(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品実装機の部品供給装置に設けられた複数のスロットに装着されたフィーダに着脱可能に装着され、多数の部品を収容したテープが巻回されたリールの管理システムであって、
前記フィーダには、当該フィーダを識別するためのフィーダ識別情報を識別可能なフィーダ識別部が設けられ、
前記リールには、当該リールを識別するためのリール識別情報を識別可能なリール識別部が設けられ、
前記リール識別情報及び前記フィーダ識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
新品の前記リールを前記フィーダに装着する前に、前記識別情報読取手段によって読み取られた、前記リールが装着される前記フィーダの前記フィーダ識別情報と前記フィーダに装着される前記リールの前記リール識別情報とを対応付けしてリール管理情報として記憶させるリール管理情報記憶部と、
前記フィーダから取り外される前記リールである使用途中リールを前記フィーダから取り外す際に、前記識別情報読取手段によって読み取られた前記使用途中リールが装着されている前記フィーダの前記フィーダ識別情報に基づいて、前記使用途中リールに巻回された使用途中テープの部品残数を取得する部品残数取得手段と、
前記使用途中リールを前記フィーダから取り外す際に、前記識別情報読取手段によって読み取られた前記使用途中リールの前記リール識別情報と、前記部品残数取得手段によって取得された前記使用途中リールに巻回された前記使用途中テープの部品残数を対応付けした情報である使用途中テープ部品残数情報を、前記リール管理情報に更新記憶するとともに、前記リール管理情報から前記フィーダ識別情報を消去する使用途中テープ部品残数記憶手段と、
複数の前記使用途中テープが接合された接合テープを巻回した1つの接合テープリールが製作される際に、前記使用途中テープ部品残数情報を参照することにより、複数の前記使用途中テープが元々巻回されていた各前記使用途中リールの前記リール識別情報及び各前記使用途中テープの部品残数を取得し、前記使用途中テープが接合された順番に、前記使用途中テープが元々巻回されていた前記使用途中リールの前記リール識別情報と前記使用途中テープの部品残数を対応付けした接合テープリール部品残数情報を記憶する接合テープリール部品残数情報記憶手段と、
を有するリール管理システム。
部品実装機の部品供給装置に設けられた複数のスロットに装着されたフィーダに着脱可能に装着され、多数の部品を収容したテープが巻回されたリールの管理方法であって、
前記フィーダには、当該フィーダを識別するためのフィーダ識別情報を識別可能なフィーダ識別部が設けられ、
前記リールには、当該リールを識別するためのリール識別情報を識別可能なリール識別部が設けられ、
前記リール識別情報及び前記フィーダ識別情報を読み取る識別情報読取手段を備え、
新品の前記リールを前記フィーダに装着する前に、前記識別情報読取手段によって読み取られた、前記リールが装着される前記フィーダの前記フィーダ識別情報と前記フィーダに装着される前記リールの前記リール識別情報とを対応付けしてリール管理情報として記憶させるリール管理情報記憶工程と、
前記フィーダから取り外される前記リールである使用途中リールの前記リール識別情報を前記識別情報読取手段によって読み取るリール識別情報読取工程と、
前記使用途中リールを前記フィーダから取り外す際に、前記使用途中リールが装着されている前記フィーダの前記フィーダ識別情報を前記識別情報読取手段によって読み取り、当該フィーダ識別情報に基づいて、前記使用途中リールに巻回された使用途中テープの部品残数を取得する部品残数取得工程と、
前記リール識別情報読取工程によって読み取られた前記リール識別情報と、前記部品残数取得工程によって取得された前記使用途中リールに巻回された前記使用途中テープの部品残数を対応付けした情報である使用途中テープ部品残数情報を、前記リール管理情報に更新記憶するとともに、前記リール管理情報から前記フィーダ識別情報を消去する使用途中テープ部品残数記憶工程と、
複数の前記使用途中テープが接合された接合テープを巻回した1つの接合テープリールを製作する接合テープリール製作工程と、
