(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の上限値に達したときに記憶された前記抽選結果に応じて変動表示した図柄が停止表示するまでの判定期間内に、前記記憶手段が記憶している前記抽選結果の数が再び前記所定の上限値に達した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のパチンコ遊技機では、遊技状態の報知に対する遊技者の介入性が低いため、遊技の興趣を十分に高めることができなかった。
本発明は、遊技状態の報知等に対する遊技者の介入性を高めることにより遊技の興趣を一層高めることが可能なパチンコ遊技機を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の抽選条件が成立した場合に抽選処理を実行する抽選手段
を有した主制御回路と、
当該主制御回路に接続された副制御回路と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて所定期間に渡り図柄を変動表示させた後、該抽選結果に応じた図柄を停止表示させる図柄変動手段と、
を備えた遊技機において、
前記主制御回路は、
前記抽選手段による抽選結果に応じて前記所定期間を決定する所定期間決定手段と、
所定の大当たり状態発生条件が成立した場合に大当たり状態を発生する大当たり状態発生手段と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記所定の大当たり状態発生条件が成立しやすい高確率状態を発生する高確率状態発生手段と、
図柄の変動表示中に前記所定の抽選条件が成立した場合に、当該抽選条件の成立に伴う抽選処理による前記抽選結果を所定の上限値まで記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記抽選結果を記憶された順に1つずつ読み出す読出手段と、
を備え、
前記副制御回路は、
前記記憶手段が記憶している前記抽選結果の数が前記所定の上限値に達した場合に、遊技者に対して所定の課題を提示する課題提示手段と、
前記課題提示手段により前記所定の課題が提示されてから、前記所定の上限値に達したときに記憶された前記抽選結果に応じて変動表示した図柄が停止表示するまでの
所定期間の合計値である判定期間における当該所定の課題の達成状況を判定する達成状況判定手段と、
前記達成状況判定手段による判定結果に応じて前記高確率状態である可能性を示唆又は報知する遊技状態示唆手段と、
を備え、
前記主制御回路は、前記記憶手段が記憶している前記抽選結果の数が前記所定の上限値に達していない状態で前記読出手段が前記抽選結果を読み出したことを条件に、当該抽選結果を前記副制御回路に出力する一方、前記記憶手段が記憶している前記抽選結果の数が前記所定の上限値に達している状態で前記読出手段が前記抽選結果を読み出したことを条件に、前記抽選結果に加えて前記判定期間の情報を前記副制御回路に出力するものであり、
前記課題提示手段は、前記主制御回路が前記判定期間の情報を出力したことを条件に、遊技者に対して前記所定の課題を提示することを特徴とするパチンコ遊技機にある(請求項1)。
【0007】
本発明のパチンコ遊技機は、記憶されている抽選結果が所定の上限値に達した場合に課題を提示し、その後、当該上限値に達したときに記憶された抽選結果に対応する図柄の変動表示が停止するまでの判定期間内の課題の達成状況に応じて遊技状態を示唆又は報知する。このパチンコ遊技機の遊技では、前記高確率状態である可能性の示唆等を受けるためには、課題を達成するという遊技者側の介入が必要になっている。
【0008】
このように、本発明のパチンコ遊技機の遊技では、遊技状態の報知に対する遊技者側の介入性が高められており、これにより遊技の興趣が向上されている。さらに、課題達成状況の判定期間は、記憶されている抽選結果に対応する図柄の変動時間による影響を受けて変動するため、その変動時間自体にも遊技者の関心を惹きつけることができ、従来にない斬新な遊技性を提供可能である。
【0009】
本発明のパチンコ遊技機としては、玉を遊技価値として使用するタイプであっても良いが、玉を遊技価値として利用しない、いわゆる封入式のタイプであっても良い。
本発明のパチンコ遊技機が提示する課題としては、例えば、操作ボタンを連続操作するゲームや、シューティングゲーム、アクションゲーム、カードゲーム、クイズなどでも良い。遊技者による操作など遊技者側の介入によって達成される課題であれば、どのような課題であっても本発明の作用効果が実現される。
【0010】
本発明における好適な一態様のパチンコ遊技機は、前記所定の上限値に達したときに記憶された前記抽選結果に応じて変動表示した図柄が停止表示するまでの判定期間内に、前記記憶手段が記憶している前記抽選結果の数が再び前記所定の上限値に達した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段を備えている(請求項2)。
