【実施例】
【0081】
本発明を、具体的な説明のみを目的とする下記例において詳細に説明する。特に断りのない限り、下記例において報告される、全ての部、パーセンテージ、及び比率は、質量基準であり、そして実施例で用いられる全ての試薬は、以下に記載される化学物質供給業者から購入できるか、若しくは入手でき、又は一般的な技法により合成することができる。
【0082】
[例1]
3種の、1ポンド(0.45kg)の樹脂試料を、それらに、H
+、Ca
++、及びMg
++を充填させることにより調製した。マグネシウムを充填させた試料を、次の手順で調製した。Lanxess Companyから購入した弱酸カチオン樹脂、Lewatit S8528を、500グラムのNaOHビーズ及び2500mLの軟水に、24時間浸漬した。pHは、約12〜13であった。浸漬後、次いで、上記樹脂を、すすぎ水のpHが11未満となるまで,軟水で3回、完全に洗浄した。上記樹脂を、4日間、700グラムのMgCl
2−6H
2O組成物を有する、2500mLの軟水に浸漬した。上記樹脂を、軟水で3回、完全にすすいだ。すすぎ水の最終pHは、約7.5〜8.5であった。
【0083】
Ca
++を上記樹脂に充填するため、上記樹脂を、CaCl
2組成物に浸漬した以外は、Mg
++樹脂に関して記載されるのと同一の手順を用いた。上記樹脂のH
+形態は、上記樹脂そのものであり、そこに充填されたカチオンを有しない。
【0084】
次いで、水を、各樹脂試料で処理し、そして製品洗浄機内の水垢の傾向に関して比較した。そのようにして、食器洗い機への給水を、別々であるが等価な3つの試験において、H
+弱酸カチオン樹脂、Ca
++弱酸カチオン樹脂、又はMg
++弱酸カチオン樹脂で処理した。最初に、各樹脂試料を、硬水(17gpg(292.4mg/L))を流水リザーバからドレインへと通すことにより、前調整した。約1000ガロン(3785L)の水を流した後、上記樹脂/リザーバシステムを、食器洗い機に接続し、そしてガラス器具上の水垢の傾向に関して評価した。この対照試験の結果を、
図2Aに示す。この皿洗い機(dishmachine)/ガラス器具水垢試験の後、追加の4000ガロン(15140L)の硬水を流水リザーバからドレインへと通すことにより、上記樹脂試料をさらに調
整した。したがって、各樹脂は、総計約5000ガロン(18925L)の水を処理した。上記水の水硬度を測定することにより、この時点において、上記樹脂の能力が消耗したことを確認した、すなわち、処理後の水中のカルシウム及びマグネシウム量は、処理前と同一であった。
【0085】
次いで、第2の皿洗い機/ガラス器具水垢試験を、洗浄剤を用いずに、さらに実施し、そしてそれらの結果を、
図2Bに示した。
【0086】
対照のガラス(図示せず)は、顕著な水垢を有していた。
図2A及び2Bのそれぞれにおける、左から最初の2つのガラスは、H
+が結合した樹脂で処理された。それぞれの図において、左から3番目及び4番目のガラスは、Ca
2+が結合した樹脂で処理され、そしてそれぞれの図において、左から5番目及び6番目のガラスは、Mg
2+が結合した樹脂で処理された。
図2Aに示されるように、H
+樹脂及びMg
2+樹脂は、あらかじめ1000ガロン(3785L)の水を処理した樹脂を用いた試験において、水垢は認識できなかった。2つのCa
2+樹脂は、水垢を明らかに認識することができた。上記樹脂システムのそれぞれが、5000ガロン(18925L)の水をあらかじめ処理した
図2Bを参照すると、H
+樹脂は、ガラス器具にわずかな水垢を生じた。Ca
2+樹脂は、わずかに多い水垢を示し、そしてMg
2+樹脂は、ほとんど又は全く認識できる水垢を示さなかった。
【0087】
[例2]
17グレーン(grain)(292.4mg/L)の水硬度を有する水を、2ポンド(0.91kg)の、Wattsから市販されるWatts OneFlow Mediaで、約5ガロン(18.9L)/分の速度で処理した。さらに、17グレーン(292.4mg/L)の水硬度を有する水を、同一の条件において、本発明に従うマグネシウムを充填した弱酸樹脂で処理した。800ppmの炭酸ナトリウムを含むアルカリ源を、これらの水試料のそれぞれ、並びに非処理の水の対照試料に添加した。結果を、
図3に示す。この図に示されるように、対照の水及びWattsで処理した水の両方が、水
の硬度
成分の
顕著な析出を示した。本発明に従って処理された水(最も右側のビーカーとして示される)は、
析出の兆候を示さなかった。
【0088】
[例3]
種々の市販の水処理材料を用いた、石灰水垢形成制御を測定するための試験を実施した。2つの別個の試験を実施した。第1の試験は、100サイクルの食器洗い機試験であった。ドア型の皿洗い機(Hobart AM−15)を用いた。選択された試験装置を、食器洗い機への注入水に接続し、装置に関するすすぎ水の全てを処理した。注入水は、17グレーン(292.4mg/L)の硬度を有していた。ガラス器具を、ガラス器具ラック内の食器洗い機内部に置いた。上記
食器洗い機を、100サイクル