前記使用途中テープ部品残数情報を参照することにより、複数の前記使用途中テープが元々巻回されていた各前記使用途中リールの前記リール識別情報及び各前記使用途中テープの部品残数を取得し、前記使用途中テープが接合された順番に、前記使用途中テープが元々巻回されていた前記使用途中リールの前記リール識別情報と前記使用途中テープの部品残数を対応付けした接合テープリール部品残数情報を記憶する接合テープリール部品残数情報記憶工程と、
を有するリール管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トレーサビリティーの観点から、リールは部品実装機に接続されたリール管理システムによって管理されている。つまり、リール管理システムによって、部品が供給されたリールの識別情報は記憶されていて、不具合の原因となった部品が収容されていたリールを特定することができるようになっている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に示される接合装置で、フィーダに装着する使用途中リールの使用途中テープに、順次各使用途中テープが接合されると、各使用途中テープが元々巻回されていた各使用途中リールのリール識別情報や、前記各使用途中テープの部品残数の情報が残らない。このため、接合される各使用途中テープに収容されている部品のトレーサビリティーを確保できないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の使用途中テープを接合して接合テープリールを製作した際に、各使用途中テープに収容されていた部品のトレーサビリティーを確保することができるリール管理システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る発明であるリール管理システムによると、部品実装機の部品供給装置に設けられた複数のスロットに装着されたフィーダに着脱可能に装着され、多数の部品を収容したテープが巻回されたリールの管理システムであって、
前記フィーダには、当該フィーダを識別するためのフィーダ識別情報を識別可能なフィーダ識別部が設けられ、前記リールには、当該リールを識別するためのリール識別情報を識別可能なリール識別部が設けられ、前記リール識別情報
及び前記フィーダ識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
新品の前記リールを前記フィーダに装着する前に、前記識別情報読取手段によって読み取られた、前記リールが装着される前記フィーダの前記フィーダ識別情報と前記フィーダに装着される前記リールの前記リール識別情報とを対応付けしてリール管理情報として記憶させるリール管理情報記憶部と、前記フィーダから取り外され
る前記リールである使用途中リールを
前記フィーダから取り外す際に、前記識別情報読取手段によって読み取られた前記使用途中リールが装着されている前記フィーダの前記フィーダ識別情報に基づいて、前記使用途中リールに巻回された使用途中テープの部品残数を取得する部品残数取得手段と、
前記使用途中リールを前記フィーダから取り外す際に、前記識別情報読取手段によって読み取られ
た前記使用途中リールの前記リール識別情報と、前記部品残数取得手段によって取得され
た前記使用途中リールに巻回された前記使用途中テープの部品残数を対応付けした情報である使用途中テープ部品残数情報を、
前記リール管理情報に更新記憶するとともに、前記リール管理情報から前記フィーダ識別情報を消去する使用途中テープ部品残数記憶手段と、複数の前記使用途中テープが接合された接合テープを巻回した1つの接合テープリールが製作される際に、前記使用途中テープ部品残数情報を参照することにより、複数の前記使用途中テープが元々巻回されていた各前記使用途中リールの前記リール識別情報及び各前記使用途中テープの部品残数を取得し、前記使用途中テープが接合された順番に、前記使用途中テープが元々巻回されていた前記使用途中リールの前記リール識別情報と前記使用途中テープの部品残数を対応付けした接合テープリール部品残数情報を記憶する接合テープリール部品残数情報記憶手段と、を有する。
【0011】
このように、接合テープリールが製作される際に、使用途中テープが接合された順番に、使用途中リールのリール識別情報と使用途中テープの部品残数が対応付けされて記憶される。これにより、使用途中リールのリール識別情報と使用途中テープの部品残数との対応付けを参照することにより、追跡する部品が元々収容されていたリールのリール識別情報を特定することができ、使用途中テープに収納されている部品のトレーサビリティーを確保することができる。
【0012】
