(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120869
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】毛髪接続部材を有する代用毛髪
(51)【国際特許分類】
A41G 5/00 20060101AFI20170417BHJP
A41G 3/00 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
A41G5/00
A41G3/00 J
【請求項の数】1
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-545032(P2014-545032)
(86)(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公表番号】特表2015-500404(P2015-500404A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】AT2012000309
(87)【国際公開番号】WO2013086546
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年9月24日
(31)【優先権主張番号】A1815/2011
(32)【優先日】2011年12月12日
(33)【優先権主張国】AT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513144420
【氏名又は名称】ヘアードリームス ハーランデルス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オットー ゲルハルト
【審査官】
大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−208508(JP,A)
【文献】
特開2004−204426(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0272396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 3/00、5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代用毛髪(2)が端部に埋め込まれてなる平坦な小板(1)で構成された毛髪接続部材を有している代用毛髪であって、
前記代用毛髪(2)の端部は、前記小板(1)の長手方向に埋め込まれており、
少なくとも1つのリブ(3)が、前記小板(1)の2つの平坦な面のうちの一方から前記代用毛髪の方向に対して斜めに突き出しており、
前記リブ(3)が、前記小板(1)とほぼ同じ根元厚さ(d)を有しており、自由端に向かって先細りであり、
前記リブ(3)の最大の高さ(h)が、前記代用毛髪の方向における前記小板(1)の長手方向のサイズ(l)に相当することを特徴とする、毛髪接続部材を有している代用毛髪。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代用毛髪が端部に埋め込まれてなる平坦な小板で構成された毛髪接続部材を有している代用毛髪に関する。
【背景技術】
【0002】
端部において熱可塑性樹脂で作られた毛髪接続部材に埋め込まれている代用毛髪のきわめて多数の変種が、近年において市場に導入されている。熱可塑性樹脂製の毛髪接続部材の形状の範囲は、完全に平坦から、U字、V字、およびC字の形状を有するわずかに軒樋状の小板まで広がっている。さらに、縦方向および/または横方向のリブも有しているU字形の熱可塑性樹脂製の毛髪接続部材が、(例えば、オーストリア特許第412 141号に)開示されている。近年では、ブロック状の毛髪接続部材であって、すなわち矩形の角柱状の熱可塑性樹脂製の毛髪接続部材で基本的に構成されており、自由表面に起伏(波、さざ波)を有しており、この自由表面へと天然の毛が代用毛髪に接触して配置され、熱の印加とともに毛髪接続部材の本体へと押し込まれ、髪の接続が完了する毛髪接続部材が特許されている(オーストリア特許第504 102号)。
【0003】
あらゆる熱可塑性樹脂製の毛髪接続部材の場合において、一方では、溶融による確実な接続部を実現するために、充分な熱可塑性材料を有する必要があるが、他方では、天然の毛への代用毛髪の接続を実質的に気付くことができないように、使用される材料を可能な限り少量にする必要がある。少ない材料を使用するまた、代用毛髪を天然の毛へと適用する際の作業を、可能な限り簡単に保つことも不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の状況に対して、オーストリア特許第504 102号によるブロック状の毛髪接続部材が開発されたが、それでもなお、材料のコストが比較的高いという欠点を有している。本発明の目的は、髪の接続の確実性を損なうことなく、材料のコストを最小限にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、従来技術による毛髪接続部材を有している代用毛髪において、少なくとも1つのリブを小板の2つの平坦な面のうちの一方から毛髪の方向に対して斜めに突出させることで達成される。
【0006】
オーストリア特許第504 102号に開示の毛髪接続部材の好都合な改善は、角柱状の本体の代わりに、普通の平坦な薄い小板が、従来の小板と対照的に、代用毛髪を天然の毛髪へと接続するための材料を基本的に供給する毛髪の方向に対して斜めに突き出した少なくとも1つのリブを有している接続部材として機能する点にある。したがって、本発明による代用毛髪は、従来の小板状の接続部材によるこれまでの事例と比べて、天然の毛へとより確実に取り付けることが可能である。片面の起伏を有する従来技術のブロック状の毛髪接続部材と対照的に、本発明による接続部材は、体積がより小さいが、リブゆえの充分な接続材料を依然として有するという利点を有する。新規な特徴は、2つ以上の要素を互いの埋め込みによって接続することができる材料が存在しており、埋め込みおよび硬化が加熱プレスによって引き起こされるのではなく、むしろ例えば紫外線またはレーザ光によって引き起こされるため、毛髪接続部材がもはや熱可塑性である必要がない点にある。したがって、本発明の対象は、髪の延長または髪の増量の過程において使用され、代用毛髪の最初の埋め込みおよび天然の毛髪の埋め込みを保証する任意の毛髪接続材料へと広がる。
【0007】
ただ1つのリブを、小板から突き出させることができるが、複数のリブを設けることも可能である。毛髪の方向に対するリブの角度は、90°であってよく、すなわちリブを、毛髪の方向に対して垂直に向けることができるが、リブが小板の平坦な面の上方をほぼ斜めに延びるなど、別の角度であってもよい。リブの形状も、さまざまであってよい。最も単純な事例では矩形であってよいが、台形または蟻ほぞ状の形状も可能であり、すなわちリブが、小板へとつながる部位において自由端よりも厚く、あるいは薄い。リブの高さも、さまざまであってよく、すなわち毛髪の方向における長手方向の延在よりも低くても、高くてもよい。しかしながら、天然の毛髪の確実な埋め込みのための充分な材料が含まれることが、常に必要である。
【0008】
実験にもとづき、毛髪接続部材および代用毛髪の端部の埋め込みの形成、ならびに代用毛髪の天然の毛への適用の両方において、リブがその根元において小板とほぼ同じ厚さを有し、自由端に向かって先細りである場合、最適となることが明らかになっている。同様に、リブの最大高さが、毛髪の方向における小板の長手方向のサイズに相当する場合が有利である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を、斜視図にて描かれた
図1および
図2に示されている好ましい典型的な実施形態によって、さらに詳しく説明する。
【0010】
図1による毛髪接続部材を備える天然の毛髪が、代用毛髪2の端部が長手方向に埋め込まれた平坦な
小板1を有している。ただ1つのリブ3が、小板1の2つの平坦な面のうちの一方から毛髪の方向に対して垂直に、好ましくは小板1の縦長な面の中央付近において突き出している。
図2が、2つのリブ
3を有する実施形態を示しているが、さらに多くのリブを設けることも可能である。
リブ3の根元の厚さは、小板1の厚さdとおおよそ同じであり、リブの高さhは、最大でも小板1の長さlである。
【0011】
代用毛髪2の天然の毛髪4への適用においては、後者がリブ3へと適用され、小板1からリブ3までで構成される毛髪接続部材のそれぞれの材料に応じて(熱可塑性樹脂製の毛髪接続部材の場合には、例えば高温の鉗子にて)、リブ3へと埋め込まれる。これにより、リブの材料が天然の毛髪の毛
4を囲み、確実な接続を形成する。