(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
投入口から本体シェル内に投入された被乾燥物を該本体シェル内で回転する多管式加熱管に接触させることで該被乾燥物を乾燥させ、該本体シェル内から乾燥物を排出する乾燥機において、
前記本体シェル内から排出された乾燥物が前記投入口側まで搬送気体によって搬送される際の経路になる搬送経路と、
前記搬送気体を加熱する加熱手段とを備え、
前記本体シェルは、加熱された搬送気体、および搬送されてきた乾燥物を受け入れるものであるとともに、前記搬送経路が前記投入口側で接続した共通受入口が設けられたものであり、
前記共通受入口は、前記搬送気体によって搬送されてきた乾燥物を該搬送気体とともに前記本体シェル内に導くものであり、
前記多管式加熱管は、回転軸を中心に該回転軸に沿って複数の加熱管が配置され、最も外側に配置された加熱管を回転方向に結んだ軌跡が円形のものであり、
前記共通受入口は、時計回りに回転する前記多管式加熱管を時計回りに見た場合に、前記円形における9時の位置から3時の位置の範囲内の所定箇所に向けて、前記本体シェルに設けられたものであることを特徴とする乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された乾燥機では、乾燥物を本体シェルの投入口側に戻す搬送経路にスクリューコンベアが配置されている。スクリューコンベアを用いる場合には、搬送経路を例えば直線状にしなければならず、乾燥物を本体シェルの投入口側における所望の箇所に戻すためには直線状であるスクリューコンベアを幾つか組合せて搬送経路を配置しなければならないため大きな制約が生まれる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、乾燥物を所望の箇所に戻す搬送経路の配置が容易であり、乾燥物のみならず、加熱された搬送気体を乾燥機に受け入れ、積極的に乾燥に利用する乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決する本発明の乾燥機は、投入口から本体シェル内に投入された被乾燥物をその本体シェル内で回転する多管式加熱管に接触させることでその被乾燥物を乾燥させ、その本体シェル内から乾燥物を排出する乾燥機において、
上記本体シェル内から排出された乾燥物が上記投入口側まで搬送気体によって搬送される際の経路になる搬送経路と、
上記搬送気体を加熱する加熱手段とを備え、
上記本体シェルは、加熱された搬送気体、および搬送されてきた乾燥物を受け入れるものである
とともに、上記搬送経路が上記投入口側で接続した共通受入口が設けられたものであり、
上記共通受入口は、上記搬送気体によって搬送されてきた乾燥物を該搬送気体とともに上記本体シェル内に導くものであり、
上記多管式加熱管は、回転軸を中心に該回転軸に沿って複数の加熱管が配置され、最も外側に配置された加熱管を回転方向に結んだ軌跡が円形のものであり、
上記共通受入口は、時計回りに回転する上記多管式加熱管を時計回りに見た場合に、上記円形における9時の位置から3時の位置の範囲内の所定箇所に向けて、上記本体シェルに設けられたものであることを特徴とする。
【0010】
ここで、上記加熱手段は、上記搬送経路よりも上流側に設けられたものであり、
上記加熱手段で加熱された搬送気体を上記搬送経路に供給する搬送気体供給手段を備えた態様であってもよい。あるいは、上記加熱手段は、乾燥物を搬送してきた搬送気体を加熱するものであってもよく、例えば、上記搬送経路の下流側に設けられたものであってもよい。
【0011】
また、上記乾燥物の一部を上記搬送経路に送り込み、残った乾燥物を排出する振分手段を備えた態様であってもよいし、上記乾燥物を上記搬送経路に送り込む戻し動作と、その乾燥物を排出する排出動作とを切り替えて実行する切替動作手段を備えた態様であってもよい。また、上記本体シェルは、上記乾燥物を排出する排出口を有するものであり、上記振分手段は、上記排出口と上記搬送経路との間に設けられたものであってもよい。
【0012】
さらに、上記搬送気体は、空気、あるいは空気以外に窒素や二酸化炭素などの不活性ガスなどであってもよい。
【0013】
