特許第6121043号(P6121043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6121043駆虫薬としての1−ヒドロキシ−ベンゾオキサボロール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121043
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】駆虫薬としての1−ヒドロキシ−ベンゾオキサボロール
(51)【国際特許分類】
   C07F 5/02 20060101AFI20170417BHJP
   A61K 31/69 20060101ALI20170417BHJP
   A61P 33/10 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   C07F5/02 CCSP
   A61K31/69
   A61P33/10
【請求項の数】15
【全頁数】132
(21)【出願番号】特願2016-500695(P2016-500695)
(86)(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公表番号】特表2016-516032(P2016-516032A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014020966
(87)【国際公開番号】WO2014149793
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年9月14日
(31)【優先権主張番号】61/786,839
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】507282015
【氏名又は名称】アナコア ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ツトム・アカマ
(72)【発明者】
【氏名】カート・ジャーナジン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・ジェイ・プラットナー
(72)【発明者】
【氏名】ション・ローランド・プリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ハンター・ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−カン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤシーン・ジョウ
【審査官】 井上 千弥子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/019612(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/017125(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/049971(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】
(式中、Rはシアノまたはカルバモイルであり;
は水素;ハロ;C−Cアルキル;ハロで1〜3回置換されたC−Cアルキル;C−Cアルコキシ;ハロで1〜3回置換されたC−Cアルコキシ;シクロプロピル;シクロプロポキシ;フェノキシ;フェニル;チエニル;フリル;アミノ;アミノメチル;ジメチルアミノ;シアノ;アセチルアミノ;メトキシカルボニル;−CH−NH−C(O)−O−C(CH;または−O(CH−Rであり;Rはメトキシ、アミノ、または−NH−C(O)−O−C(CHであり;
はシアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルフィニル、またはペンタフルオロスルファニルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはアミノメチルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルである)
またはその塩。
【請求項2】
式Ib:
【化2】
(式中、R2は前記と同意義である)
である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
が、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、フェニル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシからなる群から選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(5,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(5−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−4,5−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(4,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
tert−ブチル2−(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート;
N−(1−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−シアノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェノキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−プロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−(フラン−2−イル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−アセトアミド−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
tert−ブチル(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート;
N−(1−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−アミノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−ヨード−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
メチル6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)スルホニル)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−プロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−[1−シアノ−2−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−1−メチル−エチル]−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;または
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンズアミド;
(S)−N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド;
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミド;
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミド;
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;または
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
前記化合物が、(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
前記化合物が、(S)−N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
前記化合物が、(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項9】
前記化合物が、(S)−N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項10】
前記化合物が、(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項11】
前記化合物が、(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩と、少なくとも1種の許容可能な担体とを含む、製剤。
【請求項13】
動物内または動物上の内部寄生虫感染を抑制するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項14】
療法に使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項15】
医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホウ素含有分子、方法および製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的に、ヒトを含む動物における寄生虫感染は著しい苦痛および経済的損失の原因となっている。具体的には、内部寄生虫感染および特に、線虫(糸状虫を含む回虫)および扁形動物(条虫またはサナダムシおよび吸虫またはフルーク(fluke))によって引き起こされる蠕虫病は、種々の器官系、例えば、消化管、リンパ管系、種々の組織、肝臓、肺、心臓および脳の感染および損傷により重大な疾患を負わせる可能性があり、神経学的および代謝的機能不全、栄養失調、成長遅延、生産性の損失および死を含む後遺症を伴う。農業および園芸において、いくつかの線虫は有益であるとみなされているが;ヨウトムシおよび根瘤線虫などの捕食性の線虫は、葉、茎および根を含む、種々の植物の部分を攻撃し、損傷させ、同様にこの業界に対して著しい経済的損失を負わせる。
【0003】
非常に多くのクラスの薬物が内部寄生虫感染を処置するために使用されており、より具体的には、駆虫薬が動物における線虫感染を処置するために使用されている。ヒトおよび家畜の寄生蠕虫感染の処置に承認されている多数の薬物が存在するが、最も広範に使用されている薬物は、限定された数の古い化学的クラスの範囲内、例えば、大環状ラクトン(例えば、アベルメクチン、ミルベマイシン);ベンズイミダゾール(例えば、フェンベンダゾール、チアベンダゾール、フルベンダゾール);イミダチアゾール(例えば、テトラミゾールおよびレバミゾール);テトラヒドロピリミジン(例えば、モランテル、ピランテル)、サリチルアニリド(例えば、クロサンテール、ニクロサミド);ピラジンイソキノリン(pyrazinaisoquinoline)(例えば、プラジカンテル);種々の複素環化合物(例えば、ピペラジン、ジエチルカルバマジン、フェノチアジン)およびヒ素剤(例えば、メロルサミン(melorsamine))ならびに種々の天然または植物由来レメディエス(remedies)(例えば、パイナップルおよびパパイヤ由来のブロメライン)である傾向がある。これらの古い化学的クラスの多くの化合物は、疑わしい安全性、不十分な薬物能力および/または有効性プロファイル、制限された範囲、または不適切な使用パターン(例えば、栽培者および生産者による化学的クラスのローテーションを含む統合された害虫管理戦略を用いていない大環状ラクトンの使いすぎ)に起因する増加している耐性問題などの種々の欠点を被っている。これらの欠点のいくつかに対処し、アミノアセトニトリル誘導体(例えば、モネパンテル);スピロインドール(例えば、デルカンテル(derquantel));およびシクロオクタデプシペプチド(例えば、エモデプシド)を含むと思われる非常に限定された数の新たな駆虫剤が最近開発されている。しかしながら、範囲および活性、物理−化学的特性および薬物能力プロファイル、哺乳動物の安全性ならびに長期の実行可能性を確実にするために、より多様性があり、簡便な処置の選択肢に関して、優れたおよび/または様々な特質を有するさらなる駆虫剤についての差し迫った必要性が依然として存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、内部寄生感染、特に寄生蠕虫感染に対処するための代替の選択肢を提供する、動物および植物中または上で使用するための殺内部寄生性化合物、方法および製剤を包含する。さらに、本発明の特定の態様は、現在の療法の使用における少なくともいくつかの制限を克服し、特に内部寄生虫の効果的で安全な抑制を提供する。
【0005】
式Iの化合物:
【化1】
(式中、Cは、(R)または(S)である構造を有する立体中心である炭素原子であり;
はシアノまたはカルバモイルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、フェノキシ、フェニル、チエニル、フリル、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、シアノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニル、−CH−NH−C(O)−O−C(CH、または−O(CH−Rであり、Rはメトキシ、アミノ、または−NH−C(O)−O−C(CHであり;
はシアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルフィニルまたはペンタフルオロスルファニルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはアミノメチルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルである)
またはその塩が提供される。一実施形態において、R、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0006】
式Iaの化合物:
【化2】
(式中、Rは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩が提供される。一実施形態において、Rは、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、フェニル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0007】
式Ibの化合物:
【化3】
(式中、Rは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩が提供される。一実施形態において、Rは、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、フェニル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0008】
一実施形態において、化合物は式II:
【化4】
(式中、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0009】
一実施形態において、化合物は式III:
【化5】
(式中、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0010】
一実施形態において、化合物は式IV:
【化6】
(式中、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0011】
一実施形態において、化合物は式V:
【化7】
(式中、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0012】
一実施形態において、化合物は式VI:
【化8】
(式中、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0013】
一実施形態において、化合物は式VII:
【化9】
(式中、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、およびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0014】
一実施形態において、化合物は式VIII:
【化10】
(式中、Rは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、Rはハロゲンである。一実施形態において、Rはハロゲンであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはハロゲンであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはClである。一実施形態において、RはClであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはClであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはBrである。一実施形態において、RはBrであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはBrであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルである。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルである。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはメチルである。一実施形態において、Rはメチルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはメチルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはエチルである。一実施形態において、Rはエチルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはエチルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはプロピルである。一実施形態において、Rはプロピルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはプロピルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはイソプロピルである。一実施形態において、Rはイソプロピルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはイソプロピルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルオキシである。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはメトキシである。一実施形態において、Rはメトキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはメトキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはエトキシである。一実施形態において、Rはエトキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはエトキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはプロポキシである。一実施形態において、Rはプロポキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはプロポキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはイソプロポキシである。一実施形態において、Rはイソプロポキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはイソプロポキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはハロで1、2または3回置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシである。一実施形態において、Rはハロで1、2または3回置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはハロで1、2または3回置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはフッ素で1、2または3回置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシである。一実施形態において、Rはフッ素で1、2または3回置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはフッ素で1、2または3回置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rは1つのフッ素で置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシである。一実施形態において、Rは1つのフッ素で置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rは1つのフッ素で置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rは2つのフッ素で置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシである。一実施形態において、Rは2つのフッ素で置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rは2つのフッ素で置換されているCまたはC−またはCアルキルオキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはトリフルオロメトキシである。一実施形態において、Rはトリフルオロメトキシであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはトリフルオロメトキシであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。一実施形態において、RはCシクロアルキルである。一実施形態において、Rはシクロプロピルである。一実施形態において、Rはシクロプロピルであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、Rはシクロプロピルであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0015】
一実施形態において、化合物は式IX:
【化11】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Rはハロゲンである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Rはハロゲンであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Rはハロゲンであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0016】
一実施形態において、化合物は式X:
【化12】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0017】
一実施形態において、化合物は式XI:
【化13】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0018】
一実施形態において、化合物は式XII:
【化14】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、RはCまたはCまたはCアルキルである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0019】
一実施形態において、化合物は式XIII:
【化15】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0020】
一実施形態において、化合物は式XIV:
【化16】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0021】
一実施形態において、化合物は式XV:
【化17】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0022】
一実施形態において、化合物は式XVI:
【化18】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0023】
一実施形態において、化合物は式XVII:
【化19】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0024】
一実施形態において、化合物は式XVIII:
【化20】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0025】
一実施形態において、化合物は式XIX:
【化21】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0026】
一実施形態において、化合物は式XX:
【化22】
(式中、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)、またはその塩である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(R)構造を有する立体中心である。一実施形態において、R、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りであり、Cは(S)構造を有する立体中心である。
【0027】
本発明は、式XXIおよびXXIIの化合物、およびそれらの塩:
【化23】
(式中、R、RおよびRは本明細書に記載されている通りである)
を提供する。
【0028】
本発明は、本明細書に記載される式の化合物または塩と、1種以上の許容可能な担体とを含む、医薬製剤および農業製剤を含む、製剤を提供する。製剤は、少なくとも1種の追加の有効成分をさらに含んでもよい。本発明の医薬製剤は、ヒト医薬製剤または獣医学的医薬製剤であってもよい。
【0029】
本発明は、有効量の本明細書に記載される式の化合物または塩を、それを必要とする動物に投与することを含む、前記動物の内部寄生虫感染を抑制する方法を提供する。本発明はさらに、少なくとも1種の他の有効成分を前記動物に投与することを提供できる。
【0030】
本発明は、本明細書に記載される、少なくとも1種の化合物、またはその塩を、それを必要とする動物に投与することを含む、内部寄生虫により感染した疾患を予防および治療する方法を提供する。
【0031】
本発明は、本明細書に記載される式の化合物または塩を害虫および/またはそれらの生育環境に対して作用できるようにすることを特徴付ける、内部寄生虫を抑制する方法を提供する。本発明は、このような害虫を抑制するための本発明に記載される式の化合物またはその塩の使用を提供する。
【0032】
本発明は、療法に使用するための本明細書に記載される化合物またはその塩を提供する。本発明はさらに、内部寄生虫感染を抑制するのに使用するための本明細書に記載される化合物またはその塩を提供する。本発明はまた、内部寄生虫感染を抑制するための製剤または医薬を製造するための本明細書に記載される化合物またはその塩の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
宿主動物は、トリ(シチメンチョウ、ニワトリ)またはサカナなどの哺乳動物または非哺乳動物であってもよい。宿主動物が哺乳動物である場合、それはヒトまたは非ヒト哺乳動物であってもよい。非ヒト哺乳動物は、家畜動物およびペットなどの家畜を含む。家畜動物には、限定されないが、畜牛、ラクダ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、およびウマが含まれる。ペットには、限定されないが、イヌ、ウサギ、ネコ、およびヒト−動物の関係の一部としてヒトと密接につながって所有され、維持される他のペットが含まれる。
【0034】
内部寄生虫には、一般に動物を感染させる寄生蠕虫害虫が含まれ、その卵、幼虫および成虫の段階が含まれる。このような害虫には、線虫、条虫、および吸虫、特に反芻動物(吸血性)および/または病原性線虫、ならびに鉤虫、サナダムシ、およびイヌ糸条虫が含まれ、これらの害虫は、動物、例えば、ヒツジ、ブタ、ヤギ、畜牛、ウマ、ロバ、ラクダ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、シチメンショウ、ホロホロチョウおよび他の飼育されるトリ、ならびに珍しいトリにおいて重大な疾患を引き起こすため、商業的に重要である。典型的な線虫属には、捻転胃虫属(Haemonchus)、毛様線虫属(Trichostrongylus)、小束(Fasciola)、オステルタジア属(Ostertagia)、ネマトジルス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)、回虫(Ascaris)、ブノストヌム属(Bunostonum)、腸結節虫属(Oesophagostonum)、チャルベルティア(Charbertia)、鞭虫属(Trichuris)、ストロンギウス(Strongylus)、トリコネマ(Trichonema)、ディクチオカウルス属(Dictyocaulus)、カプスリアルサ(Capillaria)、ヘテラキス(Heterakis)、トキソカラ属(Toxocara)、アスカリディア属(Ascaridia)、蟯虫属(Oxyuris)、アンシオストーマ(Ancylostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)、およびパラスカリス(Parascaris)が含まれる。吸虫には、特に、ファスキオリデアエ科(Fasciolideae)、特に、ファスキオラ・ヘパティカ)Fasciola hepatica)が含まれる。オステルタジア属(Ostertagia)、毛様線虫属(Trichostrongylus)、捻転胃虫属(Haemonchus)およびクーペリア属(Cooperia)などのこれらの線虫は動物の消化管に感染することは特に注目すべきである。
【0035】
一実施形態において、蠕虫は寄生蠕虫(parasitic worm)である。一実施形態において、蠕虫は寄生蠕虫(helminth)である。一実施形態において、蠕虫は回虫(線虫)である。一実施形態において、蠕虫は体節に分かれた扁形動物(条虫)である。一実施形態において、蠕虫は体節に分かれていない扁形動物(吸虫)である。これらの蠕虫の殺傷または増殖の抑制は、それらが本明細書に記載される動物などの広範囲の動物において重大な疾患を引き起こすために、商業的および医薬的に重要である。一実施形態において、蠕虫は、捻転胃虫種(Haemonchus spp.)または毛様線虫属(Trichostrongylus spp.)またはテラドサギア(Teladorsagia)(オステルタジア(Ostertagia))種またはネマトディルス・レポリス(Nematodirus leporis)またはクーペリア・オンコフォラ(Cooperia oncophora)またはクーペリア・パンクタータ(Cooperia punctata)または回虫種(Ascaris spp.)または腸結節虫属種(Oesophagostomum spp.)またはブノストムム種(Bunostomum spp.)または大口腸線虫種(Charbertia spp.)または鞭虫種(Trichuris spp.)またはストロンギルス種(Strongylus spp.)またはトリコネマ種(Trichonema spp.)またはトリオドントフォラス種(Triodontophorus spp.)またはディクチオカウルス種(Dictyocaulus spp.)またはヘテラキス種(Heterakis spp.)またはトキソカラ種(Toxocara spp.)またはアスカリディア種(Ascaridia spp.)または蟯虫(Enterobius)(以前はオキシウリス(Oxyuris))種または鉤虫種(Ancylostoma spp.)またはウンシナリア種(Uncinaria spp.)またはアメリカ鉤虫種(Necator spp.)またはイヌ小回虫(Toxascaris leonina)またはウマ回虫(Parascaris equorum)、サナダムシ種(Taenia spp.)またはヒメノレプシス種(Hymenolepsis spp.)またはエキノコックス種(Eichonicoccus spp.)または擬葉条虫(Pseudophyllid)条虫または肝吸虫または肺吸虫または住血吸虫またはファスキオリデアエ科(Fasciolideae)、特に、ファスキオラ・ヘパティカ(Fasciola hepatica)、または住血吸虫種(Schistosoma spp.)またはイヌ糸状虫種(Dirofilaria spp.)を含む糸条虫(Filarioidea)またはリトモソイド種(Litomosoides spp.)またはオンコセルカ種(Onchocerca spp.)またはブルギア(Brugia spp.)またはブケレリア種(Wuchereria spp.)のメンバーである。一実施形態において、蠕虫は回虫または糸状虫または鉤虫または蟯虫または鞭虫である。一実施形態において、蠕虫はリトモシド・シグモドンティス(Litomosoides sigmodontis)またはヘモンカス・コントリウス(Haemonchus contortus)またはコルブリフォルミス毛様線虫(Trichostrongylus colubriformis)またはイヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)である。一実施形態において、蠕虫はバンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)またはマレー糸状虫(Brugia malayi)またはブルギア・ティモリ(Brugia timori)またはマンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)である。
【0036】
別の態様において、本発明は疾患を治療する方法を提供する。その方法は、疾患を治療するのに十分な治療有効量の本明細書に記載される化合物またはその塩を、動物に投与することを含む。別の態様において、本発明は疾患を予防する方法を提供する。その方法は、疾患を予防するのに十分な予防有効量の本明細書に記載される化合物またはその塩を動物に投与することを含む。一実施形態において、本明細書に記載される化合物またはその塩は、ヒトの医学的療法、特に蠕虫関連疾患の治療に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物またはその塩は、ヒトの医学的療法、特に蠕虫に関連する疾患の治療に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、ヒトの医学的療法、特に蠕虫関連疾患の予防に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、獣医学的療法、特に蠕虫関連疾患の治療に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、獣医学的療法、特に蠕虫関連疾患の予防に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、ヒトの医学的療法、特に寄生蠕虫関連疾患の治療に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、ヒトの医学的療法、特に寄生蠕虫関連疾患の予防に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、獣医学的療法、特に寄生蠕虫関連疾患の治療に使用されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載される式の化合物または塩は、獣医学的療法、特に寄生蠕虫関連疾患の予防に使用されてもよい。一実施形態において、化合物を投与される動物は、他に本明細書に記載される式の化合物または塩による治療を必要としない。
【0037】
一実施形態において、疾患は蠕虫に関連する。一実施形態において、疾患は蠕虫によって引き起こされる。一実施形態において、疾患は本明細書に記載される蠕虫に関連する。一実施形態において、疾患は線虫に関連する。一実施形態において、疾患は本明細書に記載される線虫に関連する。一実施形態において、疾患は、リトモシド・シグモドンティス(Litomosoides sigmodontis)またはヘモンカス・コントリウス(Haemonchus contortus)またはコルブリフォルミス毛様線虫(Trichostrongylus colubriformis)またはイヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)である蠕虫に関連する。一実施形態において、疾患は、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)またはマレー糸状虫(Brugia malayi)またはブルギア・ティモリ(Brugia timori)またはマンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)である蠕虫に関連する。一実施形態において、疾患は吸虫に関連する。一実施形態において、疾患は本明細書に記載される吸虫に関連する。一実施形態において、疾患は住血吸虫(Schistosoma)に関連する。一実施形態において、疾患は、蟯虫症(enterobiasis)、蟯虫症(oxyuriasis)、回虫症、メジナ虫症、フィラリア症、オンコセルカ症、吸血吸虫症、鞭虫症から選択されるメンバーである。一実施形態において、疾患は住血吸虫症である。一実施形態において、疾患は膀胱住血吸虫症である。一実施形態において、疾患は腸住血吸虫症である。一実施形態において、疾患はアジア人腸住血吸虫症である。一実施形態において、疾患は内臓住血吸虫症である。一実施形態において、疾患は急性住血吸虫症である。一実施形態において、疾患はリンパ管フィラリア症である。一実施形態において、疾患はバンクロフト・フィラリア症である。一実施形態において、疾患はリンパ節炎である。一実施形態において、疾患はリンパ管炎である。一実施形態において、疾患はリンパ浮腫である。一実施形態において、疾患は皮下フィラリア症である。一実施形態において、疾患は象皮病である。一実施形態において、疾患は熱帯象皮病(elephantiasis tropica)である。一実施形態において、疾患はオンコセルカ症である。
【0038】
抑制とは、動物宿主または植物中または上の現在の感染の改善または除去、感染の予防のいずれかを指す。
【0039】
有効量とは、内部寄生虫感染を抑制するのに十分な本明細書に記載される化合物またはその塩の量を指し、内部寄生虫感染集団の測定可能な減少を引き起こすことを含み、それ自体はいくつかの要因に依存する。動物上または中での使用に関して、方法における本明細書に記載される化合物またはその塩の範囲は、0.01〜1000mg/kg、より望ましくは0.1〜100mg/kg動物の体重を含む。投与頻度もまた、いくつかの要因に依存し、担当の医師または獣医によって決定される期間、1日に1回、1週間に1回、または1ヶ月に1回投与される単回投与であってもよい。追加の有効成分が、本明細書に記載される化合物またはその塩と共に投与されてもよい。
【0040】
本出願に使用される場合、例えば、塩および担体などの製剤成分を参照して、薬学的に許容可能とは、「獣医学的に許容可能」を含み、したがって独立してヒトおよび動物の両方の適用を含む。
【0041】
薬学的に許容可能な塩を含む、本発明の化合物の塩、およびそれらを調製する一般的な方法は当該分野において公知である。例えば、P.Stahlら、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,(VCHA/Wiley−VCH,2002);S.M. Bergeら、「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,1977年1月を参照のこと。
【0042】
本明細書に記載される化合物またはその塩は、投与用の医薬組成物として製剤化される。このような医薬組成物およびそれを作製するプロセスは、ヒトおよび非ヒト動物の両方について当該分野において公知である。例えば、REMINGTON:The Science and practice of pharmacy,(A.Gennaroら、eds.,第19版、Mack Publishing Co.,1995)を参照のこと。製剤は、経口水薬、第1胃手段、および供給添加剤などの経口投与;注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内)などの非経口投与;浸漬、噴霧、水浴、洗浄、ポアオン(pouring−on)およびスポットオン(spotting−on)などの経皮透過を用いるまたは用いない局所適用;ならびに経皮および経皮デポー剤などを含む、種々の手段により投与され得る。追加の有効成分が、本発明の化合物またはその塩を含有する製剤に含まれてもよく、例えば、改善された寄生範囲または活性の期間に関して本発明の化合物を補う異なる殺寄生虫活性を有する化合物であってもよい。このような有効成分には、限定されないが、大環状ラクトン(例えば、イベルメクチン、ミルベマイシン)、ベンズイミダゾール(例えば、フルベンダゾール)、イミダチオアゾール(例えば、レバミゾール)、スピロインドール(例えば、デルカンテル)、ピペラジン、トリベンジミジン、サリチルアニリド(例えば、ニクロサミド)、テトラヒドロピリミジン(例えば、ピランテル)、ベンズアミド(例えば、クロサンテール)、シクロオクタデプシペプチド(例えば、エモデプシド)またはアミノアセトニトリル誘導体(例えば、モネパンテル)クラスに属する外部寄生性物撲滅剤ならびに抗原虫剤、例えば、ペンタミジン、ピラメタミン、スラミン、ニタゾキサニド、およびメラルソプロールが含まれる。追加の有効成分はまた、限定されないが、大環状ラクトン(例えば、イベルメクチン、ミルベマイシン)、スピノシン(例えば、スピノサド、スピネトラム)、ピラゾールまたはフェニルピラゾール(例えば、フィプロニル、テブフェンピラド)、ホルムアミジン(例えば、アミトラズ)、ネオニコチノイド(例えば、イミダクロプリド、チアメトキサム)、シクロジエン有機塩素剤(例えば、ディルドリン、DDT)、ノズラスポラミド(nodulasporamide)、フタルアミド(例えば、テトラメチリン)、ピレトロイド(例えば、パーメトリン)、ジアミド(例えば、クロラントラニリプロール)、オキサジアジン(例えば、インドキシカーブ)、有機リン酸塩(例えば、ジアジノン)、ジニトロフェノール(例えば、DNOC)、カルバメート(例えば、カルバリル)、セミカルバメート(例えば、メタフルミゾン)、イソオキサゾリン(例えば、フルララネル)、ピリミジンアミン(例えば、ピリミジンフェン)、ピロール(例えば、クロルフェナピル)、テトラミン酸(例えば、スピノテトラメト)、およびチアゾール(例えば、クロチアニジン)を含む、外部寄生生物撲滅剤または内部寄生生物撲滅剤(endectoparasiticidal)化合物、ならびに種々の分類されていない駆虫剤、例えば、アセキノシル、ピリダリルおよび昆虫成長調節剤(例えば、幼若ホルモン類似体、キチナーゼ阻害剤)であってもよい。
【0043】
担体は、製剤中の有効成分以外の任意の成分を示すために本明細書に使用される。担体の選択は、大部分、特定の投与様式または適用、溶解度および安定性に対する担体の効果、ならびに投薬形態の性質などの要因に依存する。
【0044】
ハロゲンまたはハロとは、フッ素、臭素、塩素、およびヨウ素を指す。
【0045】
ハロで1〜3回置換されたC−Cアルキルおよびハロで1〜3回置換されたC−Cアルコキシとは、ハロゲンでのC−Cアルキル(メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピル)またはC−Cアルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、またはイソプロポキシ)一、二、または三置換を指す。このような例には、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロイソプロピル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロイソプロピル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモイソプロピル、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、ヨードイソプロピル、ジフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジフルオロイソプロピル、ジクロロメチル、ジクロロエチル、ジクロロプロピル、ジクロロイソプロピル、ジブロモメチル、ジブロモエチル、ジブロモプロピル、ジブロモイソプロピル、ジヨードメチル、ジヨードエチル、ジヨードプロピル、ジヨードイソプロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、トリクロロメチル、トリクロロエチル、トリクロロプロピル、トリクロロイソプロピル、トリブロモメチル、トリブロモエチル、トリブロモプロピル、トリブロモイソプロピル、トリヨードメチル、トリヨードエチル、トリヨードプロピル、トリヨードイソプロピル、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、フルオロプロポキシ、フルオロイソプロポキシ、クロロメトキシ、クロロエトキシ、クロロプロポキシ、クロロイソプロポキシ、ブロモメトキシ、ブロモエトキシ、ブロモプロポキシ、ブロモイソプロポキシ、ヨードメトキシ、ヨードエトキシ、ヨードプロポキシ、ヨードイソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、ジフルオロプロポキシ、ジフルオロイソプロポキシ、ジクロロメトキシ、ジクロロエトキシ、ジクロロプロポキシ、ジクロロイソプロポキシ、ジブロモメトキシ、ジブロモエトキシ、ジブロモプロポキシ、ジブロモイソプロポキシ、ジヨードメトキシ、ジヨードエトキシ、ジヨードプロポキシ、ジヨードイソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリフルオロプロポキシ、トリフルオロイソプロポキシ、トリクロロメトキシ、トリクロロエトキシ、トリクロロプロポキシ、トリクロロイソプロポキシ、トリブロモメトキシ、トリブロモエトキシ、トリブロモプロポキシ、トリブロモイソプロポキシ、トリヨードメトキシ、トリヨードエトキシ、トリヨードプロポキシ、およびトリヨードイソプロポキシが含まれる。
【0046】
それらの活性を考慮して、本明細書に記載される特定の化合物またはその塩は、土壌中の害虫に対する土壌殺虫剤、ならびに穀物、綿、米、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、野菜、果物、タバコ、ホップ、柑橘類、およびアボカドなどの植物用の殺虫剤として適している。本明細書に記載される特定の化合物、またはその塩は、収穫量を増加させるため、農業、園芸、森林、庭、およびレジャー施設において得られる収穫物の質を改良するために植物および植物器官の保護、ならびに保存された製品および物質の保護に適している。
【0047】
全ての植物および植物部分は本発明に従って処理され得る。植物は、本発明の文脈において、望ましいおよび望ましくない野生植物または農作物(天然に存在する農作物を含む)などの全ての植物および植物集団を意味すると理解される。農作物は、従来の植物育種および最適化方法によって、またはバイオ技術および遺伝子操作方法によって、またはトランスジェニック植物を含む、および植物育種家の権利によって保護可能または保護不可能な植物栽培品種を含む、これらの方法の組合せによって得られ得る植物であり得る。植物部分は、植物全体および地面より上または下の植物の器官、例えば、芽、葉、花および茎を意味すると理解され、例としては、葉、針葉、柄、茎、花、子実体、果実、種子、根、塊茎および根茎が挙げられ得る。植物部分はまた、収穫物、ならびに植物的および発生的繁殖物、例えば、挿し木、塊茎、根茎、側枝および種子を含んでもよい。
【0048】
本明細書に記載される化合物またはその塩による植物および植物部分の本発明による処理は、従来の処理方法によって、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、雲霧、分散、塗布、噴射、および繁殖物の場合、特に種子の場合、また、1つ以上の被覆によって、環境、生息地または保存場所に直接作用すること、または化合物に作用させることによって、従来および公知の手段によって実施される。
【0049】
化合物は、慣例的に、液剤、エマルション、湿潤粉末、水および油系懸濁剤、粉末、細粉、ペースト、可用性粉末、可溶性顆粒、散布用の顆粒、懸濁液−エマルション濃縮物、有効成分を含浸した天然物、有効成分を含浸した合成物、肥料および重合物質中の微小封入などの製剤に変換されてもよい。
【0050】
本明細書に記載される化合物またはその塩による蠕虫の増殖の殺傷または抑制は、それらが本明細書に記載される植物などの広範囲の植物において重大な疾患を引き起こすため、商業的および農業的に重要である。一実施形態において、蠕虫は植物内で本発明の化合物と接触する。一実施形態において、蠕虫は植物外で本発明の化合物と接触する。一実施形態において、蠕虫は、トウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、トマト、コムギ、オオムギ、米、ビート、タバコ、ニンジン、リンゴ、柑橘類作物、バナナ、落葉樹および針葉樹などの食用または非食用の作物および/または作物でない植物(すなわち、マメ、塊茎、果実および/またはナッツ保有植物、灌木、低木および木、穀物およびつる)の完全性、成長および健康を損なうまたはマイナスの影響を与える、線虫である。一実施形態において、蠕虫は刺状線虫である。一実施形態において、蠕虫はベロノレムス(Belonolaimus)属である。一実施形態において、蠕虫は針状線虫である。一実施形態において、蠕虫はロンギドルス(Longidorus)属である。一実施形態において、蠕虫は環状線虫である。一実施形態において、蠕虫はクリコネモイデス(Criconemoides)属である。一実施形態において、蠕虫は根瘤線虫である。一実施形態において、蠕虫はメロイドグヌエ(Meloidognue)属である。一実施形態において、蠕虫は偽根瘤線虫である。一実施形態において、蠕虫はナコバス(Naccobus)属である。一実施形態において、蠕虫は螺旋状線虫である。一実施形態において、蠕虫はヘリコティレンクス(Helicotylenchus)属である。一実施形態において、蠕虫は病斑線虫である。一実施形態において、蠕虫はプラティレンクス(Pratylenchus)属である。一実施形態において、蠕虫はコーンシスト(corn cyst)線虫である。一実施形態において、蠕虫はヘテロデラ(Heterodera)属である。一実施形態において、蠕虫は太い根の線虫である。一実施形態において、蠕虫はトリコドラス(Trichodorus)属である。一実施形態において、蠕虫はパラトリコドラス(Paratrichodorus)属である。一実施形態において、蠕虫はランス線虫である。一実施形態において、蠕虫はホプロレムス(Hoplolaimus)属である。一実施形態において、蠕虫は発育阻害線虫である。一実施形態において、蠕虫はティレンコリンカス(Tylenchorhynchus)属である。一実施形態において、蠕虫は松林線虫である。一実施形態において、蠕虫はブルサフェレンクス(Bursaphelenchus)属である。一実施形態において、蠕虫は穿孔線虫である。一実施形態において、蠕虫はバナナ−根線虫である。一実施形態において、蠕虫はラドフォラス(Radopholus)属である。一実施形態において、蠕虫はアフェレンコイデス(Aphelenchoides)属である。
【0051】
これらの製剤は、公知の方法、例えば、有効成分を、必要に応じて、乳化剤および/または分散剤および/または発泡剤である界面活性剤の使用と共に、液体溶媒および/または固体担体である増量剤と混合することによって製造される。製剤は適用前または間に適切な植物またはその他において調製される。
【0052】
組成物自体および/またはそれら由来の調製物(例えば、噴霧液、種子粉衣)に、特定の技術的特性およびまた、特定の生物学的特性などの特定の性質を与えるのに適している物質が補助剤としての使用に適している。典型的に、適切な補助剤は増量剤、溶媒、および担体である。
【0053】
本発明は以下の項目を包含する。
項目1. 式Iの化合物:
【化24】
(式中、Rはシアノまたはカルバモイルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、フェノキシ、フェニル、チエニル、フリル、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、シアノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニル、−CH−NH−C(O)−O−C(CH、または−O(CH−Rであり、Rはメトキシ、アミノ、または−NH−C(O)−O−C(CHであり;
はシアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルフィニル、またはペンタフルオロスルファニルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはアミノメチルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルである)
