特許第6121749号(P6121749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121749
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】フェーズロックドループ
(51)【国際特許分類】
   H03L 7/093 20060101AFI20170417BHJP
   H03L 7/099 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   H03L7/093
   H03L7/099 150
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-37055(P2013-37055)
(22)【出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2013-179590(P2013-179590A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2016年1月18日
(31)【優先権主張番号】13/407,334
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591128453
【氏名又は名称】株式会社メガチップス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】イン ウェンジン
(72)【発明者】
【氏名】アーナンド ゴパラン
【審査官】 橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第7177611(US,B2)
【文献】 特開平01−258510(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0271140(US,A1)
【文献】 特開2002−185291(JP,A)
【文献】 特開2007−013950(JP,A)
【文献】 米国特許第06157691(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03L1/00−9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源端子と制御端子とを有し、発振信号を生成する発振器と、
前記発振信号の位相と基準信号の位相との位相差を検出し、該位相差の積分値を示す積分信号と、該位相差の現在の値を示す比例信号とを生成する検出部と、
誤差増幅器を含むフィードバックループを有するレギュレータを備え、前記積分信号を受信して安定化させた積分信号を前記発振器の電源端子に供給する積分パスと、
前記積分信号とは別個に、前記比例信号を前記発振器の制御端子に供給する比例パスとを含み、
前記発振器が前記安定化させた積分信号と前記比例信号との両方によって制御された発振周波数の前記発振信号を生成することにより、該発振信号の位相を前記基準信号の位相にロックさせ
前記積分パスが、前記安定化させた積分信号をアナログ形式で前記発振器の電源端子に供給し、
前記比例パスが、前記比例信号をデジタル形式で前記発振器の制御端子に供給し、選択可能な回路要素を選択することにより前記発振周波数を調整することを特徴とするフェーズロックドループ。
【請求項2】
前記発振信号を分周して分周信号を生成する分周器をさらに含み、前記検出部が、前記分周信号の位相と前記基準信号の位相とを比較して前記位相差を検出することを特徴とする請求項1記載のフェーズロックドループ。
【請求項3】
前記検出部が、前記比例信号として、前記位相差に基づくアップ信号およびダウン信号を生成し、
前記比例パスが、前記アップ信号およびダウン信号を前記発振器の制御端子に供給することを特徴とする請求項1または2記載のフェーズロックドループ。
【請求項4】
前記発振器が、それぞれに前記選択可能な回路要素を備えた複数の遅延セルが直列接続されたリングオシレータであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフェーズロックドループ。
【請求項5】
前記レギュレータが電圧レギュレータであり、
前記発振器が前記安定化させた積分信号の電圧に依存した周波数を有する前記発振信号を生成する電圧制御発振器であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフェーズロックドループ。
【請求項6】
前記発振器が、それぞれがインバータを含む複数の枝路と該枝路を並列に接続するスイッチとをそれぞれ備えた、複数の遅延セルを直列に接続したリングオシレータであり、
前記比例信号が、前記複数の遅延セルのそれぞれの前記並列に接続される枝路の数を選択することを特徴とする請求項記載のフェーズロックドループ。
【請求項7】
前記レギュレータが電流レギュレータであり、
前記発振器が前記安定化させた積分信号の電流に依存する周波数の発振信号を生成する電流制御発振器であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフェーズロックドループ。