、通常通り運転した。この試験では、上記処理装置以外の、化学物質、例えば、洗浄剤、すすぎ助剤は用いなかった。100サイクルが完了した後、上記ガラス器具を取り出し、そして空気乾燥させた。上記ガラスの写真を撮影した。ライトボックスを用いて、存在する水垢の量に直接相関する、反射率を測定した。写真及びライトボックスの評点を、種々の水処理試験に関して比較した。ライトボックス評点が、10,000異なることは、顕著であるとみなされる。
【0089】
この100サイクル試験
について、次の媒体を試験した:Dowから市販されるAmberlite IRC 76;Lanxessから市販される、Lewatit S−8528;Wattsから市販される、Watts OneFlow Media;及びCWG USAから市販される、Filtersorb SP3。結果を、
図4A及び4Bに示す。
【0090】
これらの図に示されるように、IRC−76及びLanxess樹脂を用いて、相対的に良好な結果、すなわち、少ない水垢が達成された。
図4Bに示されるように、Watts及びFiltersorb材料を用いて、乏しい結果が達成された。
別の試験を実施し、清浄性化学物質が存在する適用において、石灰水垢制御を評価した。この試験は、上述の100サイクル試験と同様の手順で実施されたが、850ppmの炭酸ナトリウムを、皿洗い機の洗浄槽に添加した。このアルカリの水準を、試験全体を通して維持した。また、試験は、10サイクルのみ実施した。
【0091】
この試験の結果を、
図5に示す。この図に示すように、OneFlow Media及びSP−3 Mediaと比較して、消耗させたIRC−76及びLanxess樹脂を用いて、良好な結果が得られた。
【0092】
[例4]
アルカリ性条件下で、硬水における水垢を予防する
物質の能力を測定するための実験を行った。17グレーン(292.4mg/L)の硬水を、
使用済みのMg
+を充填した樹脂(例1において上述した樹脂)から取り出した
物質0.4mgと混合することにより、試験
物質を生成した。特定の理論に結びつけられることを望まないが、上記樹脂から取り出された
物質は、少なくとも部分的に、ポリアクリレート材料を含む有機材料を含んでいたと考えられる。この例の目的のために、
上記樹脂表面から
手作業で取り出した、すなわち抽出したが、実際には、この材料は、樹脂上の又は樹脂を通る水の流れによって樹脂から取り出されるであろうと考えられる。
【0093】
取り出された0.4mgは、この材料の800ppbに等しかった。0.1グラムの濃い灰分(200ppm灰分)を、この溶液に添加した。上記溶液を攪拌し、そして水垢の形成、例えば、溶液の曇り度に関して観察した。上記試験溶液を、当該試験溶液と同等量の灰分
及び17グレーン(292.4mg/L)の硬水
のみを含む対照溶液と比較した。上記溶液を、2分及び5分において観察した。2分時点で、上記試験溶液は、澄んだままであったが、対照溶液は、濁った、白い外観を有していた。5分時点で、上記試験溶液は、当初観察されたよりも、わずかに曇ったが、高い曇り度を有する対照溶液よりも、顕著に澄んでいた。
【0094】
[例5]
ブースターヒーターに関するユースポイント処理として、水処理装置の影響を評価するための試験を行った。この試験では、2つのブースターヒーターを、同時に作動させた。1つのブースターヒーターは、17グレーン/ガロン(292.4mg/L)の水を用いた。第2のブースターヒーターは、上記水処理装置で前処理した17グレーン/ガロン(292.4mg/L)の水を用いた。両方のブースターヒーターを、5日間連続して作動させた。それらは、3時間の「オン」、続いて3時間の休止時間のパターンで繰り返すようにプログラムされた。3時間の「オン」の際、1分間、5ガロン/分(18.9L/分)で、水を、ブースターヒーターに通し、
その後、1分間
流量をゼロにした。この「オン」時間の際、ブースターヒーターを、水を185°F(85℃)の温度に加熱するようにセットした。
【0095】
結果を、
図6に示す。この図に示されるように、処理された水を用いたブースターヒーターは、対照のブースターヒーターよりも水垢が顕著に少なかった。電熱線上の水垢の量、及び水垢の厚さは、対照と比較して、処理された水を用いると、実質的に減少した。
【0096】
[例6]
逆浸透膜とともに用いた場合の、本発明の実施形態に従う装置で処理された水の効果を評価するための試験を実施した。5ガロン(18.9L)の
バケツを、処理された又は非処理のいずれかの17グレーン/ガロン(292.4mg/L)の水で満たした。処理された水は、消耗したイオン交換樹脂材料を含む、2
つの0.75ポンド(
0.34kg)のカートリッジを通した水であった。イオン交換材料を、約3,700ガロン(14004.5L)の17グレーン/ガロン(292.4mg/L)の水を通すことにより消耗させた。上記水を処理するために用いられた2つのカートリッジは、直列に配置された。非処理の水は、ちょうど17グレーン/ガロン(292.4mg/L)の水であった。
【0097】