本発明の乾燥機によれば、乾燥物を搬送する搬送気体を用いているため、スクリューコンベア等を用いる場合に比べて搬送経路の配置上の制約が少なくなり、乾燥物を所望の箇所に戻す搬送経路の配置が容易になる。しかも、単に常温の搬送気体を用いただけでは、この常温の搬送気体が本体シェル内に導入されると、上述のごとく多管式加熱管を加熱する飽和蒸気等の熱量を損失してしまうが、本発明の乾燥機によれば、搬送気体を加熱する上記加熱手段を備え、この加熱手段によって加熱された搬送気体が上記本体シェルに受け入れられる。このため、この搬送気体をキャリアエアとして共用できる。
【0015】
また、上記多管式加熱管にブリッジが生じてしまったとしても、このブリッジに乾燥物を搬送気体とともにぶつけ、ブリッジを崩すことが可能になる。
【0017】
ここで、上記本体シェル内に滞留する被乾燥物の量が少ない場合であっても、時計回りに回転する上記多管式加熱管を時計回りに見た場合に、この本体シェル内に滞留している被乾燥物は、乾燥機の高い乾燥効率と連続乾燥運転の安定性を確保できるように上記円形における5時の位置から9時の位置の範囲内に溜まる様に維持することが多い。
【0018】
なお、本体シェル内に滞留する被乾燥物の量は、種々の理由で変動することが多く、この変動に対して、本発明は、乾燥機の高い乾燥効率と連続乾燥運転の安定性を確保しつつ、対応できる範囲で成されるものである。
【0019】
上記共通受入口は、時計回りに見た場合に、上記円形における9時の位置から3時の位置の範囲内の所定箇所に向けて、上記本体シェルに設けられたものであるため、本体シェル内に導く乾燥物が、滞留している被乾燥物に阻まれることがなくなる。なお、時計回りに見た場合に、上記本体シェル内の上記円形における3時の位置からその本体シェル内に滞留している被乾燥物までの範囲内に向けて上記共通受入口を設け、この範囲内に生じたブリッジを崩しても、この崩された被乾燥物は多管式加熱管の回転軸方向には入り込みにくく、多管式加熱管の最外周付近から本体シェルの内面との間に崩れ落ちやすいため、加熱管との効率的な接触が行われず、乾燥効率を向上させる効果は小さい。
【0020】
上記目的を解決する本発明の第2の乾燥機は、投入口から本体シェル内に投入された被乾燥物を該本体シェル内で回転する多管式加熱管に接触させることで該被乾燥物を乾燥させ、該本体シェル内から乾燥物を排出する乾燥機において、
上記本体シェル内から排出された乾燥物が上記投入口側まで搬送気体によって搬送される際の経路になる搬送経路と、
上記搬送気体を加熱する加熱手段とを備え、
上記本体シェルは、加熱された搬送気体、および搬送されてきた乾燥物を受け入れるものであり、
上記搬送経路は、上記搬送気体と該搬送気体によって搬送されてきた乾燥物とを分離する分離手段を備えたものであり、
上記本体シェルは、上記乾燥物を受け入れる乾燥物受入口と、上記分離手段で分離された搬送気体を受け入れる搬送気体受入口とが別々に設けられたものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の乾燥機によれば、上記乾燥物と搬送気体とを、異なる位置から本体シェル内に導くことができる。例えば、時計回りに回転する上記多管式加熱管を時計回りに見た場合に、上記乾燥物が被乾燥物と効率的に混合されるように、上記乾燥物を上記円形における12時位の位置から上記本体シェル内に導き、搬送気体を、その多管式加熱管にブリッジが生じ始める部分からその本体シェル内に導いてもよい。
【0022】
また、本発明の
第2の乾燥機において、上記多管式加熱管は、回転軸を中心にその回転軸に沿って複数の加熱管が配置され、最も外側に配置された加熱管を回転方向に結んだ軌跡が円形のものであり、
上記搬送気体受入口は、時計回りに回転する上記多管式加熱管を時計回りに見た場合に、上記円形における3時半の位置から12時の位置の範囲内の所定箇所に向けて、上記本体シェルに設けられたものであることが好ましい。
【0023】
