【文献】
New Postcom,Considerations for interactions between FD and TD ICIC[online], 3GPP TSG-RAN WG3#70bis R3-110043,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_70bis/Docs/R3-110043.zip>,2011年 1月17日
【文献】
Pantech,Discussion on ePHICH to support UL HARQ process[online], 3GPP TSG-RAN WG1#66b R1-113105,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66b/Docs/R1-113105.zip>,2011年10月10日
【文献】
CATT,Considerations on Coexistence of Frequency Domain and Time Domain ICIC[online], 3GPP TSG-RAN WG1#64 R1-110703,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_64/Docs/R1-110703.zip>,2011年 2月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付の図面を参照して説明される本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0018】
本明細書は、LTEシステム及びLTE−Aシステムを取り上げて本発明の実施例を説明するが、これは例示であり、本発明の実施例は、上記定義に該当するいかなる通信システムに適用されてもよい。また、本明細書はFDD(Frequency Division Duplex)方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示であり、本発明の実施例は、H−FDD方式又はTDD(Time Division Duplex)方式にも同様の適用が可能である。
【0019】
図2は、3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく端末とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)の構造を示す図である。コントロールプレーンは、端末(User Equipment;UE)及びネットワークが呼を管理するために用いる制御メッセージが伝送される通路を意味する。ユーザプレーンは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが伝送される通路を意味する。
【0020】
第1の層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位に在る媒体接続制御(Medium Access Control)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該伝送チャネルを介して媒体接続制御層と物理層間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを介してデータが移動する。該物理チャネルは時間と周波数を無線リソースとして用いる。具体的に、物理チャネルは、下りリンクではOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクではSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0021】
第2の層における媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2の層におけるRLC層は信頼性あるデータ伝送をサポートする。RLC層の機能をMAC内部の機能ブロックとして具現してもよい。第2の層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを效率的に伝送するために余計な制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0022】
第3の層で最下部に位置している無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は無線ベアラー(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に対して論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2の層によって提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層は互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にある。RRC層の上位に在るNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)や移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0023】
ネットワークから端末にデータを伝送する下り伝送チャネルは、システム情報を伝送するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを伝送するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを伝送する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを介して伝送されてもよく、又は、別の下りMCH(Multicast Channel)を介して伝送されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを伝送する上り伝送チャネルには、初期制御メッセージを伝送するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを伝送する上りSCH(Shared Channel)がある。伝送チャネルの上位にあり、伝送チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)には、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0024】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号伝送方法を説明するための図である。
