のタンパク質抽出剤による抽出−3
本発明の第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、実施例5の上層の液体からタンパク質をさらに抽出した。
【0103】
1.第2のタンパク質抽出剤の調製
オクチルドデカノール(高級アルコール工業株式会社、商品名「リソノール 20SP」、第2の高級アルコールに相当する) 2ml
スクアレン(和光純薬工業、商品名「Squalene」、炭化水素に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第2のタンパク質抽出剤を調製した。
【0104】
2.第2の抽出工程
実施例5の上層の液体に第2のタンパク質抽出剤を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0105】
3.結果
第2の抽出工程の前後の結果を
図6に示す。
図6の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図6の右側は、第2の抽出工程後の試験管内の様子である。
図6の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が下層に抽出されていることがわかる。
【0106】
図6の右側の試験管中の下層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0107】
[実施例7] 第2のタンパク質抽出剤による抽出−4
本発明の第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、実施例1の上層の液体からタンパク質をさらに抽出した。
【0108】
1.第2のタンパク質抽出剤の調製
オクチルドデカノール(高級アルコール工業株式会社、商品名「リソノール 20SP」、第2の高級アルコールに相当する) 2ml
スクアレン(和光純薬工業、商品名「Squalene」、炭化水素に相当する) 2ml
【0109】
2.第2の抽出工程
実施例1の上層の液体に第2のタンパク質抽出剤を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0110】
3.結果
第2の抽出工程の前後の結果を
図7に示す。
図7の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図7の右側は、第2の抽出工程後の試験管内の様子である。
図7の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が下層に抽出されていることがわかる。
【0111】
図7の右側の試験管中の下層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0112】
[実施例8] 第2のタンパク質抽出剤による抽出−5
本発明の第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、実施例1の上層の液体からタンパク質をさらに抽出した。
【0113】
1.第2のタンパク質抽出剤の調製
オクチルドデカノール(高級アルコール工業株式会社、商品名「リソノール 20SP」、第2の高級アルコールに相当する) 2ml
流動パラフィン(和光純薬工業、商品名「流動パラフィン」、炭化水素に相当する) 2ml
【0114】
2.第2の抽出工程
実施例1の上層の液体に第2のタンパク質抽出剤を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0115】
3.結果
第2の抽出工程の前後の結果を
図8に示す。
図8の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図8の右側は、第2の抽出工程後の試験管内の様子である。
図8の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が下層に抽出されていることがわかる。
【0116】
図8の右側の試験管中の下層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0117】
[実施例9] 第1のタンパク質抽出剤による抽出−4
本発明の第1のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、抽出対象液から抽出対象物(タンパク質)を抽出した。
【0118】
1.抽出対象液の構成