上述した課題を解決するためになされた、請求項2に係る発明であるリール管理方法によると、部品実装機の部品供給装置に設けられた複数のスロットに装着されたフィーダに着脱可能に装着され、多数の部品を収容したテープが巻回されたリールの管理方法であって、
前記フィーダには、当該フィーダを識別するためのフィーダ識別情報を識別可能なフィーダ識別部が設けられ、前記リールには、当該リールを識別するためのリール識別情報を識別可能なリール識別部が設けられ、
前記リール識別情報及び前記フィーダ識別情報を読み取る識別情報読取手段を備え、新品の前記リールを前記フィーダに装着する前に、前記識別情報読取手段によって読み取られた、前記リールが装着される前記フィーダの前記フィーダ識別情報と前記フィーダに装着される前記リールの前記リール識別情報とを対応付けしてリール管理情報として記憶させるリール管理情報記憶工程と、前記フィーダから取り外される前記リールである使用途中リールの前記リール識別情報を
前記識別情報読取手段によって読み取るリール識別情報読取工程と、
前記使用途中リールを前記フィーダから取り外す際に、前記使用途中リールが装着されている前記フィーダの前記フィーダ識別情報を前記識別情報読取手段によって読み取り、当該フィーダ識別情報に基づいて、前記使用途中リールに巻回された使用途中テープの部品残数を取得する部品残数取得工程と、前記リール識別情報読取工程によって読み取られた前記リール識別情報と、前記部品残数取得工程によって取得された前記使用途中リールに巻回された前記使用途中テープの部品残数を対応付けした情報である使用途中テープ部品残数情報を、
前記リール管理情報に更新記憶するとともに、前記リール管理情報から前記フィーダ識別情報を消去する使用途中テープ部品残数記憶工程と、複数の前記使用途中テープが接合された接合テープを巻回した1つの接合テープリールを製作する接合テープリール製作工程と、前記使用途中テープ部品残数情報を参照することにより、複数の前記使用途中テープが元々巻回されていた各前記使用途中リールの前記リール識別情報及び各前記使用途中テープの部品残数を取得し、前記使用途中テープが接合された順番に、前記使用途中テープが元々巻回されていた前記使用途中リールの前記リール識別情報と前記使用途中テープの部品残数を対応付けした接合テープリール部品残数情報を記憶する接合テープリール部品残数情報記憶工程と、を有する。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2において、接合される複数の前記使用途中テープが元々巻回されていた前記使用途中リールの前記リール識別情報を、前記
識別情報読取手段によって読み取る使用途中リール識別情報読取工程を有し、前記接合テープリール部品残数情報記憶工程において、前記使用途中テープ部品残数情報を参照することにより、前記使用途中リール識別情報読取工程において読み取られた前記リール識別情報に対応する部品残数を取得する。
【0014】
このように、接合テープリールが製作される際に、作業者が読取手段で使用途中テープが元々巻回されていた使用途中リールのリール識別情報を順次読み取るだけで、当該リール識別情報に対応する部品残数が取得され、自動的に接合テープリール部品残数情報が生成される。このため、簡単な作業で接合テープリール部品残数情報を生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(リール管理システムの概要)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のリール管理システムは、管理装置100と、管理装置100と通信可能に接続された読取装置200とから構成されている。管理装置100は、
図1に示す各部品実装機1と通信可能に接続されている。リール管理システムは、後述するリール23の部品残数等を管理するものである。
【0017】
(部品実装機の説明)
以下に、
図1を用いて、部品実装機1について説明する。なお、以下の説明において、基板の搬送方向をX軸方向と称し、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称し、X軸方向とY軸方向とに直角な方向をZ軸方向と称する。
図1に示す部品実装機1が、X軸方向に複数台(
図1では2台示す)直列に配置されて部品実装ラインが構成されている。部品実装機1は、基板搬送装置10と、部品供給装置20、及び部品装着装置40を有する。
【0018】
