特許第6121543号(P6121543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6121543コンタクトレンズ上の薄いシリコンチップの組み立て
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121543
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ上の薄いシリコンチップの組み立て
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20170417BHJP
【FI】
   G02C7/04
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-534523(P2015-534523)
(86)(22)【出願日】2013年9月11日
(65)【公表番号】特表2015-533227(P2015-533227A)
(43)【公表日】2015年11月19日
(86)【国際出願番号】US2013059256
(87)【国際公開番号】WO2014052012
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年5月25日
(31)【優先権主張番号】13/627,574
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516035068
【氏名又は名称】ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】エッツコーン、ジェームズ
【審査官】 吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0235277(US,A1)
【文献】 特表2012−507748(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0103368(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0110372(US,A1)
【文献】 特開2000−315855(JP,A)
【文献】 特表2015−515115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路を有するコンタクトレンズを製造するための方法であって、
チップの表面に、金属線のグリッドを形成することにより、前記金属線における前記グリッド内の交差点に対応する複数のチップコンタクトパッドを前記チップ上に作成すること;
異方性導電材料を含む組立接着材を、基板上に形成された複数の基板コンタクトパッドの各々に適用すること;及び
前記チップを前記基板に接着するため、前記組立接着材により前記複数のチップコンタクトパッドを前記複数の基板コンタクトパッドに接着させること、
前記基板をリング形状にカットすること、
前記基板とその上に接着された前記チップをコンタクトレンズ材料に埋め込むこと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、前記金属線のグリッドを形成することには、フォトリソグラフィを用いて、前記金属線のグリッドを形成することを含む、前記方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、前記チップを前記基板にシールすることをさらに含む、前記方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、前記チップは、その厚さが100ミクロン以下であり及びその長さが1.0ミリメートル以下である、前記方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、前記コンタクトレンズ材料は、ヒドロゲル、シリコン ヒドロゲル又はシリコン エラストマの少なくとも一つを含む、前記方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、前記接着はフリップチップボンダーを使用して実施される、前記方法。
【請求項7】
集積回路を有するコンタクトレンズを製造するための方法であって、
基板に複数の基板コンタクトパッドを作成すること;
チップ上に、当該チップ上の金属線のグリッドの交差点に対応する複数のチップコンタクトパッドを作成すること;
異方性導電材料を含む組立接着材を前記複数の基板コンタクトパッド又はチップコンタクトパッドの各々に適用すること;
前記複数の基板コンタクトパッドを前記複数のチップコンタクトパッドと位置合わせし、フリップチップボンダーを用いて前記組立接着材により前記チップを前記基板に接着すること、
前記基板をリング形状にカットすること、
前記基板とその上に接着された前記チップをコンタクトレンズ材料に埋め込むこと、を含む前記方法。
【請求項8】
請求項の方法であって、前記複数の基板コンタクトパッドを作成することは、フォトリソグラフィを用いて、前記基板に、前記チップ上の前記金属線のグリッドに対応する金属線の各グリッドを形成することを含む、前記方法。
【請求項9】
請求項の方法であって、前記複数の基板コンタクトパッドを作成することは、前記基板上に、その長さが100ミクロン以下の複数の正方形の金属を形成することを含む、前記方法。
【請求項10】
請求項の方法であって、前記複数のチップコンタクトパッドを作成することは、フォトリソグラフィを用いて前記チップ上に前記金属線のグリッドを形成することを含む、前記方法。
【請求項11】
請求項の方法であって
記チップを前記基板にシールすること;及
前記基板をヒドロゲルに埋め込むこと、
さらに含む、前記方法。
【請求項12】
請求項の方法であって、前記チップはその厚さが100ミクロン以下であり及びその長さが1.0ミリメートル以下である、前記方法。
【請求項13】
請求項の方法であって、前記異方性導電性材料は200℃未満の活性化温度を有する、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2012年9月26日に出願された米国特許出願第13/627,574の優先権を主張するものであり、同出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み入られる。
【0002】
本開示は、一般に、コンタクトレンズ内に統合された薄いシリコンチップを持つコンタクトレンズ、及びコンタクトレンズ内で薄いシリコンチップを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコンチップは、一般にフリップチップボンディングまたはワイヤボンディングを用いて組み立てられる。フリップチップボンディングは、半導体デバイスを外部回路(例えば、回路基板又は他のチップまたはウエハ)に、チップパッド上に堆積されたはんだバンプにより相互接続する方法である。はんだバンプは、最終的なウエハ処理工程中にウエハの上面のチップパッド上に堆積される。外部回路にチップを搭載するためには、その上面が下を向くように反転され、そのパッドは外部回路上の対応するパッドと一致するように位置合わせされる。はんだバンプは、次に相互接続を完了するために溶融される。ワイヤボンディングでは、チップが直立位置で外部回路に搭載され、ワイヤがチップパッドを外部回路に相互接続するために使用される。しかしながら、これらのシリコンチップの組立方法は、コンタクトレンズ上または内部にシリコンチップを組み立てる場合には適していない。さらに、標準のチップは、コンタクトレンズに収めるには厚すぎるのである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A及び図1Bは、本明細書に記載の態様による、コンタクトレンズ内/上に統合されたシリコンチップを有するコンタクトレンズの代替的な透視図を示す。
【0005】
図2A−2Cは、本明細書に記載の態様による、コンタクトレンズ内に統合されたシリコンチップを有するコンタクトレンズの例示的な実施形態の断面図を示す。
【0006】
図3は、本明細書に記載の態様による、コンタクトレンズ上に組み立てることができるシリコンチップを作成するためのプロセスを示す。
【0007】
図4は、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがい、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられたプロセスの高位置からの外観図を示している。