実施例1の抽出対象液と同様である。
【0119】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
オレイルアルコール(東京化成工業株式会社、商品名「Oleyl Alcohol」、第1の高級アルコールに相当する) 2ml
オレイン酸(東京化成工業株式会社、商品名「Oleic Acid」、脂肪酸に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第1のタンパク質抽出剤を調製した。
【0120】
3.第1の抽出工程
実施例1と同様である。
【0121】
4.結果
第1の抽出工程の前後の結果を
図9に示す。
図9の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図9の右側は、第1の抽出工程後の試験管内の様子である。
図9の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が上層に抽出されていることがわかる。なお、下層の液体はほぼ透明だった。
【0122】
図9の右側の試験管中の上層における液体(以下、「実施例9の上層の液体」ともいう)を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0123】
[実施例10] 第2のタンパク質抽出剤による抽出−6
本発明の第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、実施例9の上層の液体からタンパク質をさらに抽出した。
【0124】
1.第2のタンパク質抽出剤の調製
オクチルドデカノール(高級アルコール工業株式会社、商品名「リソノール 20SP」、第2の高級アルコールに相当する) 2ml
スクアラン(和光純薬工業、商品名「スクアラン」、炭化水素に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第2のタンパク質抽出剤を調製した。
【0125】
2.第2の抽出工程
実施例9の上層の液体に第2のタンパク質抽出剤を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0126】
3.結果
第2の抽出工程の前後の結果を
図10に示す。
図10の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図10の右側は、第2の抽出工程後の試験管内の様子である。
図10の右側に示される通り、溶液が2層に分離しており、タンパク質が下層に抽出されていることがわかる。
【0127】
図10の右側の試験管中の下層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察したところ、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在していた。
【0128】
[実施例11] 第1のタンパク質抽出剤による抽出−5
本発明の第1のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、抽出対象液から抽出対象物(タンパク質)を抽出した。
【0129】
1.抽出対象液の構成
卵白(タンパク質(水溶性)に相当する) 1ml
リン酸バッファ(SIGMA社製、商品名「Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline」) 10ml
上記を試験管内で混合及び撹拌した後、得られた溶液にクマシーブリリアントブルーG250を加え、タンパク質を青色に着色し、抽出対象液を得た。
【0130】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
下記の2種類の抽出剤を調製した。
(第1のタンパク質抽出剤−1)
イソステアリルアルコール(高級アルコール工業株式会社、商品名「イソステアリルアルコール EX」、第1の高級アルコールに相当する) 2ml
オレイン酸(東京化成工業株式会社、商品名「Oleic Acid」、脂肪酸に相当する) 2ml
(第1のタンパク質抽出剤−2)
オレイルアルコール(東京化成工業株式会社、商品名「Oleyl Alcohol」、第1の高級アルコールに相当する) 2ml
オレイン酸(東京化成工業株式会社、商品名「Oleic Acid」、脂肪酸に相当する) 2ml
上記を試験管内で混合及び撹拌して第1のタンパク質抽出剤を調製した。
【0131】
3.第1の抽出工程
