【文献】
DAPPRICH JOHANNES,BASE-DEPENDENT PYRENE FLUORESCENCE USED FOR IN-SOLUTION DETECTION OF NUCLEIC ACIDS,JOURNAL OF FLUORESCENCE,PLENUM PUBLISHING CORPORATION,1997年 1月 1日,V7 N1,P87-89
【文献】
The Journal of Organic Chemistry,2000年,Vol.65,p.5355-5359
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Yが、リボースヌクレオチド、2’−デオキシリボースヌクレオチド、2’,3’−ジ−デオキシ−リボースヌクレオチド、一リン酸ヌクレオシド、二リン酸ヌクレオシド、および三リン酸ヌクレオシドからなる群より選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
Yが、プリンヌクレオチドおよびピリミジンヌクレオチドからなる群より選択され、好ましくは、アデニンヌクレオチド、チミジンヌクレオチド、シトシンヌクレオチド、グアニンヌクレオチド、ウリジンヌクレオチド、7−メチル−グアニンヌクレオチド、5−メチル−シトシンヌクレオチド、イノシンヌクレオチド、ヒポキサンチン、キサンチン、7−メチルグアニン、イノシン、キサントシン(xanthinosine)、7−メチルグアノシン、5,6−ジヒドロウラシル、5−メチルシトシン、シュードウリジン、ジヒドロウリジン、および5−メチルシチジン、またはこれらの誘導体からなる群より選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に従う標識ヌクレオチドは、リンカーを介して付着した標識を含み、前記標識ヌクレオチドが、上記で概括された式:
【0011】
【化2】
を有する。しかし、好ましい実施形態は、以下で記載される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、R
1が、リン酸基である。
【0013】
本発明者らは、反復の数(「a」で表される)を増大させることにより、電気泳動図における色素ブロブの減衰が増大することを見出した。しかし、当業者はまた、C
3反復の数を増大させることが、標識ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの費用も増大させることを認識するであろう。よって、本発明の一実施形態では、「a」が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10の群より選択される。本発明者らは、2つの反復の数が、オリゴヌクレオチドおよび増幅産物の安定性に関して良好な特性を付与することを予測外に見出した。よって、本発明の好ましい実施形態では、「a」が、1、2、および3の群より選択され、好ましくは「a」が2である。
【0014】
本発明の一実施形態では、nが1であり、R
2、R
3、およびR
4の各々がH
2であり、R
1がリン酸基であり、「a」が2である。
【0015】
反復の長さは、必要に応じて変化しうる。よって、本発明の一実施形態では、nが0〜16の整数である。しかし、本発明者らは、3の反復の長さが特に良好な特性を示すことを予測外に見出した。よって、本発明の一実施形態では、nが1である。この場合、標識ヌクレオチドは、式:
【0016】
【化3】
を有し、式中、
R
1は、リン酸基および硫酸基からなる群より好ましくは選択される、正味の負電荷を有する残基であり;
R
2、R
3およびR
4は、独立して、H
2、OH
2、およびOからなる群より選択され;
「a」は、1〜10の整数であり;
SPは、存在しないか、またはスペーサーであり;
Xは、前記標識であり;
Yは、ヌクレオチドまたはヌクレオシドである。
【0017】
式1に適用可能な、すなわち、「n」に関する実施形態を除く、本明細書で開示される全ての実施形態はまた、式2にも適用される。しかし、式2の一実施形態では、R
2、R
3、およびR
4の各々がH
2であり、R
1がリン酸基であり、「a」が2である。
【0018】
一実施形態ではXが、フルオロフォア、発色団、放射性同位体、化学発光物質、および酵素からなる標識の群より選択される。好ましい実施形態では、Xが、好ましくは、5−カルボキシフルオレセインまたは6−カルボキシフルオレセイン(FAM(商標))、VIC(商標)、NED(商標)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、IRD−700/800、シアニン色素、例えば、CY3(商標)、CY5(商標)、CY3.5(商標)、CY5.5(商標)、Cy7(商標)、キサンテン、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6−カルボキシ−1,4−ジクロロ−2’,7’−ジクロロ−フルオレセイン(TET(登録商標))、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン(dimethodyfluorescein)(JOE(商標))、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA(商標))、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン、ローダミングリーン、ローダミンレッド、ローダミン110、Rhodamin 