特許第6121148号(P6121148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6121148改善された照射範囲を有する放射線検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121148
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】改善された照射範囲を有する放射線検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/44 20060101AFI20170417BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   G01J1/44 A
   G01J1/44 F
   H01L31/10 G
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-259828(P2012-259828)
(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公開番号】特開2013-138192(P2013-138192A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2015年11月19日
(31)【優先権主張番号】1103631
(32)【優先日】2011年11月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512056094
【氏名又は名称】ソシエテ、フランセーズ、ド、デテクトゥル、ザンフラルージュ、ソフラディル
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE FRANCAISE DE DETECTEURS INFRAROUGES SOFRADIR
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100161517
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 裕美
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、マルテール
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、ルバルド
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−141198(JP,A)
【文献】 特許第4683436(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0068860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00−1/60、11/00
H01L 31/10−31/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線を検出するための検出装置であって、
− 2つの端子が設けられたフォトデテクター(1)と、
− 前記フォトデテクター(1)により与えられた電流を、ロード(5)を用いて第1の電気変数に変換するように構成された制御回路(3)と、
− 前記フォトデテクター(1)と前記制御回路(3)とを含むピクセルであって、分析回路(4)と接続するように設計された出力端子(8)が設けられたピクセルと、
を備え、
− 第1の動作状態において前記フォトデテクター(1)の複数の前記端子の間に第1の電位差を与えるように構成され、且つ、第2の動作状態において前記フォトデテクターの前記複数の端子のうちの1つがフローティング電位になるように構成された前記フォトデテクター(1)のバイアス回路(2、3、6、7)と、
− 前記フォトデテクター(1)が前記第1の動作状態にあるときは、前記制御回路(3)を前記ピクセルの前記出力端子(8)と前記フォトデテクター(1)とに接続するように構成され、且つ、前記フォトデテクター(1)が前記第2の動作状態にあるときは、前記フォトデテクター(1)と前記制御回路(3)との接続及び前記出力端子(8)と前記制御回路(3)との接続を遮断するように構成された接続回路と、
− 前記フォトデテクター(1)を前記ピクセルの前記出力端子(8)と接続し、且つ、前記フォトデテクター(1)が前記第1の動作モードにあるときは遮断状態になるように構成され、前記フォトデテクター(1)が前記第2の動作モードにあるときは導通状態となるように構成されたスイッチ(9)と、
− 前記ロードに印加された電圧をしきい値に対して比較するように構成され、且つ、その比較に応じて第1の信号又は第2の信号を供給するように構成された比較器(10)であって、前記制御回路(3)を接続/遮断する前記接続回路と前記スイッチ(9)とに接続されている比較器と、
を備える検出装置。
【請求項2】
前記比較器(10)は、前記ロード(5)の前記複数の端子の間の電圧が前記しきい値(Vthreshold)に達していない間には、前記制御回路(3)が前記フォトデテクター(1)と前記ピクセルの前記出力端子(8)とに接続され、前記ロード(5)の前記複数の端子の電圧が前記しきい値に達した場合には、前記制御回路(3)が前記ピクセルの前記出力端子(8)と接続されるように、構成されている請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記接続回路(6、7)は、前記フォトデテクター(1)と前記制御回路(3)との間に接続された第1のスイッチ(6)を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記制御回路(3)は、バイアストランジスタ(11)を有する直接注入回路であり、前記バイアストランジスタは、前記フォトデテクター(1)と接続された第1の端子と、前記ロード(5)と接続された第2の端子とを有し、前記バイアストランジスタ(11)は前記接続回路の一部を形成し、前記バイアストランジスタ(11)のゲート電極は前記比較器(10)と接続されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記接続回路は、前記制御回路(3)と前記ピクセルの前記出力端子(8)との間に接続された第2のスイッチ(7)を備える、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の検出装置。
