(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載された複数の食品生地切断片の整列配置装置であって、前記検出装置は、少なくとも2つの光学的センサを備えていることを特徴とする複数の食品生地切断片の整列配置装置。
請求項1に記載された複数の食品生地切断片の整列配置装置であって、前記検出装置は、少なくとも1つの画像センサを備えていることを特徴とする複数の食品生地切断片の整列配置装置。
【背景技術】
【0002】
三角形のクロワッサン用の食品生地切断片を整列配置する装置の従来技術としては、特許文献1が開示するクロワッサン生地片の拡開方向変換装置がある。
【0003】
特許文献1が開示するクロワッサン生地片の拡開方向変換装置では、三角形の食品生地切断片の特定の一辺が搬送方向と平行になるようにして、食品生地切断片を搬送する上流側コンベアと、その上流側コンベアよりも速度の速い下流側コンベアを直列に配置している。
【0004】
また、この上流側コンベアと下流側コンベアの接続位置には、食品生地切断片を搬送方向に離隔する爪を有する離隔装置が設けられており、下流側コンベア上には食品生地切断片を搬送方向と直交する方向に拡開する爪を有するパンタグラフ状の拡開装置が設けられている。
【0005】
更に、拡開装置の生地片を拡開する爪を所定の方向に90度回転させるための回転装置が設けられており、拡開装置の下流には整列板が設けられている。
【0006】
このような従来技術のクロワッサン生地片の拡開方向変換装置では、離間装置は爪を下降させ、次に爪を搬送方向下流側に移動させ、次に爪を上昇させ、最後に爪を搬送方向上流側に移動させるという動作を繰り返し行うようになっている。
【0007】
そして、離間装置の爪を下降させることによって食品生地切断片を保持し、食品生地切断片が上流側コンベアから下流側コンベアへ移動する際に、食品生地切断片はコンベア上をスリップしながら下流側に移動することによって、生地片は搬送方向に離間配置されるようになっている。
【0008】
また、拡開装置は、爪を降下させ、次にパンタグラフを伸長させる。 そして、パンタグラフの伸長と同時か又は伸長させた直後に回転装置が作動して拡開装置の爪を回転させる。 次に爪が上昇した後、パンタグラフが縮小するという動作を繰り返し行うようになっている。
【0009】
そして、拡開装置の爪を下降させることによって食品生地切断片を保持し、パンタグラフが伸長し、回転装置によって爪が回転することによって、食品生地切断片は下流側コンベア上をスリップしながら搬送方向とは直角の方向に拡開すると共に、所定方向に90度回転するようになっている。
【0010】
更に、拡開装置の下流に配置された整列板によって三角形の食品生地切断片の底辺を揃えるようになっている。
【0011】
ここで説明した従来技術のクロワッサン生地片の拡開方向変換装置では、離間装置、拡開装置、回転装置、整列板が上流側コンベアと下流側コンベアの搬送速度に対応して、同調作動するようになっていたため、拡開装置の爪の中心が、三角形の生地片の中心線上(生地片搬送方向に対して直角方向に伸びる中心線)から外れた位置に来ることがあり、このような状態で拡開装置の爪が生地片を保持して、拡開動作と回転動作を行うと、食品生地切断片が本来配置されるべき位置から外れた位置に配置されてしまうようになり、例えば、下流においてクロワッサンの巻き上げを行う際に、生地片をきれいに巻き上げることができない等の不具合の原因となっていた。
【0012】
また、ここで説明した従来技術のクロワッサン生地片の拡開方向変換装置では、パンタグラフのアームが食品生地切断片の搬送方向に往復動することによって、アームに連結されたロッドがパンタグラフの1つの節点を押し引きし、パンタグラフを下流側コンベアの搬送方向とは直交する方向(幅方向)へ伸縮するようになっている。
【0013】
このように、パンタグラフの1つの節点を押し引きすることによりパンタグラフの伸縮を行うようになっていたため、パンタグラフの伸縮を行うと、パンタグラフの節点に設けた拡開装置の爪が水平面内で大きく振動して、拡開装置の爪の位置を精度よく、安定して決めることが困難となり、その結果、拡開回転配置された食品生地切断片が、本来配置されるべき位置から外れた位置に配置されてしまうようになり、この場合においても、下流工程においてクロワッサンの巻き上げを行う際に、食品生地切断片をきれいに巻き上げることができない等の不具合の原因となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述したような背景技術の状況に鑑みなされたものであり、その目的は、クロワッサン用生地片のようなシート状の食品生地から切断分離された三角形の複数の食品生地切断片の各々が、所定の間隔を持つように搬送コンベア上の平面内に展開させると共に、三角形の食品生地切断片の所定の一辺が所定の向きとなるように各食品生地切断片を回転させて、搬送コンベア上に各食品生地切断片を、精度よく、かつ高速に、整列配置する装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、第1の観点にかかる発明では、搬送コンベア上において、複数