(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一弱化構造は、向かい合う2つのストライプ状の構造又は向かい合う2つのストライプ状の径路に沿って分布する複数のブロック状の構造を有することを特徴とする請求項1に記載のサンプル収集デバイス。
各前記基板は、前記第二表面に露出され、且つ前記第一弱化構造と前記基板の厚度方向に相互に揃えられる第二弱化構造をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサンプル収集デバイス。
前記第二弱化構造は、向かい合う2つのストライプ状の構造又は向かい合う2つのストライプ状の径路に沿って分布する複数のブロック状の構造を有することを特徴とする請求項5に記載のサンプル収集デバイス。
前記第一弱化構造の底部及び前記第二弱化構造の底部の距離である第一距離は、各前記基板の厚度の3分の2以下であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のサンプル収集デバイス。
各前記基板は、前記第一表面に位置し、且つ前記サンプル収容空間に位置する窪みをさらに有し、前記第一弱化構造は前記窪みの外に位置することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のサンプル収集デバイス。
各前記基板は、前記第二表面に位置し、且つ前記サンプル収容空間に対応している観測窓をさらに有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のサンプル収集デバイス。
各前記複数のサンプル収集デバイスはアレイ配列を呈し、相互に連接し、且つ複数のスペーシングで定義される複数の請求項1〜10のいずれか1項が記載するサンプル収集デバイスを有するサンプル収集デバイスアレイ。
各前記基板は、前記複数のスペーシングに位置し、且つ前記第一表面に露出される第三弱化構造をさらに有することを特徴とする請求項11に記載のサンプル収集デバイスアレイ。
前記第三弱化構造は、格子状の構造又は前記複数のスペーシングに沿って分布する複数のブロック状の構造を有することを特徴とする請求項12に記載のサンプル収集デバイスアレイ。
各前記基板は、前記複数のスペーシングに位置し、且つ前記第二表面に露出される第四弱化構造をさらに有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載のサンプル収集デバイスアレイ。
前記第四弱化構造は、格子状の構造又は前記複数のスペーシングに沿って分布する複数のブロック状の構造を有することを特徴とする請求項16に記載のサンプル収集デバイスアレイ。
前記第三弱化構造の底部及び前記第四弱化構造の底部の距離である第二距離は、各前記基板の厚度の2分の1以下であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載のサンプル収集デバイスアレイ。
各前記半導体基板の前記第二表面が前記絶縁層によって露出された局所領域、且つ前記第一弱化構造の位置に対応している位置に第二弱化構造を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載のサンプル収集デバイスの製造方法。
各前記半導体基板の前記第二表面が前記絶縁層によって露出された局所領域に、前記半導体基板を貫き、前記第一表面の絶縁層を露出させる観測窓を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項21乃至23のいずれかに記載のサンプル収集デバイスの製造方法。
前記第一弱化構造を形成する方法は、前記第一表面の前記絶縁層又は前記絶縁層にフォトレジストを塗布してパターンを定義し、これをマスクとして前記半導体基板をエッチングするステップを含むことを特徴とする請求項21乃至26のいずれかに記載のサンプル収集デバイスの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はサンプル収集デバイスを提供し、均一的な乾燥サンプル試験片を提供するよう、液体表面張力による集中現象を効率的に排除できる。
【0006】
本発明は、容易に開くことができるサンプル収集デバイスを提供し、剥き出しの乾燥サンプル試験片を提供するよう、乾燥後のサンプルを試験片表面に露出させることができ、試験片の適用分析の観測範囲を大幅に増加する。
【0007】
本発明は前記サンプル収集デバイスの製造する製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はサンプル収集デバイスアレイを提供し、サンプル収集デバイスは2つの基板とスペーサを備える。各基板は第一表面及び第二表面を備え、且つ2つの基板の第一表面は向かい合わせて設置される。スペーサは、2つの基板の間にサンプル収容空間を形成するよう、2つの基板を連接し固定するために、2つの第一表面の間に設置される。さらに、各基板は、第一弱化構造を有し、第一弱化構造はサンプル収容空間の周辺に位置し、且つ第一表面に露出される。
【0009】
本発明の実施形態において、前記第一弱化構造は第一表面の凹みを有する。
【0010】
本発明の実施形態において、前記第一弱化構造は基板に局所的な改質を行い形成した改質材料を有する。
【0011】
本発明の実施形態において、前記第一弱化構造は、向かい合う2つのストライプ状の構造又は向かい合う2つのストライプ状の径路に沿って分布する複数のブロック状の構造を有する。
【0012】
本発明の実施形態において、各基板は第二弱化構造をさらに有する。第二弱化構造は第二表面に露出され、且つ第一弱化構造と基板の厚度方向に相互に揃えられる。
【0013】
本発明の実施形態において、前記第二弱化構造は第二表面の凹みを有する。
【0014】