【請求項6】
前記ロード(5)は容量性ロードであって、第1の端子を有する集積容量(CINT)を備え、前記第1の端子は、前記第1の端子に固定電位を印加するように構成された回路に接続され、前記比較器(10)は前記集積容量(CINT)の第2の端子に接続されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の検出装置。
【請求項7】
前記比較器(10)は前記分析回路(4)と接続された出力端子を備え、前記フォトデテクター(1)の動作モードを前記分析回路(4)に伝えるように構成されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁放射線(electromagnetic radiation)を検出するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
検出装置の分野において、一般的には、フォトデテクターは読み出し回路と結合される。フォトデテクターは、観測現場(observed scene)を示す信号を出力するように特定の範囲の電位にバイアスされ、この信号は、分析回路に信号を送信するために読み出し回路により処理される。
【0003】
フォトデテクターをバイアスすることは、フォトデテクターの第1の端子に基板電位(substrate potential)を印加することと、フォトデテクターの第2の端子に基準電位(reference potential)を印加することとにより得ることができる。例えば、容量性伝送インピーダンスアンプタイプ(capacitive transimpedence amplifier)の読み出し回路は、基準電圧を印加することができる。
【0004】
感知した(experienced)光の状態(condition)に依存して、フォトデテクターは、ある程度の電流をこの情報を集積する読み出し回路に与える。このようにして、フォトデテクターが低強度の放射線を受けた場合には、フォトデテクターは低強度の電気信号を放出し、放射線の強度が増加する場合には、同じフォトデテクターからの電気信号は同じように増加する。
【0005】
検出装置に流れる電気信号は、初期電磁放射線(initial electromagnetic radiation)の強度の関数である場合、スプリアス信号及び得られた利用可能な信号対ノイズ比の大きさ(importance)を可能な限り小さくするために、検出装置を形成する様々な素子を同じサイズにすることは重要である。例えば、得られた受信可能な信号対ノイズ比は、読み出し回路のディメンションに関する賢明な選択を必要とし、特に、容量性ロードの値と、検出装置の様々な素子に印加される電力供給状態とに関してである。
【0006】
検出回路は、期待された照射状態(illumination conditions)に基づいて設計され、及び/又は、バイアスされる。その結果、受信された電磁放射線が期待値よりも大きくなった場合には、フォトデテクターは検出装置の電気回路を飽和させる大きな信号を生成する。いくつかのフォトデテクターが受信した光束(luminous flux)を示す情報を供給することが依然として可能な場合には、検出装置は完全に又は部分的に混乱(dazzle)する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
改良された検出装置であって同時に使用が容易であるような検出装置に対しての要求があることが知られている。
【0008】
以下を備える検出装置を提供することによりこの要求は満足される。
【0009】
− 2つの端子が設けられたフォトデテクターと、
− フォトデテクターにより与えられた電流を、ロードを用いて第1の電気変数(a first electrical variable)に変換するように構成された制御回路と、
− フォトデテクターと制御回路とを含むピクセルであって、分析回路と接続するように設計された出力端子が設けられたピクセルと、
− 第1の動作状態(a first operating condition)においてフォトデテクターの複数の端子の間に第1の電位差を与えるように構成され、且つ、第2の動作状態においてフォトデテクターの複数の端子のうちの1つがフローティング電位になるように構成されたフォトデテクターのバイアス装置と、
− フォトデテクターが第1の動作モードにあるときは、制御回路をピクセルの出力端子とフォトデテクターとに接続し、フォトデテクターが第2の動作モードにあるときは、制御回路を遮断する(disconnecting)ように構成された接続回路と、
− フォトデテクターをピクセルの出力端子と接続し、且つ、フォトデテクターが第1の動作モードにあるときは遮断状態になるように構成され、フォトデテクターが第2の動作モードにあるときは導通状態となるように構成されたスイッチと、
− ロードに印加された電圧をしきい値に対して比較するように構成され、且つ、その比較に応じて第1の信号又は第2の信号を供給するように構成された比較器であって、接続回路とスイッチとに接続されている比較器と。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、検出回路を概略的に示す。