ここで、上記本体シェル内に滞留する被乾燥物の量が多い場合には、時計回りに回転する上記多管式加熱管を時計回りに見た場合に、この本体シェル内に滞留している被乾燥物は、上記円形における3時半の位置から10時の位置の範囲内に溜る場合がある。この上記円形における3時半の位置から10時の位置の範囲内の所定箇所に向けて上記搬送気体受入口を設けることで、滞留している被乾燥物に向けて搬送気体が導入され被乾燥物の分散性を向上し、ブリッジを生じにくくすることができる。また、被乾燥物が滞留していない部分であって、時計回りに見た場合に、上記本体シェル内の上記円形における10時の位置から12時までの範囲内の所定箇所に向けて搬送気体を導入すれば、上記加熱管に生じたブリッジを崩し、この崩した被乾燥物を内側に配置された加熱管に効率的に接触させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、乾燥物を所望の箇所に戻す搬送経路の配置が容易であり、乾燥物のみならず、加熱された搬送気体を乾燥機に受け入れ、積極的に乾燥に利用する乾燥機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明の一実施形態である乾燥機は、排水処理汚泥、動植物性残渣、食品残渣もしくは泥状廃棄物等の再資源化や処分等、または加工食品や樹脂製品等の製造において生ずる、汚泥等の被乾燥物、あるいは、樹脂などの化成品、医農薬品、食品などを乾燥処理するものである。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に相当する乾燥機の一例を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、乾燥機1は、本体シェル2と、この本体シェル2内に配置された多管式加熱管3と、振分機構4と、搬送経路5とを備えている。本体シェル2は、不図示の機枠等によって水平方向に延在した状態で支持されている。以下、本体シェル2が延在する方向を、延在方向と称することがある。
【0029】
本体シェル2には、投入口21と、排出口22と、共通受入口23と、キャリアエア口24と、排気口25とが設けられている。投入口21は、汚泥等の被乾燥物R(
図2参照)を投入する口であり、
図1に示す本体シェル2における左側寄りであって、例えば、本体シェル2の上端部分に設けられている。なお、投入口21を、延在方向に所定の間隔をあけて複数設けてもよい。排出口22は、投入口21から投入された被乾燥物Rが、本体シェル2内に滞留している間に、後述する乾燥処理が施されることによって含水率が低下し、乾燥物D(
図2(a)参照)となって排出される開口である。この排出口22は、
図1に示す本体シェル2における右側寄りであって、本体シェル2の側面に設けられている。排出口22には、高さ調整自在な堰部材221が設けられており、この堰部材221の高さを調整することによって排出口22の開口部分における下端位置の高さを調整することができる。この調整によって、本体シェル2内に滞留する被乾燥物Rの量を調整することができる。また、本体シェル2の、排出口22が設けられた部分には、シュート222が配置されている。投入口21から投入された被乾燥物Rは、
図1に示す本体シェル2内を左側から右側に移動し、やがて排出口22から排出される。すなわち、
図1に示す本体シェル2では、左側が投入口側になり、右側が排出口側になる。なお、本体シェル2は、投入口側から排出口側に向けてやや下方に傾斜する方向に延在した状態で機枠等に設置してもよい。
【0030】
共通受入口23は、搬送気体によって搬送されてきた乾燥物Dを搬送気体とともに本体シェル2内に導くものである。乾燥物Dの搬送についての詳しい説明は後述する。共通受入口23は、本体シェル2の延在方向において、投入口21よりもやや投入口側の位置に設けられている。なお、共通受入口23は、本体シェル2の延在方向において、投入口21と略同じ位置に設けてもよい。また、投入口21に近い位置であれば、投入口21よりも排出口側に設けてもよい。ただし、投入口21から投入される含水率の高い被乾燥物Rを、乾燥物Dが混合されて含水率が低下した被乾燥物Rと直接混合させるために、共通受入口23は、本体シェル2の延在方向において、投入口21よりもやや投入口側の位置、あるいは投入口21と略同じ位置に設けることが好ましい。
【0031】