抽出対象液(6ml)に2種類のうちいずれかの第1のタンパク質抽出剤(4ml)を添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した。
【0132】
4.結果
第1の抽出工程の前後の結果を
図11(A)に示す。
図11(A)の左側は、第1のタンパク質抽出剤を添加していない(つまり第1の抽出工程前の)抽出対象液を含む試験管内の様子である。
図11(A)の中央([第1のタンパク質抽出剤−1]を使用した結果)及び右側([第1のタンパク質抽出剤−2]を使用した結果)は、第1の抽出工程後の試験管内の様子である。
図11(A)の中央及び右側に示される通り、溶液が2層にはっきりと分離しており、タンパク質が上層に抽出されていることがわかる。なお、下層の液体は、いずれもほぼ透明だった。
【0133】
図11(B)は、
図11(A)の右側の試験管中の上層における液体を光学顕微鏡(400倍)で観察した結果である。
図11(B)に示される通り、タンパク質は液滴の内部に取り込まれず、連続層に存在する。
【0134】
[実施例のまとめ]
上記の実施例の結果をまとめ、表1及び2に示した。なお、表中の「結果」における記号の意味は下記の通りである。
◎:タンパク質が非常に良好に分離された
○:タンパク質が良好に分離された
△:タンパク質が分離された
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
上記の通り、本発明のタンパク質抽出剤によれば、タンパク質が良好に分離されることがわかる。特に、第1のタンパク質抽出剤中の第1の高級アルコール及び脂肪酸として、イソステアリルアルコール又はオレイルアルコールと、オレイン酸とを組み合わせるとタンパク質が良好に分離された。さらに、第2のタンパク質抽出剤中の第2の高級アルコール及び炭化水素として、オクチルドデカノールとリモネンとを組み合わせるとタンパク質がさらに良好に分離された。
【0138】
[実施例12] 第1のタンパク質抽出剤又は第2のタンパク質抽出剤による抽出−1
本発明の第1のタンパク質抽出剤又は第2のタンパク質抽出剤を使用して、以下の通り、抽出対象液から抽出対象物(タンパク質)を抽出した。
【0139】
1.抽出対象液の構成
卵白0.5mlをリン酸バッファ5ml中に溶かし、抽出対象液を得た。
【0140】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
(第1のタンパク質抽出剤A)
第1のタンパク質抽出剤(オレイン酸:オレイルアルコール=2:1(体積比)) 9ml
リン酸バッファ 0.5ml
グルタミン酸 0.1g
(第1のタンパク質抽出剤B)
第1のタンパク質抽出剤(イソステアリン酸:イソステアリルアルコール=2:1(体積比)) 9ml
リン酸バッファ 0.5ml
アスパラギン酸 0.1g
上記を試験管内で混合及び撹拌して第1のタンパク質抽出剤A又はBを調製した。
【0141】
3.第2のタンパク質抽出剤の調製
(第2のタンパク質抽出剤A)
第2のタンパク質抽出剤(スクワラン:オクチルドデカノール=2:1(体積比)) 9ml
リン酸バッファ 0.5ml
グルタミン酸 0.1g
(第2のタンパク質抽出剤B)
第2のタンパク質抽出剤(流動パラフィン:オクチルドデカノール=2:1(体積比)) 9ml
リン酸バッファ 0.5ml
アスパラギン酸 0.1g
上記を試験管内で混合及び撹拌して第2のタンパク質抽出剤A又はBを調製した。
【0142】
4.抽出工程
抽出対象液(5.5ml)に、第1のタンパク質抽出剤のいずれか1種(各3ml)を添加して第1の抽出工程を行った。また、第1のタンパク質抽出剤Aを用いて行った第1の抽出工程によって得られた上層の液体(3ml)に第2のタンパク質抽出剤のいずれか1種(各3ml)を添加して第2の抽出工程を行った。
【0143】
5.結果
第1のタンパク質抽出剤による抽出工程後の結果を
図12に示す。
図12の左側は、グルタミン酸を含まない第1のタンパク質抽出剤(第1のタンパク質抽出剤(オレイン酸:オレイルアルコール=2:1(体積比)) 9ml、リン酸バッファ 0.5mlからなる抽出剤である。)を使用した結果であり、右側が第1のタンパク質抽出剤Aを使用した結果である。グルタミン酸を含まない第1のタンパク質抽出剤よりも、第1のタンパク質抽出剤Aによるタンパク質抽出効果が高かった。
【0144】
第1のタンパク質抽出剤Aと第1のタンパク質抽出剤Bとを比較すると、第1のタンパク質抽出剤Aによるタンパク質抽出効果の方が高かった。
