(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120622
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】警備システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20170417BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20170417BHJP
G08B 21/18 20060101ALI20170417BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20170417BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20170417BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20170417BHJP
H04M 3/487 20060101ALI20170417BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B25/08 A
G08B21/18
G08B25/10 D
H04M11/04
H04M11/00 301
H04M3/487
H04Q9/00 301D
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-52405(P2013-52405)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-178883(P2014-178883A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100128901
【弁理士】
【氏名又は名称】東 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 元
(72)【発明者】
【氏名】岡本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】日野 登記雄
(72)【発明者】
【氏名】山中 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】水谷 健
(72)【発明者】
【氏名】林 宏
【審査官】
中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−095072(JP,A)
【文献】
特開2006−235886(JP,A)
【文献】
特開2011−007593(JP,A)
【文献】
特開2007−148837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−21/24
G08B 23/00−31/00
H04M 3/00
H04M 3/16−3/20
H04M 3/38−3/58
H04M 7/00−7/16
H04M 11/00−11/10
H04Q 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の警備対象領域に設けられ、外部に前記特定の警備対象領域に関する警備情報の出力を行う外部出力手段を備えた通信ユニットと、当該通信ユニットと通信を行う監視センターとを備え、前記監視センターが複数の通信ユニットと通信を行う警備システムであって、
前記監視センターが、
前記特定の警備対象領域を含む監視対象地域の地域情報を取得する地域情報取得手段と、
前記地域情報取得手段で取得した前記地域情報を前記通信ユニットに送信する地域情報送信手段と、を備え、
前記通信ユニットが、
前記地域情報送信手段から送信された前記地域情報に基づいて前記外部出力手段により情報を出力し、
警備対象領域内の異常を前記通信ユニットに送信するように構成されるとともに、気温変化により検知感度が変化する気温依存センサを備え、
前記監視センターの前記地域情報取得手段が、前記地域情報として前記監視対象地域の気温情報を送信し、
前記通信ユニットが、
前記気温依存センサの温度特性を記憶するセンサ特性記憶手段と、
当該気温情報及び前記センサ特性記憶手段に記憶された前記温度特性に基づいて前記外部出力手段により出力する情報を決定する第2出力情報決定手段を備える警備システム。
【請求項2】
前記監視センターの前記地域情報取得手段が、前記地域情報として前記監視対象地域における犯罪の発生情報を取得するように構成され、
前記通信ユニットの前記外部出力手段が、当該発生情報を出力する請求項1に記載の警備システム。
【請求項3】
前記警備対象領域内の窓の開閉状態を検知する窓センサを備え、
前記窓センサが、検知した開閉状態を示す開閉信号を前記通信ユニットに送信するように構成され、
前記監視センターの前記地域情報取得手段が、前記地域情報として前記監視対象地域の天候情報を取得し、
前記通信ユニットが、当該天候情報及び前記開閉信号に基づいて前記外部出力手段により出力する情報を決定する第1出力情報決定手段を備える請求項1又は2に記載の警備システム。