の食品生地切断片を所定の間隔で、かつ所定の向きに整列配置する装置であって、三角形の食品生地切断片の特定の一辺を、食品生地切断片の搬送方向と平行になるようにして食品生地シートから切断された複数の食品生地切断片を搬送する上流側コンベアと、上流側コンベアの下流側に配置され、上流側コンベアよりも搬送速度の速い下流側コンベアと、上流側コンベアと下流側コンベアの接続位置上方に配置され、搬送方向と直角方向に1列に並んだ複数の食品生地切断片を、後続の食品生地切断片の列から分離させて、上流側コンベアから下流側コンベアへ移乗させる分離装置と、分離装置の下流側であって、下流側コンベアの上方に配置され、1列に並んだ複数の食品生地切断片を、搬送方向と直角方向に所定の間隔を有するように展開すると共に所定方向に所定角度だけ回転させる展開/回転装置と、分離装置と展開/回転装置の間であって、下流側コンベアの上方に配置され、
展開/回転装置の回転方向を決定するために、食品生地切断片
の向きを検出するための検出装置と、を備えた構成の整列配置装置とした。
【0017】
また、第2の観点にかかる発明では、第1の観点にかかる発明の整列配置装置において、検出装置は、少なくとも2つの光学的センサを備えている構成の整列配置装置とした。
【0018】
また、第3の観点にかかる発明では、第1の観点にかかる発明の整列配置装置において、検出装置は、少なくとも1つの画像センサを備えている構成の整列配置装置とした。
【0019】
更に、第4の観点にかかる発明では、第1乃至第3の観点にかかる発明の整列配置装置のいずれかにおいて、
展開/回転装置の下流側であって、下流側コンベアの上方に配置され、1列に並んだ複数の食品生地切断片の特定の一辺を整列させるシャッター装置を、更に備えている構成の整列配置装置とした。
【0020】
更に、第5の観点にかかる発明では、搬送コンベア上において、複数の食品生地切断片を所定の間隔で、かつ所定の向きに整列配置する装置であって、三角形の食品生地切断片の特定の一辺を、食品生地切断片の搬送方向と平行になるようにして食品生地シートから切断された複数の食品生地切断片を搬送する上流コンベアと、上流コンベアの下流側に配置され、上流側コンベアよりも搬送速度の速い下流側コンベアと、上流側コンベアと下流側コンベアの接続位置上方に配置され、搬送方向と直角方向に1列に並んだ複数の食品生地切断片を、後続の食品生地切断片の列から分離させて、上流側コンベアから下流側コンベアへ移乗させる分離装置と、分離装置の下流側であって、下流側コンベアの上方に配置され、1列に並んだ複数の食品生地切断片を、搬送方向と直角方向に所定の間隔を有するように展開すると共に所定方向に所定角度だけ回転させる展開/回転装置と、を備え、展開/回転装置は、パンタグラフ機構と、パンタグラフ機構の節点に配置され、食品生地切断片を保持、回転するための複数の保持/回転機構と、パンタグラフ機構を伸縮するためのパンタグラフ機構駆動機構と、を備えており、パンタグラフ機構駆動機構は、2つのパンタグラフ機構の節点
に対して、搬送方向に直角方向の力を作用させることにより、パンタグラフ機構を伸縮するものである構成の整列配置装置とした。
【発明の効果】
【0021】
第1の観点にかかる発明では、検出装置によって食品生地切断片を検出
すると共に、食品生地切断片の向きを検出した後、展開/回転装置の保持部の爪により食品生地切断片を保持するようにしているため、後で詳細に説明するように、三角形の食品生地切断片の中心線上に保持部の爪の中心位置を合せるように制御することが可能とな
ると共に、三角形の食品生地切断片の向きに合せて展開/回転装置の回転方向を制御することができるようになり、精度よく、かつ高速に、食品生地切断片を整列配置することができる。
【0022】
また、第2の観点にかかる発明では、検出装置は、2つの光学的センサを備えているので、後で詳細に説明するように、食品生地切断片の中心線上に保持部の爪の中心位置を合せるように制御することが可能となるばかりではなく、三角形の食品生地切断片の向きを検出することができるため、三角形の食品生地切断片の向きに合せて展開/回転装置の回転方向を制御することができるようになる。
したがって、精度よく、かつ高速に、食品生地切断片を整列配置することができる。
【0023】
また、第3の観点にかかる発明では、検出装置は、少なくとも1つの画像センサを備えているので、画像処理によって三角形の食品生地切断片の位置、寸法、向き等を検出することができる。
したがって、後で詳細に説明するように、第2の観点にかかる発明と同様に、食品生地切断片の中心線上に保持部の爪の中心位置を合せるように制御することが可能となるばかりではなく、三角形の食品生地切断片の向きを検出することができるため、三角形の食品生地切断片の向きに合せて展開/回転装置の回転方向を制御することができるようになる。
このため、精度よく、かつ高速に、食品生地切断片を整列配置することができる。
【0024】
更に、第4の観点にかかる発明では、食品生地切断片の列の特定の底辺が、搬送方向と直角方向に平行に1列に揃えることができるので、更に精度よく、食品生地切断片を整列配置することができる。
【0025】