【0008】
図5A〜5Eは、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられる例示的なプロセス500を示している。
【0009】
図6A−6Dは、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられる、例示的なプロセス500の他の代替的な透視図を示している。
【0010】
図7A−7Dは、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられる、他の例示的なプロセス700を示している。
【0011】
図8A−8Dは、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられる、例示的なプロセス800の他の代替的な透視図を示している。
【0012】
図9A−9Dは、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられる、他の例示的なプロセス900を示している。
【0013】
図10A−10Dは、そのプロセスにより、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ基板の上に組み立てられる、例示的なプロセス900の他の代替的な透視図を示している。
【0014】
図11A−11Cは、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズを形成するために、その上に接着されたシリコンチップを有するコンタクトレンズ基板を使用するプロセスを示す。
【0015】
図12Aは、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズの形状の、他の三次元図を示す。
【0016】
図12Bは、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズを形成するためのコンタクトレンズの形状の最終的な処理を示している。
【0017】
図13は、その方法により、本明細書に記載の態様による、シリコンチップがコンタクトレンズ上および/または内に組み立てられる、例示的な方法を示す。
【0018】
図14は、その方法により、本明細書に記載の態様にしたがって、シリコンチップがコンタクトレンズ上および/または内に組み立てられる、他の例示的な方法を示す。
【0019】
図15は、その方法により、本明細書に記載の態様により、シリコンチップがコンタクトレンズ上および/または内に組み立てられる、他の例示的な方法を示す。
【発明の詳細な説明】
【0020】
種々の態様について図面を参照しつつ説明するが、同じ要素については同じ参照番号が全体を通して使用される。以下の記載においては、説明のために、1以上の態様についてより完全な理解を得るために、多数の特定の詳細な説明が提供される。しかし、このような態様はこれらの特定の詳細な説明がなくても実施できることは明らかである。他の例では、構造および装置は、1以上の態様の説明を容易にするためにブロック図形式で示される。
【0021】
1以上の態様において、開示される主題は、その中またはその上に統合された集積回路を有するコンタクトレンズを製造するための方法に関する。ある態様では、本方法は、一つのレンズ基板上に複数のレンズコンタクトパッドを作成し、集積回路素子又はシリコンチップなどのチップ上に、複数のコンタクトパッドを作成することを含む。組立接着材が、その後複数のレンズコンタクトパッドまたは複数のチップコンタクトパッドに適用される。次いで、チップが組立接着材によりレンズ基板に接着され、それによりレンズコンタクトパッドがチップコンタクトパッドと位置合わせされる。
【0022】
チップがレンズ基板に接着された後、レンズ基板はコンタクトレンズ内に形成される。ある態様では、レンズ基板をコンタクトレンズに形成する前に、チップがレンズ基板上に封止(シール)される。レンズ基板は、その後、リング状にカットされ、コンタクトレンズが着用される目の湾曲と一致するように成形される。成形されたレンズ基板は、次に、コンタクトレンズを形成するためにヒドロゲルに埋め込まれる。
【0023】
いくつかの態様では、複数のチップコンタクトパッドは、フォトリソグラフィを用いて、チップ上の金属線として形成される。同様に、複数のレンズコンタクトパッドは、フォトリソグラフィを用いてレンズ基板上に金属線として形成することができる。さらに他の態様では、複数のレンズコンタクトパッドは、一辺が約100ミクロン以下の長さを有する複数の正方形の金属として形成される。
【0024】
本方法では、皿型パッドと標準チップを使用することなく、コンタクトレンズ内に薄いシリコンチップの組み立てを可能にする。いくつかの実施形態では、本開示された方法は、シリコンチップ基板を約100ミクロン未満の厚さ(例えば20〜100ミクロンの厚さの範囲内で)に薄くし、薄くされた基板を各辺が1mm未満のチップにダイシングすることを含む。ここに示した範囲/サイズは単なる例示であり、任意の好適な厚さやサイズは、本明細書に記載の実施形態にしたがって用いることができることを理解すべきである。金属線は、チップ及び/又はレンズ基板のためのコンタクトパッドを作成するために、チップ及び/又はレンズ基板上にパターン化される。金属線は、また他のチップおよび/またはコンタクトレンズの他の電気部品(例えば、アンテナ、センサ、光照射ダイオード(LED)等)を接続するための配線としての役割を果たす。
【0025】
種々の実施形態では、チップをレンズ基板に組み立てるために、少量の低温組立接着材が、レンズ基板又はチップのいずれかコンタクトパッド上に注射器を使用して配置される。チップのコンタクトパッドはレンズ基板のコンタクトパッドと位置合わせされ、チップははんだ材料を用いてレンズ基板に接着される。例えば、レンズ基板は、チップをそこに組み立てるための複数の組立部位に分割することができる複数のコンタクトパッドを含むことができる。レンズ基板上の特定の組立部位のそれぞれのコンタクトパッドが、はんだ材料で被覆されると、チップのコンタクトパッドは、その組立部位においてレンズ基板コンタクトパッドと位置合わせされ、そしてチップがフリップチップボンダーを使用して組立部位に接着される。フリップチップボンダーのツールは、チップコンタクトパッドをレンズ基板コンタクトパッドと位置合わせし、チップとレンズ基板との間の機械的及び電気的接続をさせるために温度と共に圧力を加える。
【0026】
チップが、レンズ基板に接着された後、チップはレンズ基板を生体適合にして、所定の位置にチップを保持するために、ある物質(例えばパリレン)によりレンズ基板上に封止することができる。レンズ基板は、次に、コンタクトレンズに形成することができる。例えば、ある態様では、レンズ基板はリング形状にカットされる。リング形状は、リングの成形を容易にし、しわを減少させるために、リングの内側および/または外側縁部に凹みを持っても良い。リングは、その後目の湾曲と一致するように成形される。リングは、さらに、コンタクトレンズ組立工程を完了するためにヒドロゲルに埋め込まれる。
【0027】
図1A及び図1Bは、その中/その上に統合された集積回路またはチップ102を有する例示的コンタクトレンズ100の種々の透視図を示す。本明細書で使用される場合、集積回路及びチップの用語は互換的に使用される。図1Aは、コンタクトレンズ100の例の三次元画像を示す。図1Bは、コンタクトレンズ100が眼104の上に着用された例の断面図を示す。コンタクトレンズ100、 および本明細書に開示される追加のコンタクトレンズは、一般に、眼の形状に適合する球状で提供される。
【0028】
図1Bを参照すると、コンタクトレンズ100は、どちらも球形である2つの主要な面、内表面108および外表面106を含む。内表面108は凹面であり、眼104の表面に隣接している/上に載っている。外表面106は凸状であり、内表面108の反対側にある。コンタクトレンズ100は、内表面108及び外表面106の間に水平方向に広がる厚さを持つ。チップ102は、コンタクトレンズ100の厚さの範囲内に位置する。一般的な態様では、図1Bに示す様に、レンズの幅は中心点で最も厚く(レンズの他の領域におけるレンズの幅と比べて)、レンズの周辺にむけて次第に薄くなり縁で刃物のような形状になっている。本願発明のコンタクトレンズの特定の寸法(厚さ、直径、湾曲等に起因する寸法を含む)は決定的な要素ではなく、種々に変化してもよい。
