特許第6121182号(P6121182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6121182-太陽電池パネルの設置架台 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121182
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】太陽電池パネルの設置架台
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20140101AFI20170417BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20170417BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   H02S20/23 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-22271(P2013-22271)
(22)【出願日】2013年2月7日
(65)【公開番号】特開2014-152499(P2014-152499A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000165505
【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】桑原 健
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−206317(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3171824(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3172598(JP,U)
【文献】 特開2012−246651(JP,A)
【文献】 特開2001−065121(JP,A)
【文献】 特開2000−114577(JP,A)
【文献】 特開2005−291677(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02397791(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0186632(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルを支持する支持材と、傾斜を保持するアーム材と、下地上に敷設される底辺材とを三角形に組み立ててなる太陽電池パネルの設置架台であって、
前記支持材は、長さ方向の一端に孔を有すると共に、長さ方向に沿って側壁及び頂部にボルトを保持可能な溝状部を有し、
前記アーム材及び前記底辺材は、長さ方向の両端に孔を有し、
前記底辺材の一端の孔と前記支持材の孔とを連通させ、且つボルトを挿通させて接続し、前記底辺材の他端の孔と前記アーム材の一端の孔とを連通させ、且つボルトを挿通させて接続し、支持材の側壁の溝状部に保持させたボルトをアーム材の他端の孔に挿通させることにより、傾斜角度を調整自在に接続し、所望の位置にてナットを締着して固定し、支持材の頂部の溝状部に保持させたボルトを太陽電池パネルの端縁を押さえる押さえ部材に挿通させることにより、取付位置を調整自在にて接続し、所望の位置にてナットを締着して固定したことを特徴とする太陽電池パネルの設置架台。
【請求項2】
アーム材が角度調節可能に連結された複数部材からなる請求項1に記載の太陽電池パネルの設置架台。
【請求項3】
支持材は、内側にケーブル収納スペースを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池パネルの設置架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置する場所(位置)に応じて太陽電池パネルの傾斜角度を任意の角度に設置することができ、設置後にも傾斜角度を変更することもでき、また太陽電池パネルの様々なサイズに対応させることができる太陽電池パネルの設置架台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光を用いた再生可能エネルギーを普及するという社会的気運の高まりがあり、政府や自治体が積極的に太陽電池モジュールを導入する需要に対して補助を行ったり、余剰の電力を電力会社が買い取る機構もまた構築されている。