6G(登録商標)、BODIPY TMRなどのBODIPY色素、Oregon Green、ウンベリフェロンなどのクマリン(coumarine)、Hoechst 33258などのベンズイミド;フェナントリジン、例えば、Texas Red(登録商標)、California Red(登録商標)、Yakima Yellow、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)500、Alexa Fluor(登録商標)514、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)610、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)700、Alexa Fluor(登録商標)750、PET(登録商標)、臭化エチジウム、アクリジニウム色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン(polymethin)色素、Atto 390、Atto 425、Atto 465、Atto 488、Atto 495、Atto 520、Atto 532、Atto 550、Atto 565、Atto 590、Atto 594、Atto 620、Atto 633、Atto 647N、Atto 655、Atto RhoG6、Atto Rho11、Atto Rho12、Atto Rho101、BMN(商標)−5、BMN(商標)−6、CEQ8000 D2、CEQ8000 D3、CEQ8000 D4、DY−480XL、DY−485XL、DY−495、DY−505、DY−510XL、DY−521XL、DY−521XL、DY−530、DY−547、DY−550、DY−555、DY−610、DY−615、DY−630、DY−631、DY−633、DY−635、DY−647、DY−651、DY−675、DY−676、DY−680、DY−681、DY−700、DY−701、DY−730、DY−731、DY−732、DY−750、DY−751、DY−776、DY−780、DY−781、DY−782、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン(JOE)、TET(商標)、CAL Fluor(登録商標)Gold 540、CAL Fluor RED 590、CAL Fluor Red 610、CAL Fluor Red 635、IRDye(登録商標)700Dx、IRDye(登録商標)800CW、Marina Blue(登録商標)、Pacific Blue(登録商標)、Yakima Yellow(登録商標)、6−(4,7−ジクロロ−2’,7’−ジフェニル−3’,6’−ジピバロイルフルオレセイン−6−カルボキサミド)−ヘキシル−1−O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)−ホスホルアミダイト(SIMA)、CAL Fluor(登録商標) Gold 540、CAL Fluor(登録商標)Orange 560、CAL Fluor Red 635、Quasar 570、Quasar 670、LIZ、Sunnyvale Red、LC Red(登録商標)610、LC Red(登録商標)640、LC Red(登録商標)670、およびLC Red(登録商標)705を含むフルオロフォアの群より選択されるフルオロフォアである。さらに好ましい本発明の実施形態では、Xが、Atto 465、DY−485XL、FAM(商標)、Alexa Fluor(登録商標)488、DY−495、Atto 495、DY−510XL、JOE、TET(商標)、CAL Fluor(登録商標)Gold 540、DY−521XL、Rhodamin 6G(登録商標)、Yakima Yellow(登録商標)、Atto 532、Alexa Fluor(登録商標)532、HEX、SIMA、Atto RhoG6、VIC、CAL Fluor Orange 560、DY−530、TAMRA(商標)、Quasar 570、Cy3(商標)、NED(商標)、DY−550、Atto 550、Alexa Fluor(登録商標)555、PET(登録商標)、CAL Fluor RED 590、ROX、Texas Red(登録商標)、CAL Fluor Red 610、CAL Fluor Red 635、Atto 633、Alexa Fluor(登録商標)633、DY−630、DY−633、DY−631、LIZ、Quasar 670、DY−635、およびCy5(商標)からなるフルオロフォアの群より選択される。さらにまた好ましい実施形態では、Xが、FAM(商標)、DY−510XL、DY−530、およびAtto 550からなるフルオロフォアの群より選択される。さらにまた好ましい本発明の実施形態では、nが1であり、R
2、R
3、およびR
4の各々がH
2であり、R
