【実施例】
【0047】
本発明をさらに具体的に説明する。下記に本発明の結晶の製造例について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
実施例1 Cl1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール2mlに懸濁させ、そこに2M塩化水素を含有するメタノール79μlを加えて室温下で攪拌して溶解させた。このメタノール溶液をイソプロピルアルコール2mlに滴下し、析出した結晶を分離後、50℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl1型結晶)を淡緑色固体として573mg得た。
実施例1−2 Cl1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体50.0gに2M塩化水素を含有するメタノール88mlを加えて室温下で攪拌して溶解させた。このメタノール溶液をエタノール625mlに滴下し室温で2時間攪拌後、冷蔵庫で一晩静置した。析出した結晶を分離後、50℃で減圧乾燥を行い、50℃で調湿することで化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl1型結晶)を淡緑色固体として51.97g得た。
粉末X線回折パターン:
図1
1H-NMR (DMSO-d
6):δ2.99-3.27(dd,2H), 3.08(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H),4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.56(d,1H), 7.74(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.1 w/w%(HClとして)
【0049】
実施例2 Cl2型結晶の製造
化合物(I)の塩酸塩の結晶10gをエタノール700mlに懸濁させ、65℃で攪拌して溶解させた。このエタノール溶液を攪拌しながら5℃まで冷却し、析出した結晶を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl2型結晶)を白色固体として9.72g得た。
粉末X線回折パターン:
図2
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:1.03(t,3H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.10(s,6H), 3.41-3.47(dd, 2H),3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.82(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.58(d,1H), 8.02(b,2H), 9.28(d,1H) Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.5 w/w%(HClとして)
【0050】
実施例3 Cl3型結晶の製造
化合物(I)の塩酸塩の結晶10gをメタノール40mlとアセトン140mlの混合溶液に室温で攪拌して溶解させた。この混合溶液をアセトン40mlに攪拌しながら滴下し、析出した結晶を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl3型結晶)を淡緑色固体として2.81g得た。
粉末X線回折パターン:
図3
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.89-3.22(dd,2H), 3.08(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H),4.79-4.82(m,1H), 7.20(d,2H), 7.39-7.47(m,5H), 7.57(d,1H), 7.87(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.5 w/w%(HClとして)
【0051】
実施例4 Cl4型結晶の製造
化合物(I)の塩酸塩の結晶500mgをアセトニトリル5mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl4型結晶)を淡緑色固体として501.1mg得た。
粉末X線回折パターン:
図4
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.074(s, 4.4H),2.99-3.25(dd,2H), 3.09(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.59(d,1H), 7.98(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.2 w/w%(HClとして)
【0052】
実施例5 Cl5型結晶の製造
化合物(I)のフリー体10gを酢酸メチル50mlに50℃で懸濁させ、そこに1M塩化水素を含有する酢酸エチル35mlを加えて50℃で攪拌して溶解させた。この混合溶液を10℃まで冷却し、析出した結晶を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl5型結晶)を白色固体として10.63g得た。
粉末X線回折パターン:
図5
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.99-3.25(dd,2H), 3.08(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.82(m,1H), 7.20(d,2H), 7.39-7.47(m,5H), 7.57(d,1H), 7.85(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.7 w/w%(HClとして)
【0053】
実施例6 Cl6型結晶の製造
化合物(I)の塩酸塩の結晶500mgをアセトニトリル3mlと酢酸メチル3mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl6型結晶)を淡緑色固体として18.9mg得た。
粉末X線回折パターン:
図6
1H-NMR (DMSO-d