またはその塩。
項目2. 式Ia:
【化25】
である、項目1に記載の化合物、またはその塩。
項目3. 式Ib:
【化26】
である、項目1または項目2に記載の化合物、またはその塩。
項目4. Rが、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、フェニル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシからなる群から選択される、項目1〜3のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
項目5. N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(5,7−ジクロロ1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(5−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルチオ)ベンズアミド;
N−(1−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−4,5−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(4,7−ジクロロ1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
tert−ブチル2−(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート;
N−(1−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−シアノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェノキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−プロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−(フラン−2−イル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−アセトアミド−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
tert−ブチル(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート;
N−(1−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−アミノ−3−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−アミノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−ヨード−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
メチル6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2] オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)スルホニル)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミド;
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2] オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミド;
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;または
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−プロピル−1,3−ジヒドロベンゾ [c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
である、項目1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
項目6. (S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンズアミド;
(S)−N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド;
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミド;
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミド;
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;または
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
である、項目1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
項目7. (S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目8. (S)−N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目9. (S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目10. (S)−N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目11. (S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目12. (S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目13. (S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目14. N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目15. N−[1−シアノ−2−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−1−メチル−エチル]−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアミド、またはその塩。
項目16. N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目17. N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目18. N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目19. N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目20. N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目21. N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目22. N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目23. N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、またはその塩。
項目24. 項目1〜23のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩である、その塩。
項目25. 項目1〜24のいずれかに記載の化合物、またはその塩と、少なくとも1種の許容可能な担体とを含む、製剤。
項目26. 前記製剤が少なくとも1種の追加の有効成分をさらに含む、項目25に記載の製剤。
項目27. 前記製剤がヒト医薬製剤である、項目25または26に記載の製剤。
項目28. 前記製剤が獣医学的医薬製剤である、項目25または26に記載の製剤。
項目29. 有効量の項目1〜24のいずれかに記載の化合物またはその塩を、それを必要とする動物に投与することを含む、動物中または上の内部寄生虫感染を抑制する方法。
項目30. 少なくとも1種の他の有効性成分が前記動物に投与される、項目29に記載の方法。
項目31. 前記動物がヒトである、項目29または30に記載の方法。
項目32. 前記動物がペットである、項目29または30に記載の方法。
項目33. 前記ペットがイヌ、ネコまたはウマである、項目32に記載の方法。
項目34. 前記動物が家畜である、項目29または30に記載の方法。
項目35. 前記家畜がウシまたはヒツジである、項目34に記載の方法。
項目36. 前記内部寄生虫が寄生蠕虫である、項目29〜35のいずれかに記載の方法。
項目37. 有効量の項目1〜24の化合物またはその塩を、それを必要とする動物に投与することを含む、内部寄生虫により感染される疾患を予防または治療する方法。
項目38. 少なくとも1種の追加の有効成分が前記動物に投与される、項目37に記載の方法。
項目39. 前記動物がヒトである、項目37または38に記載の方法。
項目40. 前記動物がペットである、項目37または38に記載の方法。
項目41. 前記ペットがイヌ、ネコ、またはウマである、項目40に記載の方法。
項目42. 前記動物が家畜である、項目37または38に記載の方法。
項目43. 前記家畜がウシまたはヒツジである、項目42に記載の方法。
項目44. 前記内部寄生虫が寄生蠕虫である、項目37〜43のいずれかに記載の方法。
項目45. 項目1〜24のいずれかに記載の化合物またはその塩を、害虫もしくはそれらの生育環境またはその両方に作用させることを特徴とする、内部寄生虫を抑制する方法。
項目46. 前記化合物またはその塩が植物または動物に付与される、項目45に記載の方法。
項目47. 内部寄生虫を抑制するための項目1〜24のいずれかに記載の化合物またはその塩の使用。
項目48. 療法に使用するための項目1〜24のいずれかに記載の化合物またはその塩。
項目49. 内部寄生虫を抑制するのに使用するための項目1〜24のいずれかに記載の化合物またはその塩。
項目50. 式XXIの化合物:
【化27】
(式中、Cは、(R)または(S)である構造を有する立体中心である炭素原子であり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、フェノキシ、フェニル、チエニル、フリル、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、シアノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニル、−CH−NH−C(O)−O−C(CH、または−O(CH−Rであり、Rはメトキシ、アミノ、または−NH−C(O)−O−C(CHであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはアミノメチルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルである)またはその塩。
項目51. 式XXIIの化合物:
【化28】
(式中、Rは水素、ハロ、C−Cアルキル、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロで1〜3回置換されたC−Cアルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、フェノキシ、フェニル、チエニル、フリル、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、シアノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニル、−CH−NH−C(O)−O−C(CH、または−O(CH−Rであり、Rはメトキシ、アミノ、または−NH−C(O)−O−C(CHであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはアミノメチルであり;
は水素、ハロ、C−Cアルキル、またはトリフルオロメチルである)、またはその塩。
項目52. Rが、ブロモ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、フェニル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシからなる群から選択される、項目50もしくは51に記載の化合物、またはその塩。
項目53. RおよびRが各々水素である、項目50〜52のいずれかに記載の化合物またはその塩。
項目54. 2−アミノ−3−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−メチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−プロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−イソプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−フェニル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−トリフルオロメトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;
2−アミノ−3−(7−メトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル
2−アミノ−3−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル;または
2−アミノ−3−(7−プロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル
である、項目53に記載の化合物またはその塩。
項目55. 1−((7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−メチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−プロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−イソプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−フェニル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−トリフルオロメトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−プロパン−2−オン;
1−((7−メトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;
1−((7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン;または
1−((7−プロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン
である、項目53に記載の化合物またはその塩。
【0054】
以下の略語が使用される:AcOHは酢酸であり;aq.は水性であり;Arはアルゴンであり;BnBrは臭化ベンジルであり;Bocはtert−ブトキシカルボニルであり;BocOはジ−tert−ブチルジカーボネートであり;CsCOは炭酸セシウムであり;DCMはジクロロメタンまたは塩化メチレンであり;DHPはジヒドロピランであり;DIEAまたはDIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり;DMAPは4−(ジメチルアミノ)ピリジンであり;DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり;DMSOはジメチルスルホキシドであり;EtOAcは酢酸エチルであり;EAはエチルアミンであり;EtOHはエタノールであり;EtOはジエチルエーテルであり;equivまたはeqは当量であり;hは時間であり;HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートであり;HClは塩酸であり;HPLCは高圧液体クロマトグラフィーであり;KOAcまたはAcOKは酢酸カリウムであり;KCOは炭酸カリウムであり;LiAlHまたはLAHは水素化アルミニウムリチウムであり;LDAはリチウムジイソプロピルアミドであり;MeCNまたはACNはメチルシアニドまたはシアノメタンまたはエタンニトリルまたはアセトニトリルであり、これらは全て同じ化合物についての名前であり;MeOHはメタノールであり;METBはメチル第3ブチルエーテルであり;MgSOは硫酸マグネシウムであり;minsまたはminは分であり;NMPはN−メチル−2−ピロリドンであり;NaOHは水素化ナトリウムであり;NaSOは硫酸ナトリウムであり;NBSはN−ブロモスクシンイミドであり;NHClは塩化アンモニウムであり;NISはN−ヨードスクシンイミドであり;Nは窒素であり;n−BuLiはn−ブチルリチウムであり;一晩はO/Nであり;PdCl(pddf)は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)であり;Pd/Cはパラジウム炭素として知られている触媒であり;POClはオキシ塩化リンであり;RTまたはrtまたはr.t.は室温であり;sat.は飽和であり;SFCは超臨界流体クロマトグラフィーであり;TEAまたはEtNはトリエチルアミンであり;TFAはトリフルオロ酢酸であり;TfOはトリフルオロメタンスルホン酸無水物であり;THFはテトラヒドロフランである。
【実施例】
【0055】
実施例1
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化29】
メタノール(MeOH)(1000mL)中の2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(250g、1.23mol)の溶液に、0℃にてNaBH(93g、2.46mol)を少しずつ加え、得られた溶液を一晩撹拌しながら室温までゆっくり加温する。MeOHを蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解し、水で洗浄し、MgSOで乾燥させて、白色固体として所望のアルコール(240g、1.17mol、収率95%)を得る。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.49(m,1H),7.33(m,1H),7.09(m,1H),4.73(s,2H),2.14(s,1H)ppm。
【0056】
(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)メタノール(250gm、1.22mol)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(205g、2.44mol)の混合物をDCM(2000mL)に溶解する。この溶液にピリジニウムp−トルエンスルホネート(15g、0.06mol)を加える。得られた溶液を室温にて一晩撹拌し、次いで飽和NaHCOで処理する。EtOAcで抽出した後、有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の油としてこの工程の生成物(281g、収率80%)を得る。
【0057】
DMF(300ml)中のベンジルアルコール(73g、0.675mol)の溶液に、NaH(36g、0.9mol)を室温にて少しずつ加え、得られた溶液を1時間撹拌する。次いでDMF(500mL)中の2−((2−ブロモ−4−フルオロベンジル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(130g、0.45mol)を室温にて混合物に加え、さらに1時間撹拌する。反応混合物を30分間、60〜80℃にて加熱し、次いで冷水で処理する。混合物をMTBEで抽出し、水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、石油エーテルで溶出されるシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油としてこの工程の生成物(140g、83%)を得る。
【0058】
窒素下で−78℃にて乾燥THF(2000mL)中の2−((4−(ベンジルオキシ)−2−ブロモベンジル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(117g、0.31mol)の溶液に、2.5Mのn−BuLi(160mL、0.357mol)を滴下して加える。混合物を−78℃にて60分間撹拌し、続いてB(iPrO)(76g、0.403mol)を−78℃にて滴下して加える。混合物を室温まで徐々に加温し、室温にて一晩撹拌する。pH=3に調整した溶液に6NのHClを加えた後、混合物を2時間撹拌し、蒸発させ、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させる。回転蒸発の後、残渣を再結晶によって精製して、所望の化合物を得る。
【0059】
窒素下でEtOAc(800mL)中の6−(ベンジルオキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(50g、208mmol)の溶液にPd(OH)(5g)を加える。反応混合物を真空にし、水素で3回埋め戻し、次いで60℃および50psiにて一晩水素化する。濾過および回転蒸発後、残渣を再結晶によって精製して、所望の化合物を得る。
【0060】
DCM(100mL)およびDMF(10mL)中のベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(2.5g、16.7mmol)に、NCS(2.4g、18.3mmol)を加える。反応混合物を一晩撹拌し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体(2.1g、収率84%)として所望の生成物を得る。
【0061】
アセトン(200mL)中の7−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(10g、54.3mmol)、KCO(19g、136mmol)の懸濁液に、1−クロロプロパン−2−オン(15g、143mmol)を加える。反応混合物を4時間還流し、室温に冷却し、EtOAcとHOとの間に分け、EtOAc(3×200mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得、それを再結晶して、オフホワイトの固体(9.4g、収率72%)として所望の生成物を得る。
【0062】
メタノール(100mL)中の1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン(10g、41.7mmol)、NHCl(4.4g、83.4mmol)およびアンモニアの混合溶液に、NaCN(3.1g、62.5mmol)を加え、混合物を室温にて一晩撹拌する。反応物をEtOAcとHOとの間に分け、EtOAc(200mL×3)で抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、淡黄色の固体(5.3g、収率48%)として所望の化合物を得る。
【0063】
DMF(20mL)中の2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(4.0g、15mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(3.4g、16mmol)、HATU(6.8g、18mmol)およびDIPEA(5.8g、45mmol)の混合物を室温にて一晩撹拌する。反応物をEtOAcとHOとの間に分け、EtOAc(100mL×3)で抽出し、ブライン(100mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体(4.1g、収率60%)として所望の生成物N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例1aとして指定した)を得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.15(s,1H),9.09(s,1H),7.99(d,J=8.0Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.33(m,2H),4.93(s,2H),4.59(d,J=9.2Hz,1H),4.39(d,J=9.2Hz,1H),1.87(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて98.5%および254nmにて97.1%。MS:m/z=455(M+1)。
【0064】
キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC、カラム:Chiralpak AD−H、250×30mm i.d;35%メタノール/CO;流速:62g/分;流入量:50mg/注入)を使用することによって、キラル鏡像異性体、(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを、そのラセミ体混合物N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(4.8g)から得る。所望のキラルクロマトグラフィー1画分の溶媒を除去し、次いで凍結乾燥して、白色固体として所望の鏡像異性体(1.92g、収率80%)を得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.17(s,1H),9.10(s,1H),7.99(d,J=8.4Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.34(s,2H),4.93(s,2H),4.58(d,J=9.2Hz,1H),4.39(d,J=9.2Hz,1H),1.87(s,3H)ppm.MS:m/z=455(M+1).HPLC純度:220nmにて97.37%および254nmにて97.85%。Chiral HPLC純度:99.9%。比旋光度:20℃にてCHCl中[α]=+10.6°
【0065】
実施例2
(S)−N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化30】
DCM(100mL)およびDMF(20mL)中のベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(1.9g、12.6mmol)およびNBS(2.2g、12.6mmol)の混合物を室温にて一晩撹拌する。得られた混合物を回転蒸発によって濃縮する。残渣をEtOAcに溶解し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固する。残渣をEtOAc/DCM/石油エーテル(20mL×2、1/1/10)で粉砕して、白色固体(2.0g、収率69.0%)として所望の生成物を得る。
【0066】
DMF(30mL)中の7−ブロモベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(2.4g、10.5mmol)の撹拌溶液に、0℃にてNaH(840mg、21mmol)をゆっくり加え、混合物を30分間撹拌する。次いでブロモアセトン(2.9g、21mmol)をゆっくり加える。添加後、得られた混合物を0℃にて2時間および室温にて4時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、1NのHCl溶液で酸性にし、EtOAcで抽出する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮し、残渣をEtOAc/石油エーテル(1/3)から再結晶により精製して、所望の生成物(2g、収率67%)を得る。
【0067】
EtOH/NH・HO(80mL/80mL)中の1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(4.2g、14.7mmol)、NHCl(1.97g、36.8mmol)およびNaCN(1.44g、29.4mmol)の混合物を室温にて4時間撹拌する。反応溶液を濃HClで注意深く中和する。混合物をEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮し、残渣をEtOAc/PE(1/3)から再結晶により精製して、所望の生成物(3.5g、収率78%)を得る。
【0068】
乾燥THF(200mL)中の2−アミノ−3−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(2.5g、8.0mmol)およびDIPEA(2.1g、16mmol)の混合物に、0℃にて4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロリド(20mLのTHF中1.8g、8.0mmol)のTHF溶液を滴下して加え、それをそのカルボン酸およびSOClから新たに調製する。添加後、得られた混合物を室温にゆっくり加温し、希釈したHCl溶液を加える前に2時間撹拌する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して、残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1〜30:1)および逆相分取HPLCにより精製して、N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例2aとして指定した)(2.0g、収率50%)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),9.05(s,1H),7.98(d,2H,J=12Hz),7.49(d,2H,J=8.0Hz),7.35(d,1H,J=8.0Hz),7.27(d,1H,J=8.0Hz),4.92(s,2H),4.58(d,1H,J=9.2Hz),4.38(d,1H,J=9.2Hz),1.88(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて96.8%および254nmにて95.3%.MS:m/z=497および499[M−1]
【0069】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(1−(7−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得る。H NMR:(DMSO−d6,400MHz):δ9.10(s,1H),9.07(s,1H),8.00(d,2H,J=8.6Hz),7.51(d,2H,J=8.6Hz),7.34(d,1H,J=8.0Hz),7.27(d,1H,J=8.0Hz),4.92(s,2H),4.58(d,1H,J=9.2Hz),4.38(d,1H,J=9.2Hz),1.88(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて98.0%および254nmにて97.5%.MS:m/z=499および501[M+1].キラルHPLC純度:100%。
【0070】
実施例3
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化31】
オキシ塩化リン(8.3mL、89mmol)を、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃にて撹拌しながらDMF(25mL)に滴下して加える。次いでN雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃にて撹拌しながら混合物を、カニューレを用いてDMF(25mL)中の2−メチルレゾルシノール(5g、40.3mmol)の溶液に移す。混合物を1.5時間撹拌し、次いで室温にゆっくり加温する。混合物を0℃に冷却し、pH=6になるまで2NのNaOHでクエンチする。混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をDCM(2×20mL)で洗浄して、黄色の固体として所望の生成物(3.7g、収率60%)を得る。
【0071】
MeCN(50mL)中の2,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド(5.0g、19.7mmol)、NaHCO(1.89g、22.46mmol)およびKI(654mg、3.94mmol)の混合物を60℃にゆっくり加熱する。この時に、BnBr(2.8mL、23.7mmol)を加える。混合物を80℃にて一晩撹拌する。混合物を室温に冷却し、溶媒を蒸発させる。残渣をpH=6まで10%水性HClでクエンチし、EA(150mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(50mL2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(10:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体として所望の生成物(2.7g、収率57%)を得る。
【0072】
0℃にてDCM(30mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド(1.2g、4.96mmol)およびEtN(2.1mL、14.9mmol)の溶液に、DCM(10mL)中の(Tf)O(1.6mL、9.9mmol)を滴下して加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌する。水(50mL)を加え、混合物をDCM(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(10:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体として所望の生成物(1.25g、収率67%)を得る。
【0073】
1,4−ジオキサン(180mL)中の3−(ベンジルオキシ)−6−ホルミル−2−メチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(1.8g、4.8mmol)、Pin(3.7g、14.4mmol)およびKOAc(941mg、9.6mmol)の溶液に、PdCl(dppf)(351mg、0.48mmol)を加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下で一晩80℃にて撹拌する。溶媒を除去し、残渣をPE−EA(10:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体として所望の生成物(900mg、収率53%)を得る。
【0074】
THF(30mL)中の4−(ベンジルオキシ)−3−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(588mg、1.67mmol)の溶液に、NaBH(63mg、1.67mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いでそれに3NのHClをゆっくり加えてpH=1にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を、PE−EA(5:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として所望の生成物(350mg、収率83%)を得る。
【0075】
大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(88mg、0.083mmol)を使用してMeOH(15mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(350mg、1.38mmol)の溶液を水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE−EA(2:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として所望の生成物(200mg、収率88%)を得る。
【0076】
アセトン(20mL)中の7−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(100mg、0.61mmol)およびKCO(252mg、1.83mmol)の混合物に、ブロモアセトン(125mg、0.91mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE−EA(3:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として所望の生成物(100mg、収率78%)を得る。
【0077】
MeOH(3mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(100mg、0.45mmol)、NHCl(36mg、0.675mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、3mL)の混合物を、NaCN(46mg、0.91mmol)を添加する前に、室温にて20分間、撹拌する。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで抽出し、THFを蒸発させて、白色固体(140mg)として所望の生成物(粗製物)を得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0078】
DMF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(94mg、0.45mmol)、HATU(346mg、0.91mmol)およびDIPEA(175mg、1.36mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌する。次いで2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(140mg、粗製物、0.45mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCによって精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例3aと指定した)(69mg、2工程にわたって収率35%)を白色固体として得る。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ9.07(s,1H),8.97(s,1H),8.00(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),7.10(d,J=8.0Hz,1H),4.89(s,2H),4.48(d,J=9.5Hz,1H),4.26(d,J=9.0Hz,1H),2.35(s,3H),1.85(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて98.56%および254nmにて100%;MS:m/z=435.0(M+1,ESI+)。
【0079】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を収集し、キラル鏡像異性体(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),8.97(s,1H),8.00(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),7.10(d,J=8.0Hz,1H),4.90(s,2H),4.48(d,J=9.5Hz,1H),4.26(d,J=9.0Hz,1H),2.35(s,3H),1.85(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;Chiral HPLC純度:100%;MS:m/z=435.1(M+1,ESI+)。
【0080】
実施例4
(S)−N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化32】
A.1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オンの調製
以下の手順1、2aおよび2bの1つを使用して1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オンを調製できる。
【0081】
手順1.200mLのCFCOOH中の1−(2,6−ジヒドロキシフェニル)エタノン(10g、65.79mmol)の溶液に、EtSiH(21mL、131.58mmol)を滴下して加える。反応混合物を3時間撹拌し、溶媒を蒸発させる。水を加え、EA(200mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(50mL2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(4:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として所望の生成物(7.0g、収率78%)を得る。
【0082】
オキシ塩化リン(11mL、118.3mmol)を、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃にて撹拌しながらDMF(150mL)に滴下して加える。次いで混合物を、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃にて撹拌しながら、カニューレを用いてDMF(100mL)中の2−エチルベンゼン−1,3−ジオール(7.0g、50.7mmol)の溶液に移す。混合物を1.5時間撹拌し、ゆっくり室温に加温する。混合物を0℃に冷却し、pH=6になるまで2NのNaOHでクエンチする。混合物を酢酸エチル(150mL3)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をDCM(20mL2)で洗浄して、所望の生成物(5.0g、収率63%)を黄色の固体として得る。
【0083】
MeCN(80mL)中の3−エチル−2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30mmol)、NaHCO(3.3g、39mmol)およびKI(996mg、6mmol)の混合物を60℃にゆっくり加温する。この時に、BnBr(4.3mL、36.14mmol)を加える。混合物を80℃に加温し、一晩撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、溶媒を蒸発させる。残渣をpH=6で10%水性HClでクエンチし、EA(150mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(50mL2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(10:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体として4の所望の生成物(5.0g、収率65%)を得る。
【0084】
0℃にてDCM(120mL)中の4−(ベンジルオキシ)−3−エチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、19.53mmol)およびEtN(5.6mL、39.06mmol)の溶液に、DCM(30mL)中の(Tf)O(4.9mL、29.3mmol)を滴下して加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌する。水(50mL)を加え、混合物をDCM(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(10:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.1gの純粋な生成物および1gの粗製物)を黄色の固体として得る。
【0085】
1,4−ジオキサン(60mL)中の3−(ベンジルオキシ)−2−エチル−6−ホルミルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(500mg、1.29mmol)、Pin(982mg、3.89mmol)およびKOAc(379mg、3.87mmol)の混合物に、PdCl(dppf)(94mg、0.129mmol)を加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下で80℃にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、PE−EA(10:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(216mg、収率46%)を黄色の固体として得る。
【0086】
THF(30mL)中の4−(ベンジルオキシ)−3−エチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(300mg、0.82mmol)の溶液に、NaBH(31mg、0.82mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで3NのHClをゆっくり加えpH=1にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を、PE−EA(5:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として所望の生成物(176mg、収率80%)を得る。
【0087】
大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(42mg、0.039mmol)を使用してMeOH(30mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−エチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(176mg、0.657mmol)の溶液を水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE−EA(2:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として所望の生成物(100mg、収率85%)を得る。
【0088】
アセトン(30mL)中の7−エチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(100mg、0.56mmol)およびKCO(232mg、1.68mmol)の混合物に、ブロモアセトン(153mg、1.12mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。固体を濾過により除去し、濾液を蒸発させて、白色固体(1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン)として所望の生成物(粗製物)(178mg)を得る。
【0089】
手順2.2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(400g、2.0mol)をMeOH(4L)に溶解する。この溶液にNaBH(149g、2.0当量)を少しずつ加える。次いで得られた混合物をさらに2時間撹拌する。蒸発後、残渣を氷水(2L)に注ぎ、pHが4〜5になるまで6MのHClで中和する。混合物を酢酸エチル(3×900mL)で抽出し、合わせた有機層を5%NaHCOおよび水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、白色固体(354g、90%収率)を得る。
【0090】
DCM(1.7L)中の直前の段落で調製した化合物(362g、1.77mol)の溶液に、DHP(223g、1.5当量)およびPPTS(22g、0.05当量)を加える。得られた溶液を室温にて一晩撹拌し、次いで水(2L)でクエンチする。分離した有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させて、茶色−赤色の油(504g、90%収率)を得、それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0091】
n−BuLi(440mL、2.5M、1,1mol)を、−30℃〜−40℃にてTHF(750mL)中のジイソプロピルアミン(112g、1.10mol)の溶液に滴下して加える。添加後、得られた混合物をさらに2時間撹拌して、LDA溶液を得る。THF(750mL)中の直前の段落で調製した化合物(211g、0.73mol)およびEtOTf(260g、1.46mol)の溶液に、−30〜−40℃にてTHF中の上記で調製したLDA溶液を滴下して加える。添加時に、混合物を室温に加温し、2時間撹拌する。得られた溶液を水(2L)でクエンチし、酢酸エチル(3×800mL)で抽出する。合わせた有機層を1MのHClでpH2〜3に調整し、5%NaHCOおよび水で洗浄する。有機物をNaSOで乾燥させ、濃縮して黄色の油(218mg、HNMRにより測定して82%収率)を得る。
【0092】
手順2a.DMF(900mL)中のBnOH(106g、0.98mol)の溶液に、60%NaH(52g、1.31mol)を0℃にて少しずつ加える。添加時に、混合物を室温に加温し、1時間撹拌する。次いでDMF(200mL)中の手順2で調製した化合物(207g、0.65mol)の溶液を加え、混合物を80〜90℃にて4時間撹拌する。得られた溶液を水(2L)でクエンチし、6MのHClでpH3〜4に調整する。混合物を酢酸エチル(3×800mL)で抽出し、分離した有機層を5%NaHCOおよび水で洗浄する。有機物をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、茶色−黒色の油(220g、HNMRにより測定して75%収率)を得、それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0093】
THF(950mL)中の前の段落で調製した化合物(109g、0.27mol)の溶液に、−65〜−70℃にてn−BuLi(141mL、2.5M)を滴下して加え、混合物を1時間撹拌する。次いでB(OMe)(110g、0.41mol)を−65℃未満でゆっくり滴下して加える。添加した後、得られた混合物を室温に加温し、2時間撹拌する。得られた溶液に、6MのHCl(400mL)を加え、さらに6時間撹拌し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、有機層を5%NaHCOおよび水で洗浄する。有機物をNaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させて残渣を得、それを再結晶して白色固体(32g、44%収率)を得る。
【0094】
THF(1.8L)中の直前の段落(59g、0.22mol)で調製した化合物の溶液に、10%Pd/C(11.9g)を加える。混合物を1atmのH下で40℃にて12時間撹拌し、次いで濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、白色固体(38g、98%収率)を得る。
【0095】
アセトン(400mL)中の直前の段落で調製した化合物(20.3g、114mmol)、KCO(63.2g、456mmol)およびNaI(5.2g、34mmol)の撹拌溶液に、1−クロロ−2−プロパン(propaone)(21.2g、228mmol)をゆっくり加え、次いで3時間、還流にて撹拌する。混合物を濃縮し、次いで水(1L)を加え、希釈したHClでpH3〜4に酸性にする。混合物をEtOAc(3×300mL)で抽出する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して、残渣を得、それを−30℃にてMTBEで再結晶して、白色固体(12.3g、46%収率)(1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン)を得る。
【0096】
手順2b.DMF(345mL)中の(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メタノール(81.9g、2当量)の撹拌溶液に、氷水浴にてt−BuOK(117g、3当量)をゆっくり加える。得られた混合物を室温に加温し、1時間撹拌する。次いで手順2から調製した化合物(110g、1当量)を加え、混合物を95〜100℃にて3時間撹拌する。固体を濾過し、濾過ケーキをMTBEで洗浄する。合わせた濾液を氷水(1L)に注ぎ、希釈したHClでpH4〜5に酸性にする。混合物をEtOAc(3×600mL)で抽出する。有機層を5%NaHCOおよび水で洗浄する。有機物をNaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させて茶色−黒色の油を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:PE=100:1〜30:1)により精製して黄色の油(86g、60%収率)を得る。
【0097】
THF(100mL)中の直前の段落で調製した化合物(8.9g、24mmol)の溶液に、−65〜−70℃にてn−BuLi(12mL、2.5M)を滴下して加え、1時間撹拌する。次いでB(OMe)(5g、48mmol)を−65℃未満で滴下して加える。添加後、得られた混合物を室温に加温し、2時間撹拌する。得られた溶液に8MのHCl(70mL)を加え、さらに6時間撹拌し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、有機層を5%NaHCOおよび水で洗浄する。有機物をNaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させて、残渣を得、それを−30℃にてEtOAcで再結晶して、白色固体(2.7g、53%収率)(1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン)を得る。