1がリン酸基であり、aが2であり、Xが、Atto 465、DY−485XL、FAM(商標)、Alexa Fluor(登録商標)488、DY−495、Atto 495、DY−510XL、JOE、TET(商標)、CAL Fluor(登録商標) Gold 540、DY−521XL、Rhodamin 6G(登録商標)、Yakima Yellow(登録商標)、Atto 532、Alexa Fluor(登録商標)532、HEX、SIMA、Atto RhoG6、VIC、CAL Fluor Orange 560、DY−530、TAMRA(商標)、Quasar 570、Cy3(商標)、NED(商標)、DY−550、Atto 550、Alexa Fluor(登録商標)555、PET(登録商標)、CAL Fluor RED 590、ROX、Texas Red(登録商標)、CAL Fluor Red 610、CAL Fluor Red 635、Atto 633、Alexa Fluor(登録商標)633、DY−630、DY−633、DY−631、LIZ、Quasar 670、DY−635、およびCy5(商標)からなるフルオロフォアの群より選択される。なおより好ましい本発明の実施形態では、nが1であり、R
2、R
3、およびR
4の各々がH
2であり、R
1がリン酸基であり、aが2であり、Xが、FAM(商標)、DY−510XL、DY−530、およびAtto 550からなるフルオロフォアの群より選択される。
【0019】
さらに、リンカーは、先行技術から公知であるスペーサー(SP)を含みうる。本発明の文脈では、リンカーを、リン酸基(PO
4)を介して、それぞれ、CR
4またはCR
3に付着する。例えば、本発明に従う標識とリンカーとの間では、C
5スペーサーまたはC
6スペーサーを用いることができ、好ましくは、スペーサーが、分枝状または非分枝状のアミノリンカーである。さらに好ましい実施形態では、スペーサーが、C
2〜C
18スペーサーの群より選択され、好ましくは、スペーサーが、C
3スペーサー〜C
12スペーサーの群に由来する。極めて特殊な実施形態では、スペーサーが、C
5スペーサーまたはC
6スペーサーである。本発明の好ましい実施形態では、nが1であり、R
2、R
3、およびR
4の各々がH
2であり、R
1がリン酸基であり、aが2であり、Xが、FAM(商標)、DY−510XL、DY−530、およびAtto 550からなるフルオロフォアの群より選択され、Xが、好ましくは、C
2〜C
18スペーサーの群に由来し、より好ましくは、C
3スペーサーまたはC
12スペーサーの群に由来し、なおより好ましくは、C
5スペーサーまたはC
6スペーサーであり、好ましくは、C
5アミノリンカーまたはC
6アミノリンカーである、フルオロフォアとリンカーとの間のスペーサーを含む。
【0020】
本発明の文脈におけるアミノリンカーは一般に、1〜30の炭素または(CH2CH2O)
n(n=2〜400)により示されるポリエチレングリコールを有する炭素鎖を指す。アミノリンカーは、分枝状の場合もあり、非分枝状の場合もある。アミノリンカーを用いて、一級アミノ基を、オリゴヌクレオチドの5’端、3’端、環外アミノ基、または修飾2’位へと組み込むことができる。活性アミノ基は、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルの形態にある標識化剤を用いて、オリゴヌクレオチドを標識するのに用いることができる。
【0021】
本発明の文脈における「ヌクレオチド」という用語は、五炭糖(リボースまたは2’−デオキシリボースのいずれか)および1つ〜3つのリン酸基へと連結された核酸塩基(窒素塩基)に関する。核酸塩基と五炭糖とは、ヌクレオシドを形成する。リン酸基は、糖の2’−炭素に結合する場合もあり、3’−炭素に結合する場合もあり、5’−炭素に結合する場合もある。しかし、好ましい実施形態では、リン酸基が、5’−炭素に結合する。別段に条件づけない限り、本発明の文脈におけるヌクレオチドは、糖の5’−炭素においてリン酸基を伴うヌクレオシドを指す。好ましい実施形態では、ヌクレオチドが、一リン酸ヌクレオシド、二リン酸ヌクレオシド、および三リン酸ヌクレオシドの群より選択される。好ましい実施形態では、ヌクレオチドが、プリンヌクレオチドおよびピリミジンヌクレオチドの群より選択され、好ましくは、アデニンヌクレオチド、チミジンヌクレオチド、シトシンヌクレオチド、グアニンヌクレオチド、ウリジンヌクレオチド、およびイノシンヌクレオチドからなる群より選択される。また、ヌクレオチド塩基が、例えば、ヒポキサンチン、キサンチン、7−メチルグアニン、キサントシン(xanthinosine)、7−メチルグアノシン、5,6−ジヒドロウラシル、5−メチルシトシン、シュードウリジン、ジヒドロウリジン、5−メチルシチジンである修飾ヌクレオチド塩基も包含される。本発明にはさらに、上記分子のddNTPも包含される。
【0022】