また、第5の観点にかかる発明では、展開/回転装置は、パンタグラフ機構と、パンタグラフ機構の節点に配置され、食品生地切断片を保持、回転するための複数の保持/回転機構と、パンタグラフ機構を伸縮するためのパンタグラフ機構駆動機構と、を備えており、パンタグラフ機構駆動機構は、2つのパンタグラフ機構の節点
に対して、搬送方向に直角方向の力を作用させることにより、パンタグラフ機構を伸縮するようになっている。
このため、後で詳細に説明するように、パンタグラフ機構を伸縮時にパンタグラフ機構が大きく振動するようなことがなく、精度よく、かつ高速に、食品生地切断片を整列配置することができる。
また、2つのパンタグラフ機構の節点間距離を伸縮させる際に、2つのパンタグラフ機構の節点間距離を任意に設定することができるため、後で詳細に説明するように、食品生地切断片を任意の間隔で整列配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面に基づき、本発明にかかる食品生地切断片の整列配置装置1の実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において使用される以下の用語は、ここで定義する意義を有するものとする。
「搬送方向」とは、食品生地切断片2を搬送コンベアにより搬送する方向をいい、図中に矢印で示すX方向をいう。
「直角方向」とは、上記「搬送方向」に対して直交する方向をいい、図中に矢印で示すY方向をいう。 また、幅方向と称する場合がある。
「上流側」、「下流側」とは、食品生地切断片2が搬送コンベアにより搬送される搬送路の上流の位置、下流の位置をいう。
「食品生地切断片2の列」とは、「直角方向に1列に並んだ複数の食品生地切断片2」のことをいう。
「展開する」とは、食品生地切断片2の列を「直角方向」に所定の間隔を有するように広げることをいう。
「全幅に亘って直角方向に伸びた」とは、上流側コンベア10、または下流側コンベア20の「直角方向」の幅を超える長さまで伸びていることをいう。
「所定方向に所定角度だけ回転させる」とは、「食品生地切断片の形状等に従って、予め任意に設定した方向に、任意に設定した角度だけ回転させる」ことをいう。
「三角形」とは、「略三角形」をも含む意であり、例えば、三角形の角部を一部切除した形状も含む概念である。
【0028】
食品生地切断片の整列配置装置1は、
図1に示すように、上流側コンベア10、下流側コンベア20、分離装置30、展開/回転装置40、シャッター装置50、検出装置60から構成される。
【0029】
上流側コンベア10は、
図4に示すように、所定の板厚に延展された食品生地シートから切断分離された三角形の複数の食品生地切断片2を、下流方向へ搬送する。
【0030】
ここで、三角形の複数の食品生地切断片2は、隣り合う食品生地切断片2どうしが隣接した状態で搬送されるが、
図4に示すa列における複数の食品生地切断片2の三角形の特定の頂点2−1は、搬送方向上流側に向かって右側方(
図4における上側)を向き、特定の頂点2−1に対向する特定の底辺2−2は搬送方向に平行になっている。 また、b列における複数の食品生地切断片2の三角形の特定の頂点2−1は、搬送方向上流側に向かって左側方(
図4における下側)を向き、特定の頂点2−1に対向する特定の底辺2−2は搬送方向に平行になっている。
すなわち、三角形の複数の食品生地切断片2は、a列、b列、a列、b列・・・というように、交互に向きを180度変えながら搬送されるようになっている。
【0031】
このとき、複数の食品生地切断片2の三角形の特定の中線2−3は、a列、b列に関係なく全て直角方向に揃えられており、複数の食品生地切断片2の三角形の特定の底辺2−2は、a列、b列に関係なく全て搬送方向に平行となっている。
【0032】
なお、ここでは食品生地切断片2は三角形の形状を有するものとして説明しているが、これに限定されるものではなく、食品生地切断片2は三角形以外の形状、例えば、台形、矩形、その他の形状であっても良い。
【0033】
下流側コンベア20は、上流側コンベア10の下流側に近接して配置されており、上流側コンベア10から搬送されてきた複数の食品生地切断片2を更に下流方向へ搬送する。
なお、下流側コンベア20では、食品生地切断片2を列毎に搬送方向に間隔を明けて搬送するために、下流側コンベア20の搬送速度は、上流側コンベア10の搬送速度よりも早く設定してある。
【0034】
図1、
図2、および
図5に基づき、分離装置30の構成について説明する。
図5は、
図1、2に示す分離装置30の断面C−Cを示したものである(なお、
図5には検出装置60も図示されている。)
分離装置30は、上流側コンベア10と下流側コンベア20の接続位置近傍の上方に配置され、1列に並んだ複数の食品生地切断片2を、後続の食品生地切断片2の列から分離させて、上流側コンベア10から下流側コンベア20へ移乗させるものである。
【0035】
分離装置30は、上流側コンベア10によって搬送される食品生地切断片2の各列(a列、b列、・・・)における食品生地切断片2の個数と同数の保持機構31を備えている。 そして、この複数の保持機構31は、全幅に亘って直角方向に伸びた保持機構支持ビーム32に、各列の複数の食品生地切断片2のピッチに合せて等間隔で配置されている。