【0145】
グルタミン酸を含まない第2のタンパク質抽出剤(第2のタンパク質抽出剤(スクワラン:オクチルドデカノール=2:1(体積比)) 9ml、リン酸バッファ 0.5mlからなる抽出剤である。)よりも、第2のタンパク質抽出剤Aによるタンパク質抽出効果が高かった。
【0146】
第2のタンパク質抽出剤Aと第2のタンパク質抽出剤Bとを比較すると、第2のタンパク質抽出剤Aによるタンパク質抽出効果の方が高かった。
【0147】
図13は、第1のタンパク質抽出剤Aによる抽出工程後の上層における液体(
図12の右側の試験管中の上層における液体)を光学顕微鏡(400倍)で観察した結果である。
図13に示される通り、グルタミン酸の存在下では、タンパク質の凝集が抑制されている。
【0148】
以上の結果から、グルタミン酸が抽出剤に含まれると、タンパク質の凝集を抑制しつつ、より高いタンパク質抽出効果が得られるものと推察された。
【0149】
[実施例13] 第1のタンパク質抽出剤又は第2のタンパク質抽出剤による抽出−2
実施例12において調製した第1のタンパク質抽出剤A及びB、第2のタンパク質抽出剤A及びB、並びに市販の石けんを使用し、角栓のある皮膚に対する洗浄効果を比較した。
その結果、石けんと比較して、本発明のタンパク質抽出剤はいずれも高い洗浄効果を示した。そのなかでも、第1のタンパク質抽出剤Aによる洗浄効果が最も高く、次いで、第1のタンパク質抽出剤Bによる洗浄効果が高かった。
第1のタンパク質抽出剤と第2のタンパク質抽出剤とを併せて使用する場合、第1のタンパク質抽出剤Aを用いてマッサージし、その後第2のタンパク質抽出剤Aを用いてマッサージする組み合わせが、他の組み合わせより洗浄力が高かった。
したがって、本発明のタンパク質抽出剤は、クレンジング剤として好ましく使用できる。上記のタンパク質抽出剤の洗浄効果は、グルタミン酸やアスパラギン酸等の、タンパク質の凝集抑制剤の作用によって、タンパク質が抽出剤中に分散しやすくなり、タンパク質凝集体の生成や、該凝集体の洗浄部位への付着を抑制できたことによるものと推察された。
【0150】
[実施例14] 第1の高級アルコール及び第2の高級アルコールの作用
本発明に係るタンパク質抽出剤の抽出工程のメカニズムを探るため、第1のタンパク質抽出剤における第1の高級アルコールの作用を確認した。また、第2のタンパク質抽出剤における第2の高級アルコールの作用を確認した。
【0151】
1.抽出対象液の構成
豆乳(株式会社紀文食品製、豆乳中にはタンパク質(不溶性)が含まれる) 0.5ml
リン酸バッファ(SIGMA社製、商品名「Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline」) 4.5ml
上記を試験管内で混合及び撹拌した後、得られた溶液にクマシーブリリアントブルーG250を加え、タンパク質を青色に着色し、抽出対象液を得た。
【0152】
2.高級アルコール
下記の高級アルコールとしては、上記実施例に記載のものを用いた。
(第1の高級アルコール)
第1の高級アルコールとしては、オレイルアルコールを用いた。
(第2の高級アルコール)
第2の高級アルコールとしては、オクチルドデカノールを用いた。
【0153】
3.高級アルコールの添加混合
抽出対象液(1ml)に、第1の高級アルコール(1ml)を添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した(試料14−1)。その後、さらに第2の高級アルコール(1ml)を添加し、溶液を撹拌し、20分間静置した(試料14−2)。
得られた、各溶液(試料14−1、試料14−2)を光学顕微鏡(400倍)で観察した。また、抽出対象液(対照)も、同様にして観察した。
【0154】
4.結果1
高級アルコールを添加混合した後の結果を
図14に示す。
図14(B)は、抽出対象液に第1の高級アルコール(オレイルアルコール)を作用させた後の溶液を撮影した結果である(試料14−1)。試料14−1のタンパク質は、連続層に存在していることが示された。一方、
図14(A)は、抽出対象液のみを撮影した結果である(対照)。当該対照におけるタンパク質は、固形分のままであった。
以上の結果から、本発明に係る第1のタンパク質抽出剤を用いた抽出工程においては、次のメカニズムが推察された。即ち、第1の高級アルコールの作用によって溶媒中に遊離したタンパク質は、第1のタンパク質抽出剤に含まれていた脂肪酸に引き寄せられて、上層(脂肪酸を含む層)に抽出されるものと推察された。
【0155】
5.結果2
また、