部品供給装置20は、複数のスロット22と(
図2参照)、各スロット22に着脱可能に装着される複数のフィーダ21とから構成されている。スロット22(
図2参照)は、部品供給装置20において、X軸方向に複数直列に設けられている。
図2に示すように、フィーダ21には、リール23が着脱可能に保持されている。リール23は、多数の部品Pを間隔を有して一列に収容したテープ24が巻回されている。
【0019】
フィーダ21の内部には、スプロケット26が回転可能に支承されている。スプロケット26外周部には、テープ24に形成された送り穴と係合する係合突起26aが形成されている。フィーダ21には、スプロケット26を回転する駆動源であるモータ25が設けられている。フィーダ21には、モータ25を制御するための制御部28が設けられている。
【0020】
フィーダ21は、スロット22にスライド可能に係合されるようになっている。フィーダ21の差込み側の先端には、スロット22に設けられ部品実装機1の制御装置(不図示)に接続された通信コネクタ29に接続可能な通信コネクタ30が設けられている。フィーダ21の通信コネクタ30は、フィーダ21がスロット22にスライドして装着されることにより、スロット22の通信コネクタ29に接続され、スロット22側からフィーダ21に電源が供給されるとともに、フィーダ21と部品実装機1の制御装置との間で必要な制御信号を送受信できるようになっている。
【0021】
フィーダ21には、当該フィーダ21を識別するための「フィーダ識別情報」を識別可能なフィーダ識別部27が設けられている。「フィーダ識別情報」は、それぞれのフィーダ21に固有な情報である。フィーダ識別部27は、読取装置200によって読取られ、これによりフィーダ21の「フィーダ識別情報」が取得される。当該「フィーダ識別情報」は、管理装置100に送信されて、後述する記憶部103に記憶される。本実施形態では、フィーダ識別部27はバーコード(2次元コード)であり、読取装置200はバーコードリーダ(2次元コードリーダ)である。
【0022】
リール23には、当該リール23を識別するための「リール識別情報」を識別可能なリール識別部32が設けられている。このリール識別部32は、読取装置200によって読取られ、これによりリール23の「リール識別情報」が取得される。当該「リール識別情報」は、管理装置100に送信されて、後述する記憶部103に記憶される。本実施形態では、リール識別部32はバーコード(2次元コード)である。「リール識別情報」には、部品の種類、ロット情報(製造年月日等)、その他固有の識別情報等が含まれる。
【0023】
リール23に巻回されたテープ24は、スプロケット26の回転によって1ピッチずつ送り出される。すると、テープ24に収容された部品Pが、フィーダ21の先端部に設けられた部品供給位置21aに順次供給される。部品供給位置21aに供給された部品Pは、後述する部品装着装置40の吸着ノズル47に吸着され、基板搬送装置10によって部品実装位置に位置決めされた基板上に装着される。
【0024】
図1に示すように、基板搬送装置10は、搬送装置11,12を有している。搬送装置11,12には、部品装着装置40の基台41上に、それぞれ一対のガイドレール13a,13bが設けられている。また、搬送装置11,12は、これらガイドレール13a,13bによりそれぞれ案内される基板を支持して搬送する図略の一対のコンベアベルトが設けられている。また、基板搬送装置10には、所定位置に搬送された基板を持ち上げてクランプする図略のクランプ装置が設けられている。
【0025】
この基板搬送装置10では、部品Pを実装する基板は、ガイドレール13a,13bにより案内されつつコンベアベルトによりX軸方向に部品実装位置まで搬送される。部品実装位置に搬送された基板は、クランプ装置によって部品装着位置に位置決めクランプされる。
【0026】
図1に示すように、部品装着装置40は、ガイドレール42、Y軸スライド43、Y軸サーボモータ44、X軸スライド45、X軸サーボモータ(不図示)、吸着ノズル47、部品装着ヘッド48を有している。
【0027】
ガイドレール42、Y軸スライド43、及びY軸サーボモータ44とから、Yロボットが構成されている。ガイドレール42は、基台41上にY方向に装架されて基板搬送装置10および部品供給装置20の上方に配設されている。Y軸スライド43は、ガイドレール42に沿ってY軸方向に移動可能に設けられている。Y軸スライド43は、Y軸サーボモータ44の出力軸に連結されたボールねじを有するボールねじ機構によってY軸方向に移動される。
