特許第6120866号(P6120866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120866
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】容器の処理をするための装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20170417BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20170417BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   B65B61/02
   B05C5/00 101
   B05C11/10
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-542721(P2014-542721)
(86)(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公表番号】特表2015-506880(P2015-506880A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】EP2012003841
(87)【国際公開番号】WO2013075764
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2015年9月11日
(31)【優先権主張番号】102011119171.6
(32)【優先日】2011年11月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】シャッハ・マルティン
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−520801(JP,A)
【文献】 特開2004−099121(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第00986538(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0149107(US,A1)
【文献】 特開2008−213310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/02
B05C 5/00
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロータ(1)を有し、このロータが、そのロータ周囲に複数の処理位置(3)を備え、垂直なロータ軸又は機械軸(MA)を中心としてロータ回転方向(A)に回転駆動可能であり、処理時に発生する異物又は汚染物質を吸引するための少なくとも1つの吸引装置を有する、容器(2)の処理、即ち容器(2)に印刷をするための装置において、
吸引ユニット(6,6a,6b)が、ロータ(1)と共に移動されない少なくとも1つの吸引フード(7,16,24)を備え、この吸引フードが、ロータ回転方向(A)に少なくともロータ周囲の一部にわたってロータ(1)を横から包囲するように延在し、機械軸(MA)に対して半径方向にロータ(1)に向かって開放したフード内室(11,17,25)を構成し、このフード内室が、少なくとも1つの吸引通路(14,32)を介して、例えば吸込みブロワの形態の少なくとも1つの吸込み装置と接続され、フード内室(11,17,25)内に、誘導板として作用する壁要素(15,21,29)が設けられ、これら壁要素が、その間に流通路(23,30)を構成し、これら流通路は、吸引フード(7,16,24)のロータ(1)の側が開放しており、吸引フード(7,16,24)の内部で、全ての流通路(23,30)のため又は流通路のグループのために共通の吸込み通路(11.1,19,25.1)に接続すること、を特徴とする装置。
【請求項2】
誘導板として使用される壁要素(15,21,29)が、下のハウジング壁(8,18,26)と、機械軸(MA)の方向に下のハウジング壁(8,18,26)に対して位置をずらされた上のハウジング壁(9,27)との間に延在すること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
フード内室(11,17,25)が、少なくとも1つのフィルタユニット(12)を介して少なくとも1つの吸引通路(14)及び/又は少なくとも1つの吸引チューブ(32)と接続されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの吸引通路(14)及び/又は少なくとも1つの吸引チューブ(32)が、吸引フード(24)のロータ回転方向(A)に対して後方の終端(24.2)の領域内でフード内室(25)又はそこに形成された吸込み通路(25.1)と接続されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
