特許第6120929号(P6120929)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120929
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】空気圧縮機の結合構造
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20170417BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   F04B39/00 104E
   F04B39/12 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-199361(P2015-199361)
(22)【出願日】2015年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-75284(P2016-75284A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2015年10月7日
(31)【優先権主張番号】103135093
(32)【優先日】2014年10月8日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 周文三,台湾新型説明書公告本第487364号,2014年10月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04B 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機の結合構造であって、
前記空気圧縮機のメインフレームには、モータ及びシリンダーが固定され、
前記モータが回転すると、前記シリンダー内でピストン本体のピストンヘッドが往復し、圧縮動作により圧縮空気が発生し、
前記シリンダーと空気貯蔵ユニットとの2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後に、前記空気貯蔵ユニットの内空部に形成されたメイン圧力貯蔵チャンバと、前記シリンダーの頂壁上に設けた円環柱の内部空間に形成されたサブ圧力貯蔵チャンバとにより、前記ピストン本体の運動抵抗力が減って動作の円滑性が向上し、
前記空気貯蔵ユニット内の中心部には、下方へ延びた円筒柱が延設され、前記円筒柱の長さを調整することによりバルブプラグが閉じる速度を制御し、
前記円筒柱の外周には、複数の環状ショルダが設けられ、前記環状ショルダと前記円筒柱との間には、凹状の環状溝が形成され、前記環状ショルダ間には凹状環状溝が形成され、異なる円直径を有する環状溝には、異なる円直径を有するばねが対応して収容されることを特徴とする空気圧縮機の結合構造。
【請求項2】
円形状外周側部の前記シリンダーの前記頂壁に隣接した前後の両側辺には、外方へ延びた長側板が水平に延設され、2つの前記長側板の左右両端には、上方へ延びて2つの対をなし、逆L字状を呈する嵌合クランプが形成され、前記嵌合クランプと前記長側板との間には、収容槽が形成され、
一端に開口部及び内空部を有する筒柱状の空気貯蔵ユニット上には、前記空気貯蔵ユニットと連通した複数のマニホールドが一体成形され、
前記空気貯蔵ユニットの前記開口部には、周囲に広がって適宜な厚さを有する平面側板が形成され、互いに対向した2つの前記平面側板には、L字状を呈するドッキングプレートがそれぞれ設けられ、前記ドッキングプレートと前記平面側板との間には、収容槽が形成され、
前記空気貯蔵ユニットを回転させると、前記空気貯蔵ユニットの前記平面側板が前記嵌合クランプの前記収容槽内に速やかに進入され、前記シリンダーの前記長側板が前記ドッキングプレートの前記収容槽内に収容されるため、前記空気貯蔵ユニットを前記シリンダーに強固に結合させることができる上、前記空気貯蔵ユニット及び前記シリンダーの2つの部材は着脱自在であることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機の結合構造。
【請求項3】
前記シリンダーは、頂壁と、下部に開口端を有する円形開口縁とを有し、
前記頂壁には、上方へ延びた円環柱が形成され、その外周側部には、シールリングが嵌合される環状槽が形成され、前記円環柱の内部には、圧縮チャンバと連通した通気孔が形成され、