6):δ: 2.00(s,0.08H), 2.07(s,0.3H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.09(s,6H), 3.53(s,3H), 3.70(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.58(d,1H), 7.88(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.7 w/w%(HClとして)
【0054】
実施例7 Cl7型結晶の製造
化合物(I)の塩酸塩の結晶500mgをイソプロパノール5mlとテトラヒドロフラン5mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の塩酸塩の結晶(Cl7型結晶)を淡緑色固体として420.3mg得た。
粉末X線回折パターン:
図7
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:1.04(d,2.7H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.10(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 3.77(m,0.4H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H),
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Clアニオンとして測定、実測値): 5.8 w/w%(HClとして)
【0055】
実施例8 Br1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体5.1gをメタノール35mlに懸濁し氷浴下で冷却した。これに臭化アセチル955μlを加えて撹拌して溶解させた。得られたメタノール溶液を室温で放置したところ、結晶が析出した。析出した結晶を分離し、結晶をメタノールで洗浄した後、60℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶(Br1型結晶)を白色固体として0.89g得た。
粉末X線回折パターン:
図8
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 2.99-3.25(dd,2H), 3.10(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H),4.79-4.85(m,1H), 7.19(d,2H), 7.39-7.47(m,5H), 7.55(d,1H), 7.74(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]+ 569.1
IC(Brアニオンとして測定、実測値): 11.6 w/w%(HBrとして)
【0056】
実施例9 Br2型結晶の製造
化合物(I)のフリー体1.0gをメタノール7mlに懸濁させ、臭化アセチル191μlを加えて室温下で撹拌して溶解させた。その後、該溶液をエチルアルコール20mlに滴下し、冷蔵庫内(約4℃)に静置した。析出した結晶を分離し、結晶を10mlのエタノールで洗浄した後、50℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶(Br2型結晶)を淡緑色固体として1.04g得た。
粉末X線回折パターン:
図9
1H-NMR (DMSO-d
6):δ3.03-3.22(dd,2H), 3.13(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.59(d,1H), 7.87(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 569.0
IC(Brアニオンとして測定、実測値): 12.3 w/w%(HBrとして)
【0057】
実施例10 Br3型結晶の製造
化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶500mgをアセトン8mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶(Br3型結晶)を淡緑色固体として459.2mg得た。
粉末X線回折パターン:
図10
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.09(s,1.5H), 3.00-3.26(dd,2H), 3.13(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.46(m,5H), 7.59(d,1H), 7.85(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Brアニオンとして測定、実測値): 11.5 w/w%(HBrとして)
【0058】
実施例11 Br4型結晶の製造
化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶500mgをアセトニトリル5mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶(Br4型結晶)を淡緑色固体として528.6mg得た。
粉末X線回折パターン:
図11
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.08(s,3.9H), 3.00-3.25(dd,2H), 3.14(s,6H), 3.53(s,3H), 3.70(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.59(d,1H), 7.88(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Brアニオンとして測定、実測値): 10.9 w/w%(HBrとして)
【0059】
実施例12 Br5型結晶の製造
化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶2gをジメチルホルムアミド1mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶(Br5型結晶)を淡緑色固体として2.23g得た。
粉末X線回折パターン:
図12
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.73(s,3H), 2.89(s,3H), 3.03-3.25(dd,2H), 3.12(s,6H), 3.53(s,3H), 3.70(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.57(d,1H), 7.84(b,2H), 7.96(s,1H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Brアニオンとして測定、実測値): 9.9 w/w%(HBrとして)