キャリアエア口24は、不図示のヒータ等によって例えば110℃程度に加熱されたキャリアエアを、本体シェル2内に導入する口である。排気口25は、被乾燥物Rから蒸発した蒸気を、キャリアエア口24から導入されたキャリアエアとともに本体シェル2外に排出する口である。排気口25に接続される排気経路には不図示の集塵装置、不図示の排気ファンが備えられており、排気口25から排出された、蒸気とキャリアエアは、不図示の集塵装置等に送られ、微粉の除去等の所定の処理が行われた後、排気ファンから屋外などに排気される。
図1に示す本体シェル2では、キャリアエア口24を投入口側に設け、排気口25を排出口側に設けているため、被乾燥物Rから蒸発した蒸気を本体シェル2から効率的に排出することができる。なお、延在方向における、キャリアエア口24と排気口25の位置は、
図1に示す位置に限られるものではなく、例えば、キャリアエア口24を、投入口21よりも排出口側に設けてもよい。
【0032】
多管式加熱管3は、延在方向に沿った回転軸を中心に本体シェル2内に回転自在に配置されるものであり、回転軸部分には、延在方向の両端部分それぞれにロータリージョイントを備えた軸部材31が設けられている。この軸部材31が不図示のモータ等によって回転させられることで、多管式加熱管3が回転する。また、多管式加熱管3は、加熱管束32を備えている。この加熱管束32は、軸部材31を中心にこの軸部材31に沿って配置された複数の加熱管32aの束である。これら加熱管32aの配置の詳しい説明については後述する。加熱管束32の延在方向両端部分それぞれには、円盤状の鏡板33が設けられている。なお、
図1では、排出側は本体シェルの外面を描いているので、排出口側に設けられた鏡板は、本体シェル2に隠れている。これら一対の鏡板33間には、鏡板33の回転方向に所定の間隔をあけて複数の、例えば等辺山形鋼、すなわちアングル34が架け渡されている。これらアングル34には、延在方向に所定の間隔をあけて、鋼板のリフタ341と送り羽根342がそれぞれ複数設けられている。リフタ341は、多管式加熱管3が回転すると、本体シェル2内に滞留する被乾燥物Rを掻き上げるものである。送り羽根342は、多管式加熱管3が回転すると、本体シェル2内に滞留する被乾燥物Rを排出口側に送るものである。
【0033】
軸部材31には、その投入口側から、例えば150℃程度の飽和蒸気が供給され、この飽和蒸気が鏡板33から各加熱管32aにも供給されることによって、各加熱管32aが加熱される。ここで、各加熱管32aには飽和蒸気が供給されるため、各加熱管32aは、延在方向において略一定の温度に加熱された状態が保たれる。また、各加熱管32aに供給された飽和蒸気が凝縮して生じたドレンは、排出口側の鏡板に溜まり、このドレンは、サイフォン式の排水装置等によって本体シェル2から排出される。
【0034】
振分機構4は、本体シェル2の排出口22から排出された乾燥物Dを受入れる筒体41と、この筒体41内に配置されたスクリュー411と、シリンダ等からなる開閉装置42と、ロータリバルブ43とを備えている。筒体41は、水平方向に延在した状態で配置され、その水平方向の一端側部分から乾燥物Dを受入れるものであり、受け入れた乾燥物Dは、スクリュー411によって他端側に送られる。筒体41には、その他端側部分に第1排出口412が設けられ、この第1排出口412よりも一端側寄りの位置に第2排出口413が設けられている。この第2排出口413は、ロータリバルブ43を介して搬送経路5に接続されており、さらに、第2排出口413とロータリバルブ43との間に開閉装置42が配置されている。筒体41の一端側部分に受け入れられた乾燥物Dは、スクリュー411によって他端側に送られる途中で、その一部が第2排出口413から排出され、残った乾燥物Dが、乾燥処理が完了した最終乾燥物として第1排出口412から排出される。また、第2排出口413から排出される乾燥物Dは、開閉装置42によって一定量に調整され、ロータリバルブ43を介して搬送経路5に供給される。
【0035】