本発明の実施形態において、前記第二弱化構造は、向かい合う2つのストライプ状の構造又は向かい合う2つのストライプ状の径路に沿って分布する複数のブロック状の構造を有する。
【0015】
本発明の実施形態において、第一弱化構造の底部及び第二弱化構造の底部の距離である第一距離は、各前記基板の厚度の3分の2以下である。
【0016】
本発明の実施形態において、各基板は窪みをさらに有する。前記窪みは第一表面に位置し、且つサンプル収容空間に位置する。第一弱化構造は前記窪みの外に位置する。
【0017】
本発明の実施形態において、各基板は観測窓をさらに有する。観測窓は第二表面に位置し、且つサンプル収容空間に対応している。
【0018】
本発明はサンプル収集デバイスアレイを提供し、分離されて複数の前記サンプル収集デバイスとなることができる。
【0019】
サンプル収集デバイスアレイは複数の前記サンプル収集デバイスを有し、前記複数のサンプル収集デバイスはアレイ配列を呈し、相互に連接し、且つ複数のスペーシングで定義される。換言すると、スペーシングに沿ってサンプル収集デバイスアレイを切断すると、相互に分離した前記複数のサンプル収集デバイスが得られる。
【0020】
本発明の実施形態において、各基板は第三弱化構造をさらに有する。第三弱化構造はスペーシングに位置し、且つ第一表面に露出される。
【0021】
本発明の実施形態において、前記第三弱化構造は第一表面の凹みを有する。
【0022】
本発明の実施形態において、前記第三弱化構造は、基板に局所的な改質を行い形成した改質材料を有する。
【0023】
本発明の実施形態において、前記第三弱化構造は格子状の構造又はスペーシングに沿って分布する複数のブロック状の構造を有する。
【0024】
本発明の実施形態において、各基板は第四弱化構造をさらに有する。第四弱化構造はスペーシングに位置し、且つ第二表面に露出される。
【0025】
本発明の実施形態において、前記第四弱化構造は第二表面の凹みを有する。
【0026】
本発明の実施形態において、前記第四弱化構造は格子状の構造又はスペーシングに沿って分布する複数のブロック状の構造を有する。
【0027】
本発明の実施形態において、第三弱化構造の底部及び第四弱化構造の底部の距離である第二距離は、各前記基板の厚度の2分の1以下である。
【0028】
本発明の実施形態において、第一弱化構造の深度は第三弱化構造の深度に実質的に等しい。
【0029】
本発明はサンプル収集デバイスの製造方法をさらに提供する。まず、半導体基板の向かい合う第一表面及び第二表面に絶縁層をそれぞれ形成する。それから、第一表面の周辺の絶縁層を除去し、且つ露出された前記第一表面に接合層を形成する。それから、第一表面及び第二表面の絶縁層をパターン化し、第一表面の絶縁層は第一表面の局所領域を露出し、前記第二表面の前記絶縁層は前記第二表面の局所領域を露出する。それから、第一表面の絶縁層によって露出された局所領域に第一弱化構造を形成する。それから、もう一方の半導体基板に上記のステップを繰り返す。且つ、前記2つの半導体基板を各自の接合層により向かい合わせて接合させ、前記2つの半導体基板を連接し固定するために、前記2つの接合層はスペーサを形成し、且つ、前記2つの半導体基板とスペーサの間にサンプル収容空間を形成する。
【0030】
本発明の実施形態において、前記サンプル収集デバイスの製造方法は、各半導体基板の前記第二表面が前記絶縁層によって露出された局所領域、且つ前記第一弱化構造の位置に対応している位置に第二弱化構造を形成するステップをさらに含む。
【0031】
本発明の実施形態において、前記第二弱化構造を形成する方法は、ウェットエッチングを含む。
【0032】
本発明の実施形態において、前記サンプル収集デバイスの製造方法は、各半導体基板の前記第二表面が前記絶縁層によって露出された局所領域に、前記半導体基板を貫き、前記第一表面の絶縁層を露出させる観測窓を形成するステップをさらに含む。
【0033】
本発明の実施形態において、半導体基板に絶縁層を形成する方法は、化学気相堆積法を含む。
【0034】
本発明の実施形態において、半導体基板に接合層を形成する方法は、堆積法又は酸化製造工程を含む。
【0035】
本発明の実施形態において、第一弱化構造を形成する方法は、第一表面の絶縁層又は絶縁層にフォトレジストを塗布してパターンを定義し、これをマスクとして半導体基板をエッチングするステップを含む。
【0036】
本発明の実施形態において、半導体基板をエッチングする方法は、ドライエッチングを含む。
【0037】
本発明の実施形態において、2つの半導体基板を接合させる方法は、陽極接合又は高温拡散接合を含む。
【発明の効果】
【0038】
本発明のサンプル収集デバイスはスペーサによって2つの基板を固定し、2つの基板の間は適切な高度を提供し、液体サンプルを例えば毛細現象などの吸着作用によりサンプル収容空間内に留まらせ、且つ均一な厚度を維持する。このように、液体サンプルの乾燥過程における流動を効率的に抑制し、懸濁粒子の集中現象を避け、懸濁粒子は乾燥過程において元の分布と特性を概ね保たせる。さらに、本発明はサンプル収容空間周辺に対応し、且つスペーサの外に対応する位置に弱化構造を形成し、特に、液体サンプルが乾燥後、弱化構造に力を加えるなどの方法で弱化構造両側の基板の異なる部分を分離するよう、基板の第一表面に露出される弱化構造であり、サンプル収集デバイスを開き、乾燥サンプルが露出する試験片を形成する。この剥き出しの乾燥サンプル試験片は広い応用範囲を有し、各種顕微鏡観測技術に適用でき、電子顕微鏡以外に、原子間力顕微鏡、マトリックス支援レーザー脱離イオン化 飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF-MS)、さらには、電気測定のプローブ接触等の分析方法にも適用できる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の複数の実施形態は同じ符号は同じ又は類似の機能を有する構成要素又は装置であり、図式に示す形状、サイズ、比率などを示しているにすぎず、本発明の実施形態に制限されるものではない。さらに、以下に説明する内容のいずれか一つの実施形態は同時に複数の技術特徴を開示しているが、上記いずれか一つの実施形態が有する技術特徴を同時に実施しなければならないことを現していない。