【0011】
前記記憶手段に記憶された抽選結果の数が所定の所定の上限値に達した場合、抽選結果がそれ以上記憶されなくなるため、遊技者のモチベーションが低下して稼動(遊技領域への玉の打ち込み)が低下する傾向がある。そこで、課題提示中に再度、記憶されている抽選結果が所定の上限値に達した場合に特典を付与するように構成すれば、課題提示中であっても遊技者のモチベーションを維持しつつ稼動を維持することが可能になる。
【0012】
本発明における好適な一態様のパチンコ遊技機は、前記記憶手段が記憶する各抽選結果に対応させた記号を表示する特図保留表示手段を備え、
前記特図保留表示手段は、前記抽選結果に対して決定された前記所定期間に応じて該抽選結果に対応する記号の表示態様を変化させる(請求項3)。
【0013】
この場合には、記憶された抽選結果に対応する図柄の変動時間である前記所定
期間の長さの度合いを遊技者が事前に把握できるようになる。例えば、長時間の変動時間が決定された抽選結果が記憶されている場合には、その抽選結果が消化される前に前記所定の上限値に達すれば課題の判定期間が長く設定されることが前もって分かるようになる。このため、所定の上限値に達する前の段階でも遊技者の期待感を一層煽ることができようになり、特に、通常状態における遊技の興趣が高まる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、課題の達成状況に応じて遊技状態を報知するパチンコ遊技機1に関する例である。この内容について、
図1〜
図7を用いて説明する。
【0016】
本例のパチンコ遊技機1は、パチンコ玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機1は、特定の入賞口への入賞(始動条件)に応じて大当たりの抽選(大当たり判定)が実行され、その結果(当否結果)を表す図柄変動が実行される、いわゆるセブン機である。大当たりに当選したときには、大当たり図柄が停止表示されて大当たり状態が発生する。
【0017】
このパチンコ遊技機1では、大当たり状態(15R大当たり、2R大当たり)が終了した後、大当たりの当選確率が高くなる確変状態(高確率状態)が発生する。この確変状態は、1/100の当選確率の転落抽選に当選したとき、通常状態への転落に応じて終了する。なお、2R大当たりと表面的な動作が全く同様であるが、終了後に確変状態が発生することがない小当たりが設定されている。2R大当たりと小当たりとの判別は難しいため、2R大当たりあるいは小当たりの発生後の遊技状態が確変状態であるか否かの判断が非常に困難になっている。
【0018】
パチンコ遊技機1は、
図1に示すような外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13と、開閉扉13の内側の遊技盤面に形成された略円形状の遊技領域130と、遊技領域130の下部両側に配置された一対のスピーカ131と、遊技領域130の下側に設けられた上皿135及び下皿137と、上皿135の右下に配置された操作ハンドル15と、を備えている。
【0019】
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に対面して左側のヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部両側に配置された装飾ランプ部132と、が設けられている。
【0020】
上皿135は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿135は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿135の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置341に供給されるようになっている。上皿135に設けられた凹状の玉収容部135Aの外周縁部の上面には、課題を達成するために遊技者が操作する押下げボタンである課題用ボタン17が配設されている。
下皿137は、上皿135の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿135の玉を回収するための受け皿である。
【0021】
遊技領域130は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域130には、液晶表示部190を含む表示装置19を中心として、始動口12、通過ゲート14、大入賞装置16等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔138が開口している。遊技領域130の右側縁部には7セグメントの表示器よりなる特図表示部181が配置され、左側縁部にはLEDよりなる普図表示部182及び普図保留表示部183が配置されている。