【0060】
実施例13 Br6型結晶の製造
化合物(I)のフリー体10gをメタノール1mlに懸濁させ、臭化アセチル1.95mlを加えて室温下で撹拌して溶解させた。その後、溶液をジクロロメタン90mlに滴下し、10℃で攪拌した。析出した結晶を分離し、結晶を60mlのジクロロメタンで洗浄した後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の臭化水素酸塩の結晶(Br6型結晶)を白色固体として10.5g得た。
粉末X線回折パターン:
図13
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.99-3.25(dd,2H), 3.09(s,6H), 3.52(s,3H), 3.70(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.59(d,1H), 7.87(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(Brアニオンとして測定、実測値): 11.3 w/w%(HBrとして)
【0061】
実施例14 S1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール1mlに懸濁させ、硫酸50μlを加えて室温下で撹拌して溶解させた。その後、該溶液をイソプロピルアルコール3mlに滴下した。析出した結晶を分離して60℃で減圧乾燥を行った後、化合物(I)の硫酸塩の結晶(S1型結晶)を固体として408mg得た。
粉末X線回折パターン:
図14
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 2.99-3.25(dd,2H), 3.09(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.14(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.53(d,1H), 7.69(b,2H), 7.70-8.50(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(SO
4アニオンとして測定、実測値): 14.4 w/w%(H
2SO
4として)
【0062】
実施例15 S2型結晶の製造
化合物(I)のフリー体5.0gをメタノール10mlに懸濁させ、硫酸500μlを加えて室温下で撹拌して溶解させた。その後、該溶液を酢酸メチル100mlに滴下し、さらに酢酸メチル50mlを加えた。析出した結晶を分離して60℃で減圧乾燥を行った後、化合物(I)の硫酸塩の結晶(S2型結晶)を5.0g得た。
粉末X線回折パターン:
図15
1H-NMR (DMSO-d
6):δ 2.99-3.25(dd,2H), 3.10(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 6.10-7.80(b,2H), 7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.54(d,1H), 7.71(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
【0063】
実施例16 S3型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール1mlに懸濁させ,硫酸50μlを加えて室温下で撹拌して溶解させた。その後、該溶液を酢酸メチル10mlに滴下し、析出した結晶を分離して60℃で減圧乾燥を行った後、化合物(I)の硫酸塩の結晶(S3型結晶)を得た。
粉末X線回折パターン:
図16
1H-NMR (DMSO-d6):δ 2.99-3.25(dd,2H), 3.12(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.58 (d,1H), 7.80(b,2H), 9.27(d,1H) , 9.40-10.1(b,2H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 569.3
【0064】
実施例17 S4型結晶の製造
化合物(I)の硫酸塩の結晶500mgをテトラヒドロフラン8mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の硫酸塩の結晶(S4型結晶)を白色固体として439.6mg得た。
粉末X線回折パターン:
図17
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:2.99-3.25(dd,2H), 3.06(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.78-4.84(m,1H), 7.19(d,2H), 7.39-7.46(m,5H), 7.48 (d,1H), 7.55(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(SO
4アニオンとして測定、実測値): 23.5 w/w%(H
2SO
4として)
【0065】
実施例18 S5型結晶の製造
化合物(I)の硫酸塩の結晶500mgをテトラヒドロフラン8mlに添加し、室温で攪拌して懸濁化させた。懸濁液を分離後、40℃で減圧乾燥を行い、化合物(I)の硫酸塩の結晶(S5型結晶)を白色固体として439.6mg得た。
粉末X線回折パターン:
図18
1H-NMR (DMSO-d
6):δ:1.06(t,1.6H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.06(s,6H), 3.44(dd, 1H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.78-4.84(m,1H), 5.86(b, 5H),7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.51 (d,1H), 7.60(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(SO
4アニオンとして測定、実測値): 21.0 w/w%(H
2SO
4として)
【0066】
実施例19 N1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール1mlに懸濁させ、硝酸80μlを加えて室温下で撹拌した。その後、該混合液をエチルアルコール5mlに滴下して生じた結晶を分離した。減圧乾燥後、化合物(I)の硝酸塩の結晶(N1型結晶)を白色固体として442mg得た。