【0098】
B.(S)−N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドの調製
MeOH(2mL)中の手順1、手順2aまたは手順2aからの1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(178mg、0.56mmol)、NHCl(60mg、1.12mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、2mL)の混合物を、NaCN(70mg、1.43mmol)を添加する前に、室温にて20分間撹拌する。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで抽出し、THFを回転蒸発させて白色固体(160mg)として所望の生成物(粗製物)を得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0099】
DMF(5mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(115mg、0.56mmol)、HATU(426mg、1.12mmol)およびDIPEA(145mg、1.12mmol)の溶液を、2−アミノ−3−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(160mg、粗製物、0.56mmol)を加える前に、室温にて30分間撹拌する。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例4aとして指定した)(40mg、3工程にわたって収率16%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,1H),8.95(s,1H),8.02(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.18(d,J=8.0Hz,1H),7.10(d,J=8.0Hz,1H),4.90(s,2H),4.49(d,J=8.8Hz,1H),4.25(d,J=9.2Hz,1H),2.84(q,J=7.6Hz,2H),1.85(s,3H),1.10(t,J=7.6Hz,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=449.1(M+1,ESI+)。
【0100】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,1H),8.94(s,1H),8.01(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.18(d,J=8.0Hz,1H),7.10(d,J=8.0Hz,1H),4.90(s,2H),4.49(d,J=8.8Hz,1H),4.25(d,J=9.2Hz,1H),2.84(q,J=7.6Hz,2H),1.85(s,3H),1.10(t,J=7.6Hz,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;Chiral HPLC純度:99.3%;MS:m/z=449(M+1,ESI+)。
【0101】
実施例5
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化33】
DCM(500mL)中の4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズアルデヒド(44.0g、0.29mol)およびEtN(38.0g、52.6mL、0.38mol)の溶液に、CHCOCl(29.6g、27mL、0.38mol)を0℃にて加える。添加が完了した後、反応混合物を0℃にて30分間撹拌し、濾過する。濾過ケーキをCHClで洗浄する。合わせた濾液を水およびブラインで連続して洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒の除去により、所望の生成物(56.5g、100%)を黄色の固体として得る。
【0102】
発煙しているHNO(600mL)に、4−ホルミル−2−メトキシフェニルアセテート(10.0g、51.2mmol)を−10℃にて少しずつ加え、混合物を45分間撹拌する。酸性溶液を氷水(1L)にゆっくり注ぎ、沈殿した生成物を濾過により回収する。沈殿物を氷水(250mL)で数回洗浄し、乾燥させる。粗生成物をEA/PE(3:7)から再結晶して、所望の生成物(8.00g、収率75%)を黄色の針状物として得る。
【0103】
Fe(OH)溶液を、水(1.0L)中のFeSO・7HO(540g)の激しく撹拌した溶液に濃NHOH(550mL)溶液を少しずつ加えることによって調製し、次いで4−ホルミル−2−メトキシ−3−ニトロフェニルアセテート(50.0g、0.21mol)を少しずつ加える。反応混合物を20分間還流する。温水(600mL)の添加後、混合物を濾過する。残渣を温水(1L)で洗浄し、合わせた濾液をHSO(3N)で酸性にし、エーテル(3×400mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮して、所望の生成物(26.9g、収率81%)を白色固体として得る。
【0104】
Hbr(30mL、48%)中の2−アミノ−4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(10.0g、0.06mol)の撹拌溶液に、水(50mL)を加え、混合物を0℃に冷却する。水(50mL)中の亜硝酸ナトリウム(4.35g、0.06mol)の冷えた溶液を30分の間、滴下して加え、混合物をさらに45分間撹拌する。新たに調製したCuBr粉末(3.44g)を加え、固体生成物を分離する場合、懸濁液を70℃にて1時間加熱する。反応混合物を冷却し、エーテル(2×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固する。残渣をエタノールから再結晶して、所望の生成物(9.50g、収率70%)を白色固体として得る。
【0105】
乾燥DMF(100mL)中の2−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(5g、0.02mol)の撹拌溶液に、臭化ベンジル(7.4g、0.04mol)、炭酸カリウム(15.2g、0.11mol)およびヨウ化ナトリウム(1.32g、8.7mmol)を加える。混合物を一晩還流し、冷却し、濾過する。DMFを除去し、粗生成物を、石油エーテル中の3%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(5.00g、収率90%)を白色固体として得る。
【0106】
1,4−ジオキサン(100mL)中の4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−3−メトキシベンズアルデヒド(2g、6.25mmol)、KOAc(2.63g、26.9mmol)、ビスピナコールジボロン(3.17g、12.5mmol)およびPdCl(dppf)(0.53g、0.63mmol)の混合物を、N下で週末にわたって70℃にて撹拌する。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュカラムにより精製して、所望の生成物(0.80g、収率35%)を得る。
【0107】
メタノール(100mL)中の4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(1.40g、3.80mmol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(433mg、11.4mmol)を加える。反応混合物を−30℃にて10分間撹拌し、次いでLCMSにより、出発物質が消費されたことが示された場合、室温にて2時間撹拌する。得られた混合物に、2NのHCl(20mL)を加え、続いて室温にて30分間撹拌する。溶媒の除去により固体を得、それを水および石油エーテルで洗浄して、所望の生成物(800mg、収率78%)を得る。
【0108】
MeOH(20mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1.60g、5.92mmol)の溶液に、N下でPd/C(160mg、10%)を加える。混合物を室温にて一晩水素化する。LCMS分析により、出発物質が消費されることが示される。混合物を濾過し、濃縮して、所望の生成物(700mg、収率70%)を得る。
【0109】
アセトン中の7−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(150mg、0.18mmol)、1−ブロモ−プロパン−2−オン(300mg、2.13mmol)およびKCO(300mg、2.13mmol)の混合物を室温にて週末にわたって撹拌する。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、シリカゲルの短経路で濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(78.6mg、収率40%)を得る。
【0110】
−30℃にて、MeOH(10mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(200mg、0.85mmol)の溶液を20分間NHで泡立てる。次いでKCN(110mg、1.69mmol)、NHCl(149mg、2.80mmol)およびNH・HO(10mL)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。以前に記載した方法に従って、通常の処理を所望の生成物(170mg、収率76%)にする。
【0111】
DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(125mg、0.48mmol)、4−トリフルオロメトキシ安息香酸(128mg、0.62mmol)、HATU(235mg、0.62mmol)およびDIPEA(185mg、1.44mmol)の混合物を室温にて一晩撹拌する。以前に記載される方法に従って、通常の処理を残渣に行い、それをpre−HPLCによって精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例5aと指定した)(120mg、収率54%)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,1H),8.98(s,1H),7.98(d,J=8.8Hz,2H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),6.98(d,J=8.0Hz,1H),4.90(s,2H),4.46(d,J=9.6Hz,1H),4.26(d,J=10.0Hz,1H),3.94(s,3H),1.84(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmおよび254nmの両方にて100%。MS:m/z=451.0(M+1,ESI)。
【0112】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,1H),8.98(s,1H),7.98(d,J=8.8Hz,2H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),6.98(d,J=8.0Hz,1H),4.90(s,2H),4.46(d,J=9.6Hz,1H),4.26(d,J=10.0Hz,1H),3.95(s,3H),1.84(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて99.5%および254nmにて98.8%。Chiral HPLC純度:99.3%;MS:m/z=451.1(M+1,ESI)。
【0113】
実施例6
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化34】
DMF(200mL)中の1−(2,6−ジヒドロキシフェニル)エタノン(50.0g、329.0mmol)および炭酸カリウム(136.2g、986.8mmol)の溶液に、CHI(48.6mL、822.5mmol)を室温にてゆっくり加える。混合物を室温にて16時間撹拌し、氷水(1000mL)に注ぎ、30分間撹拌する。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を淡黄色の固体(50g、収率84%)として得る。
【0114】
THF(500mL)中の1−(2,6−ジメトキシフェニル)エタノン(50.0g、277.8mmol)の溶液に、MeMgBr(370.4mL、1111.2mmol、3.0M)を0℃にて滴下して加える。反応混合物を室温にて16時間撹拌する。混合物を0℃にてNHCl水溶液でクエンチし、EA(2003mL)で抽出する。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を、溶出液としてPE:EA=20:1を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(40.8g、収率75%)を黄色の油として得る。
【0115】
DCM(300mL)中の2−(2,6−ジメトキシフェニル)プロパン−2−オール(40.8g、208.2mmol)の溶液に、TFA(46mL、624.6mmol)およびEtSiH(95mL、624.6mmol)を−30℃にてゆっくり加える。次いで混合物を室温にて6時間撹拌する。EA(500mL)を加え、溶液を水(200mL3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=30:1を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(28g、収率75%)を淡黄色の油として得る。
【0116】
DCM(200mL)中の2−イソプロピル−1,3−ジメトキシベンゼン(28.0g、155.6mmol)の溶液に、BBr(130mL、389.0mmol、3.0M)を−30℃にてゆっくり加える。次いで混合物を室温にて16時間撹拌する。得られた溶液を氷水に注ぎ、EAで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=10:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(19g、収率80%)を白色固体として得る。
【0117】
DMF(20mL)に、POCl(34mL、375.0mmol)を0℃にてゆっくり加える。反応混合物を0℃にて20分間撹拌し、次いでDMF(15mL)中の2−イソプロピルベンゼン−1,3−ジオール(19g、125mmol)の溶液を0℃にてゆっくり加える。混合物を室温にて3時間撹拌する。得られた溶液を氷水に注ぎ、1時間撹拌する。溶液を一晩静置させ、沈殿物を形成させる。固体を濾過し、水で洗浄して、所望の生成物(13.5g、収率65.0%)を白色固体として得る。
【0118】
MeCN(200mL)中の2,4−ジヒドロキシ−3−イソプロピルベンズアルデヒド(13.5g、75.0mmol)、NaHCO(18.9g、225.0mmol)およびKI(2.49g、15.0mmol)の混合物をゆっくり60℃に加温する。臭化ベンジル(10.1mL、82.5mmol)を加え、混合物を80℃にて一晩撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、溶媒を回転蒸発によって濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=10:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体(13.8g、収率68.0%)として所望の生成物を得る。
【0119】
DCM(100mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−イソプロピルベンズアルデヒド(13.8g、51.1mmol)およびピリジン(21.0mL、255.6mmol)の溶液に、TfO(24.2mL、127.7mmol)を0℃にてゆっくり加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、EA(150mL3)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=20:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(11.3g、収率55.0%)を淡黄色の固体として得る。
【0120】
1.4−ジオキサン(300mL)中の3−(ベンジルオキシ)−6−ホルミル−2−イソプロピルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(11.3g、28.1mmol)、KOAc(13.8g、140.5mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(19.0g、84.3mmol)およびPdCl(dppf)(1.13g、1.54mmol)の混合物を100℃に加熱し、N下で16時間撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、回転蒸発によって濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体(7.2g、収率70%)として所望の生成物を得る。それを次の工程に直接使用する。
【0121】
THF(100mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−イソプロピルベンズアルデヒド(7.2g、19.7mmol)の溶液に、NaBH(1.5g、39.4mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌し、次いでそれに氷浴で冷却しながらHCl(10.0mL、6N)をゆっくり加える。混合物を室温にて16時間撹拌し続ける。反応混合物を水に注ぎ、EA(150mL3)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=20:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、6の所望の生成物(4.2g、収率75.0%)を白色固体として得る。
【0122】
MeOH(50mL)およびEA(50mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−イソプロピルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(4.2g、14.9mmol)の溶液を、一晩、大気圧下で触媒として10%Pd/C(1.49g、1.49mmol)を使用して水素化する。触媒をセライトで濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、溶出液としてPE:EA=2:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物(2.28g、収率80%)を淡黄色の油として得る。
【0123】
アセトン(50mL)中の7−イソプロピルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(2.28g、11.9mmol)およびKCO(4.92g、35.6mmol)の混合物に、ブロモアセトン(3.25g、23.7mmol)を加える。反応混合物を6時間還流する。溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、溶出液としてPE:EA=3:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.47g、収率:50.0%)を白色固体として得る。
【0124】
MeOH(10mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(1.47g、5.93mmol)、NHCl(0.634g、11.85mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、3mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(0.581g、11.85mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で室温にて除去する。残渣をTHFで洗浄し、濾過する。濾液を回転蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(1.7g)を淡黄色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0125】
DMF(20mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(1.83g、8.90mmol)、DIPEA(3.0mL、17.79mmol)およびHATU(3.38g、8.90mmol)の溶液を室温にて10分間撹拌し、その後、DMF(10mL)中の粗2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(1.7g、6.2mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例6aと指定した)(548mg、2工程にわたって収率20%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.09(s,1H),9.05(s,1H),8.01(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,1H),4.89(s,2H),4.49(d,J=8.8Hz,1H),4.26(d,J=8.8Hz,1H),3.69−3.73(m,1H),1.86(s,3H),1.30(d,J=5.2Hz,3H),1.28(d,J=5.2Hz,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100.0%および254nmにて100.0%;MS:m/z=463.0(M+1,ESI+)。
【0126】
実施例1に記載されている手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,1H),9.05(s,1H),8.02(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.18(d,J=8.0Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,1H),4.89(s,2H),4.49(d,J=8.8Hz,1H),4.27(d,J=8.8Hz,1H),3.69−3.73(m,1H),1.86(s,3H),1.30(d,3H),1.28(d,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100.0%および254nmにて100.0%;Chiral HPLC純度:100%;MS:m/z=463.1(M+1,ESI+)。
【0127】
実施例7
N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化35】
O(1L)中のレゾルシノール(110g、1mol)およびI(254g、1mmol)の溶液に、NaHCO(92.4g、1.1mol)を激しく撹拌しながら(注意:COを強く放出する)、0℃にて少しずつゆっくり加える。室温まで加温した後、混合物を10分間撹拌する。混合物をEtOAc(3×500mL)で抽出する。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=50:1〜25:1)により精製して、所望の生成物(153g、65%収率)を白色固体として得る。
【0128】
POCl(166mL、1.82mol)を0℃にてDMF(330mL)に滴下して加える。混合物を室温にて1.5時間撹拌する。DMF(170mL)中の2−ヨードベンゼン−1,3−ジオール(43g、182mmol)の溶液を、温度を30℃未満に維持しながら、滴下して加える。反応物を室温にて一晩撹拌する。混合物を氷水(2L)に注ぎ、NaHCOでpH2〜3に調整し、EtOAc(3×800mL)で抽出する。有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それを精製せずに次の工程に使用する。
【0129】
DCM(350mL)中の、以前の工程から得た、残渣の溶液に、0℃にてDIPEA(70.6g、546mmol)を加える。MOMCl(29.3g、364mmol)を10分にわたって0℃にて滴下して加える。混合物を室温にて2時間撹拌する。次いでHO(400mL)を加え、6NのHClでpH=6〜7に中和し、DCM(3×400mL)で抽出する。有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=50:1〜28:1)により精製して、所望の生成物(15g、2工程にわたって23.4%収率)を白色固体として得る。
【0130】
トルエン(120mL)およびHO(33mL)中の3−ヨード−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(7.0g、20mmol)、シクロプロピルボロン酸(6.9g、80mmol)およびKPO(25.4g、120mmol)の撹拌溶液に、N下でPd(OAc)(0.90g、4mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(1.1g、4mmol)を加える。得られた混合物を一晩還流する。混合物を氷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×200mL)で抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=100:1〜50:1)により精製して、所望の生成物(4.5g、84.9%収率)を淡黄色の油として得る。
【0131】
THF(60mL)中の3−シクロプロピル−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(8.3g、31.2mmol)の撹拌溶液に、氷水浴で冷却しながら2NのHCl(50mL)を滴下して加える。混合物を室温にて8時間撹拌する。混合物を濃縮し、EtOAc(3×90mL)で抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=100:1〜50:1)により精製して、所望の生成物(3.5g、50.7%収率)を淡黄色の油として得る。
【0132】
DCM(15mL)中の3−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−4−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(1.2g、5.4mmol)およびピリジン(1.09g、14mmol)の撹拌溶液にTfO(1.97g、7.0mmol)を0℃にて滴下して加える。混合物を室温に加温し、室温にて1時間撹拌する。混合物を濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=125:1〜100:1)により精製して、所望の生成物(0.97g、51%収率)を淡黄色の油として得る。
【0133】
乾燥1,4−ジオキサン(40mL)中の2−シクロプロピル−6−ホルミル−3−(メトキシメトキシ)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(2.3g、6.5mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(2.9g、13mmol)およびKOAc(1.9g、19.5mmol)の撹拌溶液に、N下でPdCl(dppf)(0.53g、0.65mmol)を加える。得られた混合物を80℃にて1時間撹拌する。混合物を濃縮し、DCMで抽出して、粗生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=85:1〜20:1)により精製して、所望の生成物(1.5g、72%収率)を淡黄色の油として得る。
【0134】
氷水浴におけるMeOH(45mL)中の3−シクロプロピル−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−4−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(1.5g、4.7mmol)の溶液に、少しずつNaBH(1.07g、28.3mmol)を加える。混合物を室温にて1時間撹拌し、次いで12NのHCl(15mL)を0℃にて滴下して加える。反応物を室温に加温し、4時間撹拌する。混合物を濃縮し、炭酸ナトリウム溶液でpH=3〜4に調整し、EtOAc(3×90mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:CHOH=250:1〜110:1)により精製して、所望の生成物(0.55g、61%収率)を白色固体として得る。
【0135】
アセトン(50mL)中の7−シクロプロピル[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(0.55g、2.9mmol)およびKCO(1.60g、11.6mmol)の撹拌混合物に、1−ブロモ−2−プロパン(0.60g、4.4mmol)をゆっくり加え、次いで4時間還流する。混合物を水中に注ぎ、希釈したHCl溶液でpH=3〜4に酸性化し、EtOAc(3×80mL)で抽出する。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:CHOH=500:1〜125:1)により精製して、所望の生成物(0.48g、67%収率)を白色固体として得る。
【0136】
NH/CHOH(7mol/L、20mL)中の1−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(394mg、1.6mmol)およびTMSCN(317mg、3.2mmol)の撹拌溶液に、0℃にてN下でNHCl(171mg、3.2mmol)を加える。得られた混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで反応物を濃縮して、淡黄色の固体を得る。THF(30mL)を加え、濾過する。濾液を濃縮して、所望の生成物を淡黄色の油(440mg)として得、それを精製せずに次の工程に使用する。
【0137】
THF(20mL)中の2−アミノ−3−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(440mg)および4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリド(395mg、1.76mmol)の混合物に、DIPEA(3.2mL)をN下で滴下して加える。得られた混合物を室温にて2時間撹拌する。次いで混合物を濃縮し、1NのHClでpH=2〜3に調整し、EtOAc(3×90mL)で抽出して、粗生成物を得、それをprep−HPLC(カラム:Agilent XDB−C18、150mm20mm 5um;移動相:[A−HO+0.1%TFA;B−MeCN]B%:10%〜90%、流速:30mL/分)で精製し、濃縮し、濾過して、N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロピル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トロフルオロメトキシ)ベンズアミド(146mg、収率20%)を得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.05(s,1H),8.96(s,1H),8.01(d,2H,J=6.8Hz),7.51(d,2H,J=8.0Hz),7.05−7.10(m,2H),4.88(s,2H),4.43(d,1H,J=8.0Hz),4.24(d,1H,J=8.0Hz),2.34−2.40(m,1H),1.83(s,3H),1.22−1.32(m,2H),0.73−0.77(m,2H)ppm.HPLC純度:220nmにて99.7%および254nmにて99.8%;MS:m/z=461.2(M+1,ESI+)。
【0138】
実施例8
N−[1−シアノ−2−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−1−メチル−エチル]−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアミド
【化36】
0℃にてDCM(500mL)中の3−エトキシ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(50.0g、0.30mol)およびEtN(39.2g、54mL、0.39mol)の溶液に、CHCOCl(30.6g、28mL、0.39mol)を加える。添加が完了した後、反応混合物を0℃にて30分間撹拌する。次いで濾過ケーキをDCMで洗浄し、合わせた濾液を水およびブラインで洗浄する。有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて、所望の生成物(62.0g、100%収率)を黄色の固体として得る。
【0139】
発煙しているHNO(110mL,d.1.52)に、2−エトキシ−4−ホルミルフェニルアセテート(25.0g、98.8mmol)を−10℃にて少しずつ加え、混合物をこの温度にて45分間撹拌する。酸性溶液を氷水(1L)中にゆっくり注ぎ、沈殿物を濾過により回収する。沈殿物を氷水(250mL)で数回洗浄し、乾燥させる。粗生成物をEtOAc/PE(3/7)から再結晶して、所望の生成物(8.00g、75%収率)を黄色の固体として得る。
【0140】
水(1.2L)中のFeSO(668g)の激しく撹拌した溶液に濃NHOH(683mL)溶液を少しずつ加えることによってFe(OH)溶液を調製する。それに2−エトキシ−4−ホルミル−3−ニトロ−フェニルアセテート(64.0g、0.25mol)を少しずつ加え、反応混合物を20分間、還流する。温水(500mL)の添加後、混合物を濾過する。残渣を温水(750mL)で洗浄し、合わせた濾液をHSO(3N)で酸性にし、エーテル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を濃縮して、所望の生成物(23.0g、92%収率)を白色固体として得る。
【0141】
2−アミノ−3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、55.2mmol)を、HBr(28mL、48%)および水(50mL)の混合溶液に加える。混合物を0℃に冷却する。水(50mL)中の亜硝酸ナトリウム(3.25g、58.0mmol)の冷溶液を、30分の間、滴下して加え、混合物をさらに45分間、撹拌する。CuBr粉末(3.16g)を加え、懸濁液を70℃にて1時間加熱する。反応混合物を冷却し、エーテル(2×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固する。残渣をエタノールから再結晶して、所望の生成物(11.0g、47%収率)を白色固体として得る。
【0142】
乾燥MeCN(150mL)中の2−ブロモ−3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、40.8mmol)の撹拌溶液に、臭化ベンジル(10.5g、61.2mmol)、炭酸カリウム(14.0g、102mmol)およびヨウ化ナトリウム(2.45g、16.3mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、次いで濾過する。MeCNを除去し、粗生成物を、PE中の1〜3%EAで溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(5.0g、収率90%)を白色固体として得る。
【0143】
THF(50mL)中の4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−3−エトキシベンズアルデヒド(1g、0.30mmol)、KOAc(11.3g、1.29mmol)、ビスピナコールジボロン(1.52g、0.60mmol)およびPdCl(dppf)(244mg、0.03mmol)の混合物を50℃にて一晩撹拌する。それを濾過し、濾液を減圧下で除去する。残渣を、PE中の1〜4%EAで溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(0.30g、収率26%)を得る。
【0144】
メタノール(100mL)中の4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(900mg、2.35mmol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(268mg、7.07mmol)を加える。反応混合物を−30℃にて10分間撹拌し、次いでLCMSにより、出発物質が消費されたことが示されるまで、室温にてさらに2時間撹拌する。6NのHCl(10mL)をゆっくり加え、反応混合物を室温にて30分間撹拌する。溶媒の除去により、固体の残渣が得られ、それを水およびPEで洗浄して、所望の生成物(500mg、収率75%)を得る。
【0145】
MeOH(20mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(250mg、0.88mmol)の溶液に、Pd/C(25mg、10%mol)を加え、反応混合物をH下で室温にて4時間撹拌する。LCMSにより、出発物質が消費されていることが示された。それを濾過し、濃縮して、所望の生成物(150mg、収率77%)を得る。
【0146】
アセトン中の7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(150mg、0.77mmol)、1−ブロモプロパン−2−オン(212mg、1.54mmol)およびKCO(212mg、1.54mmol)の混合物を室温にて2日間撹拌する。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、シリカゲルの短経路で濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(100mg、収率52%)を得る。
【0147】
−30℃にて、MeOH(10mL)中の1−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(60mg、0.24mmol)の溶液に20分間、NHで泡立てる。次いでKCN(32mg、0.48mmol)、NHCl(42mg、0.79mmol)および28%NH・HO(4mL)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(50mg、収率76%)を得る。
【0148】
DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(60mg、0.22mmol)、4−トリフルオロメトキシ−安息香酸(67mg、0.33mmol)およびHATU(164mg、0.43mmol)の混合物に、DIPEA(84mg、0.65mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。残渣をprep−HPLCによって精製して、標題化合物N−(2−シアノ−1−(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(33mg、30%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.01(s,1H),8.98(s,1H),7.99(d,J=8.8Hz,2H),7.50(d,J=8.4Hz,2H),7.21(d,J=8.0Hz,1H),6.98(d,J=8.4Hz,1H),4.89(s,2H),4.47(d,J=9.2Hz,1H),4.26−4.19(m,3H),1.84(s,3H),1.24(t,J=7.2Hz,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて98.6%;MS:m/z=465.1(M+1,ESI+)。
【0149】
実施例9
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化37】
撹拌棒を備えた丸底フラスコ内に、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、72.5mmol)、炭酸水素ナトリウム(7.91g、94.2mmol)、KI(2.07g、14.5mmol)およびMeCN(200mL)を入れる。フラスコに還流凝縮器を取り付け、60℃にゆっくり加熱する。この時に、臭化ベンジル(8.5mL、72.5mmol)を加え、混合物を80℃に加熱する。一晩還流した後、次いで混合物を室温に冷却し、回転蒸発によって濃縮する。残渣を10%水性HCl(50mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、臭化ベンジルを除去するまで100%ヘキサン、次いでPE:EA=6:1)により精製して、非晶質の黄色の固体(13.3g、収率80.6%)を得る。
【0150】
1,4−ジオキサン/HO(2:1、150mL)中の4−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(13.3g、58.3mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン/HO(2:1、50mL)の溶液中のNBS(11.4g、64.2mmol)を0℃にて滴下して加える。反応混合物を室温にて3時間加温する。次いでEA(300mL)を加え、有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を、溶出液としてPE:EA(15:1)を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(14.0g、収率77.8%)を黄色の固体として得る。
【0151】
DMF(25mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、16.3mmol)およびNaH(1.95g、48.9mmol、鉱油中60%)の溶液を室温にて0.5時間撹拌し、次いで2−ヨードプロパン(5.54g、32.6mmol)を加え、室温にて一晩撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を水(120mL)に注ぎ、EA(150ml3)で抽出する。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA(4:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(3.8g、収率67.0%)を淡黄色の固体として得る。
【0152】
1,4−ジオキサン(100mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−3−イソプロポキシベンズアルデヒド(3.8g、10.9mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(7.35g、32.7mmol)、Pd(dppf)Cl(796mg、1.09mmol)およびKOAc(5.34g、54.45mmol)の混合物をアルゴン下で100℃にて一晩撹拌する。水(100mL)を加え、混合物をDCM(200mL2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA(5:1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.7g、収率65.0%)を白色固体として得る。それを次の工程に直接使用する。
【0153】
THF(20mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−イソプロポキシベンズアルデヒド(1.0g、2.62mmol)の溶液に、NaBH(200mg、5.24mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いでそれに氷浴でHCl(3M)をゆっくり加えてpH=2にする。溶媒を蒸発させ、残渣を、PE−EA(3:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(547mg、収率70.0%)を白色固体として得る。
【0154】
MeOH(20mL)およびEA(20mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−イソプロポキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1.47g、4.93mmol)の溶液を、大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(493mg、0.493mmol)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE−EA(2:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(720mg、収率71.0%)を白色固体として得る。
【0155】
アセトン(20mL)中の7−イソプロポキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(400mg、1.92mmol)およびKCO(796mg、5.77mmol)の溶液に、ブロモアセトン(395mg、2.88mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE−EA(3:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1の所望の生成物(290mg、収率57.2%)を白色固体として得る。
【0156】
MeOH(2mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(190mg、0.72mmol)、NHCl(77mg、1.44mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(71mg、1.44mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を室温にて減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄し、濾過する。濾液を蒸発させて、所望の生成物(粗性物)(300mg)を無色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0157】
DMF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(223mg、1.08mmol)、DIPEA(0.4mL、2.16mmol)およびHATU(410mg、1.08mmol)の溶液を室温にて10分間撹拌し、次いでDMF(2mL)中の粗2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(300mg、0.72mmol)の溶液を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、標題化合物N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(50mg、2工程にわたって収率13.7%)を白色固体として得る。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ8.98(s,1H),8.91(s,1H),7.99(d,J=8.0Hz,2H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.21(d,J=8.0Hz,1H),7.00(d,J=8.0Hz,1H),4.89(s,2H),4.67−4.70(m,1H),4.47(d,J=9.5Hz,1H),4.24(d,J=9.5Hz,1H),1.84(s,3H),1.20(d,J=4.5Hz,3H),1.18(d,J=4.5Hz,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて96.24%および254nmにて100%;MS:m/z=479.1(M+1,ESI+)。
【0158】
実施例10
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化38】
ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオールと1−クロロプロパン−2−オンとのアルキル化反応から開始して実施例1の手順に従って標題化合物を合成する。標題化合物を白色固体として得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.14(s,1H),9.06(s,1H),8.01(d,J=8.0Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.36−7.33(m,2H),7.15(d,J=6.4Hz,1H),4.94(s,2H),4.54(d,J=8.8Hz,1H),4.29(d,J=8.8Hz,1H),1.83(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて98.6%および254nmにて95.5%.MS:m/z=421.1(M+1,ESI+)。
【0159】
実施例11
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化39】
0℃にて、アセトン(750mL)中の2,4−ジヒドロキシ安息香酸メチルエステル(30.0g、176mmol)の溶液に、炭酸カリウム(33.9g、194mmol)を加える。混合物を室温にて1時間撹拌し、次いでBnBr(27.1g、194mmol)を0℃にて滴下して加える。混合物を一晩還流し、室温に冷やし、濾過して固体を除去し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE:EA、100:1〜10:1、v:v)を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(43.2g、収率95%)を白色固体として得る。
【0160】
THF(1000mL)中の4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(43.2g、165mmol)の溶液に、THF(203mL、203mmol)中のカリウムtert−ブトキシドの溶液を加える。30分後、ヨードメタン(308g、214mmol)を加え、反応物を35℃にて一晩撹拌する。反応混合物を真空中で蒸発させ、残渣を水と混合し、1NのHClで中和する。得られた固体を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥させる。固体をEAに溶解し、水、1NのNaOH水溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE:EA、50:1〜20:1、v:v)を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製して、4の所望の生成物(35.7g、収率78%)を白色固体として得る。
【0161】
0℃にて、アセトニトリル(750mL)中の4−ベンジルオキシ−2−メトキシ安息香酸メチルエステル(35.7g、128mmol)の溶液に、NIS(35.3g、154mmol)、続いてトリフルオロ酢酸(22.2g、192mmol)をゆっくり加える。反応混合物を35℃にて一晩撹拌し、室温に冷やし、減圧下で濃縮する。反応混合物を水(500mL)で希釈し、DCM(3×300mL)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE:EA、10:1〜2:1、v:v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(51.3g、99%収率)を白色固体として得る。
【0162】
室温にて、NMP(750mL)中の4−ベンジルオキシ−5−ヨード−2−メトキシ安息香酸メチルエステル(51.3g、126mmol)の溶液に、CuI(123g、630mmol)およびトリフルオロ酢酸カリウム(96.8g、630mmol)を加える。脱気し、Nで埋め戻した後、反応混合物をN下で150℃にて5時間撹拌し、室温に冷やし、セライトパッドで濾過する。濾過ケーキをEAで洗浄する。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE:EA、10:1〜3:1、v:v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(36.4g、85%収率)を白色固体として得る。
【0163】