図2図2は、図1の検出回路の特有の実施形態を概略的に示す。
図3図3は、図2の比較器の特有の実施形態を概略的に示す。
図4図4aから図4fは、検出回路におけるそれぞれ異なる電圧のクロノグラムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
他の利点及び特徴は、本発明の特有の実施形態についての下記の説明により、さらに明らかにされる。本発明の特有の実施形態は、単なる例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の特有の実施形態は、添付の図面により示される。
【0012】
図1に示されるように、検出装置は少なくとも1つのピクセルを備え、好ましくはマトリックス状に配置することができる複数のピクセルを備える。ピクセルは、少なくとも1つのフォトデテクター1を備える。従って、検出装置はフォトデテクター1を有し、好ましくは、例えばマトリックス状に配置された複数のフォトデテクターを有する。
【0013】
フォトデテクター1は構成(organization)における第1の軸Xに沿って配置することができ、すなわち、フォトデテクター1は、第1の軸Xに従った列又は行を形成する。フォトデテクター1は、反復されるピッチを持ってX軸に沿って並んでおり、有利には、一定の反復ピッチを持つ。
【0014】
フォトデテクター1は、第1の端子と第2の端子とを備える。フォトデテクターは、観測現場についての情報を分析回路に供給するためにバイアスされる。
【0015】
装置は、第1及び第2の動作モードの間にフォトデテクター1をスイッチするスイッチ回路を備える。スイッチ回路は、フォトデテクター1を第1の動作モードに、もしくは、第1の動作モードとは異なる第2の動作モードにするように構成されている。
【0016】
フォトデテクター1のバイアスは、フォトデテクター1の各端子に接続することができるバイアス装置を用いて実現することができる。フォトデテクター1のバイアス装置は、第1の動作モードにおいては、フォトデテクター1の複数の端子の間に第1の電位差を与えるように構成される。第1の動作モードにおいては、第1の電位差は、フォトデテクター1の複数の端子の間に与えられ、これは、基板電位VSUBPVと基準電位VREFとである。有利には、フォトデテクター1は、受信した電磁放射線の束を電荷キャリアの流れにリニアに変換する変換を得るようにバイアスされる。フォトデテクターがフォトダイオードであるという特有の場合においては、好ましくは、フォトダイオードは電流がほぼ一定となるように逆バイアスされる。
【0017】
第1の動作モードにおいては、フォトデテクターは、その第1の端子と第2の端子との間に与えられた第1の電位差を用いてバイアスされる。第1の端子は、バイアス電圧VSUBPV(基板電位とも呼ばれる)を与える第1の電圧源に電気的に接続される。第2の端子は、制御回路3の入力端子と電気的に接続される。本実施形態によれば、制御回路3は、フォトデテクターから出力された電流を第1の電気変数に変換するように、及び/又は、基準電位VREFをフォトデテクター1に接続された制御回路の入力端子に印加するように構成される。このようにして、制御回路3は、フォトデテクター1の複数の端子の間に第1の電位差を与えることにかかわり、よって第1の動作モードを確立する。基準電圧VREFは、有利には、フォトデテクター1を受信した電磁放射線の束を電流にリニアに変換するようなモードで動作させるように、選択される。制御回路3は、電流信号から他の電気信号への変換回路として機能し、好ましくはリニアに変換する変換回路として機能する。
【0018】
第2の端子にバイアスすることは、制御回路3、及び/又は、他の回路(不図示)により行うことができる。示された例においては、フォトデテクター1は電圧源2と制御回路3とを用いてバイアスされる。
【0019】
特有の実施形態においては、フォトデテクター1から出力される情報の集積は、集積容量(integration capacitor )を備える制御回路3を用いて行われる。他の実施形態においては、情報の集積及び/又は格納は、装置の出力に接続することができる補助回路(不図示)の中で行われる。更なる他の実施形態においては、情報の集積は、フォトデテクターがフォトダイオードである場合には、フォトデテクターの寄生容量の中で行われる。この場合、制御回路3は、フォトダイオードがソースフォロワ検出器(a Source Follower per Detector )(SFD)として動作するようにフォトダイオードのバイアスが行われ、電流の変換及び集積はフォトダイオード1の中で直接行われる。
【0020】
特有の実施形態においては、フォトデテクター1は半導体材料から形成された基板の上に形成され、バイアス電圧VSUBPVは電圧源2に接続されたバイアスラインを介して半導体基板に印加される。バイアスラインは導電性材料から形成されたラインであり、例えば、基板の表面を走る金属ラインである。他の実施形態においては、バイアスラインは、基板のドーピング領域であり、この領域は、バイアスラインに沿った電位の急低下を少なくするように、基板の他の領域よりも高くドーピングされている。好ましくは、バイアスラインは基板と同じタイプの導電性のドーピング領域である。基板は第1の導電性タイプであり、例えばP型である。N型にすることも可能である。
【0021】
有利には、複数のフォトデテクター1は複数のフォトダイオードであり、バイアス電圧VSUBPVと制御回路3により与えられる基準電圧VREFとの間に逆バイアスされる。しかしながら、観測現場を示す電気信号を得るために、フォトデテクター1の複数の端子の間の電位差を調節することにより、量子井戸フォトデテクター(quantum well photodetector )、又は、マルチプル量子井戸フォトデテクター(multiple quantum well photodetector)(QWIP)を用いることが可能である。