そして、従来、太陽電池パネルを設置するには、太陽光の位置に応じてその傾斜角度を設定し、角柱状やレール状のフレーム部材を組み立てて下地等に固定する方法が採られていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、架台の完成後に傾斜角度を変更する必要があっても、その角度を変更することが困難であった。
また、そもそもが、工場での部材製作時に傾斜角度が決まっているものが多く、設置時に任意の角度で設置することさえも困難であった。
しかも、太陽電池パネルを支持して傾斜角度を任意に調整できるような支持架台を別途作成しようとしても、太陽電池パネルには様々なサイズ(長さ、高さ)があるため、これらの太陽電池パネルに応じた支持架台を個別に用意する等の対応は、コスト等も膨大にかかるため、到底困難であった。
【0004】
そこで、本発明は、設置する場所(位置)に応じて太陽電池パネルの傾斜角度を任意の角度に設置することができ、設置後にも傾斜角度を変更することもでき、また太陽電池パネルの様々なサイズに対応させることができる太陽電池パネルの設置架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、太陽電池パネルを支持する支持材と、傾斜を保持するアーム材と、下地上に敷設される底辺材とを三角形に組み立ててなる太陽電池パネルの設置架台であって、前記支持材は、長さ方向の一端に孔を有すると共に、長さ方向に沿って側壁にボルトを保持可能な溝状部を有し、前記アーム材及び前記底辺材は、長さ方向の両端に孔を有し、前記底辺材の一端の孔と前記支持材の孔とを連通させ、且つボルトを挿通させて接続し、前記底辺材の他端の孔と前記アーム材の一端の孔とを連通させ、且つボルトを挿通させて接続し、支持材の側壁の溝状部に保持させたボルトをアーム材の他端の孔に挿通させて傾斜角度自在に接続し、所望の位置にてナットを締着して固定したことを特徴とする太陽電池パネルの設置架台を提案するものである。
【0007】
、また、本発明は、前記設置架台において、アーム材は、角度調節可能に連結された複数部材からなることを特徴とする太陽電池パネルの設置架台をも提案する。
【0008】
また、本発明は、前記設置架台において、支持材は、内側にケーブル収納スペースを有していることを特徴とする太陽電池パネルの設置架台をも提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の太陽電池パネルの設置架台は、架台設置時及び設置後でも、架台の傾斜角度を容易に回数の制限なく変更することができる。それにより、周辺環境に合わせてより発電効率のよい傾斜にすることや、冬季は傾斜を急にして積雪量を軽減することができる。また、在庫時、搬入時、運搬時に折り畳むことで、省スペース化を図ることができる。
また、支持材は、長さ方向に沿って頂部にボルトを保持可能な溝状部を有し、支持材の頂部の溝状部に保持させたボルトを太陽電池パネルの端縁を押さえる押さえ部材に挿通させることにより、取付位置を調整自在にて接続し、所望の位置にてナットを締着して固定したので、支持材への太陽電池の設置は、頂部の溝状部にボルトを通して高さ調整スペーサと金具を併用して太陽電池パネルを押さえ付けることで容易に実施される。溝状部により長さ方向の固定位置が可変となり、サイズの異なる太陽電池パネルに対応できる。
【0011】
また、アーム材が角度調節可能に連結された複数部材からなる場合には、より急な傾斜に(=より大きな傾斜角度に)対応することができる。
【0012】
支持材は、内側にケーブル収納スペースを有している場合、太陽電池のケーブルが太陽電池パネルの側端に収納され、裏面にケーブルが垂れ下がることがなく、裏面空間を美麗に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)本発明の太陽電池パネルの設置架台の一実施例(第1実施例)を示す組み合わせ態様のうち、折り畳んだ状態を示す正面図、(b)その側面図、(c)支持材の溝状部にボルトを取り付けた状態を拡大して示す正面図、(d)傾斜を緩やかに設定した状態を示す側面図、(e)傾斜を急に設定した状態を示す側面図である。