DCM(300mL)中の4−ベンジルオキシ−2−メトキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸メチルエステル(15.0g、43.2mmol)の溶液に、−70℃にてヘプタン(1.0M、43.2mL)中のBClの溶液を滴下して加える。反応混合物を−30℃未満で5時間撹拌し、氷水に注ぎ、DCM(3×25mL)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE−EA、5:1〜3:1、v:v)を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(10.7g、76%収率)を白色固体として得る。
【0164】
DCM(120mL)中の4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸メチルエステル(6.00g、18.0mmol)、TEA(3.67g、36.0mmol)およびDMAP(3.36g、27.0mmol)の混合物に、TfO(26.5g、27.0mmol)を0℃にて滴下して加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、氷水に注ぎ、DCM(3×200mL)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE:EA、100:1〜20:1、v:v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(7.50g、91%収率)を白色固体として得る。
【0165】
室温にて、1,4−ジオキサン(200mL)中の4−ベンジルオキシ−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(7.50g;16.0mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.32g、32.0mmol)およびKOAc(4.81g、48.0mmol)を加える。脱気した後、Nで埋め戻す。Pd(dppf)Cl(2.37g、3.2mmol)を加える。反応混合物をN下で110℃にて2時間撹拌し、室温に冷やし、セライトパッドで濾過する。濾過ケーキをEAで洗浄する。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE:EA、100:1〜30:1、v:v)を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(4.28g、61%収率)を白色固体として得る。
【0166】
EtOH(50mL)中の4−ベンジルオキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−5−トリフルオロメチル安息香酸メチルエステル(4.00g、9.00mmol)の溶液に、NaBH(1.05mmol、27.0mmol)を0℃にて少しずつ加える。混合物を35℃にて3時間撹拌し、室温に冷やし、次いで2NのHCl(50mL)を加える。混合物を35℃にて2時間撹拌する。大部分のEtOHを蒸発させ、得られた混合物をEAと水との間に分ける。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、prep−HPLCにより精製して、所望の生成物(1.62g、収率58.4%)を白色固体として得る。
【0167】
MeOH(50mL)中の6−(ベンジルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1.62g、5.15mmol)およびPd/C(10%wt、100mg)の混合物をHで脱気し、H(1atm)下で40℃にて5時間撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、セライトパッドで濾過する。濾過ケーキをEAで洗浄する。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(830mg、74%収率)を白色固体として得る。
【0168】
アセトニトリル(50mL)中の5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(600mg、2.75mmol)およびKCO(691mg、4.95mmol)の混合物に、0℃にて1−ブロモプロパン−2−オン(542mg、3.85mmol)を滴下して加える。それを室温にてN下で一晩撹拌し、セライトパッドで濾過する。濾過ケーキをEA(200mL)で洗浄する。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、prep−HPLCにより精製して、所望の生成物(262mg、35%収率)を白色固体として得る。
【0169】
MeOH(5mL)中の1−(1−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(160mg、0.58mmol)の溶液を、−30℃にて20分間、NHで泡立てる。次いでKCN(75mg、1.13mmol)、NHCl(107mg、1.97mmol)およびNH・HO(2mL)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させ、prep−HPLCにより精製して、所望の生成物(90.0mg、収率51%)を淡黄色の固体として得る。
【0170】
DMF(3mL)中の4−トリフルオロメトキシ安息香酸(126mg、0.60mmol)およびDIPEA(157mg、1.20mmol)の溶液に、HATU(233mg、0.60mmol)を加える。混合物を35℃にて2時間撹拌する。次いでDMF(2mL)中の2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−プロピオニトリル(90.0mg、0.300mmol)の溶液を0℃にて滴下して加える。反応混合物をN下で35℃にて一晩撹拌し、室温に冷やし、水(100mL)で希釈し、EA(3×25mL)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、標題化合物N−[1−シアノ−2−(1−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−1−メチル−エチル]−4−トリフルオロメトキシベンズアミド(25mg、収率17%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.41(s,1H),9.10(s,1H),7.99(d,J=8.4Hz,2H),7.75(s,1H),7.55−7.51(m,3H),5.00(s,2H),4.70(d,J=8.8Hz,1H),4.43(d,J=8.8Hz,1H),1.84(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて97.2%および254nmにて96.9%;MS:m/z=489(M+1,ESI+)。
【0171】
実施例12
N−(2−シアノ−1−(5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化40】
MeOH(12mL)中の2−ブロモ−4,5−ジヒドロ安息香酸(1.00g、4.24mmol)およびSOCl(2mL)の溶液を2時間還流し、室温に冷やす。反応混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(0.97g、92%収率)を得る。
【0172】
乾燥THF(250mL)中のフェニルメタノール(4.32g、0.04mol)の溶液にNaH(1.60g、0.04mol、油中60%)を加える。反応混合物を80℃にて2時間撹拌する。次いで混合物を冷却し、2−ブロモ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルエステル(10.0g、0.04mol)を0℃にて加える。反応混合物を0℃にて一晩撹拌した。溶液を水(50mL)でクエンチし、EtO(60mL×2)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮する。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(9.00g、66%)を得る。
【0173】
1,4−ジオキサン(100mL)中の4−ベンジルオキシ−2−ブロモ−5−フルオロ安息香酸メチルエステル(3.00g、8.85mmol)、KOAc(3.72g、38.0mmol)、Pin(3.37g、13.3mmol)およびPdCl(dppf)(1.44g、1.77mmol)の混合物を、TLCにより出発物質が消費されたことが示されるまで、85℃にて6時間加熱する。それを濾過し、濾液を減圧下で除去する。残渣をカラムにより精製して、所望の生成物(4.00g、83%収率)を得る。
【0174】
メタノール(100mL)中の4−ベンジルオキシ−5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルエステル(5g、12.9mmol)の撹拌溶液に、0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(2.95g、77.7mmol)を加える。それを0℃にて10分間撹拌し、次いでLCMSにより出発物質が消費されたことが示されるまで室温にて2時間撹拌する。それに2NのHCl(20mL)を加え、室温にて30分間撹拌する。十分な水を加え、固体沈殿物を回収し、水および石油エーテルで洗浄して、所望の生成物(3.00g、90%収率)を得る。
【0175】
MeOH(150mL)中の6−(ベンジルオキシ)−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(3.00g、0.116mmol)の溶液に、Pd/C(50mg、10%wt)を加え、反応混合物をHで脱気し、30℃にて3時間撹拌する。LCMSにより、出発物質が消費されたことが示される。それを濾過し、濃縮し、次いで所望の生成物(1.20g、84.6%収率)を得る。
【0176】
MeCN中の5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6−(3H)−ジオール(100mg、0.60mmol)、1−ブロモ−2−プロパン−2−オン(123mg、0.89mmol)、およびKCO(164mg、1.19mmol)の溶液を室温にて一晩撹拌する。それをジエチルエーテルで希釈し、シリカゲルの短経路で濾過する。濾液を濃縮する。残渣をEAに溶解し、HOで洗浄し、乾燥させ、濾過する。溶媒の除去により、所望の生成物(80.0mg、67%収率)を得る。
【0177】
MeOH(20mL)中の1−(5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(250mg、1.13mmol)の溶液を−30℃にて20分間、NHで泡立て、次いでKCN(146mg、2.25mmol)、NHCl(197mg、3.71mmol)およびNH・HO(5mL)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させ、THFで抽出する。溶媒の除去により、所望の生成物(278mg、99%収率)を得る。
【0178】
DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−プロピオニトリル(278mg、1.112mmol)、4−トリフルオロメトキシ安息香酸(345mg、1.668mmol)およびHATU(843mg、2.224mmol)の溶液に、DIPEA(430mg、0.3336mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、標的化合物N−(2−シアノ−1−(5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(106mg、22%収率)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.26(s,1H),9.16(s,1H),8.05(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.0Hz,3H),7.39(d,J=10.8Hz,1H),4.97(s,2H),4.66(d,J=9.2Hz,1H),4.44(d,J=9.2Hz,1H),1.90(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmおよび254nmの両方にて99.3%;MS:m/z=439.1(M+1,ESI+)。
【0179】
実施例13
N−(1−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化41】
無水CHCl(5ml)およびDMF(1mL)中の5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(100mg、0.60mmol)の溶液に、20℃にてNCS(87.4mg、0.65mmol)を加える。それを室温にて一晩撹拌する。反応混合物の溶媒を真空下で除去し、残渣をpre−HPLCにより精製して、所望の生成物(73.6mg、48%収率)を得る。
【0180】
MeCN中の7−クロロ−5−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(50.0mg、0.25mmol)、1−ブロモ−プロパン−2−オン(52.0mg、0.375mmol)、KCO(69mg、0.50mmol)の溶液を室温にて3時間撹拌する。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、シリカゲルの短経路で濾過する。濾液を減圧下で除去し、EtOAcに溶解する。それを水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、所望の生成物(30mg、47%収率)を得る。
【0181】
MeOH(20mL)中の1−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(300mg、1.16mmol)を、−30℃にて20分間、NHで泡立て、次いでKCN(151mg、2.32mmol)、NHCl(203mg、3.83mmol)およびNH・HO(10mL)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させ、THFに溶解する。溶媒の除去により、2の所望の生成物(250mg、76%収率)を得る。
【0182】
DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−プロピオニトリル(250mg、0.83mmol)、4−トリフルオロメトキシ安息香酸(257mg、1.25mmol)およびHATU(630mg、1.66mmol)の溶液に、DIPEA(322mg、2.5mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させ、残渣をpre−HPLCにより精製して、標題化合物N−(1−(7−クロロ−5−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノ−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(96.0mg、24%収率)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.19(s,1H),8.95(s,1H),7.90(d,J=8.8Hz,2H),7.42(d,J=8.4Hz,2H),7.30(d,J=10.8Hz,1H),4.84(s,2H),4.50(d,J=9.2Hz,1H),4.35(d,J=9.6Hz,1H),1.84(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて98.5%および254nmにて97.8%;MS:m/z=473.3(M+1,ESI+)。
【0183】
実施例14
N−(2−シアノ−1−(5,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化42】
1−クロロプロパン−2−オンによるアルキル化のために5,7−ジクロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオールを使用して、標題化合物を実施例1における手順に従って合成する。出発物質、5,7−ジクロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオールを、室温にて一晩、THF中の3.5eq NCSによるベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオールのビス−塩素化(chloronation)によって調製する(収率28%)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.34(s,1H),9.03(s,1H),8.00(d,J=8.0Hz,2H),7.58(s,1H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),4.94(s,2H),4.48(d,J=8.0Hz,1H),4.31(d,J=8.0Hz,1H),1.96(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて98.9%;MS:m/z=489[M+1]
【0184】
実施例15
N−(1−(5−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化43】
アセトン(375mL)中の2,4−ジヒドロキシ安息香酸メチルエステル(15.0g、89.2mmol)、炭酸カリウム(13.6g、98.4mmol)および臭化ベンジル(16.8g、98.2mmol)の混合物を一晩還流する。混合物を室温に冷やし、濾過する。溶媒を除去し、残渣を、石油エーテル中の20%のEtOAcで溶出したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(20.0g、87%収率)を白色固体として得る。
【0185】
DCM(52mL)中の4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(5.20g、20.0mmol)の溶液に、DCM(30ml)中の塩化スルフリル(3.00g、22.0mmol)の溶液を加え、それを室温にて6時間撹拌する。反応混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出する。減圧下での溶媒の蒸発により、粗生成物を得、それをEtOAcから再結晶して、所望の生成物(4.50g、76%収率)を白色固体として得る。
【0186】
DCM(100mL)中の4−ベンジルオキシ−5−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(4.50g、15.4mmol)およびピリジン(3.65g、46.2mmol)の溶液に、0℃にて窒素雰囲気下でTfO(4.80g、17.0mmol)を滴下して加える。反応混合物を0℃にて1時間撹拌する。反応混合物を氷水で希釈し、15分間撹拌する。これにより分離した有機層を水およびブラインで連続して洗浄する。このように得られた残渣を、溶出液としてヘキサン中の4%酢酸エチルを使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(粗性物)(6.80g)を得、それをさらに精製せずに次の工程に直接使用する。
【0187】
1,4−ジオキサン(90mL)中の粗メチル4−(ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゾエート(6.80g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.80g、22.8mmol)、Pd(dppf)Cl(0.63g、7.71mmol)、KOAc(3.00g、30.6mmol)の混合物を、5分間、Nで脱気する。反応混合物を70〜80℃にて16時間撹拌する。TLC(EtOAc/PE=1/5)により、出発物質の完全な消費が示される。反応混合物を水(400mL)に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出する。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/PE=1/10)により精製して、所望の生成物(6.19g、定量的収率)を粗製物として得、それをさらに精製せずに次の工程に直接使用する。
【0188】
EtOH(125mL)中の粗4−ベンジルオキシ−5−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルエステル(6.19g)の混合物に、窒素下で0℃にてNaBH(3.60g、38.5mmol)を少しずつ加える。反応混合物を0℃にて4時間撹拌する。反応混合物を6NのHCl(125mL)に注ぎ、室温にて一晩撹拌する。懸濁した固体を濾過し、1NのHClで洗浄して、所望の生成物(3.50g、83%収率)を黄色の固体として得る。
【0189】
EtOH(50mL)中の6−(ベンジルオキシ)−5−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1.00g、3.64mmol)の溶液に、N下で室温にて、10%Pd/C(0.10g)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を6NのHClと混合する。懸濁した固体を濾過し、1NのHClで洗浄して、所望の生成物(600mg、89%収率)を黄色の固体として得る。
【0190】
MeCN(50mL)中の5−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(500mg、2.71mmol)およびKCO(750mg、5.42mmol)の溶液に、N下で15℃にて、1−ブロモアセトン(750mg、5.42mmol)を滴下して加える。混合物を15℃にて一晩撹拌する。反応溶液をEtOAc(100mL)および水(50mL)の間に分ける。水層をEtOAc(50mL×2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(580mg、89%収率)を油として得る。
【0191】
MeOH(10mL)中の1−(5−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(400mg、1.66mmol)の溶液を、−30℃〜0℃にて1時間、NHで泡立てる。その後、溶液を28%NH・HO(10mL)中のKCN(250mg、3.84mmol)およびNHCl(400mg、7.48mmol)の混合物に加える。混合物を密閉し、室温にて18時間撹拌する。反応溶液をEtOAc(50mL)およびブライン(25mL)の間に分ける。水層をEtOAc(50mL×2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物(400mg、90%収率)を白色固体として得る。
【0192】
DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(5−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(250mg、0.94mmol)および4−トリフルオロメトキシ安息香酸(290mg、1.41mmol)の溶液に、N下で室温にて、HATU(711mg、1.87mmol)およびDIPEA(364mg、2.82mmol)を加える。反応混合物を30〜35℃にて一晩撹拌する。反応混合物をprep−HPLCにより精製して、固体(235mg、55%収率)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.24(s,1H),9.10(s,1H),8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.56(s,1H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.46(s,1H),4.92(s,2H),4.63(d,J=9.2Hz,1H),4.39(d,J=9.2Hz,1H),1.87(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて98.1%および254nmにて98.5%:MS:m/z=455.1(M+1,ESI+)。
【0193】
実施例16
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルチオ)ベンズアミド
【化44】
DMF(4mL)中の4−((トリフルオロメチル)チオ)安息香酸(277mg、1.25mmol)、HATU(950mg、2.5mmol)およびDIPEA(645mg、5.0mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌する。次いで2−アミノ−3−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−メチルプロパンニトリル(400mg、1.5mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、水に加え、EA(50mL×3)で抽出する。有機層をNaHCO水溶液(50mL×3)、ブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、標題化合物N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを固体(190mg、収率27%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.18(m,2H),7.96(d,J=8.0Hz,2H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),7.33(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=8.0Hz,1H),4.40(d,J=8.0Hz,1H),1.86(s,3H)ppm.純度:220nmにて97.4%および254nmにて97.1%;MS:m/z=471.1(M+1,ESI+)。
【0194】
実施例17
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンズアミド
【化45】
水(50mL)および酢酸(150mL)に溶解した4−(トリフルオロメチルチオ)安息香酸(5g、22.5mmol)の溶液に、過マンガン酸カリウム(20g、126.5mmol)を室温にて加える。反応物を16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮して、4−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸(5g、87%収率)を得る。
【0195】
4−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸(2g、7.87mmol)をDCM(20ml)およびSOCl(20ml)に溶解する。混合物を60℃にて1時間撹拌する。次いで溶液を真空中で濃縮して、塩化アシルを得、それを、THF(40ml)中の2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(2.1g、7.87mmol)およびDIPEA(3g、23.6mmol)の混合物に加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。反応混合物を濃縮し、EA(100ml)に溶解し、ブライン(3×40ml)で洗浄する。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、prep−HPLCにより精製して、N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンズアミド(実施例17aと指定した)(1.7g、43%収率)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δppm9.46(s,1H),9.17(s,1H),8.31(d,J=8.0Hz,2H),8.21(d,J=8.0Hz,2H),7.34(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=8.0Hz,1H),4.43(d,J=8.0Hz,1H),1.88(s,3H)ppm;純度:220nmにて95.8%;MS:m/z=503.1[M+1]
【0196】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δppm9.44(s,1H),9.14(s,1H),8.31(d,J=8.0Hz,2H),8.21(d,J=8.0Hz,2H),7.34(m,2H),4.93(s,2H),4.59(d,J=8.0Hz,1H),4.43(d,J=8.0Hz,1H),1.89(s,3H)ppm;純度:220nmにて99.6%および254nmにて99.7%;キラル純度:220nmにて99.6%;比旋光度:20℃にてCHCl中[α]=+11.12 MS:m/z=503.2[M+1]
【0197】
実施例18
(S)−N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド
【化46】
DCM(20mL)およびSOCl(20mL)中の4−((トリフルオロメチル)チオ)安息香酸(1.84g、8.27mmol)の混合物を60℃にて1時間撹拌する。溶液を真空中で濃縮して、塩化アシルを得、それをTHF(50mL)中の2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(2.2g、8.27mmol)およびDIPEA(3.2g、24.8mmol)の混合物に加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、濃縮する。残渣をEA(200mL)に溶解し、ブライン(3×30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の(N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミドをペールホワイトの固体(1.8g、収率47%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.18(m,2H),7.96(d,2H),7.86(d,2H),7.33−7.32(m,2H),4.92(s,2H),4.57(d,1H),4.40(d,1H),1.86(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて97.4%および254nmにて97.1%。MS:m/z=471.1(M+1,ESI+)。
【0198】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離して、ピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(1−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミドを得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.17(s,1H),9.15(s,1H),7.96(d,J=8.4Hz,2H),7.86(d,J=8.4Hz,2H),7.36−7.32(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=9.2Hz,1H),4.40(d,J=9.2Hz,1H),1.87(s,3H)ppm.MS:m/z=471(M+1,ESI+).HPLC純度:220nmにて95.9%および254nmにて97.9%。キラルHPLC純度:98.5%。比旋光度:20℃にてCHCl中[α]=+9.06°。
【0199】
実施例19
N−(1−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化47】
DMF(70.0mL)中の1−クロロ−3,5−ジメトキシベンゼン(10.0g、58mmol)の溶液に、0℃にてPOCl(17mL、18.4mmol)を滴下して加える。反応混合物を室温にて30分間撹拌し、100℃にてさらに2時間撹拌する。得られた反応物を氷水に注ぎ、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、所望の生成物を黄色の固体(7.7g、収率66%)として得る。
【0200】
DCM(50.0mL)中の2−クロロ−4,6−ジメトキシベンズアルデヒド(8.0g、39.9mmol)の溶液に、0℃にてAr雰囲気下で、BBr(170mL、170mmol、1M)を滴下して加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、氷水でクエンチし、濃縮し、EAで3回抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、所望の生成物を赤色の固体(5.0g、収率73.5%)として得る。
【0201】
DCM(100.0mL)中の2−クロロ−4,6−ジヒドロキシベンズアルデヒド(5g、29mmol)の溶液にDHP(5mL、54.8mmol)を加え、次いでピリジニウムp−トルエンスルホネート(PPTS、0.72g、2.92mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、0℃にて飽和NaHCOでクエンチし、DCMで3回抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を無色の油(5g、収率66.0%)として得る。
【0202】
DCM(60mL)中の2−クロロ−6−ヒドロキシ−4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ベンズアルデヒド(4.0g、15.6mmol)およびピリジン(6mL)の溶液に、Ar雰囲気下で−10℃にてTfO(4.0mL、24.4mmol)を加える。反応混合物を0℃にて2時間撹拌し、冷ブラインでクエンチし、DCMで3回抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(PE:EA=100:1)により精製して、所望の化合物を無色の油(4.0g、収率66.2%)として得る。
【0203】
1,4−ジオキサン(80.0mL)中の3−クロロ−2−ホルミル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(4.0g、10.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.0g、32.48mmol)、PdCl(dppf)(400mg、0.52mmol)およびKOAc(3.09g、31.48mmol)の溶液をN下で、室温にて10分間および80℃にて1.5時間撹拌する。それを冷水でクエンチし、EAで3回抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を無色の油(4g)として得る。
【0204】
MeOH(50.0mL)中の2−クロロ−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(4g、10.1mmol)の溶液に、0℃にてNaBH(775mg、20.4mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、飽和NHClでクエンチし、EAで3回抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をMeOHに溶解し、0℃にて冷3N HClと混合する。混合物を室温にて2時間撹拌し、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の化合物を白色固体(470mg、収率25%)として得る。
【0205】
アセトン(10mL)中の4−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(200mg、1.08mmol)およびKCO(450mg、3.26mmol)の混合物に、1−ブロモプロパン−2−オン(150mg、1.63mmol)を加える。反応混合物を60℃にて一晩撹拌し、室温に冷やす。得られた反応物をEAとHOとの間に分け、EAで3回(50mL×3)抽出する。有機層をブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、所望の生成物を油として得、それをさらに精製せずに次の工程に直接使用する(160mg、収率65.0%)。
【0206】
MeOH(1.0mL)中のNaCN(51.5mg、1.05mmol)、25%NH・HO(1.5mL)の撹拌溶液に、NHCl(64.2mg、1.2mmol)、続いて1−((4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン(160mg、0.7mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、水でクエンチし、EA(50mL×3)で抽出する。有機層をブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の化合物を黄色の固体(150mg、収率57.4%)として得る。
【0207】
DMF(1.5mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(138.0mg、0.67mmol)、HATU(513mg、1.35mmol)およびDIPEA(348mg、2.7mmol)の溶液を、室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−((4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−メチルプロパンニトリル(150mg、0.56mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、水に加え、EA(50mL×3)で抽出する。有機層を飽和NaHCO(50mL×3)、ブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、N−(1−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(37mg、収率15.6%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.42(s,1H),9.06(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.32(d,J=2.0Hz,1H),7.28(d,J=2.0Hz,1H),4.93(s,2H),4.56(d,J=9.2Hz,1H),4.36(d,J=9.2Hz,1H),1.82(s,2H)ppm.純度:96.4%(220nm);MS:455(M+1,ESI+)。
【0208】
実施例20
N−(1−(7−クロロ−4,5−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化48】
THF(200mL)中の5−ブロモ−1,2−ジフルオロ−3−メトキシベンゼン(8.9g、39.9mmol)の溶液に、LDA(17.6mL、43.9mmol)を−78℃にて滴下して加え、混合物を同じ温度にて2時間撹拌する。DMF(9.6g、131.7mmol)を−78℃にて加え、混合物を−78℃にて4時間撹拌する。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、再結晶して、所望の生成物を白色固体(6g、収率60%)として得る。H NMR(400MHz,CDCl):δ10.20(s,1H),7.04−7.06(m,1H),3.99(s,3H)ppm。
【0209】
MeOH(120mL)中の6−ブロモ−2,3−ジフルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(6g、23.9mmol)の溶液に、NaBH(1.1g、28.7mmol)を室温にて加える。それを室温にて1時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をEAに溶解し、水で洗浄し、NaSOで乾燥させて、所望の生成物を白色固体(6g、収率99%)として得る。
【0210】
DCM(120mL)中の(6−ブロモ−2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)メタノール(6g、23.9mmol)およびDHP(4.36mL、47.8mmol)の溶液に、PPTS(602mg、2.4mmol)を加え、混合物を1時間還流する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色の油(7g、収率87%)として得る。
【0211】
THF(80mL)中の2−((6−ブロモ−2,3−ジフルオロ−4−メトキシベンジル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(5.3g、15.7mmol)の溶液に、BuLi(7.5mL、18.8mmol)を−78℃にて滴下して加える。−78℃にて2時間撹拌した後、(i−PrO)B(5.5mL、23.6mmol)を同じ温度にて滴下して加え、混合物を室温にて1時間撹拌する。反応物をNHCl水溶液でクエンチし、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体(1.3g、収率41%)として得る。
【0212】
DCM(25mL)中の4,5−ジフルオロ−6−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(900mg、4.5mmol)の溶液に、BBr(4.1mL、45mmol)を−78℃にて滴下して加える。得られた混合物を一晩撹拌し、氷水に注ぎ、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、所望の生成物を茶色の固体(840mg)として得る。
【0213】
CHCl(25mL)中の4,5−ジフルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(840mg、4.5mmol)の溶液に、SOCl(3.6mL、45mmol)を室温にてアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を2時間還流し、水でクエンチし、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、所望の粗生成物を茶色の固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に直接使用する(570mg)。
【0214】
アセトン(25mL)中の7−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(570mg、2.6mmol)およびKCO(1.1g、7.8mmol)の混合物に、クロロアセトン(0.6mL、7.8mmol)を室温にてアルゴン雰囲気下で加える。混合物を60℃にて一晩加熱する。それを減圧下で蒸発させ、残渣を得、それを水で希釈し、HClでpH=4〜5に酸性にし、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物を茶色の固体(380mg、粗製物)として得る。粗生成物(200mg)の一部をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物を白色固体(65mg)として得る。
【0215】
NH・HO(1mL)およびMeOH(1mL)中のNaCN(17mg、0.35mmol)の溶液に、NHCl(23mg、0.43mmol)を室温にて加える。それをアルゴン雰囲気下で5分間撹拌し、1−((7−クロロ−4,5−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン(65mg、0.24mmol)を加え、混合物を室温にて一晩撹拌する。得られた混合物をpH=7に酸性にし、EA(2×8mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、所望の生成物を白色固体(40mg、収率55%)として得る。
【0216】
DMF(1mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(27mg、0.13mmol)の溶液に、HATU(60mg、0.16mmol)およびDIPEA(51mg、0.4mmol)を加える。それを室温にて2時間撹拌し、2−アミノ−3−((7−クロロ−4,5−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−メチルプロパンニトリル(40mg、0.13mmol)を加える。混合物をアルゴン雰囲気下で室温にて一晩撹拌する。得られた混合物をEA(2×4mL)で抽出する。有機相を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、pre−HPLCにより精製して、N−(1−((7−クロロ−4,5−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(6.5mg、収率10%)を白色粉末として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.48(brs,1H),9.02(s,1H),7.97(d,J=8.4Hz,2H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),5.05(s,2H),4.64(d,J=9.6Hz,1H),4.52(d,J=9.2Hz,1H),1.90(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて96.3%;MS:m/z=491.0(M+1,ESI+)。
【0217】
実施例21
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミド
【化49】
DMF(50mL)中の4−(ペンタフルオロチオ)安息香酸(4.0g、16.1mmol)、HATU(8.0g、20.96mmol)およびDIPEA(6.0g、48.3mmol)の混合物を室温にて30分間撹拌する。混合物に、2−アミノ−3−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−メチルプロパンニトリル(4.5g、18.8mmol)を加える。混合物を35℃にて一晩撹拌する。反応物をEAとHOとの間に分け、水相をEA(100mL×3)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaHCO、ブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させる。減圧下で濃縮して、残渣を得、それをカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミド(実施例21aと指定した)を白色固体(1.6g、収率21.3%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.24(s,1H),9.13(s,1H),8.08−8.06(m,4H),7.36−7.32(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=9.6Hz,1H),4.39(d,J=9.6Hz,1H),1.88(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて99.4%および254nmにて98.5%;ESI:MS:m/z=497.0(M+1,ESI+)。
【0218】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離して、ピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(ペンタフルオロチオ)ベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.24(s,1H),9.13(s,1H),8.09−8.03(m,4H),7.36−7.32(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=9.6Hz,1H),4.42(d,J=9.6Hz,1H),1.88(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて99.4%および254nmにて98.4%;キラルHPLC純度:230nmにて100%;ESI:MS:m/z=495.0(M−1,ESI−)。
【0219】
実施例22
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミド
【化50】
DMF(50mL)中の4−シアノ安息香酸(2.65g、18.05mmol)、HATU(7.50g、19.6mmol)およびDIPEA(5.82g、45.1mmol)の混合物を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−((7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−メチルプロパンニトリル(4.0g、15.04mmol)を加える。混合物を35℃にて一晩撹拌する。反応物をEAとHOとの間に分け、EA(100mL×3)で抽出し、飽和NaHCO、ブライン(50mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミド(実施例22aと指定した)を白色固体(1.2g、収率20.1%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.22(s,1H),9.14(s,1H),8.01(s,4H),7.33−7.32(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=9.2Hz,1H),4.40(d,J=9.6Hz,1H),1.87(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて97.7%および254nmにて96.8%;ESI:MS:m/z=394.1(M−1,ESI−)。
【0220】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離してピーク1を回収し、キラル鏡像異性体(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−シアノベンズアミドを得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.23(s,1H),9.14(brs,1H),8.01(s,4H),7.33−7.32(m,2H),4.92(s,2H),4.58(d,J=9.2Hz,1H),4.41(d,J=9.6Hz,1H),1.87(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて97.4%および254nmにて97.4%;Chiral HPLC純度:230nmにて98.1%;ESI:MS:m/z=396.2(M+1,ESI+)。
【0221】
実施例23
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化51】
O/MeOH/THF(90mL、1:1:1)中のメチル2,4−ジヒドロキシベンゾエート(4.2g、25mmol)の溶液に、0℃にて一度に、ヨウ素(6.73g、26.5mmol)およびNaHCO(2.31g、27.5mmol)を加える。1時間撹拌した後、沈殿物を濾過により分離する。固体を水で数回洗浄し、乾燥させて、所望の生成物(3.5g、収率48%)を灰色の固体として得る。
【0222】
BnBr(1.88g、11.0mmol)を、DMF(50mL)中の2,4−ジヒドロキシ−3−ヨードベンゾエート(1.47g、5.0mmol)およびCsCO(3.59g、11.0mmol)の溶液に加える。混合物を18時間撹拌し、水(100mL)に加え、1時間撹拌する。それをEAで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(6:1)で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.97g、収率83%)を白色固体として得る。
【0223】
FSOCFCOCH(2.83g、14.75mmol)を、DMF(40mL)中のメチル2,4−ビス(ベンジルオキシ)−3−ヨードベンゾエート(1.4g、2.95mmol)、HMPA(2.64g、14.75mmol)およびCuI(1.13g、5.9mmol)の混合物に加え、混合物を80℃にて18時間撹拌し、室温に冷やす。それを飽和NHCl水溶液に加え、EAで2回抽出する。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(6:1)で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(0.93g、収率76%)を白色固体として得る。
【0224】
MeOH(30mL)中のメチル2,4−ビス(ベンジルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.93g、2.23mmol)の溶液を、大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(100mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(505mg、収率96%)を灰色の固体として得る。
【0225】
