特許第6121523号(P6121523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121523
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】集積アンテナシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20170417BHJP
   H01Q 23/00 20060101ALI20170417BHJP
   H01Q 1/50 20060101ALI20170417BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20170417BHJP
   H03F 1/22 20060101ALI20170417BHJP
   H01P 1/38 20060101ALI20170417BHJP
   G01S 7/02 20060101ALN20170417BHJP
   G01S 7/03 20060101ALN20170417BHJP
【FI】
   H04B1/04 B
   H01Q23/00
   H01Q1/50
   H03F3/24
   H03F1/22
   H01P1/38
   !G01S7/02 216
   !G01S7/03 220
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-513990(P2015-513990)
(86)(22)【出願日】2012年8月15日
(65)【公表番号】特表2015-526925(P2015-526925A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2012050888
(87)【国際公開番号】WO2013176691
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2015年1月21日
(31)【優先権主張番号】13/479,792
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】タイラニ,レザ
(72)【発明者】
【氏名】シュルト,ジュニア,ウォルター・ビー
(72)【発明者】
【氏名】カー,ジェームズ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジャー・ジェイ
【審査官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−160026(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0216413(US,A1)
【文献】 特開2010−118875(JP,A)
【文献】 特表2009−525652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38−1/58
H04B 1/04
H01P 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積アンテナシステムであって、
供給されたアンバランスな信号をバランスのよいディファレンシャル出力信号に変換するように構成される入力装置と、
前記ディファレンシャル出力信号に、使用可能な状態で接続したハイパワー・アンプ(HPA)であって、該HPAが窒化ガリウム(GaN)カスコード・プッシュプル増幅器クラスBアンプとして構成され、バランスのよい高インピーダンス出力を有し、該HPAが、100乃至200オームの間のレンジの出力インピーダンスを包含するハイパワー・アンプ(HPA)と、
ディファレンシャル・アンテナ要素と、ディファレンシャル・スロットライン・アイソレータおよびディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータのうちの少なくとも1つとを有するインピーダンスマッチしたディファレンシャル駆動ラジエータ(IMDDR)と、
を有し、
前記IMDDRのディファレンシャル入力ポートが、前記HPAのバランスのよい高インピーダンス出力に使用可能な状態で連結され、前記のディファレンシャル・スロットライン・アイソレータおよびディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータのうちの少なくとも1つの入力と、ディファレンシャル・スロットライン・アイソレータおよびディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータのうちの少なくとも1つのディファレンシャル出力とに結合された前記IMDDRのディファレンシャル入力ポートが、ディファレンシャル・アンテナ要素によって自由空間に放射されることを特徴とする集積アンテナシステム。
【請求項2】