搬送経路5は、混合ノズル51と、搬送管52とを備えたものである。混合ノズル51は、ロータリバルブ43が接続した乾燥物投入口511と、気体流入口512と、吐出口513とを備えたものである。気体流入口512には、搬送気体供給手段としてのブロワ6が、ヒータ7を介して接続されている。ブロワ6は取り入れた外気に所定圧力を加えて送り出すものであり、ブロワ6によって加圧された空気がヒータ7に送られる。ヒータ7に送られた空気は、ヒータ7によって例えばキャリアエアと同じ110℃程度に加熱され、この加熱された空気が気体流入口512から混合ノズル51に供給される。なお、ヒータ7によって予め加熱された空気をブロワ6に供給する態様にしてもよい。ヒータ7は、本発明にいう、加熱手段の一例に相当する。搬送管52は、その一端側が吐出口513に接続し、他端側が本体シェル2の共通受入口23に接続したものである。
【0036】
混合ノズル51には、乾燥物投入口511から所定量の乾燥物Dが投入される。また、混合ノズル51に投入された乾燥物Dはブロワ6から供給された空気によって吐出口513から吐出され、搬送管52内を共通受入口23まで搬送される。搬送されてきた乾燥物Dは、ブロワ6から供給された空気とともに、共通受入口23から本体シェル2内に導かれる。すわなち、ブロワ6によって加圧された空気が、本発明にいう、搬送気体の一例に相当し、以下、この空気を搬送気体と称することがある。搬送管52は、通常は鋼管により搬送経路が作られるが、磨耗が問題にならないのであれば耐熱性の樹脂管やゴムホースなどを用いることもできる。
【0037】
このように本実施形態の乾燥機1では、搬送気体によって乾燥物Dを搬送しているため、乾燥物Dの搬送にスクリューコンベアを用いる場合と比べて搬送経路5の配置上の制約が少なくなり、乾燥物Dを所望の箇所に戻す搬送経路5の配置が容易になる。さらに、本体シェル2内に導かれる搬送気体がヒータ7によって加熱されているため、前述したキャリアエアとしても機能し得る。これにより、キャリアエア口24から供給するキャリアエアの量を抑えることができる。なお、本体シェル2内に導く搬送気体の量を調整することによって、キャリアエア口24から供給するキャリアエアを無くすこともでき、この場合にはキャリアエア口24も不要になる。
【0038】
次に、加熱管32aの配置の説明と併せて、多管式加熱管3の回転方向における、共通受入口23を設ける位置について説明する。
【0039】
図2(a)は、
図1に示す本体シェルの横断面を模式的に示す図である。この
図2(a)は、太い曲線の矢印で多管式加熱管3の回転方向を示すように、多管式加熱管3が時計回りに回転する方向から見た図である。なお、
図2(a)では、図面を簡略化するため、共通受入口23以外の、投入口21、キャリアエア口24、排気口25およびシュート222等は省略している。
【0040】
図2(a)に示すように、本体シェル2は、略楕円形の横断面を有する中空部材である。本体シェル2内に配置された多管式加熱管3の加熱管束32は、回転軸部分に位置する軸部材31を中心に複数の加熱管32aが配置され、最も外側に配置された加熱管32aを回転方向に結んだ軌跡が円形のものである。以下、最も外側に配置された加熱管32aを回転方向に結んだ円形の軌跡を基準円と称し、多管式加熱管3の箇所を、基準円に対する時計の短針が指す位置で説明することがある。なお、
図2(a)では簡略化して示しているが、最も外側に配置された加熱管32aの内側にも、加熱管32aが、互いに所定の間隔をあけて多数配置されている。
【0041】
図2(a)では、本体シェル2内に、一般的な充填率である50%程度の被乾燥物Rが滞留している状態を実線で示している。本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rは、多管式加熱管3が回転することによって、アングル34に取り付けられたリフタ341に掻き上げられる。このリフタ341による掻き上げが繰り返されることによって、本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rは、