処理済及び非処理の水を、Dowから市販される、BW30膜を含む逆浸透システムを通して循環させた。試験された膜は、0.5フィート(15.2cm)×0.5フィート(15.2cm)の表面積を有していた。処理された及び非処理の水を、400PSIの一定の圧力において、上記膜システムを通過させた。上記水の温度を、70°F〜76°F(21.1℃〜24.4℃)に維持した。試料を、1日に4〜5回採取し、そして総溶解固体(TDS,total dissolved solid)濃度に関して試験した。透過水流をまた評価した。
【0098】
この試験の結果を、
図7(TDS濃度対総時間)及び
図8(透過水対総時間の散布図)に示す。定義により、濃縮水は、水及び膜により退けられた固体、すなわち、上記膜を透過しなかった材料である。膜が詰まるか又はふさがれると、膜は膜が詰まる前と同等量の水を透過しないので、TDS濃度は減少する。以下に記載するように、TDS濃度が減少すると同時に、膜を通る透過水流は、以下に説明するように付着物と共に減少する。
【0099】
この実験では、TDS濃度の減少により示されるように、非処理の水にさらされた膜の付着物は、膜がひどくふさがれるまでに成長した。硬水の水垢からの膜の付着物は、硬水において膜を用いる場合の公知の課題である。非処理の水にさらされた膜の化学分析により、非処理の膜は、炭酸カルシウム水垢で詰まったことが確認された。
【0100】
図7に示されるように、濃縮水内のTDSの量は、非処理の水では経時的に減少し、処理された水では比較的一定のままであった。すなわち、処理された硬水にさらされた膜は、28時間の実験の間、TDSの減少を示さず、処理された水は、水垢から膜を保護することを示した。
【0101】
図8に示すように、透過水流速は、処理された水と比較して、非処理の水を用いると、速い速度で減少する。これは、処理された水を用いると、炭酸カルシウム及び他の不溶性塩の膜上への析出が、非処理の水と比較してより遅いためと考えられる。この水
の硬度
成分の水垢
析出が形成
され、そして膜を介した水の流れ(透過水流)を徐々に制限する。
図8に示されるように、非処理の水を通して循環させた膜上の水垢の形成は、この試験において、透過水流が当初の流速の約半分に減少するほど重度である。
【0102】
まとめると、本発明の実施形態に従う装置を用いて処理された水を用いることにより、逆浸透システムを通して循環させた場合に、水垢が減少することが見出された。
【0103】
[例7]
従来の水処理媒体と比較して、本発明の実施形態に従う装置を透過させた場合に、水のpH及び溶解した固形分の総量を評価するための試験を実施した。次の樹脂/媒体を試験した:Resin Aは、4ガロン/分(15.1L/分)の流速で17gpg(292.4mg/L)の冷水を用いて、9秒のオン、27秒のオフの5,000サイクル
であらかじめ使用することにより消耗させた、Lanxessから市販されているLanxess S−8528樹脂であり;Media Bは、Watts Water Technologiesから市販されている、わずかに使用したWatts Mediaであり;そしてMedia Cは、Watts Water Technologiesから市販されている未使用のWatts Mediaである。比較用の樹脂又は媒体を用い
ない対照がまた、試験された。
【0104】
17gpg(292.4mg/L)の水を、10秒間のオン、及び2分のオフにおいて、試験樹脂/媒体を通して循環させた。オンサイクルの間、上記水を、1ガロン/分(3.8L/分)の速度で、上記試験樹脂/媒体を通過させた。試料を、各試験樹脂/媒体から同時に採取し、そしてpH及びTDSに関して早急に評価した。結果を、
図9及び10に示す。
【0105】
図9に示されるように、Resin Aを用いて処理された水のpHは、処理全体を通して、比較的一定のままであり、そして対照のものと
近く一致していた。Media B及びCを用いて処理された水のpHは、当初、非常に低く、次いで、時間と共に高くなった。同様に、
図10に示されるように、Resin Aを用いて処理された水の
TDSは、比較的一定のままであり、そして処理全体を通して対照と等しかった。Media B及びCを用いて処理された水の
TDSは、優位に低く、そして概して、使用に伴い、時間と共に高くなった。特定の理論に結びつけられることを望まないが、Media B及びCに関して、時間と共に、TDS及びpHが徐々に高くなることは、
それらの媒体
が使用され、そして使用に伴い、時間と共に、それらの効力を徐々に失う
ことによると考えられる。Media B及びCが、ある期間用いられない、すなわち、休憩時間があると、
図9及び
図10における最後のデータの点において観察されるように、pH及びTDSの降下が再びおこる。
【0106】
また、Media B及びCを用いて処理された水のpH及びTDSの即時の降下は、この特定の媒体により生じた、水からの炭酸カルシウムの析出の結果であると考えられる。上記水の変化は、カルシウム及び炭酸塩イオンの
水からの除去、並びに同時に生じるCO
2の水への添加により