【0028】
X軸スライド45、X軸サーボモータから、Xロボットが構成されている。X軸スライド45は、Y軸スライド43に、X軸方向に移動可能に設けられている。Y軸スライド43にはX軸サーボモータが設けられている。このX軸サーボモータの出力軸に連結された図略のボールねじ機構によって、X軸スライド45がX軸方向に移動される。
【0029】
X軸スライド45には、部品装着ヘッド48が設けられている。部品装着ヘッド48は、吸着ノズル47を着脱可能に保持している。吸着ノズル47は、部品Pを吸着する。
【0030】
(管理装置)
管理装置100は、リール23を管理するものである。
図1に示すように、管理装置100は、CPU101、RAM102、ROM103、不揮発性メモリー等の記憶部103、入出力インターフェース104、報知装置106を備えている。これらは、バスを介してそれぞれ相互に接続されている。CPU101は、
図3、
図5、
図6、
図8に示すフローチャート対応したプログラムを実行する。RAM102は同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。記憶部103は前記プログラムを記憶している。
【0031】
入出力インターフェース104には、操作部105や報知装置106が接続されている。操作部105には、キー−ボード、マウス等のポインティングディバイス、タッチパネル等が含まれる。操作部105は、管理装置100を操作するためのものである。報知装置106には、ディスプレイやスピーカが含まれる。報知装置106は、管理装置100が作業者に情報を報知させるものである。
【0032】
管理装置100は、各部品実装機1と通信可能に接続されている。各スロット22に装着された各フィーダ21での部品Pの供給数は、管理装置100に送信されて、記憶部103に記憶される。
【0033】
読取装置200は、管理装置100と無線又は有線により通信可能に接続されている。読取装置200が無線通信機能を備えているときは、作業者の行動範囲が規制されることはなく、作業者は離れた場所においても読取装置200によってリール識別部32やフィーダ識別部27を読み取らせることができる。
【0034】
(新品リール登録処理)
次に、新品リール23をフィーダ21に装着する際に実行される「新品リール登録処理」について
図3のフローチャートを用いて説明する。作業者が操作部105を操作して、「新品リール登録処理」を開始することが選択されると、プログラムは、S11に進む。
【0035】
作業者は、新品リール23をフィーダ21に装着する前に、新品リール23と当該リール23が装着されるフィーダ21とを対応付けするために、読取装置200で新品リール23が装着されるフィーダ21のフィーダ識別部27を読み取らせるとともに、読取装置200で新品リール23のリール識別部32を読み取らせる。
【0036】
S11において、管理装置100は、「フィーダ識別情報」及び「リール識別情報」が読み取られたと判断した場合には(S11:YES)、プログラムをS12に進め、「フィーダ識別情報」及び「リール識別情報」の両方を未だ読み取られていないと判断した場合には(S11:NO)、S11の処理を繰り返す。
【0037】
S12において、管理装置100は、
図4の(A)に示すように、S11で読み取られた「フィーダ識別情報」、「リール識別情報」、及び新品リール23の「部品残数」を対応付けして、「リール管理情報」として、記憶部103に記憶させる。本実施形態では、リール識別部32に「部品残数」が記憶されていて、読取装置200でリール識別部32を読み取ると、「部品残数」が読み取られるようになっている。S12が終了すると、プログラムはS13に進む。
【0038】
S13において、管理装置100は、作業者の操作部105の操作により、「新品リール登録処理」が終了することを選択されたと判断した場合には(S13:YES)、「新品リール登録処理」を終了し、一方で、「新品リール登録処理」が終了することを選択されていない判断した場合には(S13:NO)、プログラムをS11に戻す。
【0039】
(使用途中テープ部品残数記憶処理)
次に、使用途中リール23をフィーダ21から取り外して、当該使用途中リール23を倉庫等の保管場所に移動する際に実行される「使用途中テープ部品残数記憶処理」について