【請求項4】
前記第1出力情報決定手段が、
前記天候情報が雨、雪又は強風の予報であり、かつ、前記開閉信号が開の場合には、前記外部出力手段により、前記通信ユニットの利用者に洗濯物の取り入れを促す旨を出力するように決定する請求項3に記載の警備システム。
【請求項5】
前記第2出力情報決定手段が、
前記気温情報により予測される気温変化が、前記気温依存センサの検知感度に影響を与える場合に、前記通信ユニットの利用者に室温の調整を促す旨を出力するように決定する請求項1〜4に記載の警備システム。
【請求項6】
前記監視センターとして、統括監視センターが、複数の前記監視対象地域を対象として設置され、
前記統括監視センターに設けられる前記地域情報取得手段が、前記複数の監視対象地域それぞれの地域情報を取得し、
前記統括監視センターに設けられる前記地域情報送信手段が、前記地域情報取得手段により取得される前記地域情報のうち、特定の警備対象領域を対象として設けられる特定の前記通信ユニットに、当該特定の警備対象領域を含む特定の監視対象地域の地域情報を抽出して送信する請求項1〜5のいずれか一項に記載の警備システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の警備対象領域に設けられ、外部に前記特定の警備対象領域に関する警備情報の出力を行う外部出力手段を備えた通信ユニットと、当該通信ユニットと通信を行う監視センターとを備え、前記監視センターが複数の通信ユニットと通信を行う警備システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、警備システムにおいて用いられる通信ユニットは、警備領域内に設けられた各種センサの出力に基づいて警備対象領域内の異常を検出する警戒モードと、各種センサの出力に基づく警備対象領域内の異常の検出度合いを抑えた非警戒モードとを切り替え可能に構成されている。このような通信ユニットは、一般的に警戒モードにおいて、すべてのセンサが活用され不審者の侵入や火災などの異常事態を検知するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術においては、非警戒モードにおいては、センサの多くは活用されない状態となる。また、警戒モードにおいて実際に異常を検知する頻度は必ずしも高くないため、通信ユニットの設置による恩恵を警備システムの利用者が実感する機会は多いとは言えない。このため、警備システムの利用者にとっては通信ユニットや各種センサを設置している恩恵を感じにくいという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、警備対象領域内の異常を検出するために設置された通信ユニット及び各種センサを有効活用し、警戒モードにおける異常の検知以外にも、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る警備システムの特徴は、特定の警備対象領域に設けられ、外部に前記特定の警備対象領域に関する警備情報の出力を行う外部出力手段を備えた通信ユニットと、当該通信ユニットと通信を行う監視センターとを備え、前記監視センターが複数の通信ユニットと通信を行う警備システムであって、前記監視センターが、前記特定の警備対象領域を含む監視対象地域の地域情報を取得する地域情報取得手段と、前記地域情報取得手段で取得した前記地域情報を前記通信ユニットに送信する地域情報送信手段と、を備え、前記通信ユニットが、前記地域情報送信手段から送信された前記地域情報に基づいて前記外部出力手段により情報を出力
し、警備対象領域内の異常を前記通信ユニットに送信するように構成されるとともに、気温変化により検知感度が変化する気温依存センサを備え、前記監視センターの前記地域情報取得手段が、前記地域情報として前記監視対象地域の気温情報を送信し、前記通信ユニットが、前記気温依存センサの温度特性を記憶するセンサ特性記憶手段と、当該気温情報及び前記センサ特性記憶手段に記憶された前記温度特性に基づいて前記外部出力手段により出力する情報を決定する第2出力情報決定手段を備える点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、通信ユニットは、外部出力手段により通信ユニットの利用者が住む監視対象地域に関する情報を出力する。このため、利用者は、通信ユニットを介して、例えば日常生活を送る中で、有意義な情報を自然に取得することができる。すなわち、警戒モードにおける異常の検知以外にも、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することができる。
加えて、通信ユニットは受信した気温情報に基づいて、例えば、警備対象領域内に設けられた気温依存センサが所定の性能を維持できないと判断される場合に、その旨を外部出力手段により出力することができる。すなわち、警戒モードにおける異常の検知以外にも、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することができる。