【0025】
端末は電源がついたり新しくセルに進入したりすると、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を獲得することがである。その後、端末は基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信してセル内の放送情報を獲得することができる。一方、端末は初期セル探索段階で下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0026】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)及び該PDCCHに含まれた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を獲得することができる(S302)。
【0027】
一方、基地局に最初に接続したり、信号伝送のための無線リソースがない場合には、端末は基地局に対してランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行うことができる(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を介して特定シーケンスをプリアンブルとして伝送し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304及びS306)。競合ベースのRACHに対しては衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を更に行うことができる。
【0028】
上述した手順を行った端末は、以降、一般的な上り/下り信号伝送手順として、PDCCH/PDSCHの受信(S307)及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)の伝送(S308)を行うことができる。特に、端末はPDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に関するリソース割当情報のような制御情報を含み、その使用目的によって異なるフォーマットを有する。
【0029】
一方、端末が上りリンクで基地局に伝送する、又は端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムにおいて、端末は、上述のCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して伝送することができる。
【0030】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0031】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は、10ms(327200×T
s)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×T
s)の長さを有する。ここで、T
sはサンプリング時間を表し、T
s=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
−8(約33ns)で表示される。スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて1個のリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データが伝送される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、1つ以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は変更してもよい。
【0032】
図5は、下りリンク無線フレームにおいて1つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0033】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって、先頭1〜3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルも、データ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0034】
PCFICHは、物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに使われるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。1個のREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは1個の副搬送波×1個のOFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1乃至3又は2乃至4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0035】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク伝送に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が伝送されるチャネルを意味する。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは、拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域でダイバーシティ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0036】
