【実施例】
【0022】
図1及び
図2に示す第1実施例の太陽電池パネル1の設置架台2は、太陽電池パネル1を支持する支持材3と、傾斜を保持するアーム材4と、下地8上に敷設される底辺材5と、を三角形に組み立ててなる構成である。なお、これらの
図1,2では、太陽電池パネル1や下地8の記載を省略している。
【0023】
この第1実施例における支持材3は、
図2(a),(b)に示すように長さ方向の一端に孔311を有すると共に、長さ方向に沿って側壁31及び頂部32にそれぞれボルト3b,3cを保持可能な溝状部33,34を有するフレーム材である。
【0024】
この第1実施例におけるアーム材4は、
図2(c),(d)に示すように縦片41の上下端を略水平状(横片42,43)に折り曲げた略コ字状のフレーム材であって、縦片41の長さ方向の両端に孔411,412を有する構成である。
【0025】
この第1実施例における底辺材5は、
図2(e),(f)に示すように縦片51と横片52とからなる略L字状のフレーム材であって、縦片51の長さ方向の両端に孔511,512を有し、横片52が下地に沿わせる固定部となる構成である。
【0026】
そして、前記底辺材5の一端の孔511と前記支持材3の孔311とを連通させ、且つボルト3b(ナット3c)を挿通させて接続し、前記底辺材5の他端の孔512と前記アーム材4の一端の孔411とを連通させ、且つボルト5b(ナット5c)を挿通させて接続し、支持材3の側壁31の溝状部33に保持させたボルト3dをアーム材4の他端の孔412に挿通させることにより、傾斜角度を調整自在に接続し、所望の位置にてナット3eを締着して固定した。
【0027】
図1(a),(b)に示す組み合わせ態様は、前記三つのフレーム材を組み合わせて折り畳んだ状態を示し、この段階では底辺材5と支持材3、底辺材5とアーム材4はそれぞれ連結されて全体的に平坦状となって積み重ね等に際して嵩張ることがないため、保管や搬入、運搬に際して好適な態様である。
より具体的には、底辺材5の一端(孔511)と支持材3の端縁(孔311)とをボルト3bで接続し、底辺材5の他端(孔512)とアーム材4の一端(孔411)とをボルト5bで接続し、それぞれナット3c,5cを緩く留め付けている。、
但し、支持材3とアーム材4とは接続されていない。即ち支持材3の溝状部33にボルト3dは挿着されていない状態で搬送する。なお、
図1(b)に示すように支持材3の溝状部33の端縁付近にボルト3dを挿着し、ナット3eを緩く嵌め付けた状態(=仮止めした状態)として保管や搬入、運搬してもよい。また、支持材3の頂部32に設けた溝状部34にも、同様にボルト3f及びナット3gを仮止めしておくようにしてもよい。
【0028】
図1(c)に拡大して示す組み合わせ態様には、点線にて示すようにボルト3d、ナット3eを仮止めした状態を示している。したがって、見かけ上、当該ボルト3dがアーム4を貫通しているように見えているが、実際のところは、前述のように端縁付近に仮と召しているに過ぎない。
【0029】
図1(d)及び
図1(e)に示す組み合わせ態様は、支持材3の溝状部33に保持させたボルト3dをアーム材4の他端の孔412に挿通させて接続することにより、傾斜角度を調整自在にした状態を示し、
図1(d)では比較的傾斜を緩く設定し、
図1(e)では比較的傾斜を急に設定し、ナット3eを締め付けて固定したものである。
なお、溝状部33の取付位置を決めて傾斜角度が決定された後には、ナット3eを締め付けるのは勿論であるが、同時に他の接続部分におけるナット3c,5cも締め付けて固定する。
また、当然のことながら、ナット3e及びナットc,5cを緩めることにより、傾斜角度を変更することも極めて容易に実施することができる。
【0030】
このように本発明の太陽電池パネル1の設置架台2は、架台設置時及び設置後でも、架台の傾斜角度を容易に回数の制限なく変更することができる。
そして、例えば
図1(d)に示すように周辺環境に合わせてより発電効率のよい傾斜にすることや、例えば
図1(e)に示すように冬季は傾斜を急にして積雪量を軽減することができる。また、例えば
図1(b)に示すように在庫時、搬入時、運搬時に折り畳むことで、省スペース化を図ることができる。
【0031】
また、この第1実施例の支持材3は、長さ方向に沿って頂部32にもボルト3fを保持可能な溝状部34を有するため、
図3(a)に示すように溝状部34に保持させたボルト3fを太陽電池パネル1の端縁を押さえる押さえ部材6に挿通させることにより、取付位置を調整自在にて接続し、所望の位置にてナット3gを締着して固定することができる。
【0032】
図中の矢印アは太陽電池パネル1の傾斜勾配を示し、矢印イは流れ方向の長さを示し、太陽電池パネル1がどのような長さであったとしても、容易にスペーサ7及び押さえ部材6の位置を調節して対応することができる。また、矢印ウは、太陽電池パネル1の厚み方向を示し、太陽電池パネル1がどのような厚みであったとしても、スペーサ7又は押さえ部材6の高さを調整することで容易に対応することができる。なお、符号8は下地としての屋根であり、9はその上に固定された支持金具である。
前記押さえ部材6は、
図3(b)に示すように太陽電池パネル1の端縁の上面を押さえる押さえ部61と略平坦状の固定部62とを備えるピース材であって、スペーサ7は、
図3(c)に示すようにボルト3fを挿通させる孔71を備え、太陽電池パネル1の端縁を係止する役割をも果たす。
【0033】
図3(d)は、図中の矢印エが太陽電池パネル1の傾斜勾配を示し、矢印オは屋根下地8の流れ方向を示している。即ち前記
図3(a)では屋根8の傾斜方向に沿うように太陽電池パネル1を設置し、この
図3(d)では屋根8の傾斜方向に直交するように太陽電池パネル1を設置する態様を示している。このように屋根8の傾斜方向にかかわらず、設置方向を選択して設置することができる。
【0034】
図4に示す第2実施例は、アーム材4'が単一部材ではなく、二部材(4A,4B)を角度調整可能に連結した構成である点で異なり、それ以外の構成は、前記第1実施例と殆ど同様であるから、図中に同一符号を付して説明を省略する。
この第2実施例におけるアーム材4'を構成する各部材(4A,4B)は、略コ字状のフレーム材である点で前記第1実施例のアーム材4と同様であり、両部材(4A,4B)の端縁に設けた孔413,414を連通させてボルト4cを挿通し、ナット4dを締め付けて任意の角度に設定できる。
この第2実施例では、アーム材4'が角度調節可能に連結された複数部材(4A,4B)からなるので、図示するようにより急な傾斜に対応することができる。
【0035】
図5(a)に示す第3実施例は、設置架台2"を構成する支持材3"、アーム材4"、底辺材5"のそれぞれの長さや幅などが前記第1及び第2実施例とは僅かに相違し、各部位にもそれぞれ符号に「"」を付したが、その基本構成は同様であるから押さえ部材6"及びスペーサ7"も含めて説明は省略する。
なお、この第3実施例における押さえ部材6"は、本体6Aに起立部63を有する取付材6Bが一体化されている構成であり、この起立部63は雪止め作用を果たすと共に、吹きつけ風を上方へ逃がし太陽電池パネル1の水上端縁を減圧して裏面空間の空気を吸い出す作用を果たす。
また、
図5(b)は、この設置架台2"を太陽電池パネル1の左右に配する状態を示し、この配設間隔Xを太陽電池パネル1"の幅方向の長さに応じて設定することができる。