MeCN(40mL)中のメチル2,4−ジヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(708mg、3.0mmol)、NaHCO(290mg、3.45mmol)およびKI(100mg、0.6mmol)の溶液を60℃にゆっくり加温し、その後、BnBr(616mg、3.6mmol)を加える。混合物を80℃にて一晩撹拌する。混合物を室温に冷やし、蒸発させる。残渣を10%水性HClでクエンチしpH=6にし、EA(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(50mL2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(5:1)で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(667mg、収率68%)を白色固体として得る。
【0226】
DCM(30mL)中のメチル4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(652mg、2.0mmol)およびEtN(606mg、6.0mmol)の溶液に、0℃にて、DCM(3mL)中の(Tf)O(846mg、3.0mmol)を滴下して加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。水(50mL)を加え、混合物をDCM(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE−EA(8:1)で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(834mg、収率:91%)を白色固体として得る。
【0227】
1,4−ジオキサン(30mL)中のメチル4−(ベンジルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)−2−(トリフルオロメチル−スルホニルオキシ)ベンゾエート(378mg、0.83mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(563mg、2.49mmol)およびKOAc(244mg、2.49mmol)の溶液に、PdCl(dppf)(61mg、0.083mmol)を加える。反応混合物を50℃にてアルゴン雰囲気下で一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、PE−EA(5:1)で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(295mg、収率84%)を白色固体として得る。
【0228】
乾燥THF(10mL)中のメチル4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(211mg、0.5mmol)の溶液に、0℃にてLiAlH(57mg、1.5mmol)を加える。反応混合物を室温にて4時間撹拌し、次いで3NのHClを加えてpH=2にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(43mg、収率28%)を白色固体として得る。
【0229】
MeOH(10mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−(トリフルオロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(125mg、0.41mmol)の溶液を、大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(15mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(84mg、収率95%)を灰色の固体として得る。
【0230】
アセトン(15mL)中の7−(トリフルオロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(146mg、0.67mmol)およびKCO−(277mg、2.01mmol)の溶液に、ブロモアセトン(184mg、1.34mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、prep−HPLC、次いでPE−EA(3:2)で溶出したprep−TLCにより精製して、所望の生成物(48mg、収率26%)を白色固体として得る。
【0231】
MeOH(3mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(48mg、0.18mmol)、NHCl(19mg、0.36mmol)およびアンモニア(MeOH中7N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(22mg、0.45mmol)を加える。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄する。THF溶液を回転蒸発させて、所望の生成物(粗製物)を白色固体(54mg)として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0232】
DMF(5mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(45mg、0.22mmol)、HATU(137mg、0.36mmol)およびDIPEA(70mg、0.54mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(54mg、粗製物、0.18mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(12mg、2工程にわたって収率14%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.11(s,1H),9.07(s,1H),7.98(d,J=8.8Hz,2H),7.64(d,J=8.4Hz,1H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=8.8Hz,1H),4.96(s,2H),4.62(d,J=9.2Hz,1H),4.39(d,J=9.2Hz,1H),1.83(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=489.0(M+1,ESI+)。
【0233】
実施例24
N−(2−シアノ−1−(4,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化52】
DMF(80mL)中の3−ブロモ−5−クロロフェノール(20.6g、100mmol)およびイミダゾール(145g、220mmol)の溶液に、0℃にてTBDMSCl(16.5g、110mmol)を加え、混合物を室温にて一晩撹拌する。水を0℃にて加え、水層をDCMで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=100:1)により精製して、所望の生成物を無色の油(33g)として得る。
【0234】
THF(150mL)中の2,2,6,6−テトラメチルピペラジン(7.33g、52mmol)の溶液に、−78℃にてn−ブチルリチウム(20.8mL、52mmol)をゆっくり加える。それを0℃にて1時間撹拌する。次いで混合物を−78℃に再び冷却し、50mLのTHF中の(3−ブロモ−5−クロロフェノキシ)−(tert−ブチル)ジメチルシラン(12.8g、40mmol)の溶液を加える。それを−78℃にて2時間撹拌し、その後、DMF(5.8g、80mmol)を加える。混合物を−78℃にて1時間撹拌し、pH=4になるまで1NのHClを加え、EtOAcで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して固体を得、それをDCMでリンスして、所望の生成物(6g、収率64%)を得る。
【0235】
MeOH(100mL)中の2−ブロモ−6−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.3g、10mmol)の溶液に、0℃にてNaBH(1.1g、30mmol)を滴下して加える。混合物を室温にて1時間撹拌する。NHCl水溶液を加え、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮して、所望の生成物(1.6g、収率69%)を得る。
【0236】
0℃にて、TFA(260mg、2.3mmol)を、DCM(200mL)中のエトキシエテン(5.0g、69.6mmol)および3−ブロモ−5−クロロ−4−(ヒドロキシメチル)フェノール(5.5g、23.2mmol)の混合物にゆっくり加える。それを室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。混合物をHOで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、カラムにより精製して、所望の生成物(4.5g、収率51%)を得る。
【0237】
THF(50mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−5−(1−エトキシエトキシ)−2−((1−エトキシエトキシ)メチル)ベンゼン(3.8g、10mmol)およびB(O−iPr)(TIPB、3.3g、12mmol)の溶液に、−78℃にてn−BuLi(2.5N、5.2mL、13mmol)を加える。それを1時間撹拌し、次いで0℃にゆっくり加温する。2NのHClをpH=6になるまで加える。EtOAcを加え、有機物を分離し、乾燥させ、所望の生成物(3.1g、粗製物)に濃縮する。
【0238】
アセトン(20mL)中の3−クロロ−5−(1−エトキシエトキシ)−2−((1−エトキシエトキシ)メチル)フェニルボロン酸(3.1g、8.9mmol)の溶液に、4NのHCl(14mL)を加える。それを室温にて5時間撹拌する。TLCモニタリングにより、出発物質が消費されていることが示された。得られた混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサンで洗浄して所望の生成物(1.7g)を得る。
【0239】
DCM(80mL)およびDMF(15.0mL)中の4−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(1.75g、9.5mmol)の溶液に、NCS(1.37g、10.2mmol)を加える。反応混合物を一晩撹拌し、得られた反応物を減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体(2g、収率95%)として得る。
【0240】
DMF(30mL)中の4,7−ジクロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(3.0g、13.2mmol)の撹拌溶液に、0℃にてNaH(660mg、27.5mmol)をゆっくり加え、10分間撹拌し、その後、ブロモアセトン(3.74g、27.5mmol)を同じ温度にてゆっくり加える。得られた混合物を0℃にて3時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、希釈したHCl溶液でpH=5に酸性にし、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1〜30:1)により精製して、所望の生成物(1.0g)を得る。
【0241】
7NのNHMeOH(30mL)中の1−(4,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(1.0g、粗製物、3.6mmol)およびNHCl(390mg、7.3mmol)の撹拌溶液に、TMSCN(723mg、7.3mmol)を一度に加える。それを室温にて一晩撹拌する。TLCモニタリングにより、ケトン化合物が消費されていることが示された。混合物を濃縮して残渣を得、次いでそれをEtOAc(50mL)で溶解する。水で洗浄した後、有機層を乾燥させ、濃縮して、所望の生成物(粗製物、600mg)を得、それを精製せずに次の工程に使用する。
【0242】
乾燥THF(20mL)中の2−アミノ−3−(4,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(600mg、粗製物、2.0mmol)およびDIPEA(645mg、5.0mmol)の撹拌混合物に、0℃にて、THF(2mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリド(449mg、2.0mmol)の溶液を滴下して加える。得られた混合物を室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。希釈したHClをpH=5になるまで加え、それをEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1〜10:1)により精製して粗生成物を得る。粗生成物を、prep−HPLC(カラム:Agilent XDB−C18、150mm20mm 5μm、移動相A:H2O+0.1%TFA;移動相B:ACN、B%40〜100、流速:30mL/分)によりさらに精製して、N−(2−シアノ−1−(4,7−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(80mg)として得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.41(s,1H),9.07(s,1H),7.98(d,2H,J=8.0Hz),7.51(d,2H,J=8.0Hz),7.49(s,1H),4.90(dd,2H),4.61(d,1H,J=9.6Hz),4.45(d,1H,J=9.6Hz),1.85(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて97.9%および254nmにて95.8%。MS:m/z=489.0(M+1,ESI+)。
【0243】
実施例25
N−(2−シアノ−1−(7−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化53】
MeOH(800mL)中の1,2,3−トリフルオロ−4−ニトロベンゼン(80g、0.45mmol)の撹拌溶液に、MeONa(54g、0.99mmol)を0℃にて一度にゆっくり加える。得られた混合物を室温にて一晩撹拌する。TLCにより、反応が完了していることが示された。溶媒を蒸発させ、残渣を水で洗浄し、希釈したHCl溶液でpH=7.0に酸性にし、EtOAcで抽出する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EtOAc=100:1〜30:1)により精製して、所望の生成物(72g、80%収率)を得る。
【0244】
O(155mL)およびエタノール(620mL)の混合溶媒中の2−フルオロ−1,3−ジメトキシ−4−ニトロベンゼン(30.0g、0.15mol)およびNHCl(31.2g、0.6mol)の混合物に、鉄粉末(67.2g、1.2mol)を少しずつ加える。添加を完了した後、混合物を窒素下で3時間還流し、セライトで濾過し、真空中で濃縮する。残渣をCHCl(3×300ml)で抽出する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して、粗3−フルオロ−2,4−ジメトキシアニリンを得、それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0245】
THF/濃HCl/HO(v:v:v=1:1:1、210mL)中の3−フルオロ−2,4−ジメトキシアニリン(30g、0.18mol)の溶液に、NaNO溶液(18g、0.26mol、3M)を0℃未満で滴下して加える。混合物を0℃にて0.5時間撹拌し、次いでKI溶液(58g、0.35mmol)を0.5時間にわたってゆっくり滴下して加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで混合物を蒸発させ、EtOAc(3×300mL)で抽出する。有機物をNaSOで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EtOAc=100:1〜40:1)により精製して、所望の生成物(24.67g、50%収率)を白色固体として得る。
【0246】
THF(250mL)中の2−フルオロ−4−ヨード−1,3−ジメトキシベンゼン(20g、70.9mmol)の撹拌溶液に、n−BuLi(2.5M、29.8ml)を−78℃にて滴下して加える。混合物をこの温度にて0.5時間撹拌する。次いでDMF(7.76g、106.3mmol)を−78℃にて滴下して加える。次いで混合物を−78℃にて1時間撹拌する。混合物を飽和NHClでクエンチし、EtOAc(2×200mL)で抽出する。合わせた抽出物を1NのHCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=90:1〜50:1)により精製して、所望の生成物(11.7g、90%収率)を白色固体として得る。
【0247】
DCM(200mL)中の3−フルオロ−2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(10g、54.2mmol)の撹拌溶液に、BBr(40.76g、16.3mmol)を−78℃にてゆっくり加える。混合物を室温までゆっくり加温し、6時間撹拌する。TLCにより、反応が完了していることが示された。混合物を氷水に注ぎ、DCMで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EtOAc=50:1〜10:1)により精製して、所望の生成物(8.0、90%収率)を白色固体として得る。
【0248】
アセトン(20mL)中の3−フルオロ−2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(2g、12.8mmol)およびKCO(1.7g、12.8mmol)の混合物に、MOMCl(1.5g、19.2mmol)を0℃にてゆっくり加える。得られた混合物を0℃にて5時間撹拌し、水に注ぎ、飽和NaHCO−で洗浄し、EtOAcで抽出する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EtOAc=100:1〜30:1)により精製して、所望の生成物(1.8g、収率70%)を白色固体として得る。
【0249】
DCM(20mL)中の3−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(3g、14.9mmol)の撹拌溶液に、0℃にてピリジン(2.35g、29.8mmol)を加える。それを10分間撹拌する。次いでTfO(4.62g、16.4mmol)を滴下して加える。得られた混合物を室温にて4時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、希釈したHCl溶液でpH=7に調整し、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=100:1〜30:1)により精製して、所望の生成物(3.1g、収率61%)を得る。
【0250】
乾燥ジオキサン(40mL)中の2−フルオロ−6−ホルミル−3−(メトキシメトキシ)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(3.0g、9.04mmol)、(PinB)(4.59g、18.1mmol)およびKOAc(1.78g、18.1mmol)の撹拌溶液に、N下でPdCl(dppf)(0.74g、0.9mmol)を加える。得られた混合物を70〜75℃にて1時間撹拌し、濾過する。濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=40:1〜27:1)により精製して、所望の生成物(2.43g、83%収率)を白色固体として得る。
【0251】
MeOH(20mL)中の3−フルオロ−4−(メトキシメトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(2.3g、7.42mmol)の混合物に、NaBH(1.33g、37.1mmol)を0℃にて注意深く加える。次いで混合物を室温にて0.5時間撹拌し、濃HCl(6ml)を加え、一晩撹拌する。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(2×50mL)で抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1〜40:1)により精製して、所望の生成物(0.7g、60%収率)を白色固体として得る。
【0252】
アセトン(15mL)中の7−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(0.6mg、2.87mmol)およびKCO(0.77g、55.65mmol)の撹拌溶液に、N下で1−ブロモプロパン−2−オン(0.96g、7.14mmol)を加える。得られた混合物を室温にて撹拌し、濾過し、濃縮して粗生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:CHOH=125:1〜70:1)により精製して、所望の生成物(179mg、20%収率)を白色固体として得る。
【0253】
MeOH(7N、8mL)のNH中の1−(7−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(179mg、0.72mmol)の撹拌溶液に、0℃にてNHCl(189mg、3.58mmol)およびTMSCN(213mg、2.15mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をTHF(50ml)で洗浄し、濾過する。濾液を蒸発させ、粗生成物の所望の生成物(160mg)をさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0254】
乾燥THF(20mL)中の2−アミノ−3−(7−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(160mg、粗製物、0.64mmol)およびDIPEA(165mg、1.28mmol)の撹拌混合物に、0℃にてTHF(10mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリド(143mg、0.64mmol)の溶液を滴下して加える。得られた混合物を室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。希釈したHClをpH=5.0になるまで加える。それをEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1〜30:1)により精製して、所望の生成物を白色固体(85mg、2工程にわたって30%収率)として得る。
【0255】
実施例26
N−(1−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化54】
DMF(80mL)中の3−ブロモ−5−フルオロフェノール(19g、100mmol)およびイミダゾール(15g、220mmol)の溶液に、0℃にてTBDMSCl(16.5g、110mmol)を加え、混合物を室温にて一晩撹拌する。水を0℃にて加え、水層をDCMで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=100:1)により精製して、所望の生成物を無色の油(30g)として得る。
【0256】
THF(200mL)中の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(HTMP、6g、42.5mmol)の溶液に、−78℃にてn−BuLi(2.5N、17mL、42.6mmol)を加える。次いでそれを0℃にゆっくり加温し、この温度にて0.5時間撹拌する。混合物を−78℃に再び冷却し、THF(80mL)中の(3−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(10g、32.8mmol)の溶液を0.5時間にわたってゆっくり加える。それを同じ温度にて1.5時間撹拌する。DMF(4.8g、66mmol)を加え、−78℃にて1時間撹拌し、次いで−10℃にゆっくり加温する。2NのHClをpH=3になるまで加える。有機物を分離し、乾燥させ、残渣に濃縮し、それをヘキサンで洗浄して、所望の生成物を黄色の固体(2.6g、36%収率)として得る。
【0257】
MeOH(100mL)中の2−ブロモ−6−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.6g、11.9mmol)の溶液に、0℃にてNaBH(1.4g、35.7mmol)を少しずつ加える。混合物を室温にて1時間撹拌する。NHCl水溶液を加え、EtOAcで抽出する。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して所望の生成物(2.2g、収率85%)を得る。
【0258】
0℃にて、TFA(26mg、0.23mmol)を、DCM(30mL)中のエトキシエテン(980mg、13.6mmol)および3−ブロモ−5−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)フェノール(1g、4.5mmol)の混合物にゆっくり加える。それを室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。それに十分なDCMを加え、HOで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、カラムにより精製して、所望の生成物(900mg、収率55%)を得る。
【0259】
THF(30mL)中の1−ブロモ−5−(1−エトキシエトキシ)−2−((1−エトキシエトキシ)メチル)−3−フルオロベンゼン(2.5g、6.85mmol)およびB(O−iPr)(1.55g、8.2mmol)の溶液に、−78℃にてn−BuLi(2.5N、3.6mL、8.9mmol)を加え、1時間撹拌し、次いで0℃にゆっくり加温する。2NのHClをpH=6になるまで加える。EtOAcを加え、有機層を分離し、乾燥させ、濃縮して残渣5−(1−エトキシエトキシ)−2−((1−エトキシエトキシ)メチル)−3−フルオロフェニルボロン酸(2g、粗製物)を得る。
【0260】
アセトン(20mL)中の4NのHCl(8mL)、5−(1−エトキシエトキシ)−2−((1−エトキシ−エトキシ)メチル)−3−フルオロフェニルボロン酸(2g、粗製物、6mmol)の溶液を室温にて一晩撹拌し、濃縮して、固体残渣を得る。EtOAcを加えて固体を溶解し、撹拌しながらヘキサンをゆっくり加える。沈殿物が形成する。濾過により、所望の生成物を灰色の固体(800mg、79%)として得る。
【0261】
DCM(50mL)およびDMF(7mL)中の4−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(800mg、4.8mmol)の溶液にNCS(636mg、4.87mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(500mg)を得る。
【0262】
DCM(10mL)中の7−クロロ−4−フルオロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(500mg、2.5mmol)の撹拌溶液に、0℃にてNaH(200mg、5mmol)をゆっくり加える。それを10分間撹拌し、その後、ブロモ−アセトン(685mg、5mmol)を同じ温度にてゆっくり加える。得られた混合物を0℃にて3時間撹拌し、水に注ぎ、希釈したHClでpH=5.0に酸性にし、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1〜10:1)により精製して、所望の生成物(300mg)を得る。
【0263】
MeOH(10mL)の7NのNH中の1−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(100mg、粗製物、0.35mmol)およびNHCl(40mg、0.7mmol)の撹拌溶液に、TMSCN(70mg、0.7mmol)を一度に加える。それを室温にて一晩撹拌し、濃縮して残渣を得る。それをEtOAcに溶解し、HOで洗浄し、乾燥させ、濃縮して所望の生成物(粗製物、100mg)を得、それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0264】
乾燥THF(20mL)中の2−アミノ−3−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(100mg、粗製物、0.35mmol)およびDIPEA(90mg、0.7mmol)の撹拌混合物に、THF(5mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリド(0.1N、5mL、0.52mmol)の溶液を0℃にて滴下して加える。添加後、得られた混合物を室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。希釈したHClを、pH=5になるまで加える。それにEtOAcを加え、水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して残渣を得る。それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1〜10:1)により精製して、粗生成物を得る。粗生成物を、prep−HPLC(カラム:Agilent XDB−C18、150mm20mm 5μm、移動相A:HO+0.1%TFA;移動相B:ACN、B%40〜100、流速:30mL/分)によりさらに精製して、N−(1−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(4mg、収率2%)として得る。H NMR(アセトン−d,400MHz):δ8.39(s,1H),8.30(brs,1H),8.03(d,2H,J=8.4Hz),7.43(d,2H,J=8.4Hz),7.22(d,1H,J=10Hz),5.00(d,2H,J=1.6Hz),4.69(d,1H,J=9.6Hz),4.60(d,1H,J=9.6Hz),2.01(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて97.7%および254nmにて99.6%;MS:m/z=473.1(M+1,ESI+)。
【0265】
実施例27
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化55】
THF(60mL)中の2,6−ジメトキシベンズアルデヒド(4.98g、30mmol)の溶液を0℃に冷却し、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(5.11g、36mmol)を加え、続いてBuNF(0.2mL、THF中1N)を加える。溶液を室温にて1.5時間撹拌する。次いで溶液を30mLの1N HClで処理し、2時間撹拌する。溶液をEAで抽出する。EA層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて1の所望の生成物(6.73g、収率95%)を淡黄色の固体として得る。
【0266】
トルエン(60mL)中の1−(2,6−ジメトキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール(2.89g、12.2mmol)の溶液に、SOCl(2.9g、24.4mmol)およびピリジン(0.2mL)を加える。反応混合物を70℃に加熱し、この温度にて3時間撹拌し、次いで室温に冷やし、真空中で濃縮する。残渣を、PE:EA=8:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.85g、収率92%)を黄色の固体として得る。
【0267】
MeOH(30mL)およびEA(30mL)中の2−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジメトキシベンゼン(2.63g、10.4mmol)の溶液を、大気圧下で10%Pd/C(263mg)を触媒として使用して水素化する。反応混合物を45℃にて一晩撹拌する。触媒をセライト上での濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(2.19g、収率96%)を白色固体として得る。
【0268】
DCM(50mL)中の1,3−ジメトキシ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼン(3.3g、15.0mmol)の溶液に、−10℃にてBBr(9.38mL、37.5mmol)を滴下して加える。混合物を−10℃にて0.5時間撹拌し、次いで室温にて一晩撹拌する。水(50mL)を加え、混合物をEA(100mL3)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=6:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.15g、収率75%)を固体として得る。
【0269】
POCl(3.83g、25mmol)を0℃にてDMF(15mL)に加える。20分間撹拌した後、DMF(5mL)中の2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(1.92g、10mmol)をゆっくり加える。反応混合物を室温にて4時間撹拌する。混合物を氷水に注ぎ、沈殿物を濾過して、所望の生成物(1.6g、収率65%)を黄色の固体として得る。
【0270】
MeCN(50mL)中の2,4−ジヒドロキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアルデヒド(1.6g、7.3mmol)、NaHCO(0.74g、8.8mmol)およびKI(0.24g、1.5mmol)の混合物を60℃にゆっくり加温する。次いで臭化ベンジル(1.44g、8.4mmol)を加え、混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、溶媒を回転蒸発させる。残渣を、PE:EA=8:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.83g、収率81%)を白色固体として得る。
【0271】
DCM(40mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアルデヒド(1.24g、4.0mmol)およびピリジン(1.58g、20.0mmol)の溶液に、TfO(2.48mL、8.8mmol)を0℃にてゆっくり加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、EA(150mL3)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=6:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(636mg、収率36%)を黄色の油として得る。
【0272】
1,4−ジオキサン(100mL)中の3−(ベンジルオキシ)−6−ホルミル−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(3.14g、7.1mmol)、KOAc(5.57g、56.8mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(7.27g、28.4mmol)およびPdCl(dppf)(0.624g、0.852mmol)の混合物を100℃に加熱し、N下で16時間撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、濾液を回転蒸発により濃縮する。残渣を、PE:EA=6:1での溶出によってシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体(1.81g、収率63%)として得る。
【0273】
THF(25mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアルデヒド(1.09g、2.68mmol)の溶液に、NaBH(0.2g、5.36mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌し、次いでそれを氷浴にてHCl(5mL、6N)にゆっくり加える。混合物を室温にて16時間撹拌し続ける。反応混合物を水に注ぎ、EA(100mL3)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体として所望の生成物(390mg、収率45%)を得る。
【0274】
MeOH(20mL)およびEA(20mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(390mg、1.21mmol)の混合物を、大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(39mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(278mg、収率99%)を淡黄色の固体として得る。
【0275】
アセトン(15mL)中の7−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(278mg、1.2mmol)およびKCO(331mg、2.4mmol)の溶液に、ブロモアセトン(214mg、1.56mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。反応混合物を濾過し、残渣をアセトン(5mL)で洗浄する。濾液を濃縮し、残渣を、溶出液としてPE:EA=4:1を使用したprep−TLCにより精製して、所望の生成物(208mg、収率60%)を白色固体として得る。
【0276】
MeOH(8mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(208mg、0.72mmol)、NHCl(77mg、1.44mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、3mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(88mg、1.8mmol)を添加した。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をTHFで洗浄し、THF溶液を蒸発させて、所望の生成物(粗製物)を白色固体(226mg)として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0277】
DMF(12mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(178mg、0.86mmol)、HATU(547mg、1.44mmol)およびDIPEA(279mg、2.16mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、次いで2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(226mg、0.72mmol、粗製物)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(200mg、2工程にわたって収率56%)を白色固体として得る。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ9.13(s,1H),9.06(s,1H),8.00(d,J=8.5Hz,2H),7.51(d,J=8.5Hz,2H),7.38(d,J=8.5Hz,1H),7.25(d,J=8.5Hz,1H),4.95(s,2H),4.51(d,J=9.0Hz,1H),4.33(d,J=9.0Hz,1H),3.78(q,J=11.0Hz,2H),1.85(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=503.0(M+1,ESI+)。
【0278】
実施例28
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化56】
撹拌棒を備えた丸底フラスコ内に、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、72.5mmol)、炭酸水素ナトリウム(7.91g、94.2mmol)、KI(2.07g、14.5mmol)およびMeCN(200mL)を入れる。還流凝縮器をフラスコに取り付け、60℃にゆっくり加温する。この時に、臭化ベンジル(8.5mL、72.5mmol)を加え、混合物を80℃に加温する。一晩還元した後、混合物を室温に冷却し、回転蒸発によって濃縮する。残渣を10%水性HCl(50mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を、PE:EA=6:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(13.3g、収率80.6%)を非晶質の黄色の固体として得る。
【0279】
1,4−ジオキサン/HO(150mL、2:1)中の4−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(13.3g、58.3mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン/HO(50mL、2:1)中のNBS(11.4g、64.2mmol)の溶液を0℃にて滴下して加える。反応混合物を室温に加温し、3時間撹拌する。次いでEA(300mL)を加え、有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=15:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(14.0g、収率77.8%)を黄色の固体として得る。
【0280】
DMF(25mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、16.3mmol)、KCO(6.75g、48.9mmol)、KI(541mg、3.26mmol)および1−ブロモ−2−メトキシエタン(4.53g、32.6mmol)の混合物を70℃にて16時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を水(50mL)に注ぐ。混合物をEA(100ml3)で抽出する。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=4:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(4.16g、収率70.0%)を淡黄色の固体として得る。
【0281】
1,4−ジオキサン(150mL)中の化合物4−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−3−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド(3.5g、9.59mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(6.47g、28.77mmol)、Pd(dppf)Cl(701mg、0.96mmol)およびKOAc(4.7g、47.95mmol)の混合物をアルゴン下で100℃にて一晩撹拌する。水(100mL)を加え、混合物をEA(200mL3)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=5:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4の所望の生成物(2.95g、収率75.0%)を淡黄色の油として得る。
【0282】
THF(30mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド(3.55g、8.92mmol)の溶液に、NaBH(678mg、17.84mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌し、次いでそれに3NのHClをゆっくり加えてpH=2にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を、PE:EA=3:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.9g、収率68.0%)を白色固体として得る。
【0283】
MeOH(20mL)およびEA(20mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1.0g、3.18mmol)の混合物を、大気圧下で一晩、10%Pd/C(318mg、0.318mmol)を触媒として使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE:EA=2:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(440mg、収率61.7%)を白色固体として得る。
【0284】
アセトン(20mL)中の7−(2−メトキシエトキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(240mg、1.07mmol)およびKCO(443mg、3.21mmol)の溶液に、ブロモアセトン(293mg、2.14mmol)を加える。反応混合物を3時間還流し、減圧下で蒸発させる。残渣を、PE:EA=3:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(120mg、収率40.0%)を白色固体として得る。
【0285】
MeOH(2mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(120mg、0.43mmol)、NHCl(46mg、0.86mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(42mg、0.86mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を室温にて減圧下で除去する。残渣をTHFと混合し、濾過する。濾液を濃縮して、所望の生成物(粗製物)(200mg)を無色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0286】
DMF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(133mg、0.645mmol)、DIPEA(0.25mL、1.29mmol)およびHATU(245mg、0.645mmol)の溶液を室温にて10分間撹拌し、次いでDMF(2mL)中の粗2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(200mg、0.65mmol)を加える。反応混合物を50℃にて一晩撹拌し、蒸発させる。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(40mg、2工程にわたって収率:20%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.95(s,1H),8.90(s,1H),7.98(d,J=8.0Hz,2H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),6.99(d,J=8.0Hz,1H),4.90(s,2H),4.67(d,J=9.2Hz,1H),4.27−4.32(m,3H),3.60−3.62(m,2H),3.25(s,3H),1.84(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて94.15%および254nmにて100%;MS:m/z=495.1(M+1,ESI+)。
【0287】
実施例29
tert−ブチル2−(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート
【化57】
MeCN(150mL)中の3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、72.5mmol)、炭酸水素ナトリウム(8.0g、94.3mmol)およびKI(2.4g、14.5mmol)の混合物をゆっくり60℃に加温する。この時に、臭化ベンジル(8.6mL、72.5mmol)を加え、混合物を80℃に加温する。一晩還流した後、次いで混合物を室温に冷やし、回転蒸発により濃縮する。残渣を10%水性HCl(50mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた油を、PE:EA=6:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(11.0g、収率:66.7%)を非晶質の黄色の固体として得る。
【0288】
1,4−ジオキサンおよびHO(100mL、5:2)中の4−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(11.0g、48.2mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン/HO(30mL、5:2)中のNBS(9.44g、53.0mmol)の溶液を0℃にて滴下して加える。反応混合物を室温に加温し、3時間撹拌する。次いでEA(300mL)を加え、有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=15:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(11.85g、収率80%)を黄色の固体として得る。
【0289】
DMF(60mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(3.07g、1.0mmol)、KCO(3.4g、2.5mmol)およびKI(330mg、0.2mmol)の混合物を室温にて0.5時間撹拌し、次いでtert−ブチル2−ブロモエチルカルバメート(2.9g、1.3mmol)を加え、混合物を70℃で一晩加温する。室温に冷やした後、反応混合物を濾過し、濾液を水(120mL)に注ぎ、EA(150ml3)で抽出する。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=5:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(3.6g、収率:80%)を白色固体として得る。
【0290】
1,4−ジオキサン(100mL)中のtert−ブチル2−(6−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−3−ホルミルフェノキシ)−エチルカルバメート(3.0g、6.7mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(4.54g、20mmol)、Pd(dppf)Cl(440mg、0.6mmol)およびKOAc(3.28g、33.5mmol)の混合物を100℃にてアルゴン下で一晩撹拌する。水(100mL)を加え、混合物をDCM(200mL2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=5:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチルの所望の生成物(1.3g、収率:40.1%)を白色固体として得る。
【0291】
THF(30mL)中のtert−ブチル2−(6−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−ホルミルフェノキシ)エチルカルバメート(1.3g、2.7mmol)の溶液に、NaBH(130mg、3.42mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで酢酸(0.2mL)を0℃にてゆっくり加える。溶媒を除去し、残渣を、PE:EA=3:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(583mg、収率80%)を白色固体として得る。
【0292】
MeOH(20mL)中のtert−ブチル2−(6−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−ホルミルフェノキシ)エチルカルバメート(580mg、1.45mmol)の溶液を、一晩、大気圧下で触媒として10%Pd/C(80mg、0.145mmol)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE:EA=2:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を得る。
【0293】
アセトン(20mL)中の2−(1,6−ジヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート(360mg、1.16mmol)およびKCO(320mg、2.32mmol)の溶液に、ブロモ−アセトン(234mg、1.74mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE:EA=3:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(280mg、収率66%)を白色固体として得る。
【0294】