吸引フード(7,16,24)及び/又はそのロータ側の開口は、少なくとも、機械軸(MA)の方向の、ロータ(1)の処理位置(3)を備える少なくとも1つの部分が備える高さ全体又は実質的に軸方向の高さ全体にわたって延在し、機械軸(MA)の方向の吸引フード(7,16,24)及び/又はその開口の高さがロータ(1)又はロータ(1)の処理位置(3)を備える部分の相応の高さよりも大きいこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
ロータ(1)が、処理位置(3)を備える周囲領域によってフード内室(11,17,25)内に達すること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
吸引フード(24)は、1つの部分領域がロータ回転方向(A)に徐々に減少するロータ周囲からの間隔を備えること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
吸引ユニット(6,6a,6b)又はその吸引フード(24)が、ロータ(1)に隣接する動作位置から、ロータ(1)から離れた位置に移動可能、例えば旋回可能であること、を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
吸引フード(24)が、少なくとも1つの吸引通路(32)に支承されているか、少なくとも1つの吸引通路(32)が、回転軸の統合された構成要素を構成し、この回転軸を中心として吸引フード(24)が回転及び/又は旋回可能であること、を特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
それぞれ機械軸(MA)を中心として回転駆動可能な複数のロータ(1)が設けられ、これらロータが、容器処理区間を構成するために搬送に従い相並んで接続し、これらロータにおいて複数の処理ステップを備える処理のそれぞれ1つの処理ステップが実施され、少なくとも1つのロータ(1)に、吸引ユニット(6,6a,6b)が付設されていること、を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、容器の処理、特に容器に印刷をするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に印刷をすることにより容器の処理をするための装置は、公知である(独国特許出願公開第10 2006 001 223号明細書:特許文献1)。この場合、特にまた、容器が、搬送に従い相並んで接続する、それぞれ垂直な機械軸を中心として回転駆動されるロータを構成する複数の処理区間上を移動され、各ロータの処理区間で、複数の処理ステップを備える処理の1つの処理ステップが行なわれる、例えばカラープリント時の色のセットの塗布、又は、印刷のための容器の前処理、又は、例えばエネルギー投入による、即ち熱及び/又は紫外線及び/又はマイクロ波線及び/又はベータ線による、印刷インクの硬化及び/又は架橋が行なわれる装置が公知である。更に、容器の印刷のため液状又は十分液状の印刷インクが使用されるが、これら印刷インクは、その場合、いわゆるインクジェット方法により動作する、電気もしくは電子制御可能なプリントヘッドもしくはそのノズルによって噴射される。
【0003】
処理中に容器を容器キャリヤもしくはいわゆるパックに保持することも公知であるが(独国特許出願公開第10 2009 043 497号明細書:特許文献2)、これら容器キャリヤもしくはパックのそれぞれは、これに保持された容器と共に、処理区間全体を経て移動される。
【0004】
独国特許出願公開第10 2009 013 477号明細書:特許文献3から、個々の各容器が開放ユニットを備える吸引スリーブ内に収容される吸引装置が公知である。
【0005】
容器の処理時、特に印刷時、異物又は有害物質もしくは汚染物質が、例えば印刷時に飛散させられた又は解放させられた印刷インク、その微小インクパーティクル又は微小インク顔料及び溶剤、並びに、エネルギー投入による印刷インクの乾燥時に蒸発した溶剤、又は、UV光による印刷インクの乾燥時に生じるオゾン又は飛散させられた溶剤が、環境に到達してしまうことを回避することができず、これが、特にまた、例えば1時間で36000枚までの多色の印刷画像を実現する高効率で動作する処理装置又は印刷装置の場合、異物又は汚染物質のための吸引装置が設けられていないかぎり、特に環境に対する健康にも有害な著しい負荷や、機械又は装置要素のコントロールされない汚染等を生じさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2006 001 223号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2009 043 497号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2009 013 477号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、高い作動安全性及び低減した構造的及びエネルゲティック的な費用で処理時に発生する異物又は汚染物質の効果的な吸引を可能にする吸引装置を有する容器の処理、特に容器に印刷をするための装置を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、請求項1に応じた装置が形成されている。
