(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121569
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】家具取付け具
(51)【国際特許分類】
E05C 19/02 20060101AFI20170417BHJP
E05C 19/16 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
E05C19/02 A
E05C19/16 D
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-555496(P2015-555496)
(86)(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公表番号】特表2016-505099(P2016-505099A)
(43)【公表日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】AT2014000007
(87)【国際公開番号】WO2014117188
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2015年9月4日
(31)【優先権主張番号】A64/2013
(32)【優先日】2013年1月30日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーカー,マルコ
【審査官】
佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/128730(WO,A2)
【文献】
特開2009−114847(JP,A)
【文献】
特開2007−315017(JP,A)
【文献】
特開2004−316912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00− 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)に対して直線的に移動可能なプランジャー(3)を有する家具取付け具であって、前記プランジャーは、内ネジ(6)を有する第1のプランジャー部品(4)、及び、前記内ネジ(6)と相互作用する外ネジ(7)を有する第2のプランジャー部品(5)を備えており、前記内ネジ(6)が、前記第1のプランジャー部品(4)の内側側面(21)に配置されており、前記外ネジ(7)が内ネジ(6)に対して螺着作用を及ぼすことによって前記プランジャーの長さを調節可能である、家具取付け具において、
前記外ネジ(7)が前記内ネジ(6)から最後まで螺着を解かれるのを防止する固定要素(8)が設けられており、前記固定要素(8)が、前記第1のプランジャー部品(4)の内側側面(21)に配置されている、ことを特徴とする家具取付け具。
【請求項2】
前記固定要素(8)が、前記第1のプランジャー部品(4)に配置された一方向の弾性舌片の形態に設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の家具取付け具。
【請求項3】
前記固定要素(8)が、前記第1のプランジャー部品(4)に形成された孔に押し入れ可能な押し入れ部材の形態に設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の家具取付け具。
【請求項4】
前記固定要素(8)が、環の形態に設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の家具取付け具。
【請求項5】
前記環は、前記第1のプランジャー部品(4)に配置され、
前記環の径(d)は、前記外ネジ(7)の径(D)よりも小さい、ことを特徴とする請求項4に記載の家具取付け具。
【請求項6】
プランジャーの軸方向において、前記外ネジ(7)の形成されている長さが、前記内ネジ(6)の形成されている長さよりも短い、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項7】
前記第1のプランジャー部品(4)は、前記ハウジング(2)から離れるように方向付けられて設けられている、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項8】
前記プランジャー(3)は、マグネット(9)を有する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項9】
前記第1のプランジャー部品(4)、及び/又は、前記第2のプランジャー部品(5)、及び/又は、前記固定要素(8)が、プラスチック材料でできている、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項10】
前記第1のプランジャー部品(4)は、一体品として形成されている、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項11】
前記第1のプランジャー部品(4)は、少なくとも1つのフィルム状ヒンジ(10)を有しており、前記内ネジ(6)は、前記少なくとも1つのフィルム状ヒンジ(10)を閉じたときに存在する、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフィルム状ヒンジ(10)は、前記内ネジ(6)の長手軸(X)の方向に延びている、ことを特徴とする請求項11に記載の家具取付け具。
【請求項13】
前記少なくとも1つのフィルム状ヒンジ(10)は、前記内ネジ(6)の長手軸(X)に対して横断するところの横断軸(Y)の方向に延びている、ことを特徴とする請求項11に記載の家具取付け具。
【請求項14】
前記家具取付け具(1)は、移動可能なプランジャーを具備したダンパーユニットの形態で構成されている、ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項15】
前記ダンパーユニットは、線形ダンパーの形態で設計されており、前記線形ダンパーは、ダンパー流体が提供された、ピストン/シリンダーを具備した流体ダンパーユニットの形態で構成されている、ことを特徴とする請求項14に記載の家具取付け具。
【請求項16】