【0022】
ピクセルはフォトデテクター1を備え、制御回路3と結合される。ピクセルは、分析回路の出力端子8を介して分析回路4と接続される。フォトデテクターから出された情報を分析回路4に与えることを可能とするように、制御回路3は分析回路4と接続される。有利には、分析回路4は、複数のピクセルと接続され、すなわち、例えばフォトデテクターのマトリックスの行または列といった複数のフォトデテクターのマトリックスに接続される。
【0023】
制御回路3は有利には容量性ロード(capacitive load)5を備え、容量性ロードは、フォトデテクター1から出された電荷を受け、集積回路を形成するように構成されている。容量性ロード5は、フォトデテクター1から与えられた電流を用いることにより帯電する。制御回路3の異なる構成も可能であり、例えば、制御回路3は、直接注入回路(direct injection circuit)、バッファ直接注入回路(buffered direct injection circuit)、又は、容量性伝送インピーダンスアンプ回路となることができる。容量性ロード5は、少なくとも1つの集積容量CINTを備える。フォトデテクターから出された電流は電圧に変換され、好ましくは、集積電流に比例した電圧に変換される。
【0024】
他の実施形態においては、容量性ロード5は、抵抗又は他の要素に置きかえられる。
【0025】
フォトデテクター1の2つの端子に印加された基板電位VSUBPVと基準電位VREFとを用いて、フォトデテクターは、受信した電磁放射線の束をそれを示す電流に変換する第1の動作モードで動作する。制御回路3が容量性ロード5を備えるような図示された特有の場合においては、情報を示す電流は容量性ロード5に集積される。フォトデテクター1は観測現場を示す電流信号を供給する。この電流は容量性ロード5を用いて電圧に変換される。この電圧又はこの電圧の示す値は、電圧を分析回路4に伝えるようにピクセルの出力端子8に現れる。
【0026】
制御回路3の出力電圧は、集積容量CINTの中に集められた電荷を示し、よって、あらかじめ定められた時間においてフォトデテクター1により供給された電流の中の情報を示す。
【0027】
フォトデテクター1のスイッチ回路は、第2の動作モードにおいてフォトデテクター1の複数の端子の1つがフローティング電位となるように構成されている。第2の動作モードにおいては、電位は複数の端子のうちの1つに印加され、他のものはフローティング電位に維持される。このフローティング電位の最終的な値は、観測現場を特徴づけるために用いられる。有利には、基板電位VSUBPVは、他の端子の電位の測定を容易にするように第1の動作モードにおいて印加される。フローティング電位又はこのフローティング電位を示す値は、ピクセルの出力端子8に伝えることができる。フォトデテクターが開回路状態で動作する場合には、すなわち、複数の端子のうちの1つがバイアスされていない場合には、この端子の電位は、受信した光束を示すものである。この情報の変換はリニアではなく、しかしながら、変換領域に伸びる対数となる。
【0028】
フォトダイオードの開回路電圧VCOは、以下の式を用いて変換することができる。
【数1】
φはフォトダイオードにより光生成された(photogenerated)電流を示す。
SATはフォトダイオードの飽和電流を示す。
Tはフォトダイオードのケルビン温度を示す。
κはボルツマン定数を示す。
qはクーロン単位で示される電荷量を示す。
nは、フォトダイオードの理想係数を示す。
【0029】
第1の動作モードと第2の動作モードとの間でのスイッチングを確立するために、スイッチ回路は、フォトデテクター1の出力端子8に制御回路を接続し/遮断するように構成された接続回路を備える。
【0030】
接続回路は、フォトデテクター1が第1の動作モードにある場合にはフォトデテクター1の出力端子8に制御回路3を接続するように構成され、フォトデテクター1が第2の動作モードにある場合には制御回路3を遮断するように構成される。有利には、制御回路3を接続/遮断するように構成された接続回路は、ピクセルの出力端子8に制御回路3を接続/遮断するように構成することができる。
【0031】
スイッチ回路はスイッチ9も備え、スイッチはピクセルの出力端子8にフォトデテクター1を接続する。スイッチ9は、フォトデテクター1が第1の動作モードにある場合には遮断状態(blocking state)になるように構成され、フォトデテクター1が第2の動作モードにある場合には導通状態(passing state)になるように構成される。
【0032】
スイッチ9と制御回路3を接続/遮断するように構成された接続回路とは、好ましくは、フォトデテクター1が出す情報を出力端子8に達するようにそれぞれ2つの別の経路を通過させることができるように互いに相反する状態になるように構成される。第1の場合には、フォトデテクター1が出した電流は制御回路3に達し、容量性ロード5の中に集積することができる。容量性ロード5に集積された情報は出力端子8に伝達される。この電位の値又はこの電位により与えられる値は出力端子8に送られる。
【0033】
第2の動作モードにおいては、光発電機(photovoltaic generator)として動作する。この動作モードにおいては、観測現場を示す電流の移動は、測定装置内部に限定される。フォトデテクター1により受信された光束に応じて、フォトデテクターの複数の端子の間の電圧の増加と、次いでフローティング端子の電位の変化とが生じる。
【0034】