前記通気孔の周囲の前記円環柱上には、間隔をおいて複数の凸柱が環状に配列され、前記凸柱の内周壁上には、複数のリブが間隔をおいて突設され、前記凸柱間には間隙が形成され、
弁体には、同一軸心で異なる寸法を有する円形状の下部段差、中部段差及び上部段差が順次形成され、
前記弁体は、間隔をおいて環状に配列された複数の凸柱により形成された内周室が、間隔をおいて配列された複数のリブ中に配設されているため、前記弁体が押動されてもずれることはなく、
前記ばねには、必要な弾性係数に応じて単数又は複数のばねが用いられ、
前記ばねには口径が小さめのばねが用いられ、その一端は、前記弁体の前記上部段差の外周に嵌合されて前記中部段差上に着座されるか、口径が大きめの前記ばねの一端が前記弁体の前記中部段差の外周に嵌合されて前記下部段差上に着座し、前記弁体の前記下部段差の直径は、内周室の直径より小さいが前記通気孔の直径より大きく、前記通気孔の圧縮空気が前記凸柱間の間隙を介して前記空気貯蔵ユニットの内空部内に流入し、
前記頂壁及び前記円環柱内部に形成された前記通気孔は、縦向き深さが前記弁体の縦向き厚さより大きく、前記サブ圧力貯蔵チャンバとして用いられることを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機の結合構造。
【請求項4】
前記シリンダーの中心垂直軸線に沿った断面において、前記中心垂直線に垂直な面を水平面とすると、前記シリンダーの底部に形成した開口端の円形開口縁は、前記シリンダーの中心垂直軸線により分けられ、前記シリンダーの前記開口縁は、前記シリンダーの中心垂直軸線により分けられた一方の側辺が前記水平面に対して平行であり、前記シリンダーの中心垂直軸線により分けられた他方の側辺の開口縁が、前記水平面に対し斜めに延びて形成された斜面筒壁を有し、
前記斜面筒壁の末端面は、前記水平面に対して平行な状態ではなく、傾斜面に形成され、
前記シリンダーの前記開口縁の傾斜面の最端部の端点と、前記シリンダーの前記開口縁の前記水平面とにより、長さ距離が形成されることを特徴とする請求項3に記載の空気圧縮機の結合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機の結合構造に関し、特に、空気圧縮機のシリンダーと空気貯蔵ユニットとの2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後にメイン圧力貯蔵チャンバ及びサブ圧力貯蔵チャンバが形成され、ピストン本体の運動抵抗力が減って動作の円滑性が向上し、シリンダーの中心垂直軸線により分けられた水平方向の開口縁が下方へ延びて斜面筒壁が形成され、ピストンヘッドが下死点に達すると、前記シリンダー内に完全に収容されて滑りが生じることを防ぐことができるため、前記シリンダー内で前記ピストンヘッドが往復して上下直線運動を行う際、ピストンヘッド全体とシリンダー内の円柱状内壁周面との間の気密性を高く維持し、空気圧縮効果を高めて、高い安全性を得る空気圧縮機の結合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気圧縮機は、基本の伝動部材及び動力源以外に、シリンダーと、圧縮空気を貯蔵する空気貯蔵ユニットと、が含まれなければならず、シリンダーと空気貯蔵ユニットとが一体成形され、シリンダーと空気貯蔵ユニットとが接続される壁には、空気が出入りする空気口が形成され、空気口の空気貯蔵ユニットの底壁上には、バルブプラグが設けられる。バルブプラグの他端には、ばねが当接される。ばねの他端には、空気貯蔵ユニットの開口端にボルトにより固定されたトップカバーが当接される。しかしこのような構造は、ばね及びバルブプラグを空気貯蔵ユニット内へ組立てることが困難である上、空気貯蔵ユニット内の空気圧力がバルブプラグに対して反対方向の圧力を発生させるため、ピストン本体の運動抵抗力が増大して動作の円滑性が好ましくないことがあった。従来の空気圧縮機は、モータによりシリンダー内でピストン本体を往復させて圧縮動作を行い、圧縮された空気がシリンダー頂壁の通気孔を介して空気貯蔵ユニットへ送られた後、空気貯蔵ユニットに設けられたマニホールドからホースを介して気体被注入物へ供給される。