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームの先頭n個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数であり、PCFICHにより指示される。PDCCHは、1つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、伝送チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割当に関連した情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを介して伝送される。したがって、基地局と端末は、一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHを介してデータをそれぞれ伝送及び受信する。
【0037】
PDSCHのデータがどの端末(1つ又は複数の端末)に伝送されるか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコーディング(decoding)をすべきかに関する情報などは、PDCCHに含まれて伝送される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスキング(masking)されており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて伝送されるデータに関する情報が特定サブフレームで伝送されるとしよう。この場合、セル内の端末は、自身が有しているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタリングし、「A」のRNTIを有している1つ以上の端末があると、当該端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報を用いて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0038】
以下では、チャネル状態情報(channel state information;CSI)報告について説明する。現在、LTE標準では、チャネル情報無しで運用される開ループ(open−loop)MIMO、及びチャネル情報に基づいて運用される閉ループ(closed−loop)MIMOの2種類の送信方式が存在する。特に、閉ループMIMOでは、MIMOアンテナの多重化利得(multiplexing gain)を得るために、基地局及び端末はそれぞれチャネル状態情報に基づいてビームフォーミングを行うことができる。基地局は、チャネル状態情報を端末から得るために、端末に参照信号を送信し、該参照信号に基づいて測定したチャネル状態情報をPUCCH又はPUSCHを介してフィードバックするように命令する。
【0039】
CSIには、大きく、RI、PMI、CQIの3つの情報がある。まず、RIは、上述した通り、チャネルのランク情報を表し、端末が同一の周波数−時間リソースを用いて受信できるストリームの個数を意味する。また、RIは、チャネルのロングタームフェージング(long term fading)によって決定されるため、通常、PMI、CQIの値に比べてより長い周期で基地局にフィードバックされる。
【0040】
また、PMIは、チャネルの空間特性を反映した値で、SINRなどのメトリック(metric)を基準にして端末が好む基地局のプリコーディング行列インデックスを表す。最後に、CQIは、チャネルの強度を表す値で、通常、基地局がPMIを用いた時に得られる受信SINRを意味する。
【0041】
一方、次世代移動通信システムの標準であるLTE−Aシステムでは、データ伝送率の向上の目的で、既存標準ではサポートしていないCoMP(Coordinated Multi Point)伝送方式をサポートすると予想される。ここで、CoMP伝送方式とは、陰影地域にある端末及び基地局(セル又はセクター)間の通信性能を向上させるために、2つ以上の基地局或いはセルが相互協調して端末と通信する伝送方式のことをいう。
【0042】
CoMP伝送方式は、データ共有を用いた協調的MIMO形態のジョイントプロセシング(CoMP−Joint Processing;CoMP−JP)方式と協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP−Coordinated Scheduling/beamforming、CoMP−CS/CB)方式とに分類される。
【0043】
下りリンクの場合、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式において、端末はCoMP伝送方式を行う各基地局からデータを瞬間的に同時に受信することができ、各基地局からの受信した信号を結合して受信性能を向上させることができる(Joint Transmission;JT)。また、CoMP伝送方式を行う基地局のいずれか一基地局が特定時点で端末にデータを伝送する方法も考慮することができる(DPS;Dynamic Point Selection)。一方、協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP−CS/CB)方式では、端末はビームフォーミングを用いてデータを瞬間的に一つの基地局、すなわち、サービング基地局から受信することができる。
【0044】
上りリンクの場合、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式では、各基地局は端末からPUSCH信号を同時に受信することができる(Joint Reception;JR)。一方、協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP−CS/CB)方式では、一つの基地局のみPUSCHを受信するが、この時、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式を用いるものとするという決定は、協調セル(或いは基地局)によってなされる。
【0045】
一方、CoMP技法は、マクロeNBのみで構成された同種ネットワークの他、異種ネットワーク間にも適用することができる。
【0046】
一方、セル間干渉緩和のための方法、すなわち、セル間干渉無效化(inter−cell interference cancellation;ICIC)技法として、干渉セルが一部の物理チャネルの送信電力を減少させたり伝送しないサブフレーム、すなわちABS(almost blank subframe)を使用し、被干渉セルがこれを考慮してUEをスケジューリングする方法が議論中である。以下、干渉セルが一部の物理チャネルの送信電力を減少させたABSを電力減少(reduced−power)ABSと、干渉セルが一部の物理チャネルを伝送しないABSを空電力ABSと呼ぶ。