【0041】
図1Aは本発明の実施形態におけるサンプル収集デバイスの立体図である。
図1Bは
図1Aのサンプル収集デバイスのA-A’に沿った断面図である。本実施形態におけるサンプル収集デバイス200は基板210、220及びスペーサ230を備え、基板210は第一表面212及び第二表面214を有し、基板220は第一表面222及び第二表面224を有し、基板210の第一表面212及び基板220の第一表面222は向かい合わせて設置する。基板210と基板220の間にサンプル収容空間240を形成するよう、基板210および基板220を連接し固定するために、スペーサ230は第一表面212と第一表面222の間に配置される。ここでは、スペーサ230が定義するサンプル収容空間240は例えば前後両端に開口を有するランナーである。液体サンプルは前後両端の開口を通過してサンプル収容空間240に入り、サンプル収容空間240内に保たれる。
【0042】
本実施形態において、基板210は薄膜216及び基底部218を備え、基板220は薄膜226及び基底部228を備える。薄膜216及び226は基底部218及び228にそれぞれ堆積され、且つ薄膜216及び226の表面は、サンプル収容空間240を維持するための第一表面212及び222である。本実施形態は基底部218及び228に薄膜216及び226を形成するための方法は、化学気相堆積法、酸洗い、表面材料堆積法、ポリマー沈着などを含み、化学気相堆積法は例えばプラズマCVD法(PECVD plasma enhanced chemical vapor deposition)によるものである。上記製造方法は現有する半導体製造工程又はMEMS製造工程技術を参酌でき、ここでは説明しない。
【0043】
薄膜216及び226の材料は、シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、カーボン、ダイヤモンドフィルム、グラフェン、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化チタン、酸化チタン、窒化炭素又はその組合せのグループから選ぶことができる。さらに、透過型電子顕微鏡の観測要求の応用を考慮すると、薄膜216及び226は、透過型電子顕微鏡の電子束を透過させることができ、高い電子透過率を有する材料を選ぶことができる。さらに、本実施形態における薄膜216及び226の厚度は設計や実際の要求に応じて変更できる。例えば、透過型電子顕微鏡の観測のために、本実施形態における薄膜216及び226の厚度は約2〜200ナノメートル(nm)である。上記はシリコンウェハの製造工程を例としているが、本発明はその他の基板材料に応用することを類推でき、薄膜の機械強度、緻密性、透光性、電子透過率、薄膜と基板の製造工程の整合性、残留応力、表面特性を考慮する必要がある。
【0044】
続いて、本実施形態における薄膜216及び226は液体サンプルと接触する第一表面212及び222を提供するために、親水性材料又は疎水性材料であることができる。親水性材料を選択した場合、極性の液体サンプルを吸着する吸着力を増加でき、疎水性材料を選択した場合、非極性の液体サンプルを吸着する吸着力を増加できる。薄膜216及び226の表面特性は、例えば紫外線オゾン改質又はプラズマ改質などの物理的改質又は、例えば酸洗い、エッチング、陽極処理、官能基付加のような化学的改質などの方法によって調整できる。
【0045】
基底部218及び228の材料は例えば半導体材料又は金属酸化物材料である。半導体材料は例えば両面研磨又は片面研磨の単結晶シリコンである。金属酸化物は例えば酸化アルミニウムである。基底部218及び228の厚度は設計や実際の要求に応じて変更でき、例えば透過型電子顕微鏡に応用する場合、約0.2〜0.8ミリメートル(mm)に設計できる。
【0046】
本実施形態におけるスペーサ230は基板210及び220の間隔を維持すること及び2つの基板210及び220を固定する機能を兼ねている。スペーサ230の高度は毛細現象に似た吸着力が発生するのに十分な高度に設計されている。本実施形態において、スペーサ230の高度は約0.1〜20マイクロメートル(μm)の間にあり、さらには、0.1〜10マイクロメートル(μm)の間にある。換言すると、2つの基板210及び220の間隔、即ちサンプル収容空間240の高度は約0.1〜20マイクロメートル(μm)の間にあり、さらには、0.1〜10マイクロメートル(μm)の間にある。その利点は、部分的に液体サンプル中の10マイクロメートル(μm)より大きい懸濁粒子をサンプル収容空間240の外へ排除できることであり、例えば血液中の血球や血漿の分離観察に応用できる。
【0047】
基板210及び220の材料、製造工程、そのほか考えられる要因を考慮すると、スペーサ230自体は粘着材料であることができ、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂又は、シリコーン材料である。又は、スペーサ230自体は非粘着材料であることができ、例えば、酸化シリコン、シリコン等であり、且つ、基板210及び220を接合して固定するよう、例えばシリコン及び酸化シリコンの間の陽極接合(anodicbonding)を用いる。スペーサ230はスクリーン印刷や封止等のような塗布方法により基板210及び220の第一表面212及び222に形成される。又は、化学気相堆積法により基板210及び220の第一表面212及び222にスペーサ230を形成することができる。
【0048】