従来の空気圧縮機のシリンダー頂壁の厚さは、空気貯蔵ユニットの周壁の厚さに略等しいため、空気圧縮機のピストン本体がシリンダー内で直線運動を行って上死点に達すると、ピストン本体のピストンヘッドの頂平面は、シリンダーの圧縮チャンバの頂壁面に完全に当接され、ピストン本体の上動行程の動作により圧縮空気がシリンダー頂壁の通気孔を介し、シリンダーの圧縮チャンバと連通して排気用途の空気貯蔵ユニットとして用い、空気圧縮機が発生させる圧力が被測定タイヤの設定タイヤ圧より高くなり易い上、圧縮機のピストン本体がシリンダー内で往復運動する速度に直接悪影響を及ぼすため、空気圧縮機の空気圧縮効果を高めることは困難であった。この問題点に鑑み、本発明者は、シリンダーの頂壁及び円環柱内部の通気孔をサブ圧力貯蔵チャンバとして用い、ピストンヘッドの頂端面がシリンダーの圧縮チャンバの頂壁に完全に当接されると、圧縮空気の一部がサブ圧力貯蔵チャンバ内へ進入し、ピストン本体の下動行程の動作の円滑性が向上し、シリンダーの中心垂直軸線により分けられた水平方向の開口縁が下方へ延びて斜面筒壁に形成され、ピストンヘッドが下死点に達しても、摺動して外れずにシリンダー内に完全に収容され、ピストンヘッドがシリンダー内で往復して上下直線運動を行うと、ピストンヘッド全体とシリンダー内の円柱状内周壁面との間の気密性を良好に保ち、圧縮空気効果及び安全性を向上させることができる空気圧縮機を開発した。シリンダーの圧縮チャンバが連通したサブ圧力貯蔵チャンバは、空気圧縮機のピストンヘッドの頂平面がシリンダーの圧縮チャンバの頂壁面に完全に当接されると、圧縮空気の一部がサブ圧力貯蔵チャンバ内に進入してピストン本体の下動行程の円滑性が向上する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の目的は、空気圧縮機のシリンダー及び空気貯蔵ユニットの2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後にメイン圧力貯蔵チャンバ及びサブ圧力貯蔵チャンバが形成され、ピストン本体の運動抵抗力が減って動作の円滑性が向上する空気圧縮機の結合構造を提供することにある。
本発明の第2の目的は、ピストン本体が往復運動するシリンダーを有し、シリンダーは、モータを固定するメインフレームと一体成形され、シリンダーの頂壁には、上方へ延びた円環柱が形成され、円環柱内部には、シリンダーの圧縮チャンバと連通した通気孔が形成され、通気孔はサブ圧力貯蔵チャンバとして用いられる空気圧縮機の結合構造を提供することにある。
本発明の第3の目的は、空気圧縮機に設けたシリンダーは、下方に開口端が設けられた円形開口縁を有し、円形開口縁は、シリンダーの中軸線により分けられ、シリンダーの開口縁は、シリンダーの中軸線により分けられた一方の側辺が水平面に対して平行であり、シリンダーの中軸線により分けられた他方の側辺の開口縁が下方へ延びて斜面筒壁に形成され、斜面筒壁の末端面が傾斜面に形成される空気圧縮機の結合構造を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機を示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機を示す断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機を示す正面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機内にばねを取り付けたときの状態を示す部分拡大図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のピストン本体がシリンダー内で下動行程を行うときの状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1図5を参照する。図1図5に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機の結合構造は、ピストン本体15が動作するシリンダー2と、モータ11を固定するメインフレーム10とが一体成形されて構成される。メインフレーム10には、空気圧縮機の動力機構が固定されている。動力機構は、モータ11と、伝動用途の小歯車12と、小歯車12と噛合される大歯車13と、クランクピン14を有する重量回転盤18と、放熱用途の放熱ファン17とを含む。モータ11により空気圧縮機の動力機構を駆動し、ピストン本体15のピストンヘッド16がシリンダー2の圧縮チャンバ23内で往復して圧縮動作を行うと、圧縮された空気が通気孔250を介して弁体31を押動してばね32,33を圧縮し、圧縮された空気が空気貯蔵ユニット6内に進入する。空気貯蔵ユニット6上には、空気貯蔵ユニット6と連通した複数のマニホールド63,64が一体成形され、マニホールド63には、ホース(図示せず)が接続される。マニホールド64は、安全バルブ7を設置するために用いられる。