当業者は、後続の化学反応で用いるため、または保存を目的として、本発明に従うヌクレオチドを保護することが所望でありうることを認識するであろう。よって、本発明の一実施形態では、標識ヌクレオチドが、保護基をさらに含む。当業者には、保護基が公知である。保護基は、例えば、5’−ヒドロキシル基またはアミノ基を保護するための、ジメトキシトリチル、5’−O−(α−メチル−6−ニトロピペロニルオキシカルボニル)、トリフルオロアセチル、モノメトキシトリチル、メトキシメチルエーテル、β−メトキシエトキシメチルエーテル、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル、テトラヒドロピラニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、アセチル、ベンゾイル、イソブチリル、p−メトキシフェニル、トシル;例えば、環外アミノ基を保護するためのベンゾイル、ベンジル、イソブチリル、アセチル、フェノキシアセチル(phenoxyacety)、4−イソプロピルフェノキシアセチル、ジメチルホルムアミド;例えば、リン酸基および亜リン酸基を保護するための2−シアノエチルおよびメチル;例えば、2’−ヒドロキシ基を保護するためのt−ブチルジメチルシリルまたはt−ブチルジメチルシリルオキシメチルからなる群より、例えば、選択することができる。
【0023】
本発明者らは、オリゴヌクレオチドへと組み込まれた、本発明に従う標識ヌクレオチドが、このオリゴヌクレオチドの安定性を結果として増大させることを予測外に見出した。さらに、前記オリゴヌクレオチドを、核酸を増幅するためのプライマーとして用いると、増幅産物の安定性が大幅に増強された。よって、本発明はまた、本発明に従う少なくとも1つの標識ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドにも関する。当業者は、本発明に従う標識ヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドの異なる位置、例えば、オリゴヌクレオチドの5’端または内部位置に配置しうることを認識するであろう。本発明に従うオリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションプローブとして用いる場合、本発明に従う標識ヌクレオチドはまた、オリゴヌクレオチドの3’端にも存在させることができる。しかし、本発明に従うオリゴヌクレオチドの好ましい実施形態では、本発明に従う標識ヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドの5’端に配置する。当業者は、本発明に従うリンカーを、ヌクレオチドの糖の炭素へと付着することもでき、核酸塩基へと付着することもできることを容易に理解するであろう。本発明の一実施形態では、リンカーをヌクレオチドの核酸塩基、好ましくは、核酸塩基の環外アミノ基へと付着する。本発明の好ましい実施形態では、リンカーを、糖の5’−炭素へと付着する。本発明のより好ましい実施形態では、R
1がリン酸基であり、Yがヌクレオシドの炭素のうちの5’−炭素である。
【0024】
本発明のとりわけ好ましい実施形態では、nが1であり、R
2、R
3、およびR
4の各々がH
2であり、R
1がリン酸基であり、「a」が2であり、Xが、FAM(商標)、DY−510XL、DY−530、およびAtto 550からなるフルオロフォアの群より選択され、SPがC
2〜C
18スペーサー、より好ましくは、C
3〜C
12スペーサー、なおより好ましくは、C
5スペーサーまたはC
6スペーサー、さらにより好ましくは、C
6スペーサーであり、Yがヌクレオシドの糖の5’−炭素である。
【0025】
当業者には、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを標識へと連結する方法が公知である。当業者は、例えば、所望のリンカー、すなわち、単一の反復単位、例えば、GlenResearchまたはBerryなど、公知の販売元によるC3リンカーを注文し、それらをヌクレオチドまたはヌクレオシドおよび標識またはスペーサーのそれぞれへと連結することができる。しかし、当業者は、リンカーを生成させる方法についてもさらに承知している。当業者には、例えば、多様な保護基(DMTr、TBDMS、Lev)(例えば、C3−ホスホルアミダイト;(3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピル−1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホルアミダイト)を含有するホスホルアミダイトを生成させ、次いで、これをリンカーとして用いる方法が公知である(例えば、Su Jeong Kimら「Synthesis of Novel Phosphoramidite Building Blocks from Pentaerythritol」、Synlett、2003年、12号;DOI:10.1055/s−2003−41406を参照されたい)。
【0026】
当業者は、本発明に従うオリゴヌクレオチドが、異なる適用に適することを認識するであろう。本発明に従うオリゴヌクレオチドが、本発明に従う1つより多い標識ヌクレオチドを含むことが所望でありうる。一実施形態では、オリゴヌクレオチドが、本発明に従う1〜4つの標識ヌクレオチド、好ましくは、本発明に従う1〜3つの標識ヌクレオチド、より好ましくは、本発明に従う1つまたは2つの標識ヌクレオチド、なおより好ましくは、本発明に従う1つの標識ヌクレオチドを含む。
【0027】