ここでは、特有の実施形態においては、バイアス電圧VSUBPVは常にフォトデテクター1に印加され、第2の端子はフローティング電位にある。この場合には、放出された電荷は部分的にフォトデテクター内にブロックされ、第2の端子の電位の値は観測現場を特徴づけるために用いられる。第2の端子の電圧は、受信した光強度に従って変化する。他の実施形態においては、第2の動作モードにおいて、第1の端子と第2の端子との間の電圧差のレンジの管理おいてさらなる自由度を持たせるために、基板電位の値は、第1の動作モードと第2の動作モードとで異なる。
【0035】
制御回路3を接続/遮断するように構成された接続回路はさまざまな方法で得ることができ、例えば、フォトデテクターと制御回路との間及び出力端子と制御回路との間に配置されたスイッチの対を用いることにより得ることができる。フォトデテクター1と出力端子8との間に接続又は遮断を形成するために、1つのスイッチは制御回路の入力端子に配置され、他のスイッチは制御回路3の出力端子に配置される。
【0036】
第1のスイッチ6が導通状態にある場合には、フォトデテクター1により与えられた電流が第1のスイッチ6を通過し制御回路3に達するように、第1のスイッチ6はフォトデテクター1と制御回路3との間に配置される。
【0037】
第2のスイッチが導通状態にある場合には、制御回路3により出された情報が第2のスイッチ7を通過してピクセルの出力端子8に到達するように、第2のスイッチ7は、制御回路3の出力端子に配置される。
【0038】
コンパクトな形態を有する好ましい実施形態においては、第2のスイッチ7は、ピクセルの出力端子8と容量性ロード5の複数の端子の1つである制御回路3の出力端子との間を直接接続する。同様に、第1のスイッチ6は、フォトデテクター1と直接接続された端子と制御回路3に直接接続された他の端子とを有する。
【0039】
この場合、スイッチ9は第3のスイッチ9として説明される。スイッチ9と、第1のスイッチ6により形成されるアセンブリと、制御回路3と、第2のスイッチ7とは、並列に接続される。
【0040】
好ましい実施形態においては、第3のスイッチ9は、フォトデテクター1の端子と第1のスイッチ6の端子とを有する第1の電気ノードAを定める。第3のスイッチ9は、ピクセルの出力端子8と第2のスイッチ7の端子とを有する第2の電気ノードBを定める。
【0041】
第3のスイッチ9は、第1のスイッチ6の状態と相反する状態に、有利には、第2のスイッチ7の状態とも相反する状態になるように構成される。第1及び第2のスイッチにおける反対の状態は、第1の動作モードの間に電荷のロスを生じることなく2つの動作モードの間をスイッチすることを可能にする。しかしながら、回路の構成に依存して、導通状態の2つのトランジスタを用いることも可能である。
【0042】
従って、第3のスイッチ9が導通状態にある場合には、第1のスイッチ6及び第2のスイッチ7は遮断状態にある。第3のスイッチ9が遮断状態にある場合には、第1のスイッチ6及び第2のスイッチ7は導通状態にある。
【0043】
その結果、第3のスイッチ9が導通状態にある場合には、出力端子8はフォトデテクター1の第2の端子に接続される。この場合には、出力端子8はフォトデテクター1のフローティング電位にあり、この情報は分析回路4に伝えられる。フォトデテクター1は、観測現場に関する「電圧」情報を直接与える。第1のスイッチ6と第2のスイッチ7とが導通状態にある場合には、ピクセルの出力端子8は、制御回路3の出力端子に接続される。制御回路3は、ピクセルの出力端子8に、フォトデテクター1により供給された電流を示す電圧を与える。フォトデテクターは、観測現場に関する「電流」の中の情報を出力する。この情報は制御回路3により「電圧」情報に変換される。
【0044】
フォトデテクター1により与えられた電流が非常に大きい場合には、制御回路3は飽和し、容量CINTの出力における出力電圧は、フォトデテクター1により伝えられた情報を示すものではない。このシナリオは、制御回路3がフォトデテクター1から来た過剰な電荷を除去するアンチブルーミング回路(anti-blooming circuit)を含む、又は、アンチブルーミング回路と結合されている場合に生じる。アンチブルーミング回路は、容量性ロード5の端子の電位差がしきい値に達した場合に動作を開始する。
【0045】
フォトデテクター1のバイアス状態(bias condition)がシフトした場合には、例えば、制御回路3によってフォトデテクター1に印加された基準電圧VREFの電荷を導くような容量CINTの端子の間の大きな電位差のためにシフトした場合には、集積した情報が観測現場を示すものではないようにすることができる。
【0046】
両方の場合において、異なる照射状態が想定された照射状態よりも強いために、ピクセルは観測現場を示す情報を与えることができない。
【0047】
フォトデテクター1の照射状態に関する情報を格納するために、装置は、容量性ロード5の端子の間のバイアス状態をしきい値Vthresholdに対して比較するように構成された比較器10を備える。
【0048】
測定された値がしきい値Vthresholdよりも小さい又は大きいことに依存して、比較器10は第1の信号又は第2の信号をその出力端子に出力する。第1の信号は第2の信号と異なる。
【0049】
特有の実施形態においては、比較器10は容量性ロード5の端子の間の電圧の測定を行い、この例においては、集積容量CINTの端子の間の電圧の測定を行う。他の実施形態においては、比較器10は制御回路3の出力の電圧の測定を行う。好ましい実施形態においては、容量性ロード5の端子は、固定電位が印加された回路に接続され、例えば固定電位とはグランド又は検出装置の他の特定の電圧である。この場合、容量性ロード5の端子の測定状態は、他の端子の電位の測定により決定され、他の端子とは固定電位ではない端子のことである。他の端子は制御回路3の出力端子又は制御回路3の他の端子とすることができる。