一方、本実施形態は基板210の第一表面212及び基板220の第一表面222に第一弱化構造250をそれぞれ形成し、それはサンプル収容空間240の周辺に位置し、且つ基板210の第二表面214及び基板220の第二表面224は対応する第二弱化構造260をさらに備えることができる。ここで示す第一弱化構造250及び第二弱化構造260は構造強度が基板210及び220のそのほか部分に対して低くなっている構造である。実際には、除去部分の基板210及び220に凹みを形成する、又は基板210及び220の局所領域の改質によって実現する。第一弱化構造250及び第二弱化構造260の考えられる形態は、例えばサンプル収容空間240に位置する向かい合う両側の2つのストライプ状の構造又は向かい合う2つのストライプ状の径路に沿って分布する複数のブロック状の構造である。
【0049】
本実施形態からすると、第一弱化構造250はサンプル収容空間240に位置する向かい合う両側の2つのストライプ状凹み252及び254を有する。さらに、第二弱化構造260は2つのストライプ状の径路に沿って分布する複数のブロック状凹み262及び264を有する。当然、第一弱化構造250及び第二弱化構造260の考えられる形態はこれに限らない。例を挙げると、第一弱化構造250は複数のブロック状凹みにより構成することもでき、第二弱化構造260は2つのストライプ状凹みであることができる。又は、第一弱化構造250及び第二弱化構造260はいかなる構造弱化効果を有する設計であることができ、ここでは逐一説明しない。
【0050】
本実施形態における基板210及び220は観測窓219及び229をそれぞれさらに備えることができ、第二表面214及び224にそれぞれ位置し、且つサンプル収容空間240に対応し、局所的な薄膜216及び226をそれぞれ露出させる。
【0051】
さらに具体的には、上記観測窓219及び229の底部面積は約1平方マイクロメートル(μm
2)から1平方ミリメートル(mm
2)である。本実施形態において、観測窓219及び229を得るよう、基板210の第二表面214及び基板220の第二表面224におい基底部218及び228にリソグラフィ及びエッチング製造工程を行うことができる。
【0052】
以下に、本発明のサンプル収集デバイスの考えられる製造方法のさらなる例を挙げる。
図2A〜2Eはサンプル収集デバイス200の製造工程を順に図示している。
【0053】
まず、
図2Aに示すように、半導体基板202を提供し、例えばシリコン基板であり、且つ半導体基板202の第一表面202a及び第二表面202bに絶縁層204をそれぞれ形成する。ここでは、例えば厚度約100ナノメートル(nm)の窒化シリコン層を形成するために、化学気相堆積法を行う。且つ、部分的に第一表面202aを露出させるよう、第一表面202a周辺の絶縁層204を除去し、それから、露出された第一表面202aに例えば堆積又は酸化等の方法で接合層206を形成する。ここでは、接合層206は例えば厚度が約300〜400ナノメートル(nm)の酸化シリコン層である。
【0054】
それから、
図2Bに示すように、第一表面202a及び第二表面202bの絶縁層204をパターン化し、以降形成される第一弱化構造250、第二弱化構造260及び観測窓219及び229等部材の位置を定義する。
【0055】
それから、
図2Cに示すように、第一弱化構造250を形成するために、第一表面202aの絶縁層204又はフォトレジストを塗布してパターンを定義し、これをマスクとして半導体基板202をエッチングする。ここでのエッチング工程は例えばプラズマエッチング等のドライエッチング技術により高アスペクト比を有する第一弱化構造250を形成する。当然、その他の実施形態において、アメリカ特許US6992026のステルスダイシング技術又は局所イオン注入及び熱処理等の関連する改質方法はここでのエッチング工程に取って代わることができる。詳細は後に説明する。ここでは、第一弱化構造250の深度は約150マイクロメートル(μm)である。これまでのところ、第二弱化構造260及び観測窓219以外は、基板210を有する雛形の基板構造が概ね完成する。
【0056】
本実施形態におけるサンプル収集デバイス200の基板210及び220は同じ構造を有するので、
図2A〜
図2Cのステップを繰り返して、基板220を有するもう一つの雛形の基板構造を製造できる。
【0057】
それから、
図2Dに示すように、
図2Cが形成した2つの基板結合の接合層206を例えば陽極接合又は高温拡散接合で結合させ、結合後の2つの接合層206をスペーサ230とし、2つの基板構造の半導体基板202の間にサンプル収容空間240を形成する。
【0058】
それから、
図2Eに示すように、2つの基板構造の外側の絶縁層204をマスクとして、例えばウェットエッチング技術により部分的に半導体基板202を除去し、第二弱化構造260及び観測窓219及び229を形成する。さらに具体的には、例えば水酸化ガリウムエッチング溶液により半導体基板202を第一薄膜216まで異方性エッチングを行い、第二弱化構造260と観測窓219及び229を得る。異方性エッチングはエッチングする開口幅を設計することでエッチング深度を調整できるので、形成された第二弱化構造260の深度はマスクとする絶縁層204の開口幅により決定できる。同様の理由で、絶縁層204の観測窓219及び229に対応する開口幅を設計することで、形成された観測窓219及び229に半導体基板202の反対側に位置する局所的な絶縁層204を露出させ、上記薄膜216及び226とすることができる。
【0059】
当然、上記製造工程はサンプル収集デバイス200の考えられる製造方法を列挙したにすぎない。実際には、当業者が上記実施形態を参照した後、出願時の技術に基づき、部分的に製造工程を変更、置換、調整できる。例を挙げると、半導体エッチング工程は、ドライエッチング又はウェットエッチングがあり、又は、機械的方法は、カッターホイール切断又は研磨除去がある。又は、例えばアメリカ特許US6992026により発展されたステルスダイシング技術により、半導体基板202内部の局所領域に適切な弱化を施すことができる。