本発明の文脈における「内部位置」とは、本発明に従う標識ヌクレオチドが、本発明に従うオリゴヌクレオチドの5’端にも3’端にもないことを意味する。本発明に従う標識ヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの内部位置に存在する場合、この位置は、3’端および/または5’端までの距離が最小限であることが所望でありうる。本発明の好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが以下の配列:
5’−N
bZN
c−3’
を有し、式中、
Nは、任意のヌクレオチドであることが可能であり、
「b」および「c」は、ヌクレオチド数を表し、1〜150、好ましくは、3〜50、なおより好ましくは、3〜25、さらにより好ましくは、4〜15の範囲でありうる。さらなる実施形態では、「b」が1〜150、好ましくは、3〜50、なおより好ましくは、3〜25、さらにより好ましくは、4〜15である。さらなる実施形態では、「c」が1〜150、好ましくは、3〜50、なおより好ましくは、3〜25、さらにより好ましくは、4〜15である。
【0028】
方法に応じて、オリゴヌクレオチドは、さらなる標識、消光剤、修飾ヌクレオチド、または脱塩基部位を含むことが所望でありうる。よって、本発明の一態様では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが、さらなる標識および/または消光剤および/または修飾ヌクレオチドおよび/または非天然ヌクレオチドおよび/または脱塩基部位をさらに含む。
【0029】
消光とは、所与の物質の蛍光強度を減少させる任意の過程を指す。本発明の文脈における「消光剤」は、例えば、活性化を伴わない標識の基本的な蛍光を消光させるのに適する残基に関する。励起状態の反応物による消光、エネルギー移動による消光、複合体形成による消光、および衝突による消光など、多様な過程が、消光を結果としてもたらしうる。結果として、消光は、圧力および温度に大きく依存することが多い。酸素分子およびヨウ化物イオンは、一般的な化学消光剤である。消光は、レーザー誘起蛍光など、非即時的分光光度法の問題を提起する。消光は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイの基盤である。特定の分子生物学的標的との相互作用時における消光および脱消光は、分子イメージング用の活性化可能な光学造影剤の基盤である。エネルギーを2つの色素であるドナーとアクセプターとの間で非放射的に(光子の吸収または放射を伴わずに)移動させうる異なる機構がいくつか存在する:フェルスター共鳴エネルギー移動、デクスターエネルギー移動、エキシプレックス(励起状態錯体)の形成、および静的消光(また、接触消光とも称する)。当業者は、必要に従い消光剤を選択することができる。
【0030】
当業者には「修飾ヌクレオチド」が公知である。しかし、本発明の一実施形態では、修飾ヌクレオチドが、ロックト核酸(LNA)またはペプチド核酸(PNA)からなる群より選択される。
【0031】
本発明の文脈における「脱塩基部位」(また、AP部位(脱プリン/脱ピリミジン部位)としても公知である)は、プリン塩基もピリミジン塩基も有さない核酸/オリゴヌクレオチド内の位置である。脱塩基部位については、「Compositions and Methods for Enhancing Hybridization and Priming Specificity」(US−B1 6,361,940)のほか、「Method for Label−free Detection of Hybridized DNA Target」(US−B1 6,579,680)および2003年7月4日にウェブ上で公開された「Use of Abasic Site−Containing DNA Strands for Nucleobase Recognition in Water」、Yoshimotoら、JACS Communicationsにおいて言及されている。
【0032】
当業者は、本発明に従うオリゴヌクレオチドが、異なる種類の核酸からなることをさらに認識するであろう。よって、好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、PNA、またはLNAからなる。
【0033】
本発明に従うオリゴヌクレオチドは、異なる長さからなりうる。本発明の一実施形態では、オリゴヌクレオチドの長さが、3〜300ヌクレオチド、好ましくは、5〜100ヌクレオチド、より好ましくは、6〜50ヌクレオチド、なおより好ましくは、15〜30ヌクレオチドである。
【0034】
当業者には、本発明に従うオリゴヌクレオチドを、異なる目的、すなわち、プライマーまたはハイブリダイゼーションプローブに用いうることが認知されるであろう。したがって、本発明の一実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが、プライマー、ハイブリダイゼーションプローブ、Scorpionプライマー、Scorpionハイブリダイゼーションプローブ、TaqManプローブ、または当業者に公知の別の機能的オリゴヌクレオチドである。
【0035】
