(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121497
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】パッケージキャリアおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20170417BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
H05K3/46 Y
H05K3/46 V
H05K3/46 Z
H01L23/12 N
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-168459(P2015-168459)
(22)【出願日】2015年8月28日
(65)【公開番号】特開2016-131234(P2016-131234A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2015年8月28日
(31)【優先権主張番号】104101087
(32)【優先日】2015年1月13日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】599110599
【氏名又は名称】旭徳科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】王 朝民
【審査官】
原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−087018(JP,A)
【文献】
特開2012−088360(JP,A)
【文献】
特開2012−060112(JP,A)
【文献】
特開2008−166534(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0243941(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続面を有するキャリアを提供するステップと、
前記キャリアの前記接続面に、前記接続面を完全に覆う剥離型ソルダーレジスト層を形成するステップと、
相対する上表面と下表面を有する基板を提供するステップと、
前記基板の前記下表面に、前記下表面の一部を露出する第1パターニングソルダーレジスト層を形成するステップと、
前記キャリアと前記基板をラミネートして、前記剥離型ソルダーレジスト層が、前記第1パターニングソルダーレジスト層に直接接触し、前記キャリアが、前記剥離型ソルダーレジスト層を介して前記第1パターニングソルダーレジスト層に仮接合されるステップと、
を含み、
前記剥離型ソルダーレジスト層を形成するステップが、
前記キャリアの前記接続面に熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含むソルダーレジスト材料層を形成するステップと、
前記ソルダーレジスト材料層に対して光硬化プロセスを行い、前記剥離型ソルダーレジスト層を形成するステップと、
を含むパッケージキャリアの製造方法。
【請求項2】
前記光硬化プロセスの照射エネルギーが、200mJ/cm2〜1600mJ/cm2である請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項3】
前記第1パターニングソルダーレジスト層を形成する前記ステップが、
前記基板の前記下表面に、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含む第1ソルダーレジスト材料層を形成するステップと、
前記第1ソルダーレジスト材料層に対して光硬化プロセスおよび熱硬化プロセスを行い、前記第1ソルダーレジスト材料層を完全に硬化するステップと、
前記第1ソルダーレジスト材料層をパターニングして、前記第1パターニングソルダーレジスト層を形成するステップと、
を含む請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項4】
前記基板の前記上表面に前記上表面の一部を露出する第2パターニングソルダーレジスト層を形成するステップ
をさらに含む請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項5】
前記キャリアと前記基板をラミネートする前に、前記基板上に第1表面処理層および第2表面処理層を形成するステップ
をさらに含み、前記第1表面処理層が、前記第2パターニングソルダーレジスト層により露出した前記上表面の一部に配置され、前記第2表面処理層が、前記第1パターニングソルダーレジスト層により露出した前記下表面の一部に配置される請求項4に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項6】
前記キャリアと前記基板をラミネートする温度が、90℃〜220℃である請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項7】
前記キャリアが、コア誘電体層と、第1銅箔層と、第2銅箔層とを含み、前記第1銅箔層および前記第2銅箔層が、それぞれ、前記コア誘電体層の相対する両側に配置される請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項8】
前記基板が、ベースと、第1導電層と、第2導電層とを含み、前記第1導電層および前記第2導電層が、それぞれ、前記ベースの相対する両側に配置される請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項9】
前記キャリアと前記基板をラミネートする時、前記剥離型ソルダーレジスト層が、前記第1パターニングソルダーレジスト層に直接接触し、且つ前記第1パターニングソルダーレジスト層により露出した前記下表面の一部を覆う請求項1に記載のパッケージキャリアの製造方法。
【請求項10】