【0060】
ここまで、サンプル収集デバイス200の製造が概ね完成する。
【0061】
図1Bを再び参照すると、本実施形態における第一弱化構造250及び第二弱化構造260はスペーサ230以外の領域に位置するので、第一弱化構造250及び第二弱化構造260は外力を受けて壊される時、サンプル収容空間240を開くよう、第一弱化構造250及び第二弱化構造260の両側に位置する基板210及び220の異なる部分が相互に分離する。さらに、基板210及び220の異なる部分を効率的に分離するために、第一弱化構造250の底部及び第二弱化構造260の底部に対する第一距離L1を設計できる。例えば、上記第一距離L1を基板210及び220の厚度の3分の2以下にさせることができる。例えば、基板210及び220の厚度が400マイクロメートル(μm)であるならば、第一距離L1は100マイクロメートル(μm)と設計する。
【0062】
サンプル収集デバイス200により乾燥サンプル試験片を準備する方法を以下にさらに説明する。
図3A〜3Cは本発明の実施形態に基づく乾燥サンプル試料片の準備工程を順に図示している。
【0063】
まず、
図3Aに示すように、液体サンプル310をサンプル収集デバイス200又はそのほか考えられる変化の態様のサンプル収容空間240に積込み、懸濁粒子312を含む液体サンプル310は基板210と220の間のスペーサ230の形成する毛細現象を受けてサンプル収容空間240内に吸着する。さらに、本実施形態は、液体サンプル310を円滑にサンプル収容空間240に入らせるよう、液体サンプル310を積込む過程においてパージ吸引又は加圧注入等の方法により補助することもできる。
【0064】
且つ、液体サンプル310は、懸濁粒子312を薄膜216及び226に吸着させるよう、その乾燥方法は、自然蒸発散、真空乾燥、低湿環境乾燥、加熱乾燥、低温乾燥、窒素環境乾燥又は希ガス環境乾燥であることができる。乾燥の目的は、液体サンプル310の蒸気圧が比較的高い成分(例えば水分)を除去し、且つ、以降2つの基板210及び220の分離を行うために、薄膜216及び226表面に吸着した液体サンプル310のそのほか成分(懸濁粒子312)の流動性を失わせることである。ここでの蒸気圧が指しているのは一定の温度(例えば室温)下における飽和蒸気圧である。当然、乾燥後の液体サンプル310は部分的に液体成分又は性質を保有する可能性があり、例えば蒸気圧が比較的低い大分子の成分、又は残留粒子物質に吸着、結合、被覆する水分等である。
【0065】
本実施形態において、基板210及び220は対応する観測窓219及び229をそれぞれ備え、且つ、観測窓219及び229は基底部218及び228をそれぞれ貫き、対応する薄膜216及び226を露出する。したがって、このステップにおいて予め透過型電子顕微鏡290によりサンプル収容空間240内の液体サンプル310を観察できる。
【0066】
それから、
図3Bに示すように、外力により第一弱化構造250及び第二弱化構造260を壊し、第一弱化構造250及び第二弱化構造260の両側に位置する基板210及び220の異なる部分を相互に分離させる。第一弱化構造250及び第二弱化構造260はスペーサ230の外の位置に対応するので、サンプル収集デバイス200の両側のスペーサ230の部分が取り除かれた後、残された2つの基板210及び220の中央部分は相互に分離でき、スペーサ230は基板210及び220の中央部分に残留することはない。
【0067】
このように、基板210及び220は
図3Bが示す分離ステップを経た後、
図3Cが示すような剥き出しの乾燥サンプル試験片200aをそれぞれ形成できる。基板210が形成する乾燥サンプル試験片200aを例とすると、薄膜216、基底部218、観測窓219、薄膜216に位置する乾燥後の液体サンプル310を有する。乾燥後の液体サンプル310は懸濁粒子312を含み、薄膜216の表面に吸着する。液体サンプル310の厚度はサンプル収容空間240の高度の制限を受け、懸濁粒子312は乾燥過程において移動は容易ではなく、したがって乾燥過程における集中現象を避けることができ、元の液体サンプル310の懸濁粒子312の分布状態を維持できる。
【0068】
さらに、剥き出しの乾燥サンプル試験片200a全体の厚度は極小であり、且つ、乾燥サンプル試験片200aに観測窓219を形成する。したがって、乾燥サンプル試験片200aは光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡等のようなサンプル試験片の厚度制限が比較的緩い顕微鏡観察に応用できる以外に、
図3Cに示すように、乾燥サンプル試験片200aを透過型電子顕微鏡290に配置し、電子束を乾燥サンプル試験片200aに透過させ、透過型電子顕微鏡290により乾燥サンプル試験片200aを観察することもできる。
【0069】
これにより、
図3A〜3Cに示す準備工程において、ユ−ザーは同じサンプル収集デバイス200によって乾燥前の液体サンプル310を観察することができ、観察方法は台湾特許I330380号の開示内容のようであってもよく、乾燥後にサンプル収集デバイス200を開いて、剥き出しで均一的な乾燥サンプル試験片200aの観察がさらにできる。
【0070】
上記実施形態は構造が同じ基板210及び220を開示し、
図3A〜3Cに示す準備工程を経た後に乾燥サンプル試験片200aを形成できる。しかしながら、本発明はこれに限らない。
【0071】
図4Aは本発明の別の実施形態に基づくサンプル収集デバイス400を図示している。本実施形態におけるサンプル収集デバイス400は上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイス400と上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200との差異は、本実施形態における基板420は観測窓を有さないことである。換言すると、