【0047】
この場合、被干渉セルのUEにとっては干渉レベルがサブフレームに従って大きく変化することになるが、このような状況で、各サブフレームでのより正確な無線リンクモニタリング(radio link monitoring;RLM)動作を行ったり、RSRP(Reference Signal Received Power)/RSRQ(Reference Signal Received Quality)などを測定する無線リソース管理(radio resource management;RRM)動作を行ったり、リンク適応(link adaptation)のために上述したCSI測定を行うには、RLM/RRM及びCSI測定を、均一な干渉特性を有するサブフレームセットに制限しなければならない。
【0048】
本発明は、セル間に干渉が存在する環境下で当該干渉を效率的に緩和させるためにセル間干渉無效化技法を適用するとき、時間リソースと周波数リソースに対するICIC技法を效率的に運営することによって無線通信リソースを效果的に使用する方法を提案する。
【0049】
まず、周波数リソースに対するICIC技法を説明すると、3GPP LTE(Release−8)システムでは、与えられた周波数領域を一つ以上のサブ周波数領域(例えば、PRB単位)に分け、各サブ周波数領域に対する下記の指示子を、X2インターフェースを介してセル間に交換することができる。
【0050】
(1)RNTP(relative narrowband transmission power):ICICメッセージを伝送するセルが該当のサブ周波数領域で使用する下りリンク送信電力を表す指示子である。例えば、特定のサブ周波数領域においてRNTPフィールドが0に設定されていると、下りリンク送信電力が所定の臨界値を越えない旨を意味し、1に設定されていると、下りリンク送信電力に対する約束ができない旨、すなわち、下りリンク送信電力が所定の臨界値を越えることがある旨を意味できる。
【0051】
(2)UL IOI(interference overload indication):ICICメッセージを伝送するセルが該当のサブ周波数領域で受ける上りリンク干渉の量を表す指示子である。すなわち、被干渉セル基準の上りリンク干渉の量を表す指示子である。例えば、特定のサブ周波数領域でIOIフィールドが高干渉に設定されていると、当該領域で強い上りリンク干渉を受けているということを意味する。この場合、ICICメッセージを受信したセルは、ICICメッセージを伝送したセルへの干渉を緩和するために、IOIフィールドが高干渉に設定された領域では、自身に属したUEのうち、低い上りリンク送信電力を使用するUEをスケジューリングすればよい。
【0052】
(3)UL HII(high interference indication):ICICメッセージを伝送するセルからの該当のサブ周波数領域に対する上りリンク干渉敏感度(sensitivity)を表す指示子で、干渉セル基準の指示子である。例えば、特定のサブ周波数領域でHIIフィールドが1に設定されていると、ICICメッセージを伝送するセルが、当該領域に強い上りリンク送信電力のUEをスケジューリングする可能性がある旨を表すことができる。逆に、特定のサブ周波数領域でHIIフィールドが0に設定されていると、ICICメッセージを伝送するセルが、当該領域に弱い上りリンク送信電力のUEをスケジューリングする可能性がある旨を表すことができる。この場合、ICICメッセージを受信したセルは、ICICメッセージを伝送したセルからの干渉を回避するために、HIIが0に設定された領域を優先的にUEスケジューリングに使用しながら、HIIが1に設定された領域は、強い干渉にもよく動作できるUEをスケジューリングすればよい。
【0053】
一方、時間リソースに対するICIC技法を説明すると、3GPP LTE−Advanced(Rel−10)システムでは、全体時間領域を複数のサブフレームに区別し、各サブフレームに対する黙音(silencing)或いは減少した送信電力適用の有無を指示することができる。ここで、特定サブフレームが、黙音(silencing)が行われるサブフレームと指示されると、時間リソースに対するICICメッセージを伝送するセルは、当該サブフレームでPDSCHやPUSCHをスケジューリングしなくなる(すなわち、送信電力0を適用(空電力ABS))。また、特定サブフレームが、減少した送信電力が適用されるサブフレームと指示されると、時間リソースに対するICICメッセージを伝送するセルは、当該サブフレームでPDSCHやPUSCHの送信電力を、隣接した他のセルに及ぶ干渉を考慮して、正常の動作に比べて減少させる。
【0054】
更に、特定ULサブフレームが直接的に時間領域のICICが適用されるサブフレーム、すなわち、減少した送信電力が適用されるサブフレーム(すなわち、電力減少ABS(reduced power ABS))として指定されなくても、DL SF #nが電力減少ABSとして指定されると、該当のセルの相対的に内側領域に位置しているUEが主にULスケジューリングされるはずであるから、上りリンクグラントが伝送されるDL SF #nに連動したUL SF #(n+k)(ただし、kは3よりも大きい整数)が、電力減少ABS(すなわち、隣接セルに発生する上りリンク干渉量が少ない)として解釈される形態になってもよい。ここで、DL SF #nが電力減少ABSとして指定される場合に、該当のセルの相対的に内側領域に位置しているUEが主にスケジューリングされる理由は、スケジューリング情報(例えば、上りリンクグラント或いは下りリンクグラント)が伝送されるチャネル(例えば、PDCCH)の送信電力も電力減少ABS設定によって低くならなければならず、このような受信電力でも安定した制御チャネルデコーディングが可能な内部のUEが主にスケジューリングされるためである。このような動作原理は、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームが黙音(silencing)(すなわち、送信電力として0を適用)サブフレームと定義される場合にも同一に適用される。
【0055】
本発明は、上述した方法で周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在している状況の他、多種多様なICIC技法が適用されるいずれの場合においても拡張して適用することができる。
【0056】