【0009】
本発明による装置の場合、異物又は汚染物質の吸引は、処理位置において直接的に、即ち異物又は汚染物質の発生個所において直接的に、しかもロータと共に回転しない、ロータに向かって開放した吸引フードを介して行なわれ、この吸引フードは、回転方向に少なくとも、ロータもしくはロータ周囲の回転運動の処理区間に相当する角度領域にわたって延在する。ロータの回転によって、また処理中の容器の生じ得る回転又は回転運動によって生じる空気の乱流は、基本的に、異物又は汚染物質の吸引に対する影響又は実質的にマイナスの影響を有することがなく、むしろ、ロータの回転運動は、遠心力による処理位置からの異物及び汚染物質の加速させた除去のため並びに排気流の加速のために利用され、これにより異物又は汚染物質の吸引が少なくとも支援される。
【0010】
それぞれの吸引フードは、そのフード内室を、そこの流れ特性に関して空気力学的に最適に、しかもエネルギー効率及びプロセス効率の意味で、特に、処理又は印刷プロセスにプラスに作用する空気流が、注入した吸引エネルギーが最小である場合に処理位置において得られ、吸引ユニットが、それに応じてコストに関して効率的に作動させ得るように、形成されている。
【0011】
“容器”は、本発明の意味で、特に、それぞれ金属、ガラス及び/又は合成樹脂から成る缶、瓶、チューブ、袋であり、しかしながらまた製品を注入するために適した他のパック手段である。
【0012】
“実質的”もしくは“ほぼ”との表現は、本発明の意味では、それぞれ正確な値からの±10%、好ましくは±5%の偏差及び/又は機能のために些細な変化の形態の偏差を意味する。
【0013】
本発明の発展形、利点及び適用の可能性は、後続の実施例の説明とそれぞれの図からわかる。この場合、説明される及び/又は絵で表現される全ての特徴は、単独でも任意に組み合わせても基本的に本発明の対象であり、それぞれの請求項及びその引用請求項における要約に依存しない。また、それぞれの請求項の内容は、明細書の構成要素を成す。
【0014】
本発明を、以下で実施例の図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】印刷により容器の処理をするための装置のロータと吸引ユニットの簡略化した斜視図
図2図1のロータと吸引装置とその吸引フードの、ロータ軸を含む垂直な切断平面内の簡略化した概略断面図
図3】吸引ユニットの単品斜視図
図4】別の実施形態における図3同様の図
図5図4の吸引ユニットの層板装置又は誘導板装置の単品斜視図
図6】印刷により容器の処理をするための装置のロータと、本発明の別の実施形態による吸引装置の簡略化した概略平面図
図7図6のロータと吸引装置とその吸引フードの、ロータ軸を含む垂直な切断平面内の簡略化した概略断面図
図8図6の吸引フードの単品平面図
図9図6の吸引フードの単品斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
それぞれの図において、1は、その他は図示してない処理機械もしくは容器2に印刷をするための、例えばマルチカラープリントにより容器2の容器外面又は外周面に直接的に印刷するための装置の1つのモジュールの垂直な機械軸MAを中心として回転駆動可能なロータである。装置は、例えば複数のロータ又はモジュールを備え、これらロータ又はモジュールは、容器搬送方向の搬送に従い相並んで接続し、その処理位置3において、それぞれ1つの部分処理、例えばマルチカラープリントの色のセットの塗布、印刷のための容器表面の準備、印刷インクの乾燥等が実施される。
【0017】
ロータ1の周囲には、処理位置3が、機械軸MAを中心として均等な角度間隔で分配され、この機械軸MAから同じ半径方向の間隔で構成され、これら処理位置において、容器2は、図示した実施形態の場合は、それぞれ吊り下げられて、即ちその容器軸を機械軸MAに対して平行な垂直方向に整向して、しかも容器キャリヤ4に保持されている。容器キャリヤは、図示した実施形態の場合は、いわゆる“パック”であり、これらパックは、容器2と共に装置を経て移動され、処理中に容器2のその容器軸を中心とした制御された回転又は旋回運動を可能にする。
【0018】