図2Bに示すパターン化の工程において、第二表面202bの絶縁層204に観測窓に対応する開口を定義しないことを選択することである。
【0072】
そのようにして、
図3A〜3Cに示す準備工程を経た後、基板420は
図4Bに示すような乾燥サンプル試験片400aを形成できる。本実施形態における乾燥サンプル試験片400aと上記実施形態における乾燥サンプル試験片200aとの差異は観測窓を有さないことにある。したがって、乾燥サンプル試験片400aは光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡等のようなサンプル試験片の厚度制限が比較的緩い顕微鏡観察に応用できる以外に、原子力間顕微鏡490により直接観察することもできる。
【0073】
本発明において上記複数の実施形態は、乾燥サンプル試験片200a及び乾燥サンプル試験片400aのような分離していて、且つ剥き出しの乾燥サンプル試験片を提供する。既知の被覆されたサンプル試験片に比べると、本発明の乾燥サンプル試験片は吸収及び散乱の問題を減少することがさらにでき、顕微鏡観察の精度の向上に貢献する。
【0074】
以下にさらに例を挙げて本発明で存在すると考えられるその他の種類のサンプル収集デバイスを説明する。
図5〜7は本発明のその他の実施形態における複数のサンプル収集デバイスをそれぞれ図示している。
【0075】
図5に図示するサンプル収集デバイス500は上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイス500と上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200との差異は、本実施形態における第一弱化構造550は例えば基板510及び520に局所改質して形成した改質材料である。さらに具体的には、アメリカ特許US6992026のステルスダイシング技術又は局所イオン注入及び熱処理等の関連する改質方法により
図2Cに示す半導体基板202をエッチングする工程に取って代わり、半導体基板202の局所領域を改質して、本実施形態に示す材料を形成し、例えば多結晶シリコン化且つ高密度の格子転位を有する構造の第一弱化構造550である。
【0076】
図6に図示するサンプル収集デバイス600は上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイス600と上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200との差異は、本実施形態におけるサンプル収集デバイス600の基板610及び620の外側は第二弱化構造を有さないことである。換言すると、基板610及び620の分離を実現できる前提で、本発明は基板610及び620の内側に第一弱化構造650を形成することを選び、外側の第二弱化構造を省くことができる。本実施形態における第一弱化構造650は
図1に示すように、例えばストライプ状凹みである。
【0077】
図7に図示するサンプル収集デバイス700は上記実施形態におけるサンプル収集デバイス500と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイス700と上記実施形態におけるサンプル収集デバイス500との差異は、本実施形態におけるサンプル収集デバイス700の基板710及び720の外側は第二弱化構造を有さないことである。換言すると、基板710及び720の分離を実現できる前提で、本発明は基板710及び720の内側に第一弱化構造750を形成することを選び、外側の第二弱化構造を省くことができる。本実施形態における第一弱化構造750は例えば基板710及び720に局所改質して形成した改質材料である。
【0078】
図8〜11は本発明のその他の実施形態における複数のサンプル収集デバイスをそれぞれ図示している。
図8〜11に図示するサンプル収集デバイス800、900、1000、1100は上記実施形態におけるサンプル収集デバイス200、500、600、700とそれぞれ概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。
図8〜11に図示するサンプル収集デバイス800、900、1000、1100と上記複数の実施形態におけるサンプル収集デバイス200、500、600、700との差異は、
図8〜11に図示するサンプル収集デバイス800、900、1000、1100は基板のサンプル収容空間の内側に対応する表面に窪みをさらにそれぞれ形成することであり、そうすることで、サンプル収容空間の収容できる液体サンプルの量を調整する。形成される第一弱化構造は例えば窪みの外に位置する。
【0079】
さらに具体的には、
図8のサンプル収集デバイス800は基板810及び820の第一表面812及び822に窪み811及び821をそれぞれ形成する。窪み811及び821はサンプル収容空間840内に位置し、且つ第一弱化構造850及び第二弱化構造860は窪み811及び821の外に位置する。製造工程上、例えば、厚度約100ナノメートル(nm)の絶縁層204を形成するために、ます
図2Aに示す半導体基板202の第一表面202aにエッチングして窪みを形成し、それから、以降の化学気相堆積法を行う。このように、絶縁層204は窪み底部を覆い、以降の製造工程において
図8に示すような薄膜816及び826を形成する。
【0080】
同様に、
図9のサンプル収集デバイス900は基板910及び920の第一表面912及び922に窪み911及び921をそれぞれ形成する。窪み911及び921はサンプル収容空間940内に位置し、且つ第一弱化構造950及び第二弱化構造960は窪み911及び921の外に位置する。窪み911及び921の製造方法は上記窪み811及び821と同様であり、ここで繰り返し説明しない。さらに、