前記家具取付け具(1)が、タッチ・ラッチ式ユニットの形態で構成されている、ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の家具取付け具。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の家具取付け具(1)を有する家具製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の構成要素を有する家具取付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
問題とするタイプの家具取付け具(furniture fitting)は、ネジ連結によって長さを調節可能なプランジャーを有する。かかる取付け具の一例は、タッチ・ラッチ式のユニットであり、そのユニットは例えば、圧縮応力を付与されたバネ要素の助けを借りて家具部品を開くものである。
【0003】
ドイツ公報DE 10 2007 022 269 B4は、問題とするタイプの家具取付け具を開示する。そこでのプランジャーは二つのプランジャー部品を具備し、それらはネジ連結によって長さを調節することができる。しかしながら、仮に一方のプランジャー部品ができるだけ遠くへ螺着を解かれるならば、一方のプランジャー部品の内ネジ(雌ネジ)が他方のプランジャー部品の外ネジ(雄ネジ)ともはや相互作用しない事態となるであろう。二つのプランジャー部品がお互いから完全に解かれるのを防止するストップ材は存在するけれども、それは作動(動き)をずっと困難にする。これは、ネジ連結を再構築するためには、先ずは内ネジが正しく位置決めされて外ネジに螺着されることが、常に必要だからであり、このことは、二つのネジのどちらもユーザー(使用者)にとっては見えないという事実によって、更に困難にされるからである。
【0004】
加えて、例えば、ストップ材による外側プランジャー部品の、動きに誘発された歪曲が、内ネジの外ネジへの螺着をより困難にするか又は不可能にさえする、ということがあり得る。更に、ネジ連結を解く可能性は、相対的に複雑な構造を生じさせる。
【0005】
国際公開WO 2012/128730 A2は、内ネジを有する第1のプランジャー部品と、外ネジ(前記内ネジと相互作用するもの)を有する第2のプランジャー部品とを同様に備えた家具取付け具を開示する。二つのプランジャー部品がお互いから解かれ得る状況を防止するために、拘束器(アレスター)が設けられており、第1のプランジャー部品から始まる当該拘束器は、第2のプランジャー部品を通り抜けて後者(第2のプランジャー部品)に突出し、そこで拘束器の一部が広げられる。この広げられた部分は、拘束器が第2のプランジャー部品の外に抜け出るのを防止する。この複雑な構成は、明らかに改良可能である。特に、そのような家具取付け具の製造の際に、拘束器が第1のプランジャー部品に接続され得る前に、先ずは拘束器が第2のプランジャー部品内に配置されることが必要である。しかしながら、このような結合(連結)は、二つのプランジャー部品が適切な位置にアクセスすることを困難にするため、一筋縄で確立できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ公報DE 10 2007 022 269 B4
【特許文献2】国際公開WO 2012/128730 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、長さ調節可能なプランジャーが簡素な構成を有し、且つ簡素で信頼性の高い作動をするところの、長さ調節可能なプランジャーを備えた家具取付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有する家具取付け具によって達成される。これは、外ネジが内ネジから最後まで螺着解除されるのを防止する固定要素(securing element)を設けることによって達成される。換言すれば、プランジャーの長さ調節は、保証される時間中、全てのポイントでの外ネジと内ネジの相互作用によって容易になる。
【0009】
本発明更なる態様は、従属請求項に定義されている。
【0010】
好ましい実施形態では、固定要素が、第1のプランジャー部品の内側側面に配置されると共に、内ネジもまた、前記内側側面に配置されてもよい。
【0011】
特に、固定要素が、第1のプランジャー部品に配置された一方向の弾性舌片(one-way resilient tongue)の形態に設計されることで、家具取付け具の簡潔な取り付けが達成され得る。
【0012】
固定要素が第1のプランジャー部品における押入れキャッチ材(push-in catch)の形態に設計されることで、プランジャー部品間の信頼できる接続が達成され得る。
【0013】
好ましい実施形態の一つは、固定要素がカラー(環)の形態に設計されるというものである。このことは、第1のプランジャー部品の製造、ひいては家具取付け具の製造を簡素化する。
【0014】
前述の環が第1のプランジャー部品に配置され、環の径が外ネジの外径よりも小さいならば、特に効果的であろう。
【0015】
摩擦を低減するために、及び、美観上の理由により、一方のネジ、−好ましくは外ネジ−が、他方のネジ、−好ましくは内ネジ−よりも短くてもよい。
【0016】
同様に、第1のプランジャー部品がハウジングから離れるように方向付けられて設けられるならば、光学的に有利であろう。
【0017】
特にコスト上効果的な製造のために、第1のプランジャー部品、第2のプランジャー部品、又は、固定要素が、プラスチック材料で製造されてもよい。
【0018】
第1のプランジャー部品が一体品(one piece)として形成され、好ましくは、固定要素と共に一体品として形成されるならば、簡素で効率的な製造に有益であろう。
【0019】
特に、第1のプランジャー部品が射出成形で製造されるときには、「第1のプランジャー部品が少なくとも1つのフィルム状ヒンジを有しており、前記内ネジが、前記少なくとも1つのフィルム状ヒンジを閉じたときに存在するもの」であってもよい。第1のプランジャー部品は、開き状態で射出成形されることができ、その結果として、純粋なネジ成形に含まれる長いサイクルタイムが避けられる。
【0020】