接続面を有するキャリアと、
前記キャリアの前記接続面に配置され、且つ前記接続面を完全に覆う剥離型ソルダーレジスト層と、
相対する上表面と下表面を有する基板と、
前記基板の前記下表面に配置され、且つ前記下表面の一部を露出する第1パターニングソルダーレジスト層と、
を含み、前記キャリアが、前記剥離型ソルダーレジスト層を介して前記第1パターニングソルダーレジスト層に仮接合され、
前記剥離型ソルダーレジスト層の材料が、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含み、前記剥離型ソルダーレジスト層が、半硬化状態であるパッケージキャリア。
【請求項11】
前記第1パターニングソルダーレジスト層の材料が、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含み、前記第1パターニングソルダーレジスト層が、完全な硬化状態である請求項10に記載のパッケージキャリア。
【請求項12】
前記基板の前記上表面に配置され、且つ前記上表面の一部を露出する第2パターニングソルダーレジスト層
をさらに含む請求項10に記載のパッケージキャリア。
【請求項13】
前記第2パターニングソルダーレジスト層の材料が、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含み、前記第2パターニングソルダーレジスト層が、完全な硬化状態である請求項12に記載のパッケージキャリア。
【請求項14】
前記キャリアが、コア誘電体層と、第1銅箔層と、第2銅箔層とを含み、前記第1銅箔層および前記第2銅箔層が、それぞれ、前記コア誘電体層の相対する両側に配置される請求項10に記載のパッケージキャリア。
【請求項15】
前記基板が、ベースと、第1導電層と、第2導電層とを含み、前記第1導電層および前記第2導電層が、それぞれ、前記ベースの相対する両側に配置される請求項10に記載のパッケージキャリア。
【請求項16】
前記剥離型ソルダーレジスト層が、複数の突出部を含み、前記突出部が、前記第1パターニングソルダーレジスト層により露出した前記下表面の一部を覆う請求項10に記載のパッケージキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板構造およびその製造方法に関するものであり、特に、パッケージキャリア(package carrier)およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なパッケージキャリアの製造方法は、剥離型銅箔層を介して基板にキャリアをラミネートし、キャリアを基板の支持構造として使用するとともに、基板上で後続のチップパッケージまたは多層配線層の製造プロセスが完了した後、キャリアを除去して、今日の要求を満たす薄さのパッケージ構造を形成する。
【0003】
現在、キャリアを除去する方法は、剥離により基板からキャリアを分離するステップと、その後、エッチングにより基板に残った剥離型銅箔層(残糊と称す)を除去するステップとを含む。しかしながら、エッチングプロセスの間、残った剥離型銅箔層だけでなく、基板上の配線層もエッチングされるため、その結果、製品構造信頼性が下がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より優れた構造信頼性を有するパッケージキャリアを提供する。
【0005】
本発明は、さらに、パッケージキャリアを製造するパッケージキャリア製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアの製造方法は、接続面を有するキャリアを提供するステップと、キャリアの接続面に該接続面を完全に覆う剥離型ソルダーレジスト層を形成するステップと、相対する上表面と下表面を有する基板を提供するステップと、基板の下表面に、前記下表面の一部を露出する第1パターニングソルダーレジスト層を形成するステップと、キャリアと基板をラミネートし、剥離型ソルダーレジスト層が、第1パターニングソルダーレジスト層に直接接触し、キャリアが、剥離型ソルダーレジスト層を介して第1パターニングソルダーレジスト層に仮接合されるステップとを含む。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、剥離型ソルダーレジスト層を形成するステップは、キャリアの接続面に熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含むソルダーレジスト材料層を形成するステップと、ソルダーレジスト材料層に対して光硬化プロセスを行い、剥離型ソルダーレジスト層を形成するステップとを含む。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、光硬化プロセスの照射エネルギーは、200mJ/cm
2〜1600mJ/cm
2である。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、第1パターニングソルダーレジスト層を形成するステップは、基板の下表面に熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含む第1ソルダーレジスト材料層を形成するステップと、第1ソルダーレジスト材料層に対して光硬化プロセスおよび熱硬化プロセスを行い、第1ソルダーレジスト材料層を完全に硬化するステップと;第1ソルダーレジスト材料層をパターニングして、第1パターニングソルダーレジスト層を形成するステップとを含む。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、前記製造方法は、さらに、基板の上表面に、前記上表面の一部を露出する第2パターニングソルダーレジスト層を形成するステップを含む。