【0050】
一般的には、電圧測定は容量性ロード5に集積されたエネルギー量に応じて、すなわち、容量性ロード5の端子の間に存在する電位差に応じて、変化する電位を持つ電気ノードにおいて行うことができる。
【0051】
比較器10は、制御回路を接続/遮断するように構成された接続回路とスイッチ9とに接続される。スイッチ9の導通及び遮断状態と、接続回路の導通及び遮断状態とは、比較器10が出す信号に応じて、すなわち、比較結果に応じて決定される。
【0052】
図1の例においては、比較器10の出力端子は第1のスイッチ6と第2のスイッチ7と第3のスイッチ9との複数の制御端子に接続される。
【0053】
スイッチ6、7及び9は、容量性ロード5の両端の間の電圧がしきい値Vthresholdに達していない場合において、比較器10が第1の信号を出力し、その結果、第1のスイッチ6及び第2のスイッチ7が導通状態となり、第3のスイッチ9が遮断状態となるように構成される。バイアス状態に依存して、容量性ロード5の両端の間の電圧がしきい値Vthresholdよりも低い又は高い場合に、第1の信号を与えることができる。
【0054】
容量性ロード5の両端の間の電圧がしきい値に達する、又は、しきい値を横切る場合には、比較器10は第2の信号を出力し、その結果、第1のスイッチ6及び第2のスイッチ7が遮断状態となり、第3のスイッチ9が導通状態となる。スイッチは、光束が非常に強くなった場合に、フォトダイオードの減極(depolarization)と読み出し回路の飽和とを避ける。
【0055】
このようにして、容量性ロード5中に集積された電荷の量に応じて、ピクセルは「電流」情報又は「電圧」情報を分析回路4に伝える。「電流」又は「電圧」という単語はフォトデテクター1の動作モードに対応する。
【0056】
従来技術においては、ブルームドピクセル(bloomed pixel)は観測現場の状態の情報を与えることがないが、この構成によれば観測現場を示す他の情報を与えることができる。
【0057】
「電圧」情報はフォトデテクターの他の動作モードから来る。この第2の動作モードにおいては、フォトデテクターは光電気セル(photovoltaic cell)として働き、フォトデテクター1の両端の間のバイアスは照射状態と関連する。受信した光束に応じた対数型の情報は、その結果、光束と電気信号との間に存在する変換のスケールを圧縮する。このスケールの圧縮は、光束が非常に大きなスケールであっても行うことができる。第2の動作モードにおいて照射が強い場合には、分析回路はこの電圧領域で最適に動作するように構成する必要はない場合であっても、信号対ノイズ比は高いままである。
【0058】
第2の動作モードにおいて与えられた情報を第1の動作モードの間において与えられた情報の値と比較することが難しい場合には、同じ動作モードにおいて動作する2つのフォトデテクターの2つの照射状態を比較することも可能である。2つの異なる時間に関する2つの異なる情報を与えるように同じ動作モードにおける同じフォトデテクターを比較することも可能である。
【0059】
この構成は、照射状態に検出装置を合わせるために、受信された光束と出力された電気信号との間の変換スケールを変更することを容易にする。第1の動作モードにおいては、フォトデテクターは観測現場を示す電流を与え、好ましくは、詳細な分析を可能にするように観測現場に比例した電流を与える。
【0060】
第2の動作モードにおいては、この照射状態が強く、電流を管理するには大きすぎるため、フォトデテクター1の両端の間の電圧を分析することにより照射範囲(illumination range)を広げるように働くように選択される。
【0061】
しきい値Vthresholdに達した際に第1のスイッチ6及び第2のスイッチ7を遮断状態にスイッチすることは、「電圧」情報の値を破壊するピクセルにおける容量性ロード5の放電を避ける。しきい値Vthresholdに達する前に第3のスイッチ9を遮断状態にすることも同様である。この構成は、フォトデテクター1により出された電荷の消耗を避ける。これらの電荷は、ピクセルの出力端子8と分析回路4とに流れることができる。従って、電荷が容量性ロード5の中に集積することはない。スイッチのシンクロは、有利には情報の良好な感度を得るようなものであり、しかしながら、タイムラグは、第1及び第2の動作モードの間のスイッチを行うことを排除するものではない。
【0062】
図2に示される好ましい実施形態においては、制御回路3は「直接注入」タイプであり、すなわち、バイアストランジスタ11は容量性ロード5とフォトデテクター1との間に接続される。バイアストランジスタ11のゲート電極にバイアスを印加することは、フォトデテクター1の端子に印加される基準電圧VREFを設定することを可能にする。
【0063】
容量性ロード5の両端の間の電圧がしきい値に達していない場合には第1のゲート電圧がゲート電極に印加されるように、容量性ロード5の両端の間の電圧がしきい値に達した場合には第2のゲート電圧をゲート電極に印加するように、バイアストランジスタ11のゲート電極は比較器10に接続される。バイアストランジスタ11に印加される2つのゲート電圧は、比較器10により出された第1の信号及び第2の信号となることができる。しかしながら、第1の信号と第2の信号との間の差は、電流、又は、例えば周波数といった他のパラメータの差である。変換回路は比較器10の出力とゲート電極との間で使用することができる。
【0064】
第1のゲート電圧が印加された場合には、バイアストランジスタ11は導通状態にあり、フォトデテクター1により出された電荷は制御回路3に伝えられ、容量性ロード5に情報が集積される。第2のゲート電圧が印加された場合には、バイアストランジスタ11は遮断状態にある。
【0065】
