(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120529
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】鶏用飼料及び鶏の飼育方法
(51)【国際特許分類】
A23K 50/75 20160101AFI20170417BHJP
A23K 10/20 20160101ALI20170417BHJP
【FI】
A23K50/75
A23K10/20
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-248248(P2012-248248)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-93987(P2014-93987A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】500143656
【氏名又は名称】株式会社エムワイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100073689
【弁理士】
【氏名又は名称】築山 正由
(72)【発明者】
【氏名】増井義久
【審査官】
大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−107920(JP,A)
【文献】
特開2009−100728(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0148679(US,A1)
【文献】
笠原猛、小熊敦之、富久章子、板東成治、藤本武、西村敏英,徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所研究報告,β−アラニン及びヒスチジン濃度を高めた飼料を給与したブロイラーの育成成績及び鶏肉中アンセリン・カルノシン含量について,日本,2012年 3月,NO.11,P.48−54,[平成28年 8月 2日検索],URL,http://www.pref.tokushima.jp/_files/00309387/no11.youkei-4.pdf
【文献】
日本食品標準成分表準拠 アミノ酸成分表2010,日本,2010年,10 魚貝類,[平成28年 8月 2日検索],URL,http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298881.htm
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00−50/90
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏用飼料にオキアミ脱脂粉末又は/及びオキアミ抽出物を5〜10重量%混合することを特徴とする鶏の胸肉及びササミにおける、イミダゾールペプチド を増強するための鶏用飼料。
【請求項2】
請求項1に記載の飼料を鶏に給飼することを特徴とする鶏の飼育方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏の胸肉及びササミにおけるイミダゾールジペプチドを増強する鶏用飼料及び当該飼料を用いた鶏の飼育方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に鶏用配合飼料は、穀類、そうこう類、植物性油かす、動物性原料,炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が配合されて構成されるが、採卵鶏用飼料とブロイラー用飼料では、配合が異なっている。
【0003】
採卵鶏用飼料は育成期には、骨、内臓、筋肉等の発達を促す飼料を、大雛期は卵を産むための体作りに必要な栄養成分、栄養量、食べやすい粒に調整された飼料を与えている。
【0004】
そして、成鶏期には他の畜種の飼料と比べるとカルシウムを多く含んだ飼料を与えている。
【0005】
ブロイラーの飼料は生後3週間前後までは食べやすい粒子と消化の良い高蛋白質の飼料を与えている。それ以降出荷までの時期には、筋肉が急激に発達・増体するため、高たん白、高エネルギー飼料を与えている。
【0006】
以上のような通常の鶏用飼料にあって、オキアミを混合した鶏用飼料に関し、以下に示す特許文献がある。
【0007】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献5はいずれも、課題に対して、オキアミを使用している目的と、その効果及び産業上の利用分野が本発明とまるで異なり、本発明である、オキアミの持つヒスチジンに着目し、オキアミを適宜混合した鶏用飼料が鶏の胸肉およびササミにおけるイミダゾールペプチドを増強することを何ら示唆及び予見するものではない。
【0008】
特許文献4についても、その効果の記載には、本発明の鶏用飼料は成分としてオキアミ又はその抽出物を含有することにより、安価にビタミン類、アミノ酸類、カルシウム、EPA、DHA、アスタキサンチン、リン脂質類、キチン等の有用な栄養素を鶏に供給することができ、鶏の成長を促進し、卵質の改善に寄与することができる、と記載されており、作用の記載には、本発明の鶏用飼料に配合するオキアミ又は、オキアミ抽出物には、ビタミンA、ビタミンB