【請求項8】
発振信号を生成する発振器と、
前記発振信号の位相と基準信号の位相との間の位相差を検出し、該位相差の積分値を表す積分信号と、該位相差の現在値を表す比例信号とを生成する検出部と、
誤差増幅器を含むフィードバックループを有するレギュレータを備え、前記積分信号を受信して安定化させた積分信号を前記発振器の電源端子に供給する積分パスと、
前記積分信号とは分離して、前記比例信号を前記発振器の制御端子に供給する比例パスとを含み、
前記発振器が前記安定化させた積分信号と前記比例信号との両方によって制御された周波数の前記発振信号を生成することにより、該発振信号の位相を前記基準信号の位相にロックさせ
前記積分パスが、前記安定化させた積分信号をアナログ形式で前記発振器に供給し、
前記比例パスが、前記比例信号をデジタル形式で前記発振器に供給し、選択可能な回路素子を選択することにより前記発振周波数を調整することを特徴とするフェーズロックドループ。
【請求項9】
前記発振信号を分周して分周信号を生成する分周器をさらに含み、
前記検出部が前記分周信号の位相と前記基準信号の位相とを比較して前記位相差を検出することを特徴とする請求項記載のフェーズロックドループ。
【請求項10】
前記検出部が、前記比例信号として、前記位相差に基づくアップ信号およびダウン信号を生成し、
前記比例パスが、前記アップ信号およびダウン信号を前記発振器に供給することを特徴とする請求項または記載のフェーズロックドループ。
【請求項11】
前記発振器が、少なくとも1つのバラクタと複数の選択可能な容量素子と有するLC発振器であり、
前記積分パスが供給する前記安定化させた積分信号によって前記バラクタの容量が調整され、前記比例パスが供給する前記比例信号によって前記容量素子の個数が選択されることを特徴とする請求項ないし10のいずれかに記載のフェーズロックドループ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェーズロックドループに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フェーズロックドループ(PLL)は、電子機器において、クロック生成やデータ抽出およびタイミング調整、等のために広く利用されている。PLLに求められる特性としては、低ジッタ、低電力、小面積、広い動作範囲、プロセス・電源電圧・動作温度の変化に対する耐性、等がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】W. Yin, et al., IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol.46, No. 8, pp. 1870-1880, Aug. 2011, "A 0.7-to-3.5 GHz 0.6-to-2.8 mW highly digital phase-locked loop with bandwidth tracking"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、帯域幅を広げて位相雑音を抑制しながら電源電圧変動除去率が高いフェーズロックドループを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、電源端子と制御端子とを有し、発振信号を生成する発振器と、
前記発振信号の位相と基準信号の位相との位相差を検出し、該位相差の積分値を示す積分信号と、該位相差の現在の値を示す比例信号とを生成する検出部と、
誤差増幅器を含むフィードバックループを有するレギュレータを備え、前記積分信号を受信して安定化させた積分信号を前記発振器の電源端子に供給する積分パスと、
前記積分信号とは別個に、前記比例信号を前記発振器の制御端子に供給する比例パスとを含み、
前記発振器が前記安定化させた積分信号と前記比例信号との両方によって制御された発振周波数の前記発振信号を生成することにより、該発振信号の位相を前記基準信号の位相にロックさせることを特徴とするフェーズロックドループを提供する。
【0006】
ここで、前記発振信号を分周して分周信号を生成する分周器をさらに含み、前記検出部が、前記分周信号の位相と前記基準信号の位相とを比較して前記位相差を検出することが好ましい。
【0007】
また、前記検出部が、前記比例信号として、前記位相差に基づくアップ信号およびダウン信号を生成し、
前記比例パスが、前記アップ信号およびダウン信号を前記発振器の制御端子に供給することが好ましい。
【0008】
また、前記積分パスが、前記安定化させた積分信号をアナログ形式で前記発振器の電源端子に供給し、
前記比例パスが、前記比例信号をデジタル形式で前記発振器の制御端子に供給し、選択可能な回路要素を選択することにより前記発振周波数を調整することが好ましい。
【0009】
また、前記発振器が、それぞれに前記選択可能な回路要素を備えた複数の遅延セルが直列接続されたリングオシレータであることが好ましい。
【0010】
また、前記レギュレータが電圧レギュレータであり、
前記発振器が前記安定化させた積分信号の電圧に依存した周波数を有する前記発振信号を生成する電圧制御発振器であることが好ましい。