フォトデテクター1と容量性ロード5との間の電荷の伝達を妨げ又は可能とすることから、バイアストランジスタ11は第1のスイッチ6に取り込まれることができる。この実施形態においては、制御回路3のバイアストランジスタ11は、制御回路3を接続/遮断するように構成された接続回路の一部である。トランジスタ11のゲート電極に印加された電位が比較器から直接又は間接に与えられる場合においては、第1のスイッチ6は有利にはバイアストランジスタ11である。
【0066】
非常にコンパクトな特有の実施形態においては、フォトデテクター1の第2の端子は、電気ノードAを形成するように、バイアストランジスタ11の第1の端子と第3スイッチ9の第1の端子とに接続される。
【0067】
バイアストランジスタ11の第2の端子は、集積容量CINTの第1の端子に接続される。第2のスイッチ7と第3のスイッチ9とピクセルの出力端子8とは、第2の電気ノード8を形成するように、互いに接続される。
【0068】
集積容量CINTの第2の端子はバイアス回路から来た固定電位(ここではグランド)に接続される。比較器10は、フォトデテクター1により供給された電流を用いて集積容量CINTを充電している間の電位をモニターするように、容量CINTの第1の端子の電位の測定を行う。
【0069】
第2の電圧源12は、容量性ロード5をリセットするためのリセット電圧Vを与えるために用いることができる。第2の電圧源12は、第4のスイッチ13を介して集積容量CINTの第1の端子に接続される。第4のスイッチ13が導通状態にある場合には、集積容量はリセットされる。容量性ロードのリセットは他の回路によっても行うことができる。
【0070】
比較器10が検出装置のさまざまな素子に接続されている場合には、有利には、異なる電圧範囲にある第1の信号及び第2の信号をそれぞれの出力端子に供給する。例えば、バイアストランジスタ11のゲート電極に印加された電圧VPOLは、第2のスイッチ、及び/又は、第3のスイッチに印加された電圧と異なるものとすることができる。
【0071】
比較器10は、第1の信号及び第2の信号を供給する出力を備える。この出力は、電圧レベルを変化させるための回路と結合されたバイパス回路と接続することができる。このようにして、比較器10により出された信号は、複数の信号に変換され、好ましくは同相(same phase)の複数の信号に変換される。様々な信号は異なる電圧範囲にある。
【0072】
他の実施形態においては、バイパス回路は比較器10に集積され、電圧レベルを変化させる回路もまた比較器に集積される。
【0073】
例えば、図3は比較器10の特有の実施形態を示す。比較器10は直列に接続された第1のトランジスタT1と第2のトランジスタT2とを備える。2つのトランジスタは、しきい値Vthresholdとグランド又は電力供給電Vddである回路の固定電圧との間に直列に接続されている。2つのトランジスタT1及びT2は、反対のタイプである。図3の特有の例においては、2つのトランジスタT1及びT2は、グランドとしきい値Vthresholdとの間に接続されている。トランジスタT1はPMOSタイプであり、しきい値電圧Vthresholdに接続されている。トランジスタT2はグランドに接続されており、NMOSタイプである。しきい値電圧は追加電圧源(不図示)を用いて印加される。
【0074】
比較器10により測定された電圧は、しきい値電圧Vthresholdを供給する追加電圧源に接続されたトランジスタのゲート電極に印加される。他のゲート電極は、容量性ロード5をリセットするためのリセット信号φを受信する。
【0075】
トランジスタT1及びT2の共通端子は、しきい値Vthresholdに対する容量性ロード5の端子の電圧の比較を示す信号VCTRTを供給する。例に示されるように、電圧VCINTが(トランジスタT1のしきい値電圧を差し引いた)しきい値Vthresholdよりも大きい際には、信号VCTRLがグランドと等しい。電圧VCINTがしきい値Vthresholdと等しくなった場合には、信号VCTRLはしきい値Vthresholdと等しくなる。電圧VCTRLは、第1の信号と第2の信号とを示す個別の2つの状態を示す。
【0076】
反対の動作は、電圧Vddをグランドと入れ替え、PMOSをNMOSと入れ替えることにより行うことができる。その反対も可能である。
【0077】
信号VCTRLは2つの他のトランジスタ、トランジスタT3及びT4のゲート電極に接続される。第3のトランジスタT3と第4のトランジスタT4とは直列に接続される。第3のトランジスタは第4のトランジスタのタイプと反対のタイプである。図に示される例においては、トランジスタT3及びT4は、バイアストランジスタ11のゲート電極の第1のバイアス電圧と第2のバイアス電圧との間に直列に接続される。図3に示される例においては、第1のバイアス電圧は電圧VGPOLであり、第2のバイアス電圧はグランドである。トランジスタT3及びT4の共通端子は、バイアストランジスタ11のゲート電極に接続される。ここでは、バイアストランジスタ11はNMOSである。
【0078】
トランジスタT3及びT4は、第1の信号と第2の信号とに対応する電圧レベルをシフトさせるように構成されたシフト回路を形成する。
【0079】
このようにして、しきい値電圧Vthresholdと集積容量CINTの端子の間の電圧との間を比較した結果に従い、第1及び第2のバイアス電圧はトランジスタ11のゲート電極に印加される。
【0080】
トランジスタT3及びT4の共通端子は信号VPOLを供給し、この信号はバイアストランジスタ11のゲート電極に印加される。このようにして、比較器10がトランジスタ11のゲート電極のバイアス状態と比較した信号を供給することができる、コンパクトな構成を容易に得ることができる。この回路は、信号VCTRLとバイアストランジスタ11に印加された電圧との間の電圧範囲を変化させることができる。
【0081】