【0036】
各保持機構31は、保持機構支持ビーム32に固定され、内部に上下方向に伸びる筒状部分を備えたシャフト保持部材31−3と、シャフト保持部材31−3の筒状部分の中を上下に摺動自在に配置されたシャフト31−2と、シャフト保持部材31−3の下端側に連結固定された押え板31−4と、シャフト31−2の下端側に固定された複数の爪31−1とから構成されている。 更に、シャフト31−2の上端は、保持機構支持ビーム32の更に上方に配置され、全幅に亘って直角方向に伸びた上下動ビーム33に固定されている。 また、複数の爪31−1は、押え板31−4に設けた複数の孔の中を摺動自在に上下動できるようになっている。
【0037】
保持機構支持ビーム32は、シャフト保持部材31−3を介して、複数個の保持機構31を支持するようになっている。 保持機構支持ビーム32は、図示しない駆動装置により、上流側コンベアと下流側コンベアの接続位置近傍の上方の所定区間において搬送方向と平行に往復動するようになっている。
【0038】
また、上下動ビーム33は、図示しない駆動装置によって保持機構支持ビーム32と一緒に搬送方向と平行に往復動するようになっている。
上下動ビーム33は、図示しない駆動装置によって、更に、上下動するようになっている。 すなわち、上下動ビーム33は保持機構支持ビーム32と一緒に搬送方向と平行に往復動しながら、食品生地切断片2の搬送面に対して垂直方向に往復動するようになっている。
【0039】
したがって、保持機構支持ビーム32と上下動ビーム33の動作により、保持機構31の複数の爪31−1は、食品生地切断片2の搬送面上方から搬送面近傍への下降、搬送方向下流側への移動、食品生地切断片2の搬送面近傍から搬送面上方への上昇、搬送方向上流側への移動ができるようになっている。
【0040】
次に、分離装置30の爪31−1によって、食品生地切断片2を上流側コンベア10から下流側コンベアへ移乗させ、更に、特定の列(例えばa列)の食品生地切断片2を後続の列(例えばb列)の食品生地切断片2から分離させて搬送する(すなわち、a列とb列の食品生地切断片2を搬送方向に所定の間隔を明けて搬送する)動作について説明する。
【0041】
まず、爪31−1が上流側コンベア10の搬送面上方から搬送面近傍へ下降し、上流側コンベア10によって搬送されてくる食品生地切断片2を突き刺すことにより、食品生地切断片2を保持する。 この時、爪31−1は、押え板31−4に設けた孔の中を下方へ突出するようにして下降する。
【0042】
次に、爪31−1は、食品生地切断片2を保持した状態で、上流側コンベア10の搬送速度よりも早い速度で下流側コンベア20の搬送面上まで、搬送方向下流側へ水平に移動する。 この時、食品生地切断片2は上流側コンベア10と下流側コンベア20の搬送面上を滑りながら移動する。
【0043】
次に、爪31−1が食品生地切断片2の搬送面近傍から搬送面上方へ上昇することにより、爪31−1は食品生地切断片2から外れる。 この時、爪31−1は、押え板31−4に設けた孔の中を上方へ上昇するので、爪31−1に食品生地切断片2に引っかかっていたとしても、押え板31−4によって食品生地切断片2は相対的に押し下げられ、確実に爪31−1から離脱するようになっている。
【0044】
爪31−1が搬送面上方へ上昇した後、爪31−1は、下流側コンベア20の上方から上流側コンベア10の上方まで搬送方向上流側へ水平に移動し、最初の位置へ戻るようになっている。 そして、爪31−1が上述した動作を繰り返すことにより、食品生地切断片2の各列(a列、b列、a列、b列・・・)を順次上流側コンベア10上から下流側コンベア20上へ確実に移乗させることができるようになっている。
【0045】
ここで、下流側コンベア20は上流側コンベア10の搬送速度よりも早い速度で食品生地切断片2を搬送するようになっているため、下流側コンベア20上に移乗された食品生地切断片2の各列は、搬送方向に所定の間隔を明けて搬送されるようになっている。
なお、分離装置30は、上流側コンベア10の動作に同期して駆動されるようになっているため、食品生地切断片2の搬送状況に合わせてタイミング良く駆動されるようになっている。 また、爪31−1によって、食品生地切断片2は強制的に上流側コンベア10から下流側コンベア20に移乗させられるので、移乗する際にコンベア端部等に引っかかって食品生地切断片2の位置や方向が乱れたりすることがないようになっている。
【0046】
また、以上の説明においては、爪31−1の下降、水平移動、上昇の各動作は、それぞれの動作が終了した後、次の動作が行われるものとして説明したが、これに限定されるものではない。 上流側コンベア10上から下流側コンベア20上へ食品生地切断片2の各列をスムースに移乗させることができるかぎり、爪31−1は下降しつつ水平移動するように動作しても良いし、上昇しつつ水平移動するように動作しても良い。
【0047】
次に、
図1、
図3、
図6、及び
図7に基づき展開/回転装置40について説明する。
図6は、
図3に示す展開/回転装置40の断面D−Dを示したものである。 また、
図7は、展開/回転装置40の内、主に展開機構41の部分の平面図(