粉末X線回折パターン:
図19
1H-NMR (DMSO-d6):δ 2.99-3.25(dd,2H), 3.11(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.87(m,1H), 5.90-6.90(b,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.54(d,1H), 7.72(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 569.1
IC(NO
3アニオンとして測定、実測値): 9.2 w/w%(HNO
3として)
【0067】
実施例20 N2型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール1mlに懸濁させ、硝酸86μlを加えて室温下で撹拌した。その後、該混合液をイソプロピルアルコール5mlに滴下して生じた結晶を分離した。減圧乾燥後、化合物(I)の硝酸塩の結晶(N2型結晶)を淡桃色固体として498mg得た。
粉末X線回折パターン:
図20
1H-NMR (DMSO-d6):δ :2.99-3.28(dd,2H), 3.11(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.87(m,1H), 7.20(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.55(d,1H), 7.72(b,2H), 7.80-8.80(b,1H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(NO
3アニオンとして測定、実測値): 8.6 w/w%(HNO
3として)
【0068】
実施例21 Ts1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール0.5mlに懸濁させ、p−トルエンスルホン酸一水和物182mgを加えて室温下で撹拌した。その後、該混合液をエチルアルコール5mlに滴下し、析出した結晶を分離し、減圧乾燥して化合物(I)のp−トルエンスルホン酸塩の結晶(Ts1型結晶)を白色固体として471mg得た。
粉末X線回折パターン:
図21
1H-NMR (DMSO-d6):δ 2.91(s,3H), 2.99-3.28(dd,2H), 3.11(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.87(m,1H),7.12(d,2H), 7.20(2H), 7.34(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.54(d,1H), 7.72(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 569.1
IC(トシル酸アニオンとして測定、実測値): 22.9 w/w%(TsOHとして)
【0069】
実施例22 Ms1型結晶の製造
化合物(I)のフリー体500mgをメタノール1mlに懸濁させ、メタンスルホン酸60μlを加えて室温で撹拌し溶解させた。この溶液をエチルアルコール5mlに滴下し室温で撹拌した。溶液を冷蔵庫内にて静置し、析出した結晶を濾別した。50℃で減圧乾燥した後、化合物(I)のメタンスルホン酸塩の結晶(Ms1型結晶)を466mg得た。
粉末X線回折パターン:
図22
1H-NMR (DMSO-d6):δ :2.42(s,3H), 2.99-3.28(dd,2H), 3.10(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.87(m,1H),7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.54(d,1H), 7.72(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]+ 569.1
IC(メシル酸アニオンとして測定、実測値): 13.3 w/w%(MsOHとして)
【0070】
実施例23 Ms2型結晶の製造
化合物(I)のフリー体5.0gをメタノール10mlに懸濁させ、メタンスルホン酸600μlを加えて室温で撹拌し溶解させた。この溶液をイソプロピルアルコール(IPA、2-プロパノール)50mlに滴下し、しばらく室温で撹拌して起晶した後、冷蔵庫内に終夜静置した。析出した結晶を分離して酢酸メチル20mlで洗浄して得たウェット結晶を60℃で減圧乾燥し、化合物(I)のメタンスルホン酸塩の結晶(Ms2型結晶)を白色固体として4.38g得た。
粉末X線回折パターン:
図23
1H-NMR (DMSO-d6):δ 2.40(s,3H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.09(s,6H), 3.52(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.85(m,1H), 7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.53(d,1H), 7.68(b,2H), 9.27(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]+ 569.1
IC(メシル酸アニオンとして測定、実測値): 14.2 w/w%(MsOHとして)
【0071】
実施例24 Ms3型結晶の製造
化合物(I)のフリー体5gをメタノール10mlに懸濁し、メタンスルホン酸600μlを加えて室温下で撹拌し溶解させた.この溶液をエチルアルコール50mlに滴下した後、析出した結晶を分離してエチルアルコールで洗浄した。得られたウェット結晶を50℃で減圧乾燥し、化合物(I)のメタンスルホン酸塩の結晶(Ms3型結晶)を5.70g得た。
粉末X線回折パターン:
図24
1H-NMR (DMSO-d
6):δ2.42(s,3H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.11(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.87(m,1H),7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.55(d,1H), 7.78(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(メシル酸アニオンとして測定、実測値): 14.3 w/w%(MsOHとして)
