(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120852
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】液体燃料捕捉装置
(51)【国際特許分類】
B60K 15/035 20060101AFI20170417BHJP
F02M 25/08 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
B60K15/035 C
F02M25/08 K
F02M25/08 311M
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-526522(P2014-526522)
(86)(22)【出願日】2012年8月27日
(65)【公表番号】特表2014-529543(P2014-529543A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】EP2012066570
(87)【国際公開番号】WO2013026938
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2014年4月25日
(31)【優先権主張番号】1114705.5
(32)【優先日】2011年8月25日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴァルター
【審査官】
田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−336495(JP,A)
【文献】
特公昭47−004843(JP,B1)
【文献】
独国特許出願公開第102009005826(DE,A1)
【文献】
特開2000−310109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/035
F02M 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料蒸気通路に接続可能な少なくとも1つの出口ポート(5)を備えた、閉鎖された空間を形成するハウジング(2)と、
前記空間からタンク内へ液体燃料(3)を排出することができる弁(4,6)と、を備え、
前記ハウジング(2)は、傾斜場面において前記ハウジング(2)内の前記液体燃料(3)が、燃料蒸気回収システムに接続可能な前記出口ポート(5)に達することを防止するための保持手段(7)を有する、車両燃料システム用の液体燃料捕捉装置において、
前記保持手段(7)は複数のバリヤを備え、該バリヤは、前記ハウジング(2)の幅全体にわたって完全に延びているわけではなく、実質的に前記ハウジング(2)の幅全体にわたって延びているパネル若しくはリブの形態であって、端部において屈曲部を有し、
前記屈曲部を有する端部と前記ハウジング(2)との間に隙間が設けられており、前記屈曲部は、前記出口ポート(5)とは反対向きに屈曲しており、
前記バリヤは、傾斜場面における前記液体燃料(3)の保持量を規定していることを特徴とする、車両燃料システム用の液体燃料捕捉装置。
【請求項2】
前記保持手段(7)は、前記ハウジング(2)の底板から実質的に垂直に延びたL字形のアングルブラケットであり、該L字形のアングルブラケット(7)は、前記ハウジング(2)に交互に配置されている、請求項1記載の液体燃料捕捉装置。
【請求項3】
前記閉鎖された空間は、前記弁(4)と前記出口ポート(5)との間に配置された、複数のバリヤを備える、請求項1又は2記載の液体燃料捕捉装置。
【請求項4】
前記バリヤは、前記ハウジング(2)の底部から上方へ90°以下の角度で、燃料蒸気通路に接続可能な前記出口ポート(5)に向かう方向に延びている、請求項3記載の液体燃料捕捉装置。
【請求項5】
前記保持手段(7)は、複数の面を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の液体燃料捕捉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、車両燃料システム、より具体的には、時に膨張タンク又は膨張キャニスタとも称される液体燃料捕捉(Liquid Fuel Trap、LFT)に関する。
【0002】
発明の背景
一般的に、車両システムは特に、フィラーネックを備えた燃料タンクと、様々な燃料弁と、点火システムに燃料を供給するための配管と、燃料蒸気処理システム(典型的には炭素フィルタ回収システムキャニスタ)とを有し、前記燃料蒸気処理システムへ、燃料蒸気が燃料タンクから流れ、次いで、点火システムに供給される燃料混合物の濃度を高めるために使用される。
【0003】
燃料タンクからの燃料流体(液体、液滴、噴霧及び蒸気の状態である)は、適切な配管を介して接続された1つ以上の弁を通って、燃料蒸気回収部とタンクとの中間に位置する液体捕捉部へ流れる。
【0004】