化学的に説明される。これらの
析出の副作用は、媒体のメーカーから入手できる文献に記載されている。
【0107】
まとめると、本発明の実施形態に従う樹脂、Resin Aを用いて処理された水、当該水のpH及びTDSは、対照から実質的に外れないことが見いだされた。これは、Resin Aが、水中に硬度
成分の
析出を生じさせないことを示している。
【0108】
[例8]
酸化剤を、水処理装置に添加する影響を評価するための試験を実施した。この試験に関して、酸化剤として塩素を用い、そして2つの濃度、1ppm及び10ppmで試験した。酸化剤の添加をまた、上記水が上記樹脂により処理される前又は後に添加された場合において評価した。上記試験をまた、上記樹脂の前又は後に、炭素フィルターを追加する影響に関して評価した。試験された樹脂は、Lanxess Lewatit S−8528であった。上記樹脂を、4ガロン/分(15.1L/分)において、17gpg(292.4mg/L)の冷水を用い、9秒のオン、27秒のオフの5500回のサイクル
で前調
整した。
【0109】
2つの試験を実施し、1つは、性能を評価するため、そして1つは、水の総有機系炭素(TOC)を測定するためである。性能試験において、ドア型の皿洗い機(Hobart AM−15)を用いた。選択された処理装置を、食器洗い機の水注入口に接続し、
上記食器洗い機に関する全ての水を処理した。注入水は、17グレーン(292.4mg/L)の硬度を有していた。ガラス器具を、ガラス器具ラック内の食器洗い機の内部に置いた。上記
食器洗い機を、130サイクル、通常
通り運転した。この試験では、上記
水処理装置以外の化学物質、例えば、洗浄剤、すすぎ助剤、及び酸化剤、塩素の添加は用いなかった。130サイクルが完了した後、ガラス器具を取り出し、そして空気乾燥させた。上記ガラスの写真を撮影した。また、ライトボックスを用いて、存在する水垢の量に直接相関する、反射率を測定した。すなわち、より低い評点は、上記ガラス上に存在する水垢が少ないことに相当する。
【0110】
追加の炭素フィルターを用いて又は用いずに、上記水を、上記処理装置に通過させる前又は後のどちらかに添加された1ppmの塩素を含む試験の結果を、
図11に示す。
図12は、追加の炭素フィルターを用いて又は用いずに、上記水を、上記処理装置に通過させる前又は後のどちらかに添加された10ppmの塩素を含む試験の結果を示す。
【0111】
これらの図に示されるように、上記水処理装置の前で塩素の濃度を高めることにより、食器洗い機試験における
上記水処理装置の性能が向上する。上記作用は、より高濃度の塩素(10ppm)においてさらに向上する。
【0112】
上記試料のTOC(ppm)をまた、GE Sievers 900研究室用TOCアナライザーを用いて評価した。結果を、
図13(1ppmの塩素を添加した)及び
図14(10ppmの塩素を添加した)に示す。これらの図に示すように、上記樹脂の前に、塩素濃度を10ppmに上げることにより、炭素フィルターの位置にかかわらず、TOC濃度が増加する。上記樹脂の前に塩素を添加すると、当該塩素が、上記樹脂と接触し、そして上記樹脂に酸化剤として作用するであろう。
図14に示されるように、上記樹脂の前の10ppmの塩素により、上記樹脂の後に10ppmの塩素を添加することと比較して、TOC濃度が増加する。
【0113】
上記水処理装置に対する種々の酸化剤の作用を評価するための別の実験を実施した。この試験において、上記水処理装置に、次の樹脂が含まれる:Lanxessから市販される、Lanxess Lewatit S−8528;Dowから市販されるIRC−76;Purolite Corporationから市販される、Purolite C107;及びDowから市販される、Dow MAC−3。2,400サイクルの間、上記樹脂に冷水を通すことにより、樹脂を前調
整した。各サイクルは、4ガロン/分(15.1L/分)において、17gpg(292.4mg/L)の冷水を用いて、9秒のランタイム、続いて27秒のオフからなった。この振とう試験において、5グラムの湿潤した樹脂を、選択された酸化剤を含む、40gの水溶液に入れ、次いで、手で10秒間振とうし、次いで、同一の溶液に一晩中水没させた。この試験における酸化剤には、以下が含まれる:150ppmのClO、及び150ppmのH
2O
2。ろ過前に、上記溶液をさらに振とうした。フィルター材料のTOCを評価した。
【0114】
この試験の結果を、
図15に示す。
図15に示されるように、いずれかの酸化剤を添加することにより、それぞれのろ過物における、それぞれのTOCの濃度が向上する。特定の理論に結びつけられることを望まないが、Mac−3樹脂は、高度に架橋された樹脂であるため、非常に低い比TOCを有すると考えられる。当業界では、TOC濃度は、架橋率と逆相関することが知られている。
【0115】