同様の集積は、スイッチ7及び9をスイッチさせるように行うことができる。このような構成は、トランジスタT3及びT4の第2のグループを複製し、それらに信号VCTRLを印加し、供給状態を変化させることにより、得ることができる。電圧レベルをシフトさせるための第2の回路は例えば電圧Vddとグランドとの間に形成される。電圧をシフトさせるためのこの第2の回路の出力(信号)は、スイッチ7及び9のゲート電極に送られる。
【0082】
他の実施形態においては、有利には、並列に接続された2つのトランジスタによりスイッチ7、及び/又は、スイッチ9が形成される。2つのトランジスタは反対のタイプである。従って、NMOSトランジスタは信号を受信し、PMOSトランジスタは補完関係の又は反対の信号を受信する。
【0083】
トランジスタ7及び9のスイッチが連続的に行われた場合には、有利にはスイッチ7のNMOSトランジスタとスイッチ9のPMOSトランジスタとには同じ信号が印加される。補完する信号は、スイッチ9のNMOSトランジスタとスイッチ7のPMOSトランジスタとに印加される。
【0084】
図4aから図4fは検出装置の特徴的な要素の異なるクロノグラフを示す。図4aは、容量性ロードをリセットするためのリセット信号φを示し、これにより、回路の集積期間とリフレッシュ期間とを定めることができる。時間tにおいて、信号φは第4のスイッチ13を導通状態にスイッチし、もしくは、集積容量をリセットするための他の回路をスイッチする。リセットは時間tからtの間に行われる。観測現場の集積は時間tからtの間に行われる。時間tにおいては、容量性ロード5のリセット相(reset phase)を持って新しい集積サイクルが始まる。
【0085】
図4bは、曲線A及びBにより示される2つの異なる照射状態における容量性ロード5の端子の間の電圧を示す。図4cは、両方の照射状態における比較器10の出力に与えられる電圧VCTRLを示す。図4dは、バイアストランジスタ11のゲート電極に印加された電圧を示す。図4fは、フォトデテクターの第2の端子の電位VPVの値の変化を示す。図4gは、出力端子8の電位の値Vの変化を示す。
【0086】
図4bに示されるように、曲線A(実線)は第1の照射状態に対応し、第1の照射状態は、集積期間の最後であるtにおいて、容量性ロードの両端の間の電圧がしきい値電圧Vthresholdに達しない場合である。曲線Aの場合には、電圧VCINTは常に時間tとtとの間において電圧Vthreshold−Vよりも大きい。照射は、集積容量CINTの両端の間のコンスタントな電圧変化を導くコンスタントなものと考える。
【0087】
時間tにおいて、容量性ロードの両端の間の電圧がしきい値を超えている場合には、追加電圧源により注入されたしきい値電圧からトランジスタ13のしきい値電圧Vのしきい値電圧を差し引き(図4b)、比較器10はその状態と第1の信号とを変化させることなく、電圧Vssは、図4cに示される集積期間(時間tからtの間)のすべての間に比較器10により定められる。バイアストランジスタ11のゲートに印加された電圧VPOLは、集積期間のすべてにおいて一定であり、図4dに示される電圧VGPOLと等しい。
【0088】
フォトデテクター1の第2の端子の電圧VPVは、VGPOL−Vに等しく、すなわち、バイアストランジスタ11のゲート電極に印加された電圧からバイアストランジスタ11のしきい値から差し引く(図4e)。
【0089】
示された例においては、電圧VCTRL、VPOL及びVPVは、時間tからtの間で一定である。
【0090】
ピクセルにより伝えられた情報は、出力端子8の電圧に対応し、容量CINTの端子に印加された固定電圧Vから、集積期間における集積電流の積分(ここでは、I(t−t)と示す。)を容量性ロードの容量値によって割った値を引いたものと対応する(図4f)。すなわち、V−I(t−t)/CINTである。電圧Vの値は、フォトデテクターにより与えられた電流に応じて、時間tから変化する。
【0091】
フォトデテクターにより出力された電流が大きな場合には(図4bから図4fの点線の曲線B)、容量性ロードの両端の間の電圧がしきい値に達していることが図4bからわかる。時間tにおいては、容量性ロードの両端の間の電圧はしきい値に達している。時間tからtの間においては、装置の動作は、曲線Aとしてすでに説明した動作と同じである。
【0092】
時間tからtの間においては、比較器10はその出力端子から第1の信号を伝達する。時間tから時間tまでは、比較器10は第2の信号であるVthresholdを伝達する(図4c)。
【0093】
従って、第1のバイアス電圧はVGPOLであり、これは、時間tからtの間においてバイアストランジスタ11のゲート電極に印加される。第2のバイアス電圧(ここではVss)は時間tからtの間に印加される(図4d)。バイアストランジスタ11は時間tから遮断されるようになる。
【0094】
時間tからtの間において、フォトデテクターの第2の端子に印加される電圧は曲線Aの場合におけるVGPOL−Vに等しい。時間tからtまでは、フォトデテクターの第2の端子に印加される電圧は、第1の電極に印加された電圧からフォトデテクターの照射状態に関連する開回路電圧VCOを引いたものと等しい。示された例においては、第1の照射状態は時間tからt2´の間に印加される。第2の照射状態は時間t2´からtの間に印加される。照射状態が変化する場合、フォトデテクターの第2の電極の電圧が変化する(図4e)。フォトデテクターの照射の増加は、第1の端子に印加された電圧のギャップを増加させる。
【0095】
集積期間の始まりから時間tまで、出力端子8の電圧は曲線Aの場合の集積電流に対応する。時間tから、フォトデテクターのバイアス状態が変化し、出力電圧Vはフォトデテクターの第2の端子の電圧に対応する。従って、時間tの後の光状態が変化した場合、出力電圧Vにおいて変化がある。
図1
図2
図3
図4