2、カルシウム、EPA、DHA、リジン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、スレオニン、バリン、メチオニン、シスチン、トリプトファン、アスタキサンチン、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、キチンから選択される物質を豊富に含有するため、既存の鶏用飼料に添加することによりニワトリの生長促進と卵質の改善が実現できるとある。
【0009】
この特許文献4で言う「鶏の成長」とは、良質の鶏卵を生むのに段落0003で述べたように、必須条件であり、その結果として、最終的目的である「鶏卵の品質向上」を得るという特許文献である。
【0010】
これに対して、本発明は鶏の成長(鶏の採卵に向けて)が目的でなく、鶏の胸肉およびササミにイミダゾールペプチドを増強さすことを目的としたオキアミの使用であり、特許文献4記載の発明とは異なる目的である。
【0011】
また、効果に「〜アミノ酸〜」とあるが、漠然とした不明朗な効果であり、本発明がオキアミの持つある特定の成分であるヒスチジンに着目し、オキアミを適宜混合した鶏用飼料が目的とする鶏の胸肉及びササミにおけるイミダゾールペプチドを増強することを何ら、示唆及び予見するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005-13116号公報
【特許文献2】特開2000-189102号公報
【特許文献3】特開平08-051937号公報
【特許文献4】特開平07-107920号公報
【特許文献5】特表2003-530367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
鶏肉は普通、モモ肉、ささみ肉、胸肉、手羽と分けられ消費されているが、中でも胸肉及びササミは全体の25%と肉部重量を占めているにも関わらず、胸肉は肉質がモモ肉に比べて脂気がなくパサパサしていることから、需要は少なく価格的にもモモ肉、ささ身よりも安価に販売されているのが現状である。また肉類の加工食品において、コストダウンのための、増量材的な使われ方も多くある。
【0014】
このようなことから、鶏の胸肉の需要の拡大、付加価値を付けることは永遠のテーマである。
【0015】
また、現在、ストレス社会、不確実社会、スポーツ界において、人々は絶えず疲労感を感じ、早く疲労感を取り除きたいことから、抗疲労の食事、並びにサプリメントが望まれているところである。そのような要望の中で最近、急に注目されて来たのが、渡り鳥が2週間以上も休むことなく飛び続けられる(抗疲労)理由から、羽を動かす胸肉の部分にイミダゾールジペプチドと言う成分が牛肉や豚肉に比べて2〜3倍も豊富に含んでいることがわかってきた。
【0016】
イミダゾールジペプチドはイミダゾール基を有するアミノ酸結合体の総称であり、主にカルノシン(β-alany1-L-histindine)とアンセリン(β-alany1-1-methy1-L-histindine)が良く知られている。これは種々の動物の骨格筋に広く分布し、特に、マグロやカツオ等の肉に多く含有されていることがわかっている。
【0017】
そのメカニズムは「カルノシン 」も「アンセリン」もヒトが摂取すると、血液中で速やかに単独のアミノ酸に分解され、骨格筋中に移行し「カルノシン」に再合成され、そのとき、抗酸化作用が発揮され、抗疲労を担うのである。
【0018】
この理論は2006年に「疲労」と言う概念を数値化することが出来るようになつてから、「イミダゾールジペプチド 」と「抗疲労」の研究は飛躍的に発展し、ヒト疲労試験で酸化ストレスマーカーを用いて、その効果をはっきりと確認できたのは「イミダゾールジペプチド」だけと言われている。
【0019】
「イミダペプチドと抗疲労に関する研究文献」
1、イミダペプチド(CBEX-Dr)配合飲料の健常者における抗疲労効果 薬理と治療 / 36
(3): 199-212, 2008 田中雅彰, 鴫原良仁, 藤井比佐子, 平山佳伸, 渡辺恭良 2、イミダゾールジペプチド配合飲料の日常的な作業の中で疲労を自覚している健常者に対する継続摂取による有用性 / 第1報 清水惠一郎, 福田正博, 山本晴章
3、健常者を対象としたイミダペプチド(CBEX-Dr)配合飲料の過剰摂取における安全性薬理と治療 / 36(3): 225-235, 2008青柳さやか, 杉野友啓, 梶本佳孝, 西谷真人。
【0020】
上記2文献には鶏の胸肉約100グラムで一日分の約400mgのイミダゾールペプチドが摂取出来、それを少なくとも約2週間以上摂取し続けて抗疲労効果があるといわれている。
【0021】
しかし、現実的は人が疲労回復のために、食事として、このパサパサで美味しくないと不人気な胸肉を毎日100グラム継続して食べ続けるには、非常に困難であるという課題がある。
【0022】
この課題に対して、与える鶏用飼料によって、鶏の胸肉及びササミにイミダゾールジペプチド の含量を増やすことが出来ないかと発明者は鋭意研究した。