【0011】
また、前記発振器が、それぞれがインバータを含む複数の枝路と該枝路を並列に接続するスイッチとをそれぞれ備えた、複数の遅延セルを直列に接続したリングオシレータであり、
前記比例信号が、前記複数の遅延セルのそれぞれの前記並列に接続される枝路の数を選択することが好ましい。
【0012】
また、前記レギュレータが電流レギュレータであり、
前記発振器が前記安定化させた積分信号の電流に依存する周波数の発振信号を生成する電流制御発振器であることが好ましい。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、発振信号を生成する発振器と、
前記発振信号の位相と基準信号の位相との間の位相差を検出し、該位相差の積分値を表す積分信号と、該位相差の現在値を表す比例信号とを生成する検出部と、
誤差増幅器を含むフィードバックループを有するレギュレータを備え、前記積分信号を受信して安定化させた積分信号を前記発振器の電源端子に供給する積分パスと、
前記積分信号とは分離して、前記比例信号を前記発振器の制御端子に供給する比例パスとを含み、
前記発振器が前記安定化させた積分信号と前記比例信号との両方によって制御された周波数の前記発振信号を生成することにより、該発振信号の位相を前記基準信号の位相にロックさせることを特徴とするフェーズロックドループを提供する。
【0014】
ここで、前記発振信号を分周して分周信号を生成する分周器をさらに含み、
前記検出部が前記分周信号の位相と前記基準信号の位相とを比較して前記位相差を検出することが好ましい。
【0015】
また、前記検出部が、前記比例信号として、前記位相差に基づくアップ信号およびダウン信号を生成し、
前記比例パスが、前記アップ信号およびダウン信号を前記発振器に供給することが好ましい。
【0016】
また、前記積分パスが、前記安定化させた積分信号をアナログ形式で前記発振器に供給し、
前記比例パスが、前記比例信号をデジタル形式で前記発振器に供給し、選択可能な回路素子を選択することにより前記発振周波数を調整することが好ましい。
【0017】
また、前記発振器が、少なくとも1つのバラクタと複数の選択可能な容量素子と有するLC発振器であり、
前記積分パスが供給する前記安定化させた積分信号によって前記バラクタの容量が調整され、前記比例パスが供給する前記比例信号によって前記容量素子の個数が選択されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願の1実施形態のフェーズロックドループ100のブロック図である。
図2】本願の他の実施形態のフェーズロックドループ200のブロック図である。
図3】本願の他の実施形態のフェーズロックドループ300のブロック図である。
図4】(a)および(b)は、本願の実施形態のデジタル制御発振器440のブロック図である。
図5】本願の他の実施形態のデジタル制御発振器540のブロック図である。
図6】本願の他の実施形態のデジタル制御発振器640のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願の様々な実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本願の1実施形態のフェーズロックドループPLL100のプロック図である。PLL100は、基準信号REFに位相ロックした出力信号OUTを生成する。PLL100は、OUTとREFとの間の位相差を表す比例信号と、位相差の積算値の相対的に低い低周波の成分を表す積分信号とを生成する検出部110を含む。PLL100はさらに、2つの制御パラメータを有する発振器180と、比例信号に基づいて制御パラメータを制御する比例パス150と、積分信号に基づいて制御パラメータを制御する積分パス160とを有する。これらの要素は図1に示されたように接続される。
【0021】
検出部110は、比例信号および積分信号を生成する様々な技術を利用することができる。図1の例では、検出部110は位相差検出回路120とフィルタ130とを含む。位相差検出回路120は信号OUTとREFとを受信し、OUTとREFとの間の位相差を表す比例信号を生成する。フィルタ130は比例信号を受信し、連続的に積分することにより積分信号を生成する。すなわち、フィルタ130は比例信号から高周波成分を除去して平滑化することにより積分信号を生成する。
【0022】
実施形態において、位相差検出回路120は、UPおよびDN信号等の、幅が変化するパルス信号の対を生成する位相周波数検出器によって構成することができる。パルス信号の幅はOUTとREFとの位相差に基づいて変化する。例えば、REFがOUTより正の位相差だけ進んでいる場合、位相周波数検出器は、正の位相差に比例するパルス幅のUP信号パルスを出力する。REFがOUTより正の位相差だけ遅れている場合、位相周波数検出器は、正の位相差に比例するパルス幅のDN信号パルスを出力する。
【0023】