図9の第一弱化構造950は
図5の第一弱化構造550と同様であり、基板910及び920に局所改質して形成した改質材料である。
【0081】
図10のサンプル収集デバイス1000は基板1010及び1020の第一表面1012及び1022に窪み1011及び1021をそれぞれ形成する。窪み1011及び1021はサンプル収容空間1040内に位置し、且つ第一弱化構造1050は窪み1011及び1021の外に位置する。窪み1011及び1021の製造方法は上記窪み811及び821と同様であり、ここで繰り返し説明しない。さらに、
図10のサンプル収集デバイス1000は
図6のサンプル収集デバイス600と同様であり、基板1010及び1020の外側は第二弱化構造を有さない。
【0082】
同様に、
図11のサンプル収集デバイス1100は基板1110及び1120の第一表面1112及び1122に窪み1111及び1121をそれぞれ形成する。窪み1111及び1121はサンプル収容空間1140内に位置し、且つ第一弱化構造1150は窪み1111及び1121の外に位置する。窪み1111及び1121の製造方法は上記窪み811及び821と同様であり、ここで繰り返し説明しない。さらに、
図11の第一弱化構造1150は
図7の第一弱化構造750と同様であり、基板1110及び1120に局所改質して形成した改質材料である。
【0083】
注意すべきことは、上記複数の実施形態は数通りの本発明において考えられるサンプル収集デバイスの態様を列挙したにすぎないことである。実際には、当業者が上記複数の実施形態の開示内容を基礎にして、必要に応じて考えられる範囲内で部分的な特徴は調整、置換できる。例えば、
図5〜11のサンプル収集デバイス500〜1100の単一の基板にのみ観測窓を形成する。又は、
図8〜11のサンプル収集デバイス800〜1100の単一の基板にのみ窪みを形成する。
【0084】
本発明が提供するサンプル収集デバイスはウェハー級の製造工程に統合でき、且つ現有する半導体製造工程及び/又はMEMS製造工程技術を結合してバッチ製造を実現でき、生産効率を向上できる。
【0085】
図12Aは本発明の実施形態に基づくサンプル収集デバイスアレイを図示している。
図12Bは
図12Aのサンプル収集デバイスアレイ1200のB-B’に沿った断面図である。本実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1200は例えばシリコンウェハ又はその他母材に
図2A〜2Eに示す製造工程を経て製造されるものである。関連する製造工程のステップは同様であるので、ここで繰り返し説明しない。
【0086】
図12A及び12Bに示すように、形成されるサンプル収集デバイスアレイ1200は複数のサンプル収集デバイス1202を備え、例えば上記複数の実施形態におけるサンプル収集デバイス200、400、500、600、700、800、900、1000、1100、又はその他の考えられる変化である。上記複数のサンプル収集デバイス1202は製造完成後にアレイ配列を呈し、相互に連接し、且つサンプル収集デバイスアレイ1200の複数のスペーシング1204で定義される。換言すると、スペーシング1204に沿ってサンプル収集デバイスアレイ1200を切断すると、相互に分離した上記複数のサンプル収集デバイス1202が得られる。
【0087】
サンプル収集デバイス1202が上記複数の実施形態におけるサンプル収集デバイス200、400、500、600、700、800、900、1000又は1100を引用できる部分的な内容に関しては、ここで繰り返し説明しない。
図12Bに示すように、点鎖線枠Sが囲う領域内の構造は
図1B、4A、5、6、7、8、9、10、11に示すサンプル収集デバイス200、400、500、600、700、800、900、1000又は1100に合理的に置換できる。
【0088】
本実施形態はレーザーダイシング、カッターホイール切断又は研磨除去等の方法によって、スペーシング1204に沿ってサンプル収集デバイス1202に分離できる。さらに、本実施形態はスペーシング1204の位置に弱化構造を形成して上記スペーシングに沿って分離するステップを補助することができる。
【0089】
本実施形態は基板1210の第一表面1212及び基板1220の第一表面1222に第三弱化構造1270をそれぞれ形成し、且つ基板1210の第二表面1214及び基板1220の第二表面1224に対応する第四弱化構造1280をする。ここで示す第三弱化構造1270及び第四弱化構造1280は構造強度が基板1210及び1220のそのほか部分に対して低くなっている構造である。実際には、上記実施形態における第一弱化構造及び第二弱化構造に同様に、除去部分の基板1210及び1220に凹みを形成する、又は基板1210及び1220の局所領域の改質によって実現する。
【0090】
本実施形態における第三弱化構造1270及び第四弱化構造1280はスペーシング1204に位置し、その考えられるパターンは例えばスペーシング1204は同じレイアウトを有する格子状の構造であり、又はスペーシング1204に沿って分布する複数のブロック状の構造である。
【0091】
図13は
図12A及び
図12Bのサンプル収集デバイスアレイ1200を単体化分離した図である。本実施形態はスペーシング1204に第三弱化構造1270及び第四弱化構造1280を形成するので、したがって第三弱化構造1270及び第四弱化構造1280は外力によって壊される時、第三弱化構造1270及び第四弱化構造1280の両側に位置する基板1210及び1220の異なる部分が相互に分離する。換言すると、2つの隣接するサンプル収集デバイス1202の基板1210及び1220をこの動作で相互に分離させる。考えられる情況において、レーザーダイシング、カッターホイール切断又は研磨除去等の方法によってサンプル収集デバイスアレイ1200を切断する必要がなくてもよく、直接人の手又は工具の補助によってサンプル収集デバイスアレイ1200に力を加えて、複数のサンプル収集デバイス1202に分離できる。