液体捕捉部は、液体タンクから流れてくる燃料流体を受け取り、この燃料流体は1つ以上の弁を通って流れ、圧力変化及び温度変化により比較的高速で流れ、これにより、燃料タンクから流れてくる蒸気は、この蒸気とともに、(ベンチュリ効果の結果として)液滴の状態のかなりの量の液体燃料をも運搬する。液体捕捉部は、液体燃料を捕捉し、蒸気回収システムに向かう燃料蒸気流を許容する。次いで、燃料タンク内の圧力が低下すると、液体燃料は燃料タンクへ戻る。
【0005】
従来技術の説明
独国特許出願公開第10052399号明細書は、燃料タンクと、少なくとも1つの燃料ベント弁と、燃料回収システムと、少なくとも1つの燃料弁と液体燃料捕捉部との間に延びる液体燃料捕捉部とを備え、前記液体燃料捕捉部は、対応する少なくとも1つの燃料ベント弁に接続可能な入口ポートと、燃料蒸気回収システムに接続可能な出口ポートと、液体燃料を燃料タンクへ排出するための液体燃料排出アセンブリとを備えた、閉鎖された空間を備えた形成されたハウジングを有し、前記液体燃料排出アセンブリには、燃料推進機構が取り付けられている、車両燃料システムを開示している。
【0006】
液体燃料捕捉部は、タンク内に取り付けられた様々な弁が内部に据え付けられている、即ちタンクの上壁から突出しておらず、液体捕捉部への弁に接続された管においてサイホンが生ぜしめられるような場合に重要である。このようなサイホンは、一方ではタンクを通気することを妨げ、他方では装置の排出を妨げる。
【0007】
米国特許第6860286号明細書から液体燃料捕捉部が公知であり、この液体燃料捕捉部は、対応する燃料弁に接続可能な少なくとも1つの入口ポートと、燃料蒸気回収システムに接続可能な出口ポートと、閉鎖された空間からタンク内へ液体燃料を排出するように適応させられた液体燃料排出弁とを備える、閉鎖された空間を備えて形成されたハウジングを有する。ハウジングは、さらに、燃料タンクの上壁の内面に装置を取り付けるための結合設備を有する。少なくとも1つの入口ポートからの液体流は、出口ポートへ直接的に流れること又は飛び散ることを防止されている。この効果は、少なくとも1つの入口ポート及び出口ポートを異なるレベルにおいて、軸方向に逸らされて、すなわち軸方向に延びていないように設計することによっても達成され得る。つまり、閉鎖された空間は、複数のレベル付けされていないチャンバを備えて形成されていてよく、入口及び出口ポートは異なるレベルに取り付けられている。
【0008】
このような設備は、傾斜場面において液体燃料がタンク通気システムから炭素キャニスタ内へ流出することを防止するために使用することができ、傾斜場面とは、車両の加速/減速などの状態及び(例えば車両の傾きにもよる)燃料タンク内の横方向及び高さ方向での液体燃料変位を生じる状態を意味する。
【0009】
その欠点は、このような設備がかなり複雑であり、ひいてはコストがかかるということである。
【0010】
本発明の目的は、傾斜場面において液体燃料が炭素キャニスタに侵入することを簡単な形式で防止することができる、車両の燃料システム用の液体燃料捕捉部を提供することである。
【0011】
発明の概要
本発明によれば、車両燃料システム用の液体燃料捕捉装置が提供される。本発明による装置は、燃料蒸気通路に接続可能な少なくとも1つのポートを備えた閉鎖された空間を形成するハウジングと、前記空間からタンク内へ液体流体を排出することができる弁とを有する。さらにそれ以外に、ハウジングは、傾斜場面において、ハウジングにおける燃料が、燃料蒸気回収システムに接続可能な出口ポートに達することを防止するための少なくとも2つの保持手段を有する。したがって、少なくとも1つの入口ポートは少なくとも1つの対応する燃料弁に接続可能である。出口ポートは、一体化された部分が使用されるか、又はディーゼル部分が使用されるかに応じて、場合によっては燃料蒸気回収システムを通じて、環境と連通することができる燃料蒸気通路に接続可能である。さらに、液体燃料排出弁は、液体燃料を前記空間からタンク内へ排出するように適応させられている。
【0012】
液体捕捉部は、場合によっては燃料蒸気回収システム、通常は炭素キャニスタを通じて、液体燃料が、タンク通気システムから、環境と連通することができる燃料蒸気通路内へ流出しないように保持するための、車両モータにおける特徴部である。液体捕捉部は、通常、弁を通過する液体燃料を捕捉するために、燃料蒸気弁と燃料蒸気回収システムとの間に取り付けられている。運転条件に応じて、液体捕捉部は、異なる使用可能な能力を提供する。
【0013】
本発明によれば、保持手段により、液体燃料捕捉装置における燃料は、燃料蒸気システムに接続可能な出口ポートに達することを妨げられる。この形式において、燃料は、炭素キャニスタの重大な欠陥につながる恐れがある炭素キャニスタへの進入を妨げられる。
【0014】
発明の好適な実施の形態において、保持手段は、少なくとも1つのバリヤを含む。
【0015】
この場合、少なくとも1つのバリヤが、ハウジングにおいて、液体捕捉部の位置と、燃料蒸気ラインに接続可能な少なくとも1つのポートとの間に配置されていると有利である。