ロータ1の処理位置3に、それぞれ1つの処理ヘッド5が設けられ、この処理ヘッドによって、それぞれの処理ステップ、例えばマルチカラープリントの色のセットの塗布が実施される。この場合は、処理ヘッド5は、プリントヘッドで、この場合特にインクジェット方法により動作する電気制御可能なプリントヘッドであり、これらプリントヘッドによって、液状の、即ち液状のマトリックス(溶剤)内に顔料を含む印刷インクが、ノズルを介して、処理位置3に配置されたそれぞれの容器に塗布される。
【0019】
ロータ1における処理位置3が、例えば、エネルギー投入、例えば熱、UV光等によって印刷インクを完成させるためのものである場合、これら処理位置3における処理ヘッド5は、相応のエネルギー線を放出する処理ヘッド、例えば赤外線放射器及び/又は紫外線放射器等である。
【0020】
印刷時に飛散される容器2に到達しない印刷インク及び/又は印刷インク又は印刷物の乾燥時に解放される溶剤残余及び/又はUV線によって発生したオゾンが、異物又は汚染物質としてコントロールされずに環境に到達することを回避するため、ロータ1と共に回転しない吸引ユニット6が設けられ、この吸引ユニットは、吸引フード7によって、ロータ1を、ロータ回転方向Aにその周囲の一部にわたって、即ちロータ1の回転運動のある角度領域又は実質的にある角度領域にわたって包囲し、この角度領域、例えば約180°〜270°の角度領域にわたって、処理位置3における容器2の処理が行なわれる。
【0021】
吸引フード7もしくはそのハウジングは、機械軸MAも方向に、少なくとも処理位置3の相応の高さと等しい高さを備える。図示した実施形態の場合、吸引フード7もしくはそのハウジングが備える高さは、ロータ1の高さよりも大きいので、吸引フード7は、ロータ1の下側からその上側を超えるまでに延在する。
【0022】
より詳細には、吸引フード7のハウジングは、図示した実施形態ではその表面側がそれぞれ機械軸MAに対して垂直又は実質的に垂直な平面内に配置された下のハウジング壁8及び上のハウジング壁9と、間隔を置いて機械軸MAとロータを部分的に包囲する外側の周囲壁10とから成り、この周囲壁は、ロータ回転方向に対する吸引フード7の前方の終端7.1と吸引フードの後方の終端7.2においてそれぞれ、ロータ1に向かう方向に延在する周壁部分10.1もしくは10.2に移行する。従って、ロータ1をその周囲の一部にわたって包囲する、ロータ1と共に回転しない吸引フード10は、特に半径方向にロータ1に向かって開放したフード内室11を構成する。
【0023】
両終端7.1と7.2の間の中心又はほぼ中心で、フード内室11内の、周囲壁10によって構成される後壁に、少なくとも1つのエアフィルタの形態の大面積のフィルタ装置12が設けられている。図示した実施形態では機械軸MAに対して、終端7.1と7.2の間の吸引フード7の長さの半分よりも実質的に大きい角度領域にわたって延在するフィルタ装置12は、下のハウジング壁8の内面から上のハウジング壁9の内面にまで達し、フード内室11を、吸引フード7のロータ1とは反対の後側に設けられたチャンバ13から分離する。チャンバ7もしくはその環境に対して閉じた内室は、吸気通路接続部14.1において吸引通路14と接続され、この吸引通路は、比較的大きい横断面を備え、例えば少なくとも1つのチューブ及び/又は少なくとも1つのホースシステムによって構成され、図示してない負圧源又は吸込み源、例えば吸込みブロアの吸込み又は負圧入力部と接続されている。
【0024】
機械軸MAを中心として駆動されるロータ1における容器2の処理中、処理時に発生する異物又は汚染物質もしくはこれらを含む排気は、ロータ1の周囲もしくはそこの処理位置3から、即ち発生個所において直接的に吸引され、排気内の異物又は汚染物質は、少なくとも部分的に既にフィルタユニット12において濾過される。できるだけ最適な吸引作用を得るため、ロータ1は、図示した実施形他の場合、その処理位置3を備える周囲領域がフード内室11内に達する。更に、フード内室11内には、誘導板として作用する層板状の壁要素15が設けられ、しかも両終端7.1及び7.2とこれら終端の間の領域内に設けられている。
【0025】
図示した実施形態の場合、ロータ1の周囲からも、吸込み通路11.1を形成するために周囲壁10の内側からも間隔を置いたこれら壁要素15は、それぞれ下のハウジング壁8から上のハウジング壁9にまで延在し、ロータ回転方向Aで吸気通路接続部14.1の前もしくは吸引フード7の第1の部分長さ(例えば半分)の上に設けられた壁要素15においては、ロータ1の周囲とそれぞれの壁要素15の間の間隔が、ロータ回転方向Aに増加し、ロータ回転方向Aで吸気通路接続部14.1の後もしくは吸引フード17の第2の部分長さ(例えば半分)の上に設けられた壁要素15においては、ロータ1の周囲とそれぞれの壁要素15の間の間隔がロータ回転方向Aに減少するように、整向されてもしくは傾斜させられている。
【0026】
壁要素15は、吸引能力の最適な分配をするため及び乱流を回避しつつ最適な流動特性の達成をするために寄与する。その他、吸引ユニット6のため、特に、容器2の処理時に発生する異物又は汚染物質が既にロータ1の回転から生じる遠心力によって半径方向にロータ1に向かって開放したフード内室11内に移送されることによって既に、吸引通路14に接続された吸引ブロワの能力を低下させた時の特に効果的な吸引作用が得られる。