前記入力装置が、バランを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項3】
前記入力装置が、スロットライン・バランを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項4】
前記入力装置が、差動アンプを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項5】
前記入力装置が、180度ハイブリッドを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項6】
前記HPAが、GaN高電子移動度トランジスター(HEMT)を備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項7】
前記HPAが、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)アセンブリを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項8】
前記ディファレンシャル・アンテナ要素が、ディファレンシャル駆動放射エレメントのアレイを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項9】
前記ディファレンシャル・アンテナ要素が、双極子エレメント、ホーン・エレメント、螺旋エレメント、パッチエレメントおよび反射器エレメントからなる群の1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項10】
前記ディファレンシャル・アンテナ要素が、双極子エレメント、ホーン・エレメント、螺旋エレメント、パッチエレメントおよび反射器エレメントからなる群から各々選択された放射エレメントのアレイを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項11】
前記ディファレンシャル・アンテナ要素が、アクティブ電子走査アレイ(AESA)を備えることを特徴とする請求項1に記載の集積アンテナシステム
【請求項12】
トランシーバとして構成される集積アンテナシステムであって、
供給されたアンバランスな信号をバランスのよいディファレンシャル出力信号に変換するように構成される入力装置と、
前記ディファレンシャル出力信号に使用可能な状態で連結されたハイパワー・アンプ(HPA)であって、該HPAが、カスコード・プッシュプル増幅器クラスBアンプとして構成され、バランスのよい高インピーダンス出力を有するHPAと、
ディファレンシャル低ノイズ・アンプ(LNA)と、
ディファレンシャルポートを備えたディファレンシャル・アンテナ要素と、複数のディファレンシャルポートを備えたディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータとを有するインピーダンスマッチしたディファレンシャル駆動ラジエータ(IMDDR)と
を有し、
前記ディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータの前記複数のディファレンシャルポートのうちの何れかが、前記ディファレンシャル・アンテナ要素の前記ディファレンシャルポートに使用可能な状態で接続され、自由空間から信号を受信し、このことにより、前記ディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータの前記複数のディファレンシャルポートの別の何れかが、前記LNAに使用可能な状態で接続され、前記ディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータの前記複数のディファレンシャルポートの別の何れかが、前記HPAの前記ディファレンシャル出力信号に使用可能な状態で接続され、前記LNAが、受信した信号を増幅するように構成され、前記HPAが、前記IMDDRによ自由空間への放射のために信号を増幅するように構成される、ことを特徴とする集積アンテナシステム
【請求項13】
前記入力装置が、バランを備えることを特徴とする請求項12に記載の集積アンテナシステム
【請求項14】
前記入力装置が、差動アンプを備えることを特徴とする請求項12に記載の集積アンテナシステム
【請求項15】
前記HPAが、窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスター(HEMT)を備えることを特徴とする請求項12に記載の集積アンテナシステム
【請求項16】
前記ディファレンシャル・アンテナ要素が、ディファレンシャル駆動放射エレメントのアレイを備えることを特徴とする請求項12に記載の集積アンテナシステム
【請求項17】
前記ディファレンシャル・アンテナ要素が、アクティブ電子走査アレイ(AESA)を備えることを特徴とする請求項12に記載の集積アンテナシステム
【請求項18】