【0029】
本明細書に一般的に記載のように、チップ102は、コンタクトレンズの電気的作動を容易にするために、コンタクトレンズ100によって使用することができるシリコンチップである。特に、チップ102は、コンタクトレンズ102の様々な演算及び論理機能を実行することができる。さらに、図面には記載されていないが、本明細書に開示されるコンタクトレンズは、シリコンチップ102に接続する複数の電気部品を含みうることを理解するべきである。例えば、本明細書に開示されたコンタクトレンズは、センサ、アンテナ、LED、電源等を含むことができる。さらに、コンタクトレンズ100(及び本明細書に記載の追加のコンタクトレンズ)は単一のシリコンチップ102を有しているものとして示されているが、コンタクトレンズ100(及び本明細書に記載の追加のコンタクトレンズ)は、それに統合された複数のチップ102を有しているものであり得ることを理解されるべきである。
【0030】
ある実施形態では、シリコンチップ102は、標準的なコンピュータデバイスに採用される標準的なシリコンチップよりも小さいサイズを有するほぼ純粋なシリコン片である。例えば、ほとんどのコンピュータデバイスは、1平方センチメートルのサイズ、約1ミリメートルの厚さを有するシリコンチップを採用するが、チップ102は約1平方ミリメートルのサイズで、厚さ100ミクロン未満であり得る。ある態様では、シリコンチップ102は、チップの表面の下の層に詰め込まれて、相互接続された複数の(数百万まで)トランジスタやその他の小型電子回路部品を含む。シリコンチップの表面は、さらに、チップ102および/またはコンタクトレンズ100の他の構成要素への電気的接続を行うために使用される、その表面がエッチングされた金属線の格子を含むことができる。
【0031】
図2A図2Cは、本明細書に記載の態様による、その中に統合されたシリコンチップ206を有するコンタクトレンズの例示的な実施形態の断面図を示す。図2A、2B、および2Cに示されたコンタクトレンズ、すなわち、レンズ200、202、及び204はそれぞれ、シリコンチップ206がその層の1つに統合されている二つ以上の層を有する。レンズ200、202、及び204は、まずレンズ基板層214にシリコンチップ206を統合した後に、レンズ基板層214の上及び/又はその周りに1以上の追加のコンタクトレンズの層216を成形することにより形成される。特に、下記に詳細に記載されるように、チップ206はまず、レンズ基板214上に組み立てられる。そしてある態様では、レンズ基板は、目208の輪郭に合うようにレンズ形状に成形され、そしてコンタクトレンズを形成するために、コンタクトレンズ材料(例えば、ヒドロゲル)内で組み合わされる。
【0032】
シリコンチップ206およびコンタクトレンズ材料層216を有するレンズ基板層214は、様々な方法で組み合わせることができる。ある態様では、レンズ基板層214とコンタクトレンズ材料層216を結合するために、レンズ基板が液体コンタクトレンズ材料216に浸漬することができる。他の態様では、レンズ基板層214とコンタクトレンズ材料層216を組み合わせるために、レンズ基板214をレンズ基板の片面又は両面をレンズコンタクト材料層216により被覆/覆うことができる。さらに他の態様では、レンズ基板層214とコンタクトレンズ材料層216を組み合わせるために、レンズ基板214はコンタクトレンズ材料層216に浸すことができる。他の態様では、レンズ基板層214とコンタクトレンズ材料層216を結合するために、レンズ基板層214は、コンタクトレンズ材料層216の1以上の層に圧入および/または接着させることができる。
【0033】
レンズ基板層214及び1以上のレンズ材料層216は様々な材料を含むことができる。ある態様では、レンズ基板層214とレンズ材料層216は同じ材料を含む。他の態様では、レンズ基板層214とレンズ材料層は、異なる材料を含む。レンズ基板層214は、コンタクトパッドを材料(例えば、金属パッドおよび/または金属線)に固定する及びチップ206をコンタクトパッドに固定することを可能にする任意の好適な材料を含むことができる。
【0034】
レンズ基板層材料214として用いることができるいくつかの例示的な材料には、これに限定されるものではないではないが、ヒドロゲル、シリコンベースのヒドロゲル、ポリアクリルアミド、又は親水性ポリマーを含む軟質ポリマー材料を含む。例えば、ある態様では、コンタクトレンズ基板層214は、親水性モノマー(例えば、N−ビニルピロリドン、1−エテニル−2−ピロリドン N、N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル メタクリレート、ヒドロキシエチル アクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸)、強化剤、紫外線(UV)遮蔽剤、または色合いを含む少なくとも1つ架橋ヒドロゲルを含む基板材料から形成される。他の態様では、コンタクトレンズ基板層214は、少なくとも一つのシリコンヒドロゲル(例えば、シリコン マクロマー及びモノマー、ならびに水を吸収する親水性モノマーを含有する架橋ヒドロゲル)を含む基板材料から形成される。さらに他の態様では、これに限定されるものではないが、コンタクトレンズ基板層214は、シリコンポリマー、ポリメチル メタクリレート、または剛性ガス透過性材料を含む一以上の硬い材料を含む基板材料から形成される。
【0035】
レンズ材料層216は、レンズ基板層214のための支持を提供し、レンズ基板層214を含み/埋め込み、および/またはそうでなければ、コンタクトレンズの構造および/または機能体を形成する任意の好適な材料を含むことができる。レンズ材料層216として用いることができるいくつかの例示的な材料としては、これに限定されるものではないではないが、ヒドロゲル、シリコンベースのヒドロゲル、ポリアクリルアミド、又は親水性ポリマーを含む軟質ポリマー材料を含むことができる。例えば、ある態様では、レンズ材料層216は、親水性モノマー(例えば、N−ビニルピロリドン、1−エテニル−2−ピロリドン N、N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシ エチル メタクリレート、ヒドロキシ エチルアクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸)、強化剤、紫外線(UV)遮蔽剤、または色合いを含む、少なくとも1つ架橋ヒドロゲルを含む基板材料から形成される。他の態様では、レンズ材料層216は、少なくとも一つのシリコンヒドロゲルを(例えば、シリコンマクロマー及びモノマー、ならびに水を吸収する親水性モノマーを含有する架橋ヒドロゲル)含む基板材料から形成される。さらに他の態様では、これらに限定されないが、レンズ材料層216は、シリコンポリマー、ポリメチル メタクリレート、または剛性ガス透過性材料を含む、一以上の硬い材料を含む基板材料から形成される。
【0036】
図2Aに示すように、ある態様では、レンズ基板層214は、コンタクトレンズ200の外表面210に配置されており、レンズ材料層216はコンタクトレンズ200の内表面212に配置される。この態様では、コンタクトレンズ200は二つの層、レンズ基板層214とレンズ材料層216を持つことができる。レンズ基板層214はシリコンチップを含み、シリコンチップはさらに、コンタクトレンズの外表面210に/上に配置することができる。ある例では、コンタクトレンズ200を形成するために、シリコンチップ206が最初に、レンズ基板層214上に統合され、その後、レンズ基板層214は、その凹面側をコンタクトレンズ材料216により被覆される。
【0037】
図2Bに示すように、他の態様では、レンズ基板層214は、コンタクトレンズ200の内表面212に配置されており、レンズ材料層216はコンタクトレンズ200の外表面210に配置される。この態様では、コンタクトレンズ202はまた二つの層、レンズ基板層214とレンズ材料層216を含むことができる。レンズ基板層214は、シリコンチップ206を含み、シリコンチップは、さらに、コンタクトレンズ202の内表面212に/上に配置することができる。ある例では、コンタクトレンズ202を形成するために、シリコンチップ206が最初に、レンズ基板層214上に統合され、その後、レンズ基板層214は、その凸面側をコンタクトレンズ材料216により被覆される。
【0038】