図2】(a)第1実施例の設置架台に用いた支持材の正面図、(b)その側面図、(c)アーム材の正面図、(d)その側面図、(e)底辺材の正面図、(f)その側面図である。
図3】(a)第1実施例の設置架台を屋根下地の傾斜勾配に沿うように傾斜させて配設する態様を示す側面図、(b)用いた押さえ部材を拡大して示す側面図、(c)用いたスペーサを拡大して示す側面図、(d)第1実施例の設置架台を屋根下地に直交するように傾斜させて配設する態様を示す側面図である。
図4】二部材の連結部分を示す斜視図を付記した本発明の他の一実施例(第2実施例)を示す側面図である。
図5】(a)本発明の他の一実施例(第3実施例)を示す側面図、(b)その太陽電池パネルを省略した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、太陽電池パネルを支持する支持材と、傾斜を保持するアーム材と、下地上に敷設される底辺材とを三角形に組み立ててなる太陽電池パネルの設置架台であって、前記三つのフレーム状部材(支持材、アーム材、底辺材)のうち、二部材(アーム材,底辺材)は、長さ方向の両端に孔を有する簡易な構成であり、前記支持材は、長さ方向の一端に孔を有すると共に、長さ方向に沿って側壁にボルトを保持可能な溝状部を有する構成であることを特徴とする。
なお、より詳しくは、太陽電池パネルの左右の側縁に、前記三つのフレーム状部材を組み立てて設置するものであり、支持材、アーム材、底辺材は、太陽電池パネルの左右にそれぞれ配置される。
【0015】
そして、前記底辺材の一端の孔と前記支持材の孔とを連通させ、且つボルトを挿通させて接続し、前記底辺材の他端の孔と前記アーム材の一端の孔とを連通させ、且つボルトを挿通させて接続し、支持材の側壁の溝状部に保持させたボルトをアーム材の他端の孔に挿通させることにより、傾斜角度を調整自在に接続し、所望の位置にてナットを締着して固定した。
【0016】
本発明に用いる太陽電池パネルは、太陽電池モジュールの周縁に枠体(フレーム)を設けてパネル化したものであり、太陽電池モジュールは、結晶系等の太陽電池セルをガラス等に積層させてモジュール化したものであっても、アモルファス等の薄膜のものであってもよく、薄膜等にあっては、基材となる金属板等に一体化してシート状(板状)或いはボード状にしたものであってもよい。
前記太陽電池セルとしては、一般的には片面受光型を用いるが、発電量を増大させるために両面受光型を用いてもよく、この場合、太陽電池モジュールの下方に反射部を介在させればよい。
また、前記枠体は、前記太陽電池モジュールの四つの辺に配する上側枠、下側枠、左右の側方枠からなり、各枠体は、太陽電池モジュールの周縁を保持する保持部と、下方へ垂下する側壁とを備える。
【0017】
本発明における前記支持材は、前述のように太陽電池パネルを支持するフレーム状部材であって、長さ方向の一端に孔を有すると共に、長さ方向に沿って側壁にボルトを保持可能な溝状部を有する構成である。
前記溝状部は、開放部に内側へせり出した突出部が設けられ、内部空間に収納するボルトの脱落を防止する構成であり、その内部にボルトの頭部を陥入して移動可能とした構成である。このような溝状部にボルトの頭部を配置することで、容易にその配置位置を調整でき、ナットを締め付けて固定することができる。より詳しくは、溝状部に保持させたボルトをアーム材の孔に挿通させることにより、アーム材とこの支持材との連結位置を調整することで、支持材の傾斜、即ち太陽電池パネルの傾斜を調整することができる。
【0018】
また、この支持材は、後述する図示実施例のように、長さ方向に沿って頂部にもボルトを保持可能な溝状部を有することが望ましい。この溝状部に保持させたボルトを太陽電池パネルの端縁を押さえる押さえ部材に挿通させることにより、取付位置を調整自在にて接続し、所望の位置にてナットを締着して固定することができる。
【0019】
さらに、この支持材は、内側にケーブル収納スペースを有していることが望ましく、太陽電池パネルの右側に配する支持材であれば、「内側」とは左側を指し、太陽電池パネルの左側に配する支持材であれば、「内側」とは右側を指す。このようにケーブル収納スペースを形成した場合には、太陽電池のケーブルが太陽電池パネルの側端に収納され、裏面にケーブルが垂れ下がることがなく、裏面空間を美麗に保つことができる。