前記HPAが、100乃至200オームの間のレンジの出力インピーダンスを包含する、ことを特徴とする請求項12の集積アンテナシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] (フェーズドアレイアンテナで使用されるような)典型的な従来の集積アンテナシステムは、多くの放射エレメントを備えることができる。図1を参照すると、各放射エレメント110は、以下のコンポーネント:(マッチングテーパー113およびバラン116を包含する)ラジエータ110、任意のフィルタ120、サーキュレータ130およびハイパワー・アンプ(HPA)140からなる。(説明の単純性のために、供給ネットワークは省略する。) すべてのこれらのコンポーネントは、それでも、ラジエータ入力バラン116を備える共通インターフェース・インピーダンス(例えば、50オーム)に設計される。しかしながら、ラジエータ出力インピーダンスは、必然的に異なり:自由空間の波動インピーダンスは、典型的には約377オームである。377オームでの自由空間に放射する必要性と相まってシステムインピーダンス(すなわち、50オーム)上の典型的な制約は大幅に送信機の性能が低下し、システムの重量と体積を増加させる。上記のアプローチに基づいて設計されたトランスミッタは、低効率、高プライム電力要件、大容量、および重量に苦しむ。
【背景技術】
【0002】
[0002] 高い統合および小さいフォームファクタに関し必要性が特に深刻であるアクティブ電子走査アレイ(AESA)において、特に、インピーダンス・マッチ問題は、深刻な結果を有することがありえる。例えば、低いパワー効率は、望ましくなく高い熱負荷および増加した主要なパワー要求に至る。高い内部インピーダンス不整合は、ファーノの定理に従って、バンド幅およびより長いラジエータの使用を制限することもありえる。インピーダンス不整合も低下する逆アイソレーションに結果としてなることがありえ、それはアンプ負荷牽引を生じさせ、安定性を低減させた。最後に、内部反射から得られる高歪みは、パルス・オン・パルスとパルス・オン・連続レーダーの波(CW)のパフォーマンスを低下させる。
【0003】
[0003] 市販ワイヤレス無線周波数(RF)アプリケーションの1つの従来のアプローチはより適切に内部インピーダンスに合致することを試みる集積アクティブ・アンテナを使用することである。それによって、効率を強化する。かかるアンテナはインピーダンス不整合を低減させるためにより長いラジエータ・インピーダンス・テーパーを典型的に使用する、しかし、これはアンテナ・バンド幅を低減させて、アンテナの物理的な寸法を増加させる。しかしながら、かかる集積アクティブ・アンテナは、現在まで、マイクロ波フェーズド・アレイ・アプリケーションに関し現実的なソリューションであると判明しなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 既存のフェーズド・アレイ・システムを有する上に述べたインピーダンス・マッチ問題を解決するために、集積ディファレンシャル・ハイパワー・アンプ―ラジエータ・アレイは、記載される。ここで、インピーダンス整合バランは、高出力インピーダンス・ディファレンシャルHPAを供給するのに用いる。HPAのディファレンシャル出力は減少した高さのワイド・バンド・ラジエータまたはラジエータのアレイを次々に駆動する。そして、非常に効率的な、コンパクトトランスミットシステムを提供するためにマッチング入力インピーダンスを有する。従来技術のラジエータのテーパーおよびバランは除去され、かくして、重量およびコストを下げる。より少しのコンポーネントとマッチするより良好なインピーダンスは、バンド幅および効率を上昇させ、かくして、更にサイズ、重量、パワーおよびコストを低減させる。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、更にRFパフォーマンスを高めるために、インピーダンスがマッチしたアイソレーター(すなわち、高インピーダンス)またはサーキュレータが、HPAとラジエータの間に用いられることが可能である。さらなる態様において、高インピーダンス・アイソレーターは、スロットライン・アイソレーターでもよい。
【0006】
[0006] 本願明細書において、記載される概念、システムおよび技術は、伝達するシステムだけに限られていない、当業者はそれを直ちに認める受信する、実装も、HPAの代わりに適切にマッチされた低いノイズ・アンプを用いて、可能である。同様に、スロットライン・サーキュレータの追加によって、トランシーバ・オペレーションは、インピーダンスマッチされた受信チェーンの追加で達成できる。
【0007】
[0007] 1つの例示的実施形態において、インピーダンスがマッチしたスロットライン・サーキュレータに、そして、それから減少した高さラジエータ・アレイに接続することに、従来設計のような長いフレア(テーパー)のない自由空間ウェーブ・インピーダンス(377オーム)にマッチング高インピーダンス開口によって、特徴づけられ、HPAは100〜200オームのディファレンシャル負荷インピーダンスによって、プッシュプル・カスコード・アンプとして構成される高インピーダンス・クラス―B HPAでもよい。