【0023】
その通常の鶏用飼料に混合する食用物は、安価で、簡単に原料が手に入り、加工、処理等も簡単で、加工残渣も出ないかつ目的とするところのイミダゾールジペプチドの含量を増やす有用な食用物であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を達成する本発明の構成は次の通りである。
【0025】
(1) 請求項1に記載の発明は、鶏用飼料にオキアミ脱脂粉末又は/及びオキアミ抽出物を混合して構成した。
【0026】
(2) 請求項2に記載の発明は、鶏用飼料にオキアミ脱脂粉末又は/及びオキアミ抽出物を0.5〜20重量%混合して構成した。
【0027】
(3) 請求項3に記載の鶏の飼育方法は、請求項1又は2に記載の飼料を鶏に給飼することを特徴とするものである。
【0028】
イミダゾールペプチドなどに存在することより、本発明はこのヒスチジンに着目した。ヒスチジンからヒスチジン含有ペプチド即ちイミタゾールペプチドが出来ることを予見した。
【0029】
ヒスチジンは魚類の血合肉、白子に多く含まれていると言われている。中でも鰹節は可食部重量100g当り、5300mgも含まれており、食品中最もヒスチジン含量が多い。次に多いのがクロマグロであり、他高級魚がある。
【0030】
しかし、このような高価なものを混合して鶏用飼料として、使うことはコスト的に不可能で、もっと簡単に原料が手に入り、安価で、しかも加工、処理等も簡単で、加工残渣も出ない食用物を鋭意探した。
【0031】
その結果生のオキアミをボイルすることで脱脂し、後に熱風乾燥を行い、得られた乾燥品を適宜粉砕し、そのヒスチジン含量を測定した。すると、乾燥重量100g当り、1500mgと高く、しかもオキアミは簡単に原料が手に入り、安価で、そのうえ加工、処理等も簡単で、加工残渣も出ない。そして、ここにオキアミの脱脂乾燥粉末を混合した鶏用飼料を見出した。
【0032】
本発明のオキアミ脱脂乾燥粉末又はその抽出物の乾燥粉末の鶏肉用飼料への混合割合は、オキアミ脱脂乾燥粉末の場合その乾物重量で0.5重量%〜20重量%の範囲で混合する。 その結果通常の鶏用飼料より、150〜200%もイミダゾールペプチドが増強されている胸肉及びササミを得たのである。これはオキアミ粉末を混合する割合が0.4%以下なら効果がなく、また、21%以上になるとオキアミ独特の臭みから、鶏が食欲をなくす。
【0033】
また、オキアミのもつ塩分が鶏の成長を阻害すると同時に、鶏肉にオキアミの臭いが移る。かかる致命的な不都合が発生することがわかった。
【0034】
本発明の鶏用飼料に混合する原料のオキアミまたはその抽出物とは軟甲亜網に属するオキアミの甲殼類またはその抽出物であればよい。
【0035】
本発明の鶏肉飼料に混合する原料のオキアミの例としては、通称、オキアミ、南極オキアミと言われているものである。
【0036】
本発明のオキアミ脱脂乾燥粉末及び抽出物の乾燥粉末は、その加工法には限定されないが、現実的には凍結乾燥、真空乾燥、スプレー乾燥、ドラム乾燥、熱風乾燥等で得られた乾燥品であることが常温流通上の鶏用飼料として望ましい。
【0037】
本発明のオキアミ抽出物とは、水又は、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、n−ヘキサン等の有機溶媒によるオキアミの溶媒抽出液である。
【0038】
本発明のオキアミ乾燥粉末及びその抽出物の乾燥品を飼料へ混合方法は特に限定されないが、均一な添加を期待するのであれば、飼料を構成する他の原料とともにミキサーにより十分に攪拌・混入する。
【0039】
本発明の鶏用飼料は、鶏の品種に拘らない。
【発明の効果】
【0040】
前記文献2には鶏の胸肉約100グラムで一日分の約400mgのイミダゾールペプチドが摂取出来、それを約少なくとも2週間以上摂取し続けて抗疲労効果があると言われている。しかし、現実的には人が疲労回復のために、食事として、このパサパサで美味しくないと不人気な胸肉を毎日100g継続して食べ続けるには、非常に困難である。
【0041】
発明者は本発明のオキアミ脱脂粉末又は/及びオキアミ抽出物を混合した鶏用飼料を与えて胸肉及びササミにイミダゾールペプチド含量を増やすという発明以前に、通常の鶏用飼料で育った「大和シャモ(地鳥)」とブロイラーとを比較するとイミダゾールペプチド含量が180%も「大和シャモ(地鳥)」の方が多いことを発明者は既に把握している。
【0042】
本発明であるオキアミ混合の鶏用飼料を「大和シャモ(地鳥)」与えた場合、通常の飼料を与えたよりも、150〜250%もイミダゾールペプチド含量が多いことを考えると、ブロイラー比では「大和シャモ(地鳥)」の方が270〜450%もイミダゾールペプチド含量が多いこととなる。
【0043】
即ちこれまでの一回の食事で100g(約400mgのイミダゾールペプチド)の胸肉を摂っていたのが100g/2.7〜100g/4.5の僅か37gから22gで良く、この量であれば2週間摂取し続けることは容易なものである。
【0044】
また、37gから22gの胸肉及びササミなら2倍の量は毎日摂取することも可能で、摂取する日が2週間であったのが1週間で疲労回復の効果があることとなる。