従来技術では、あるセルが隣接した他のセルに上述の周波数リソースに対するICICメッセージと時間リソースに対するICICメッセージを同時に伝送することがある。この場合、ICIC動作に不明確性が発生する。これは、周波数リソースに対するICICメッセージは特定サブフレームに対する指示無しで全てのサブフレームに適用される一方で、時間リソースに対するICICメッセージは特定サブフレームにおける全ての周波数リソースに対するICIC動作を記述するからである。
【0057】
そこで、本発明は、周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在している状況でも効率的なICIC運営をサポートするための方法を提案することによって、効果的な無線通信リソースの使用を可能にする。本発明を説明するに先立ち、従来技術による周波数及び時間リソースでのICIC技法適用時に生じうる問題点について説明する。
【0058】
図6は、下りリンクにおいて特定セルが隣接した他のセルに時間リソースに対するICICメッセージと周波数リソースに対するICICメッセージを同時に伝送した場合を例示している。特に、
図6では、周波数リソースに対するICICメッセージとしては上述のRNTPを例示し、システム帯域幅は6RBとした。
【0059】
図6を参照すると、周波数リソースに対するICICメッセージ、すなわち、RNTPの場合、特定PRB領域でRNTPフィールドが0に設定されていると、下りリンク送信電力が臨界値を越えないということを意味し、1に設定されていると、下りリンク送信電力に対する約束ができない、すなわち、下りリンク送信電力が臨界値を越えることがあるということを意味する。時間リソースに対するICIC技法は、ICICメッセージを伝送するセルが、減少した送信電力を偶数サブフレームで適用するとした。
【0060】
図7は、上りリンクにおいて特定セルが隣接した他のセルに時間リソースに対するICICメッセージと周波数リソースに対するICICメッセージを同時に伝送した場合を例示している。特に、
図7で、周波数リソースに対するICICメッセージとしては上述のHIIを例示し、時間リソースに対するICIC技法は、
図6と同一に設定されるとし、且つFDDシステムを考慮した。
【0061】
図7を参照すると、周波数リソースに対するICICメッセージ、すなわち、HIIの場合、特定PRBでHIIフィールドが1に設定されていると、ICICメッセージを伝送するセルが該当の領域に、強い上りリンク送信電力のUEをスケジューリングする可能性があるということを意味する。逆に、特定PRBでHIIフィールドが0に設定されていると、ICICメッセージを伝送するセルが該当の領域に、弱い上りリンク送信電力のUEをスケジューリングする可能性があるということを意味する。
【0062】
図6及び
図7からわかるように、特定セルから時間リソースに対するICICメッセージと周波数リソースに対するICICメッセージ(すなわち、RNTP或いはHII)を同時に受信した隣接セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで、RNTPフィールド或いはHIIフィールドが1に設定されている周波数リソースをどのように使用するかについて曖昧さ(ambiguity)が生じることになる。換言すれば、時間領域では干渉が少なく、周波数領域では干渉が高いということを意味するので、リソース活用に曖昧さが生じることがある。
【0063】
〈第1実施例〉
上述した問題点を解決するために、本発明では、周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在して適用される場合、特定セルが隣接した他のセルに、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)(ここで、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームグループ(或いはタイプ)は、時間リソース領域で互いに異なる干渉環境のサブフレームグループ(或いはタイプ)を意味できる)の種類によって、複数個(multiple)の周波数リソースに対するICICメッセージを伝送するようにする。他の方法として、周波数リソースに対するICICメッセージは時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでは有効でないということを事前に規定して動作させてもよい。
【0064】
ここで、周波数リソースに対する複数個のICICメッセージは、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いはサブフレームグループ)のそれぞれに該当するものであり、また、それぞれの周波数リソースに対するICICメッセージは、該当のサブフレームタイプ(或いはサブフレームグループ)でのみ有効に動作する。
【0065】
このような方式は、特定セルから周波数及び時間リソースに対するICICメッセージを同時に受信した隣接セルにとって、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで周波数リソースを明確に或いは独立して柔軟に使用できるようにする。
【0066】
図8は、
図6と同じ状況下で、本発明の第1実施例を適用した例である。
【0067】
図6では、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いはサブフレームグループ)の種類は、電力減少サブフレームと非−電力減少サブフレーム(すなわち、一般サブフレーム)の2つである。したがって、本発明は、特定セルが隣接した他のセルに、電力減少サブフレームと非−電力減少サブフレームに該当する2つの周波数リソースに対するICICメッセージを伝送するようにすることによって、隣接したセルの周波数リソース使用に関する動作を明確にさせることができる。
【0068】
図8を参照すると、電力減少サブフレームに該当する周波数リソースに対するICICメッセージをRNTP
RPSと、非−電力減少サブフレームに該当する周波数リソースに対するICICメッセージをRNTP
NRPSとそれぞれ定義した。すなわち、隣接セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでRNTP
RPSフィールドが0に設定された場合、当該周波数リソースを下りリンク伝送のために效果的に用いることが可能になる。
【0069】
図9は、
図7と同じ状況下で、本発明の第1実施例を適用した例である。
【0070】
図7及び