振とう試験において、塩素の添加の作用をさらに評価するための別の試験を実施した。この試験において、上記水処理装置に、次の樹脂が含まれる:Lanxessから市販される、Lanxess Lewatit S−8528;Dowから市販される、IRC −76;Purolite Corporationから市販される、Purolite C107;及びDowから市販される、Dow MAC−3。上記樹脂に2,400サイクルの間、冷水を通すことにより、樹脂を前調
整した。この振とう試験において、5グラムの湿潤した樹脂と、40gの水とを、10分間、自動シェーカー上で、共に振とうした。5ppmもしくは10ppm塩素のいずれか、又は塩素なし(対照)を、上記水に添加した。10分後、上記水をろ過し、そしてTOCを測定した。この試験の結果を、
図16に示す。この図に示されるように、塩素の添加により、試験された4種の樹脂のうち3種において、TOC濃度
が高められた。特定の理論に結びつけられることを望まないが、Mac−3樹脂は、さらに高度に架橋されているので、非常に低いTOC濃度を有したと考えられる。
【0116】
[例9]
消耗した樹脂材料を含む種々の水処理装置を用いて、ガラス上の石灰水垢形成の制御を評価するための試験を実施した。試験される樹脂は、それぞれ、研究用試験機器において、約6,600サイクルの間、17グレーン(292.4mg/L)の冷水を通すことにより、あらかじめ消耗させた。各調
整サイクルは、4ガロン/分(15.1L/分)において、17gpg(292.4mg/L)の冷水を用いて、9秒のランタイム、続いて27秒のオフからなった。試験された樹脂には、下記が含まれる:Lanxessから市販される、Lanxess Lewatit S−8528;Dowから市販される、IRC −76;Purolite Corporationから市販される、Purolite C107;Dowから市販される、Dow MAC−3;及びWatts Water Technologiesから市販される、Watts OneFlow II。
【0117】
ドア型皿洗い機(Hobart AM−15)を用いて、試験を実施した。選択された試験装置は、食器洗い
機への注入水に接続され、上記
食器洗い機に関する全ての水を処理した。注入水は、17グレーン(292.4mg/L)の硬度を有していた。100回の連続サイクルの間、試験を実施した。各サイクルは、以下から成った:160°F(71.1℃)で、45秒の洗浄、186°F(85.6℃)で、10秒の洗浄、そして各サイクル間の20秒の休止又は静止。
【0118】
ガラス器具を、ガラス器具ラック内の食器洗い機内部に置いた。上記
食器洗い機を、100サイクル
、通常通り運転した。この試験では、上記処理装置以外の、化学物質、例えば、洗浄剤、すすぎ助剤は用いなかった。100サイクルが完了した後、上記ガラス器具を取り出し、そして空気乾燥させた。上記ガラスの写真を撮影した。ライトボックスを用いて、存在する水垢の量に直接相関する、反射率を測定した。
【0119】
結果を、
図17に示す。この図に示すように、消耗させたIRC−76及びLanxess材料は、上記皿洗い機内で最良に機能し、すなわち、水垢が最も少なかった。
図17の最初の4種の樹脂は、それぞれ、消耗するように前調
整された、ポリアクリレート弱酸カチオン交換樹脂であ
る。上記に示すように、この試験における水垢防止性能は、乏しい(Mac−3)から、まずまず(C107)、良好(IRC−76及びS−8528)へ大きく変化した。特定の理論に結びつけられることを望まないが、これらの樹脂の化学的な相違が、性能の相違をもたらしたと考えられる。上記樹脂の架橋率は、Mac−3樹脂により例証されるように、その1つの相違点であり、そのかなり低いTOC濃度(
図15及び16)により示されるように、比較的高い水準の架橋を有することが想定される。
【0120】
[例10]
17gpg(292.4mg/L)の冷水を23,000サイクル樹脂に通し、17gpg(292.4mg/L)の温水を30,000サイクル樹脂に通すことにより、種々の樹脂試料を前調
整した。試験された樹脂には、下記が含まれる:Lanxessから市販される、Lanxess Lewatit S−8528;Dowから市販されるIRC −76;Purolite Corporationから市販される、Purolite C107;Dowから市販される、Dow MAC−3;及びWatts Water Technologiesから市販される、Watts OneFlow II。各サイクルは、9秒のランタイム、続いて27秒のオフから成った。30グラムの湿潤した樹脂を、25gの超純水に入れ、そして一晩中振とうした。次いで、試料をろ過し、そしてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に供した。
【0121】
試料を、TriSEC検出器配列を備えている、Viscotek GPCmaxに置いた。50μLの各試料を、屈折率の検出のみを用いた水系のGPCシステムに注入し、見かけの濃度を決定した。結果を、
図18Aに示す。この図に示されるように、クロマトグラフは、IRC−76よりも低濃度の抽出物を示した。クロマトグラフ上の保持時間は、10,000未満の分子量のポリアクリレート標準と一致する。