【0016】
さらにそれ以外に、好適には、少なくとも1つのバリヤは、完全にハウジングの幅全体にわたってではなく、実質的にハウジングの幅全体にわたって延びている面である。
【0017】
発明の別の好適な実施の形態では、パネルは、ハウジングの底部から上方へ、燃料蒸気通路に接続可能なポートへ向かう方向で約90°以下の角度で延びている。
【0018】
発明の別の好適な実施の形態において、保持手段は、複数のパネルを含む。
【0019】
さらに、タンクからの燃料蒸気通路が最も低い箇所になるように液体捕捉部の底部が下方へ傾斜させられていると有利である。それにより、液体捕捉部が、液体捕捉部の底面の角度より小さな角度で(液体捕捉部出口に向かって)傾斜させられると、液体捕捉部内の全ての液体燃料はタンクへの燃料蒸気通路内へ自動的に戻る。
【0020】
発明の上記及びその他の態様、特徴及び利点は、添付の図面に関連して読まれるべき例示的な実施の形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】傾斜場面における保持手段を備えない液体捕捉部の概略図である。
【
図2】
図1の液体捕捉部と同じ傾斜場面における、本発明の好適な実施の形態による保持手段を備えた液体捕捉部の概略図である。
【
図3】水平の位置における本発明の好適な実施の形態による液体捕捉部の概略図である。
【
図4】異なる傾斜場面における
図1の液体捕捉部を示している。
【
図5】異なる傾斜場面における
図1の液体捕捉部を示している。
【
図6】異なる傾斜場面における
図1の液体捕捉部を示している。
【
図7】異なる傾斜場面における
図1の液体捕捉部を示している。
【
図8】
図8a)は、燃料を含んだ、
図7に示されかつ
図7のものと同じ傾斜場面における液体捕捉部の断面図であり、
図8b)は、燃料を含まない、
図7に示されかつ
図7のものと同じ傾斜場面における液体捕捉部の断面図である。
【0022】
典型的な実施の形態の詳細な説明
図1a)を参照すると、従来技術より公知の、1つの実施の形態による保持手段を一切備えない液体捕捉装置1の概略図が示されている。
図1a)は、傾斜場面における液体捕捉装置1を示している。車両における液体捕捉装置の配置に応じて、図示された傾斜場面は、右転回、左転回又は加速状態であってよく、加速は、正の加速、又は制動状態である負の加速であってよい。
【0023】
この図示した実施の形態では、燃料タンクからの燃料流体(液体、液滴、噴霧及び/又は蒸気の状態である)は、弁4及び6を通過して液体捕捉部2に流入し、液体捕捉部2は、車両の燃料蒸気回収部とタンクとの中間に配置されていてよい。
【0024】
液体捕捉部2は、液体タンクから弁4及び6を介して燃料流体3を受け取り、この燃料流体3は、車両動力学、圧力変化及び温度変化により比較的高速で流れ、これにより、燃料タンクから流れる蒸気は、この蒸気とともに、液滴の状態のかなりの量の液体燃料3をも運搬する。液体捕捉部2は、液体燃料3を捕捉し、蒸気回収システムに向かう出口ポート5を通過する燃料蒸気流を許容する。次いで、液体燃料3は、燃料タンク内の圧力低下、弁4を通過する蒸気流の減少、又は単なる重力により、ベント弁若しくは充填制限弁4を通って燃料タンクへ戻る。
【0025】
図1b)には、
図1a)の傾斜場面時に出口ポート5に達することを防止することができる液体の最大量が示されている。この形式において、燃料3は、炭素キャニスタに進入することを防止される。炭素キャニスタへの進入は、炭素キャニスタの重大な欠陥につながる恐れがある。
【0026】
図1b)から見て取れるように、本発明による車両燃料システム用の液体燃料捕捉装置1において、装置は、閉鎖された空間を形成するハウジングと、燃料蒸気システムに接続可能な少なくとも1つのポートを備えた燃料捕捉領域2と、前記空間からタンク内へ液体燃料を排出するように適応させられた蒸気ベント弁若しくは充填制限弁6とを有する。ハウジング若しくは燃料捕捉領域2は、複数の保持手段7を有し、これらの保持手段7は、弁装置4及び6と出口ポート5との間に配置されており、傾斜場面時にハウジング2内の燃料が出口ポート5に達することを防止する。保持手段7は、一種のバリヤである。
図1b)に示された実施の形態では、一種の保持リブがハウジング2に設けられている。パネル若しくはリブの形態のバリヤは、ハウジング2の幅全体にわたって完全に延びているわけではなく、実質的にハウジング2の幅全体にわたって延びており、図示した好適な実施の形態によれば、端部において屈曲部を有している。このような配列では、保持は、傾斜場面において"アクティブ"となるだけで、その他の動的状態においては燃料蒸気弁4及び6の性能に否定的に影響することはない。
【0027】
ハウジング2におけるパネル若しくはリブ7は、好適には、ハウジング2の底部から上方へ角度を成して延びている。
【0028】
図1b)に示した実施の形態では、傾斜場面時における液体捕捉部2の容量を容易に増大させることができる。例えばフルブレーキングが行われなければならない場合、約1G以上の負の加速が発現し得る。本発明による構成の場合、液体捕捉部2の容量を、