【0022】
通過ゲート14は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート14には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート14を玉が通過すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。普図当選確率は、通常状態では1/20、確変状態では1/1.01となっている。
【0023】
普図表示部182は、普図判定結果の表示部である。普図表示部182は、LEDを点灯させることにより当選を表示し、消灯に応じてハズレを表示する。なお、普図の変動時間は30秒となっている。
普図保留表示部183は、普図保留として記憶(保留)された普図判定結果の表示部である。普図保留表示部183は、4つのLEDが縦に連設された表示部である。普図保留表示部183は、LEDの点灯個数により普図保留の保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0024】
特図表示部181は、大当たり判定(抽選処理)の抽選結果の表示部である。本例の特図表示部181は、2桁の図柄を変動表示させる図柄変動の後、何れかの図柄を停止表示することで大当たり判定の結果を表示する。特図表示部181に停止表示される図柄(特図停止図柄)は、ハズレ及び大当たりに対応して複数パターンずつ設定され、大当たり判定の結果に応じて何れかの変動パターンが決定される。
【0025】
なお、特図表示部181で表示される図柄の停止時間は1秒間程度と短く、一般の遊技者にとっては、特図停止図柄に応じて大当たり判定の結果を把握することは難しくなっている。遊技中では表示装置19により各種の遊技演出が実行されるので、専ら特図表示部181に注目して大当たり判定の結果を把握しようとする遊技者は少ないという実情がある。
【0026】
始動口12は、大当たり判定の契機となる入賞口(払出3玉)である。始動口12に玉が入賞(抽選条件)すると、大当たり判定用の抽選用乱数が抽出され大当たり判定が実行される。始動口12は、一対の可動羽根121を開口部120に設けた電チュー(電動チューリップ)により構成されている。
【0027】
通常時の一対の可動羽根121は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(
図1中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間を介してのみ玉が入賞する可能性がある。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根121(同図中、実線で示す状態。)は、開口部120への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。このような開放状態では、始動口12への入賞が容易に発生する。始動口12の開放時間は、通常状態では0.2秒、確変状態では1.5秒×3回となっている。
【0028】
大入賞装置16は、大入賞口160を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー16は、始動口12の下側に配置されている。アタッカー16は、横長略矩形状を呈する大入賞口160と、この大入賞口160を封止する蓋部材161と、を有している。
【0029】
平常時のアタッカー16では、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置し、大入賞口160が閉鎖状態となっている。蓋部材161が手前側に回動すると大入賞口160が開放状態となると共に、大入賞口160に玉を導くための受け皿として蓋部材161が作用する。なお、大入賞口160に入賞したときの払出は15玉となっている。
【0030】
表示装置19は、
図1のごとく、略中央に液晶表示部190が配置された装置である。液晶表示部190の表示画面190Aの下側には、大当たり判定の判定結果等の特図保留の数を表示する特図保留表示部192が配置されている。
【0031】
特図保留表示部192は、水平方向に配置された4箇所の表示ランプ192Sにより構成されている。特図保留表示部192では、特図保留の保留数(上限保留数4個)に当たる数の表示ランプ192Sが点灯する。
【0032】
液晶表示部190を備える表示装置19は、演出用図柄を用いて大当たり判定の結果を3桁の数字によって報知する演出画像195の表示画面、遊技者に対して課題を提示する表示画面、遊技状態を報知する表示画面等を表示可能である。
【0033】
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、