図6における矢視E)と、展開/回転装置40全体の正面図(
図6における矢視F)を示したものである。
【0048】
展開/回転装置40は、分離装置30の下流側であって、下流側コンベア20の上方に配置されている。
展開/回転装置40は、パンタグラフ機構41−2を備え、直角方向にパンタグラフ機構41−2を伸縮駆動させる展開機構41と、食品生地切断片2に突き刺し、食品生地切断片2を保持するための複数の爪42−1を備え、この複数の爪42−1を回転駆動させると共に、上下駆動させる回転機構42から構成されている。
展開/回転装置40は、搬送されてくる食品生地切断片2の各列(a列、b列、・・・)における食品生地切断片2の個数と同数の回転機構42を備えており、これら複数の回転機構42は、パンタグラフ機構41−2の節点に連結されている。
【0049】
展開機構41の本体構造41−1は、展開/回転装置40全体を保持するための2つの支持ビーム43に固定されており、下流側コンベア20の直角方向の中央に配置されている。
【0050】
展開機構41の本体構造41−1の上方には、サーボモータのような駆動モータ41−3が固定されており、駆動モータ41−3の回転軸41−4が本体構造41−1にベアリングを介して回動自在に軸支され、本体構造41−1の中を下方へ伸びている。
【0051】
駆動モータ41−3の回転軸41−4には、ピニオン・ギア41−5が固定され、本体構造41−1に支持された第1および第2のラック・ギア41−6、41−7が向かい合ってピニオン・ギア41−5に噛合って配置されている。
そして、第1のラック・ギア41−6(例えば、
図7の平面図に示す上側のラック・ギア)の左端には下方に伸びた第1の保持部材41−8が設けられ、第2のラック・ギア41−7(例えば、
図7の平面図に示す下側のラック・ギア)の右端には下方に伸びた第2の保持部材41−9が設けられている。
【0052】
本体構造41−1および2つの支持ビーム43の下方であって、下流側コンベア20の搬送方向に伸びた中心線位置(
図7参照)には、搬送方向に伸びたガイド板41−10が配置され、2つの支持ビーム43の下側に固定されている。 そしてガイド板41−10の両端近傍には、搬送方向に伸びた長孔41−11が各々貫通して配置されている。
したがって、長孔41−11の搬送方向中心線は、下流側コンベア20の搬送方向に伸びた中心線に一致するように配置されている。
【0053】
展開機構41に使用されるパンタグラフ機構41−2は、
図7に示すような形態を有しており、リンクと節点とから構成されるようになっている。
図7に示す本実施形態のパンタグラフ機構41−2では、p列およびq列の節点はそれぞれ5個であり、中央列の節点は6個から構成されているが、このような形態に限定されるものではない。 各列の節点数は、
図7に例示する節点数より増やしたり、減じたりすることが可能である。
【0054】
前述した第1および第2のラック・ギア41−6、41−7の左右端に設けられた、下方に伸びた第1および第2の保持部材41−8、41−9は、パンタグラフ機構41−2の中央列の左側および右側に配置された節点から上方に伸びた突起部材にそれぞれ固定されている。
図7に示す実施形態では、第1および第2の保持部材41−8、41−9はパンタグラフ機構41−2の中央列の左端および右端から2つ目の中心側寄り節点に設けた突起部材に固定されているが、このような形態に限定されるものではない。 第1および第2の保持部材41−8、41−9が食品生地切断片2の搬送方向に対して直角方向に、所定間隔を有するように配置することができれば、パンタグラフ機構41−2の中央列の別の節点に第1および第2の保持部材41−8、41−9を固定させるようにしても良いし、あるいはパンタグラフ機構41−2のp列またはq列の別の節点に第1および第2の保持部材41−8、41−9を固定させるようにしても良い。
【0055】
図7に示すパンタグラフ機構41−2のp列およびq列の節点であって、中心線(
図7参照)上に配置された2つの節点の各々には、上方に伸びた突起軸41−12が回動自在に嵌合されている。
この2つの突起軸41−12は、前述したガイド板41−10の両端近傍に配置された長孔41−11に沿って摺動自在に嵌合されている。 長孔41−11の搬送方向中心線は、下流側コンベア20の搬送方向に伸びた中心線に一致するように配置されているので、パンタグラフ機構41−2が伸縮する際、パンタグラフ機構41−2の中心線上に設置された2つの突起軸41−12は、下流側コンベア20の搬送方向に伸びた中心線に沿ってスライドするようになっている。
したがって、パンタグラフ機構41−2は、下流側コンベア20の搬送方向に伸びた中心線を対称軸として、左右対称に伸縮運動を行うようになっている。
なお、ここでは、パンタグラフ機構41−2を伸縮させる駆動機構として、ラック・ピニオンを使用した機構について説明したが、これに限定されるものではない。 パンタグラフ機構41−2を伸縮させる駆動機構として、加圧流体を使用したシリンダー装置や、リニアアクチュエータ等の機構を採用するようにしても良い。
【0056】
また、回転機構42の個数が少ない場合、例えば3つの場合などでは、複数の節点に駆動機構を設けることなく1箇所にのみ設けることにより3つの回転機構42を直角方向(幅方向)に伸縮運動させることも可能である。