実施形態において、フィルタ130は、デジタル信号処理を利用して積分信号を生成するデジタルループフィルタとして実装される。例えば、UPおよびDN信号が位相差を表すデジタル信号を生成するために利用される。フィルタ130は、平均化処理により高周波成分を除去した積分信号を生成する累算器を有する。これ以外に、例えば、時間デジタルコンバータTDCを位相差検出のために利用する、チャージポンプを利用するループフィルターによって高周波成分を除去する、等が可能である。
【0024】
発振器180は、様々な技術を利用して実現可能であり、比例信号と積分信号とによって別個に制御可能なC1,C2等の2つの制御パラメータに基づいて発振信号OUTを生成する。発振信号OUTの周波数はこれらの制御パラメータによって調整される。
【0025】
実施形態において、発振器180は、発振信号OUTの周波数が制御電圧に依存する電圧制御発振器VCOとして実装される。VCOはさらに、別の制御パラメータを有する。例えば、VCOが複数の遅延セルが直列に接続されたリングオシレータの構成を有する場合、遅延セル数、遅延セルの寸法、遅延セルの負荷容量値、遅延セルの電流等が、発振信号OUTの周波数を制御するために利用できる。比例信号と積分信号とは、別個に、制御電圧と例えば遅延セルの寸法とを調整するために利用される。
【0026】
他の実施形態では、発振器180はLC発振器として実装される。LC発振器の周波数はLC発振器のインダクタンス値と容量値とに依存する。1例においては、LC発振器の容量値はバラクタと容量バンクとの両方によって決定される。バラクタは電圧によって制御される容量を有し、容量バンクは複数の容量素子を有し、その中から選択されたものがLC発振器に接続される。比例信号と積分信号とは別個に、例えば、バラクタの容量値と容量バンクから選択する容量素子の個数とを制御する。
【0027】
比例パス150には様々な回路が利用でき、比例信号に基づいて発振器180の例えばC1の制御パラメータを調整する。1例として、比例パスは、発振器180のスイッチを制御するためにUP,DN信号対を利用する。別の例では、比例パス150は、UP,DN信号対をアナログ信号に変換するデジタルアナログコンバータを備え、アナログ信号を制御パラメータを調整するために利用する。実施形態において、比例パス150は比較的高いゲインを有することにより発振信号OUTの位相雑音に高速で応答する。すなわち、PLLのバンド幅を広げて位相雑音を低減する。
【0028】
積分パス160には様々な回路が利用可能であり、積分信号に基づいて発振器180の例えばC2の制御パラメータを調整する。実施形態において、積分パス160は、電圧レギュレータ、電流レギュレータ等のレギュレータ170を備え、積分信号に基づく制御信号を安定させ、この制御信号で制御パラメータC2を制御する。1例において、レギュレータ170は、積分信号に基づいて発振器180に供給する電圧を安定化させる電圧レギュレータである。積分パス160はレギュレータ170を用いて電源由来のノイズを抑制し、PLL100の電源電圧変動除去率PSRRを向上させる。
【0029】
PLL100はその他の適切な部品を含むことができる。周波数の逓倍を行う場合には、OUTの出力をN分周(Nは整数)する分周器を利用することができる。この場合、分周出力が検出部110に供給される。これにより、出力OUTの周波数はREFの周波数のN倍になる。
【0030】
図2は本願の他の実施形態のPLL200のブロック図である。PLL200は基準信号REFに基づいて出力信号OUTを生成する。図2において、PLL200は、OUTをN分周(Nは整数)する分周器211を備える。このため、PLL200は周波数逓倍回路として利用できる。PLL200は、分周信号とREFとの間の位相差を表す比例信号および位相差の低周波成分を表す積分信号とを生成する検出部210と、少なくとも2つの制御パラメータC1,C2を有する電圧制御発振器VCO280と、比例信号に基づいてC1を制御する比例パス250と、積分信号に基づいてC2を制御する積分パス260とを有する。これらの要素は図2に示されるように接続される。
【0031】
制御部210は位相周波数検出器PFD220とデジタルループフィルタ230とを含む。デジタルループフィルタ230はバングバング位相比較器!!PD231と累算器232とを含む。PFD220は分周信号と基準信号とを受信し、それぞれ異なる幅を有するパルスであるUP信号とDN信号との対を生成する。これらのパルスの幅は、分周信号と基準信号との位相差によって変化する。例えば、分周信号が基準信号よりも正の位相差だけ進んでいるときにはDN信号の方が広い幅を有する。その幅は位相差に比例する。分周信号が基準信号よりも正の位相差だけ遅れているときにはUP信号の方が広い幅を有する。その幅は位相差に比例する。
【0032】
本願において、UP,DN信号を3レベルのデジタル比例信号に対応させることも可能である。3レベルは、分周信号が基準信号よりも進んでいる状態、分周信号が基準信号に追従している状態、分周信号が基準信号よりも遅れている状態である。例えば、UP信号の論理が“0”、DN信号の論理が“1”のとき、3レベルのデジタル比例信号は分周信号が基準信号より進んでいることを、UP信号の論理が“1”でDN信号の論理が“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号は分周信号が基準信号より遅れていることを、UP信号とDN信号の両方の論理が“1”もしくは“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号は分周信号が基準信号に追従していることを表す。