図2を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、主制御回路20を中心として構成されている。主制御回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路33、玉の打込を制御する発射制御回路34、遊技演出を制御する副制御回路35、液晶表示部190を制御する表示制御回路36、入賞玉あるいは通過玉の検出器312〜314、始動口(電チュー)12を開放する電チューソレノイド322、アタッカー16を開放させる大入賞ソレノイド324、普図表示部182や普図保留表示部183や特図表示部181や特図保留表示部192等を構成するLED327、及び電力供給のための電源回路328等が電気的に接続されている。
【0034】
副制御回路35には、スピーカ131を駆動するアンプ131Aや装飾ランプ部132が電気的に接続されているほか、表示制御回路36が通信可能に接続されている。さらに、本例の副制御回路35には、遊技者が操作する課題用ボタン17が電気的に接続されている。
【0035】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、
図1及び
図2に示すごとく、始動口12への入賞玉を検出する始動入賞検出器312、通過ゲート14の通過玉を検出するゲート通過検出器313、及びアタッカー16への入賞玉を検出する大入賞検出器314がある。
【0036】
払出制御回路33は、入賞が発生したとき、主制御回路20からの指示を受けて払出装置331を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御回路34は、操作ハンドル15の操作量に応じて発射装置341を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0037】
主制御回路20は、
図2に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。
【0038】
RAM24は、
図2のごとく、CPU21のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア241・普図保留エリア243、及び各1データ分の特図読出エリア245・普図読出エリア246が割り当てられている。
【0039】
特図保留エリア241は、大当たり判定の抽選結果等の特図保留の記憶領域である。普図保留エリア243は、普図判定結果の記憶領域である。特図読出エリア245は、特図保留エリア241から読み出された大当たり判定結果等の格納領域である。普図読出エリア246は、普図保留エリア243から読み出された普図判定結果の格納領域である。
【0040】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり判定用の抽選テーブル、確変状態下で実行される転落抽選用の転落抽選テーブル、及び普図判定用の抽選テーブルを記憶している。
【0041】
大当たり判定用の抽選テーブルでは、15R大当たり、2R大当たり、小当たりの当選乱数が、通常状態及び確変状態についてそれぞれ規定されている。通常状態における当選確率・確変状態における当選確率は、15R大当たり、2R大当たりについて、それぞれ、1/399・1/45、1/399・1/45となっている。
転落抽選テーブルでは、1/100の確率で転落抽選に当選するように当選乱数が規定されている。
【0042】
本例の主制御回路20は、
図2のごとく、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現している。
(1)抽選手段211:所定の抽選条件(始動口12の入賞)が成立したとき、乱数抽出部26が抽出する抽選用乱数を取得する抽選処理を実行する手段。抽選処理の後には、その抽選結果である大当たり判定結果に応じて、図柄である特図の変動時間(所定
期間)及び演出用図柄の停止パターンが抽選により決定される。
(2)所定期間決定手段213:大当たり判定の結果に応じて図柄変動期間を決定する手段。
(3)大当たり状態発生手段214:大当たり判定の当選(大当たり状態発生条件)に応じて大当たり状態を発生させる手段。
(4)高確率状態発生手段215:大当たり判定の当選確率が高い確変状態を発生させる手段。
(5)記憶手段216:図柄の変動中に取得された大当たり判定結果等、及び普図判定結果を4個(所定の上限数)を上限として前記特図保留エリア241あるいは普図保留エリア243に保留する手段。
(6)読出手段217:記憶手段216に記憶された大当たり判定結果等(特図保留)及び普図判定結果を、記憶された順番で特図読出エリア245あるいは普図読出エリア246に1つずつ読み出す手段。
【0043】