【0006】
空気圧縮機の円形状外周側部のシリンダー2の頂壁21に隣接した前後の両側辺には、外方へ延びた長側板65が水平に延設される。2つの長側板65の左右両端には、上方へ延びて2つの対をなし、逆L字状を呈する嵌合クランプ281が形成される。嵌合クランプ281と長側板28との間には、収容槽282が形成される。シリンダー2は、頂壁21と、下部に開口端を有する円形開口縁22とを有する。頂壁21には、上方へ延びた円環柱25が形成され、その外周側部には、シールリング27が嵌合される環状槽251が形成され、円環柱25の内部には、圧縮チャンバ23と連通した通気孔250が形成されている。前述した通気孔250の周囲の円環柱25上には、間隔をおいて複数の凸柱26が環状に配列され、凸柱26の内周壁上には、複数のリブ261が間隔をおいて突設され、凸柱26間には間隙262(図1を参照する)が形成されている。弁体31は、同一軸心で異なる寸法を有する円形状の下部段差311、中部段差312及び上部段差313が順次形成されている。弁体31は、間隔をおいて環状に配列された複数の凸柱26により形成された内周室260が、間隔をおいて配列された複数のリブ261中に配設されているため、弁体31が押動されてもずれることはない。前述のばねには、必要な弾性係数に応じて単数又は複数のばね32,33が用いられる。図3及び図5を参照する。ばねには口径が小さめのばね32が用いられ、その一端は、弁体31の上部段差313の外周に嵌合されて中部段差312上に着座されるか、口径が大きめのばね33の一端が前述の弁体31の中部段差312の外周に嵌合されて下部段差311上に着座し、弁体31の下部段差311の直径は、内周室260の直径より小さいが通気孔250の直径より大きく、通気孔250の圧縮空気が凸柱26間の間隙262を介して空気貯蔵ユニット6の内空部62内に流入する。前述した頂壁21及び円環柱25内部に形成された通気孔250は、縦向き深さが前述の弁体31の縦向き厚さより大きく、サブ圧力貯蔵チャンバ24として用いることができる。以下図4で示された方向で見て、3次元空間の座標により説明する。前述したシリンダー2の底部に形成した開口端の円形開口縁22は、シリンダー2の中心垂直軸線Yにより+X軸方向及び−X軸方向の水平軸線に分けられる。シリンダー2の開口縁22は、シリンダー2の中心垂直軸線Yにより分けられた+X軸方向がXZ水平面に対して平行であり、シリンダー2の中心垂直軸線Yにより分けられた−X軸方向の開口縁22は、下方へ延びて形成された斜面筒壁221を有する。斜面筒壁221の末端面は、XZ水平面に対して平行な状態ではなく、傾斜面222に形成されている。シリンダー2の開口縁22の傾斜面222の最端部の端点と、シリンダー2の開口縁22の水平面とにより、長さ距離Lが形成される(図4参照)。
【0007】
一端に開口部61及び内空部62を有する筒柱状の空気貯蔵ユニット6上には、空気貯蔵ユニット6と連通した複数のマニホールド63,64が一体成形される。空気貯蔵ユニット6の開口部61には、周囲に広がって適宜な厚さを有する平面側板65が形成され、互いに対向した2つの平面側板65には、L字状を呈するドッキングプレート651がそれぞれ設けられる。ドッキングプレート651と平面側板65との間には、収容槽650が形成される。空気貯蔵ユニット6内の中心部には、下方へ延びた円筒柱66が延設される。円筒柱66の長さを調整することによりバルブプラグ31が閉じる速度を制御する。円筒柱66が長めであるとき、バルブプラグ31の上下運動の行程が短くなるため、前述した通気孔250が閉じる速度が速くなる。反対に、円筒柱66が短めであるとき、バルブプラグ31の上下運動の行程が長くなるため、前述した通気孔250が閉じる速度が遅くなる。円筒柱66の外周には、複数の環状ショルダ671,672が設けられる。環状ショルダ671と円筒柱66との間には、凹状の環状溝60が形成される。環状ショルダ671と環状ショルダ672との間には凹状環状溝68が形成され、異なる円直径を有する環状溝60,68には、異なる円直径を有するばね32,33が対応して収容される。例えば、図3のばね32,33において、前述の円筒柱66は、弁体31上に嵌合されたばね32の他端に嵌入されて環状溝60内に着座される。口径が大きめのばね33は、ばね32が取り付けられた円筒柱66の外周に取り付けられ、環状溝68内に着座する。メイン圧力貯蔵チャンバ69は、円筒柱66の内空部62である。