図2Cに示すように、さらなる他の態様では、コンタクトレンズ204は、レンズ材料216の2層の間に位置するレンズ基板層214を含む。この態様では、コンタクトレンズ204はまた三つの層を含むことができる。レンズ基板層214は、シリコンチップ206を含み、したがって、このシリコンチップは、コンタクトレンズ204の内表面212と外表面210の間に吊り下げられて配置されている。ある例では、コンタクトレンズ204を形成するために、シリコンチップ206が最初にレンズ基板層214上に統合され、その後、レンズ基板層214は、コンタクトレンズ材料216に浸すか、又はそうでなければコンタクトレンズ材料216により全体が被覆され/その中に埋め込まれる。
【0039】
図3を参照すると、図3には、本明細書に記載の態様によりコンタクトレンズ上に組み立てることができるシリコンチップを作成するためのプロセス300を示す。シリコンチップ基板301は、最初に100ミクロン未満の厚さまで薄くされる。ある態様では、シリコンチップ基板301は75ミクロン未満の厚さまで薄くされる。他の態様では、シリコンチップ基板301は50ミクロン未満の厚さまで薄くされる。さらに、他の態様において、シリコンチップ基板301は35ミクロン未満の厚さまで薄くされる。薄くされたシリコンチップ基板302は、その後、コンタクトレンズへの統合に適したサイズを持つ複数のシリコンチップ304にダイシングされる。特に、チップ304のサイズおよび形状は、それが統合されるコンタクトレンズの厚さ及び湾曲によって制限される。チップ304は、長方形状又は正方形の形状であって良い。ある態様では、チップ304は15mm未満の辺を有することができる。他の態様では、チップ304は10mm未満の辺を有することができる。他の態様では、チップ304は、5.0mm未満の辺を有することができる。さらに他の態様では、チップ304は1.0mm未満の辺を有することができる。
【0040】
図4−10Dは、本明細書に記載の態様による、チップ304がコンタクトレンズ基板418上に組み立てられるプロセスの例示的な実施形態を示す。図4は、チップ304がコンタクトレンズ基板418上に組み立てられるプロセスの高位置からの外観図を示し、図5−10Dは、チップ304がコンタクトレンズ基板418上に組み立てられる種々のプロセスの詳細な工程を示す。一以上のチップが、コンタクトレンズ基板418上に組み立てられた後に、コンタクトレンズ基板は、コンタクトレンズとして修飾をすることができる。具体的には、コンタクトレンズ基板418は、組み立てられたコンタクトレンズ(例えば、レンズ200、202、204など)中の、コンタクトレンズ基板層(例えば、層214)となるように、コンタクトレンズの形状に成形することができる。種々の態様において、コンタクトレンズ基板418は、コンタクトレンズ基板層214の一以上の構造および/または機能を含むことができる(及びその逆も同じ)。特に、コンタクトレンズ基板418は、コンタクトレンズ基板層214に関して触れた材料を含むことができることを理解すべきである。
【0041】
まず図4を見ると、コンタクトレンズ(例えば、厚さが100ミクロン未満と約1mm未満の辺を有する)への統合のために、サイズが適当な大きさに設定されているシリコンチップ304は、その上に設けられる金属線402を有するものとして描かれる。シリコンチップ304が、プロセス300により作成された後であって、コンタクトレンズ基板418上に統合される前に、シリコンチップ304は、少なくともチップコンタクトパッドを含むシリコンチップの様々な機能的特徴を形成するように処理することができる。チップコンタクトパッドは、チップ304を基板418および/または他の電気部品に電気的に接続するための接点を提供する。ある態様では、従来の金属のチップコンタクトパッド(図示せず)を、チップ304の表面上に作成することができる。例えば、正方形または長方形の形状の、小さい、薄型のシート状の金属の金属チップパッドは、チップコンタクトパッドを作成するために、チップ304の表面に上に形成することができる。そのような金属のコンタクトパッドは100ミクロン未満の辺を持つことができる。
【0042】
しかし、他の態様では、図4に示すように、金属線402は、チップ304の表面上にパターンで描かれる。例えば、金属線402は、フォトリソグラフィを用いて、チップ304の表面406上にパターン化して描くことができる。これらの金属線402は、チップ304のチップコンタクトパッドとして機能し、そしてまた、チップ304を、他のチップ及び/又はチップ304が統合されるコンタクトレンズの構成要素(例えば、アンテナ、センサ、LED等)に接続する配線の機能を持つ。例えば、金属線402の交差する点404(交差点)は、チップ304のチップコンタクトパッドとして機能することができる。しかし、金属線404の任意の点は、チップコンタクトパッドとして機能することができることを理解すべきである。さらに、交差する平行な金属線402は、チップ304上にグリッドパターンを形成する様に示されているが、このようなライン構成は、単に例示のために示されている。特に、ライン402は、任意のパターンで形成することができ、そして交差しない線を有するパターンと平行でない線を有するパターンを含む。
【0043】
ある態様では、金属線が形成されるチップ304の表面、表面406は、チップ304上に設けられる実質的に平坦なポリマー層である。この態様によれば、金属線402は、フォトリソグラフィを用いて実質的に平坦なポリマー層上にパターン化される。例えば、ポリマー層は、パリレン、ポリイミド、及びポリエチレンテレフタレート(PET)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0044】
コンタクトレンズ基板418はまた、その表面にレンズコンタクトパッドを持つものとして提示される。ある態様では、レンズコンタクトパッドは、電気的および/または物理的に基板418をチップ304に、および/またはそこでレンズ基板418が統合されているコンタクトレンズ内に設けられる他の電気部品を、電気的にチップ304に接続するための接点を提供する。ある態様では、従来の金属チップコンタクトパッド414は、レンズ基板418の表面上に作成することができる。例えば、正方形または長方形の形状の、小さい、薄いシート状の金属の金属チップパッドは、レンズコンタクトパッドを作成するために、レンズ基板418の表面に形成することができる。そのような金属コンタクトパッドは100ミクロン未満の辺を有することができる。
【0045】
しかし、他の態様では、金属線416は、チップ304上にパターン化された金属線402と同一又は類似の方法でコンタクトレンズ基板418の表面上にパターン化される。例えば、金属線416は、フォトリソグラフィを用いてレンズ基板418の表面にパターン化することができる。金属線402と同じように、金属線416はレンズ基板418のレンズコンタクトパッドとして機能し、また、チップ304を、他のチップ及び/又はチップ304がそこに統合されるコンタクトレンズの構成要素(例えば、アンテナ、センサ、LED等)に統合するように働く配線として機能することができる。
さらに、交差する平行の金属線416は、基板418上にグリッドパターンを形成する様に示されているが、このようなライン構成は、単に例示のために示されたものである。特に、線416は任意のパターンで形成することができ、それは交差しない線を有するパターン及び平行しない線を有するパターンを含む。
【0046】
ある態様では、レンズ基板および/またはその上に金属線416が形成されるレンズ基板418の表面は、実質的に平坦なポリマー層である。
この態様によれば、金属線416は、フォトリソグラフィを用いて、実質的に平坦なポリマー層上にパターン化される。例えば、ポリマー層は、パリレン、ポリイミド、及びポリエチレン テレフタレート(PET)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
伝統的な金属コンタクトパッド414及び金属線コンタクトパッド416の両方は、単に例示の目的のために、レンズ基板418上に設けられていることを理解すべきである。さらに、レンズ基板418の一部の領域のみが、コンタクトパッドをその上に有する様に提示されているが、基板418の任意の部分にコンタクトパッドを設けることができることを理解すべきである。例えば、基板418の表面全体を金属線または正方形の金属パッドによりパターン化することができる。この例によれば、金属線/金属パッドのサブセットは、その上に載せるチップのアセンブリのコンタクトパッドとして選択的に使用することができる。つまり、金属線/金属パッドのサブセットは、その上に載せるチップのアセンブリの組立部位として選択的に用いることができ、そして基板は、複数の潜在的な組立部位を設けることができる。本明細書で用いる組立部位の用語は、チップのコンタクトパッドと位置あわせすることができるレンズコンタクトパッドを有する基板418のある領域を指す。