図9でも、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)の種類は、電力減少サブフレームと非−電力減少サブフレーム(すなわち、一般サブフレーム)の2つである。
【0071】
したがって、
図9に示すように、電力減少サブフレームに該当する周波数リソースに対するICICメッセージをHII
RPSと、非−電力減少サブフレームに該当する周波数リソースに対するICICメッセージをHII
NRPSとそれぞれ定義することができる。したがって、隣接セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでHII
RPSフィールドが0に設定された場合、当該周波数リソースを上りリンク伝送のために效果的に用いることが可能になる。
【0072】
一方、特定セルが隣接セルから一部のサブ周波数領域(例えば、PRB単位)に対するIOIを受信し、時間リソースに対するICIC技法を減少した送信電力にしていると、特定セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで該当の周波数リソースをどのように使用するかに対して曖昧さ(ambiguity)が発生ことになる。
【0073】
このような場合、本発明の第1実施例では、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)の種類によって、複数個の周波数リソースに対するICICメッセージ(すなわち、IOI)を伝送することを提案する。或いは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでIOIは有効でないということをセル間に事前に規定して動作させてもよい。
【0074】
〈第2実施例〉
上述した問題点を解決するために、本発明の第2実施例では、周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在する場合、特定セルが隣接した他のセルに、周波数リソースに対するICICメッセージと共に循環遷移オフセット(cyclic shifting offset)値を知らせることを提案する。
【0075】
一例として、周波数リソースに対するICICメッセージと共に循環遷移オフセット値を受信した隣接セルは、周波数リソースに対するICICメッセージ(例えば、周波数リソースを一定単位に分けてICIC技法を適用するためのビットマップ情報)を、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームではオフセットだけ循環遷移させて適用することによって、既存に比べて周波数領域のリソースをより效率的に使用することができる。
【0076】
例えば、隣接セルが特定セルからRNTP及び循環遷移オフセット値としてそれぞれ「101010」、「01」を受信したとすれば、隣接セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでは、周波数領域に対するICICメッセージを「010101」に変更させて適用する。一方、時間領域のICIC技法が適用されないサブフレームでは、既存の周波数領域に対するICICメッセージである「101010」をそのまま適用する。
【0077】
或いは、隣接セルが特定セルから、事前に定められた特定値の循環遷移オフセット値と周波数リソースに対するICICメッセージを併せて受信する場合、隣接セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでは全ての周波数リソースが使用可能であると仮定してもよい。
【0078】
〈第3実施例〉
上述した問題点を解決するために、本発明の第3実施例では、周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在する場合、特定セルが隣接した他のセルに、周波数リソースに対するICICメッセージ(例えば、RNTP、HII、IOI)と共に別途の指示子を伝送することによって、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームの周波数リソースを用いてもよいか否かを知らせることを提案する。
【0079】
一例として、別途の指示子が1に設定された場合、隣接セルは時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームの周波数リソースを全て使用でき、別途の指示子が0に設定された場合には、隣接セルは時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームの周波数リソースを全て使用できないようにすることができる。
【0080】
〈第4実施例〉
特定セルが隣接セルに、一つのRNTPメッセージに該当する複数のRNTP臨界値を知らせることもできる。例えば、特定セルが隣接セルに、一つのRNTPメッセージに該当する2個の臨界値A、臨界値B(ここで、B>Aと仮定する)を伝送したとすれば、隣接セルは、周波数領域で適用される送信電力候補Pを「P<A」、「A≦P≦B」、「B<P」と見なすことができる。このような場合、特定セルは、(一部或いは事前に定義された単位の)周波数領域でのRNTPを2ビットサイズで指示することによって、該当の周波数領域でどの範囲(すなわち、「P<A」、「A≦P≦B」又は「B<P」のうち一つ)の送信電力値が適用されたかを隣接セルに知らせることができる。
【0081】
また、周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在する場合、特定セルが隣接した他のセルに、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)の種類によって複数個のRNTP臨界値を伝送してもよい。
【0082】
ここで、複数個のRNTP臨界値は、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)の種類にそれぞれ該当するものであり、また、それぞれのRNTP臨界値は該当のサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)でのみ有効に動作する。このような方式は、特定セルから周波数及び時間リソースに対するICICメッセージを同時に受信した隣接セルが、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで周波数リソースを独立して柔軟に使用できるようにする。