図1a)に示された配列と比較して、著しく増大させることができる。
【0029】
図2には、
図1の液体捕捉装置と同じ傾斜場面における、本発明の好適な実施の形態による保持手段7を備えた液体捕捉装置1の概略図が示されている。
【0030】
図2に示された実施の形態では、保持手段7は、液体捕捉部2の底板から実質的に垂直に延びたL字形のアングルブラケットである。L字形のアングルブラケット7は、液体捕捉部2に交互に配置されている。
【0031】
図2b)には、
図2a)の傾斜場面時に出口ポート5に達することを防止することができる液体の最大量が示されている。
図1b)と
図2b)とを比較すると、出口ポート5に達することなく液体捕捉部2に保持することができる液体3の量は、
図1b)の場合よりも、
図2b)の場合の方が大幅に多いことが明らかである。これは、特に保持手段7を有する本発明による液体保持装置1において、出口ポート5に達することを防止される液体の量が、従来技術より公知の実施の形態におけるよりも大幅に多いことを意味する。
【0032】
図3a)には、水平の位置における本発明の好適な実施の形態による液体捕捉装置1の概略図が示されている。液体捕捉部には燃料3が満たされている。
図3b)は、再び、出口ポート5に達することなく液体捕捉部2に保持することができる燃料3の量を概略的に示している。
【0033】
図3a)の装置は、
図4a)にも示されているが、異なる傾斜場面において示されている。
図4b)は、液体捕捉部2に保持することができる燃料3の量の概略図である。
【0034】
例えば、車両が左へ転回していると考えることができる状態が示されている。この状態では、液体捕捉部2における燃料3は、他方へ移動し、この場合の他方は右側を意味する。
【0035】
図5は、車両の加速状態における燃料捕捉装置1の図を示しており、
図6は、車両の制動状態における燃料捕捉装置1の図を示している。さらにそれに加えて、
図7には、車両が右転回しているときの状態が示されている。ここで言及されている状態は、単なる例示であり、車両に取り付けられた液体捕捉装置の向きに依存することは明らかである。
【0036】
図6は、加速状態における液体捕捉装置1の概略図であり、この加速状態は、この図示及び説明された実施の形態では負の加速状態、ひいては制動状態である。ここでは、制動状態において、多すぎない燃料3が燃料捕捉部2に存在することが示されている。
【0037】
図8a)及び
図8b)は、燃料を含んだ、
図7に示されかつ
図7のものと同じ傾斜場面における液体捕捉部の断面図であり、
図8c)は、燃料を含まない、
図7に示されかつ
図7のものと同じ傾斜場面における液体捕捉部の断面図である。
【0038】
液体捕捉部の前方への45°の傾斜が
図8a)に示されている。これは、加速によって生ぜしめられる状態であり得る。同様の状態が
図8b)に示されており、液体捕捉部は45°を成している。これは、例えば、車両を山道に停車させる状態であり得る。
【0039】
図8c)において、断面図で見た液体捕捉装置の図は、燃料を含まない。
【0040】
図示した実施の形態において、液体捕捉装置1は、燃料タンクから弁4又は6を介して燃料流体3を受け取る。液体捕捉部2は、液体燃料3を捕捉し、蒸気回収システムに向かう出口ポート5を通過する燃料蒸気流を許容する。次いで、液体燃料3は、燃料タンク内の圧力低下、弁6を通過する蒸気流の減少、又は重力により、ベント弁若しくは充填制限弁6を通って燃料タンクへ戻る。
図8c)に見て取れるように、発明の好適な実施の形態によれば、燃料蒸気弁6は、弁4よりも僅かに低い箇所に配置されている。これは、通常の傾斜場面において液体燃料3が極めて容易に排出されることを意味する。
【0041】
図示された液体捕捉装置の傾斜場面は、これらの状態が、(例えば車両の傾斜によっても)液体捕捉部2内での横方向及び高さ方向の液体燃料3の変位を生ぜしめることを視覚化しており、これは、液体捕捉部2からの液体燃料3がこれらの状態においてタンク通気システムから、例えば出口ポート5を通って炭素キャニスタ内へ流出する恐れがあることを意味する。これは、燃料捕捉部における液体燃料3の量に依存し、傾斜場面の大きさにも依存する。
【0042】
本発明による、上でさらに説明された"最悪のケース"の動的状態における液体捕捉能力を高めるために、必要とされるこれらの運転条件においてのみ、より利用可能な液体捕捉能力を生ぜしめるために、単純な保持手段が導入されている。全てのその他の動的状態においては、保持手段は、負の効果を示さない又は燃料蒸気弁の性能に負の影響を一切もたらさない。
【0043】
前記実施の形態は、例示するためだけのものであり、発明によって規定される発明を制限しない。
【0044】
図示された実施の形態とは対照的に、パネル若しくはリブ7は、ハウジング2の基部から45°の角度で延びるように配置されていてもよい。さらに、この角度は、特定の顧客の要求に応じて異なることができる。