しかし、さらなる実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドがプローブである。多様な種類の標識プローブが公知である。これらは、例えば、消光剤および標識を含む。TaqManプローブ、Scorpionプローブ、分子ビーコン、LightCyclerプローブ、LUXプローブ、Amplifluorプローブが好ましい。
【0036】
TaqManプローブとは、リアルタイムPCRアッセイの特異性を増大させるようにデザインされた加水分解プローブである。TaqManプローブの原理は、相補的な標的配列とのハイブリダイゼーションおよびフルオロフォアベースの検出において二重標識プローブを切断する、Taqポリメラーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性に依拠する。他のリアルタイムPCR法の場合と同様、結果として得られる蛍光シグナルは、PCRの指数関数的増幅段階における産物の蓄積の定量的測定を可能とするが、TaqManプローブは、検出の特異性を著明に増大させる。
【0037】
TaqManプローブと同様、分子ビーコンプローブもまた、合成されたPCR産物を、オリゴヌクレオチドの5’端とカップリングさせたフルオロフォアおよびオリゴヌクレオチドの3’端へと付着させた消光剤を介して検出および定量化するのにFRETを用いる。TaqManプローブとは異なり、分子ビーコンプローブは、増幅反応中に無傷のままであるようにデザインされており、シグナルを測定するために、各増幅サイクルにおいて標的に再度結合させなければならない。分子ビーコンプローブは、溶液中で遊離しているとき、ステムループ構造を形成する。したがって、フルオロフォアと消光剤とが近接すると、プローブの蛍光発光が防止される。分子ビーコンプローブが標的とハイブリダイズすると、フルオロフォアと消光剤とが分離され、FRETは生じず、照射すると蛍光色素が発光する。
【0038】
Scorpionプローブでは、単一のオリゴヌクレオチドを用いて、配列特異的なプライミングおよびPCR産物の検出が達成される。ハイブリダイズしていない状態では、Scorpionプローブは、ステムループ立体配置を維持する。フルオロフォアは5’端に付着し、3’端へとカップリングさせた部分により消光させる。ステムの3’部分はまた、プライマーの伸長産物と相補的な配列も含有する。この配列を、増幅不可能な単量体を介して、特異的なプライマーの5’端へと連結する。Scorpionプライマーの伸長後、特異的なプローブ配列は、伸長したアンプリコン内のその相補体へと結合し、これにより、ヘアピンループを開裂させることが可能である。これは、蛍光の消光を阻止し、シグナルが観察される。
【0039】
LightCycler FRETプローブシステムとは、一本鎖蛍光標識オリゴヌクレオチドの対である。プローブ1(ドナープローブ)は、その3’端においてドナーフルオロフォア(一般に、フルオレセイン)により標識され、プローブ2(アクセプタープローブ)は、その5’端 において4つ利用可能なフルオロフォア(Red 610、640、670、または705)のうちの1つにより標識される。プローブ2の遊離3’−ヒドロキシル基は、TaqDNAポリメラーゼによる伸長を防止するために、リン酸基(P)でブロックしなければならない。両方のプローブにおけるドナーフルオロフォアとアクセプターフルオロフォアとの間のあらゆる立体的な問題を回避するため、1〜5nt(4〜25Åの距離)のスペーサーを置いて、2つのプローブを互いから分離するべきである。任意のリアルタイム定量的PCR反応を行う前に、チューブ内の蛍光バックグラウンドを観察することができる。
【0040】
好ましくは、オリゴヌクレオチドが、TaqManプローブ、Scorpionプローブ、分子ビーコンプローブ、LightCyclerプローブ、LUXプローブ、およびAmplifluorプローブの群より選択されるプローブであり、プローブが、本発明に従う少なくとも1つの標識ヌクレオチドを含む。
【0041】
さらに、異なる長さの核酸を、本発明に従う標識ヌクレオチドで標識することも所望でありうる。よって、本発明はまた、本発明に従う標識ヌクレオチドを含む核酸にも関する。本発明に従う核酸はまた、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上の本発明に従う標識ヌクレオチドも含む。標識ヌクレオチドは、前記核酸内の異なる位置に配置することができる。本発明の一実施形態では、本発明に従う標識ヌクレオチドを、本発明に従う核酸の5’端に配置する。さらなる実施形態では、本発明に従う標識ヌクレオチドを、本発明に従う核酸の3’端に配置する。またさらなる実施形態では、本発明に従う標識ヌクレオチドを、本発明に従う核酸の内部位置に存在させる。
【0042】
本発明は、核酸を配列決定するかまたは増幅し、そして検出するための方法にさらに関し、この方法は:
i)本発明に従う少なくとも1つの標識ヌクレオチドを含む、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたは核酸プライマーを提供するステップと、
ii)前記少なくとも1つの核酸プライマーを用いて、標的核酸を増幅するための酵素および試薬を提供するステップと、
iii)標的核酸プライマーの増幅に適する条件下で反応の成分をインキュベートするステップと、