【0122】
この試験では、試験される各ポリマーにおいて、検出器の応答が同様であると仮定すると、Dow社のMAC−3樹脂から抽出された物質の見かけの濃度は、他の試験された樹脂抽出物よりも
測定可能な程度に低かった。これらの結果は、TOC分析(例8で論じられる)と一致し、Dow MAC−3は、他の試験された樹脂全てと比較して、最も少ない炭素含有量を有することを示している。GPC試験はまた、含有される炭素が、低分子量炭化水素としてではなく、低分子量ポリマーとして存在することを示している。FTIR分析により、上記ポリマーは、ポリアクリレート種である可能性が高いことを確認した。
【0123】
まとめると、適用試験と組み合わせて、この検討は、最小濃度のTOC/ポリマーが、機能のために必要であることを実証し
ている。TOC及びGPC試験により示されるDow社のMAC−3と同様に、抽出物の濃度が低すぎると、適用試験の結果は、例9により示されるように、非常に乏しくなる。
【0124】
[他の実施形態]
本発明を、その詳細な説明に関連して説明してきたが、明細書は、本発明の具体的に説明することを目的とし、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を制限するものではない。他の態様、優位性、及び改良が、次の特許請求の範囲内にある。
【0125】
さらに、上述の、全ての特許公報の内容は、参照により、それら全体を、本明細書に援用する。
値及び範囲が、本明細書に規定され、これらの値及び範囲に包含される全ての値及び範囲が、本発明の範囲内に包含されることを意味することが理解される。さらに、これらの範囲内にある全ての値、並びに値の範囲の上限及び下限は、本出願により企図される。
本発明の実施態様の一部を以下の項目1−77に列記する。
[1]
(a)第1の処理リザーバに水を供給するための注入口、
(b)複数の1種又は2種以上の多価カチオンを充填させた、実質的に水不溶性の樹脂材料を含む水処理組成物、ここで、前記組成物は、前記処理リザーバ内に含まれる、
(c)第1の処理リザーバに流体接続された放出口、ここで、前記放出口は、前記処理リザーバから、処理された水を供給する、
を含む、水源を取り扱うための装置。
[2]
前記樹脂材料が、弱酸カチオン樹脂を含む、項目1に記載の装置。
[3]
前記樹脂材料が、ゲル型樹脂構造物、マクロ多孔質型樹脂構造物、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目1に記載の装置。
[4]
前記弱酸カチオン樹脂が、架橋されたアクリル酸ポリマー、架橋されたメタクリル酸ポリマー、及びそれらの混合物から成る群から選択される、項目2に記載の装置。
[5]
前記樹脂材料が、カルボキシル基を含む官能基を含む表面を有する、項目1に記載の装置。
[6]
樹脂ポリマーが、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、並びにそれらの誘導体及び混合物から成る群から選択される、添加された追加のコポリマーを有する、項目4に記載の装置。
[7]
前記アクリル酸ポリマーが、ポリビニル芳香族化合物で架橋されている、項目4に記載の装置。
[8]
前記ポリビニル芳香族化合物が、ポリビニル芳香族化合物、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ポリビニルアントラセン、並びにそれらの誘導体及び混合物から成る群から選択される、項目7に記載の装置。
[9]
前記樹脂が、約150〜約100,000の分子量を有するポリマー材料を、前記水源に供給する、項目4に記載の装置。
[10]
前記架橋されたアクリル酸ポリマーが、約0.5%〜約25%、架橋されている、項目4に記載の装置。
[11]
前記架橋されたアクリル酸ポリマーが、8%未満、架橋されている、項目4に記載の装置。
[12]
前記多価カチオンが、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの混合物を含む、項目1に記載の装置。
[13]
前記混合物が、約1:10〜約10:1の、カルシウムイオン:マグネシウムイオンの比率を含む、項目12に記載の装置。
[14]
前記混合物が、2:1の比のカルシウムイオン:マグネシウムイオンを含む、項目12に記載の装置。
[15]
前記樹脂が、消耗したイオン交換樹脂を含む、項目1に記載の装置。
[16]
前記組成物が、前記水と接触する際に、水の供給源から、水硬度イオンを析出させない、項目1に記載の装置。
[17]
前記組成物が、前記処理リザーバ内で攪拌されている、項目1に記載の装置。
[18]
前記組成物が、カラムを通る水の流れ、流動化、機械的撹拌、エアースパージャ、排出流、邪魔板、流動障害物、静的ミキサー、高逆流洗浄、再循環、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される方法により攪拌されている、項目17に記載の装置。
[19]