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、前記製造方法は、さらに、キャリアと基板をラミネートする前に、基板上に第1表面処理層および第2表面処理層を形成するステップを含み、第1表面処理層は、第2パターニングソルダーレジスト層により露出した上表面の一部に配置され、第2表面処理層は、第1パターニングソルダーレジスト層により露出した下表面の一部に配置される。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、キャリアと基板をラミネートする温度は、90℃〜220℃である。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、キャリアは、コア誘電体層と、第1銅箔層と、第2銅箔層とを含み、第1銅箔層および第2銅箔層は、それぞれ、コア誘電体層の相対する両側に配置されている。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、基板は、ベースと、第1導電層と、第2導電層とを含み、第1導電層および第2導電層は、それぞれ、ベースの相対する両側に配置されている。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、キャリアと基板をラミネートする時、剥離型ソルダーレジスト層は、第1パターニングソルダーレジスト層に直接接触し、且つ第1パターニングソルダーレジスト層により露出した下表面の一部を覆う。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアは、キャリアと、剥離型ソルダーレジスト層と、基板と、第1パターニングソルダーレジスト層とを含む。キャリアは、接続面を有する。剥離型ソルダーレジスト層は、キャリアの接続面に配置され、且つ接続面を完全に覆う。基板は、相対する上表面と下表面を有する。第1パターニングソルダーレジスト層は、基板の下表面に配置され、且つ下表面の一部を露出する。キャリアは、剥離型ソルダーレジスト層を介して第1パターニングソルダーレジスト層に仮接合される。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、剥離型ソルダーレジスト層の材料は、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含み、剥離型ソルダーレジスト層は、半硬化状態である。
【0018】
本発明の1つの実施形態において、第1パターニングソルダーレジスト層の材料は、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含み、第1パターニングソルダーレジスト層は、完全な硬化状態である。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアは、さらに、基板の上表面に配置され、且つ上表面の一部を露出する第2パターニングソルダーレジスト層を含む。
【0020】
本発明の1つの実施形態において、第2パターニングソルダーレジスト層の材料は、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含み、第2パターニングソルダーレジスト層は、完全な硬化状態である。
【0021】
本発明の1つの実施形態において、キャリアは、コア誘電体層と、第1銅箔層と、第2銅箔層とを含み、第1銅箔層および第2銅箔層は、それぞれ、コア誘電体層の相対する両側に配置されている。
【0022】
本発明の1つの実施形態において、基板は、ベースと、第1導電層と、第2導電層とを含み、第1導電層および第2導電層は、それぞれ、ベースの相対する両側に配置されている。
【0023】
本発明の1つの実施形態において、剥離型ソルダーレジスト層は、複数の突出部を含み、突出部は、第1パターニングソルダーレジスト層により露出した下表面の一部を覆う。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明のパッケージキャリアは、剥離型ソルダーレジスト層を介して基板上の第1パターニングソルダーレジスト層にキャリアを仮接合する。そのため、基板上で後続のチップパッケージまたは多層配線層の製造プロセスが完了した後、基板から直接剥離することにより、基板からキャリアを分離することができる。キャリアを剥離してから、基板に残った剥離型銅箔層をエッチングにより除去する従来の関連技術と比較して、本発明のパッケージキャリアの製造方法は、残糊等の問題が生じることなく、後続の工程ステップを簡易化することができるため、製造コストを効果的に下げることができ、製品信頼性を向上させることができる。
【0025】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1a】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図1b】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図1c】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図1d】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図1e】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図1f】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図1g】本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。
【
図2】本発明の別の実施形態に係るキャリアパッケージを示す概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a〜
図1gは、本発明の1つの実施形態に係るキャリアパッケージの製造方法を示す概略的断面図である。本発明に係るキャリアパッケージの製造方法は、まず、