さらに、図示しないCPU、ROM、RAM等を備える制御基板により構成された副制御回路35は、プログラムをCPUに実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現している。なお、副制御回路35のROMには、図柄変動の演出を決定するための演出用抽選テーブル、及び遊技上の課題を決定するための課題用抽選テーブルが格納されている。課題用抽選テーブルでは、
図3のごとく、課題用ボタン17を所定回数押し下げる課題について、20回押下、50回押下、100回押下の各課題の当選確率が、それぞれ、2%、49%、49%となるように当選乱数が規定されている。
【0044】
(7)演出抽選手段351:演出画像195による演出を抽選により決定する手段。
(8)課題提示手段352:特図保留エリア241の保留数が4個に達したとき、遊技者に対して所定の課題を提示する手段。
(9)達成状況判定手段353:課題を提示した後、その課題が提示されたときに新たに保留された大当たり判定結果等に対応する図柄変動が停止するまでの判定期間における課題の達成状況を判定する手段。
(10)遊技状態示唆手段354:課題の達成状況に応じて高確率状態であるか否かを報知する手段。
【0045】
さらに、主制御回路20、副制御回路35、及び表示制御回路36の組み合わせにより図柄変動手段としての機能が実現されている。主制御回路20は、抽選結果である大当たり判定結果、特図の変動時間、及び遊技状態を副制御回路35に向けて出力する。副制御回路35は、抽選結果や特図の変動時間や遊技状態等に基づき、大当たり判定結果を報知するための演出パターンを決定し、表示制御回路36に出力する。表示制御回路36は、その演出パターンに従って演出用図柄(3桁の数字)を変動表示させた後、大当たり判定の結果(抽選結果)に応じた図柄を停止表示させる。
【0046】
次に、以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1の動作の流れを概説する。このパチンコ遊技機1は、操作ハンドル15が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート14などが配置された遊技領域130を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域130の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
【0047】
玉が流下する間に通過ゲート14を通過した場合には、乱数発生部27が発生する乱数の中から普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選処理が実行される。抽選用乱数は、普図判定用の抽選テーブルと照合され、普図判定の結果が決定される。普図判定に当選した場合には、普図表示部182を構成するLEDが点滅する期間の後、点灯状態になる。ハズレの場合には、同様の期間の後、消灯状態になる。普図判定に当選した場合には、始動口(電チュー)12の可動羽根121が開放される。
【0048】
始動口12への入賞が発生した場合には、大当たり判定用の抽選用乱数を抽出して大当たり判定用の抽選テーブルと照合することで大当たり判定が実行される。大当たり判定の後、その抽選結果である大当たり判定結果に応じた抽選により、特図の変動時間及び演出用図柄の停止パターンが決定される。
【0049】
演出用図柄による図柄変動中でなければ、特図保留エリア241を経由することなく大当たり判定結果等が直ちに特図読出エリア245に格納される。一方、図柄変動中であれば、大当たり判定結果等が特図保留として一旦、特図保留エリア241に格納される。ただし、特図保留エリア241の保留数が4個である場合には、大当たり判定結果等は特図保留エリア241に格納されることなく消去される。特図保留エリア241の大当たり判定結果等は、図柄変動が停止中であって、かつ、大当たり状態が発生中ではないとき、記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出され、特図読出エリア245に格納される。
【0050】
特図読出エリア245に大当たり判定結果等が格納されると、特図表示部181による図柄変動が開始される。さらに、特図読出エリア245に格納された大当たり判定結果、特図の変動時間、及び遊技状態が副制御回路35に出力される。特図表示部181による図柄変動は、抽選により決定された特図の変動時間が経過するまで継続され、経過に応じて図柄変動が停止される。なお、特図保留エリア241の保留数が4個に到達しているときの特図保留の読出時には、大当たり判定結果、特図の変動時間、及び遊技状態に加えて、「全特図保留の変動時間の合計値」が副制御回路35に出力される。この「全特図保留の変動時間の合計値」は、特図保留エリア241に格納されていた4個の特図保留の特図の変動時間の合計値である。
【0051】