【0045】
ここに優れた効果があることを見出し、本発明を完成させた。
【0046】
大和シャモ(地鳥)に対して、初めの60日間は全てコントロールの餌で飼育し、後半の60日間は脱脂乾燥オキアミ粉末を混合したA〜Cの飼料とコントロール食が胸肉及びササミにおけるアンセリンとカルノシンの含量に及ぼす影響を分析、定量した結果は表1のとおりであり、全体的にカルノシンに比べアンセリンは約2〜2.5倍多く含まれていた。飼料A飼料Bでは、飼料Cとコントロール食に比べ、アンセリン含量が約2倍、カルノシン含量が約1.5倍多く含まれていた。
【0047】
【表1】
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明に係る鶏用飼料は市販されている一般的な鶏用飼料、具体的には穀類、植物性油かす、そうこう類に動物性油脂や炭酸カルシウムを混合配合したものを使用出来る。
【0049】
オキアミ脱脂粉末はボイル等の方法で脱脂し、後に熱風乾燥を行い、得られた乾燥品を適宜粉砕し、得られるものである。
【0050】
本発明に係るオキアミ抽出物とは、水又は、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、n−ヘキサン等の有機溶媒によるオキアミの溶媒抽出液である。
【実施例】
【0051】
以下、実施例と比較例を示すことにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例、比較例に限定されない。
実験材料及び方法
試薬
L-アンセリン(シグマ)
L-カルノシン(シグマ)
メタノール(ナカライテスク)
エタノール(ナカライテスク)
アセトニトリル(ナカイライテスク)
標準アミノ酸混合液AN2型(和光純薬製)
標準アミノ酸混合液B型(和光純薬製)
L-アスパラギン酸標準液(和光純薬製 アミノ酸自動分析用)
L(+)-グルタミン(試薬特級)
L-トリプトファン(試薬特級)
リン酸二水素アンモニウム(試薬特級)
ペンタンスルホン酸ナトリウム(イオンペアクロマトグラフ用)
アセトアニトリル(HPLC用)
塩酸(ナカライテスク)
鶏肉試料
大和シャモ(地鳥)((有)大和軍鶏提供)、鶏胸肉及びササミ、
脱脂乾燥オキアミ試料(水分1.1%)
実験方法
サンプル2.5g/25mldH2O(×10vol)をそれぞれホモジナイズ15秒3回ずつ行った。
それを遠心(10,000 rpm4℃20分)したものをフィルター(5c110mm)にとおした。フィルター後のサンプル300μlにメタノール900μlを加えたものを15分冷却(4℃)した。さらに、それを遠心(12,000g 4℃ 3分)したものから上清を回収した上清60μlに0.02NHCl 60μl加えたものをサンプルとしアミノ酸解析を行った。
分析方法
D-7000HPLC生体アミノ酸分析法
1、全自動アミノ酸分析計による分析方法
アミノ酸標準溶液の調製は、標準アミノ酸混合液AN2型、標準アミノ酸混合液B型(和光純薬製)、L-アスパラギン標準液(1.25μmol/ml)、2.5mmol/lグルタミン溶液、2.5mmol/lトリプトファン溶液それぞれを各1ml秤量し、アミノ酸自動分析計のサンプル希釈液で希釈し、全量を25mlにした。分析用試料を専用のバイアル瓶に1mlとり、全自動アミノ酸分析計を用いて生体アミノ酸分析モードで分析した。(注入量は50μl)
2、定性および定量
1 分離されたアンセリン・カルノシンの定性は保持時間により行った。
2 定量は標準溶液を用いた、内標を用いない絶対検量線法により行った。
3、HPLCによる分析方法
移動相は200mMリン酸二水素アンモニウム、100mMペンタンスルホン酸ナトリウム、4%(v/v)アセトニトリル、pH2.0(塩酸で調整)で調製した。分析条件は検出器の波長を220nm、恒温槽を30℃、流量を毎分0.8ml、注入量を20μlとした。
4、定性および定量
1 分離されたアンセリン・カルノシンの同定は保持時間により行った。
2 定量は標準試料を用いた、内標を用いない絶対検量線法によりおこなった。
試料および飼料
試料…大和シャモ(地鳥)・雄雌の胸肉及びササミ
飼料:コントロール飼料:マル中印大うす用配合飼料(中部飼料株式会社)のみ
飼料A:マル中印大うす用配合飼料(中部飼料株式会社)100重量部+乾燥オキアミ脱脂粉末5重量部
飼料B:マル中印大うす用配合飼料(中部飼料株式会社)100重量部+乾燥オキアミ脱脂粉末10重量部
飼料C:マル中印大うす用配合飼料(中部飼料株式会社)100重量部+乾燥オキアミ脱脂粉末1重量部
初めの60日間は全てコントロールの餌で飼育し、後半の60日間は後半の60日間は飼料A〜C及びコントロールの4種類に分け飼育した。それぞれの成分は以下の表2乃至表4の通りであった。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0055】
この鶏用飼料は安価で、需要の少なかった鶏の胸肉にイミダゾールペプチドの一層の増強を図ることにより、胸肉に付加価値を加え、不確実社会、ストレス社会において、疲労を早く回復させる健康志向食品、サプリメントに貢献するものである。