【0008】
さらなる特徴は、前記監視センターの前記地域情報取得手段が、前記地域情報として前記監視対象地域における犯罪の発生情報を取得するように構成され、前記通信ユニットの前記外部出力手段が、当該発生情報を出力する点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、利用者は、通信ユニットを介して、自らの住む監視対象地域における犯罪情報を知ることができる。このため、例えば外出前に利用者の防犯意識を高めるといった効果を生むことが期待できる。すなわち、警戒モードにおける異常の検知以外にも、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することができる。
【0010】
また、別の特徴は、前記警備対象領域内の窓の開閉状態を検知する窓センサを備え、前記窓センサが、検知した開閉状態を示す開閉信号を前記通信ユニットに送信するように構成され、前記監視センターの前記地域情報取得手段が、前記地域情報として前記監視対象地域の天候情報を取得し、前記通信ユニットが、当該天候情報及び前記開閉信号に基づいて前記外部出力手段により出力する情報を決定する第1出力情報決定手段を備える点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、警備システムに設けられた窓センサを有効活用して、利用者に有用性の高い情報を提供することができる。すなわち、警戒モードにおける異常の検知以外にも、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することができる。
【0012】
さらなる特徴は、前記第1出力情報決定手段が、前記天候情報が雨、雪又は強風の予報であり、かつ、前記開閉信号が開の場合には、前記外部出力手段により、前記通信ユニットの利用者に洗濯物の取り入れを促す旨を出力するように決定する点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、雨、雪又は強風が予想される場合で、かつ窓が開いている場合に利用者に洗濯物の取り入れが促される。窓が開いている場合には、その時点においては天気が晴れていると考えられ、このような場合には、通信ユニットの利用者が、外に洗濯物を干している可能性がある。よって、雨、雪又は強風が予想される場合に、洗濯物の取り入れを促すことで、洗濯物が雨又は雪に濡れる、あるいは強風で吹き飛ばされる可能性を事前に回避することができる。すなわち、警戒モードにおける異常の検知以外にも、警備対象領域内に設けられた窓センサを有効活用して、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することができる。
【0016】
さらなる特徴は、前記第2出力情報決定手段が、前記気温情報により予測される気温変化が、前記気温依存センサの検知感度に影響を与える場合に、前記通信ユニットの利用者に室温の調整を促す旨を出力するように決定する点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、気温変化により気温依存センサが所定の検知感度に影響が及ぶと考えられる場合には、あらかじめ、利用者に室温の調整を促すことで、気温依存センサの検知感度を好適な状態に維持できるようになる。すなわち、利用者にとって警戒モードが良好に機能しないといった事態が起きる可能性を低減できるといったように、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを実現することができる。
【0018】
また、別の特徴は、前記監視センターとして、統括監視センターが、複数の前記監視対象地域を対象として設置され、前記統括監視センターに設けられる前記地域情報取得手段が、前記複数の監視対象地域それぞれの地域情報を取得し、前記統括監視センターに設けられる前記地域情報送信手段が、前記地域情報取得手段により取得される前記地域情報のうち、特定の警備対象領域を対象として設けられる特定の前記通信ユニットに、当該特定の警備対象領域を含む特定の監視対象地域の地域情報を抽出して送信する点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、統括監視センターにおいて各通信ユニットに送信される地域情報の抽出が行われるので、各警備領域に備えられる通信ユニットは受信した地域情報に対して処理を行うだけで良く、必要な処理能力を抑えることができる。すなわち、警備システムの利用者にとって有意義な機能を提供できる警備システムを、利用者に要求される設備コストを抑えつつ実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る警備システムの概要図
【
図2】本発明の実施形態に係る通信ユニット及び監視センターの構成図
【
図3】本発明の実施形態に係る統括監視センターの構成図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では本願発明に係る警備システム1を、図を用いて説明する。