iv)本発明に従う標識ヌクレオチドの標識を介して、増幅された核酸を検出するステップと
を含む。
【0043】
一実施形態では、本発明に従う方法が、それらの長さに従い増幅産物を分離するステップを含む。よって、本発明に従う方法の一実施形態では、ステップiv)が、それらの長さに従い増幅された核酸を、好ましくは、標識ヌクレオチドを介して増幅された核酸を検出する前に分離するステップを含む。当業者は、それらの長さに従い核酸を分離する多数の方法について承知している。一般に用いられる1つの方法は、ゲル電気泳動である。よって、本発明の一実施形態では、増幅された核酸のそれらのサイズに従う分離を、ゲル電気泳動を用いて実施する。ゲル電気泳動とは、ゲルマトリックスへと印加される電界を用いて核酸分子を分離するのに用いられる技法である。「ゲル」という用語は、標的分子を含有し、次いで、これを分離するのに用いられるマトリックスを指す。大半の場合に、ゲルとは、その組成および多孔性が、解析される標的の比重/長さ、および組成に基づき選択される架橋ポリマーである。小さな核酸(DNA、RNA、またはオリゴヌクレオチド)を分離する場合、ゲルは通常、異なる濃度のアクリルアミドおよびポリアクリルアミドによる異なるサイズのメッシュネットワークをもたらす架橋剤からなる。アクリルアミドは、例えば、アクリルアミド、直鎖状のポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、またはポリイソプロピルアクリルアミドの群のうちのものでありうる。より大きな核酸(数百塩基を超える)を分離する場合は、精製アガロースをマトリックスとして選択することができる。いずれの場合にも、ゲルは固体ではあるが、多孔性マトリックスを形成する。アガロースは、高分子および高分子複合体の分離を可能とする大きな孔(pore)を有するゲルを結果としてもたらす、架橋を伴わない非荷電炭水化物の長い非分枝状鎖からなる。よって、本発明の一実施形態では、核酸の分離に用いられるマトリックスは、ポリアクリルアミドまたはアガロースである。
【0044】
ゲル電気泳動は、法医学、分子生物学、遺伝学、微生物学、および生化学で用いられる。結果は、例えば、レーザーによって標識の蛍光を励起させる光源を通常含むイメージングデバイスを用いてゲル内の標識核酸を視覚化することにより、定量的に解析することができる。標識に由来するシグナルを検出デバイスで記録し、バンドまたはスポットの強度を測定する。測定および解析は大部分、検出されたシグナルを、核酸の長さおよび検出された核酸の量に従い電気泳動図へと変換する専門的なソフトウェアにより行う。本発明の好ましい実施形態では、増幅された核酸の分離を、キャピラリーゲル電気泳動により実施する。
【0045】
本発明に従う方法の文脈では、「核酸」とは、特定のクラスの核酸、とりわけ、RNA、DNA、cDNA(相補的DNA)、LNA(ロックト核酸)、mRNA(メッセンジャーRNA)、mtRNA(ミトコンドリア)、rRNA(リボソームRNA)、tRNA(転移RNA)、nRNA(核RNA)、siRNA(短鎖干渉RNA(short interfering RNA))、snRNA(低分子核RNA)、snoRNA(低分子核小体RNA(small nucleolar RNA))、scaRNA(低分子カハール体特異的RNA(Small Cajal Body specific RNA))、マイクロRNA、dsRNA(二本鎖RNA)、リボザイム、リボスイッチ、ウイルスRNA、dsDNA(二本鎖DNA)、ssDNA(一本鎖DNA)、プラスミドDNA、コスミドDNA、染色体DNA、ウイルスDNA、mtDNA(ミトコンドリアDNA)、nDNA(核DNA)、snDNA(低分子核DNA)など、または試料中のバルク核酸から識別可能な他の任意のクラスまたはサブクラスの核酸を意味する。
【0046】
本発明は、本発明に従う標識ヌクレオチドを含むキットにさらに関する。別の実施形態では、キットが、本発明に従うオリゴヌクレオチドを含む。さらなる実施形態では、キットが、ポリメラーゼをさらに含み、dNTPおよび/またはNTPおよび/またはddNTPを場合によってさらに含む。キットはまた、核酸を増幅するための緩衝液および試薬も含む。
【0047】
本発明に従うオリゴヌクレオチドは、核酸増幅法における核酸プローブとしてまたはプライマーとして用いることができる。
【0048】
しかし、本発明者らは、本発明に従うオリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチド自体ならびに増幅産物により高度の安定性を付与することを見出した。よって、好ましい実施形態では、本発明に従うオリゴヌクレオチドが、核酸増幅法のためのプライマーである。好ましい実施形態では、本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写ベースの増幅系(TAS)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ローリングサークル増幅(RCA)、転写媒介増幅(TMA)、自己持続配列複製(self−sustaining sequence replication)(3SR)およびQβ増幅、鎖置換増幅(SDA)、多置換増幅(MDA)、ループ媒介等温増幅(loop−mediated isothermal amplification)(LAMP)、ヘリカーゼに依存する増幅(HDA)、スマート増幅工程(smart−amplification process)(SMAP)、定量的リアルタイムPCR(qPCR)、逆転写PCR(RT−PCR)からなる群より選択される方法における、本発明に従うオリゴヌクレオチドの使用に関する。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