MeOH(5mL)中のtert−ブチル2−(1−ヒドロキシ−6−(2−オキソプロポキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート(280mg、0.77mmol)、NHCl(84mg、1.54mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、5mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(75mg、1.54mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を室温にて減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄し、濾過する。濾液を濃縮して、所望の生成物(粗製物)(320mg)を無色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0295】
DMF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(238mg、1.16mmol)、DIPEA(0.41mL、2.31mmol)およびHATU(585mg、1.54mmol)の溶液を室温にて20分間撹拌し、次いでDMF(2mL)中の粗tert−ブチル2−(6−(2−アミノ−2−シアノプロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート(320mg、0.77mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。それをprep−HPLCにより精製して、tert−ブチル2−(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート(107mg、収率:2工程にわたって24%)を白色固体として得る。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ9.11(s,1H),8.99(s,1H),7.98(d,J=8.0Hz,2H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.01(d,J=8.0Hz,1H),6.78(b,1H),4.90(s,2H),4.47(d,J=9.0Hz,1H),4.29(d,J=9.0Hz,1H),4.16(t,J=6.0Hz,2H),3.24(q,J=6.0Hz,2H),1.85(s,3H),1.34(s,9H)ppm;HPLC純度:214nmにて98.15%および254nmにて100%;MS:m/z=602.1(M+23,ESI+)。
【0296】
実施例30および31
N−(1−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化58】
N−(1−アミノ−3−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化59】
DCM(10mL)中のtert−ブチル2−(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)エチルカルバメート(80mg、0.14mmol)の溶液に、DCM(2mL)中のTFA(3mL)を滴下して加える。反応混合物を室温にて30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、即座にprep−HPLCにより精製して、N−(1−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロ−メトキシ)ベンズアミド(11mg、収率33.3%)およびN−(1−アミノ−3−(7−(2−アミノエトキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(12mg、収率35.0%)をそれぞれ白色固体として得る。実施例30についての分析データ:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.97(s,1H),7.98(d,J=8.0Hz,2H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.11(d,J=8.0Hz,1H),6.87(d,J=8.0Hz,1H),5.33(s,1H),4.99(s,2H),4.75〜3.80(m,4H),3.02(s,1H),1.81(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて98.76%および254nmにて100%;MS:m/z=480.1(M+1,ESI+)。実施例31についての分析データ:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.33(s,1H),7.93(d,J=8.0Hz,2H),7.42−7.46(m,3H),7.13(s,1H),6.99(d,J=8.0Hz,1H),6.80(d,J=8.0Hz,1H),5.28(s,1H),4.95(s,2H),4.75〜4.20(m,4H),3.82(s,1H),3.25(s,2H),1.58(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=498.2(M+1,ESI+)。
【0297】
実施例32
N−(2−シアノ−1−(7−シアノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化60】
THF(150mL)中の2−ブロモ−4−フルオロ−1−メチルベンゼン(6.6g、35.1mmol)の溶液に、LDA(17ml、42.1mmol)を−78℃にて加え、混合物を−78℃にて2時間撹拌する。次いでDMF(3.1g、42.1mmol)を加える。室温にて0.5時間撹拌した後、反応を水でクエンチし、EA(2×200mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を黄色の油(7.0g、収率92%)として得る。
【0298】
NaOMe(40mL、MeOH中3mol/l)の溶液に、2−ブロモ−6−フルオロ−3−メチルベンズアルデヒド(7.0g、32.4mmol)を加える。16時間還流した後、反応を2NのHClでクエンチし、pH=2にする。得られた混合物を真空中で濃縮し、水で洗浄し、EA(2×30mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を淡黄色の粉末(5.0g、収率68%)として得る。
【0299】
雰囲気下で、HOAc(100mL)中の2−ブロモ−6−メトキシ−3−メチルベンズアルデヒド(5.0g、22mmol)の溶液に、NaOAc(43.6g、44mmol)およびNHOH・HCl(3.1g、44mmol)を加える。混合物を125℃にて一晩撹拌する。次いで得られた混合物を真空中で濃縮し、EA(2×30mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、所望の生成物を白色粉末(4.4g、収率89%)として得る。
【0300】
CCl(100mL)中の2−ブロモ−6−メトキシ−3−メチルベンゾニトリル(4.4g、19.6mmol)、NBS(10.5g、58.9mmol)およびBPO(474mg、1.96mmol)の混合物を、N下で11時間80℃にて撹拌する。次いで得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を淡黄色の固体(7.2g、収率95%)として得る。
【0301】
O(100mL)中の2−ブロモ−3−(ジブロモメチル)−6−メトキシベンゾニトリル(7.2g、19mmol)、NaHCO(4.8g、57mmol)の混合物をN下で100℃にて一晩撹拌する。次いで得られた混合物をEA(2×50mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、所望の生成物を白色粉末(4.1g、収率90%)として得る。
【0302】
MeOH(85mL)中の2−ブロモ−3−ホルミル−6−メトキシベンゾニトリル(4.1g、17.1mmol)の溶液に、NaBH(1.9g、51.4mmol)を加える。室温にて2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、EA(2×50mL)で抽出する。それをNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、所望の生成物(3.3g、収率80%)を得る。
【0303】
DCM(100mL)中の2−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)−6−メトキシベンゾニトリル(3.3g、13.7mmol)、DHP(1.4g、16.4mmol)およびPPTS(330mg)の溶液を、N雰囲気下で2時間還流する。次いで得られた混合物を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、所望の生成物を無色の油(4.2g、収率90%)として得る。
【0304】
1,4−ジオキサン(100mL)中の2−ブロモ−3−ホルミル−6−メトキシベンゾニトリル(4.2g、12.9mmol)、Pin(9.0g、35.4mmol)、Pd(dppf)Cl(433mg、0.53mmol)、KOAc(5.1g、53.1mmol)の混合物を、N下で80℃にて一晩撹拌する。次いで得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗生成物(6.4g)を得る。
【0305】
THF(120mL)中の6−メトキシ−3−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル(6.4g、12.9mmol、粗製物)の溶液に、3NのHCl(20mL)を室温にて加え、混合物を室温にて14時間撹拌する。次いで得られた混合物をEA(2×50mL)で抽出する。EA層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、所望の生成物を白色固体(1.3g)として得る。
【0306】
DCM(20mL)中の1−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボニトリル(500mg、2.6mmol)の溶液に、BBr(2.0g、13.2mmol)を−78℃にて加え、混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで反応を水でクエンチし、EA(2×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(31mg)を得る。
【0307】
DMF(2mL)中の1,6−ジヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボニトリル(31mg、0.18mmol)の溶液に、0℃にてNaH(70.8mg、1.77mmol)を加え、混合物を0℃にて20時間撹拌する。次いでクロロアセトン(149mg、1.77mmol)を0℃にて滴下して加える。室温にて一晩撹拌した後、反応を水でクエンチし、EA(2×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、所望の生成物(13mg)を油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に直接使用する。
【0308】
NH・HO(0.5mL)中のNHCl(5.5mg、0.10mmol)およびNaCN(4.1mg、0.08mmol)の溶液に、MeOH(0.5mL)中の1−ヒドロキシ−6−(2−オキソプロポキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボ−ニトリル(13mg、0.06mmol)の溶液を加え、混合物を室温にて1時間撹拌し、その後MeCN(100mL)を加える。それを一晩撹拌し、蒸発させる。それをTHFに溶解し、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(粗製物)を黄色の油として得、それをさらに精製せずに次の工程に直接使用する(10mg)。
【0309】
DMF(1mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(8mg、0.04mmol)およびHATU(17.7mg、0.05mmol)の溶液に、DIPEA(0.02mL、0.12mmol)を加える。0.5時間撹拌した後、6−(2−アミノ−2−シアノプロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボニトリル(10mg、0.04mmol)を加え、混合物を一晩撹拌する。次いで反応を水でクエンチし、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−((7−シアノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(3.8mg、収率22%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.45(s,1H),9.14(s,1H),7.99(d,J=8.8Hz,2H),7.69(d,J=8.8Hz,1H),7.50(d,J=8.8Hz,2H),7.45(d,J=8.8Hz,1H),4.97(s,2H),4.67(d,J=9.2Hz,1H),4.53(d,J=9.2Hz,1H),1.87(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて97.5%および254nmにて95.7%;MS:m/z=446.0(M+1,ESI+)。
【0310】
実施例33
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェノキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化61】
3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(30.4g、0.2mol)、1,4−ジオキサン(250ml)および水(100ml)を混合し、N−ブロモスクシンイミド(37.38g、0.21mol)を0℃にて30分にわたって加える。2時間後、水(400ml)を加え、沈殿した結晶を濾過により回収する。結晶を水(1000ml)で洗浄して、所望の生成物(38.5g、収率83%)を白色固体として得る。
【0311】
2−ブロモ−3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(4.62g、20mmol)をDMSO(50mL)に溶解する。水酸化カリウム(1.23g、22mmol)および1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(4.23g、30mmol)を溶液に加える。反応混合物を130℃にて3時間撹拌する。粗製物を水(100mL)に注ぐと、沈殿が生じる。固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で一晩乾燥させて、所望の生成物(5.96g、収率84.9%)を薄茶色の固体として得る。
【0312】
80%エタノール(200mL)およびTHF(200mL)の混合溶媒に、2−ブロモ−4−メトキシ−3−(4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒド(7g、19.95mmol)および濃塩酸(20ml)を、20℃にて30分間、撹拌しながら加える。次いで鉄粉(8.93g、160mmol)を混合物に加える。それを20℃にて一晩撹拌する。不溶性物質を濾過し、濾液を濃縮する。残渣を0.5NのNaOHと混合し、沈殿が生じる。固体を濾過し、THFで溶解する。それを濾過して、不溶性物質をさらに除去する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物(粗製物)を得、それをさらに精製せずに次の反応に使用する。
【0313】
PO(50%、100mL)中の3−(4−アミノフェノキシ)−2−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド(6.42g、19.95mmol、粗生成物)の溶液に、0℃にて、NaNO(1.65g、23.9mmol)水溶液(10mL)を加える。混合物を0℃にて2時間撹拌し、次いで0℃にてアンモニアを加えてpH値を9に調整する。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをTHFで溶解する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムにより精製して、所望の生成物(1.24g、2工程にわたって収率:20.4%)を黄色の固体として得る。
【0314】
DCM(10mL)中の2−ブロモ−4−メトキシ−3−フェノキシベンズアルデヒド(650mg、3.13mmol)の溶液に、−15℃にてBBr(2.35mL、9.39mmol、DCM中4N)を加える。反応混合物を室温にて16時間撹拌する。溶液を氷水に注ぎ、EA(100mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して所望の生成物(650mg、収率71.1%)を白色固体として得る。
【0315】
DCM(50mL)中の2−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−フェノキシベンズアルデヒド(650mg、2.23mmol)の溶液に、(クロロメトキシ)エタン(631mg、6.68mmol)、続いてDIPEA(1.44g、11.13mmol)を加える。反応混合物を室温にて14時間撹拌する。水(100mL)を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた抽出物を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=5:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2の所望の生成物(597mg、収率76.3%)を黄色の油として得る。
【0316】
1,4−ジオキサン(50mL)中の2−ブロモ−4−(エトキシメトキシ)−3−フェノキシベンズアルデヒド(454mg、1.29mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(1.17g、5.17mmol)およびKOAc(1.27g、12.9mmol)の溶液に、PdCl(dppf)(142mg、0.19mmol)を加える。反応混合物を60℃にてアルゴン雰囲気下で一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、PE:EA=5:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(粗製物)(495mg)を淡黄色の固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0317】
THF(30mL)中の2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−4−(エトキシメトキシ)−3−フェノキシ−ベンズアルデヒド(495mg、1.29mmol、粗製物)の溶液に、NaBH(133mg、3.49mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いでそれに3NのHClをゆっくり加え、pH=1にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を、PE:EA=5:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(184mg、2工程にわたって収率:58.9%)を白色固体として得る。
【0318】
アセトン(30mL)中の7−フェノキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(100mg、0.413mmol)およびKCO(171mg、1.24mmol)の溶液に、ブロモアセトン(113mg、0.826mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。それを濾過し、濾液を蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(35mg、収率28.4%)を白色固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0319】
MeOH(2mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−フェノキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(58mg、0.19mmol)、NHCl(21mg、0.39mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(24mg、0.49mmol)を加える。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFと混合し、濾過する。THF濾液を蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(63mg)を得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0320】
DMF(2mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(40mg、0.19mmol)、HATU(145mg、0.39mmol)およびDIPEA(50mg、0.39mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、次いで2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−フェノキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(63mg、粗製物、0.19mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(7−エチル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(4.6mg、2工程にわたって収率4.6%)を白色固体として得る。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ8.86(s,1H),8.77(s,1H),7.87(d,J=9.0Hz,2H),7.47(d,J=8.5Hz,2H),7.36(d,J=8.5Hz,1H),7.25(d,J=8.0Hz,1H),7.20(t,J=8.0Hz,2H),6.89(t,J=7.5Hz,1H),6.79(d,J=8.0Hz,2H),4.95(s,2H),4.45(d,J=9.5Hz,1H),4.19(d,J=9.5Hz,1H),1.45(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=513.1(M+1,ESI+)。
【0321】
実施例34および35
N−(1−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化62】
N−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化63】
DCM(2.5mL)中のtert−ブチル(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)−プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)メチルカルバメート(50mg、0.091mmol)の溶液に、DCM(0.5mL)中のTFA(0.5mL)を滴下して加える。反応混合物を室温にて30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、即座にprep−HPLCにより精製して、N−(1−(4−アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(12.5mg)およびN−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(6.3mg)をそれぞれ白色固体として得る。第1の生成物についての分析データ:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.07(s,1H),9.06(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.17−7.16(m,2H),4.96(s,2H),4.53(d,J=9.2Hz,1H),4.26(d,J=9.2Hz,1H),3.65(s,2H),1.83(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=450.0(M+1,ESI+)。第2の生成物についての分析データ:H NMR(400MHz,CDOD−d)δ7.92(d,J=8.8Hz,2H),7.35(d,J=8.4Hz,2H),7.06(d,J=2Hz,1H),6.80(s,1H),4.84(s,2H),4.60(d,J=9.2Hz,1H),4.43(d,J=9.6Hz,1H),3.86(s,2H),1.74(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=468.1(M+1,ESI+)。
【0322】
実施例36
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化64】
O(100mL)中のレゾルシノール(11.0g、0.10mol)およびI(25.4g、0.01mmol)の溶液に、0℃にて激しく撹拌しながらNaHCO(9.24g、0.11mol)をゆっくり少しずつ加える(COの強い発生)。室温に加温した後、混合物を10分間撹拌する。混合物をEA(3×500mL)で抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=20:1、v:v)により精製して、所望の生成物(20g、85%収率)を白色固体として得る。
【0323】
POCl(166mL)を0℃にてDMF(330mL)に滴下して加える。混合物を室温にて1.5時間撹拌する。DMF(170mL)中の2−ヨード−ベンゼン−1,3−ジオール(43.0g、182mmol)の溶液を、温度を30℃未満に維持しながら滴下して加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、氷水(200mL)に注ぎ、NaHCOでpHを2〜3に調整し、EA(3×1L)で抽出する。有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それを精製せずに次の工程に使用する(51.0g)。
【0324】
DCM(500mL)中の2,4−ジヒドロキシ−3−ヨード−ベンズアルデヒド(67.0g)の溶液に、0℃にてDIPEA(167g、1.29mol)を加える。MOMCl(61.0g、745mmol)を0℃にて滴下して加える。混合物を室温にて16時間撹拌し、HO(800mL)を加え、pH=7になるまで6NのHClで中和し、DCM(3×800mL)で抽出する。有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=10:1、v:v)により精製して、所望の生成物(19.6g、2工程にわたって30%収率)を白色固体として得る。
【0325】
トルエン(500mL)中の3−ヨード−2,4−ビス−メトキシメトキシ−ベンズアルデヒド(10.0g、28.4mmol)、フェニルボロン酸(11.9g、113.6mmol)およびKPO(36.1g、170.4mmol)の撹拌溶液に、N下でPd(dppf)Cl(11.6g、14.2mmol)を加える。得られた混合物を一晩還流し、氷水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=50:1、v:v)により精製して、所望の生成物(7.50g、88%収率)を赤色の油として得る。
【0326】
MeOH(150mL)中の2,6−ビス(メトキシメトキシ)ビフェニル−3−カルバルデヒド(7.00g、23.2mmol)の撹拌溶液に、0℃にて6NのHCl(20mL)を滴下して加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。残渣をEA(300mL)に溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=1:1)により精製して、所望の生成物(5.00g、収率100%)を黄色の固体として得る。
【0327】
乾燥アセトン(100mL)中の2,6−ジヒドロキシ−ビフェニル−3−カルバルデヒド(2.50g、11.6mmol)の撹拌溶液に、臭化ベンジル(2.18g、12.8mmol)および炭酸カリウム(2.08g、15.1mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、濾過する。アセトンを除去し、粗生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(EA:PE=50:1、v:v)により精製して、6の所望の生成物(1.70g、50%収率)を白色固体として得る。
【0328】
DCM(10mL)およびピリジン(10mL)中の6−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルバルデヒド(1.50g、4.93mmol)の撹拌溶液に、TfO(2mL)を0℃にて滴下して加える。反応物を0℃にて1時間撹拌する。別の部のTf2O(2mL)を加え、反応を0℃にて2時間撹拌する。それを蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=40:1〜5:1、v:v)により直接精製して、所望の生成物(900mg)を黄色の油として得る。
【0329】
THF(30mL)中の6−(ベンジルオキシ)−3−ホルミルビフェニル−2−イルトリフルオロメタンスルホネート(900mg、2.06mmol)、pin(1.08mg、4.13mmol)およびKOAc(550mg、5.52mmol)の混合物を、30分間、Nで脱気し、次いでPd(dppf)Cl(375mg、0.46mmol)を加える。混合物を一晩60℃で加熱する。反応物を冷やし、固体を濾過する。溶媒を除去して残渣を得、それをフラッシュカラムにより精製して、所望の生成物(230mg、27%収率)を得る。
【0330】
MeOH(7mL)中の6−ベンジルオキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ビフェニル−3−カルバルデヒド(23mg、0.55mmol)の溶液に、0℃にてNaBH(42.0g、1.11mol)を加える。混合物を室温にて1時間撹拌する。次いで溶媒を除去し、3NのHCl(3mL)およびTHF(1mL)を加え、0℃にて滴下して加える。反応物を室温に加温し、3時間撹拌する。混合物をEA(30mL)で希釈し、水で洗浄してpH=6にし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをprep−TLC(PE:EA=3:1、v:v)により精製して、所望の生成物(150mg、86%収率)を白色固体として得る。
【0331】
MeOH(25mL)中の6−(ベンジルオキシ)−7−フェニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(150mg、0.47mmol)の溶液を、Pd/C(100mg、10mol%)を加え、反応混合物をHで脱気する。それを室温にて一晩撹拌する。LCMSにより、出発物質が消費されたことが示された。それを濾過し、濃縮して、所望の生成物(95mg、89%収率)を得る。
【0332】
アセトン(20mL)中の7−フェニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6−(3H)−ジオール(95.0mg、0.42mmol)およびKCO(87.0mg、0.63mmol)の撹拌溶液に、1−ブロモ−2−プロパン(98.0mg、0.71mmol)をゆっくり加え、次いでそれを室温にて一晩撹拌する。固体を濾過し、濾液を濃縮して黄色の固体(100mg、85%収率)を得、それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0333】
MeOH(13.0mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(100mg、0.35mmol)の溶液に、−30℃にて1時間、NHで泡立てる。溶液を0℃にて、KCN(46mg、0.71mmol)、NHCl(79.0mg、1.51mmol)およびNH・HO(13mL)の混合物に加える。次いで混合物を室温にて一晩撹拌する。溶液を減圧下で濃縮する。残渣をEA(150mL)で希釈する。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、所望の生成物(109mg、定量的収率)を得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0334】
DMF(5.0mL)中の4−トリフルオロメトキシ−安息香酸(120mg、0.58mmol)の溶液に、HATU(294mg、0.78mmol)およびDIEA(151mg、1.17mmol)を加え、混合物を室温にて1時間撹拌する。次いで2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−プロピオニトリル(120mg、0.39mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣をPrep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(70mg、36%収率)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.83(s,1H),8.58(s,1H),7.85(d,J=8.8Hz,2H),7.48(d,J=8Hz,2H),7.42(d,J=8Hz,2H),7.37(d,J=8.4Hz,1H),7.30−7.24(m,4H),4.97(s,2H),4.46(d,J=9.2Hz,1H),4.22(d,J=9.6Hz,1H),1.59(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて99%および254nmにて98%;MS:m/z=497.2(M+1,ESI)。
【0335】
実施例1に記載したクロマトグラフィー移動相条件をCO2/MeOH/Et2NH=70/30/0.2に変更して、ラセミ体混合物を分離し、ピーク2をキラル鏡像異性体(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドとして得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.84(s,1H),8.58(s,1H),7.85(d,J=8.8Hz,2H),7.48(d,J=8Hz,2H),7.43(d,J=8Hz,2H),7.37(d,J=8.4Hz,1H),7.30−7.25(m,4H),4.97(s,2H),4.46(d,J=9.2Hz,1H),4.22(d,J=9.6Hz,1H),1.59(s,3H)ppm.HPLC純度:220nmにて98.4%および254nmにて98.6%;Chiral HPLC純度99.6%;MS:m/z=497.2(M+1,ESI)。
【0336】
実施例37
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−プロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化65】
DCM(300mL)中の2−ブロモベンゼン−1,3−ジオール(114g、0.6mol)およびPPTS(7.53g、30mmol)の溶液に、N下で室温にてDHP(48g、0.57mol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで水を加え、混合物をDCMで2回抽出する。合わせた有機層を濃縮して粗生成物を得る。残渣を、PE:EtOAc=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(64g、収率38.7%)を白色固体として得る。
【0337】
アセトン(400mL)中の2−ブロモ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)フェノール(50g、183mmol)およびKCO(51g、367mmol)の溶液に、N下で室温にてクロロアセトン(33.8g、367mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。混合物を濾過し、濃縮して、粗生成物を得る。残渣を、PE:EtOAc=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(52g、収率86%)を無色の油として得る。
【0338】
NH/MeOH中の1−(2−ブロモ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン−2−オン(40g、122mmol)およびNHCl(9.6g、179mmol)の溶液に、−78℃にてNaCN(9g、184mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで水を加え、混合物をEtOAcで2回抽出する。合わせた有機層をブラインおよび水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次いで濃縮して粗生成物を得る。残渣を、PE:EtOAc=1:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(40g、収率87%)を無色の油として得る。
【0339】
DMF(500mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(23.2g、113mmol)、HATU(42.8g、113mmol)およびDIEA(43.6g、339mmol)の溶液に、2−アミノ−3−(2−ブロモ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)フェノキシ)−2−メチルプロパンニトリル(40g、113mmol)を室温にて加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで水を加え、混合物をEtOAcで3回抽出する。合わせた有機層をブラインおよび水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次いで濃縮して、粗生成物を得る。残渣を、PE:EtOAc=3:1で溶出したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(38g、収率64%)を淡黄色の固体として得る。
【0340】
アリルトリブチルすず(1.18g、3.86mmol)およびPd(PPhCl(5mol%)を、DMF(2mL)中のN−(1−(2−ブロモ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)フェノキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(0.3g、0.55mmol)の溶液に加える。混合物を100℃にて一晩撹拌し、次いで室温に冷やす。水を混合物に加え、混合物をEtOAcで2回抽出する。合わせた有機層を濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を黄色の油(0.15g、収率55%)として得る。
【0341】
PPTS(10mg)を、95%EtOH(20mL)中のN−(1−(2−アリル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)フェノキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(0.15g、0.29mmol)の溶液に加える。混合物を2時間還流する。溶媒を蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(0.12g、収率96%)を得、それを次の工程に直接使用する。
【0342】
MeOH(15mL)中のN−(2−シアノ−1−(3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(0.12g、0.29mmol)およびPd/C(20mg、10%純度)を、室温にて40分間、水素雰囲気下で撹拌する。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(0.1g、収率83%)を得、それを次の工程に直接使用する。
【0343】
アセトニトリル(50mL)中のN−(2−シアノ−1−(3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(1.3g、3mmol)、MgCl(1.17g、12mmol)、パラホルムアルデヒド(1.62g、18mmol)およびTEA(2.42g、24mmol)の混合物を2時間還流する。溶媒を蒸発させる。水を残渣に加え、混合物をEtOAcで2回抽出する。合わせた有機層を濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1g、収率72%)を得る。
【0344】
TfO(2.16g、7.56mmol)を、0℃にてDCM(50mL)中のN−(2−シアノ−1−(4−ホルミル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(1.7g、7.78mmol)およびTEA(1.52g、15.1mmol)の混合物に加える。混合物を室温にて3時間撹拌する。水を加え、混合物をDCMで2回抽出する。合わせた有機層を濃縮し、残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(450mg、収率20%)を得る。
【0345】
THF(0.5mL)中の3−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−6−ホルミル−2−プロピルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(50mg)の撹拌溶液に、室温にて、pin(17.1mg、0.17mmol)、Pd(dppf)Cl(2.5mg)およびAcOK(14mg、0.36mmol)を加える。混合物をN下で18時間80℃にて撹拌する。反応混合物を濾過し、蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(50mg、収率100%)を得る。9つの並行な反応を操作し、合わせ、次の工程に直接使用する。
【0346】
MeOH(20mL)中のN−(2−シアノ−1−(4−ホルミル−2−プロピル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(400mg、0.71mmol)を0℃に冷やし、NaBH(81mg、2.1mmol)を混合物に加える。混合物を室温にて40分間撹拌する。LCMSにより、SMが消費され、主要ピークが所望の生成物であることが示された。水を加え、溶液を1NのHClでpH=4に調整する。水層をDCMで抽出し、粗生成物をprep−TLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−プロピル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例37aと指定した)(109mg、収率33%)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ0.83(t,J=7.3Hz,3H),1.47−1.60(m,2H),1.85(s,3H),2.80(t,J=6.8Hz,2H),4.25(d,J=8.8Hz,1H),4.47(d,J=9.0Hz,1H),4.90(s,2H),7.09(d,J=8.0Hz,1H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),7.52(d,J=8.3Hz,2H),8.01(d,J=8.5Hz,2H),8.90(s,1H),9.06(s,1H)ppm;HPLC純度:220nmにて98.4%および254nmにて95.7%。MS:m/z=463(M+1,ESI+)。
【0347】
実施例38
(S)−N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化66】
TFA(150mL)中の2−(トリフルオロメトキシ)フェノール(9.0g、50.56mmol)の溶液に、0℃にてHMTA(14.2g、101.1mmol)を加える。反応混合物を70℃にて一晩撹拌する。EA(350mL)を加え、混合物を水(100mL3)で洗浄する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(4.56g、収率43%)を黄色の固体として得る。
【0348】
DCM(150mL)中の4−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(3.64g、17.7mmol)およびDIPEA(9.8mL、53mmol)の溶液に、(クロロメトキシ)エタン(2.5mL、26.5mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。水(150mL)を加え、混合物をDCM(150mL2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、溶出液としてPE:EA=10:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(3.8g、収率82%)を無色の油として得る。
【0349】
乾燥した、Nでフラッシュしたフラスコにおいて、N,N,N−トリメチルエタン−1,2−ジアミン(1.7mL、13.3mmol)を無水THF(150mL)に溶解し、ヘキサン中のn−BuLi(2.5M、5.3mL)の溶液を0℃にて滴下して加える。室温にて15分間撹拌した後、混合物を−20℃に冷却し、無水THF(30mL)中の4−(エトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(3.2g、12.1mmol)の溶液をゆっくり加える。混合物を−20℃にて3時間撹拌し、次いで−40℃に冷却する。B(OMe)(6mL、54.5mmol)の溶液を加える。5分後、冷却浴を除去し、混合物を室温に加温し、室温にて16時間撹拌する。飽和NHCl水溶液(30mL)、続いて飽和Na水溶液(10mL)を添加した後、溶液をEtOAc(100mL2)で抽出する。水を凍結乾燥により除去し、残渣をTHF(120mL)で洗浄する。THFを蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(1.5g)を無色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0350】
THF(100mL)中の3−(エトキシメトキシ)−6−ホルミル−2−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(1.5g、粗製物)の溶液に、NaBH(300mg)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで6NのHClを加えてpH=3にする。混合物を室温にて一晩撹拌する。HCl(ジオキサン中4N、30mL)を加え、混合物を室温にて2時間撹拌し続ける。溶媒を除去し、残渣をCombiflashにより精製して、所望の生成物(350mg、収率:2工程にわたって12.4%)を白色固体として得る。
【0351】
アセトン(30mL)中の7−(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(200mg、0.85mmol)およびKCO(354mg、2.56mmol)の溶液に、ブロモアセトン(108μL、1.28mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。固体を濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(134mg、収率54%)を白色固体として得る。
【0352】
MeOH(5mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(134mg、0.46mmol)、NHCl(74mg、1.39mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、2mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(45mg、0.92mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を室温にて減圧下で除去する。残渣をTHFと混合し、濾過する。濾液を濃縮して、粗製の所望の生成物(150mg)を黄色の固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0353】
DMF(2mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(143mg、0.69mmol)、DIPEA(254μL、1.38moml)およびHATU(350mg、0.92mmol)の溶液を室温にて20分間撹拌し、その後、DMF(1mL)中の2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(150mg、粗製物)の溶液を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例38aと指定した)(160mg、2工程にわたって収率69%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.22(s,1H),9.06(s,1H),7.99(dd,J=7.2Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.40(d,J=8.4Hz,1H),4.96(s,2H),4.59(d,J=9.2Hz,1H),4.37(d,J=9.2Hz,1H),1.83(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=505.1(M+1,ESI+)。
【0354】
実施例1に記載される手順に従って、ラセミ体混合物を分離して、ピーク1を回収し、キラル鏡像異性体を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.23(s,1H),9.06(s,1H),7.99(d,J=7.2Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.40(d,J=8.4Hz,1H),4.96(s,2H),4.59(d,J=9.2Hz,1H),4.37(d,J=9.2Hz,1H),1.84(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;Chiral HPLC純度:230nmにて98.7%;MS:m/z=505(M+1,ESI+)。
【0355】
実施例39
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化67】
DMF(233mL)に、0〜10℃にてPOCl(115mL、1.23mol)をゆっくり加える。得られた混合物に、1時間にわたってDMF(116mL)中の5−メチルレゾルシノール(50.0g、0.40mol)を加える。得られた混合物を室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。それを−10℃に冷却し、氷/水(166mL)を−10〜0℃にてゆっくり加える。pHを30%のNaOH溶液(116g、0.87mol)で10に調整する。混合物を100℃に加熱し、45分間撹拌する。次いで混合物を0℃に冷却し、濃HClによりpH=1〜2に酸性にする。混合物を室温にて1時間撹拌し、濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物(46.1g、75%収率)を茶色の固体として得る。
【0356】
DCM(150mL)中の2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(6.37g、37.9mmol)の混合物に、室温にて3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(DHP、4.78g、56.8mmol)およびピリジウムp−トルエンスルホン酸(PPTS、1.90g、7.58mmol)を加える。得られた混合物を室温にて18時間撹拌し、次いで0℃にて飽和NaHCOを加えることによってクエンチする。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣を、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン=1/3、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗生成物(8.78g、98%収率)を得る。
【0357】