図1に示すように、警備システム1は、特定の警備対象領域Rに設けられた通信ユニット3、及び複数の通信ユニット3と通信を行う監視センター4とからなる。通信ユニット3は、演算装置及び記憶領域を備えたマイクロコンピュータからなり、警備対象領域R内に設けられた各種センサ2と有線又は無線で通信可能に構成されている。また、通信ユニット3は、電話回線や公衆無線などの通信回線を介して警備対象領域Rの外部の機器と通信可能に構成されている。
【0022】
図1においては、警備対象領域Rとして、一般家庭を例示したが、工場の事務所、店、又はビル等が警備対象領域Rとなり得る。センサ2は、警備対象領域R内における異常を検知し、通信ユニット3に送信するように構成されている。具体的には、センサ2として、赤外線センサ、パッシブセンサ、窓や扉の開閉を検知するマグネットセンサー、窓ガラスの破壊音を検知するオーディオセンサなどを用いることができる。
【0023】
図2に示すように、通信ユニット3は、特定の警備対象領域Rに関する警備情報iの出力を行う外部出力手段31を備えている。ここで、外部出力手段31としては、具体的には、通信ユニット3に設けられたLEDランプや液晶ディスプレイなどの表示手段、スピーカーのような音声出力手段、又は通信回線を介して通信ユニット3の利用者の携帯端末にメールなどの情報を送信する情報送信手段を用いることができる。本願発明においては、外部出力手段31により出力する警備情報iは、監視センター4から通信ユニット3に送信される情報(地域情報li)に基づいて決定される点に特徴を有する。以下では、これらについて詳述する。
【0024】
〔監視センターの構成〕
図2に示すように、監視センター4は、地域情報取得手段41及び地域情報送信手段42を備える。これらの手段(41、42)は、演算装置及び記憶領域を備えたマイクロコンピュータによって構成される。
【0025】
地域情報取得手段41は、通信ユニット3に特定の警備対象領域Rを含む監視対象地域Aに関する地域情報liを取得するように構成されている。また、地域情報送信手段42は、地域情報取得手段41で取得した地域情報liを通信ユニット3に送信するように構成されている。
【0026】
本実施形態においては、監視センター4の地域情報取得手段41は、地域情報liとして監視対象地域Aにおける犯罪の発生情報c、監視対象地域Aの天候情報w、及び監視対象地域Aの気温情報tを送信するように構成されている。
【0027】
ここで、監視対象地域Aは、警備対象領域Rを含む特定の範囲を示す。監視対象地域Aとする特定の範囲は、地域情報取得手段41が取得する地域情報liの種類によって異なる。
【0028】
具体的には、例えば、犯罪の発生情報cの場合、監視対象地域Aは、特定の通信ユニット3から所定距離以内の円として設定される。この場合、地域情報取得手段41は警察の公表する犯罪発生マップを取得し、当該犯罪発生マップを元に、特定の通信ユニット3から所定距離以内における犯罪発生の有無を取得する。さらに、地域情報取得手段41は、監視センター4において、特定の通信ユニット3の所定距離以内に存在する通信ユニット3の発報の有無(周辺の発報の有無)を取得する。地域情報取得手段41は、これら犯罪発生の有無及び通信ユニット3の発報の有無をまとめて犯罪の発生情報cとして、通信ユニット3に送信する。
【0029】
ここで、地域情報取得手段41は上述の犯罪発生の有無及び通信ユニット3の発報の有無を、所定の日数以内に行われたかどうかを基準として取得するように構成すると良い。具体的には、半日以内、2日以内、1週間以内といった期間で行うと良い。
【0030】
また、例えば、天候情報wの場合、監視対象地域Aは、気象庁、又は予報業務許可事業者が提供する天気予報の予報区域に設定される。この場合、地域情報取得手段41は、気象庁、又は予報業務許可事業者が提供する天気予報を取得し、特定通信ユニットを含む予報区域の天気予報を通信ユニット3に送信する。本実施形態においては、地域情報取得手段41により通信ユニット3に送信される天気予報として、時系列予報(例えば、1時間、3時間、6時間後の天気予報)を用いる。
【0031】
また、例えば、気温情報tの場合、監視対象地域Aは、天候情報wと同様に気象庁、又は予報業務許可事業者が提供する天気予報の予報区域に設定される。この場合、地域情報取得手段41は、気象庁、又は予報業務許可事業者が提供する予想気温を取得し、特定通信ユニットを含む予報区域の予想気温を通信ユニット3に送信する。本実施形態においては、地域情報取得手段41により通信ユニット3に送信される予想気温として、時系列の予想気温(例えば、1時間、3時間、6時間後の予想気温)を用いる。
【0032】
通常、天候情報wと気温情報tとは合わせて配信されるため、地域情報取得手段41は、気象庁又は単一の予報業務許可事業者から、天候情報wと気温情報tとを合わせて取得するように構成されると良い。
【0033】
〔警備対象領域内の構成〕