図5のフローチャートを用いて説明する。作業者が操作部105を操作して、「使用途中テープ部品残数記憶処理」を開始することが選択されると、プログラムは、S21に進む。
【0040】
作業者は、使用途中リール23をフィーダ21から取り外す際に、読取装置200で使用途中リール23が装着されているフィーダ21のフィーダ識別部27を読み取らせるとともに、読取装置200で前記使用途中リール23のリール識別部32を読み取らせる(リール識別情報読取工程)。
【0041】
S21において、管理装置100は、「フィーダ識別情報」及び「リール識別情報」が読み取られたと判断した場合には(S21:YES)、プログラムをS22に進め、「フィーダ識別情報」及び「リール識別情報」の両方を未だ読み取られていないと判断した場合には(S21:NO)、S21の処理を繰り返す。
【0042】
S22(部品残数取得工程)において、管理装置100は、S21において読み取られた「フィーダ識別情報」のフィーダ21に装着されている使用途中リール23の「部品残数」を部品実装機1に問い合わせる。部品実装機1は、前記リール23が装着されている前記フィーダ21における部品供給数を認識している。そして、部品実装機1は、前記問い合わせが有ると、前記リール23がフィーダ21に装着された際の「部品残数」から部品供給数を減算して「部品残数」を演算し、当該「部品残数」を管理装置100に送信する。S22が終了すると、プログラムはS23に進む。
【0043】
S23において、管理装置100が、使用途中リール23の「部品残数」を取得したと判断した場合には(S23:YES)、プログラムをS24に進め、使用途中リール23の「部品残数」を取得していないと判断した場合には(S23:NO)、S23の処理を繰り返す。
【0044】
S24(使用途中テープ部品残数記憶工程)において、使用途中リール23の「リール識別情報」とS23において取得した使用途中リール23の「部品残数」とを対応付けして、
図4の(B)に示すように、リール管理情報(使用途中テープ部品残数情報)を更新記憶する。S24が終了すると、プログラムはS25に進む。
【0045】
S25において、管理装置100は、「リール管理情報」において、S21において読み取られた「フィーダ識別情報」と「リール識別情報」の対応付けを解消する。具体的には、「リール管理情報」から、S21において読み取られた「フィーダ識別情報」が消去される。S25が終了すると、プログラムはS26に進む。
【0046】
S26において、管理装置100は、作業者の操作部105の操作により、「使用途中テープ部品残数記憶処理」が終了することを選択されたと判断した場合には(S26:YES)、「使用途中テープ部品残数記憶処理」を終了し、一方で、「使用途中テープ部品残数記憶処理」が終了することを選択されていない判断した場合には(S26:NO)、プログラムをS21に戻す。
【0047】
このように、S21〜S25の処理が順次繰り返されることにより、
図4の(B)に示すように、各使用途中リール23の「リール識別情報」と、各使用途中リール23に巻回された使用途中テープ24の「部品残数」を対応付けした情報である「使用途中テープ部品残数情報」が生成される。
【0048】
(接合テープリール部品残数情報記憶処理)
次に、保管場所で保管されている複数の使用途中リール23の使用途中テープ24をスプライシングにより接合して接合テープ24を製作し、当該接合テープ24を巻回した1つの接合テープリール23が製作される際(接合テープリール製作工程)に、当該接合テープリール23の「部品残数」を記憶する「接合テープリール部品残数情報記憶処理」を、
図6のフローチャートを用いて説明する。作業者が操作部105を操作して、「接合テープリール部品残数情報記憶処理」を開始することが選択されると、プログラムは、S51に進む。
【0049】
作業者は、使用途中テープ24を接合する順番に、当該使用途中テープ24が巻回されている使用途中リール23のリール識別部32を順次読取装置200で読み取らせることにより、接合する使用途中リール23を選択する(使用途中リール識別情報読取工程)。
【0050】
S51において、管理装置100が、「リール識別情報」が読み取られたと判断した場合には(S51:YES)、プログラムをS52に進め、「リール識別情報」が読み取られていないと判断した場合には(S51:NO)、S51の処理を繰り返す。
【0051】