図1aを参照すると、接続面111を有するキャリア110を提供する。
【0028】
詳しく説明すると、
図1aに示すように、本実施形態のキャリア110は、コア誘電体層112、第1銅箔層114および第2銅箔層116により形成される。第1銅箔層114および第2銅箔層116は、それぞれ、コア誘電体層112の相対する両側に設置されるが、本発明はこの構造に限定されない。
【0029】
そして、再度
図1aを参照すると、キャリア110の接続面111にソルダーレジスト材料層120aを形成する。ソルダーレジスト材料層120aの材料は、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含む。この場合、
図1aに示すように、ソルダーレジスト材料層120aは、キャリア110の接続面111を完全に覆うように具現される。
【0030】
それから、
図1bを参照すると、ソルダーレジスト材料層120aに対して光硬化プロセスを行い、剥離型ソルダーレジスト層120を形成する。この場合、光硬化プロセスは、例えば、紫外線Lを用いた照射プロセスにより行われ、光硬化プロセスの照射エネルギーは、例えば、200mJ/cm
2〜1600mJ/cm
2である。本実施形態のソルダーレジスト材料層120aは、熱硬化と光硬化の両方の材料特性を有するため、光硬化プロセスにより形成された剥離型ソルダーレジスト層120は、完全に硬化されない。つまり、形成された剥離型ソルダーレジスト層120は、半硬化状態である。この状況において、剥離型ソルダーレジスト層120は、キャリア110の接続面111を完全に覆う。
【0031】
そして、
図1cを参照すると、相対する上表面131と下表面133を有する基板130を提供する。詳しく説明すると、本実施形態の基板130は、ベース132、第1導電層134および第2導電層136により形成される。第1導電層134および第2導電層136は、それぞれ、ベース132の相対する両側に配置される。
【0032】
それから、再度
図1cを参照すると、基板130の下表面133に第1ソルダーレジスト材料層140aを形成する。この後、他の配線層を製造する必要がない場合、第1ソルダーレジスト材料層140aを形成すると同時に、基板130の上表面131に第2ソルダーレジスト材料層140bを形成してもよい。つまり、この工程ステップにおいて、第2ソルダーレジスト材料層140bの製造は、選択的に行われる。第1ソルダーレジスト材料層140aおよび第2ソルダーレジスト材料層140bの材料は、いずれも、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含むことができる。つまり、第1ソルダーレジスト材料層140aおよび第2ソルダーレジスト材料層140bは、いずれも、熱硬化と光硬化の材料特性を有する。もちろん、別の実施形態において、第2ソルダーレジスト材料層140bの材料が第1ソルダーレジスト材料層140aの材料と異なってもよく、この場合もなお本発明に適用可能な技術的解決法であり、本発明の保護範囲に入るものとする。
【0033】
以下のステップにおいて、第1ソルダーレジスト材料層140aおよび第2ソルダーレジスト材料層140bが同時に形成されたものを例として説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
次に、
図1dを参照すると、第1ソルダーレジスト材料層140aおよび第2ソルダーレジスト材料層140bに対して光硬化プロセスおよび熱硬化プロセスを行い、完全に硬化された第1ソルダーレジスト材料層140a’および完全に硬化された第2ソルダーレジスト材料層140b’を形成する。ここで、光硬化プロセスは、例えば、紫外線L’を用いた照射プロセスにより行われ、光硬化プロセスの照射エネルギーは、例えば、200mJ/cm
2〜1600mJ/cm
2である。一方、熱硬化プロセスは、例えば、加熱プロセスTにより行われ、加熱プロセスTの温度は、90℃〜220℃であり、加熱プロセスTの時間は、30分〜120分である。ここで、光硬化プロセスと熱硬化プロセスを行う順番は、特に限定されない。
【0035】
そして、
図1eを参照すると、第1ソルダーレジスト材料層140a’および第2ソルダーレジスト材料層140b’をパターニングして、第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bを形成する。この状況において、第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bは、それぞれ、基板130の下表面133および上表面131の上に形成される。第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bは、それぞれ、下表面133の一部および上表面131の一部を露出する。
図1eに示すように、第1パターニングソルダーレジスト層142aは、第2導電層136の一部を露出し、第2パターニングソルダーレジスト層142bは、第1導電層134の一部を露出する。この状況において、第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bは、完全に硬化される。
【0036】
そして、露出した第1導電層134および第2導電層136の構造特性を維持するため、
図1fに示すように、基板130に第1表面処理層150aおよび第2表面処理層150bを形成してもよい。第1表面処理層150aは、第2パターニングソルダーレジスト層142bにより露出した上表面131に形成され、第2表面処理層150bは、第1パターニングソルダーレジスト層142aにより露出した下表面133に形成される。
【0037】
最後に、
図1gを参照すると、キャリア110と基板130をラミネートする。剥離型ソルダーレジスト層120は、第1パターニングソルダーレジスト層142aに直接接触し、キャリア110は、剥離型ソルダーレジスト層120を介して第1パターニングソルダーレジスト層142aに仮接合される。この場合、キャリア110と基板130をラミネートする温度は、例えば、90℃〜220℃である。これで、パッケージキャリア100の製造が完了する。