【0072】
実施例25 Ms4型結晶の製造
化合物(I)のフリー体10gをメタノール3mlに懸濁し、メタンスルホン酸1.2mlを加えて室温下で撹拌し懸濁化させた.この懸濁液をアセトン40mlに滴下した後、50℃で攪拌して溶解させ、10℃まで冷却後、析出した結晶を分離した。得られたウェット結晶を40℃で減圧乾燥し、化合物(I)のメタンスルホン酸塩の結晶(Ms4型結晶)を11.1g得た。
粉末X線回折パターン:
図25
1H-NMR (DMSO-d
6):δ2.42(s,3H), 2.99-3.25(dd,2H), 3.11(s,6H), 3.53(s,3H), 3.69(s,3H), 4.79-4.87(m,1H),7.19(d,2H), 7.38-7.47(m,5H), 7.55(d,1H), 7.78(b,2H), 9.28(d,1H)
Mass(ESI、実測値): [M+H]
+ 568.9
IC(メシル酸アニオンとして測定、実測値): 14.3 w/w%(MsOHとして)
【0073】
測定方法1 粉末X線回折パターン
上記実施例1〜25に記載されている粉末X線回折パターンの測定条件は以下の通りである。
装置: X'Pert (パナリティカル社製)
Target :Cu 全自動モノクロメータ
X線出力設定: 40kV、 30mA
発散スリット: タイプ−固定タイプ、サイズ−1.0000°
Slit: 発散 1/2°
: 散乱 1/2°
: 受光 0.15mm
Scan Speed: 2°/ min
2θrange: 4〜40°
【0074】
測定方法2 核磁気共鳴スペクトル(NMR)
上記実施例1〜13に記載されている、
1H-NMRスペクトルはTMS (δ0.00)を基準として、
13C-NMRスペクトルはDMSO-d
6 (δ39.7)を基準として、Bruker Avance 400にて測定した。測定溶媒は特に言及の無い限り、Eurisotop製アンプル入(0.75ml)DMSO-d6を使用した。
【0075】
測定方法3 イオンクロマトグラフィー(IC)
上記実施例に記載されているIC値は、以下のように測定したアニオン量に基づく結晶中の当該酸成分の重量濃度を示し、以下のイオンクロマトグラフィーの結果に基づく。 化合物(I)で示される化合物を脱イオン水を加えて懸濁化させ、この懸濁液をディスポフィルターに通液した後、下記条件で測定した。なお標準液としては、KCl、 KBr、 K
2SO
4、 TsOH・H
2O、 MsOH又はHNO
3を脱イオン水で希釈した溶液を用いた。
(イオンクロマトグラフィー条件)
装置: イオンクロマトグラフDX-120 (DIONEX製)
溶離液: 1.0M Na2CO3 / 1.0M NaHCO3 / 脱イオン水= 2.7 / 0.3 / 997
【0076】
試験例1 溶解度の測定
上記のようにして得られた各結晶の試料又は化合物(I)のフリー体の結晶、各50mgを蒸留水10mlに懸濁させ室温下で15分撹拌した後、上清部分を取り、これを0.2μm HPLC用ディスポフィルターに通液したのち、1〜3.5gを秤量し、90% アセトニトリル水溶液で10mLにメスアップ後、化合物(I)の含量を下記の条件でHPLC測定した。結果は以下の表1に示した。
(HPLC分析条件)
装置: LC-10A series(島津製作所製)
Column : Inertsil(ジーエルサイエンス社) ODS-2 4.5mm*150mm, 5μm, 40℃
Flow Rate: 1mL/min, UV at 254nm, 10μL Injection
溶離液 A:0.1% TFA(トリフルオロ酢酸)/water
溶離液 B:0.1% TFA/MeCN
Gradient program:0 → 25min (B:0 → 90%)
【0077】
表1
【0078】
このように、本発明の化合物(I)の医薬的に許容できる酸との塩の結晶は、いずれもフリー体の結晶に比べて格段に水への溶解度が向上し、医薬としてきわめて有用であることが示された。
【0079】
試験例2 保存安定性の測定
式(I)の化合物の塩の結晶を、40℃ 75% RHで2ヶ月保存した時の保存安定性を下記の方法で測定した。このうち、好ましいCl1、Br1、Br2、Ms1及びMs3型についての結果をまとめて表2に示す。この結果から、本発明の好ましい結晶形の特に優れた保存安定性がわかった。
測定方法
保存安定性を、40℃, 75% RHの保管庫にて、2ヶ月保管した試料をHPLC分析にて測定した。
具体的には、化合物(I)で示される化合物の結晶をそれぞれ約25mgを50mLメスフラスコに秤量し、0.1% TFA含有90%アセトニトリル水溶液に溶解したものを以下のHPLC測定条件にて測定した。
(HPLC分析条件)
装置: LC-10A series(島津製作所製)
Column : Inertsil(ジーエルサイエンス社) ODS-2 4.5mm*150mm, 5μm, 40℃
Flow Rate: 1mL/min, UV at 254nm, 10μL Injection
溶離液 A:0.1% TFA(トリフルオロ酢酸)/water
溶離液 B:0.1% TFA/MeCN
Gradient program:0 → 25min (B:0 → 90%)
【0080】
表2
【0081】
試験例3 水蒸気吸脱着の測定
日本ベル社製 BELLSORP-aqua3を用いて水蒸気吸脱着を測定した。具体的には、化合物(I)で示される化合物約300mgを測定管に秤量し、50℃で30分減圧乾燥後、以下の条件にて水蒸気吸着量及び脱着量を測定した。
吸着温度:25℃、平行時間:500sec、飽和蒸気圧:3.169 kPa
過剰導入量: 0.2又は1.0cm
3(STP)/g、吸着量増減許容量: 0.2又は1.0cm
3(STP)/g
得られた本発明のCl1型結晶、Br2型結晶及びMs1型結晶の水蒸気吸脱着等温線を、それぞれ、
図26、
図27及び
図28に示す。いずれの図においても、水分吸着量が3.0%〜4.0%未満であり、また、高湿度下にあっても結晶の変化が極めて少ないことがわかる。したがって、これらの塩が極めて安定であり、好ましい結晶特性を有することが確認された。
【0082】
α4インテグリン阻害剤として有用な化合物(I)の塩に係る本発明の結晶は、取り扱いやすく、溶解性に優れ、α4インテグリン依存性の接着過程が病態に関与する炎症性疾患、リウマチ様関節炎、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、シェーグレン症候群、喘息、乾せん、アレルギー、糖尿病、心臓血管性疾患、動脈硬化症、再狭窄、腫瘍増殖、腫瘍転移、移植拒絶いずれかの治療剤または予防剤の有効成分として有用である。