【0008】
[0008] 詳細な説明において、下に更に記載される単純化された様態の概念の選択を導くために、この要約は、提供される。この要約は請求された内容の鍵となる特徴または基本的特徴を確認することを目的とせず、それは請求された内容の範囲を制限するために用いることを目的としない。
【0009】
[0009] リファレンスの様に、文字が異なるビューの全体にわたって同じ部分に称する添付の図面にて図示したように、本発明の前述の、そして他の、目的、特徴および利点は、本発明の具体例の以下の説明から明らかである。これらの図面はスケールが比例的に示されておらず、その代わり本発明の原理を例示する部分が強調されて示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、アクティブアレイにおいて、典型的に用いられる従来技術の放射素子の図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による集積差動HPA放射素子の図である。
図3図3は、現在の本発明の一実施形態にて用いられているカスコード・デバイスの高レベル概略ブロック図である。
図4図4は、現在の本発明の一実施形態に従って使用に関し構成される典型的なスロットライン(slotline)サーキュレータの概略断面図である。
図5図5は、現在の本発明の一実施形態に従う画鋲二重分極化、アンテナ要素の共同位相列の概略断面図である。
図6図6は、現在の本発明の一実施形態に従って組み立てられるトランシーバの高レベル概略ブロック図である。
図7図7は、現在の本発明の一実施形態に従って組み立てられるオペレーションのトランシーバ・スロットライン絶縁装置概念のオペレーションの具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0010] 現在のシステムの実施形態は、アクティブ放射アンテナ要素の列のインピーダンス整合、アイソレーション、損失、歪曲および最終的なシステム効率を改善するための技術に向けられる。不平衡(均衡を失う)チェーンからディファレンシャル(バランスが保たれる)方式にこれらの問題に対処して、市販および軍のアプリケーションに関し全体のアンテナ・サイズ、重量およびパワーの減少を許容するために、集積アンテナ要素のトポロジは、急進的に変えられる。
【0012】
[0011] 現在の概念、システムおよび技術の例示的実施形態において、バランは、高出力インピーダンス(ディファレンシャルHPA)を供給するために用いる。HPAのディファレンシャル出力は、高入力インピーダンスを有する放射エレメントの配列を駆動して非常に効率的な、コンパクト伝達するシステムを提供するように次々にさせる。従来技術のラジエータのテーパーおよびバランはかくして除去される。そして、かくして更に重量およびコストを下げる。
【0013】
[0012] 図2は、本願明細書において、開示される概念、システムおよび技術の1つの例示的実施形態に従って組み立てられる集積アンテナシステムを例示する。集積アンテナシステム200は、アンバランスなフィード・ネットワーク(限定的ではないがアクティブ電子走査アレイ(AESA)にて用いられているコーポレート・フィード・ネットワーク)220を含む。供給ネットワーク220はアンバランスな信号を複数のハイパワー増幅器モジュール230に割り当てる。その内一つだけが明確にするために図2において、例示される。ハイパワー増幅器モジュール230は、アンバランスな入力信号201(典型的に50オーム)をバランスのよいディファレンシャル信号に変えるのに適している入力装置210を備える。それから、バランスのよいディファレンシャル信号は、バランスのよい、高出力インピーダンスを有するバランスのよいプッシュプル・アンプを駆動する。それから、アンプのディファレンシャル出力はディファレンシャル絶縁装置(サーキュレータ)260を駆動する。そして、それはディファレンシャル・ラジエータ250を次々に動かす。ディファレンシャル絶縁装置(サーキュレータ)260およびディファレンシャル・ラジエータ250は、放射エレメント240を一緒に形成する。
【0014】
[0013] いくつかの実施形態では、入力装置210は一般にが所有する米国特許第6,891,446号および6,949,978に記載されてそれと類似の従来のバランまたはスロットライン・バランでもよい。そして、その両方は全体として本願明細書に引用したものとする。別の実施形態として、アンバランスな入力ポートおよびバランスのよい出力ポートを有するように設計されているアンプと、入力装置210は、置き換えられることが可能である。かかるディファレンシャル・アンプの設計は、適切に当業者の技術の範囲内である。更に代替実施形態において、入力装置210は、従来の180度ハイブリッドでもよい。したがって、インピーダンスおよびバランス/アンバランスな信号変換の様態または実装は、デバイスの単一のデバイスまたはクラスに限られていない。