【0027】
図4及び5は、別の実施形態として吸引ユニット6aを示すが、この吸引ユニットは、吸引ユニット6の代わりに使用することができ、更にまた吸引フード7に相当する吸引フード16を備え、この吸引フードのフード内室17は、フィルタユニットを介して吸引通路14と接続され、この吸引通路を介して図示してない吸引ブロワと接続されている。吸引フード16は、更にまたロータ1の周囲の一部にわたって、即ち機械軸MAに対して360°より小さい角度領域、例えば訳180°〜270°の角度領域にわたって、ロータ回転方向Aに延在する。フード内室17は、下側を部分リング状の底壁18によって、上側をチャンバ19によって、そして周囲を周囲壁20によって画成され、この周囲壁は、この実施形態の場合は、部分円形シリンダ状に機械軸MAを間隔を置いて包囲する。ロータ1は、図4及び5には図示されていない。しかしながら、これらの図には、機械軸MAが図示され、この機械軸は、更にまた同時にロータ1の軸でもある。
【0028】
フード内室17内には、誘導板として作用する層板状の複数の壁要素21が設けられ、これら壁要素は、それぞれ下のハウジング壁18から出発してチャンバ19内まで延在し、このチャンバは、そのハウジング下側18の側が開放しているが、それ以外は環境に対して閉じられている。チャンバ19は、終端7.1に相当する終端16.1と終端7.2に相当する終端16.2の間の吸引フード16の角度長さ全体にわたって延在する。
【0029】
壁要素21は、下のハウジング壁18に固定されたその下の終端21.1と、チャンバ19内に達するその上の終端21.2とが、それぞれ、機械軸MAに対して半径方向又は実質的に半径方向に整向されているが、上の終端21.2は、各壁要素21の下の終端21.1に対してロータ回転方向Aに、ある角度値分ずらされており、この角度値は、図示した実施形態の場合は、ほぼ、互いに隣接する壁要素21の間のピッチ間隔に相当するか、このピッチ間隔よりも若干小さい。更に、壁要素21は、そのロータ回転方向Aに対して前方の側が、凹に湾曲させられている。
【0030】
その上の終端21.2の領域内を、壁要素21は、付加的な壁要素22に固定され、この壁要素は、既にチャンバ19の壁の一部である。内部で、壁要素21の間に構成される流路23が接続し、吸込み通路11.1に相当する吸込み通路を構成するチャンバ19の本来の内室は、壁要素22の上に存在する。チャンバ19内には、例えば、フィルタユニット12に相当するフィルタユニットが設けられている。
【0031】
容器2の処理中、ロータ1が回転している時に、異物又は汚染物質を有する排気は、それぞれ2つの壁部分21の間に構成された流通路23、チャンバ19及び吸引通路14を介して処理位置3の領域から吸い出される。チャンバ19内に、フィルタユニット12に相当するフィルタユニットが設けられている場合、このフィルタユニットにおいて、排気内に存在する異物又は汚染物質が、少なくとも部分的に分離される。
【0032】
図6〜9は、別の実施形態として、吸引フード7に相当する吸引フード24を有する吸引ユニット6bを示すが、この吸引フードは、ロータ1と共に回転せずに、ロータ回転方向Aにロータ周囲の部分領域にわたって、例えば180°〜270°の角度領域にわたって延在する。ロータ周囲に処理位置3が設けられている。平面図で三日月状の吸引フード24は、フード内室25を構成し、このフード内室は、更にまたロータ軸もしくは機械軸MAに対して半径方向にロータ1の周囲に向かって開放し、下のハウジング壁26、上のハウジング壁27及び図示した実施形態では機械軸MAに対して同軸に延在する部分円シリンダ状の周囲壁28によって画成されている。フード内室25内には、誘導板として作用する複数の壁要素29が設けられ、これら壁要素は、下のハウジング壁26から上のハウジング壁27にまで延在し、ハウジング壁26及び27のロータ1に隣接するエッジにまで達する。しかしながら、周囲壁28から、壁要素29は、吸込み通路25.1を形成するために間隔を置いており、この吸込み通路は、フード内室25内でロータ回転方向Aに、この回転方向に対して前方の終端24.1から吸引フード24の後方の終端24.2にまで延在する。壁要素29は、それぞれ機械軸MAに対して平行な軸を中心として曲げられ、しかも、各壁要素のロータ1に隣接する、ハウジング壁26と27の間に延在する内側のエッジが、ロータ1から離れて位置する相応の外側のエッジに対して、ロータ回転方向Aと反対にある角度値分ずらされ、この角度値は、例えば2つの壁要素29のピッチ間隔に相当する。ロータ回転方向Aに対してその前側をそれぞれ凸に、その後側を凹に湾曲させられた壁要素29は、吸込み通路25.1に接続する流通路30を構成する。
【0033】