前記注入口が、前記リザーバの底に配置され、そして前記放出口が、前記リザーバの最上部に配置されている、項目1に記載の装置。
[20]
前記注入口が、加圧されたスプレーノズルをさらに含む、項目1に記載の装置。
[21]
前記スプレーノズルが、前記水を、前記処理リザーバに、約5フィート/分〜約200フィート/分の速度で供給する、項目20に記載の装置。
[22]
前記処理リザーバ内の前記組成物の床の深さが、1.5フィート未満である、項目1に記載の装置。
[23]
前記処理リザーバが、前記組成物の上にヘッドスペースをさらに含む、項目1に記載の装置。
[24]
前記処理リザーバが、酸化剤をさらに含む、項目1に記載の装置。
[25]
前記酸化剤が、塩素、過酸化水素、酸素、及びそれらの混合物から成る群から選択される、項目24に記載の装置。
[26]
少なくとも1つの追加の処理リザーバをさらに含み、当該追加の処理リザーバが、下記、
(a)注入口、
(b)複数の1種又は2種以上の多価カチオンを充填させた、実質的に水不溶性の樹脂材料を含む水処理組成物、及び
(c)放出口、
を含む、項目1に記載の装置。
[27]
前記少なくとも1つの追加の処理リザーバが、第1の処理リザーバと直列で供給されている、項目26に記載の装置。
[28]
前記少なくとも1つの追加の処理リザーバが、第1の処理リザーバと並列で供給されている、項目26に記載の装置。
[29]
前記第1の処理リザーバが、移動式の、交換可能なカートリッジを含む、項目1に記載の装置。
[30]
前記追加の処理リザーバが、移動式の、交換可能なカートリッジを含む、項目26に記載の装置。
[31]
前記放出口に接続されているフィルターがない、項目1に記載の装置。
[32]
前記装置が、自動洗浄システム内に配置されている、項目1に記載の装置。
[33]
前記自動洗浄機が、自動製品洗浄機、乗物洗浄システム、機器洗浄機、定位置清浄システム、食品加工清浄システム、ボトル洗浄機、及び自動洗濯洗浄機から成る群から選択される、項目32に記載の装置。
[34]
自動洗浄機の上流に配置されている、項目1に記載の装置。
[35]
前記自動洗浄機が、自動製品洗浄機、乗物洗浄システム、機器洗浄機、定位置清浄システム、食品加工清浄システム、ボトル洗浄機、及び自動洗濯洗浄機から成る群から選択される、項目34に記載の装置。
[36]
逆浸透水処理デバイス、熱交換水処理デバイス、炭素フィルター、及びそれらの混合物から成る群から選択される水処理デバイスの上流に配置されている、項目1に記載の装置。
[37]
処理された水を、コーヒーマシーン、エスプレッソマシーン、製氷機、スチームテーブル、ブースターヒーター、食料品店の噴霧器、加湿器、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるデバイスに供給する、項目1に記載の装置。
[38]
水を処理する方法であって、
水源を、複数の1種又は2種以上の多価カチオンを充填させた、実質的に水不溶性の樹脂材料を含む水処理組成物と、前記水を処理するように接触させるステップ、
を含む、前記方法。
[39]
前記樹脂材料が、弱酸カチオン樹脂を含む、項目38に記載の方法。
[40]
前記樹脂材料が、ゲル型樹脂構造物、マクロ多孔質型樹脂構造物、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目38に記載の方法。
[41]
前記弱酸カチオン樹脂が、架橋されたアクリル酸ポリマー、架橋されたメタクリル酸ポリマー、及びそれらの混合物から成る群から選択される、項目39に記載の方法。
[42]
前記樹脂材料が、カルボキシル基を含む官能基を含む表面を有する、項目39に記載の方法。
[43]
樹脂ポリマーが、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、並びにそれらの誘導体及び混合物から成る群から選択される、添加された追加のコポリマーを有する、項目41に記載の方法。
[44]
前記アクリル酸ポリマーが、ポリビニル芳香族化合物で架橋されている、項目41に記載の方法。
[45]
前記ポリビニル芳香族化合物が、ポリビニル芳香族化合物、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ポリビニルアントラセン、並びにそれらの誘導体及び混合物から成る群から選択される、項目44に記載の方法。
[46]
前記架橋されたアクリル酸ポリマーが、前記水源と接触する際に、前記水源に、約150〜約100,000の分子量を有するポリマー材料を供給する、項目41に記載の方法。
[47]
前記架橋されたアクリル酸ポリマーが、約0.5%〜約25%、架橋されている、項目41に記載の方法。
[48]
前記多価カチオンが、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの混合物を含む、項目38に記載の方法。
[49]
前記混合物が、約1:10〜約10:1の、カルシウムイオン:マグネシウムイオンの比率を含む、項目48に記載の方法。
[50]