【0015】
[0014] 各HPA230は、1つの例示的実施形態において、カスコードの2つの窒化ガリウム高い(GaN)電子移動度トランジスタ(HEMT)を有する特異な駆動クラスBプッシュプル増幅器アンプである。かかるアンプ構成は、典型的なクラスAまたはクラスABアンプより効率的である。さらにまた、クラスBプッシュプル増幅器作動は大部分の均一なオーダー(第2、第4、第6などの)高調波を相殺する。そして、時間一致する信号と近くのシステムに対するより少ない干渉の間により少ない相互変調ひずみに結果としてなる。
【0016】
[0015] GaN HEMTベースのHPAが記載されるにもかかわらず、当業者はGaN HEMTが使われることがありえるより別のそのHPA技術を実現する。限定的ではないが他の半導体材料のHEMTのような、トランジスタ増幅器技術バイポーラ接合トランジスタまたは真空管さえ、適切に従来技術において、周知のおよび必要なクラスBプッシュプル増幅器カスコード構成に、等しく適応できる。したがって、本願明細書において、記載される概念、システムおよび技術は、いかなる特定のタイプのHPA技術にも限られていない。
【0017】
[0016] それから、インピーダンスがマッチした特異な駆動放射エレメント240に、従来の手段によって、各HPA230の差動の、高いインピーダンス出力は、接続される。放射エレメント240は、一般に、いかなる特異な駆動アンテナ要素(例えば双極子、螺旋、パッチ、ホーン、プレートおよび平面状導波路構造アンテナ)でもあってもよい。好ましくは、放射エレメント240は、被接続双極子、長い溝または二重分極化「画鋲」放射エレメントを用いた低いプロフィルに広がるバンド配列である。図2はプレゼンテーションの容易さのためにダイポールアンテナ250を例示する、かかる描写は制限することを目的としない。それから、放射エレメント240は、自由空間に増幅信号を放射する。
【0018】
[0017] 典型的に、アイソレーターまたは「不可逆伝送線」は、HPA 230とアンテナ要素250の間に供給される。望ましくない信号反映からの一定の保護を提供するために、かかるアイソレーターは、周知のように、使用される。現在の概念、システムおよび技術のいくつかの例示的実施形態において、インピーダンス適合アイソレーター(すなわち、高インピーダンス)は、更にRF(RF)パフォーマンスを高めるために用いることができる。さらなる態様において、高インピーダンス・アイソレーターは、スロットライン・アイソレーター260でもよい。スロットライン絶縁装置260(図4に関してもっと詳細に下に述べられる)はブロードバンドである。そして、低い挿入ロス・デバイスが興味がある周波数バンドに関し具体的には、製造される。
【0019】
[0018] 図3は、クラスBプッシュプル増幅器HPA230の1つの例示的実施形態において、使用するカスケードGaN HEMTの模式的な等価回路を例示する。電界効果トランジスタCSおよびCG構成は、HEMTデバイスを表す。共通のソース(CS)デバイスを物理的に共通のゲート(CG)デバイスに接続することによって、カスコード構成は、理解される。示すように、バイアスおよび安定化コンポーネントは、安定性パフォーマンスを確実にするために用いる。同時に、広い周波数バンド幅の上の高効率、強力および低いひずみを成し遂げることは、HPA設計の大きなチャレンジである。図3に示される提唱された差動のクラスB HPAは、複数オクターブ周波数バンドの上の強力、改良された効率および低いひずみを提供する。
【0020】
[0019] HPAの入出力マッチングネットワークがひとかたまりにされたコンポーネントに示されるにもかかわらず、これらはいかなる適切なひとかたまりにされたおよび/または割り当てられたエレメントとも置き換えられることが可能である。そして、それの設計は適切に当業者の技術の範囲内である。さらにまた、図3に示される提唱されたマッチング・ネットワーク・トポロジは、ユニークでない。それらの選んだ方は、GaN HEMTデバイス周辺およびその非線形回路モデルによって、主に影響される。多くの他の回路トポロジが、当業者に周知のように使うことができる。
【0021】
[0020] さまざまな値を有するコンポーネントに付勢して、安定させることが示されるにもかかわらず、示されるそれらが広範囲にわたるトランジスタ装置、操作のパラメータおよびシステム設計目的に適応するために用いることがありえるより別のそのコンポーネントを、当業者は理解する。すべてのかかるバリエーションは、適切に当業者の技術の範囲内である。したがって、本願明細書において、記載される概念、システムおよび技術は、いかなる特定の付勢コンポーネントもまたはその配置に限られていない。
【0022】