図14(C)は、第1の高級アルコール(オレイルアルコール)を作用させた後の溶液に、さらに第2の高級アルコール(オクチルドデカノール)を作用させた後の溶液を撮影した結果である(試料14−2)。試料14−2のタンパク質は、試料14−1よりもさらに細かな状態で、連続層に存在していることが示された。
以上の結果から、本発明に係る第2のタンパク質抽出剤を用いた抽出工程においては、次のメカニズムが推察された。即ち、第1の高級アルコール添加後に、さらに第2の高級アルコールの作用によってさらに細かくなったタンパク質(極性分子)は、第2のタンパク質抽出剤に含まれていた炭化水素(無極性分子)と反発し合い、下層(炭化水素等を含まない層)に抽出されるものと推察された。
【0156】
[実施例15] 液状化粧品
第1のタンパク質抽出剤を「界面活性剤を含む液状化粧品」(実際の化粧品に準じた態様)にした場合において、タンパク質抽出作用が発揮されるかを確認した。
【0157】
1.抽出対象液の構成
実施例14の抽出対象液と同様である。
【0158】
2.液状化粧品の調製
表3〜6に記載の組成となるように、各化合物を試験管内で混合及び撹拌して液状化粧品を調製した。なお、液状化粧品の調製に用いた高級アルコール、脂肪酸、及び炭化水素としては、上記実施例に記載のものを用いた。
ここで、表3(試料15−1〜試料15−4)は、第1の高級アルコールとしてオレイルアルコール、脂肪酸としてオレイン酸を使用した例である。また、表4(試料15−5〜試料15−8)は、第1の高級アルコールとしてイソステアリルアルコール、脂肪酸としてオレイン酸を使用した例である。また、表5(試料15−9〜試料15−12)は、第1の高級アルコールとしてオレイルアルコール、脂肪酸としてイソステアリン酸を使用した例である。また、表6(試料15−13〜試料15−16)は、第1の高級アルコールとしてイソステアリルアルコール、脂肪酸としてイソステアリン酸を使用した例である。
また、親水性の性質が強い界面活性剤としては、Tween80(東京化成工業株式会社製、Polyoxethylene Sorbitan Monooleate)を用いた。また、疎水性の性質が強い界面活性剤としては、Span80(東京化成工業株式会社製、Sobitan Monooleate)を用いた。また、エタノールとしては、和光純薬製のものを用いた。
【0159】
3.抽出工程
抽出対象液(5ml)に、表3〜6に記載の液状化粧品(試料15−1〜試料15−16)のいずれか1種(各5ml)を添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した。結果を表3〜6に示した。
【0160】
【表3】
【0161】
【表4】
【0162】
【表5】
【0163】
【表6】
【0164】
4.結果
上記の通り、第1のタンパク質抽出剤を、実際の液状化粧品の組成に準じた(界面活性剤を含む溶液)とした場合においても、抽出対象液からのタンパク質の抽出が可能であることが示された。
具体的には、親水性の性質が強い界面活性剤(Tween80)又は疎水性の性質が強い界面活性剤(Span80)のいずれの界面活性剤を液状化粧品の組成成分として含有させた場合であっても、タンパク質抽出作用は、問題なく発揮されることが示された。特に、疎水性の性質が強い界面活性剤(Span80)は、タンパク質の抽出作用に影響を与えにくい界面活性剤であることが示された。
また、エタノール及び流動パラフィン存在下であっても、第1のタンパク質抽出作用は問題なく発揮されることが示された。
また、第1のタンパク質抽出作用は、第1の高級アルコールとしてオレイルアルコール又はイソステアリルアルコールを用い、脂肪酸としてオレイン酸又はイソステアリン酸を用いて液状化粧品を調製した場合、いずれの組み合わせ(表3〜6)であってもタンパク質抽出効果が発揮されることが示された。
【0165】
[実施例16] 液状化粧品
第2のタンパク質抽出剤を「界面活性剤を含む液状化粧品」(実際の化粧品に準じた態様)にした場合において、タンパク質抽出作用が発揮されるかを確認した。
1.抽出対象液の構成
実施例14の抽出対象液と同様である。
【0166】
2.第1のタンパク質抽出剤の調製
下記の4種類の抽出剤を調製した。なお、抽出剤の調製に用いた各化合物としては、上記実施例に記載のものを用いた。
(第1のタンパク質抽出剤−i )
オレイン酸 2ml
オレイルアルコール 1ml
(第1のタンパク質抽出剤−ii)
オレイン酸 2ml
イソステアリルアルコール 1ml
(第1のタンパク質抽出剤−iii)