【0057】
パンタグラフ機構41−2の中央列の各節点に設けた孔には、それぞれ回転機構42が1セットずつ配置されており(本実施形態では、6セットの回転機構42が配置されている)、以下この回転機構42について説明する。
【0058】
回転機構42は、内部に細長い貫通孔を備えた筒状構造42−2と、筒状構造42−2の貫通孔を通り、回動自在、上下動自在に配置された回転軸42−3と、回転軸42−3の先端に固定され、食品生地切断片2を保持し、回転させるための複数の爪42−1と、搬送方向に長く伸びた保持板42−4と、保持板42−4の先端側(下流側コンベア20の搬送方向上流側)に固定された回転駆動機構42−5と、回転軸42−3の上端を保持し、下流側コンベア20の全幅に亘って直角方向に伸び、図示しない上下駆動機構により、上下運動する上下駆動ビーム42−6と、保持板42−4を搬送方向と常に平行に移動させるための2つの直動機構42−7から構成されている。
直動機構42−7としては、例えば、リニア・モーション・ガイドと呼ばれる、ボールベアリングを利用した直線運動機構を使用することができる。
【0059】
回転機構42の回転軸42−3は、下端部に複数の爪42−1を備え、筒状構造42−2の細長い貫通孔を通って上方へ伸びている。 そして、筒状構造42−2の上方へ伸びた回転軸42−3は、回転自在、上下動自在に、回転駆動機構42−5の内部を通り保持板42−4を貫通して、更に上方へ伸び、回転軸42−3の上端は、上下駆動ビーム42−6に固定されている。 ここで、回転駆動機構42−5の例として、ロータリアクチュエータのような駆動源を使用することができる。
【0060】
また、筒状構造42−2の下方端には、複数の孔の空いた押え板42−8が固定されており、回転軸42−3の下端部に設けられた複数の爪42−1は、押え板42−8の複数の孔を貫通して下方へ突出するようになっている。 また、筒状構造42−2の上方端は、回転駆動機構42−5を介して保持板42−4の先端側に固定されている。
【0061】
保持板42−4の基端側(搬送方向下流側)には連結軸42−9が上方へ突起して設けられ、連結軸42−9の上端は、パンタグラフ機構41−2の中央列の節点に設けられた孔に回動自在に固定されている。
また、保持板42−4の下側には、下流側コンベア20の全幅に亘って直角方向に伸びた2つの直動機構42−7が配置されており、保持板42−4はこの2つの直動機構42−7に固定されている。 したがって、保持板42−4は搬送方向と常に平行な方向に伸びた状態を維持しつつ、直角方向に移動するようになっている。
【0062】
次に、展開/回転装置40の爪42−1によって、下流側コンベア上で、食品生地切断片2の列を直角方向に展開すると共に、所定方向に所定角度だけ回転させる動作について説明する。
【0063】
分離装置30によって、上流側コンベア10から下流側コンベア20上に移乗され、搬送方向に所定の間隔を明けて配置され、下流側コンベア20上を搬送されてくる複数の食品生地切断片2の列を、後で詳しく説明する検出装置60が検出すると、上下駆動ビーム42−6が図示しない駆動装置により下降を開始する。
【0064】
上下駆動ビーム42−6が下降すると、上下駆動ビーム42−6に固定され、下端に複数の爪42−1を備えた回転軸42−3が下降し、複数の爪42−1が食品生地切断片2の列の中の1つの食品生地切断片2を突き刺し、食品生地切断片2を保持する。
【0065】
複数の爪42−1が食品生地切断片2を保持した後、展開機構41の駆動モータ41−3によって回転軸41−4が回転する。 回転軸41−4が回転すると、回転軸41−4に固定されたピニオン・ギア41−5が回転し、第1のラック・ギア41−6に設けられた第1の保持部材41−8と、第2のラック・ギア41−7に設けられた第2の保持部材41−9が、互いに遠ざかるように直角方向に移動する。
【0066】
第1および第2の保持部材41−8、41−9は、パンタグラフ機構41−2の中央列の左側および右側に配置された節点から上方に伸びた突起軸にそれぞれ固定されているので、第1の保持部材41−8と第2の保持部材41−9が、互いに遠ざかるように移動すると、パンタグラフ機構41−2は、直角方向に伸展することになる。
なお、パンタグラフ機構41−2が伸縮する際、パンタグラフ機構41−2の中心線上に設置された2つの突起軸41−12は、ガイド板41−10の両端近傍に配置された長孔41−11に沿って摺動自在に嵌合されているので、パンタグラフ機構41−2は、下流側コンベア20の搬送方向に伸びた中心線を対称軸として、左右対称に伸縮運動を行うようになっている。
【0067】
パンタグラフ機構41−2の中央列の節点の各々には、連結軸42−9を介して回転機構42が連結されている。 具体的には、連結軸42−9の下端には保持板42−4が固定され、保持板42−4の先端側には回転駆動機構42−5を介して筒状構造42−2が固定され、筒状構造42−2の中を貫通して、回転機構42の回転軸42−3が回転自在、上下動自在に配置されている。
【0068】