材料の消費をできるだけ低いレベルに保つために、前記少なくとも1つのフィルム状ヒンジは、内ネジの長手軸の方向に延びるか、又は、内ネジの長手軸に対して横断するところの横断軸の方向に延びることができる。
【0021】
例えばドアの、とりわけソフトな閉鎖(柔らかい閉じ動作)を保証するために、家具取付け具は、移動可能なプランジャーを具備したダンパーユニットの形態で構成されてもよい。特に好ましい実施形態は、ダンパーユニットが線形ダンパーの形態で設計されるものであり、好ましくは、前記線形ダンパーは、ダンパー流体(好ましくはオイル又はエアー)が提供された、ピストン/シリンダーを具備した流体ダンパーユニットの形態で構成されている。
【0022】
しかしながら、原理的には、家具取付け具を、バネユニット、又は、バネ/ダンパーの組み合わせの形態で構成することもまた可能である。
【0023】
タッチ・ラッチ式ユニットの形態での、その他の停止ダンパーを提供することも好まししい、というのも、これらは、特に便利な動作を許容するからである。この場合において、「ラッチ」機能が、マグネットを有するプランジャーによって単刀直入に実施され得ることは特に好ましい。
【0024】
保護は、本発明に従う家具取付け具を有する家具製品にももたらされる。
【0025】
本発明の更なる利点および詳細は、図面、及び、各図の関連説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1a】
図1a〜1dは、本発明に従うタッチ・ラッチ式ユニットの断面図および斜視図を示す。
【
図1b】
図1a〜1dは、本発明に従うタッチ・ラッチ式ユニットの断面図および斜視図を示す。
【
図1c】
図1a〜1dは、本発明に従うタッチ・ラッチ式ユニットの断面図および斜視図を示す。
【
図1d】
図1a〜1dは、本発明に従うタッチ・ラッチ式ユニットの断面図および斜視図を示す。
【
図2a】
図2a,2bは、本発明に従うダンパーユニットの断面図を示す。
【
図2b】
図2a,2bは、本発明に従うダンパーユニットの断面図を示す。
【
図3a】
図3a〜3dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第2実施形態の各種図を示す。
【
図3b】
図3a〜3dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第2実施形態の各種図を示す。
【
図3c】
図3a〜3dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第2実施形態の各種図を示す。
【
図3d】
図3a〜3dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第2実施形態の各種図を示す。
【
図4a】
図4a〜4fは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第3実施形態の各種図を示す。
【
図4b】
図4a〜4fは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第3実施形態の各種図を示す。
【
図4c】
図4a〜4fは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第3実施形態の各種図を示す。
【
図4d】
図4a〜4fは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第3実施形態の各種図を示す。
【
図4e】
図4a〜4fは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第3実施形態の各種図を示す。
【
図4f】
図4a〜4fは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第3実施形態の各種図を示す。
【
図5a】
図5a〜5dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第4実施形態を示す。
【
図5b】
図5a〜5dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第4実施形態を示す。
【
図5c】
図5a〜5dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第4実施形態を示す。
【
図5d】
図5a〜5dは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第4実施形態を示す。
【
図6a】
図6a〜6dは、第4実施形態の第1のプランジャー部品の取付けの説明図を示す。
【
図6b】
図6a〜6dは、第4実施形態の第1のプランジャー部品の取付けの説明図を示す。
【
図6c】
図6a〜6dは、第4実施形態の第1のプランジャー部品の取付けの説明図を示す。
【
図6d】
図6a〜6dは、第4実施形態の第1のプランジャー部品の取付けの説明図を示す。
【
図7a】
図7a〜7eは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第5実施形態の各種図を示す。
【
図7b】
図7a〜7eは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第5実施形態の各種図を示す。
【
図7c】
図7a〜7eは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第5実施形態の各種図を示す。
【
図7d】
図7a〜7eは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第5実施形態の各種図を示す。
【
図7e】
図7a〜7eは、本発明に従う第1のプランジャー部品の第5実施形態の各種図を示す。
【