[0021] 図4は、現在の本発明の一実施形態による、スロットライン・アイソレーターを表す。この絶縁装置は1977年5月31日に発行された米国特許第4,027,253号に記載されたのと類似し、その開示は完全に本願明細書に引用したものとする。この描写において、一致しているアイソレーターの横断面図が示される。磁気回転材料のスロットライン・ジオメトリ、磁気回転材料および磁気バイアスの適当な選択については、フィールド変位効果は、スロットライン4にセットアップされ、それによって、逆ウェーブが対向する側上を移動すると共に、前方のウェーブは基板5の金属被覆されたスロット面上を移動する。望ましい周波数バンドに関し選択されるマイクロ波吸収材6によって、逆ウェーブは、減衰する。かくして、不可逆伝送線は、前進方向の低い損失および後進方向の高い損失(アイソレーション)が形成されている。低損失磁気回転材料の基板5に堆積して、直接スロットラインは、2つの薄い金属ストリップ1、1’の間に、ギャップに形成される。周知のいかなる適切なマイクロ波吸収材でもできた金属板6は、スロットラインの反対側に基板の表面に対して配置されている。
【0023】
[0022] 図5は従来技術の「画鋲」のスタイルの概念上の実例である。「A Wide Band Low Profile Dual-pol "Thumbtack" Array」S.リヴィングストン、J.J.リー)、Proceedings of 2010 IEEE International Symposium on Phased Array Systems and Technology, 2010、pp.477―483(以下、Ref[1]と称する)に従って、高(〜300乃至377オーム)インピーダンスを有するデュアル分極化された、共同位相配列500が組み立てられ、当該リファレンスは完全にここに組み込まれる。Ref[1]にて説明したように、一致する位相デュアル分極化された「画鋲」エレメントは、広帯域「長いスロット」エレメント(例えば米国特許第7,315,288号に記載されて、完全にここにて組み込まれる)のインターリービングの2セットの製品である。それは、低バンド・アプリケーションのために設計された低プロフィル、4:1バンド、低コスト、デュアル分極化されたアレイである。長いスロットを励起しているフィード・ネットワークは、被接続双極子510のアレイである。アンテナは、交差した長いスロットの、または、被接続双極子上部の二次元のアレイが正方形のパッチ520にロードした二重性センスのアレイとみなされることがありえる。アレイは、ビバルディ・ノッチにあるように、長いフレアーの移行なしで直接自由空間のウェーブ・インピーダンス(377オーム)に適合する高インピーダンス(〜300オーム)開口によって、特徴づけられる。低いプロフィルおよび平面構造は、極めて低い交差―分極化、典型的には、ボアサイトで30dBダウン、および、斜めのカットに沿って45°オフに対して15dBダウンをもたらす。
【0024】
[0023] 本願明細書において、記載される概念、システムおよび技術は、伝達するシステムだけに限られておらず、当業者はまたHPAの代わりに適切にマッチした低雑音増幅器を使用して、実装を受け取ることを容易に理解することが可能である。同様に、スロットライン・サーキュレータの追加によって、トランシーバ・オペレーションは、インピーダンスマッチ受信チェーンの追加で達成可能である。図6は、そのような実施形態の高レベル・ブロック図を表し、集積アンテナシステム900は、アイソレーターの代わりにここでディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータ910、および、比較的低いパワー受信信号を増幅するためのディファレンシャル低ノイズアンプ(LNA)920を包含する。
【0025】
[0024] ディファレンシャル・スロットライン・サーキュレータ910のオペレーションの理論を図7に示す。ここで、磁場バイアス1010は、スロットラインのフィールド変位効果をセットアップし、それによって、逆ウェーブが対向する側1030上を移動すると共に、前方のウェーブは基板1000の金属被覆されたスロット面1020上を移動する。望ましい周波数バンドに関し選択されるマイクロ波吸収材によって、逆ウェーブは減衰する。かくして、不可逆伝送線は、前進方向の低い損失および後進方向の高い損失(アイソレーション)が形成されている。スロットラインは、低損失磁気回転材料の基板に直接堆積する2つの薄い金属ストリップ間のギャップに形成されている。周知のいかなる適切なマイクロ波吸収材でもできたプレートは、スロット・ラインの反対側に基板の表面に対して配置される。
【0026】
[0025] 現在の本発明の具体例が図と共に記載されると共に、様態および詳細のさまざまな改変と変更態様が以下の請求項に記載の本発明の精神と範囲から逸脱することなくそのときにされることができることは当業者にとって明らかである。したがって、添付の請求の範囲は、それらの範囲の中ですべてのかかる改変と変更態様を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7