DCM(40mL)中の2−ヒドロキシ−6−メチル−4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)ベンズアルデヒド(8.70g、36.8mmol)およびピリジン(14.6g、184mmol)の溶液に、−10〜0℃にてTfO(15.6g、55.2mol)をゆっくり加える。混合物を0℃にて3時間撹拌する。それを冷ブラインで希釈し、ヘキサン中の50%EtOAcで抽出する。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣を、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン=1/4、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物(9.48g、69%収率)を得る。
【0358】
1,4−ジオキサン(95mL)中のPin(9.72g、38.3mmol)の溶液に、KOAc(7.52g、76.6mmol)を加える。Nで10分間脱気した後、Pd(dppf)Cl(1.87g、2.55mmol)および2−ホルミル−3−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(9.40g、25.5mmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃にて1時間撹拌し、氷水でクエンチし、ヘキサン中の50%EtOAcで抽出する。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣を、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン=1/4、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物(4.50g、51%収率)を得る。
【0359】
0℃にて、MeOH(50mL)中の2−メチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(5.00g、14.4mmol)の撹拌溶液に、NaBH(1.36g、36.0mmol)を少しずつ加える。混合物を0℃にて3時間撹拌する。反応溶液に6NのHCl(50mL)を加え、それを室温にて一晩撹拌する。混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出する。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮する。残渣をprep−TLCにより精製して、純粋な生成物(1.25g、53%収率)を白色固体として得る。
【0360】
室温にてアセトン(10mL)中の4−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(110mg、0.55mmol)の撹拌溶液に、KCO(383mg、2.77mmol)およびブロモアセトン(228mg、1.66mmol)を加える。混合物を室温にて一晩撹拌する。反応溶液に6NのHCl(10mL)を加え、室温にて10分間撹拌する。混合物をEtOAc(10mL×3)で抽出する。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮する。残渣をprep−TLCにより精製して、所望の生成物(75mg、51%収率)を黄色の固体として得る。
【0361】
MeOH(10mL)中の1−(1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(75.0mg、0.34mmol)の溶液を、−30℃〜0℃にて1時間NHで泡立てる。次いで溶液を、28%NH・HO(10mL)中のKCN(58.0mg、0.89mmol)およびNHCl(85.0mg、1.59mmol)の混合溶液に加える。混合物を密閉し、室温にて18時間撹拌する。反応溶液をEtOAc(25mL)とブライン(25mL)との間に分ける。水層をEtOAc(25mL×2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物(84.0mg、定量的収率)を黄色の固体として得る。
【0362】
下で室温にて、DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(84.0mg、0.34mmol)および4−トリフルオロメトキシ安息香酸(105mg、0.51mmol)の溶液に、HATU(259mg、0.68mmol)およびDIPEA(132mg、1.02mmol)を加える。反応混合物を30〜35℃にて一晩撹拌する。反応混合物をprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(60.0mg、40%収率)を白色固体として得る。HNMR(400MHz,DMSO−d):δ9.09(s,1H),9.04(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.13(d,J=2.0Hz,1H),6.96(d,J=2.0Hz,1H),4.89(s,2H),4.51(d,J=8.8Hz,1H),4.26(d,J=9.2Hz,1H),2.19(s,3H),1.82(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて92.6%および254nmにて94.9%;MS:m/z=435.1(M+1,ESI+)。
【0363】
実施例40および41
N−(1−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化68】
N−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化69】
DCM(2.5mL)中のtert−ブチル(7−クロロ−6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)−プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)メチルカルバメート(80mg、0.137mmol)の溶液に、DCM(0.5mL)中のTFA(0.5mL)の溶液を滴下して加える。反応混合物を室温にて30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をprep−HPLCによりすぐに精製して、N−(1−(4−(アミノ−メチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(28.4mg)およびN−(1−アミノ−3−(4−(アミノメチル)−7−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(12.3mg)をそれぞれ白色固体として得る。第1の生成物についての分析データ:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.09(s,1H),9.07(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.36(s,1H),4.95(s,2H),4.59(d,J=8.8Hz,1H),4.38(d,J=9.2Hz,1H),3.63(s,2H),1.87(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=484.0(M+1,ESI+)。第2の生成物についての分析データ:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.98(s,1H),8.46(s,1H),7.96(d,J=8.8Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,2H),7.44(s,1H),7.28(s,1H),7.16(s,1H),4.91(s,2H),4.69(d,J=9.6Hz,1H),4.39(d,J=9.6Hz,1H),3.60(s,2H),1.62(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=502.1(M+1,ESI+)。
【0364】
実施例42
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化70】
下で室温にてDMF(5mL)中の4−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(140mg、0.85mmol)の溶液に、NCS(143mg、1.07mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−TLC(EtOAc/石油エーテル=1/5、v/v)により精製して、所望の生成物(100mg、60%収率)を黄色の固体として得る。
【0365】
アセトン(50mL)中の1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(100mg、0.51mmol)およびKCO(112mg、0.82mmol)の溶液に、N下で15℃にてブロモアセトン(117mg、0.87mmol)を滴下して加える。混合物を15℃にて一晩撹拌し、次いでEtOAc(30mL)と水(30mL)との間に分ける。水層をEtOAc(30mL×2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、1の所望の生成物(126mg、49%収率)を白色固体として得る。
【0366】
MeOH(5mL)中の1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(60.0mg、0.24mmol)の溶液を、−30℃〜0℃にて1時間、NHで泡立てる。その後、溶液を、28%NH・HO(3.5mL)中のKCN(46.0mg、0.72mmol)およびNHCl(64.0mg、1.20mmol)の混合物に加える。混合物を密封し、室温にて18時間撹拌する。反応溶液をEtOAc(30mL)とブライン(25mL)との間に分ける。水層をEtOAc(30mL×2)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、2の所望の生成物(66.0mg、定量的収率)を白色固体として得る。
【0367】
下で室温にて、DMF(5mL)中の2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(60.0mg、0.21mmol)および4−トリフルオロメトキシ安息香酸(57mg、0.28mmol)の溶液に、HATU(105mg、0.28mmol)およびDIPEA(83.0mg、0.64mmol)を加える。反応混合物を30〜35℃にて一晩撹拌する。反応混合物をprep−HPLCにより精製して、N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(30mg、30%収率)として得る。
【0368】
実施例43
N−(2−シアノ−1−(7−(フラン−2−イル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化71】
トルエン(40mL)およびHO(9.5mL)中の3−ヨード−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(2.00g、5.68mmol)、フラン−2−イルボロン酸(2.50g、22.7mmol)およびKPO(7.00g、34.0mmol)の撹拌溶液に、N下でPd(dppf)Cl(500mg)を加える。得られた混合物を一晩還流する。混合物を氷水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲル(PE/EA=10/1、v/v)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(900mg、54%収率)を黄色の油として得る。
【0369】
THF(50mL)中の3−フラン−2−イル−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(6.50g、22.3mmol)の撹拌溶液に、3NのHCl(45mL)を0℃にて滴下して加える。混合物を室温にて3時間撹拌する。混合物をEA(300mL)で希釈する。抽出物を水で洗浄してpH=6にし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それを、シリカゲル(PE/EA=100/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.00g、36%収率)を黄色の油として得る。
【0370】
DCM(10mL)中の3−フラン−2−イル−2−ヒドロキシ−4−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(600mg、2.42mmol)およびピリジン(0.60g、7.26mmol)の撹拌溶液に、0℃にてTfO(1.02g、3.63mmol)を滴下して加える。それを0℃にて1時間撹拌し、蒸発させ、シリカゲル(PE/EA=40/1〜5/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(700mg)を黄色の油として得る。
【0371】
THF(30mL)中の6−ホルミル−2−(フラン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(700mg、1.84mmol)、Pin(940mg、3.68mmol)およびKOAc(550mg、5.52mmol)の混合物を、30分間、N−により脱気し、次いでPd(dppf)Cl(50mg)を加える。混合物を70℃にて36時間撹拌する。反応物を冷やし、固体を濾過する。溶媒を除去して、残渣を得、それを、シリカゲル(PE/EA=20/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(400mg、45%収率)を得る。
【0372】
0℃にて、EtOH(7mL)中の3−フラン−2−イル−4−(メトキシメトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(200mg、0.56mmol)の溶液に、NaBH(55.0mg、1.45mmol)を加える。混合物を室温にて50分間撹拌し、蒸発させる。3NのHCl(3mL)およびTHF(1mL)を0℃にて滴下して加える。反応物を室温に加温し、室温にて3時間撹拌する。混合物をEA(30mL)で希釈し、水で洗浄してpH=6にする。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得、それをprep−TLC(PE/EA=3/1、v/v)により精製して、7の所望の生成物(30mg、24%収率)を白色固体として得る。
【0373】
アセトン(10mL)中の7−(フラン−2−イル)ベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(58.0mg、0.28mmol)およびKCO(77.0mg、0.55mmol)の撹拌溶液に、1−ブロモプロパン−2−オン(65.0mg、0.47mmol)をゆっくり加え、それを室温にて16時間撹拌する。固体を濾過し、濾液を濃縮して、所望の生成物を黄色の固体(70.0mg、96%収率)として得、それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0374】
MeOH(13mL)中の1−(7−フラン−2−イル−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(70.0mg、0.26mmol)の溶液を、0℃にて1時間NHで泡立てる。上記の溶液を、0℃にてKCN(105mg、1.54mmol)、NHCl(125mg、2.30mmol)およびNH・HO(5mL)の混合物に加える。それを25℃にて一晩撹拌し、蒸発させる。残渣をEA(150mL)で希釈する。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去する。残渣をprep−TLCにより精製して所望の生成物(73.0mg、94%収率)を得る。
【0375】
DMF(5.0mL)中の4−トリフルオロメトキシ安息香酸(66.0mg、0.32mmol)の溶液に、HATU(122mg、0.32mmol)およびDIPEA(70.0mg、0.49mmol)を加え、混合物を35℃にて1時間撹拌し、その後、2−アミノ−3−(7−(フラン−2−イル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(73.0mg、0.25mmol)を加える。混合物を35℃にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣をprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(7−(フラン−2−イル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(25.5mg、21%収率)として得る。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),8.37(s,1H),7.95(d,J=8.0Hz,2H),7.75(m,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),7.34(m,2H),6.95(d,J=3.3Hz,1H),6.54(m,1H),4.96(s,2H),4.58(d,J=9.3Hz,1H),4.39(d,J=9.3Hz,1H),1.81(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて98.5%および254nmにて99.2%;MS:m/z=487.1(M+1,ESI+)。
【0376】
実施例44
N−(1−(7−アセトアミド−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化72】
DMF(20mL)およびDCM(600mL)中のベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(6g、0.03mol)の溶液に、HNO(9mL、DCM中2.3M)を−30℃にて加える。0℃にて2時間撹拌した後、混合物を−30℃に冷却し、HNO(9mL、DCM中2.3M)を加える。次いで得られた混合物を室温にて一晩撹拌し、減圧下で蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(2.1g)および5−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオールを黄色の固体(1.1g)として得る。
【0377】
EtOAc(400mL)中の7−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(4.0g、20.5mmol)の溶液に、窒素下でPd/C(400mg)を加える。混合物をH雰囲気下で一晩撹拌し、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて所望の生成物(3.0g、収率88.7%)を得る。
【0378】
THF中の無水酢酸(2.0g、12.1mmol)を、THF中の7−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(2.4g、24.2mmol)の溶液に加え、混合物を一晩撹拌する。水(100mL)を加える。混合物をEAで抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、所望の生成物を固体(2.0g、収率80%)として得る。
【0379】
MeCN(200mL)中のN−(1,6−ジヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−7−イル)アセトアミド(1.8g、8.7mmol)およびCsCO(8.4g、26.0mmol)の懸濁液に、1−クロロプロパン−2−オン(1.22g、13.0mmol)を加える。混合物を60℃にて一晩加熱し、室温に冷やし、濾過する。濾液を濃縮し、EA/PEと混合する。濾過後の固体を次の工程に直接使用する(1.6g、収率70.0%)。
【0380】
O(2.0mL)中のNaCM(223.5mg、4.56mmol)および25%NH水溶液(4.0mL)の撹拌溶液にNHCl(244mg、4.56mmol)を加え、続いて粗N−(1−ヒドロキシ−6−(2−オキソプロポキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)アセトアミド(800mg、3.04mmol)を加える。混合物を一晩撹拌する。得られた混合物をMeCNで希釈し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する(600mg、収率45.0%)。
【0381】
DMF(4mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(356.4mg、1.73mmol)、HATU(988mg、2.6mmol)およびDIPEA(670.8mg、5.2mmol)の溶液を、室温にて30分間撹拌し、次いでN−(6−(2−アミノ−2−シアノプロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)−アセトアミド(500mg、1.73mmol)を加える。反応物を一晩撹拌し、水に加え、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより2回精製して、所望の生成物N−(1−((7−アセトアミド−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(8mg、収率1.2%)として得る。H NMR(400MHz,DMSO_d):δppm9.28(s,1H),8.83(s,1H),8.55(s,1H),8.01(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),7.23(d,J=8.8Hz,1H),4.90(s,2H),4.40(d,J=9.2Hz,1H),4.34(d,J=9.2Hz,1H),1.91(s,3H),1.81(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて90.3%および254nmにて96.2%;MS:m/z=478.0(M+1,ESI+)。
【0382】
実施例45
N−(2−シアノ−1−(7−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化73】
THF(10mL)中の7−アミノベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(500mg、3mmol)の溶液に、KCO(1.66g、12mmol)およびMeI(1.70mg、12mmol)を加える。混合物をAr雰囲気下で一晩撹拌し、濾過し、減圧下で蒸発させて、所望の生成物を淡黄色の固体(450mg、74%)として得る。
【0383】
アセトン(10mL)中の7−(ジメチルアミノ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(300mg、1.55mmol)およびクロロアセトン(392.7mg、4.66mmol)の溶液に、KCO(643mg、4.66mmol)を加える。混合物をAr雰囲気下で50℃にて一晩加熱し、室温に冷やし、EAで抽出し、乾燥させ、蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物を黄色の固体(35mg、収率9.1%)として得る。
【0384】
MeOH(0.5mL)中のNaCN(10mg、0.21mmol)および25%NH水溶液(0.5mL)の撹拌溶液に、NHCl(13mg、0.25mmol)および1−((7−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−オン(35mg、0.14mmol、純粋)を加える。混合物を一晩撹拌し、室温にて減圧下で蒸発させる。残渣をMeCNで希釈し、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得る。それを直接次の工程に使用する(37mg)。
【0385】
DMF(1mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(32mg、0.15mmol)、HATU(73mg、0.19mmol)、DIPEA(50mg、0.38mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−((7−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)−2−メチルプロパンニトリル(37mg、0.13mmol)を加える。室温にて一晩撹拌した後、反応物を水でクエンチし、EAで抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−((7−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イル)オキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(9mg、2工程にわたって13.8%の収率)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.04(s,1H),8.83(s,1H),7.99(d,J=8.4Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),7.11(d,J=8.4Hz,1H),6.90(d,J=8.0Hz,1H),4.86(s,2H),4.44(d,J=9.2Hz,1H),4.24(d,J=9.2Hz,1H),2.88(s,6H),1.85(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて96.2%および254nmにて95%;MS:m/z=464.1(M+1,ESI+)。
【0386】
実施例46
tert−ブチル(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート
【化74】
6−(ベンジルオキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボニトリルは、実施例32における1−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボニトリルの調製について以前に記載されている手順に従って合成できる。MeOH(15mL)中の6−(ベンジルオキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボニトリル(100mg、0.38mmol)の溶液を、65℃にて3時間、触媒としてRany Ni(200mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物(粗製物)(100mg)を白色固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0387】
MeOH(15mL)中の7−(アミノメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(100mg、粗製物)およびEtN(164μL、1.14mmol)の溶液に、(Boc)O(174μL、0.76mmol)を加える。反応混合物を室温にて1時間撹拌する。溶媒を除去した後、残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(50mg、2工程にわたって収率48%)を白色固体として得る。
【0388】
アセトン(20mL)中のtert−ブチル(1,6−ジヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート(80mg、0.29mmol)およびKCO(118mg、0.86mmol)の溶液にブロモアセトン(48μL、0.57mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。固体を濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(53mg、収率55%)を白色固体として得る。
【0389】
MeOH(3mL)中のtert−ブチル(1−ヒドロキシ−6−(2−オキソプロポキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート(53mg、0.16mmol)、NHCl(25mg、0.47mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、2mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(15mg、0.32mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を室温にて減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄し、濾過する。濾液を濃縮して、所望の生成物(粗製物)(70mg)を無色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0390】
DMF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(49mg、0.24mmol)、DIPEA(87μL、0.47mmol)およびHATU(120mg、0.32mmol)の溶液を室温にて20分間撹拌し、その後、DMF(2mL)中のtert−ブチル(6−(2−アミノ−2−シアノプロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート(70mg、粗製物)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。それをprep−HPLCにより精製して、tert−ブチル(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)−プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c]−[1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート(35mg、2工程にわたって収率40%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.23(s,1H),9.06(s,1H),8.03(d,J=8.4Hz,2H),7.50(d,J=8.4Hz,2H),7.30(d,J=8.4Hz,1H),7.19(d,J=8.4Hz,1H),6.78(brs,1H),4.93(s,2H),4.32−4.49(m,4H),1.86(s,3H),1.31(s,9H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=572.1(M+23,ESI+)。
【0391】
実施例47および48
N−(1−(7−アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化75】
N−(1−アミノ−3−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化76】
DCM(2.5mL)中のtert−ブチル(6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル)メチルカルバメート(25mg、0.046mmol)の溶液に、DCM(0.5mL)中のTFA(0.5mL)の溶液を滴下して加える。反応混合物を室温にて30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去して、残渣をprep−HPLCによりすぐに精製して、N−(1−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(7.3mg)およびN−(1−アミノ−3−(7−(アミノメチル)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(3.4mg)をそれぞれ白色固体として得る。第1の生成物についての分析データ:H NMR(500MHz,CDOD)δ7.96−7.99(m,2H),7.41(d,J=8.0Hz,2H),7.24−6.84(m,2H),4.87(s,2H),4.63−4.12(m,4H),1.95−1.92(m,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=450.1(M+1,ESI+)。第2の生成物についての分析データ:H NMR(500MHz,CDOD)δ7.92−7.95(m,2H),7.39−7.36(m,2H),7.04−6.85(m,2H),4.83−3.99(m,6H),1.77−1.74(m,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて97.0%および254nmにて100%;MS:m/z=468.1(M+1,ESI+)。
【0392】
実施例49
N−(1−(7−アミノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化77】
アセトン(15mL)中の7−ニトロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(250mg、1.28mmol)およびKCO(531mg、3.84mmol)の溶液に、ブロモアセトン(351mg、2.56mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。反応混合物を濾過し、残渣をアセトン(5mL)で洗浄する。濾液を濃縮し、残渣を、溶出液としてPE:EA=4:1を使用したprep−TLCにより精製して、所望の生成物(193mg、収率60%)を白色固体として得る。
【0393】
MeOH(5mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−ニトロ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(193mg、0.77mmol)、NHCl(82mg、1.54mmol)およびアンモニア(メタノール中1N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(76mg、1.54mmol)を加える。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄し、THFを蒸発させて所望の生成物(粗製物)(220mg)を得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0394】
DMF(5mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(317mg、1.54mmol)、HATU(585mg、1.54mmol)およびDIPEA(298mg、2.31mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−ニトロ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(220mg、0.77mmol、粗製物)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(47mg、2工程にわたって収率13%)を白色固体として得る。
【0395】
AcOH(10mL)中のN−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−ニトロ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(80mg、0.172mmol)およびFe(96mg、1.72mmol)の混合物を室温にて4時間撹拌する。それを濾過し、蒸発させ、prep−HPLCにより精製して、N−(1−(7−アミノ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(25mg、収率33.4%)を淡黄色の固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.00(s,1H),8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.50(d,J=8.4Hz,2H),6.98(d,J=8.4Hz,1H),6.52(d,J=8.4Hz,1H),4.81(s,2H),4.39(d,J=9.2Hz,1H),4.33(brs,2H),4.26(d,J=9.2Hz,1H),1.86(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて93.8%および254nmにて100.0%;MS:m/z=436.1(M+1,ESI+)。
【0396】
実施例50
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−ヨード−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化78】
EtOAc(110mL)中のベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(5.5g、37mmol)の撹拌溶液に、0℃にてNIS(6.6g、29mmol)をゆっくり加える。それを室温にて4時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出する。EtOAc層を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをprep−HPLC(カラム:Agilent XDB−C18、150mm20mm 5μm、移動相A:HO+0.1%TFA;移動相B:ACN、B%40〜100、流速:30mL/分)により精製して所望の生成物(150mg)を得る。
【0397】
アセトン(30mL)中の7−ヨードベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(900mg、3.3mmol)およびKCO(1.13g、8.1mmol)の撹拌溶液に、ブロモアセトン(581mg、4.2mmol)をゆっくり加える。混合物を2時間還流し、室温に冷やし、pH=2になるまで1NのHClを加え、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体(700mg)として得る。
【0398】
7NのNH/MeOH(30mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−ヨード−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(600mg、1.8mmol)およびNHCl(242mg、4.9mmol)の撹拌溶液に、TMSCN(448mg、4.9mmol)を一度に加える。それを室温にて一晩撹拌する。TLCモニタリングにより、STMが消費されていることが示された。混合物を濃縮して残渣を得、それをTHF(5×10mL)で抽出する。合わせた有機物を濃縮して、所望の生成物(粗製物、700mg)を得、それを精製せずに次の工程に使用する。
【0399】
乾燥THF(20mL)中の2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−ヨード−1,3−ジヒドロベンゾ−[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(584mg、1.6mmol)およびDIPEA(439mg、4.1mmol)の撹拌混合物に、THF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(511mg、2.28mmol)の溶液を加える。添加後、得られた混合物を室温にて2時間撹拌する。希釈したHClをpH=5になるまで加える。分離した有機物を乾燥させ、濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=150:1)により精製して、粗生成物を得る。粗生成物を、prep−HPLC(カラム:Agilent XDB−C18、150mm20mm 5μm、移動相A:HO+0.1%TFA:移動相B:ACN、B%40〜100、流速:30mL/分)によりさらに精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−ヨード−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを白色固体(123mg)として得る。H NMR:(500MHz,DMSO−d):δ9.10(s,1H),9.03(s,1H),8.02(d,J=8.7Hz,2H),7.52(d,J=8.3Hz,2H),7.37(d,J=8.4Hz,1H),7.14(d,J=8.3Hz,1H),4.91(d,J=16.4Hz,2H),4.58(d,J=9.2Hz,1H),4.35(d,J=9.2Hz,1H),1.91(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて99.2%および254nmにて99.3%;MS:m/z=547(M+1,ESI+)。
【0400】
実施例51
メチル6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート
【化79】
THF(600mL)中のジイソプロピルアミン(39.4g、385mmol)の溶液に、20分の間、−10℃にてn−BuLi(2.5M、154mL)を加える。混合物を−20℃にて1時間撹拌し、−78℃に冷却する。次いで2−ブロモ−4−フルオロ−1−メチルベンゼン(60g、308mmol)を30分の間、溶液に加える。3時間撹拌した後、DMF(32.0g、431mmol)を、−78℃にて30分間、混合物に加え、さらに30分間撹拌する。混合物を水(500mL)でクエンチし、EA(3×300mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE−EA、50/1〜20/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(56.0g、収率84%)を黄色の固体として得る。
【0401】
t−BuOH(1000mL)中の2−ブロモ−6−フルオロ−3−メチルベンズアルデヒド(56.0g、0.25mol)の溶液に、2−メチル−2−ブテン(138g、1.77mol)、水(700mL)中のNaClO(53.8g、0.506mol)およびNaHPO(92.0g、0.759mol)の溶液を加える。混合物を室温にて30分間撹拌し、次いで1NのHCl(75mL)でクエンチし、EA(3×500mL)で抽出する。有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE/EA、5/1〜2/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(52.7g、収率90%)を黄色の油として得る。
【0402】
DMF(1000mL)中の2−ブロモ−6−フルオロ−3−メチル安息香酸(52.7g、0.226mol)の溶液にKCO(78.9g、0.57mol)を加え、混合物を室温にて10分間撹拌し、その後、MeI(54.8g、0.45mol)を加える。反応物を1時間撹拌し、1NのHCl(50mL)でクエンチし、水(500mL)で希釈し、EA(3×500mL)で抽出する。有機相をブラインで洗浄し、無水NaOSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(30/1〜10/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(52.3g、収率94%)を無色の油として得る。
【0403】
MeOH(50mL)中のMeONa(14.0g、253mmol)をDMF(500mL)に溶解し、次いでKCO(38.3g、274mmol)を加える。それを15分間撹拌し、2−ブロモ−6−フルオロ−3−メチル安息香酸メチルエステル(52.3g、211mmol)を0℃にて溶液に加える。次いで反応混合物を100℃に加熱し、一晩撹拌する。室温に冷やした後、EA(200mL)を加え、飽和NaHCO溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE−EA、10/1〜4/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(33.6g、収率62%)を無色の油として得る。
【0404】
CCl(500L)中の2−ブロモ−6−メトキシ−3−メチル安息香酸メチルエステル(33.6g、130mmol)の溶液に、NBS(24.5g、136mmol)およびBPO(1.61g、6.50mmol)を加える。反応物をN下で85℃にて一晩撹拌し、室温に冷やし、濾過し、蒸発させる。残渣を、シリカゲル(PE/EA、15/1〜4/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、2の所望の生成物(34.4g、78.2%)を白色固体として得る。
【0405】
DMF(600mL)中の2−ブロモ−3−ブロモメチル−6−メトキシ安息香酸メチルエステル(34.4g、101mmol)およびKOAc(15.0g、152mmol)の混合物を80℃にて2時間撹拌し、室温に冷やし、水(1000mL)で希釈し、EA(3×500mL)で抽出する。有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE/EA、10/1〜5/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(28.7g、90%)を無色の油として得る。
【0406】
室温にて1,4−ジオキサン(600mL)中の3−アセトキシメチル−2−ブロモ−6−メトキシ安息香酸メチルエステル(28.7g、90.5mmol)の溶液を、ビス(ピナコラト)ジボロン(46.9g、181mmol)およびKOAc(38.6g、389mmol)に加える。Nで脱気した後、Pd(dppf)Cl(7.54g、9.05mmol)を加える。反応混合物をN下で110℃にて一晩撹拌し、室温に冷やし、セライトパッドで濾過する。濾過ケーキをEA(1000mL)で洗浄する。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE/EA(10/1〜3/1、v/v)で溶出したシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(10.1g、31%)を無色の油として得る。
【0407】
CO(7.71g、55.2mmol)を、MeOH(200mL)中のメチル3−(アセトキシメチル)−6−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエート(10.1g、27.6mmol)の溶液に加える。混合物を室温にて一晩撹拌し、1NのHClの添加によりクエンチする。MeOHを真空中で混合物から除去する。混合物をEA(3×100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(PE/EA、5/1〜1/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(6.58g、収率54%)を白色固体として得る。
【0408】
−20℃にて、DCM(1000mL)中のAlCl(78.2g、580mmol)の撹拌混合物に、DCM(50mL)中のメチル1−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート(6.58g、29.0mmol)の溶液を滴下して加える。反応混合物を室温に加温し、16時間撹拌する。DCMを真空中で除去した後、残渣を0℃に冷やし、水(18mL)を非常にゆっくり加える。この反応混合物にEA(300mL)を加え、分離した有機層を水およびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲル(DCM−MeOH、300/1〜100/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.81g、収率30.0%)を白色固体として得る。
【0409】
アセトニトリル(15mL)中のメチル1,6−ジヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート(130mg、0.62mmol)およびKCO(174mg、1.25mmol)の混合物に、0℃にて1−ブロモ−プロパン−2−オン(141mg、0.998mmol)を滴下して加える。反応混合物をN下で30℃にて一晩撹拌し、セライトパッドで濾過する。濾過ケーキをEA(200mL)で洗浄する。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、prep−TLC(DCM/MeOH、300/1、v/v)により精製して、所望の生成物(107mg、収率65.0%)を白色固体として得る。
【0410】
MeOH(8mL)中のメチル1−ヒドロキシ−6−(2−オキソプロポキシ)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート(100mg、0.371mmol)の溶液を、−30℃にて20分間、NHで泡立てる。次いでKCN(61.6mg、0.928mmol)、NHCl(80.2mg、1.48mmol)およびNH・HO(1.50mL)を加える。反応混合物を25℃にて一晩撹拌し、蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(45.0mg、42.1%)を淡黄色の固体として得る。
【0411】
DMF(3mL)中の4−トリフルオロメトキシ安息香酸(64.5mg、0.30mmol)およびDIPEA(79.2mg、0.61mmol)の溶液にHATU(118mg、0.30mmol)を加える。混合物を35℃にて2時間撹拌する。次いでDMF(2mL)中のメチル6−(2−アミノ−2−シアノプロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート(45.0mg、0.152mmol)の溶液を0℃にて滴下して加える。反応混合物をN下で35℃にて一晩撹拌し、室温に冷やし、水(20mL)で希釈し、EA(3×15mL)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、標題の化合物であるメチル6−(2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロポキシ)−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−カルボキシレート(14.0mg、19%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,MeOD−d):δ7.93(d,J=9.2Hz,2H),7.44(d,J=8.4Hz,1H),7.36(d,J=8.0Hz,2H),7.25(d,J=8.0Hz,1H),4.98(d,J=1.6Hz,2H),4.52(d,J=9.2Hz,1H),4.49(d,J=9.2Hz,1H),3.85(s,3H),1.89(s,3H)ppm;HPLC純度:220nmにて95.1%および254nmにて95.1%;MS:m/z=479.2(M+1,ESI+)。
【0412】
実施例52
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化80】
3−ヨード−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(1.00g、2.84mmol)、トリブチル(チオフェン−2−イル)スタンナン(1.16g、3.12mmol)およびPd(PPh(164mg、0.14mmol)の混合物を、1,4−ジオキサン(25mL)中で一晩窒素下で還流する。混合物を室温に冷やす。飽和KF溶液(20mL)を加える。混合物をさらに30分間撹拌する。固体を濾過により除去し、有機層を水(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得、それを、シリカゲル(PE/EA=5/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(869mg、99%収率)を黄色の油として得る。
【0413】
THF(30mL)中の2,4−ビス(メトキシメトキシ)−3−(チオフェン−2−イル)ベンズアルデヒド(4.50g、14.6mmol)の撹拌溶液に、6NのHCl(30mL)を0℃にて滴下して加える。混合物を室温にて1.5時間撹拌し、生成物が白色固体として沈殿する。固体を濾過により回収し、水(5×30mL)で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物(2.30g、59%収率)を白色固体として得る。
【0414】
DCM(10mL)中の2−ヒドロキシ−4−(メトキシメトキシ)−3−(チオフェン−2−イル)ベンズアルデヒド(500mg、1.89mmol)およびピリジン(450mg、5.66mmol)の撹拌溶液に、0℃にてTfO(800mg、2.83mmol)を滴下して加える。反応物を室温にて1.5時間撹拌し、蒸発させる。残渣を、シリカゲル(PE/EA=40/1〜5/1、v/v)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(400mg)を黄色の油として得る。
【0415】