【0033】
デジタルループフィルタ230において、!!PD(バングバングPD)231は、UP,DN信号を、1/−1の2値のデジタル値等の、デジタル位相エラーに変換する。!!PDは、例えばUPおよびDN信号をそれぞれD入力端子およびクロック端子に入力するD型フリップフロップで構成することができる。累算器232は、デジタル位相エラーを積算して高周波成分を除去する。累算器232は、例えば、レジスタに接続された加算器で構成することができる。
【0034】
デジタルループフィルタ230は、他の部品を含むことができる。例えば、デジタルループフィルタ230は、!!PD231と積算器232との間に図示しないデシメーション回路を含むことができる。デシメーション回路によって累算器を比較的低い周波数で動作させることが可能になる。!!PD231を、多ビットデジタル位相比較器等の、適切なデジタル位相検出器に置き換えることも可能である。
【0035】
VCO280は、比例信号および積分信号によって別個に制御されるC1,C2等の少なくとも2つの制御パラメータに基づいて発振信号OUTを生成する。発振信号OUTの周波数は、制御パラメータによって調整される。図2の例では、制御パラメータC1,C2はアナログ信号によって制御される。
【0036】
比例パス250は、比例信号UP,DNに基づいて制御パラメータC1を調整するための適切な回路を含むことができる。図2の例では、比例パス250はデジタルアナログコンバータDAC255を含む。DAC255は、3レベルのデジタル比例信号UP,DNをアナログ信号に変換し、このアナログ信号を制御パラメータC1を制御するために利用する。アナログ信号はVCO280に供給する電圧信号、もしくは、電流制御発振器を利用する場合には電流信号とすることができる。比例パス250は、比例パスのゲインを調整する増幅器等の、その他の適切な部品を含むことができる。
【0037】
積分パス260は、積分信号に基づいて制御パラメータC2を調整するための適切な回路を含むことができる。図2では、積分パス260はDAC261とレギュレータREG270を含む。DAC261はデジタル信号をデジタル形式からアナログ形式に変更する。レギュレータ270は、例えば、積分信号に基づいてVCO280に供給する電圧を安定させる。レギュレータ270は、電源からのノイズを抑制し、電源電圧変動除去率PSRRを向上させる。
【0038】
本願の実施形態では、検出部をデジタル回路で実装する。デジタル回路による実装により、PLL200の製造プロセス、電源電圧、動作温度(PVT)の変動に対する耐性を向上させることができる。また、デジタル回路は1つの製造プロセスから他の製造プロセスへの移行が容易であるため、デジタル回路による実装により、PLL200の1つの製造プロセスから他の製造プロセスへの移行が容易になる。
【0039】
デジタル回路は比較的小さなレイアウト領域に配置することが可能であり、PLL200の設置面積を小さくすることもできる。さらに、デジタル回路は消費電力が小さく、PLL200の消費電力を削減することができる。
【0040】
本願の実施形態では、PLL200はPFD220と!!PD231とを利用してデジタル位相エラーを生成する。これにより、時間デジタルコンバータTDCを利用してデジタル位相エラーを生成する場合に比較して、位相エラーの量子化にともなって必然的に発生するジッタ量を削減することができる。
【0041】
本願の実施形態のPLL200は、分離された比例パス250と積分パス260とのそれぞれで、VCO280の異なる制御パラメータを制御する。比例パス250を比較的高いゲインで実装することにより帯域幅を広げ、VCOの位相雑音を抑制することができる。
【0042】
図3は、本願の他の実施形態によるPLL300のブロック図である。PLL300は、PLL200と同一もしくは同等の回路要素を含む。これらの回路要素の説明は既になされており、煩雑になることを防ぐために省略する。
【0043】
図3において、比例信号であるUP,DN信号が、直接、VCO380のパラメータを調整するために利用されている。すなわち、比例パスがVCO380内に実装されている。
【0044】
図3の実施形態において、さらに、積分パス360はDAC361と電圧レギュレータ370を含む。レギュレータ370は演算増幅器(OA)371とP型MOSトランジスタ(PMOS)372を含む。PMOSトランジスタ372のソース端子は電源VDDに接続され、PMOSトランジスタ372のドレイン端子はVCO380に接続され、電源電圧VVCOをVCO380の電源端子に供給する。OA371の出力はPMOSトランジスタ372のゲート端子を制御する。
【0045】