パンタグラフ機構41−2の伸展に合せて、回転軸42−3の下端に固定された複数の爪42−1も直角方向に広がるため、複数の爪42−1に保持された食品生地切断片2は、下流側コンベア上を滑りながら、所定の間隔を有するように直角方向に展開することになる。
【0069】
パンタグラフ機構41−2が伸展する途中から、あるいはパンタグラフ機構41−2が伸展した後、回転駆動機構42−5によって回転軸42−3が回転し、食品生地切断片2が所定方向に所定角度だけ回転するようになっている。
【0070】
ここで、食品生地切断片2の回転方向と回転角度は、上流側コンベアで搬送されてくる食品生地切断片2の形状と、搬送されてくる向きによって決定される。
図4に示す食品生地切断片2が搬送されてくる場合を例にとって説明すれば、a列における複数の食品生地切断片2の場合には、三角形の特定の頂点2−1が搬送方向上流側になるように反時計回りに90度回転され、b列における複数の食品生地切断片2の場合には、三角形の特定の頂点2−1が搬送方向上流側になるように時計回りに90度回転される。
【0071】
回転軸42−3の回転によって、食品生地切断片2が所定方向に所定角度だけ回転した後、上下駆動ビーム42−6が図示しない駆動装置により上昇することによって、食品生地切断片2に突き刺さっていた複数の爪42−1が上昇し、食品生地切断片2から離脱する。
このとき、回転軸42−3の下端部に設けられた複数の爪42−1は、押え板42−8の複数の孔を貫通して下方へ突出するようになっているので、複数の爪42−1が上昇するとき、押え板42−8によって食品生地切断片2を相対的に下方へ押す力が作用し、複数の爪42−1が確実に食品生地切断片2から離脱するようになっている。
【0072】
複数の爪42−1から離脱した食品生地切断片2は、
図4に示すように、搬送方向および搬送方向と直角方向に所定の間隔をもって配置されると共に、三角形の特定の底辺2−2が搬送方向下流側にあり、三角形の特定の頂点2−1が搬送方向上流側を向いて搬送される。
【0073】
なお、ここで説明した展開/回転装置40では、パンタグラフ機構41−2を任意の寸法だけ伸縮させることが可能であるため、直角方向に展開される複数の食品生地切断片2の間隔を任意の寸法に設定することが可能となる。
【0074】
また、上述した回転機構42では、回転駆動機構42−5として、リンク機構等を使用せず、ロータリアクチュエータのような回転軸42−3を直接回転させる駆動方式を採用しているため、食品生地切断片2を正確に、所定角度回転できるようになっている。
【0075】
また、パンタグラフ機構41−2の中央列の各節点に設けた孔には、回転機構42が1セットずつ配置されていると説明したが、中央列の各節点の全てに回転機構42を配置する必要はなく、中央列のいくつかの節点には、回転機構42を配置しないようにすることもできる。
【0076】
なお、回転軸42−3の下端に固定された複数の爪42−1の配置については、特に限定されるものではないが、例えば、円周上に等間隔で配置するような構成でもよい。
ただし、上述したように回転軸42−3を時計回りに90度回転した後、半時計回りに90度回転させることによって、a列、b列の食品生地切断片2の列を適切に回転できるようにするためには、a列、b列の食品生地切断片2に対して少なくとも2本の爪42−1が食品生地切断片2に必ず突き刺さるような位置に爪42−1を配置しておく必要がある。
【0077】
次に、
図1および
図8に基づき、シャッター装置50について説明する。
図8は
図1に示す断面G−Gを示したものであり、シャッター装置50の側面図を示したものである。
【0078】
シャッター装置50は、展開/回転装置40の下流側に設置され、展開/回転装置40によって搬送方向および直角方向に所定の間隔をもって配置すると共に、所定の方向に向けられた食品生地切断片2の列を、整列させる装置であって、三角形の食品生地切断片2の特定の底辺2−2を、直角方向に1列に揃えるようにするための装置である。
【0079】
シャッター装置50は、下流側コンベア20の全幅に亘って直角方向に伸びた回転自在の回転シャフト51と、回転シャフト51の長手方向の複数個所に配置されたブラケット52と、ブラケット52の先端側に固定されたシャッター板53から構成されている。
【0080】
図示しない回転駆動手段により回転シャフト51が所定角度だけ時計まわりに回転(
図8に矢印で示す回転方向の逆方向)すると、シャッター板53は垂直方向を向き、シャッター板53の先端が下流側コンベア20の上面位置に到達する。
また、回転シャフト51が所定角度だけ反時計まわりに回転(
図8に矢印で示す回転方向)すると、シャッター板53は傾斜しながら、シャッター板53の先端が下流側コンベア20の上面位置から食品生地切断片2に接触しない十分な高さまで上昇するようになっている。
【0081】
次に、シャッター装置50によって、三角形の食品生地切断片2の特定の底辺2−2を、直角方向に1列に揃える動作について説明する。
図示しない回転駆動手段により回転シャフト51が所定角度だけ時計まわりに回転すると、シャッター板53は垂直方向を向き、シャッター板53の先端が下流側コンベア20の上面位置に到達する。
【0082】