【0008】
図1及び図2に示すように、空気貯蔵ユニット6を回転させると、空気貯蔵ユニット6の平面側板65が嵌合クランプ281の収容槽282内に速やかに進入され、シリンダー2の長側板28がドッキングプレート651の収容槽650内に収容されるため、空気貯蔵ユニット6をシリンダー2に強固に結合させることができる上、空気貯蔵ユニット6及びシリンダー2の2つの部材は着脱自在である。
【0009】
空気圧縮機のピストン本体15は、シリンダー2(図3を参照する)内で往復運動する。ピストン本体15の上動行程において、シリンダー2の圧縮チャンバ23で発生した圧縮空気が通気孔250を介して弁体31を押動すると、ばね32,33が圧縮され、圧縮された空気が前述した複数の凸柱26間の間隙262を介して空気貯蔵ユニット6のメイン圧力貯蔵チャンバ69内に流入し(図5を参照する)、マニホールド63のホースを介して気体被注入物に供給される。ピストン本体15の下動行程は、図6に示すように、ピストンヘッド16の頂端面とシリンダー2の斜面筒壁221の傾斜面222とが平行状態となっているため、ピストンヘッド16が下死点に達したときでも、摺動して外れることはなく、シリンダー2内に完全に収容されているため、ピストンヘッド16がシリンダー2内で往復して上下直線運動を行う際、ピストンヘッド16全体とシリンダー2内の円柱状内周壁面20との気密性を良好に維持し、高い空気圧縮効果及び安全性を得ることができる。
【0010】
本発明の頂壁21と、円環柱25内部の通気孔250とをサブ圧力貯蔵チャンバ24として用いることができるため、ピストン本体15が上動行程により上死点に達すると、ピストンヘッド16の頂端面がシリンダー2の圧縮チャンバ23頂端の頂壁21に当接されるが(図3を参照する)、サブ圧力貯蔵チャンバ24の容積が、シリンダー2の圧縮チャンバ23の容積に等しいため、ピストン本体15の抵抗力が減って動作の円滑性が向上する上、気体注入過程において気体被注入物の圧力値を安全な範囲に維持し、安全性を確保することができる。
【0011】
上述したことから分かるように、本発明の空気圧縮機の結合構造、特に、空気圧縮機のシリンダー2及び空気貯蔵ユニット6の2つの独立部材が着脱自在に結合され、結合された後にメイン圧力貯蔵チャンバ69及びサブ圧力貯蔵チャンバ24が形成され、ピストン本体15の運動抵抗力が少なく動作の円滑性が向上するとともに、シリンダー2の中心垂直軸線により分けられた水平方向の開口縁22を下方へ延ばして斜面筒壁221が形成され、ピストンヘッド16が下死点に達したときでも、摺動して外れることはなく、シリンダー2内に完全に収容されているため、ピストンヘッド16がシリンダー2内で往復して上下直線運動を行っても、ピストンヘッド16全体とシリンダー2内の円柱状内周壁面20との間の気密性が良好に維持され、高い空気圧縮効果及び安全性を得ることができる。
【符号の説明】
【0012】
2 シリンダー
6 空気貯蔵ユニット
7 安全バルブ
10 メインフレーム
11 モータ
12 小歯車
13 大歯車
14 クランクピン
15 ピストン本体
16 ピストンヘッド
17 放熱ファン
18 重量回転盤
20 内周壁面
21 頂壁
22 開口縁
23 圧縮チャンバ
24 サブ圧力貯蔵チャンバ
25 円環柱
26 凸柱
27 シールリング
28 長側板
31 弁体
32 ばね
33 ばね
60 環状溝
61 開口部
62 内空部
63 マニホールド
64 マニホールド
65 平面側板
66 円筒柱
68 環状溝
69 メイン圧力貯蔵チャンバ
221 斜面筒壁
222 傾斜面
250 通気孔
251 環状槽
260 内周室
261 リブ
262 間隙
281 嵌合クランプ
282 収容槽
311 下部段差
312 中部段差
313 上部段差
650 収容槽
651 ドッキングプレート
671 環状ショルダ
672 環状ショルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6