【0048】
シリコンチップ304をコンタクトレンズ基板418に取り付けるために、組立接着材(図示せず)がチップ又はレンズ基板418のいずれかに適用される。ある態様では、組立接着材は異方性導電フィルム(ACF)又は異方性導電ペースト(ACP)を含む。ACFやACPは、レンズコンタクトパッド及びチップコンタクトパッドのような、2つの金属パッドの間でプレスされたときに導電路を作る材料である。この態様によれば、ACF又はACPは、その中にレンズ(またはチップ)コンタクトパッドを持つ基板418(および/またはチップ)上の組立部位全体に適用され、それによりコンタクトパッド及びコンタクトパッドの間及びその周囲の領域をカバーすることができる。この態様においては、組立接着材は、コンタクトパッド個々に適用する必要はない。
【0049】
ACFまたはACPを適用した後、シリコンチップ304は、その後矢印408にしたがい反転され、そしてコンタクトパッド有するシリコンチップ304の表面406(例えば、金属線402を有する面)は、その上にレンズコンタクトパッドを有するコンタクトレンズ基板418の面に向き合う。反転されたチップ304上の破線402は、チップの、現在の下面306上の金属線402を示している。チップ304は、基板418上に降され、チップコンタクトパッドは、レンズコンタクトパッドと位置合わせされる。次に、ACFまたはACP上にチップ304を押しつけて、チップ304/基板418アセンブリを加熱して、チップ304を基板418との接続関係を硬化又は固化させて、チップ304が、レンズ基板上に組み立てられる。特に、チップ304を基板418に部分的に固定するために、ACPまたはACFは加熱することによって活性化される。例えば、チップコンタクトパッドとレンズコンタクトパッドとの間に導電路を作り、及びチップ304を基板418に接着する接着剤(例えば、アンダーフィル)材料を作成するために、ACPまたはACFの活性化には、ACPまたはACFを沸騰させて融剤を除くことを含むことができる。ある態様では、チップ304/基板418アセンブリの加熱は、コンタクトパッドが短絡しないように、伝導が単一方向となるように行われる。
【0050】
他の態様では、組立接着材は、はんだ溶液またははんだペーストが含まれる。この態様によれば、はんだ溶液またははんだペースト(図示せず)が、特定の組立部位において、チップコンタクトパッドまたはレンズコンタクトパッドのいずれか一方に適用される。ある態様では、はんだ溶液/はんだペーストは、注射器を用いてチップコンタクトパッドまたはレンズコンタクトパッドのそれぞれに適用される。シリコンチップ304は、その後矢印408にしたがい反転され、そしてコンタクトパッド有するシリコンチップ304の表面406(例えば、金属線402を有する面)は、その上にレンズコンタクトパッドを有するコンタクトレンズ基板418の面に向き合う。反転されたチップ304上の破線402は、チップの、現在の下面306上の金属線402を示している。チップ304は基板418上に降され、チップコンタクトパッドは、レンズコンタクトパッドと位置合わせされる。その後、熱及び圧力がチップ304またはレンズ基板418の少なくともいずれかに適用され、はんだ溶液が流れて、チップ304をレンズ基板418接着するように固化される。矢印410は、チップ304が、正方形の金属をコンタクトパッドとして含む基板418上の組立部位に接着される例を示す。矢印412は、チップ304が、金属線をコンタクトパッドとして含む基板418上の組立部位に接着される例を示す。
【0051】
いくつかの態様では、チップ304を基板418上に保持するために、アンダーフィル剤がレンズ基板/チップ複合体に適用される。特に、はんだ溶液/ペーストを組立接着材として使用する場合は、チップ304及び基板418の間の結合は、比較的弱いことがある。したがって、アンダーフィル剤を、各はんだパッドと固化したはんだ材料の周りに流して、チップ304の基板418への接着をさらに容易にするようにするため、チップ304と基板418の間に適用することができる。アンダーフィル材は、エポキシ又は接着剤のような非導電性または実質的に非伝導性材料を含むことができる。
【0052】
ある態様では、反転408、チップ304のレンズ基板418上のコンタクトパッドとの位置合わせ、及び接着はフリップチップボンダーを用いて行われる。本明細書で用いるフリップチップボンダーの用語は、従来のフリップチップ接着方法の機能及び特徴を実行するツールを指し、少なくともチップ304の反転、チップ304の基板418との位置合わせ、及びチップ304と基板418に熱及び圧力を加えることを含み、それにより、その間に注入されるはんだ溶液によって、チップ304と基板418が接着されることを含む。
【0053】
ある態様では、レンズ基板またはチップに適用される組立接着材は低温度活性材料(low activation temperature material)である。例えば、いくつかの態様では、組立接着材は200℃未満のような低温度活性を有するACFや、ACPを含む。他の態様では、組立接着材は、200℃未満のような低融点を有するはんだ材料を含む。他の態様では、組立接着材は、活性化温度又は沸点が150oC未満であっても良い。他の態様では、組立接着材は活性化温度又は沸点が100oC未満であっても良い。他の態様では、組立接着材は活性化温度又は沸点が85oC未満であっても良い。さらに他の態様では、組立接着材は活性化温度又は沸点が65oC未満であっても良い。
【0054】
いくつかの例では、組立接着材として使用可能な低温はんだ溶液/ペーストには、これに限定されるものではないが、インジウム、スズ、および/またはビスマスを種々の比率で含む溶液を含めることができる。例えば、インジウム社(Indium Corp.)のインジウム合金番号19は、例示的なはんだ溶液として使用することができ、51%のIn、32.5%のBi及び16.5%のSnの比率で含み、約60℃の融点を有する。ある態様では、使用されるはんだ溶液/ペーストは鉛を含まないものであり、その中に統合されたチップ304を有するコンタクトレンズは、着用している目を損傷しない。いくつかの態様では、またはんだ溶液は、はんだ溶液の酸化を予防又は低減するため溶剤(flux)または酸性溶液(例えば、HCl及び水)と混合することができる。いくつかの例示的な溶剤として、インジウム社のTACFluxR020BとIndalloyフラックス#4-OAをは挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、市販のはんだ溶液は、はんだ溶液にペーストを懸濁させたものとして形成されている組立接着材として用いることができ、例えば、インジウム社のNC−SMQR90はんだペースト(NC−SMQR90 Solder Paste)がある。
【0055】
図5A−5Eを見ると、シリコンチップが、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズ基板418上に組み立てられる例示的なプロセス500を示す。図5A−5Eでは、コンタクトレンズ基板418の一部のみが、例示的な目的のために提示されていることを理解すべきである。プロセス500は、部分的には、図4の矢印410に続く。特に、プロセス500は、チップ304が、正方形の金属414をコンタクトパッドとして含む基板418上の組立部位に接着している実施形態を示す。
【0056】
図5Aに見られるように、コンタクトレンズ基板418は、その上に作成された複数の正方形の金属コンタクトパッド414を有する。チップ304は、図5Bによるはんだ溶液を用いて、又は図5CによるACFまたはACPをそれぞれ含むはんだ膜またはペーストの何れかを用いて、基板418に組み立てられる。したがって、プロセス500は、図5B又は図5Cによるステップにしたがって進むことができる。
【0057】