【0083】
一方、特定セルが隣接セルに時間リソースに対するICICメッセージを伝送する場合、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで特定セルが設定する送信電力に対する臨界値を併せて知らせてもよい。例えば、もし、時間リソースに対するICICメッセージが電力減少ABSとして具現されると、隣接セルは、上述した提案方式の情報を受信することによって、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで特定セルからの干渉量を考慮して、より効率的な/明確な無線リソースの利用が可能となる。
【0084】
このような提案方式は、特定セルが隣接セルに時間リソースに対するICICメッセージを一つではなく複数個伝送する場合には、特定セルが隣接セルにそれぞれの(時間リソースに対する)ICICメッセージに該当する臨界値を併せて知らせることによって拡張することもできる。
【0085】
他の方式として、特定セルが隣接セルに、一つの時間リソースに対するICICメッセージに該当する複数の臨界値を知らせることもできる。ここで、特定セルが隣接セルに一つの時間リソースに対するICICメッセージに該当する2個の臨界値A、臨界値B(ここで、B>Aと仮定する)を伝送したとすれば、隣接セルは、特定セルが時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで設定する送信電力候補(P)を「P<A」、「A≦P≦B」、「B<P」と見なすことができる。したがって、特定セルは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレーム(或いは、時間領域のICIC技法が適用されないサブフレーム)を2ビットサイズで指示することによって、該当のサブフレームでどの範囲(すなわち、「P<A」、「A≦P≦B」、「B<P」のいずれか一つ)の送信電力値が適用されたかを、隣接セルに知らせることができる。
【0086】
さらに他の提案方式として、上述した特定セルが隣接セルに時間リソースに対するICICメッセージと周波数リソースに対するICICメッセージを同時に伝送する状況下で、特定セルが、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレーム(例えば、空電力ABS、電力減少ABS)で設定される送信電力に対する臨界値(或いは、設定値)を、周波数領域ICICメッセージの臨界値に対するオフセットの形態で隣接セルに知らせることもできる。
【0087】
例えば、隣接セルが特定セルから電力減少ABSメッセージ、RNTPメッセージ(すなわち、RNTP臨界値X)、オフセット(すなわち、オフセットY)を受信したとすれば、隣接セルは、特定セルが時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームで送信電力の臨界値(或いは、設定値)を「X+Y」に設定したと仮定することができる。ここで、また、隣接セルは、臨界値(或いは、設定値)「X+Y」を、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームの全体周波数領域に該当する値と仮定したり、或いは、時間領域のICIC技法が適用されるサブフレームでRNTPフィールドが1(すなわち、特定PRB領域での下りリンク送信電力が所定の臨界値を越えることを意味)に設定されている周波数領域(或いは、事前に定義された周波数領域)でのみ有効であると仮定し、RNTPフィールドが0(すなわち、特定PRB領域での下りリンク送信電力が所定の臨界値を越えないことを意味)に設定されている周波数領域(或いは事前に定義された周波数領域を除く残り領域)では特定セルが既存RNTP臨界値に基づいて動作すると仮定することもできる。
【0088】
〈第5実施例〉
一方、TDDシステム下で、隣接セルが特定セルから受信した時間リソースに対するICICメッセージ(すなわち、電力減少ABS)に基づき、電力減少ABS(すなわち、DL SF #n)に連動したUL SF #(n+k)(ただし、kは3よりも大きい整数)を電力減少ABSと解釈する場合、隣接セルは、DL SF #n(すなわち、電力減少ABS)に連動したUL SF #(n+k)(ただし、kは3よりも大きい整数)を定義するのに不明確性が発生する。
【0089】
すなわち、TDDシステムでは、特定DL SF #nで受信された上りリンクグラントベースのPUSCH伝送時点と、(同一の)DL SF #nで受信されるDLデータに対するUL ACK/NACK伝送時点とが異なることがあるからである。
【0090】
図10は、本発明の第5実施例を説明するための図である。
【0091】
図10では、TDDシステムにおいて、特定UL−DLサブフレーム構成を仮定した時、DL SF #nで上りリンクグラントが伝送される場合にPUSCHが伝送される時点と、(同一の)DL SF #nで受信されたDLデータに対するUL ACK/NACKが伝送される時点とが異なっている例を示している。
【0092】
ここでは、UL−DLサブフレーム構成#4(すなわち、「DSUUDDDDDD」)を仮定しており、DL SF #8で受信される上りリンクグラントベースのPUSCH伝送時点と、DL SF #8で受信されるDLデータに対するUL ACK/NACK伝送時点がそれぞれUL SF #2、UL SF #3となっており、互いに不一致していることがわかる。
【0093】
したがって、TDDシステム下で、隣接セルが特定セルから受信した時間リソースに対するICICメッセージ(すなわち、電力減少ABS)に基づいて電力減少ABS(すなわち、DL SF #n)に連動したUL SF #(n+k)(ただし、kは3よりも大きい整数)を電力減少ABSと解釈する場合、隣接セルは、PUSCH(伝送)タイミング規則に基づいてDL SF #n(すなわち、電力減少ABS)に連動したUL SF #(n+k)を電力減少ABSと見なす(或いは、PUCCH(伝送)タイミング規則に基づいてDL SF #n(すなわち、電力減少ABS)に連動したUL SF #(n+k)を電力減少ABSと見なしたり、或いはPUSCH/PUCCH(伝送)タイミング規則に基づいてDL SF #n(すなわち、電力減少ABS)に連動したPUSCH/PUCCH伝送が行われるUL SFを電力減少ABSと見なす)ように提案する。
【0094】
例えば、