【0020】
本発明に用いる前記アーム材は、前述のように前記太陽電池パネルの傾斜を保持するものであり、長さ方向の両端に孔を有する構成であれば、それ以外の構成は特に限定するものではない。後述する図示実施例では、断面がコ字状のフレーム状部材としたが、どのような構成でもよい。
また、このアーム材は、単一部材で形成されるものでも、角度調節可能に連結された複数部材からなる構成でもよく、この場合には、より急な傾斜に対応することができる。
【0021】
本発明に用いる前記底辺材は、前述のように下地上に敷設されるものであり、長さ方向の両端に孔を有する構成であれば、それ以外の構成は特に限定するものではない。後述する図示実施例では、断面がL字状のフレーム状部材としたが、どのような構成でもよい。
【実施例】
【0022】
図1及び図2に示す第1実施例の太陽電池パネル1の設置架台2は、太陽電池パネル1を支持する支持材3と、傾斜を保持するアーム材4と、下地8上に敷設される底辺材5と、を三角形に組み立ててなる構成である。なお、これらの図1,2では、太陽電池パネル1や下地8の記載を省略している。
【0023】
この第1実施例における支持材3は、図2(a),(b)に示すように長さ方向の一端に孔311を有すると共に、長さ方向に沿って側壁31及び頂部32にそれぞれボルト3b,3cを保持可能な溝状部33,34を有するフレーム材である。
【0024】
この第1実施例におけるアーム材4は、図2(c),(d)に示すように縦片41の上下端を略水平状(横片42,43)に折り曲げた略コ字状のフレーム材であって、縦片41の長さ方向の両端に孔411,412を有する構成である。
【0025】
この第1実施例における底辺材5は、図2(e),(f)に示すように縦片51と横片52とからなる略L字状のフレーム材であって、縦片51の長さ方向の両端に孔511,512を有し、横片52が下地に沿わせる固定部となる構成である。
【0026】
そして、前記底辺材5の一端の孔511と前記支持材3の孔311とを連通させ、且つボルト3b(ナット3c)を挿通させて接続し、前記底辺材5の他端の孔512と前記アーム材4の一端の孔411とを連通させ、且つボルト5b(ナット5c)を挿通させて接続し、支持材3の側壁31の溝状部33に保持させたボルト3dをアーム材4の他端の孔412に挿通させることにより、傾斜角度を調整自在に接続し、所望の位置にてナット3eを締着して固定した。
【0027】
図1(a),(b)に示す組み合わせ態様は、前記三つのフレーム材を組み合わせて折り畳んだ状態を示し、この段階では底辺材5と支持材3、底辺材5とアーム材4はそれぞれ連結されて全体的に平坦状となって積み重ね等に際して嵩張ることがないため、保管や搬入、運搬に際して好適な態様である。
より具体的には、底辺材5の一端(孔511)と支持材3の端縁(孔311)とをボルト3bで接続し、底辺材5の他端(孔512)とアーム材4の一端(孔411)とをボルト5bで接続し、それぞれナット3c,5cを緩く留め付けている。、
但し、支持材3とアーム材4とは接続されていない。即ち支持材3の溝状部33にボルト3dは挿着されていない状態で搬送する。なお、図1(b)に示すように支持材3の溝状部33の端縁付近にボルト3dを挿着し、ナット3eを緩く嵌め付けた状態(=仮止めした状態)として保管や搬入、運搬してもよい。また、支持材3の頂部32に設けた溝状部34にも、同様にボルト3f及びナット3gを仮止めしておくようにしてもよい。
【0028】
図1(c)に拡大して示す組み合わせ態様には、点線にて示すようにボルト3d、ナット3eを仮止めした状態を示している。したがって、見かけ上、当該ボルト3dがアーム4を貫通しているように見えているが、実際のところは、前述のように端縁付近に仮と召しているに過ぎない。
【0029】
図1(d)及び図1(e)に示す組み合わせ態様は、支持材3の溝状部33に保持させたボルト3dをアーム材4の他端の孔412に挿通させて接続することにより、傾斜角度を調整自在にした状態を示し、図1(d)では比較的傾斜を緩く設定し、図1(e)では比較的傾斜を急に設定し、ナット3eを締め付けて固定したものである。