図5Bでは、はんだ溶液502は、それぞれのレンズコンタクトパッド414に適用される。(はんだ溶液502は、図5Aのレンズコンタクトパッド414と比較して、レンズコンタクト・パッド414を暗色化して表している)。ある態様では、はんだ溶液502は、注射器、ピペット、針、または他の精密応用ツールを用いて、各レンズコンタクトパッド414に選択的に適用される。そして金属線402の形のチップコンタクトパッドを有するチップ304は反転され、レンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド(例えば、金属線402の交差点)は、その上にはんだ溶液502を有するレンズコンタクトパッド414の各々と位置合わせされる。
【0058】
図5C図5Bの代替案)では、ACFやACP506が、レンズコンタクトパッド414及び組立部位における各レンズコンタクトパッド414の周りの領域を覆うように、レンズ基板418に適用される。その後、金属線402の形でチップコンタクトパッドを有するチップ304は、反転されてレンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド(例えば、金属線402の交差点)は、その上にACF又はACPを有するレンズコンタクトパッド414の各々と位置合わせされる。
【0059】
図5Dでは、チップ304はレンズ基板418上に降され、そしてチップは、圧力および/または熱を加えることに応答して、はんだ溶液またはACF/ACPによりレンズ基板に接着される。例えば、フリップチップボンダーは、方法500の反転、位置合わせ、及び接着の側面を行うことができる。ある態様では、基板の残りの領域に損傷を引き起こさない様に、又は損傷を限定されたものとするために、実質的にチップ304が組み立てられている基板418の領域(例えば、組立部位)のみに、熱が200℃未満の温度で適用される。図5Eでは、ある態様では、はんだ溶液またはACF/ACPが固化され、硬化され(harden)及び/又は硬化される(cure)と、チップ304は、シーラント504を用いてレンズ基板418上にシールすることができる。シーラント504は、レンズ基板418上の位置にチップ304を保持するため、および/またはレンズ基板/チップ複合体を生体適合にするために、チップ304を覆い、および/または他の方法で被覆することができる。ある態様(図示せず)では、基板/チップ複合体の全体は、シーラント504で被覆することができる。例えば、基板/チップ複合体の全体を、シーラント504に浸漬するか又はシーラント504でリンスすることができる。ある態様では、シーラント504はパリレンまたはポリイミドである。
【0060】
図6A−6Dは、シリコンチップが、本明細書に記載の態様によりコンタクトレンズ基板418上に組み立てられる例示的なプロセス500の代替的な透視図である。特に、図6A−6Dは、プロセス500の間のチップ304とレンズ418の断面図を示す。
【0061】
図6Aに見られるように、コンタクトレンズ基板418は、その上に作成された複数の正方形の金属コンタクトパッド414を持っている。図5Bでは、はんだ溶液502がレンズコンタクトパッド414のそれぞれに適用される。ある態様では、はんだ溶液502は、注射器、ピペット、針、または他の精密応用ツールを用いてそれぞれのレンズコンタクトパッド414に選択的に適用される。その後、チップコンタクトパッド402を持つチップ304は、レンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド402は、その上にはんだ溶液502を有するレンズコンタクトパッド414の各々と位置合わせされる。ある態様では、チップコンタクトパッド402は、図4のチップ304上に示される金属線402の交差点404である。
【0062】
図6Cでは、チップ304はレンズ基板418上に降され、そしてチップは、圧力および/または熱を加えることに応答して、はんだ溶液によりレンズ基板に接着される。ある態様では、基板の残りの領域に損傷を引き起こさない様に、又は損傷を限定されたものとするために、実質的にチップ304が組み立てられている基板418の領域(例えば、組立部位)のみに、熱が200℃未満の温度で適用される。例えば、フリップチップボンダーは、方法500の反転、位置合わせ、及び接着の側面を行うことができる。ある態様では、アンダーフィル材料(図示せず)は、固化されたはんだ材料の間のギャップを埋め、そしてさらにチップ304を基板418に接着させるために、レンズ基板418とチップ304との間に適用することができる。図6Dでは、はんだ溶液が固化され、硬化され(harden)及び/又は硬化される(cure)と、ある態様では、チップ304は、シーラント504を用いてレンズ基板418上にシールすることができる。シーラント504は、レンズ基板418上の位置にチップ304を保持し、および/またはレンズ基板/チップ複合体を生体適合にするために、チップ304を覆い および/または他の方法で被覆することができる。ある態様(図示せず)では、基板/チップ複合体の全体は、シーラント504で被覆することができる。例えば、基板/チップ複合体の全体は、シーラント504に浸漬する又はシーラント504でリンスすることができる。
【0063】
図7A−7Dを見ると、シリコンチップが本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズ基板418上に組み入れられる他の例示的なプロセス700を示す。図7A−7Dでは、コンタクトレンズ基板418の一部のみが例示的な目的で提示されていることを理解すべきである。プロセス700は、部分的には図4の矢印410にしたがう。特に、プロセス700は、チップ304が、金属線416をコンタクトパッドとして含む基板418上の組立部位に結合している実施形態を示す。
【0064】
図7Aに見られるように、コンタクトレンズ基板418は、その上に作成された複数の金属線416を有する。金属線416はレンズコンタクト・パッドとして機能する。ある態様では、金属線の交差点は、特に、レンズコンタクト・パッドとして機能する。この態様によれば、はんだ溶液502は各金属線の交差点におけるレンズコンタクトパッド416に適用される。ある態様では、はんだ溶液502は、注射器、ピペット、針、または他の精密応用ツールを用いて、各レンズコンタクトパッド416に選択的にそれぞれに適用される。図7Bでは、金属線402の形状のチップコンタクトパッドを有するチップ304は反転され、レンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド(例えば、金属線402の交差点)は、その上にはんだ溶液502を有するレンズコンタクトパッド416、すなわち、金属線416の交差点の各々と位置合わせされる。
【0065】
図7Cでは、チップ304は、レンズ基板418上に降され、そしてチップは、圧力および/または熱を加えることに応答して、はんだ溶液によりレンズ基板に接着される。ある態様では、基板の残りの領域に損傷を引き起こさない様に、又は損傷を限定されたものとするために、実質的にチップ304が組み立てられている基板418の領域(例えば、組立部位)のみに、熱が200℃未満の温度で適用される。例えば、フリップチップボンダーは、方法700の反転、位置合わせ、及び接着の側面を行うことができる。ある態様では、アンダーフィル材料(図示せず)は、固化されたはんだ材料の間のギャップを埋め、そしてさらにチップ304を基板418に接着させるために、レンズ基板418とチップ304との間に適用することができる。図7Dでは、はんだ溶液が固化され、硬化され(harden)及び/又は硬化される(cure)と、ある態様では、チップ304は、シーラント504を用いてレンズ基板418上にシールすることができる。シーラント504は、レンズ基板418上の位置にチップ304を保持するため、および/またはレンズ基板/チップ複合体を生体適合にするために、チップ304を覆いおよび/または他の方法で被覆することができる。ある態様(図示せず)では、基板/チップ複合体の全体は、シーラント504で被覆することができる。例えば、基板/チップ複合体の全体は、シーラント504に浸漬する又はシーラント504でリンスすることができる。
【0066】
図8A−8Dは、シリコンチップが、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズ基板418上に組み立てられる例示的なプロセス700の代替的透視図を示す。特に、図8A−8Dは、プロセス700におけるチップ304とレンズ418の断面図を示す。
【0067】