PCRは、以下の通りに実行した:
0.2μlのMulti Taq2 DNAポリメラーゼ(QIAGEN、Hilden、Germany)を、ホットスタート用DNAポリメラーゼとして用いた。2.5μlのReaction MixB(QIAGEN、Hilden、Germany)を、PCR緩衝液として用いた。
【0050】
全てBiomers.net (Ulm、Germany)製である、0.4μMの未標識TH01_revリバースプライマー(5’−attcctgtgggctgaaaagctc−3’;配列番号3)と組み合わせた、0.4μMの標識フォワードプライマーであるTH01−P−2×C3(5’−DY530−C6−C3−C3−gtgattcccattggcctgttc−3’;配列番号1)または0.4μMの標識フォワードプライマーであるTH01−P−DY530(5’−DY530−C6−gtgattcccattggcctgttc−3’;配列番号2)を、PCR増幅に用いた。ヌクレアーゼ不含水(QIAGEN、Hilden、Germany)により、容積25μlにした。PCRは、以下のプロトコールにより、サーモサイクラー9700 PCR System Gold(Life Technologies Corporation、Carlsbad、CA、USA)を用いて実行した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
1μlのサイクリングされた(cycled)PCRプローブを、12μlのHi−Di Formamide(Life Technologies Corporation、Carlsbad、CA、USA)および0.5μlのDNAサイズ標準550(BTO)(QIAGEN、Hilden、Germany)へと添加し、95℃で3分間にわたりインキュベートした。
【0053】
変性させたPCRプローブを、標準的な条件下で3500 Genetic Analyzer(Life Technologies Corporation、Carlsbad、CA、USA)を用いるキャピラリー電気泳動により解析した。結果を
図1に示す。
【0054】
これらの結果は、本発明に従う標識ヌクレオチドを含む標識プライマー、すなわち、本発明に従うリンカーを伴う標識プライマーを使用すると、結果として望ましくないアーチファクトピークが低減されることを明確に裏付ける。これらの例では、極めて重要な130〜550bpの範囲におけるベースラインが、C3修飾PCRプライマーを用いることにより完全にノイズがない。この範囲外でも、望ましくないアーチファクトピークは、高さおよび量において著明に低減されている。これに対し、5’端で標識された標準的なPCRプライマーは、最大110相対蛍光単位(rfu)の、多数のアーチファクトピークを引き起こす。最小量の鋳型DNAによるPCR増幅は、典型的に約200rfuのピークを与えるPCR産物を結果としてもたらす。標準的な標識プライマーを用いると、電気泳動図の解釈は、多数の高いアーチファクトピーク(色素ブロブ)により損なわれ、その結果、プローブの評価が不完全となる。リンカー修飾プライマーを用いると、200rfuのPCR産物を、特に、130〜550bpの範囲における色素ブロブから明確に識別することができる。これらの利益は、方法の感度において極めて大きな利点をもたらす。
【0055】
(実施例2)
C
3リンカー(「n」が1であり、「a」が3である)の2回の反復を含むリンカーにより修飾されたプライマーを用いると、上記の通り、バックグラウンドノイズの大幅な低減が明らかである。しかし、さらなる実験では、標識プライマーへと付着した、異なる数のリンカーの反復を解析した。一例では、その5’位において本発明に従う標識ヌクレオチドを含むプライマーであって、未標識リバースプライマーであるTH01_rev(5’−attcctgtgggctgaaaagctc−3’;配列番号3)と一緒に逐次的な3つのC
3の反復を含む、すなわち、「a」が3である(TH01−P−3×C3:5’−DY530−C6−C3−C3−C3−gtgattcccattggcctgttc−3’;配列番号4)プライマーについて、上記の方法により解析した。結果を
図2に示す。
【0056】
これらの結果は、本発明に従う標識ヌクレオチドを含むプライマーであって、反復回数3つのC
3の反復を含むプライマーはまた、バックグラウンドノイズの低減も結果としてもたらすことを裏付ける。標準的な標識プライマー(
図1を参照されたい)と比較して、130〜550bpの極めて重要な範囲におけるベースラインは、完全にノイズがない。さらにまたこの範囲外でも、本発明に従う標識ヌクレオチドを含むプライマーを用いることにより、望ましくないアーチファクトピークは、高さおよび量において著明に低減される。