DAC361は積分信号を制御信号Vctrlに変換する。OA371は制御信号VctrlとVCO380に供給する電圧VVCOとを比較し、比較結果に基づいて、電圧VVCOが制御信号Vctrlに追従するようにPMOSトランジスタ372のゲート電圧を調整する。レギュレータ370は電源VDDからのノイズを抑制し、PLL300の電源電圧変動除去率PSRRを向上させる。
【0046】
図4(a)は本願のデジタル制御発振器440の1実施形態のブロック図である。デジタル制御発振器440は、PLL300において、積分パス360とVCO380との組み合わせとして利用することができる。
【0047】
デジタル制御発振器440はDAC461と電圧レギュレータ470とVCO480とを含む。これらの要素は図4(a)に示されたように接続される。
【0048】
DAC461はデジタル形式の積分信号Dinを受信し、積分信号に対応するアナログ形式の制御電圧であるVctrlを生成する。DAC461は図示しないシグマデルタ変調器を含むことができる。DAC461は、適切な分解能を有するように、これ以外の様々な構成とすることができる。
【0049】
電圧レギュレータ470はOA471とPMOS472とを含む。PMOS472のソース端子は電源VDDに接続され、PMOS472のドレイン端子はVCO480に接続され、電圧VVCOをVCO480に供給する。OA471の出力はPMOSトランジスタ472のゲート端子を制御する。電圧レギュレータ470はさらに、第1の容量素子473と第2の容量素子474を含む。第1の容量素子473はVDDとOA471の出力とに接続され、第2の容量素子474はVVCOとグラウンドとに接続される。
【0050】
本実施形態では、電圧レギュレータ470は、第1の容量素子473と第2の容量素子474との容量値を選択することにより適切に制御することができる2つの極を有する。実施形態においては、2つの極の内の一方が支配的になるように制御することにより応答特性の悪化を防ぐことができる。本願において、2つの極のいずれを支配的にすることも可能である。一例としては、第1の容量素子473の容量値を相対的に大きくし、出力の極を支配的にすることにより、電圧レギュレータ470のPSRRを向上させる。他の例では、面積と電力との削減のため、第1の容量素子473の容量値を、出力の極が支配的にならないように選択する。
【0051】
図4(a)の例では、VCO480は4つの疑似差動ステージが接続されたリングオシレータ構造を有する。第1のステージはインバータモジュールI1,I5とトランスミッションゲートT1,T2とを、第2のステージはインバータモジュールI2,I6とトランスミッションゲートT3,T4とを、第3のステージはインバータモジュールI3,I7とトランスミッションゲートT5,T6とを、第4のステージはインバータモジュールI4,I8とトランスミッションゲートT7,T8とを含む。本実施形態では、それぞれのステージにおいて、トランスミッションゲートが常時ONされてインバータモジュールをフィードフォワード形式に接続することにより疑似差動ステージとしている。VCO480は合計8相の信号を4つのステージから出力する。
【0052】
図4(a)の例において、DAC461と電圧レギュレータ470が積分パスを構成することによりインバータモジュールI1〜I8のそれぞれに電源電圧VVCOを供給し、比例パスはインバータモジュールI1〜I8内に実装されている。
【0053】
図4(a)のインバータモジュール4Bのそれぞれは、例えば、図4(b)に示す構成とすることができる。図4(b)に示すインバータモジュール490は、並列に接続された3つの枝路を含む。第1の枝路はインバータ491と、常時閉にされたスイッチ494とを、第2の枝路はインバータ492とUP信号で制御されるスイッチ495とを、第3の枝路はインバータ493とDN信号を反転したDN_信号で制御されるスイッチ496とを含む。すなわち、スイッチ495はUP信号の論理が“0”のときに開となり、UP信号の論理が“1”のときに閉となる。スイッチ496はDN_信号の論理が“0”(DN信号の論理が“1”)のときに開となり、DN_信号の論理が“1”(DN信号の論理が“0”)のときに閉となる。
【0054】
それぞれの枝路は1つ以上のインバータを含むこともできる。異なる枝路のインバータを、同一のゲート幅/ゲート長比のトランジスタで構成することも、異なるゲート幅/ゲート長比のトランジスタで構成することも可能である。1つの実施形態では、インバータ491は、インバータ492,493に比較して、大きなゲート幅/ゲート長比のトランジスタで構成する。
【0055】
インバータモジュール490は比例信号DP,DNに応じて3つの異なる遅延を有する。例えば、スイッチ495,496の一方が閉で他が開のときインバータモジュール490は中間の遅延を、スイッチ495,496がともに閉のときインバータモジュール490は相対的に小の遅延を、スイッチ495,496がともに開のときインバータモジュール490は相対的に大の遅延を有する。ここで、2つの枝路のインバータは選択可能な回路素子として利用される。比例信号は、この、選択可能な回路素子を選択してインバータモジュール490の遅延を調整する。
【0056】