S52において、作業者が操作部105を操作することにより、管理装置100が、接合する複数の使用途中リール23の選択が完了したと判断した場合には(S52:YES)、プログラムをS53に進める。一方で、管理装置100が、接合する使用途中リール23の選択が完了していないと判断した場合には(S52:NO)、プログラムをS51に戻す。
【0052】
S53において、管理装置100は、上記選択された使用途中リール23が適切であると判断した場合には(S53:YES)、プログラムをS61に進め、上記選択された使用途中リール23が適切でないと判断した場合には(S53:NO)、プログラムをS55に進める。なお、管理装置100は、選択された使用途中リール23に収容されている部品の種類が違う場合には、上記選択された使用途中リール23が適切でないと判断する。また、管理装置100は、選択された使用途中リール23の「部品残数」の合計が、必要とされる「部品残数」に達していない場合には、上記選択された使用途中リール23が適切でないと判断する。
【0053】
また、管理装置100は、選択された使用途中リール23が同じロットで無い場合、選択された使用途中リール23が同じロットであるが、当該使用途中リール23が違う日に納入されたものである場合のいずれか1以上の条件を満たす場合に、上記選択された使用途中リール23が適切でないと判断する。或いは、管理装置100は、選択された使用途中リール23がロットは違うが、当該使用途中リール23が納入された日付が1ヶ月以内であるならば、上記選択された使用途中リール23が適切であると判断する一方で、選択された使用途中リール23のロットが違い、当該使用途中リール23が納入された日付が1ヶ月を超えている場合に、上記選択された使用途中リール23が適切でないと判断する。
【0054】
S55において、管理装置100は、報知装置106にエラーを報知し、プログラムをS51に戻す。
【0055】
S61(接合テープリール部品残数情報記憶工程)において、管理装置100は、記憶部103に記憶されている「リール管理情報」(使用途中テープ部品残数情報)を参照して、S51において読み取れられた「リール識別情報」の使用途中リール23に巻回されている使用途中テープ24の「部品残数」を取得する。そして、管理装置100は、
図7に示すように、使用途中テープ23が接合された順番に、使用途中テープ24が巻回された使用途中リール23の「リール識別情報」である「使用途中リール識別情報」と使用途中テープ24の「部品残数」を、それぞれ対応付けして、「接合テープリール部品残数情報」として記憶部103に記憶する。
【0056】
なお、「使用途中リール識別情報」のうち1つが、「新品リール識別情報」として、「接合テープリール部品残数情報」に記憶される。なお、
図7に示す実施形態では、「使用途中リール識別情報」がAJ0129−3131の使用途中リール23が巻回されている使用途中テープ24に、順次、使用途中テープ24が接合される。そして、接合される使用途中テープ24が巻回されている使用途中リール23の「使用途中リール識別情報」であるAJ0129−3131が、「新品リール識別情報」として、「接合テープリール部品残数情報」に記憶される。また、
図7に示すように、最後に接合された使用途中テープ24が、接合テープリール23のテープ24の先頭となる。「接合テープリール部品残数情報」は、接合テープリール23毎に生成されて、記憶部103に記憶される。S61が終了すると、プログラムは、S62に進む。
【0057】
S62において、作業者が操作部105を操作することにより、管理装置100が、「接合テープリール部品残数情報記憶処理」を終了させることが選択されたと判断した場合には(S62:YES)、「接合テープリール部品残数情報記憶処理」を終了させ、「接合テープリール部品残数情報記憶処理」を終了させることが選択されていない判断した場合には(S62:NO)、プログラムをS51に戻す。
【0058】
上述した「接合テープリール部品残数情報記憶処理」によって、接合テープリール23ごとに、
図7に示されるような「接合テープリール部品残数情報」が生成される。
【0059】
(追跡調査処理)
以下に、問題が生じた部品等の追跡部品Pの「使用途中リール識別情報」を取得するための「追跡調査処理」について、
図8のフローチャートを用いて説明する。作業者が操作部105を操作して、「追跡調査処理」を開始することが選択されると、プログラムは、S81に進む。
【0060】
作業者は操作部105を操作することにより、追跡部品が収容されていた接合テープリール23の「新品リール識別情報」及び追跡部品Pのフィーダでの供給順番を管理装置100に入力する。