本実施形態においては、警備対象領域R内にセンサ2として、警備対象領域R内の窓の開閉状態を検知する窓センサ21を備える。窓センサ21は、当該窓センサ21が備えられた窓の開閉状態を検知し、当該開閉状態を示す開閉信号ocを通信ユニット3に送信する。ここで、窓の開閉状態が、本願発明における「センサ2が検知する異常」に相当する。具体的には、窓センサ21は、開閉信号ocとして、窓が開いているか、閉まっているか、のいずれかを示す信号を送信する。
【0034】
また、警備対象領域Rには、センサ2として、気温変化により検知感度が変化する気温依存センサ22を備えている。気温依存センサ22としては、人体表面温度と背景温度との差から人を検知するように構成された赤外線パッシブセンサや、電池によって駆動するように構成された電池式センサが相当する。
【0035】
ここで、気温依存センサ22の温度依存性について補足すると、赤外線パッシブセンサの場合は、気温が高くなった場合に、人体表面温度と背景温度(気温)との差が小さくなり、人の検知が正常に行われなることがある。また、電池式センサの場合は、気温が低くなった場合に、電池の内部抵抗が増加し、電池が電池式センサの動作に必要な電圧を供給できなくなることがある。このため、電池式センサが正常に動作しなくなる場合や、電池電圧異常と判断し通信ユニット3に異常通知を送信してしまうおそれがある。
【0036】
〔通信ユニットの構成〕
通信ユニット3は、監視センター4の地域情報送信手段42から送信された地域情報liに基づいて外部出力手段31により警備情報iを出力するように構成されている。すなわち、外部出力手段31は、受信した地域情報liによって異なる警備情報iを出力するように構成されている。本実施形態においては、外部出力手段31は以下の3種類の地域情報liに基づいて警備情報iを出力するように構成されている。
【0037】
1.犯罪の発生情報の場合
外部出力手段31は、地域情報liとして犯罪の発生情報cを受信した場合には、当該犯罪の発生情報cを示す情報を出力する。具体的には、例えば外部出力手段31がLEDランプのような表示手段の場合には、下表1のような出力を行う。
【0039】
また、例えば、外部出力手段31がスピーカーのような音声出力手段の場合には、犯罪発生の有無及び周辺の発報の有無を、音又は音声で表現すると良い。
【0040】
2.天候情報の場合
通信ユニット3は、当該天候情報w及び開閉信号ocに基づいて外部出力手段31により出力する情報を決定する第1出力情報決定手段33を備える。具体的には、第1出力情報決定手段33は、天候情報w及び開閉信号ocによって、例えば下表2のような出力を行う。
【0042】
上記例においては、外部出力手段31として、LEDランプのような表示手段、スピーカーのような音声出力手段、及び通信ユニット3の利用者にメッセージを送信するように構成された情報送信手段を備えている場合を示している。第1出力情報決定手段33は、これら3つの手段の出力方法を決定するように構成されている。上記例においては、外部出力手段31としての表示手段は、天候情報wを通信ユニット3の利用者に報知する役割を果たす。
【0043】
より詳しくは、天候情報wが「晴れ」の場合には、開閉信号ocの内容によらず、外部出力手段31としての表示手段を、「緑色」に点滅させる。また、天候情報wが「曇り」の場合には、開閉信号ocの内容によらず、外部出力手段31としての表示手段を、「橙色」に点滅させる。さらに、天候情報wが「雨」、「雪」、「雷」又は「強風」のいずれかを含む場合(すなわち、単に「雨」、「雪」、「雷」又は「強風」の場合に限らず、「曇りのち雨」といった天候情報wの場合も含む)には、開閉信号ocの内容によらず、外部出力手段31としての表示手段を、「赤色」に点滅させる。
【0044】
加えて、本実施形態における特徴として、天候情報wが「雨」、「雪」、「雷」又は「強風」の予報であり、かつ、開閉信号ocが「開」の場合には、外部出力手段31により、通信ユニット3の利用者に洗濯物の取り入れを促す旨を出力するように決定する。具体的には、外部出力手段31としての音声出力手段により「洗濯物の取り入れをおすすめします」といった外に干している洗濯物の取り入れを促す旨のメッセージを報知すると良い。また、外部出力手段31としての情報送信手段により、通信ユニット3の利用者の携帯端末に洗濯物の取り入れを促す旨のメッセージを送信しても構わない。当該メッセージの出力においては、例えば、通信ユニット3の利用者が警備対象領域R外に存在する場合には情報送信手段を用い、警備対象領域R内に存在する場合には音声出力手段を用いるといったように手段を切り替えても構わない。
【0045】
3.気温情報の場合
本実施形態においては、通信ユニット3は、受信した気温情報tに基づいて外部出力手段31による警備情報iの出力を決定するために、センサ特性記憶手段34と、第2出力情報決定手段35とを備える。
【0046】
センサ特性記憶手段34は、警備対象領域R内に配置された気温依存センサ22の温度特性pを記憶する。具体的には、温度特性pとして、気温依存センサ22ごとに正常に動作可能な温度の範囲、言い換えれば検知感度に悪影響が及ばない温度範囲を記憶する。例えば、温度特性pとして、気温依存センサ22としての特定の赤外線パッシブセンサは30℃以下、気温依存センサ22としての特定の電池式センサは5℃以上といった情報を記憶する。