【0092】
さらに、
図12Bに示すように、2つの隣接するサンプル収集デバイス1202を効率的に分離するために、第三弱化構造1270の底部及び第四弱化構造1280の底部に対する第二距離L2を設計できる。例えば、上記第二距離L2を基板の厚度の2分の1以下にさせることができる。例えば、基板1210又は1220の厚度が400マイクロメートル(μm)であるならば、第二距離L2は50マイクロメートル(μm)と設計する。その他、上記第一弱化構造250の底部及び第二弱化構造260の底部の第一距離L1に比べると、上記第二距離L2は上記第一距離L1より小さく設計されることができる。このように、スペーシングに沿って2つの隣接するサンプル収集デバイス1202を分離するのを避ける時、基板1210及び1220は第一弱化構造250の底部及び第二弱化構造260の底部に沿って断裂する。
【0093】
換言すると、上記設計により、いかなるレーザー又は機械切断設備を使用しない情況において、サンプル収集デバイスアレイ1200を分離して複数のサンプル収集デバイス1202を完成して、且つサンプル収集デバイス1202を
図3Cに示すような乾燥サンプル試験片200aとして準備できる。具体的には、サンプル収集デバイスアレイ1200の製造を完成した後、複数のサンプル収集デバイス1202を分離するよう、まずスペーシング1204に沿って第三弱化構造1270及び第四弱化構造1280に力を加える。それから、
図3A〜3Cに示すステップに進み、液体サンプル310を満たし、液体サンプル310を乾燥し、且つ、
図3Cに示すような乾燥サンプル試験片200aを形成するよう、力を加えて第一弱化構造250及び第三弱化構造1270を壊す。
【0094】
本実施形態において、第三弱化構造1270は例えば第一弱化構造250とともに
図2Cに示す同じステップで形成される。さらに具体的には、第三弱化構造1270の位置を定義するよう、
図2Bに示す第一表面202aの絶縁層204をパターン化する以外に、類似のエッチング技術によって接合層206をパターン化する。このように、以降の
図2Cに示す半導体基板をエッチングするステップにおいて、第一弱化構造250及び第三弱化構造1270を同時に形成できる。この場合、プラズマエッチング等のドライエッチングを用いて第一弱化構造250及び第三弱化構造1270を形成するなら、
図12Bに示すように、形成される第一弱化構造250の深度D1は形成される第三弱化構造1270の深度D2に実質的に等しい。
【0095】
以下にさらに例を挙げて本発明の第三弱化構造及び第四弱化構造の考えられる変化を説明する。
図14〜16は本発明のその他の実施形態における複数のサンプル収集デバイスアレイをそれぞれ図示している。
【0096】
図14に図示するサンプル収集デバイスアレイ1400は上記実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1200と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1400と上記実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1200との差異は、本実施形態における第三弱化構造1470は例えば基板1410及び1420に局所改質して形成した改質材料である。さらに具体的には、アメリカ特許US6992026のステルスダイシング技術又は局所イオン注入及び熱処理等の改質方法によりエッチングするステップに取って代わり、基板1410及び1420の局所領域を改質して、本実施形態に示す材料を形成し、例えば多結晶シリコン化且つ高密度の格子転位を有する構造の第三弱化構造1470である。
【0097】
図15に図示するサンプル収集デバイスアレイ1500は上記実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1200と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1500と上記実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1200との差異は、本実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1500の基板1510及び1520の外側は第四弱化構造を有さないことである。換言すると、基板1510及び1520のスペーシングに沿った分離を実現できる前提で、本発明は基板1510及び1520の内側に第三弱化構造1570を形成することを選び、外側の第四弱化構造を省くことができる。
【0098】
図16に図示するサンプル収集デバイスアレイ1600は上記実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1400と概ね同じであり、同じ又は理解できる技術内容は繰り返し説明しない。本実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1600と上記実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1400との差異は、本実施形態におけるサンプル収集デバイスアレイ1600の基板1610及び1620の外側は第四弱化構造を有さないことである。換言すると、基板1610及び1620のスペーシングに沿った分離を実現できる前提で、本発明は基板1610及び1620の内側に第三弱化構造1670を形成することを選び、外側の第四弱化構造を省くことができる。
【0099】
本発明は以上の実施形態のように示したが、本発明は、これに限られるものではなく、当業者が本発明の精神の範囲から逸脱しない範囲において、変更又は修正することが可能であるが故に本発明の保護範囲は均等の範囲にまで及ぶものとする。