図8a】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8b】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8c】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8d】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8e】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8f】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8g】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8h】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8i】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8k】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図8l】
図8a〜8lは、第5実施形態の第1のプランジャー部品の取付けに関する各種図を示す。
【
図9】
図9は、
図1のタッチ・ラッチ式ユニットの分解斜視図を示す。
【
図10】
図10は、本発明に従うタッチ・ラッチ式ユニットを有する家具製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a及び1bは、本発明に従うタッチ・ラッチ式ユニットの断面図である。この家具取付け具1は、ハウジング2と、プランジャー3とを有している。プランジャー3は順に、第1のプランジャー部品4及び第2のプランジャー部品5を備え、これらは、プランジャー3の長さ調節のために、内ネジ6及びそれと相互作用する外ネジ7によって互いに接続されている。
図1aは、完全にねじ込まれた状態のプランジャー3を示す。
図1bでは、第1のプランジャー部品4が垂直方向にねじ込みを解かれて最後まで外に出ている。ここで、ネジ連結(螺合関係)の解除は、固定要素8によって防止される。
【0028】
マグネット9を固着する目的で、及び、外観上の理由で、スリーブ11が第1のプランジャー部品4上に配置されている。
【0029】
二つの斜視図が続き、
図1cは
図1aに対応し、
図1dは
図1bに対応する。これ以後、対応する部材は同じ参照番号を有する。
【0030】
図2aは、本発明に従うダンパーユニットを描写し、固定要素8が再び、内ネジ6の端部にカラー(環)の形態で構成されている。特に
図2bの詳細図では、カラー(環)の内径dが外ネジの外径Dよりも小さいことが観察でき、それによって外ネジは、内ネジの外に最後までねじ込みを解かれることが防止される。
【0031】
各図に示す全ての実施形態の場合において、内ネジ6は、第1のプランジャー部品4の内側の横面(側面)21に配置されている。同様に、固定要素8が内側の横面(側面)21に配置されているという事実は、全ての実施形態に共通である。
図2bは、概略的に、内側の横面(側面)21を示すために破線を使用している。
【0032】
図3a〜3dは、今回、フィルム状ヒンジ10を持った第1のプランジャー部品の第2実施形態を示す。
図3a及び3cは、フィルム状ヒンジが開いた位置での第1のプランジャー部品を示し、
図3b及び3dは、フィルム状ヒンジが閉じた位置を示す。この実施形態では、フィルム状ヒンジは長手軸Xと平行に延びている。
【0033】
図4a〜4fは、第1のプランジャー部品4の第3実施形態の様々な図を示し、その場合において、フィルム状ヒンジ10は横断軸Yに沿って延びている。横断軸Yは、仮想的な長手軸Xに対して横断している。
図4cは、
図4bに示された平面Dに沿った断面図である。同様に、
図4dは、
図4eに示された平面Cでの断面図である。
【0034】
図5a〜5dは更に別の実施形態を示し、そこでは、固定要素8が、一方向の弾性舌片の形態で構成されている。
図5dは、
図5cからの拡大図である。
図6a〜6dは、この実施形態の取付け状況を示す。ねじ込み作用時(
図6a、及び、
図6bの詳細図を参照)、一方向の弾性舌片は、外ネジ7が通過するまで、第2のプランジャー部品5によって後ろに曲げられる。それから外ネジ7と内ネジ6が係合する。しかし、その後、もはや解除できなくなる、というのも、双方のネジが最後まで螺合を解かれたときでも弾性舌片がスプリングバックせず、この動きをブロック(阻止)するように、一方向の弾性舌片が構成されているからである。
【0035】
図7a〜7eは、第1のプランジャー部品の第5実施形態を示す。固定要素8は、押入れキャッチ材(push-in catch)の形態に設計されている。その取付け状況が
図8a〜8lに示されている。キャッチ材がまだ押し入れられない状態で、第1のプランジャー部品が第2のプランジャー部品と一つにまとめられる。外ネジが内ネジ内にねじ込まれると(
図8a〜8f)、キャッチ材が押し入れられ(特に
図8k,8l参照)、完全な螺合解除をブロック(阻止)する。
【0036】
図9の分解図は、
図1a〜1dから知られるところのタッチ・ラッチ式ユニットを示す。既に知られている部品と平行して、この図は、第1のバネ16、第2のバネ17、プロファイル部品15、レバー12およびハウジング閉じ具14を示し、このハウジング閉じ具14に対してレバー12がボルト13で接続される。タッチ・ラッチ機能は、第1のバネ16が圧縮応力を与えられると共に、レバー12がプロファイル部品15のプロファイル(輪郭)に係合することのおかげで、実行される。タッチ・ラッチ式ユニットが、閉じて圧縮応力を与えられた位置にあるならば、第2のバネ17は、プランジャーがほんの小さな力で引っ張り作用を受けたとしても、タッチ・ラッチ式ユニットがトリガー(動作開始)されるのを防止する。特に家具のドアがハードに(乱暴に)閉められた場合に、これは、ドアが再び自発的に開くのを防止する。
【0037】
図10は、本発明に従う家具取付け具1を有する家具製品20を示す。ここでの家具取付け具1は、マグネット9を備えたタッチ・ラッチ式ユニットの形態で構成されている。マグネットの相手方部品18は、家具製品のドアに配置されて、マグネット9と相互作用し、結果的にタッチ・ラッチ式ユニットの閉じ保持機能が実現される。
【0038】
本発明は、現在の例示的な実施形態に限定されるものではない。特に、本発明に従う停止ダンパーを、家具製品のドア以外のドア類に使用することも可能である。同様に、内ネジを、ハウジングの方向に配向されたプランジャー部品上に配置することも可能である。