図10の状況下で、隣接セルが特定セルからDL SF #(n+8)を電力減少ABSとして指示されると、隣接セルは、(DL SF #(n+8)以降の)UL SF #(n+2)を電力減少ABSと見なし、あらかじめ定められた規則に従って当該サブフレームの全体或いは一部の周波数リソースを用いればよい。
【0095】
また、特定セルは隣接セルにPUCCHリソース領域のみをHIIで設定して知らせることによって、隣接セルにとってUL ACK/NACK伝送で発生する干渉に対する緩和動作を行うようにすることもできる。ここで、HII情報は、時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)の種類によって複数個設定されてもよい。
【0096】
本発明は、周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在する環境の他、周波数リソースに対するICIC技法或いは時間リソースに対するICIC技法が独立して用いられるいずれの環境でも拡張して適用することができる。また、キャリアアグリゲーション(CA)技法が適用された環境、例えば、イントラバンド(intra band)(或いは、同一バンド(co−channel))間に干渉が存在する環境(或いは、拡張(extension)キャリアとレガシーキャリアとの間に干渉が存在する環境又は拡張キャリアの間に干渉が存在する環境)で周波数或いは時間リソースに対するICIC技法が用いられる場合にも拡張して適用することができる。一例として、異なる基地局が同一帯域のコンポーネントキャリア(CC)を用いる場合、特定基地局が(同一帯域のCCを使用する隣接セルに)当該CC別に時間リソースに対するICICメッセージが定義するサブフレームタイプ(或いは、サブフレームグループ)の種類によって、複数個の周波数リソースに対するICICメッセージをそれぞれ伝送することもできる。更に、本発明は、基地局が特定無線リソースの用途をシステムの負荷状態によって動的に変更して用いる環境或いは端末と端末間の通信(すなわち、D2D)が行われる環境下で周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在する場合の他、周波数リソースに対するICIC技法或いは時間リソースに対するICICが独立して適用される場合においても拡張して適用することができる。また、本発明は、基地局間に協調通信が行われる環境或いは制御情報が(既存PDCCHチャネル領域を通じて伝送される場合だけでなく)PDSCHチャネル領域を通じて伝送される環境(例えば、E−PDCCH又は一つ以上のE−PDCCHセットが設定された場合)下で、E−PDCCHチャネル伝送領域又は/及びPDSCHチャネル伝送領域又は/及びPDCCHチャネル伝送領域に対する周波数及び時間リソースでのICIC技法が混在する場合の他、周波数リソースに対するICIC技法或いは時間リソースに対するICICが独立して適用される場合においても拡張して適用することができる。
【0097】
図11は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
図11を参照すると、通信装置1100は、プロセッサ1110、メモリー1120、RFモジュール1130、ディスプレイモジュール1140、及びユーザインターフェースモジュール1150を備えている。
【0098】
通信装置1100は、説明の便宜のために図示したもので、一部のモジュールは省略してもよい。また、通信装置1100は、必要なモジュールをさらに備えてもよい。また、通信装置1100において一部のモジュールはより細分化したモジュールにしてもよい。プロセッサ1110は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を行うように構成される。具体的に、プロセッサ1110の詳細な動作については、
図1乃至
図10に記載された内容を参照すればよい。
【0099】
メモリー1120は、プロセッサ1110に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを保存する。RFモジュール1130は、プロセッサ1110に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を果たす。そのために、RFモジュール1130は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップ変換、又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1140は、プロセッサ1110に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール1140は、これに制限されるものではないが、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール1150は、プロセッサ1110に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組合せで構成することができる。
【0100】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含まれることもあり、別の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わることもある。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正により新しい請求項として含めてもよいことは明らかである。
【0101】
本発明に係る実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0102】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で具現することもできる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動するように構成することができる。メモリーユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0103】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化してもよいことは当業者にとっては明らかである。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。