副制御回路35は、主制御回路20から大当たり判定結果等を入力したとき、その大当たり判定結果等に応じた演出パターンを抽選により決定し、演出画像195による演出を開始する。この演出は、特図表示部181の図柄変動に同期して実行される。
【0052】
本例の演出画像195では、演出用図柄である3つの数字を変動表示させる演出動作が実行された後、停止表示された3つの数字によって大当たり判定結果が表示される。演出画像195中の3つの演出用図柄は、左→右→中の順番で停止する。左右に同じ演出用図柄が停止した場合には、大当たりに対する遊技者の期待感を煽るリーチ演出が実行される。
【0053】
なお、副制御回路35は、「全特図保留の変動時間の合計値」を含む情報を入力したとき、課題用抽選テーブル(
図3)を利用して課題を決定し、遊技者に提示する。課題の内容は、「全特図保留の変動時間の合計値」に当たる判定期間内に課題用ボタン17を所定回数押下げ操作することである。この所定回数は、上記課題用抽選テーブル(
図3)を利用した抽選により決定される。副制御回路35は、課題を提示する際、
図4のごとく、ボタンの絵柄と共に「ボタンを連打せよ!」のメッセージを液晶表示部190に表示する。課題が達成されたときには、副制御回路35は、確変状態であるか通常状態であるかを特定可能な報知を実行する。なお、課題提示中に15R大当たりが当選した場合には、課題の提示を終了し、当選した15R大当たり状態に対応する演出に切り替える。
【0054】
本例のパチンコ遊技機1では、15R大当たりが当選した場合、特図表示部181に所定の大当たり図柄が停止表示されると共に、3桁のゾロ目の演出用図柄を表示する演出画像195が停止表示される。その後、30秒経過するか10玉入賞するまで大入賞口160が開放されるラウンド処理が15回繰り返される大当たり状態が開始される。
2R大当たり、小当たりが当選した場合には、大入賞口160の0.5秒間の開放動作が2回繰り返される。
【0055】
このパチンコ遊技機1では、15R大当たりであるか2R大当たりであるかに関わらず大当たりの終了後には、大当たりの当選確率が高くなる確変状態が発生する。一方、2R大当たりと開放動作と見た目が同様の小当たりは、その終了後に確変状態が発生することがない点で2R大当たりとは異なっている。
【0056】
次に、主制御回路20による特図変動処理の流れ、副制御回路35による演出実行処理の流れをフロー図を参照しながら説明する。
図5は、主制御回路20による特図変動処理の流れを示すフロー図であり、
図6は、副制御回路35による演出実行処理の流れを示すフロー図である。
【0057】
主制御回路20は、
図5のごとく、始動口12に玉が入賞したとき(S101:YES)、大当たり抽選処理P10を実行し、さらに、特図の変動時間や停止パターンを抽選により決定する(S102)。このとき特図変動中であれば(S103:YES)、特図保留数が上限値である4個に未到達であるか否かを判断する(S104)。特図保留数が4個に達していなければ(S104:YES)、抽選結果である大当たり判定結果を特図保留として特図保留エリア241に記憶させる(S105)。
【0058】
その後、特図の変動時間が経過したときには(S106:YES)、特図の図柄変動が停止される(S107)。特図保留数が1個以上であれば(S108:YES)、記憶時点が最も古い特図保留が読み出されると共に(S109)、残りの特図保留数が判断される(S110)。
【0059】
残りの特図保留数が3個未満である場合には(S110:YES)、抽選結果である大当たり判定結果、特図の変動時間、及び遊技状態を副制御回路35に出力した上で(S111)、特図の変動を開始する(S112)。一方、残りの特図保留数が3個の場合には(S110:NO)、抽選結果である大当たり判定結果、特図の変動時間、全特図保留の変動時間の合計値、及び遊技状態を副制御回路35に出力した上で(S131)、特図の変動を開始する(S112)。
【0060】
一方、上記のステップS101において、始動口12への玉の入賞がない場合には(S101:NO)、特図変動中であるか否かが判断される(S122)。特図変動中であれば(S122:YES)、上記のステップS106に移行して特図の変動時間が経過したか否かが判断される。特図変動中でなければ(S122:NO)、上記の全ての処理が迂回されて処理の先頭に戻る。
【0061】
演出実行処理を実行する副制御回路35は、
図6のごとく、まず、抽選結果である大当たり判定結果、特図の変動時間、及び遊技状態を主制御回路20から入力したか否かを判断する(S201)。抽選結果等を入力した場合には(S201:YES)、演出を抽選により決定し(S202)、その演出を実行する(S203)。大当たり判定結果、特図の変動時間、及び遊技状態に加えて、全特図保留の変動時間の合計値を入力している場合には(S204:YES)、さらに、課題を抽選により決定し(S211)、課題を提示する(S212)。
【0062】