図8Aに見られるように、コンタクトレンズ基板418は、その上に作成された複数の金属線416を有する。コンタクトパッド416は、フォトリソグラフィを用いて、レンズ基板418上にパターン化された金属線416のような金属線から形成される。ある態様では、コンタクトパッド416は、図4に示す金属線416の交差点を含む。コンタクトパッド416は、さらに、それに適用されるはんだ溶液502を持つ。ある態様では、はんだ溶液502は、注射器、ピペット、針、または他の精密応用ツールを用いて、各レンズコンタクトパッド416のそれぞれに選択的に適用される。図8Aでは、チップコンタクトパッド402を有するチップ304はレンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド402は、その上にはんだ溶液502を有するレンズコンタクトパッド416の各々と位置合わせされる。ある態様では、チップコンタクトパッド402は図4においてチップ304上に示される金属線402の交差点404と同様である。
【0068】
図8Cにおいて、チップ304は、レンズ基板418上に降され、チップは、圧力および/または熱に応答して、はんだ溶液によりレンズ基材に接着される。ある態様では、熱は、基板の残りの領域に損傷を与えないよう又は損傷が限定されたものである様にするために、実質的に、チップ304が組み立てられている基板418の領域(例えば、組立部位)のみに、200℃未満の温度で適用される。例えば、フリップチップボンダーは、方法700の反転、位置合わせ及び接着する側面を実施することができる。ある態様では、アンダーフィル材料(示さず)は、固化したはんだ材料の間のギャップを埋めて、さらにチップ304を基板418に接着させるためにレンズ基板418とチップ304との間に使用することができる。図8Dでは、はんだ溶液が固化され、硬化され(harden)及び/又は硬化され(cure)た後に、ある態様では、チップ304は、シーラント504を用いてレンズ基材418上にシールすることができる。シーラント504はチップ304を、レンズ基板418上の位置に保持し、および/またはレンズ基板/チップ複合体を生体適合にするために、チップ304を覆いおよび/または他の方法により被覆することができる。ある態様では(示さず)、基板/チップ複合体全体をシーラント504でコーティングすることができる。例えば、基板/チップ複合体全体をシーラント504に浸漬する又はシーラント504によりすすぐことができる。
【0069】
図9A−9Dでは、シリコンチップが本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズ基板418上に組み立てられる、他の例示的なプロセス900を示している。図9A−9Bでは、コンタクトレンズ基板418の一部のみが、例示の目的のために提示されていることを理解すべきである。プロセス900は、チップ304が正方形の金属414をコンタクトパッドとして持つ基板418上の組立部位に接着されるある実施態様を示し、そしてその場合、接着液がコンタクトパッドに適用される。
【0070】
図9Aに見るように、シリコンチップ304は、その上に作成された複数の金属線402を有している。金属線402は、チップコンタクトパッドとして機能する。ある態様では、各金属線の交差点は特にチップコンタクトパッドとして機能する。この態様によれば、はんだ溶液502は、各金属線の交差点において、チップコンタクトパッド402に適用される。ある態様では、はんだ溶液502は、注射器、ピペット、針、または他の精密応用ツールを用いて各チップコンタクトパッド402に選択的に適用される。それに適用されるはんだ溶液を有するチップコンタクトパッドは、その上にコンタクトパッド414を持つレンズ基板418の表面に向くことができる様に、チップ304は、さらに、矢印408の様に反転される。反転されたチップ304上の点線は、現在チップの下面406にあるチップのコンタクトパッドを示している。
【0071】
図9Bでは、はんだを適用されたチップコンタクトパッドを持つ反転されたチップ304は、レンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド(例えば、金属線402の交差点など)は、各レンズコンタクトパッド414と位置合わせされる。レンズ基板418は、その上にコンタクトパッド414を有している。レンズコンタクトパッド414は、正方形の金属として示されているが、レンズコンタクトパッドは金属線の形態とすることができることを理解すべきである。
【0072】
図9Cにおいて、チップ304は、レンズ基板418上に降され、チップは、圧力および/または熱に応答して、はんだ溶液によりレンズ基材に接着される。ある態様では、熱は、基板の残りの領域に損傷を与えないよう又は損傷が限定されたものである様にするために、実質的に、チップ304が組み立てられている基板418の領域(例えば、組立部位)のみに、200℃未満の温度で適用される。例えば、フリップチップボンダーは、方法900の反転、位置合わせ及び接着する側面を実施することができる。ある態様では、アンダーフィル材料(示さず)は、固化したはんだ材料の間のギャップを埋めて、さらにチップ304を基板418に接着させるためにレンズ基板418とチップ304との間に使用することができる。図9Dでは、はんだ溶液が固化され、硬化され(harden)及び/又は硬化され(cure)た後に、ある態様では、チップ304は、シーラント504を用いてレンズ基材418上にシールすることができる。シーラント504はチップ304を、レンズ基板418上の位置に保持し、および/またはレンズ基板/チップ複合体を生体適合にするために、チップ304を覆いおよび/または他の方法により被覆することができる。ある態様では(示さず)、基板/チップ複合体全体をシーラント504でコーティングすることができる。例えば、基板/チップ複合体全体をシーラント504に浸漬する又はシーラント504によりすすぐことができる。
【0073】
10A−10Dを見ると、シリコンチップが、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズ基板418上に組み立てられる、他の例示的なプロセス900の透視図を示している。特に、図10A−10Dは、プロセス900でのチップ304とレンズ418の断面図を示す。
【0074】
図10Aに見るように、シリコンチップ304は、その上に作成された複数の金属線402を有している。金属線402は、チップコンタクトパッドとして機能する。ある態様では、コンタクトパッド402は、図4に示す金属線402(の交差点点404)である。この態様によれば、はんだ溶液502は、各金属線の交差する点において、チップコンタクトパッド402に適用される。ある態様では、はんだ溶液502は、注射器、ピペット、針、または他の精密応用ツールを用いて各チップコンタクトパッド402に選択的に適用される。それに適用されるはんだ溶液を有するチップコンタクトパッドは、その上にコンタクトパッド414を持つレンズ基板418の表面に向くことができる様に、チップ304は、さらに、矢印408の様に反転される。
【0075】
図10Bでは、はんだを適用されたチップコンタクトパッドを持つ反転されたチップ304は、レンズ基板418と位置合わせされる。特に、チップコンタクトパッド(例えば、金属線402の交差点など)は、各レンズコンタクトパッド414と位置合わせされる。レンズ基板418は、その上にコンタクトパッド414を有している。レンズコンタクトパッド414は、正方形の金属として示されているが、レンズコンタクトパッドは金属線の形とすることができることを理解すべきである。
【0076】
図10Cにおいて、チップ304は、レンズ基板418上に降され、チップは、圧力および/または熱に応答して、はんだ溶液によりレンズ基材に接着される。ある態様では、熱は、基板の残りの領域に損傷を与えないよう又は損傷が限定されたものである様にするために、実質的に、チップ304が組み立てられている基板418の領域(例えば、組立部位)のみに、200℃未満の温度で適用される。例えば、フリップチップボンダーは、方法900の反転、位置合わせ及び接着する側面を実施することができる。ある態様では、アンダーフィル材料(示さず)は、固化したはんだ材料の間のギャップを埋めて、さらにチップ304を基板418に接着させるためにレンズ基板418とチップ304との間に使用することができる。図10Dでは、はんだ溶液が固化され、硬化され(harden)及び/又は硬化され(cure)た後に、ある態様では、チップ304は、シーラント504を用いてレンズ基材418上にシールすることができる。シーラント504はチップ304を、レンズ基板418上の位置に保持し、および/またはレンズ基板/チップ複合体を生体適合にするために、チップ304を覆いおよび/または他の方法により被覆することができる。ある態様では(示さず)、基板/チップ複合体全体をシーラント504でコーティングすることができる。例えば、基板/チップ複合体全体をシーラント504に浸漬する又はシーラント504によりすすぐことができる。