THF(10mL)中の6−ホルミル−3−(メトキシメトキシ)−2−(チオフェン−2−イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(160mg、0.40mmol)、Pin(205mg、0.81mmol)およびKOAc(170mg、1.70mmol)の混合物をNにより30分間脱気し、次いでPd(dppf)Cl(37mg)を加える。混合物を100℃にて2時間マイクロ波の下で反応させる。反応物を冷やし、固体を濾過する。溶媒を除去して残渣を得、それをprep−TLC(PE/EA=3/1、v/v)により精製して、所望の生成物(45mg、30%収率)を得る。
【0416】
0℃にて、MeOH(5mL)中の4−(メトキシメトキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3−(チオフェン−2−イル)ベンズアルデヒド(65mg、0.17mmol)の溶液に、NaBH(13mg、0.34mmol)を加える。混合物を室温にて30分間撹拌し、蒸発させる。水性HCl(6N、2mL)およびTHF(1mL)を0℃にて残渣に滴下して加える。反応物を室温に加温し、30分間撹拌する。混合物をEA(10mL)で希釈し、水で洗浄してpH=6にし、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して残渣を得る。それをprep−TLC(PE/EA=3/1、v/v)により精製して、所望の生成物(14mg、35%収率)を白色固体として得る。
【0417】
アセトン(20mL)中の7−(チオフェン−2−イル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(50.0mg、0.22mmol)およびKCO(60mg、0.44mmol)の撹拌溶液に、1−ブロモ−2−プロパン(50mg、0.37mmol)をゆっくり加え、次いで室温にて12時間撹拌する。固体を濾過し、濾液を濃縮して黄色の固体を得、それをprep−TLC(PE/EA=3/1、v/v)により精製して、所望の生成物(53mg、85%収率)を白色固体として得る。
【0418】
MeOH(10mL)中の1−(1−ヒドロキシ−7−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−オン(53.0mg、0.18mmol)の溶液を−30℃に冷却し、NHで0.5時間泡立てる。上記の溶液を、0℃にて、KCN(36.0mg、0.54mmol)、NHCl(49.0mg、0.90mmol)およびNH・HO(3mL)の混合物に加える。それを25℃にて一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、EA(50mL)で希釈する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣をprep−TLCにより精製して、所望の生成物(30mg、52%収率)を得る。
【0419】
DMF(5.0mL)中の4−トリフルオロメトキシ安息香酸(23.0mg、0.11mmol)の溶液に、HATU(43.0mg、0.11mmol)およびDIPEA(33.0mg、0.26mmol)を加える。それを35℃にて1時間撹拌する。次いで2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−7−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(27.0mg、0.08mmol)を加える。混合物を35℃にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣をprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−7−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(28.0mg、65%収率)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.99(s,1H),8.90(s,1H),7.89(d,J=8.8Hz,2H),7.54−7.48(m,4H),7.36(d,1H),7.31(d,1H),7.07−7.05(m,1H),4.95(s,2H),4.54(d,J=9.6Hz,1H),4.37(d,J=9.6Hz,1H),1.79(s,3H)ppm.MS:m/z=503(M+1,ESI+)。
【0420】
実施例53
N−(2−シアノ−1−(7−シクロプロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化81】
3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(30.4g、0.2mol)、1,4−ジオキサン(250mL)および水(100mL)の混合物に、0℃にて30分にわたってN−ブロモスクシンイミド(37.38g、0.21mol)を加え、それを2時間撹拌する。水(400mL)を加え、沈殿した結晶を濾過により回収する。結晶を水(1000mL)で洗浄して、所望の生成物(38.5g、収率83%)を白色固体として得る。
【0421】
1,4−ジオキサン(8mL)中のクロロ(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)二量体(201mg、0.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.18g、30mmol)の混合物に、2−ブロモ−3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(3.45g、15mmol)および酢酸ビニル(5mL)を加える。それをアルゴン雰囲気下で16時間、密閉管中で100℃にて撹拌する。室温に冷やした後、混合物を濾過し、溶媒を除去する。残渣を、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.62g、収率42.2%)を麦わら色の固体として得る。
【0422】
1,2−ジクロロメタン(20mL)中のトリフルオロ酢酸(4.09g、25mmol)の溶液を、−45℃にて、1,2−ジクロロエタン(20mL)中の1.0MのEtZn(25mL、25mmol)の冷却した溶液に加える。溶液を0℃に加温し、20分間撹拌する。ヨウ化メチレン(6.7g、25mmol)を反応混合物に加え、それをさらに10分間0℃にて撹拌する。反応混合物に、1,2−ジクロロエタン(20mL)およびトルエン(5mL)中の2−ブロモ−4−メトキシ−3−(ビニルオキシ)ベンズアルデヒド(2.57g、10mmol)の溶液を加える。それを室温にて16時間撹拌し、1NのHClで希釈し、水相をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。粗生成物を、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.68g、収率62.2%)を茶色の油として得る。
【0423】
1,4−ジオキサン(100mL)中の2−ブロモ−3−シクロプロポキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(3.58g、13.26mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(11.99g、53mmol)およびKOAc(12.99g、0.133mol)の溶液に、PdCl(dppf)(970mg、1.33mmol)を加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下で60℃にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、溶出液としてPE:EA=5:1を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(粗製物)(3.4g)を黄色の固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0424】
THF(50mL)中の3−シクロプロポキシ−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−4−メトキシベンズアルデヒド(3.4g、11.18mmol、粗製物)の溶液に、NaBH(850mg、22.37mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いでそれにpH=1になるまで3NのHClをゆっくり加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(813mg、2工程にわたって収率28%)を白色固体として得る。
【0425】
乾燥ジクロロメタン(10ml)中の7−シクロプロポキシ−6−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(110mg、0.5mmol)の溶液に、−70℃にてアルゴン雰囲気下で三臭化ホウ素(ジクロロメタン中3M、200μL、0.6mmol)を加える。添加が完了した後、混合物を0℃に徐々に加温し、30分間撹拌する。それを氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(24mg、収率23.3%)を茶色の固体として得る。
【0426】
アセトン(30mL)中の7−シクロプロポキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(60mg、0.29mmol)およびKCO(121mg、0.87mmol)の溶液に、ブロモアセトン(80mg、0.58mmol)を加える。反応混合物を5時間還流する。固体を濾過により除去し、濾液を蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(18mg、収率23.7%)を白色固体として得る。
【0427】
MeOH(2mL)中の1−(7−シクロプロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(38mg、0.145mmol)、NHCl(15mg、0.29mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(18mg、0.37mmol)を加える。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(30mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄し、THF溶液を蒸発させて、所望の生成物(粗製物)を白色固体(40mg)として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0428】
DMF(4mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(30mg、0.145mmol)、HATU(110mg、0.29mmol)およびDIPEA(37mg、0.29mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−(7−シクロプロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(40mg、粗製物、0.145mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(7−シクロ−プロポキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(10.6mg、2工程にわたって収率15.3%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.08(s,1H),9.01(s,1H),7.99(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.22(d,J=8.4Hz,1H),7.03(d,J=8.4Hz,1H),4.91(s,2H),4.54−4.55(m,1H),4.45(d,J=9.6Hz,1H),4.23(d,J=9.6Hz,1H),1.83(s,3H),0.72−0.70(m,2H),0.45−0.42(m,2H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=477.2(M+1,ESI+)。
【0429】
実施例54
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化82】
80mLのTHF中の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(4.14g、30mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.67g、90mmol)の溶液に、メチルオレンジを指示薬として加え、黄色の溶液を得る。水性1N HCl溶液(90mL)を、溶液を橙色に維持しながら反応系にゆっくり加える。混合物を室温にて3時間撹拌する。水を加え、混合物をEtOで3回抽出する。溶媒を除去した後、生成物(3.7、収率99%)を白色固体として得る。
【0430】
オキシ塩化リン(11.4mL、125mmol)を、N雰囲気下で30分間、丸底フラスコ中で0℃で撹拌しながら、DMF(50mL)に滴下して加える。次いで混合物をカニューレにより、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃で撹拌しながらDMF(20mL)中の4−メチルベンゼン−1,3−ジオール(6.2g、50mmol)の溶液に移す。混合物を室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチル(150mL3)で抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=3:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.37g、収率31%)を白色固体として得る。
【0431】
MeCN(40mL)中の2,4−ジヒドロキシ−5−メチルベンズアルデヒド(2.28g、15mmol)、NaHCO(2.52g、30mmol)およびKI(498mg、3mmol)の溶液を60℃にゆっくり加温する。この時に、BnBr(2.82g、16.5mmol)を加える。混合物を80℃に加温し、一晩撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、蒸発させる。残渣を10%水性HClでクエンチしてpH=6にし、EA(150mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=8:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.3g、収率63%)を白色固体として得る。
【0432】
0℃にて、DCM(40mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−5−メチルベンズアルデヒド(1.94g、8.0mmol)およびEtN(4.04g、40mmol)の溶液に、DCM(5mL)中のTfO(4.96g、17.6mmol)の溶液を滴下して加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。水(50mL)を加え、混合物をDCM(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.83g、収率76%)を白色固体として得る。
【0433】
1,4−ジオキサン(60mL)中の5−(ベンジルオキシ)−2−ホルミル−4−メチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(1.2g、3.2mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(2.46g、9.6mmol)およびKOAc(1.57g、16mmol)の溶液に、PdCl(dppf)(234mg、0.32mmol)を加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下で90℃にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、PE:EA=4:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.05g、粗製物)を黄色の固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0434】
THF(20mL)中の粗4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−5−メチルベンズアルデヒド(1.05g、3.1mmol)の溶液に、NaBH(236mg、6.2mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌し、それに3N HClをゆっくり加えてpH=2にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌し、蒸発させる。粗製物をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(500mg、2工程にわたって収率61%)を白色固体として得る。
【0435】
MeOH(30mL)中の6−(ベンジルオキシ)−5−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(500mg、1.48mmol)の溶液を、40℃にて一晩、大気圧下で触媒として10%Pd/C(50mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、PE:EA=2:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(295mg、収率91%)を白色固体として得る。
【0436】
DMF(10mL)中の5−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(295mg、1.8mmol)の溶液に、NCS(360mg、2.7mmol)を加える。混合物を30℃にて一晩撹拌する。粗製物をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(208mg、収率58%)を白色固体として得る。
【0437】
アセトン(20mL)中の7−クロロ−5−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(208mg、1.05mmol)およびKCO(290mg、2.1mmol)の溶液に、ブロモアセトン(173mg、1.26mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。固体を濾過により除去し、濾液を濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(200mg、収率75%)を白色固体として得る。
【0438】
MeOH(2mL)中の1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(100mg、0.39mmol)、NHCl(42mg、0.78mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、2mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(48mg、0.97mmol)を加える。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで抽出し、THF溶液を濃縮して、粗製の所望の生成物を白色固体(110mg)として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。MS/m/z=281.1(M+1,ESI+)。
【0439】
DMF(5mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(120mg、0.58mmol)、HATU(296mg、0.78mmol)およびDIPEA(151mg、1.17mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(110mg、粗製物、0.39mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(35mg、2工程にわたって収率19%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.12(s,1H),9.02(s,1H),8.00(d,J=8.0Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.23(s,1H),4.91(s,2H),4.35(d,J=8.4Hz,1H),4.19(d,J=8.4Hz,1H),2.34(s,3H),1.94(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて99.1%および254nmにて100%;MS:m/z=469.1(M+1,ESI+)。
【0440】
実施例55
N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化83】
DCM(250mL)中の5−メチルベンゼン−1,3−ジオール(8.0g、65mmol)およびDIPEA(48mL、325mmol)の溶液に、クロロメチルエチルエーテル(15mL、163mmol)を室温にて滴下して加え、一晩撹拌する。水(100mL)を加え、混合物をDCM(3×100mL)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物(13.0g、収率83%)を無色の油として得る。
【0441】
窒素下で0℃にて、THF(200mL)中の1,3−ビス(エトキシメトキシ)−5−メチルベンゼン(13.0g、54mmol)の溶液に、n−BuLi(ヘキサン中の23.8mLの2.5M溶液、60mmol)を滴下して加える。得られた懸濁液を18℃に加温し、この温度にて1.5時間ゆっくり撹拌し、次いで乾燥DMF(5mL、65mmol)で処理する。得られた混合物を水(100mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出する。次いで合わせた有機相を水(40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=5:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(10.5g、収率72%)を淡黄色の固体として得る。
【0442】
THF(120mL)中の2,6−ビス(エトキシメトキシ)−4−メチルベンズアルデヒド(10.5g、39mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン(40mL)中の4N HClを加える。次いで混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を除去した後、残渣をCombiflashにより精製して、所望の生成物(2.9g、収率50%)を黄色の固体として得る。
【0443】
80mLのTHF中の2,6−ジヒドロキシ−4−メチルベンズアルデヒド(2.9g、19mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.6g、57mmol)の溶液に、指示薬としてメチルオレンジを加え、黄色の溶液を得る。水性1N HCl溶液(57mL)を、橙色を維持しながら反応系にゆっくり加える。混合物を室温にて3時間撹拌する。水を加え、混合物をEtOで3回抽出する。溶媒を除去した後、残渣をCombiflashにより精製して、所望の生成物(1.0g、収率40%)を白色固体として得る。
【0444】
オキシ塩化リン(1.6mL、18mmol)を、30分間、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃で撹拌しながらDMF(7mL)に滴下して加える。次いで混合物をカニューレにより、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃にて撹拌しながらDMF(10mL)中の2,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジオール(1.0g、7mmol)の溶液に移す。混合物を室温にゆっくり加温し、一晩撹拌する。混合物を氷水に注ぐ。10時間後、固体が沈殿する。混合物を濾過して、所望の生成物(1.2g、収率60%)を白色固体として得る。
【0445】
MeCN(40mL)中の2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチルベンズアルデヒド(1.2g、7mmol)、NaHCO(1.82g、21mmol)およびKI(240mg、1.4mmol)の溶液を60℃にゆっくり加温する。この時に、BnBr(1.36g、8mmol)を加える。混合物を80℃に加温し、一晩撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、蒸発させる。残渣を水(20mL)と混合し、EA(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.48g、収率80%)を白色固体として得る。
【0446】
0℃にて、DCM(40mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルベンズアルデヒド(1.48g、5.7mmol)およびEtN(2.92g、29mmol)の溶液に、DCM(5mL)中のTfO(3.59g、12.7mmol)の溶液を滴下して加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。水(50mL)を加え、混合物をDCM(50mL2)で抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(515mg、収率23%)を白色固体として得る。
【0447】
1,4−ジオキサン(30mL)中の3−(ベンジルオキシ)−6−ホルミル−2,5−ジメチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(515mg、1.33mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(896mg、3.98mmol)およびKOAc(650mg、6.63mmol)の溶液に、PdCl(dppf)(108mg、0.13mmol)を加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下で90℃にて一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、PE:EA=6:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(320mg、粗製物)を黄色の固体として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0448】
THF(15mL)中の粗4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3,6−ジメチルベンズアルデヒド(320mg、0.9mmol)の溶液に、NaBH(68mg、1.8mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌し、次いでそれに3N HClをゆっくり加えてpH=2にする。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をCombiflashにより精製して、所望の生成物(190mg、2工程にわたって収率53%)を白色固体として得る。
【0449】
MeOH(30mL)中の6−(ベンジルオキシ)−4,7−ジメチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(190mg、0.71mmol)の溶液を、40℃にて大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(20mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、prep−HPLCにより精製して、所望の生成物(115mg、収率91%)を白色固体として得る。
【0450】
アセトン(20mL)中の4,7−ジメチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(115mg、0.65mmol)およびKCO(178mg、1.29mmol)の溶液に、ブロモアセトン(106mg、0.78mmol)を加える。反応混合物を3時間還流する。固体を濾過により除去し、濾液を濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して所望の生成物(75mg、収率50%)を白色固体として得る。
【0451】
MeOH(2mL)中の1−(1−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(75mg、0.32mmol)、NHCl(34mg、0.64mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、2mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(31mg、0.64mmol)を加える。反応混合物を室温にて5時間撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を減圧下で除去する。残渣をTHFで洗浄し、THF溶液を濃縮して、所望の生成物(粗製物)を白色固体(120mg)として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0452】
DMF(2mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(99mg、0.48mmol)、HATU(182mg、0.48mmol)およびDIPEA(1124mg、0.96mmol)の溶液を室温にて30分間撹拌し、その後、2−アミノ−3−(1−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(120mg、粗製物、0.32mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをprep−HPLCにより精製して、N−(2−シアノ−1−(1−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(20mg、2工程にわたって収率14%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.05(s,1H),8.90(s,1H),8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),6.92(s,1H),4.85(s,2H),4.46(d,J=9.2Hz,1H),4.24(d,J=9.2Hz,1H),2.31(s,3H),2.16(s,3H),1.84(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100%および254nmにて100%;MS:m/z=449.1(M+1,ESI+)。
【0453】
実施例56
N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化84】
0℃にて、DMF(150mL)中のベンゼン−1,3,5−トリオール(12.0g、95.24mmol)およびKCO(26.3g、190.48mmol)の溶液に、CHI(13.6g、95.24mmol)をゆっくり加える。反応混合物を0℃にて3時間撹拌する。EA(500mL)を加え、混合物を水(100mL3)で洗浄する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(5.33g、収率40%)を白色固体として得る。
【0454】
オキシ塩化リン(9.1mL、95.18mmol)を、30分間、N雰囲気下で丸底フラスコ中で0℃で撹拌しながらDMF(20mL)に滴下して加え、次いでDMF(15mL)中の5−メトキシベンゼン−1,3−ジオール(5.33g、38.07mmol)の溶液を0℃にてゆっくり加える。混合物を室温にて3時間撹拌する。溶液を氷水(500mL)に注ぎ、1時間撹拌し、溶液を一晩静置させる。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物(3.84g、収率60%)を黄色の固体として得る。
【0455】
MeCN(60mL)中の2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシベンズアルデヒド(3.84g、22.86mmol)、NaHCO(5.76g、68.57mmol)およびKI(759mg、4.57mmol)の混合物を60℃にゆっくり加温する。この時に、臭化ベンジル(3.0mL、25.15mmol)を加え、混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、溶媒を回転蒸発により濃縮する。残渣を、PE:EA=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(4.78g、収率81%)を黄色の固体として得る。
【0456】
DCM(100mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−6−メトキシベンズアルデヒド(4.78g、18.53mmol)およびEtN(7.45mL、55.59mmol)の溶液に、0℃にてTfO(7.8mL、46.33mmol)をゆっくり加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌する。混合物を水に注ぎ、EA(150mL3)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、PE:EA=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(4.5g、収率62%)を淡黄色の固体として得る。
【0457】
1,4−ジオキサン(150mL)中の5−(ベンジルオキシ)−2−ホルミル−3−メトキシフェニルトリフルオロメタンスルホネート(4.5g、11.54mmol)、KOAc(5.65g、57.7mmol)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(5.2g、23.08mmol)およびPdCl(dppf)(844mg、1.154mmol)の混合物を窒素雰囲気下で16時間100℃にて撹拌する。次いで混合物を室温に冷やし、濾過し、溶媒を回転蒸発により濃縮する。残渣を、PE:EA=10:1での溶出によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.4g、収率58%)を黄色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0458】
THF(100mL)中の4−(ベンジルオキシ)−2−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−6−メトキシベンズアルデヒド(2.4g、6.78mmol)の溶液に、NaBH(515mg、13.56mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌し、次いで氷浴でそれにHCl(10.0mL、6N)をゆっくり加える。混合物を室温にて16時間撹拌し、蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(1.23g、収率67%)を白色固体として得る。
【0459】
MeOH(25mL)およびEA(25mL)中の6−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(1.23g、4.56mmol)の溶液を、大気圧下で一晩、触媒として10%Pd/C(123mg)を使用して水素化する。触媒をセライトでの濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(492mg、収率60%)を淡黄色の油として得る。
【0460】
DMF(3mL)中の4−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(200mg、1.11mmol)およびNCS(163mg、1.22mmol)の混合物を60℃にて5時間撹拌する。混合物をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(130mg、収率55%)を白色固体として得る。
【0461】
アセトン(20mL)中の7−クロロ−4−メトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1,6(3H)−ジオール(130mg、0.607mmol)、1−ブロモプロパン−2−オン(166mg、1.214mmol)およびKCO(251mg、1.821mmol)の混合物を60℃にて2時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣をprep−HPLCにより精製して、所望の生成物(80mg、収率53%)を白色固体として得る。
【0462】
MeOH(5mL)中の1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)プロパン−2−オン(80mg、0.296mmol)、NHCl(32mg、0.593mmol)およびアンモニア(メタノール中7N、1mL)の混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、NaCN(30mg、0.593mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。DCM(50mL)を加え、溶媒を室温にて減圧下で除去する。残渣をTHFと混合し、濾過する。濾液を除去して、所望の生成物(粗製物)(120mg)を黄色の油として得る。それをさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0463】
DMF(3mL)中の4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(122.0mg、0.592mmol)、DIPEA(0.2mL、0.888mmol)およびHATU(225mg、0.592mmol)の溶液を室温にて10分間撹拌し、次いでDMF(2mL)中の粗2−アミノ−3−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−メチルプロパンニトリル(120mg、0.296mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。それをPrep−HPLCにより精製して、N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(8mg、2工程にわたって収率6%)を白色固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.17(s,1H),9.08(s,1H),7.98(d,J=8.0Hz,2H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),6.97(s,1H),4.83(d,2H),4.60(d,J=8.8Hz,1H),4.46(d,J=8.8Hz,1H),3.82(s,3H),1.87(s,3H)ppm;HPLC純度:214nmにて100.0%および254nmにて100.0%;MS:m/z=485.1(M+1,ESI+)。
【0464】
実施例57
(S)−N−(1−(7−クロロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−6−イルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化85】
上記の標題のキラル鏡像異性体は、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC、カラム:Chiralpak AD−H、250×30分 i.d;35%メタノール/CO;流速:62g/分;注入量:50mg/注入)を使用することによって実施例42におけるそのラセミ体混合物(1.9g)から得る。所望のキラルクロマトグラフィーピーク1画分の溶媒を除去し、次いで凍結乾燥して、所望の鏡像異性体(740mg、収率78%)を白色固体として得る。H NMR(DMSO−d,400MHz):δ9.10(s,1H),9.07(s,1H),7.98(d,J=8.4Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.17(s,1H),4.88(s,2H),4.56(d,J=9.6Hz,1H),4.37(d,J=9.6Hz,1H),2.17(s,3H),1.86(s,3H)ppm.MS:m/z=469(M+1).HPLC純度:214nmにて98.9%および254nmにて96.3%。Chiral HPLC純度:230nmにて99.4%。
【0465】
ヘモンカス・コントリウス(Haemonchus contortus)を使用したインビトロでの幼虫移動アッセイ
毛様線虫科(Trichostrongylidae family)の運動性と非運動性の寄生線虫を区別する96ウェルマイクロタイタープレートで行われる幼虫移動アッセイ(LMA)、薬物スクリーニングアッセイは以前に記載されている(Gonzalezら、2004、Bioorg.Med.Chem.Lett.14、4037−4043、Whiteら、2007、Vet.Parasitol.146、58−65)。手短に述べると、ヒツジまたはヤギにおける単一特異的増殖から得た、捻転胃虫(barber pole worm)(ヘモンカス・コントリウス)の第三段階(L3)の感染幼虫を、M9緩衝液(1リットル当たり、6gのNaHPO、3gのKHPO、5gのNaCl、250mgのMgSO−7HO、pHは7.0に調整した)中で希釈し、約25匹の幼虫/ウェルを得るようにマイクロタイタープレートのウェルにアリコートする。単一濃度試験のために、実験化合物を10ミリモル(mM)の濃度にてジメチルスルホキシド中で製剤化し、100マイクロモル(μM)の化合物濃度を達成するようにマイクロタイタープレートウェルに加える。EC50(50%有効濃度)値を決定するために、2倍希釈をM9緩衝液中で実施し、100〜1.563μMの範囲の濃度を得るようにマイクロタイタープレートに加える。プレートを覆い、27〜28℃および>75%相対湿度にて24時間インキュベートする。次いで内容物を、60マイクロのナイロンメッシュスクリーンを覆っている2%の低融点アガロースを含有する96ウェルMultiScreen(商標)ナイロンメッシュプレート(Millipore)のそれぞれの上部ウェルに移す。上部のバリアプレートを、150マイクロリットル(μl)の誘引物質溶液/ウェル(1リットル当たり、62.5mlの高塩第一胃緩衝液濃度、3mlの氷酢酸、0.75mlのプロピオン酸、0.25mlの酪酸、pH6.5に調整した)を含有する付随の96ウェル底トレイ内に挿入する。プレートを27〜28℃および>75%相対湿度にて24時間インキュベートし、この時に、運動性(生存)幼虫は、アガロース−ナイロンメッシュバリアを通って誘引物質溶液内に下方へ移動できるのに対して、非運動性(死滅またはまひした)幼虫は上側のウェルに存在したままである。上部および底部ウェルの両方の内容物を10〜20μlの0.1Nヨウ素溶液で染色し、実体顕微鏡下で可視化する。移動の阻害パーセントを、上側および下側ウェルのそれぞれの幼虫の総数に対する上側ウェルに存在しているままである幼虫の割合として算出し、Schneider−Orelliの方法(Schneider−Orelli,O.、1947.Entomoligisches Praktikum.H.R.Sauerlander、Aarau、Switzerland)を使用して陰性対照の移動に調整する。
【0466】
以下の実施例からの化合物は、100μM以下の濃度にてこのアッセイにおいて評価した場合、≧50%活性(移動の阻害)を示す:1、1a、2、2a、3、3a、4、4a、5、5a、6、6a、7、8、9、10、13、15、16、17、17a、18、21、21a、22、22a、23、24、25、26、27、28、33、36、37、37a、38、38a、39、42、43、44、45、47、48、49、50、51、52、53、55、56、および57。
【0467】
インビボでのスナネズミ駆虫薬試験
反芻動物寄生線虫H.コントリウス(H.contortus)およびコルブリフォルミス毛様線虫(Trichostrongylus colubriformis)の第3段階の幼虫によるスナネズミの共感染について以前に記載されている方法のわずかな改変を使用してインビボでの実験を行う(Conderら、1991、J.Parasitol.77,621−623およびWhiteら、2007、Vet.Parasitol.146、58−65.)。手短に述べると、免疫抑制したモンゴルスナネズミ(Meriones unguiculatus)を、3剤耐性菌のH.コントリウス(大環状ラクトン、ベンズイミダゾール、レバミソールに耐性がある)およびベンズイミダゾール耐性の土壌から単離したT.コルブリフォルミス(T.colubriformis)株の約1,500匹の幼虫による強制経口投与により感染させる。最低で五匹(n=5)のスナネズミを各化合物についておよび/または各濃度にて使用する。1週間後、実験用の試験化合物を、ポリエチレングリコール300、プロピレングリコールおよび水の溶液中で製剤化し、最大で100mg/kg体重の用量にて経口強制投与および/または皮下注射により線虫に感染したスナネズミに投与する。処置の約72時間後、スナネズミを安楽死させ、消化管(胃および小腸)の切片を取り除き、別々に処理する。組織試料を柔らかくし、37℃にて約2時間、10mlの生理的食塩水中に浸し、続いて3mlの1Nヨウ素溶液を加えて、線虫を殺傷し、染色する。各溶液の25%容積測定副次試料をペトリ皿に移し、実体顕微鏡下で線虫を数える。動物当たり、各器官に存在する線虫の総数を、各副次試料から数えた線虫の平均数を4倍することによって決定する。各線虫種に対する有効性(存在する線虫の減少%)を、以下の式を使用して算出する:
【数1】
式中、GMは幾何平均を示す。
【0468】
以下の実施例における化合物は、25mg/kg以下の用量にてこのアッセイにおいて試験した場合、H.コントリウスに対して≧80%有効性を示す:1、1a、2、3、3a、4、4a、5a、6、7、8、9、13、16、17、18、21、23、28、38a、42、43、45、52、53、55、および57。
【0469】
以下の実施例における化合物は、25mg/kg以下の用量にてこのアッセイにおいて試験した場合、T.コルブリフォルミスに対して≧80%有効性を示す:1、1a、2、2a、3、3a、4、4a、5a、6、6a、7、8、9、16、17、17a、18、21、23、25、27、38、42、43、44、45、および57。
【0470】
ヒツジにおける消化管線虫感染に対する化合物の活性
ヒツジにおける反芻動物消化管線虫感染に対する、経口水薬または皮下注射により投与した場合の化合物の駆虫活性を評価する研究を行う。内因性線虫感染を有さない若い成体の動物(約20〜45kg)に、W.A.A.V.P.ガイドライン(Wood,I.B.、N.K.Amaral,K.Bairdenら、1995.Vet.Parasitol.58:181−213)に従って、ヘモンカス・コントリウスおよび/またはコルブリフォルミス毛様線虫および/またはテラドルサジア・サークムシンクタ(Teladorsagia circumcincta)および/またはクーペリア・クルチセウ(Cooperia curticeu)の第3段階の感染性の幼虫を接種する。処置前の卵の計数に基づいて、ヒツジを陰性対照および処置群に割り当て、1群当たり全体で少なくとも3匹(n=3)の動物にする。化合物を適切なビヒクル(例えば、ポリエチレングリコール−300およびポリエチレングリコール系溶液またはCremphor系溶液)に溶解し、(皮下注射について)適用可能な場合、フィルタ滅菌し、6mg/kg体重以下(≦6mg/kg b.w.)の点用量を得るために0日目に感染動物に投与する。処置後の5日から18日の間に、動物を安楽死させ、消化管(第4胃および小腸)の選択した切片を、慣例の技術(第4胃および小腸の結紮、続いて除去、器官内膜の同時剥離と共に水によるリンス、続いて線虫の篩分けおよび単離)を使用して処理する。各動物からの器官内容物は水で等体積に調整する。試料を撹拌し、400mlの副次試料を取り除く。3つの別の40mlアリコートを副次試料(3.3%サンプリングレート)から除去し、0.1Nヨウ素で染色し、線虫を可視化し、実体顕微鏡下で数える。未処理の感染した対照群を、有効性(各種に存在する線虫の減少(幾何平均%))を算出する目的のために処置を受けているヒツジとの比較のために使用する。
【0471】
【表1】
【0472】
イヌにおける実験的鉤虫感染に対する実施例1の化合物の活性
25mg/kg体重以下の点用量にて経口投与した場合の実施例1の化合物の駆虫活性を、イヌにおける鉤虫であるイヌ鉤虫(Ancylostoma caninum)および挟頭鉤虫(Uncinaria stenocephala)の実験的感染に対して評価する。良好な健康の四(4)匹のビーグル犬に、完全な開存性の発生についての十分な時間を与えるように、W.A.A.V.P.ガイドライン(Jacobs,D.E.,A.Arakawa,C.H.Courtneyら、1994.Vet.Parasitol.52:179−202)に従って、各鉤虫種の第3段階の感染性幼虫を接種する。糞便の卵の計数を処置前(−2日および−1日)に2回行う。0日目に、試験物質(55〜65%ポリエチレングリコール−300、25〜35%プロピレングリコールおよび10〜20%水に溶解した技術的に活性)を、食道供給チューブを介して4匹全てのイヌに投与する。糞便の卵の計数を処置後3、5および7日目に行う。2回の処置前の糞便の卵の計数の平均を、各鉤虫種に対する有効性(糞便の卵の計数の減少(幾何平均%))を算出する目的のために処置後の卵の計数との比較用に使用する。
【0473】
実施例1の化合物の処置は、3日目にイヌ鉤虫(A.canium)の糞便の卵の計数において>50%の減少を生じ、5日目に挟頭鉤虫(U.stenocephala)の糞便の卵の計数において>50%の減少を生じる。化合物による処置は全てのイヌに耐用性良好である。
【0474】
上記のアッセイにおける活性は、本発明の化合物が内部寄生虫感染を抑制するのに有用であることを実証している。
【0475】
ウシにおける消化管線虫感染に対する化合物の活性
実施例1、2、3、4および6の化合物が使用される。皮下注射により投与される場合、ウシにおける天然の消化管線虫感染に対する化合物の駆虫活性を評価する研究を行う。種々の消化管線虫種で自然感染した若い成体の肉牛(約65〜230kg、n=6/群)を商業的供給業者から得る。処置前の糞便の卵の計数および種形成に基づいて、六匹(n=6)の動物/群を使用して、動物を陰性対照および実験化合物で処置した群に割り当てる。化合物を適切なビヒクル(例えば、ポリエチレングリコール−300およびプロピレングリコール系溶液)に溶解し、フィルタ滅菌し、≦10mg/kg b.wの点用量を得るように0日目に感染動物に投与する。
【0476】
処置後、14日と18日との間に、動物を安楽死させ、消化系を異なる解剖学的部位:第4胃、小腸および大腸(盲腸および結腸)に分ける。これらの3つの器官からの内容物をin totumで回収し、この系の各部分の粘膜を洗浄し、洗浄液を関連した内容物に加えた。アリコートを得、その後の寄生線虫の検査、計数および種形成のために10%ホルマリンで固定する。Wood,I.B.;Amaral,N.K.;Bairden,K.;World Association for the Advancement of Veterinary Parasitology(W.A.A.V.P.)、反芻動物(ウシ、ヒツジ、ヤギ)の駆虫薬の有効性を評価するためのガイドラインの第2版、Veterinary Parasitology、1995.v.58、p.181−213、およびVercruysseら(2001)に記載される方法に従って第4胃を水に一晩浸し、浸した流体を全て回収し、そこからアリコートを、寄生線虫の検査、計数および種形成のためにホルマリンで固定する。大腸および小腸を4時間浸し、検査、計数、および寄生線虫種形成のために必要とされる場合、アリコートをホルマリンに固定する。存在する寄生線虫の回収、計数、および種形成を、Levine,N.D.、Nematode parasites of domestic animals and of man、Burgess、Minneapolis、1968、p.600;Costa,A.J.、Diagnostico laboratorial em Parasitologia、I.Helmintologia.FCAV−UNESP,Jaboticabal−SP、1982、p.89;Ueno,H.;Gongalves,P.C.,Manual para diagnostico das helmintoses de Ruminantes、Japio.JICA、4ed.、1998,p.166の方法に従って行う。
【0477】
化合物による処置は、処置の時にウシに存在する以下の成体の線虫種の1つ以上の≧50%有効性(減少)を生じた:ヘモンカス・プラセイ(Haemonchus placei)、オステルターグ胃虫(Ostertagia osteragi)、クーペリア・パンクタータ(Cooperia punctata)、牛腸結節虫(Oesphagostomum radiatum)、ネマトジルス・ヘルベティアヌス(Nematodirus helvetianus)、およびブノストヌム・フレボトムーム(Bunostonum phlebotomum)。