【0038】
構造については、再度
図1gを参照すると、パッケージキャリア100は、キャリア110と、剥離型ソルダーレジスト層120と、基板130と、第1パターニングソルダーレジスト層142aとを含む。キャリア110は、接続面111を有する。剥離型ソルダーレジスト層120は、キャリア110の接続面111に配置され、且つ接続面111を完全に覆う。基板130は、相対する上表面131と下表面133を有する。第1パターニングソルダーレジスト層142aは、基板130の下表面133に配置され、且つ下表面133の一部を露出する。キャリア110は、剥離型ソルダーレジスト層120を介して第1パターニングソルダーレジスト層142aに仮接合される。
【0039】
詳しく説明すると、本実施形態のキャリア110は、コア誘電体層112と、コア誘電体層112の相対する両側に配置された第1銅箔層114および第2銅箔層116により形成される。基板130は、ベース132と、ベース132の相対する両側に配置された第1導電層134および第2導電層136により形成される。特に、本実施形態の剥離型ソルダーレジスト層120は、半硬化状態であり、剥離型ソルダーレジスト層120の材料は、例えば、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料を含む。また、第1導電層134を保護するため、パッケージキャリア100は、第2パターニングソルダーレジスト層142bを含んでもよい。第2パターニングソルダーレジスト層142bは、基板130の上表面131に配置され、且つ上表面131の一部を露出する。
【0040】
第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bは、完全に硬化され、第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bの材料は、いずれも、例えば、熱硬化性ソルダーレジスト材料および光硬化性ソルダーレジスト材料である。つまり、剥離型ソルダーレジスト層120、第1パターニングソルダーレジスト層142aおよび第2パターニングソルダーレジスト層142bの材料は、いずれも、熱硬化と光硬化のソルダーレジスト材料の組成物である。もちろん、別の実施形態において、第2パターニングソルダーレジスト層142bの材料が第1パターニングソルダーレジスト層142aの材料と異なってもよく、この場合もなお本発明の保護範囲に入るものとする。
【0041】
言及すべきこととして、本実施形態のパッケージキャリア100は、実質的に、半製品構造であるため、この後、基板130上でチップパッケージプロセスまたは多層配線層プロセスを行ってもよい。本発明のキャリアパッケージ100の基板130とキャリア110は、剥離型ソルダーレジスト層120を介して互いに仮接合されているため、チップパッケージプロセスまたは多層配線層プロセスが完了した後、剥離することにより、キャリア110と基板130を互いに分離することができる。剥離型ソルダーレジスト層120の材料特性により、剥離ステップにおいて基板130に残糊が残らないため、他の付加プロセスにより洗浄操作を行う必要がない。
【0042】
さらに、別の実施形態において、
図1bのステップにおいて、ソルダーレジスト材料層120aに硬化プロセスを行うことによって形成された剥離型ソルダーレジスト層120は、実質的に、不完全に硬化される。そのため、キャリア110と基板130をラミネートしている間、
図2に示すように、剥離型ソルダーレジスト層120aは、第1パターニングソルダーレジスト層142aに直接接触し、且つ第1パターニングソルダーレジスト層142aにより露出した下表面133の一部を覆う。つまり、パッケージキャリア100aの剥離型ソルダーレジスト層120aは、複数の突出部122aを含んでもよく、突出部122aは、第1パターニングソルダーレジスト層142aにより露出した下表面133の一部を覆う。さらに詳しく説明すると、
図2に示すように、突出部122aは、第2表面処理層150bに直接接触し、且つ第1パターニングソルダーレジスト層142aの間隙を充填する。
【0043】
以上のように、本発明のパッケージキャリアは、剥離型ソルダーレジスト層を介して基板上の第1パターニングソルダーレジスト層にキャリアを仮接合する。そのため、基板上で後続のチップパッケージまたは多層配線層の製造プロセスが完了した後、剥離することにより、キャリアと基板を分離することができる。キャリアを剥離してから、基板に残った剥離型銅箔層をエッチングにより除去する従来の関連技術と比較して、本発明のパッケージキャリアの製造方法は、残糊等の問題が生じることなく、後続の工程ステップを簡易化することができるため、製造コストを効果的に下げることができ、製品信頼性を向上させることができる。
【0044】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、残糊等の問題が生じることなく後続の工程ステップを簡易化することのできるパッケージキャリアおよびその製造方法に関するものである。
【符号の説明】
【0046】
100、100a パッケージキャリア
110 キャリア
111 接続面
112 コア誘電体層
114 第1銅箔層
116 第2銅箔層
120 剥離型ソルダーレジスト層
120a ソルダーレジスト材料層
122a 突出部
130 基板
131 上表面
132 ベース
133 下表面
134 第1導電層
136 第2導電層
140a、140a’ 第1ソルダーレジスト材料層
140b、140b’ 第2ソルダーレジスト材料層
142a 第1パターニングソルダーレジスト層
142b 第2パターニングソルダーレジスト層
150a 第1表面処理層
150b 第2表面処理層
L、L’ 紫外線
T 加熱プロセス