なお、溝状部33の取付位置を決めて傾斜角度が決定された後には、ナット3eを締め付けるのは勿論であるが、同時に他の接続部分におけるナット3c,5cも締め付けて固定する。
また、当然のことながら、ナット3e及びナットc,5cを緩めることにより、傾斜角度を変更することも極めて容易に実施することができる。
【0030】
このように本発明の太陽電池パネル1の設置架台2は、架台設置時及び設置後でも、架台の傾斜角度を容易に回数の制限なく変更することができる。
そして、例えば図1(d)に示すように周辺環境に合わせてより発電効率のよい傾斜にすることや、例えば図1(e)に示すように冬季は傾斜を急にして積雪量を軽減することができる。また、例えば図1(b)に示すように在庫時、搬入時、運搬時に折り畳むことで、省スペース化を図ることができる。
【0031】
また、この第1実施例の支持材3は、長さ方向に沿って頂部32にもボルト3fを保持可能な溝状部34を有するため、図3(a)に示すように溝状部34に保持させたボルト3fを太陽電池パネル1の端縁を押さえる押さえ部材6に挿通させることにより、取付位置を調整自在にて接続し、所望の位置にてナット3gを締着して固定することができる。
【0032】
図中の矢印アは太陽電池パネル1の傾斜勾配を示し、矢印イは流れ方向の長さを示し、太陽電池パネル1がどのような長さであったとしても、容易にスペーサ7及び押さえ部材6の位置を調節して対応することができる。また、矢印ウは、太陽電池パネル1の厚み方向を示し、太陽電池パネル1がどのような厚みであったとしても、スペーサ7又は押さえ部材6の高さを調整することで容易に対応することができる。なお、符号8は下地としての屋根であり、9はその上に固定された支持金具である。
前記押さえ部材6は、図3(b)に示すように太陽電池パネル1の端縁の上面を押さえる押さえ部61と略平坦状の固定部62とを備えるピース材であって、スペーサ7は、図3(c)に示すようにボルト3fを挿通させる孔71を備え、太陽電池パネル1の端縁を係止する役割をも果たす。
【0033】
図3(d)は、図中の矢印エが太陽電池パネル1の傾斜勾配を示し、矢印オは屋根下地8の流れ方向を示している。即ち前記図3(a)では屋根8の傾斜方向に沿うように太陽電池パネル1を設置し、この図3(d)では屋根8の傾斜方向に直交するように太陽電池パネル1を設置する態様を示している。このように屋根8の傾斜方向にかかわらず、設置方向を選択して設置することができる。
【0034】
図4に示す第2実施例は、アーム材4'が単一部材ではなく、二部材(4A,4B)を角度調整可能に連結した構成である点で異なり、それ以外の構成は、前記第1実施例と殆ど同様であるから、図中に同一符号を付して説明を省略する。
この第2実施例におけるアーム材4'を構成する各部材(4A,4B)は、略コ字状のフレーム材である点で前記第1実施例のアーム材4と同様であり、両部材(4A,4B)の端縁に設けた孔413,414を連通させてボルト4cを挿通し、ナット4dを締め付けて任意の角度に設定できる。
この第2実施例では、アーム材4'が角度調節可能に連結された複数部材(4A,4B)からなるので、図示するようにより急な傾斜に対応することができる。
【0035】
図5(a)に示す第3実施例は、設置架台2"を構成する支持材3"、アーム材4"、底辺材5"のそれぞれの長さや幅などが前記第1及び第2実施例とは僅かに相違し、各部位にもそれぞれ符号に「"」を付したが、その基本構成は同様であるから押さえ部材6"及びスペーサ7"も含めて説明は省略する。
なお、この第3実施例における押さえ部材6"は、本体6Aに起立部63を有する取付材6Bが一体化されている構成であり、この起立部63は雪止め作用を果たすと共に、吹きつけ風を上方へ逃がし太陽電池パネル1の水上端縁を減圧して裏面空間の空気を吸い出す作用を果たす。
また、図5(b)は、この設置架台2"を太陽電池パネル1の左右に配する状態を示し、この配設間隔Xを太陽電池パネル1"の幅方向の長さに応じて設定することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 太陽電池パネル
2,2' 設置架台
3 支持材
4 アーム材
4C 縦ボルト
5 底辺材
6 押さえ部材
7 スペーサ
8 (屋根)下地
9 支持金具
図1
図2
図3
図4
図5