下流側コンベア20上を搬送されてくる食品生地切断片2は、三角形の特定の底辺2−2が搬送方向下流側にあって、直角方向に平行となっており、三角形の特定の頂点2−1が搬送方向上流側を向いて搬送されてくる。
【0083】
したがって、シャッター板53の先端が下流側コンベア20の上面位置にあるときに、下流側コンベア20上を食品生地切断片2の列が搬送されてくると、三角形の食品生地切断片2の特定の底辺2−2がシャッター板53に当たり、食品生地切断片2の列の特定の底辺2−2が、搬送方向と直角方向に平行に1列に揃えられる。
【0084】
食品生地切断片2の列の特定の底辺2−2が、直角方向に平行に1列に揃えられたタイミングで、回転シャフト51が所定角度だけ反時計まわりに回転すると、シャッター板53は傾斜しながら、シャッター板53の先端が下流側コンベア20の上面位置から食品生地切断片2に接触しない十分な高さまで上昇する。
【0085】
シャッター板53の先端が食品生地切断片2に接触しない十分な高さまで上昇すると、三角形の特定の底辺2−2が、直角方向に平行に1列に揃えられた食品生地切断片2の列は、下流側コンベア20によって精度よく整列配置され、次工程の処理を行う装置まで搬送されていく。
なお、シャッター装置50は、展開/回転装置40及び下流側コンベア20の動作に同期して駆動されるようになっているため、食品生地切断片2の搬送状況に合わせてタイミング良く駆動されるようになっている。
【0086】
次に、
図5、
図9を参照しながら、検出装置60について説明する。
図9は、検出装置60による食品生地切断片2の検出方法を説明するための図であって、検出装置60におけるセンサ61と食品生地切断片2との位置関係を示したものである。検出装置60は、分離装置30と展開/回転装置40との間であって(すなわち、分離装置30の下流側であり、展開/回転装置40の上流側)、下流側コンベア20の上方に配置されており(
図5参照)、検出装置60によって検出された信号に基づき、展開/回転装置40が駆動されるようになっている。
【0087】
検出装置60は、センサ61と取付架台62とから構成され、取付架台62の一端側にはセンサ61が取り付けられ、取付架台62の他端側は固定された構造物に結合されている。 センサ61として、光学的センサを少なくとも1個または2個配置しても良いし、画像センサをすくなくとも1個だけ配置するようにしても良い。
【0088】
センサ61として、光学的センサを1個配置する場合(すなわちセンサAのみを配置する場合)には、
図9(1)に示すように、下流側コンベア20上を搬送されてくる三角形の食品生地切断片2のa点とb点がセンサAの位置を通過する時間を検出することができるから、下流側コンベア20搬送速度と、a点とb点がセンサAの位置を通過する時間から、三角形の食品生地切断片2の中線上のc点を検出することが可能となる。
【0089】
したがって、三角形の食品生地切断片2の中線上に、展開/回転装置40の複数の爪42−1の中心位置がくるように、展開/回転装置40の動作を制御することが可能となる。 この結果、整列配置された食品生地切断片2の中心位置の位置精度を飛躍的に高めることが可能となる。
【0090】
また、
図9(2)に示すように光学的センサを2個配置する場合(すなわちセンサAおよびBを配置する場合)には、下流側コンベア20上を搬送されてくる三角形の食品生地切断片2のa点とb点がセンサAの位置を通過する時間、およびd点とe点がセンサBの位置を通過する時間を検出することができるから、a点とb点がセンサAの位置を通過する時間とd点とe点がセンサBの位置を通過する時間を比較することによって三角形の食品生地切断片2の幅寸法を検出することができ、その結果、三角形の食品生地切断片2がどのような向きで搬送されているかを識別することが可能となる。
【0091】
したがって、三角形の食品生地切断片2の中線上に、展開/回転装置40の複数の爪42−1の中心位置がくるように、展開/回転装置40の動作を制御することが可能となるばかりではなく、搬送されてきた三角形の食品生地切断片2の回転方向を判断した上で、展開/回転装置40の動作を制御することが可能となる。
【0092】
このように、光学的センサを2個配置することによって、搬送されてきた三角形の食品生地切断片2の回転方向を判断することが可能となるため、搬送されてくる食品生地切断片2の向きが変則的である場合(例えば、
図4に示す食品生地切断片の列が、a列、b列、b列、a列・・・といった順序で搬送されてくる場合等)でも食品生地切断片2の向きを所定の方向に揃え、規則的に整列配置することが可能となる。
【0093】
また、センサ61として、画像センサを1個配置する場合、検出された画像データを処理することによって、三角形の食品生地切断片2の中線の位置を検出し、かつ搬送されてくる三角形の食品生地切断片2の向きを検出することが可能となるため、光学的センサを2個配置した場合と同様な作用効果を得ることが可能となる。
【0094】
また、搬送方向の直角方向に対して搬送される三角形の食品生地切断片2の中心線の傾きを演算処理により算出することにより、展開/回転装置40の動作を制御し、食品生地片2の中心線が搬送方向に平行となるよう回転することも可能である。