前記混合物が、2:1の比のカルシウムイオン:マグネシウムイオンを含む、項目48に記載の方法。
[51]
前記樹脂が、消耗したイオン交換樹脂を含む、項目38に記載の方法。
[52]
前記組成物が、前記水と接触する際に、水の供給源から、水硬度イオンを析出させない、項目38に記載の方法。
[53]
前記接触させるステップが、前記水を、前記組成物を含む処理リザーバに通すことを含む、項目38に記載の方法。
[54]
前記接触させるステップの際に、前記組成物を攪拌することをさらに含む、項目38に記載の方法。
[55]
前記組成物を、カラムを通る水の流れ、流動化、機械的撹拌、エアースパージャ、排出流、邪魔板、流動障害物、静的ミキサー、高逆流洗浄、再循環、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される方法により攪拌する、項目54に記載の方法。
[56]
前記組成物を接触させるステップの前に、前記水源を加熱することをさらに含む、項目38に記載の方法。
[57]
前記水を、約30℃〜約90℃の温度に加熱する、項目56に記載の方法。
[58]
前記組成物を接触させるステップの前、又はその際に、水源のpHを上げるステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
[59]
水源のpHを、約8〜約10のpHに上げる、項目58に記載の方法。
[60]
水源のpHを上げるステップが、カルサイト源を、前記水又は装置に添加することを含む、項目58に記載の方法。
[61]
前記接触させるステップの際に、前記組成物が、約10〜約1000ppbの、実質的に水不溶性の樹脂材料を、前記水源に供給する、項目38に記載の方法。
[62]
前記接触させるステップの際に、前記組成物が、約10〜約1000ppbの水溶性ポリマー材料を、前記水源に供給する、項目38に記載の方法。
[63]
前記ポリマー材料が、ポリアクリレート材料を含む、項目62に記載の方法。
[64]
前記ポリアクリレート材料が、低分子量ポリアクリレート材料を含む、項目63に記載の方法。
[65]
処理された水が、当該処理された水と接触した表面の水垢の形成を減少させる、項目38に記載の方法。
[66]
製品を清浄するために、処理された水源を使用する方法であって、次の各ステップ、
(a)水源を処理するステップ、ここで、当該水源を処理するステップは、複数の1種又は2種以上の多価カチオンを充填させた、実質的に水不溶性の樹脂材料を含む水処理組成物を、水源と接触させ、処理された水源を生成することを含む、
(b)処理された水及び洗浄剤を用いて、使用溶液を生成するステップ、そして
(c)前記製品を、前記使用溶液に接触させ、前記製品を清浄するステップ、
を含む、前記方法。
[67]
水性システム内の水垢の形成を減少させる方法であって、
前記水性システムを、複数の多価カチオンを充填させた、実質的に水不溶性の樹脂材料から本質的に成る組成物と接触させ、前記水性システム内の水垢の形成を減少させるステップ、
を含む方法。
[68]
水処理デバイスを製造する方法であって、次の各ステップ、
(a)実質的に水不溶性の樹脂材料を含む組成物を、処理リザーバに充填するステップ、ここで、前記処理リザーバは、注入口及び放出口を含む;そして
(b)前記樹脂材料を消耗させるステップ、ここで当該樹脂材料を消耗させるステップは、前記樹脂材料の表面に、複数の多価カチオンを充填することを含む、
を含む方法。
[69]
前記多価カチオンが、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの混合物を含む、項目68に記載の方法。
[70]
前記混合物が、約1:10〜約10:1の、カルシウムイオン:マグネシウムイオンの比率を含む、項目69に記載の方法。
[71]
前記混合物が、1:1の比のカルシウムイオン:マグネシウムイオンを含む、項目69に記載の方法。
[72]
水垢の形成を減少させる方法であって、次のステップ、
(a)約10〜約1000ppbの、実質的に水不溶性の樹脂材料を、水源に供給し、水垢の形成を減少させるステップ、
を含む方法。
[73]
水垢の形成を減少させる方法であって、次のステップ、
(a)約10〜約1000ppbの、実質的に水不溶性の樹脂材料から得られた水溶性ポリマー材料を供給するステップ、
を含む方法。
[74]
前記ポリマー材料が、ポリアクリレート材料を含む、項目73に記載の方法。
[75]
前記ポリアクリレート材料が、低分子量のポリアクリレート材料を含む、項目74に記載の方法。
[76]
実質的に水不溶性の樹脂材料の供給源から本質的になる水処理組成物であって、
前記樹脂材料に、周期表の列1a、2a又は3aの元素の供給源から成る群から選択される複数のカチオンを充填し、ここで、前記カチオンがカルシウムを含まない、
前記水処理組成物。
[77]
前記カチオンが、水素イオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、チタンイオン、及びそれらの混合物から成る群から選択される、項目76に記載の組成物。