【0047】
第2出力情報決定手段35は、当該気温情報t及びセンサ特性記憶手段34に記憶された温度特性pに基づいて外部出力手段31により出力する情報を決定する。具体的には、第2出力情報決定手段35は、気温情報tにより予測される気温変化が、気温依存センサ22の検知感度に影響を与える場合に、通信ユニット3の利用者に室温の調整を促す旨を出力するように決定する。具体的には、例えば、外部出力手段31がLEDランプなどの表示手段の場合には、気温情報tとして受信した1時間後の予想気温が、気温依存センサ22の温度特性pである温度範囲から外れる場合に外部出力手段31としての表示手段を赤色で点滅させ、温度範囲に収まる場合には青色で点滅させるといった出力を行うと良い。この場合、赤色に点滅した場合には、通信ユニット3の利用者には空調の調整を行ってもらうよう、あらかじめマニュアルなどに記載することが望ましい。また、外部出力手段31として音声出力手段を備え、「空調を入れて、室温を調整してください」といった室温の調整を促す旨を音声で出力しても構わない。
【0048】
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、監視対象地域Aに対して監視センター4が1つ設けられる構成の例を示したが、本願発明は上記構成に限られず、複数の監視対象地域Aに対して、監視センター4が1つ設けられた構成としても良い。
【0049】
この場合、警備システム1は、監視センター4として、複数の監視対象地域Aを対象として設置され、統括監視センター40を備える。統括監視センター40に設けられる地域情報取得手段41は、複数の監視対象地域Aそれぞれの地域情報liを取得するように構成される。すなわち、地域情報取得手段41は、複数の地域情報liをまとめて取得するように構成される。
図3の例では、地域情報取得手段41は監視対象地域A1〜A3の地域情報li(それぞれliA1、liA2、liA3)をまとめて取得する。
【0050】
さらに、統括監視センター40に設けられる地域情報送信手段42は、
図3に示すように、地域情報抽出手段43を備える。地域情報抽出手段43は、地域情報取得手段41により取得された複数の地域情報liのうち、特定の警備対象領域Rを対象として設けられる特定の通信ユニット3に、当該特定の警備対象領域Rを含む特定の監視対象地域Aの地域情報liを抽出する。統括監視センター40に設けられる地域情報送信手段42は、地域情報抽出手段43により抽出された地域情報liを通信ユニット3に送信するように構成される。
図3の例では、地域情報送信手段42は、監視対象地域A1内の通信ユニット3に対して、監視対象地域A1に対応する地域情報liA1を送信する。
【0051】
(2)上記実施形態においては、監視センター4が、犯罪の発生情報c、天候情報w、及び気温情報tを取得する構成の一例を示したが、監視センター4がこれら情報のうちいずれかのみを取得し、通信ユニット3に送信するように構成されていても構わない。
【0052】
(3)上記実施形態においては、警備対象領域R内に窓センサ21が備えられている場合の例を示したが、警備対象領域R内に窓センサ21が備えられていない構成としても構わない。この場合、通信ユニット3は、第1出力情報決定手段33を備えない構成とすると良い。
【0053】
(4)上記実施形態においては、警備対象領域R内に気温依存センサ22が備えられている場合の例を示したが、警備対象領域Rに気温依存センサ22を備えない構成としても構わない。この場合、通信ユニット3は、センサ特性記憶手段34及び第2出力情報決定手段35を備えない構成とすると良い。
【0054】
(5)上記実施形態では、外部出力手段により出力される情報を警備情報iとして説明したが、犯罪の発生情報c、天候情報w、及び気温情報t等をそのまま出力してもよい。従って、外部出力手段により出力される情報は単に情報と呼ぶ。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、特定の警備対象領域に設けられ、外部に前記特定の警備対象領域に関する警備情報の出力を行う外部出力手段を備えた通信ユニットと、当該通信ユニットと通信を行う監視センターとを備え、前記監視センターが複数の通信ユニットと通信を行う警備システムに適応可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 :警備システム
3 :通信ユニット
4 :監視センター
21 :窓センサ
22 :気温依存センサ
31 :外部出力手段
33 :第1出力情報決定手段
34 :センサ特性記憶手段
35 :第2出力情報決定手段
40 :統括監視センター
41 :地域情報取得手段
42 :地域情報送信手段
43 :地域情報抽出手段
A :監視対象地域
R :警備対象領域
c :犯罪の発生情報
i :警備情報
li :地域情報
oc :開閉信号
p :温度特性
t :気温情報
w :天候情報