副制御回路35は、抽選結果等を入力した場合には(S201:YES)、演出等の実行後に課題を提示中であるか否かを判断し(S205)、抽選結果等を入力しなかった場合には(S201:NO)、直ちに課題を提示中であるか否かを判断する(S205)。課題を提示中の場合には(S205:YES)、前記ステップS204で判断した全特図保留の変動時間の合計値の時間が経過したか否かを判断する(S206)。
【0063】
合計値の時間が経過している場合には(S206:YES)、課題の提示を終了した上で(S207)、課題が達成された否かを判断する(S208)。課題が達成された場合には(S208:YES)、確変状態であるか通常状態であるかを特定可能に遊技状態を報知する(S209)。課題が達成されなかった場合には(S208:NO)、ステップS209が迂回されて遊技状態の報知が行われない。なお、合計値の時間が未経過で判定期間が終了していない場合には(S206:NO)、ステップS207以降の処理が迂回され、課題が継続される。
【0064】
以上のような構成の本例のパチンコ遊技機1は、特図保留が上限値である4個に達した場合に、課題用ボタン17を連続操作するという課題を提示する。その後、その上限値に達したときの特図保留に対応する図柄変動が停止するまでの判定期間における課題の達成状況に応じて、遊技状態が高確率状態であるか否か報知する。このパチンコ遊技機1の遊技では、高確率状態の報知を受けるためには、課題を達成するという遊技者側の介入が必要になっている。
【0065】
このように、本発明のパチンコ遊技機1の遊技では、遊技状態の報知に対する遊技者側の介入性が高められており、これにより遊技の興趣が向上されている。さらに、課題達成状況の判定期間は、特図保留に対応する図柄の変動時間による影響を受けて変動し、課題の達成難易度が図柄の変動時間によって左右される。そのため、図柄の変動時間自体に対しても遊技者の関心を惹きつけることができ、従来にない遊技性が実現されている。
【0066】
なお、本例では、課題を提示する際、課題用ボタン17を何回押下げ操作すると達成される課題であるかを表示していない。これに代えて、課題用ボタン17の押下げ操作回数を明示して課題を提示しても良い。あるいは、課題となる押下げ操作回数のうち、実行された操作回数の割合を表すインジケータ(例えば、
図7中の符号190I)の表示により、課題の押下げ操作回数を間接的に表示することも良い。
【0067】
本例では、課題の達成に応じて、その時点の遊技状態(高確率状態であるか通常状態であるか)を確定的に報知している。これに代えて、高確率状態である可能性を示唆するように報知することも良い。また、課題が達成できなかった場合であっても、その達成度合いに応じた報知や示唆を設定しても良い。
【0068】
本例に代えて、以下のような各構成を採用することも良い。
課題提示中に特図保留数が再度上限値に達したとき、特典を付与する特典付与手段を設けることも良い。付与する特典としては、例えば、その時点における特図保留全ての特図の変動が停止するまで課題の判定期間が延長されるという特典等を設定することができる。
課題の種類は本実施例の態様に限らず、例えば、シューティングゲーム、アクションゲーム、カードゲーム、クイズなどでも良い。
【0069】
本例では、表示ランプ192Sの点灯個数によって特図保留の保留数(上限保留数4個)を表示する特図保留表示部192を採用している。これに代えて、特図保留に含まれる特図の変動時間に応じて表示態様を変化させることが可能な表示器を備える特図保留表示手段を採用することも良い。例えば、特図保留の各抽選結果に対応させた記号を表示する表示器を備える特図保留表示手段を設ければ、図柄の変動時間に応じて特図保留を表示する記号の表示態様を変化させることが可能になる。
【0070】
本例では、主制御回路20が抽選結果や特図の変動時間等を副制御回路35に向けて出力するタイミングとして、特図保留の読出し時のタイミングを設定している。この構成に代えて、主制御回路20が抽選結果や特図の変動時間等を出力するタイミングとして、始動口12への入賞時のタイミングを設定することも良い。
【0071】
本例では、確変状態を発生させることで、大当たりの当選確率を高めて直接的に大当たり状態発生条件が成立しやすい状態を実現している。これに代えて、大当たり状態発生条件が成立しやすい状態を間接的に実現するものであっても良い。例えば、電動チューリップなどの特定の役物が解放した場合に玉が入賞する、あるいいは入賞が容易になる特定入賞口を設け、この特定入賞口への玉の入賞に応じて大当たりの抽選又は当選とする構成において、抽選結果に応じて特定の役物の解放回数や時間を長くすることで特定入賞口への入賞を容易にし、大当たり状態発生条件が成立しやすい状態を間接的に実現することも良い。
【0072】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。