イソステアリン酸 2ml
オレイルアルコール 1ml
(第1のタンパク質抽出剤−iv)
イソステアリン酸 2ml
イソステアリルアルコール 1ml
【0167】
3.第1の抽出工程
抽出対象液(3ml)に、第1のタンパク質抽出剤のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した。
【0168】
4.液状化粧品の調製
表7〜10に記載の組成となるように、各化合物を試験管内で混合及び撹拌して液状化粧品を調製した。なお、液状化粧品の調製に用いた高級アルコール、脂肪酸、炭化水素、エタノール、及び界面活性剤としては、上記実施例に記載のものを用いた。
【0169】
5.抽出工程
(表7)
「第1のタンパク質抽出剤−i」(オレイン酸2ml、オレイルアルコール1ml)を使用した第1の抽出工程で得られた溶液の上層の液体(3ml)に、表7に記載の液状化粧品(試料16−1〜試料16−4)のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0170】
【表7】
【0171】
(表8)
また、「第1のタンパク質抽出剤−ii」(オレイン酸2ml、イソステアリルアルコール1ml)を使用した第1の抽出工程で得られた溶液の上層の液体(3ml)に、表8に記載の液状化粧品(試料16−5〜試料16−8)のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0172】
【表8】
【0173】
(表9)
また、「第1のタンパク質抽出剤−iii」(イソステアリン酸2ml、オレイルアルコール1ml)を使用した第1の抽出工程で得られた溶液の上層の液体(3ml)に、表9に記載の液状化粧品(試料16−9〜試料16−12)のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0174】
【表9】
【0175】
(表10)
また、「第1のタンパク質抽出剤−iv」(イソステアリン酸2ml、イソステアリルアルコール1ml)を使用した第1の抽出工程で得られた溶液の上層の液体(3ml)に、表10に記載の液状化粧品(試料16−13〜試料16−16)のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0176】
【表10】
【0177】
4.結果
上記の通り、第2のタンパク質抽出剤を、実際の液状化粧品の組成に準じた溶液(界面活性剤を含む溶液)とした場合においても、抽出対象液からのタンパク質の抽出が可能であることが示された。
具体的には、親水性の性質が強い界面活性剤(Tween80)又は疎水性の性質が強い界面活性剤(Span80)のいずれの界面活性剤を液状化粧品に配合した場合であっても、タンパク質抽出作用は問題なく発揮されることが示された。特に、疎水性の性質が強い界面活性剤(Span80)は、タンパク質の抽出作用に影響を与えにくい界面活性剤であることが示された。
また、エタノール存在下であっても、第2のタンパク質抽出作用は問題なく発揮されることが示された。
【0178】
[実施例17] 液状化粧品
第1のタンパク質抽出剤を「2以上の不飽和結合を有する脂肪酸を含む液状化粧品」(実際の化粧品に準じた一態様)にした場合において、タンパク質抽出作用が発揮されるかを確認した。
【0179】
1.抽出対象液の構成
実施例14の抽出対象液と同様である。
【0180】
2.液状化粧品の調製
表11に記載の組成となるように、各化合物を試験管内で混合及び撹拌して液状化粧品を調製した。なお、液状化粧品の調製に用いた高級アルコール、脂肪酸、炭化水素、エタノール、及び界面活性剤としては、上記実施例に記載のものを用いた。
なお、不飽和結合を2つ有する脂肪酸としては、リノール酸(和光純薬工業株式会社製)を用いた。
【0181】
3.抽出工程
抽出対象液(3ml)に、表11に記載の液状化粧品(試料17−1〜試料17−8)のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した。結果を表11に示した。
【0182】
【表11】
【0183】
4.結果
上記の通り、第1のタンパク質抽出剤を、2以上の不飽和結合を有する脂肪酸を含む液状化粧品(リノール酸を含む溶液)とした場合においても、抽出対象液からのタンパク質の抽出が可能であることが示された。
また、界面活性剤の配合量としては、疎水性の性質が強い界面活性剤(Span80)と親水性の性質が強い界面活性剤(Tween80)を合わせて合計8体積%とした場合であっても、タンパク質抽出が可能であることが示された(試料17−5〜試料17−8)。