【0077】
図11A−11Cを参照すると、これらの図では、本明細書に記載の態様によるコンタクトレンズを形成するために、その上に接着されたシリコンチップを有するコンタクトレンズ基材を用いるプロセスについて説明されている。図11Aに示すように、その上に接着されたシリコンチップ1104を有するコンタクトレンズ基板1102が提供される。種々の態様において、コンタクトレンズ基板1102とチップ1104は、コンタクトレンズ基板層214とチップ206、および/またはコンタクトレンズ基板418とチップ304(およびその逆も同じ)の1以上の構造および/または機能を持つことができる。ある態様では、チップ1104は、シーラント(例えばパリレン)によりコンタクトレンズ基板1102にシールされる。
【0078】
コンタクトレンズ基板1102は、コンタクトレンズ形状1112を形成するために使用される。ある態様では、コンタクトレンズ基板1102は、コンタクトレンズ形状1112の形に(例えば、円形や湾曲した形状)に成形される。
特に、コンタクトレンズ基板1102は、コンタクトレンズを着用する眼の湾曲に一致するように成形される。いくつかの態様では、コンタクトレンズ基板1102の成形を容易にするために、コンタクトレンズ基板1102は、コンタクトレンズの形に形成することができる形にカットされる。例えば、図11Bに見られる様に、コンタクトレンズ基板1102は、円形またはリング形状1110にカットすることができる。図11Bに示すカットされた基板1110は、点線のパターン1106に沿ってコンタクトレンズ基板1102から切り出される。カットされた基板1110は、カットされた基板1110を容易にコンタクトレンズの形に形成するために、リングの内側および/または外側の縁にカットスリットまたは切開部1108を含むことができる。カットされた基板1110は、取付けられたチップ1104を含むようにするためにコンタクトレンズ基板1102から切り出される。
【0079】
図11Cは、コンタクトレンズ基板1102から形成されたコンタクトレンズ形状1112の二次元図を示している。コンタクトレンズ形状1112はチップ1104を含む。ある態様では、コンタクトレンズ形状1112は、カットされた基板1110の切開部1108を閉じることにより形成される。例えば、カットされた基板1110の開放縁部は、図11Cのコンタクトレンズ形状1112を形成するために曲げて、閉じ合わせることができる(図11Bの破線矢印の方向)。
【0080】
図12Aは、コンタクトレンズ形状1112の代替的な三次元図を示す。ある態様では、コンタクトレンズ形状1112は、完成した、着用可能な/機能的なコンタクトレンズとして使用することができる。コンタクトレンズ形状は、あるコンタクトレンズと形が一致し、それが着用される眼の湾曲に形成される。コンタクトレンズ形状は、さらに、その上に統合されるチップ1104を含む。しかし、他の態様では、コンタクトレンズ形状は、完成した、着用可能な/機能的なコンタクトレンズを形成するためにさらに加工される。
【0081】
図12Bは、コンタクトレンズ1202を形成するための、コンタクトレンズ形状1112の最終的な加工プロセスを示す。コンタクトレンズ1202は、コンタクトレンズ材料1204の1以上の側面上に埋め込まれおよび/またはそれにより被覆されたコンタクトレンズ形状1112を含む。種々の態様において、コンタクトレンズ材料1204は、レンズ材料216の1以上の構造および/または機能を含むことができる(及びその逆も同じ)。例えば、ある態様では、コンタクトレンズ材料1204は、シリコンヒドロゲルの様なヒドロゲルである。コンタクトレンズ1202は、コンタクトレンズ100、200、202、204の1以上の構造および/または機能性を含むことができる(及びその逆も同じ)。例えば、コンタクトレンズ1202は、コンタクトレンズ材料1204に完全に埋め込まれた及び/又は部分的にコンタクトレンズ材料1204で覆われたコンタクトレンズ形状1112を含むことができる。ある態様では、コンタクトレンズ1202を形成するために、コンタクトレンズ形状1102は液体コンタクトレンズ材料中に浸漬され、そして、コンタクトレンズ材料は固化される。
【0082】
図13−15は、本願の開示の特定の態様による方法またはフロー図を示す。説明を簡単にするために、方法は一連の動作として示し説明されるが、開示された主題は、本明細書中に記載された動作と異なる順序で及び/又は他の動作と同時に起きることもあるので、示された動作の順序によって限定されない。例えば、当業者は、方法は、代替的に、例えば状態図のように、ある一連の相互関連する状態または出来事として表され得ることを理解するであろう。さらに、開示された主題による方法を実施するために例示された全ての動作が必要とされるわけではない。加えて、輸送およびコンピュータまたは他のコンピューティングデバイスに転送することを容易にするために、本願で開示された方法は、製造される製品上に保存されることが可能であることを理解すべきである。
【0083】
図13は、ある実施態様に従った本明細書で開示されるシステム及び装置の応用例のフロー図を表す。ある態様では、例示的な方法1300において、コンタクトレンズは、その中に統合されたシリコンチップを有するように形成されている。1310では、チップの表面上に複数の金属線を形成することにより、複数のチップコンタクトパッドがチップ上に形成される。(例えば、フォトリソグラフィを使用して)。1320では、はんだ溶液が(例えば、注射器を用いて)レンズ基板上に形成された複数のレンズコンタクトパッドのそれぞれに適用される。1330では、チップをレンズ基板に接着するためにはんだ溶液により、複数のチップコンタクトパッドが、複数のレンズコンタクトパッドに接着される(例えば、フリップチップボンダーを使用して)。次に1340では、レンズ基板は、コンタクトレンズを形成するためにヒドロゲルに埋め込まれる。
【0084】
図14は、ある実施態様に従った本明細書で開示されるシステム及び装置の応用例のフロー図を表す。ある態様では、例示的な方法1400において、コンタクトレンズは、その中に統合されたシリコンチップを有するように形成されている。1410では、チップの表面上に複数の金属線を形成することにより、複数のチップコンタクトパッドがチップ上に形成される。(例えば、フォトリソグラフィを使用して)。1420では、はんだ溶液(例えば、注射器を用いて)レンズ基板上に形成された、複数のレンズコンタクトパッドのそれぞれに適用される。1430では、チップをレンズ基板に接着するためにはんだ溶液により、複数のチップコンタクトパッドが、複数のレンズコンタクトパッドに接着される(例えば、フリップチップボンダーを使用して)。1450では、レンズ基板はチップ上にシールされる(例えば、シーラント1504を用いて)。
1460では、レンズ基板がリング状にカットされ、コンタクトレンズを着用する眼の湾曲に一致するように成形される。次に1340では、レンズ基板は、コンタクトレンズを形成するためにヒドロゲルに埋め込まれる。
【0085】
図15は、ある実施態様に従った本明細書で開示されるシステム及び装置の応用例のフロー図を表す。ある態様では、例示的な方法1500において、コンタクトレンズは、その中に統合されたシリコンチップを有するように形成されている。1510では、チップの表面上に複数の金属線を形成することにより、複数のチップコンタクトパッドがチップ上に形成される。(例えば、フォトリソグラフィを使用して)。1520では、はんだ溶液が(例えば、注射器を用いて)複数のレンズコンタクトパッドのそれぞれに適用される。1530では、チップをレンズ基板に接着するためにはんだ溶液により、複数のチップコンタクトパッドが、複数のレンズコンタクトパッドに接着される(例えば、フリップチップボンダーを使用して)。次に1540では、レンズ基板は、コンタクトレンズを形成するためにヒドロゲルに埋め込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15