動作において、例えば、UP,DN信号の論理がともに“1”または“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号はVCO480の出力が基準信号の位相に追従していることを示し、スイッチ495,496の一方が閉、他方が開となる。これにより、インバータモジュール490は中間の遅延を有する。
【0057】
UP信号の論理が“1”でDN信号の論理が“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号はVCO480の出力の位相が比例信号より遅れていることを示し、スイッチ495,496がともに閉になる。これにより、インバータモジュール490は相対的に小の遅延を有し、VCO480の出力の周波数を上げ、VCO480の出力の位相を基準信号に近づける。
【0058】
UP信号の論理が“0”でDN信号の論理が“1”のとき、3レベルのデジタル比例信号はVCO480の出力の位相が基準信号より進んでいることを示し、スイッチ495,496がともに開になる。これにより、インバータモジュール490は相対的に大の遅延を有し、VCO480の出力の周波数を下げ、VCO480の出力の位相を基準信号に近づける。
【0059】
図5は、本願のデジタル制御発振器540の他の実施形態を示すブロック図である。デジタル制御発振器540は、デジタル制御発振器440と同一もしくは同等の回路要素を利用する。そのような回路要素の説明は既になされており、煩雑になることを防ぐために省略する。
【0060】
積分パスはDAC561と電流レギュレータREG570を含む。DAC561はデジタル形式の積分信号Dinを受信し、アナログ形式の制御電流Ictrlを生成する。図5では、DAC561は14ビットのデジタル−アナログコンバータである。DAC561はその他の適切なビット数のものでも良い。
【0061】
電流レギュレータREG570は、制御電流Ictrlに基づいて、リングオシレータ580の電流ICCOを制御する。電流レギュレータREG570は、電圧レギュレータ470と同様に、電源ノイズ除去を行う。
【0062】
図5の実施形態において、発振器560は電流制御発振器CCOであり、リングオシレータ580と追加電流モジュール590を備える。追加電流モジュール590は、2つの並列に接続された電流枝を有し、比例パスから制御信号を受信する。第1の電流枝は電流源591とスイッチ593を、第2の電流枝は電流源592とスイッチ594を有する。電流源591,592は選択可能な回路要素であり、発振器560の発振周波数を調整する。
【0063】
一方のスイッチが開で他方が閉のとき、追加電流モジュール590は中レベルの追加電流を供給する。両方のスイッチが開のとき、追加電流モジュール590は追加電流を供給しない。両方のスイッチが閉のとき、追加電流モジュール590は高レベルの追加電流を供給する。
【0064】
図5の例において、UP,DN信号の両方の論理が“1”または“0”であるとき、3レベルのデジタル比例信号はCCO560の出力が基準信号のフェーズに追従していることを示し、スイッチ593,594の一方は開、他方は閉である。このとき、追加電流モジュール590は中レベルの電流を供給する。
【0065】
UP信号が“1”でDN信号が“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号はCCO560の出力の位相が基準信号よりも遅れていることを示し、スイッチ593,594の両方が閉じられる。これにより、追加電流モジュール590は高レベルの追加電流をCCO560に供給し、出力の周波数を高くし、CCO560の出力の位相を基準信号の位相に近づける。
【0066】
UP信号が“0”でありDN信号が“1”であるとき、3レベルのデジタル比例信号はCCO560の出力の位相が基準信号より進んでいることを示し、スイッチ593,594の両方が開にされる。これにより、追加電流モジュール590は追加電流を供給せず、CCO560の出力の周波数を下げ、CCO560の出力の位相を基準信号の位相に近づける。
【0067】
リングオシレータ580内のインバータモジュール5Bが、インバータモジュールの遅延を調整する選択可能な回路素子を備えることも可能である。例えば、それぞれのインバータモジュール5Bが、インバータと、負荷容量と、この負荷容量をインバータの出力端子への接続を開閉するスイッチとを備えることができる。比例パスは、図4(b)と同様に、容量の値を増減し、インバータモジュールの遅延を調整するように構成することができる。一般的には、追加電流モジュール590とインバータモジュール5B内の選択可能な回路素子とのいずれかが単独で用いられ、インバータモジュールの遅延が調整される。しかし、両方を利用することも可能である。
【0068】
図6は、本願の実施形態による例である他のデジタル制御発振器640のブロック図を示す。DAC661および電圧レギュレータREG670は、DAC461および電圧レギュレータ470と同一もしくは同等のものである。これらの部品についての説明は既に行っており、煩雑になることを防ぐため省略する。
【0069】