特に図6が示すように、吸引フード24もしくはそのハウジングは、終端24.1の領域内で吸引フード24とロータ1の周囲の間に入口ホッパ31が構成されるように形成され、この入口ホッパは、そこで吸引フード24の全長よりも小さい角度領域もしくは角度長さにわたって、終端24.1から出発して、先ず吸引フード24とロータ1の周囲の間に大きい間隔があり、この間隔が、次にロータ回転方向Aに縮小され、しかも図示した実施形態の場合は連続的で段差なく縮小されるように構成されている。終端24.2の領域内では、図示した実施形態ではその軸が機械軸MAに対して平行に整向され、図示してない吸引通路14を接続した吸引チューブ32が、フード内室25内に達する。そのハウジング壁26に隣接する終端を閉鎖された吸引チューブは、その外周面が、多数の開口によって篩上に形成されて、即ち篩状の構造33を備え、この構造を介して、吸込み通路25.1は、吸込みチューブ32の内部と接続している。
【0034】
図示した実施形態の場合は、吸引フード24が旋回可能で、しかも機械軸MAに対して平行な軸を中心として旋回可能であり、この軸は、例えば吸引チューブ32の軸である。従って、吸引フード24は、クリーニング、整備、修理の目的等のために図6に図示したロータ1に隣接する動作位置から、ロータ1から離れる旋回をさせることができる。
【0035】
基本的に、吸込み通路25.1と吸引チューブ32の間の移行部に、即ち例えば篩状の構造33に、フィルタユニット12に相当するフィルタユニットを設ける可能性もある。
【0036】
吸引ユニット6bは、本発明の特に好ましい実施形態に相当するが、この実施形態の場合、吸引通路14もしくは吸込みチューブ32のための接続部が、ロータ回転方向Aに対して後の終端24.2に存在する。ロータ1がロータ周囲に処理位置3及びその機能要素だけによって備える、半径方向にロータ軸に向かって突出する後置した領域を有する構造により、ロータ1が回転している時、流通路30及び吸込み通路25.1を経て吸引チューブ32までの吸引フード24内の空気流が発生され、この空気流は、吸込みチューブ32と接続された吸込みブロワのエネルギー消費を強く低減させた時の全ての異物又は汚染物質の迅速かつ完全な除去もしくは“吸引”を支援する。
【0037】
図5からわかるように、周囲壁20は、壁要素21及び壁要素22と共に1つの構造ユニットを構成するが、この構造ユニットは、容器処理機械の下のハウジング壁18を構成するボードの上又は下のハウジング壁18を構成するテーブルの上面の上に固定され、必要時に、例えばクリーニング及び/又は修理の目的のために下のハウジング壁18から取外し及び/又は交換することができる。
【0038】
本発明は、前記のように実施例で説明した。多くの変更並びに変容が、これにより本発明の根底にある発明思想から離れることなく可能であることがわかる。全ての構成は、不動の、即ちロータ1と共に回転しない吸引フードが、ロータの横に、ロータをその周囲の一部にわたってロータ回転方向Aに包囲するように設けられていること、容器2の処理時に発生する異物又は汚染物質の処理位置からの除去が、発生個所において直接的に行なわれ、ロータ1の回転運動が、遠心力による処理位置3からの異物及び汚染物質の加速させた除去のため並びに排気流の加速のために利用され、これにより異物又は汚染物質の吸引が少なくとも支援されることが共通している。
【0039】
前記のように、ロータ1が、複数のロータ1を有する装置又は処理機械の一部であり、これらロータの内、少なくとも、処理中に環境に負荷を与える異物又は汚染物質が解放されるロータが、吸引ユニット6,6a又は6bを備え、その場合、各ロータ1において、複数の処理ステップを備える処理の1つの処理ステップが実施されることから出発した。しかしながら、本発明に応じて、装置又は処理機械は、唯一のロータ1しか備えないことができ、その場合は、このロータにおいて、該当する処理位置3において完全な処理が実施される。
【符号の説明】
【0040】
1 ロータ
2 容器
3 処理位置
4 容器キャリヤ又はパック
5 処理ヘッド
6,6a,6b 吸引ユニット
7 吸引フード
7.1,7.2 吸引フードの終端
8,9 ハウジング壁
10 周囲壁
10.1,10.2 内側に向かって案内される周囲壁部分
11 フード内室
12 フィルタユニット
13 チャンバ
14 吸引通路
14.1 吸気通路接続部
15 壁要素又は誘導板
16 吸引フード
17 フード内室
18 ハウジング壁
19 チャンバ
20 周囲壁
21 壁要素又は誘導板
21.1,21.2 誘導板の下又は上の終端
22 壁部分
23 流通路
24 吸引フード
25 フード内室
25.1 吸込み通路
26,27 ハウジング壁
28 周囲壁
29 誘導板又は壁要素
30 流通路
31 入口ホッパ
32 吸引チューブ
33 篩構造
A ロータ回転方向
MA 機械軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9