【0061】
S81において、管理装置100が、「新品リール識別情報」及び追跡部品Pのフィーダでの供給順番を取得したと判断した場合には(S81:YES)、プログラムをS82に進め、「新品リール識別情報」及び追跡部品Pのフィーダでの供給順番の両方を取得していないと判断した場合には(S81:NO)、S81の処理を繰り返す。
【0062】
S82において、管理装置100は、「新品リール識別情報」及び追跡部品Pのフィーダでの供給順番を、
図7に示す「テープリール部品残数情報」に参照させて、「使用途中テープリール識別情報」を取得する。
【0063】
図7に示す例では、追跡部品Pの供給順番が253である場合には、先頭の「使用途中リール識別情報」(AJ0129−3654)の「部品残数」は52であるので、当該「使用途中リール識別情報」は該当しない。そして、253から52を減算すると201となり、次の「使用途中リール識別情報」(AJ0129−4456)の「部品残数」は269であり、201は269以下であるので、AJ0129−4456が追跡部品Pの「使用途中リール識別情報」であると判定され、当該「使用途中リール識別情報」が取得される。S82が終了すると、プログラムはS83に進む。
【0064】
S83において、管理装置100は、S82において取得された「使用途中リール識別情報」を報知装置106で報知する。S83が終了すると、「追跡調査処理」は終了する。
【0065】
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態のリール管理システム及びリール管理方法によれば、使用途中テープ24が接合されて接合テープリール23が製作される際に、管理装置100(接合テープリール部品残数情報記憶手段)は、
図6のS61において、
図7に示すように、「使用途中テープ部品残数情報」(
図4の(B)示)を参照することにより、複数の使用途中テープ24が元々巻回されていた各使用途中リール24の「リール識別情報」及び各使用途中テープ24の部品残数を取得する。次に、管理装置100は、使用途中テープ24が接合された順番に、使用途中テープ24が元々巻回されていた使用途中リール23の「使用途中リール識別情報」と使用途中テープ24の「部品残数」を対応付けした「接合テープリール部品残数情報」(
図7示)を記憶する。
【0066】
これにより、
図8のS82において、管理装置100は、「接合テープリール部品残数情報」(
図7示)を参照することにより、追跡部品Pが元々収容されていたリールの「リール識別情報」を特定することができる。このため、使用途中テープ24に収納されていた部品のトレーサビリティーを確保することができる。
【0067】
また、接合テープリール23が製作される際に、作業者が読取装置200(読取手段)で使用途中テープ24が元々巻回されていた使用途中リール23のリール識別部32を順次読み取るだけで、
図6のS61において、管理装置100が、当該「リール識別情報」に対応する「部品残数」を取得し、自動的に
図7に示す「接合テープリール部品残数情報」が生成される。このため、簡単な作業で「接合テープリール部品残数情報」を生成することができる。
【0068】
(別の実施形態)
リール識別部32やフィーダ識別部27が「リール識別情報」が記憶された3次元コードであり、読取装置200が3次元コード読取装置であっても差し支え無い。或いは、リール識別部32やフィーダ識別部27が「リール識別情報」が記憶された磁気テープや、ICチップ、無線タグであり、読取装置200が磁気テープリーダ、ICチップリーダ、無線タグリーダであっても差し支え無い。
【0069】
以上説明した実施形態では、
図5の「使用途中テープ部品残数記憶処理」において、部品実装機1は、リール23がフィーダ21に装着された際の「部品残数」から部品供給数を減算して「部品残数」を演算し、当該「部品残数」を管理装置100に送信する。しかし、管理装置100が、部品実装機1から部品供給数を取得し、リール23がフィーダ21に装着された際の「部品残数」から部品供給数を減算して「部品残数」を演算する実施形態であっても差し支え無い。
【0070】
以上説明した実施形態では、「接合テープリール部品残数情報記憶処理」において、作業者が読取装置200でリール識別部32を順次読み取っている。しかし、作業者の代わりに、機械的にリール識別部32を順次読み取る実施形態であっても差し支え無い。