デジタル制御発振器640はLC発振器680を含む。LC発振器680は、インダクタユニット684,第1のキャパシタユニット681、2つのスイッチ可能容量素子682,683からなる。第1のキャパシタユニット681は、アナログ形式の積分信号Dinである制御信号Vctrlで制御される。2つのスイッチ可能容量素子682,683は、選択可能な回路素子として提供されるものであり、比例信号UP,DNによって制御される。
【0070】
LC発振器680はさらに、図6に示されたように、直列に接続されたトランジスタMN1,MP1および、直列に接続されたトランジスタMN2,MP2を備える。トランジスタMN1,MP1およびMN2,MP2は差動動作するように交差接続され、出力対Voutを駆動する。電流源Irefおよびカレントミラーを構成するトランジスタMN3,MN4がLC発振器680の電流を供給する。
【0071】
図6において、第1のキャパシタユニット681は、1対の、電圧制御容量を有するバラクタを備える。1対のバラクタのアノードはそれぞれ出力対に接続され、カソードは制御電圧Vctrlで制御される。インダクタ684も出力対間に接続される。
【0072】
2つのスイッチ可能な容量682,683が、制御可能な容量を出力間に追加する。この例では、スイッチ可能な容量682,683の内の一方がLC発振器680に接続されるとLC発振器680の容量は中レベルに、両方が接続されるとLC発振器680の容量は中レベルよりも大きなレベルに、両方とも接続されないとLC発振器の容量は中レベルよりも少ないレベルになる。
【0073】
図6の例では、UP,DN信号の両方の論理が“1”または“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号はLC発振器680の出力が基準信号の位相に追従していることを示す。スイッチ可能な容量素子682,683の一方がLC発振器680に接続され他方は接続されず、LC発振器680の容量値は中レベルになる。
【0074】
UP信号の論理が“1”、DN信号の論理が“0”のとき、3レベルのデジタル比例信号はLC発振器680の出力の位相が基準信号より遅れていることを示す。スイッチ可能な容量素子682,683の両方が接続されず、LC発振器680の容量値は小レベルとなり、LC発振器680の出力の周波数が高くなり、LC発振器680の出力の位相が基準信号に近づく。
【0075】
UP信号の論理が“0”、DN信号の論理が“1”のとき、3レベルのデジタル比例信号はLC発振器680の出力の位相が基準信号より速いことを示す。スイッチ可能な容量素子682,683の両方がLC発振器680に接続され、LC発振器680の容量値は大レベルとなり、LC発振器の出力の周波数が低くなり、LC発振器680の出力の位相を基準信号に近づける。
【0076】
以上説明したように、本願の実施形態のPLLにおいて利用されるデジタル制御発振器において、積分パスは、デジタル形式の積分信号を受信し、適切な分解能を有するDACを利用してアナログ形式の制御信号を生成し、発振器の制御のために供給する。これにより、量子化誤差によるジッタの発生を抑制することができる。そして、アナログ形式の制御信号をレギュレータで安定化することにより、電源電圧変動除去率を高めることができる。比例パスは、比例信号を、積分信号とは別個に、デジタル形式のままで発振器の制御パラメータの制御のために供給する。これにより、比例パスの帯域幅を広げ、位相雑音を抑制することができる。ここで、積分パスと比例パスとが分離されているため、積分パスに設けられるレギュレータは積分信号の安定化のみに利用される。従って、比例パスの帯域幅を広げた場合にも、レギュレータについては、電流供給能力の増大等の広帯域化対策を行う必要が無く、消費電流の増大をまねくことがない。
【0077】
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0078】
100、200、300 フェーズロックドループ(PLL)
110、210 検出部
120 位相差検出回路
130 フィルタ
150、250 比例パス
160、260、360 積分パス
180、560 発振器
170、270、370、470、570、670 レギュレータ(REG)
211、311 分周器
280、380、480 電圧制御発振器(VCO)
220、320 位相周波数検出器(PFD)
230、330 デジタルループフィルタ
231、331 バングバング位相比較器(!!PD)
232、332 累算器
255、261、361、461、561、661 デジタルアナログコンバータ(DAC)
371、471 演算増幅器(OA)
372、472 P型MOSトランジスタ(PMOS)
440、540、640 デジタル制御発振器
473、474 容量素子
480、580リングオシレータ
491、492、493 インバータ
494、495、496、593、594 スイッチ
590 追加電流モジュール
591、592 電流源
680 LC発振器
684 インダクタユニット
681 キャパシタユニット
682,683 スイッチ可能容量素子
MN1〜MN4、MP1、MP2 トランジスタ
I1〜I8、490、4B、5B インバータモジュール
T1〜T8 トランスミッションゲート
図1
図2
図3
図4
図5
図6