【0184】
[実施例18] 液状化粧品
第2のタンパク質抽出剤を「2以上の不飽和結合を有する脂肪酸を含む液状化粧品」(実際の化粧品に準じた一態様)にした場合において、タンパク質抽出作用が発揮されるかを確認した。
【0185】
1.液状化粧品の調製
表12に記載の組成となるように、各化合物を試験管内で混合及び撹拌して液状化粧品を調製した。なお、液状化粧品の調製に用いた高級アルコール、脂肪酸、炭化水素、エタノール、及び界面活性剤としては、上記実施例に記載のものを用いた。
【0186】
2.抽出工程
実施例17における試料17−4(第1のタンパク質抽出工程後の溶液)を使用した第1の抽出工程で得られた溶液の上層の液体(3ml)に、表12に記載の液状化粧品(試料18−1〜試料18−8)のいずれか1種(各3ml)を添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0187】
【表12】
【0188】
3.結果
上記の通り、第2のタンパク質抽出剤を、2以上の不飽和結合を有する脂肪酸を含む液状化粧品(リノール酸を含む溶液)とした場合においても、抽出対象液からのタンパク質の抽出が可能であることが示された。
また、界面活性剤の配合量としては、疎水性の性質が強い界面活性剤(Span80)と親水性の性質が強い界面活性剤(Tween80)を合わせて合計8体積%とした場合であっても、タンパク質抽出が可能であることが示された(試料18−5〜試料18−8)。
【0189】
[実施例19] 液状化粧品
第1のタンパク質抽出剤を「脂肪酸及び高級アルコールを様々な濃度で含む液状化粧品」(実際の化粧品に準じた一態様)にした場合において、タンパク質抽出作用が発揮されるかを確認した。
【0190】
1.抽出対象液の構成
豆乳(株式会社紀文食品製、豆乳中にはタンパク質(不溶性)が含まれる) 1ml
リン酸バッファ(SIGMA社製、商品名「Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline」) 9ml
上記を試験管内で混合及び撹拌した後、得られた溶液にクマシーブリリアントブルーG250を加え、タンパク質を青色に着色し、抽出対象液を得た。
【0191】
2.液状化粧品の調製
表13に記載の組成となるように、各化合物を試験管内で混合及び撹拌して液状化粧品を調製した。なお、液状化粧品の調製に用いた高級アルコール、脂肪酸、炭化水素、及び界面活性剤としては、上記実施例に記載のものを用いた。
【0192】
3.抽出工程
抽出対象液(10ml)を、表13に記載の液状化粧品(試料19−1〜試料19−8)のいずれか1種(各5ml)に添加した後、溶液を撹拌し、20分間静置した。結果を表13に示した。
【0193】
【表13】
【0194】
4.結果
上記の通り、液状化粧品は、全量に対して3体積%以上99体積%以下の炭素骨格中に1つの不飽和結合を有する脂肪酸又は飽和脂肪酸である炭素数18の脂肪酸と、脂肪酸に対して1体積%以上200体積%以下の第1の高級アルコールと、全量に対して0〜10体積%の界面活性剤と、を含む構成とした場合であっても、タンパク質抽出が可能であることが示された。
【0195】
[実施例20] 液状化粧品
第2のタンパク質抽出剤を「脂肪酸及び高級アルコールを様々な濃度で含む液状化粧品」(実際の化粧品に準じた一態様)にした場合において、タンパク質抽出作用が発揮されるかを確認した。
【0196】
1.液状化粧品の調製
表14に記載の組成となるように、各化合物を試験管内で混合及び撹拌して液状化粧品を調製した。なお、液状化粧品の調製に用いた高級アルコール、脂肪酸、炭化水素、リン酸バッファ、及び界面活性剤としては、上記実施例に記載のものを用いた。
【0197】
2.抽出工程
実施例19における試料19−4(第1のタンパク質抽出工程後の溶液)を使用した第1の抽出工程で得られた溶液の上層の液体(5ml)を、表14に記載の液状化粧品(試料20−1〜試料20−8)のいずれか1種(各5ml)に添加した後、溶液を撹拌し、1時間静置した。
【0198】
【表14】
【0199】
3.結果
上記の通り、液状化粧品は、全量に対して3体積%以上99体積%以下の25℃にて液体である炭化水素と、炭化水素に対して1体積%以上200体積%以下の炭素数20の第2の高級アルコールと、全量に対して0〜10体積%の界面活性剤と、を含む構成とした場合であっても、タンパク質抽出が可能であることが示された。