図2(a)では右側から左側に向けて徐々に高くなる状態で堆積している。具体的には、本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rは、基準円における4時位の位置から10時位の位置の範囲に溜まっている。本実施形態では、共通受入口23は、基準円における10時半位の位置の箇所に向けて設けられている。これによって、共通受入口23から搬送気体とともに乾燥物Dを本体シェル2内に吹き込み、滞留している被乾燥物Rよりも上方に生じた、被乾燥物のブリッジBに搬送気体とともに乾燥物Dをぶつけることができる(細い直線の矢印参照)。この結果、被乾燥物のブリッジBを効率的に崩すことができる。ここで、共通受入口23は、時計回りに見た場合に、基準円における9時の位置から3時の位置の範囲内の所定箇所に向けて設けることが好ましい(半円状の両矢印参照)。本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rの量が少ない場合であっても、一点鎖線で示すように、本体シェル2内には、基準円における5時位の位置から9時位の位置の範囲内に被乾燥物R’が溜まっている。このため、共通受入口23を、基準円における9時の位置よりも反時計回りの方向の箇所に向けて設けても、滞留している被乾燥物R’に共通受入口23が塞がれ、乾燥物Dを本体シェル2内に導くことが難しい。一方、共通受入口23を、基準円における3時の位置から、滞留している被乾燥物R,R’までの範囲内の箇所に向けて設け、被乾燥物のブリッジを崩したとしても、崩れた被乾燥物Rは、ほとんど加熱管32aに接触することなく、滞留している被乾燥物R,R’上に落下してしまう。このため、被乾燥物のブリッジを崩す効果が小さい。
【0042】
次に、
図1および
図2(a)を用いて、本実施形態の乾燥機1を用いた乾燥処理について説明する。
【0043】
まず、排気ファン、集塵装置を起動し、続いて、多管式加熱管3を回転させ、軸部材31に、例えば150℃程度の飽和蒸気を供給する。軸部材31に供給された飽和蒸気は、投入口側の鏡板33から、各加熱管32aにも供給され、これによって各加熱管32aが加熱される。次いで、汚泥等の被乾燥物Rを投入口21から本体シェル2内に投入する。また、例えば110℃程度に加熱されたキャリアエアを、キャリアエア口24から本体シェル内に導入する。投入された被乾燥物Rは、多管式加熱管3の回転により、リフタ341に掻き上げられて落下するなどして攪拌され、加熱管32aと接触することで受熱する。被乾燥物Rは、本体シェル2内に滞留している間に、加熱管32aへの接触と攪拌とが繰り返されることによって徐々に含水率が低下して乾燥し、やがて排出口22から乾燥物Dとなって排出される。なお、本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rは、投入口21からの被乾燥物Rの投入と排出口22からの乾燥物Dの排出によるピストン作用、および回転する多管式加熱管3の送り羽根342の作用によって排出口側に徐々に移動する。また、被乾燥物Rから蒸発した蒸気は、キャリアエアとともに排気口25から排出される。
【0044】
排出口22から排出された乾燥物Dは、振分機構4の筒体41に受け入れられ、その一部が第2排出口413から排出されるとともに、残りが第1排出口412から排出される。第1排出口412から排出された乾燥物Dは、乾燥機1の乾燥処理が完了する。第2排出口413から排出された乾燥物Dは、開閉装置42によって一定量に調整され、ロータリバルブ43から混合ノズル51に投入される。混合ノズル51に投入された乾燥物Dは、ブロワ6によって加圧され、ヒータ7によって例えば110℃程度に加熱された搬送気体により、混合ノズル51の吐出口513から搬送管52内を共通受入口23まで搬送される。共通受入口23まで搬送された乾燥物Dは、搬送気体とともに共通受入口23から吹き込まれる。乾燥物Dが混合されることによって、投入口21付近に滞留する被乾燥物Rの含水率が低下し、ブリッジが生じやすい投入口21付近であっても、多管式加熱管3にブリッジが生じてしまうことを抑えることができる。この結果、リフタ341によって掻き上げられた被乾燥物Rが、加熱管束32の内側に入り込んで、被乾燥物Rが加熱管束32の内側に配置された加熱管32aにも接触することで乾燥能力の低下を防ぐことができる。さらに、共通受入口23が、投入口21よりもやや投入口側に設けられているため、投入口21から投入される、最も含水率が高い状態の被乾燥物Rが、乾燥物Dの混合によって含水率が低下した被乾燥物Rにそのまま混合されることになる。これにより、被乾燥物Rが最も含水率が高い状態で本体シェル2内に滞留することを防ぐことができる。しかし、それでも投入口21付近において被乾燥物のブリッジBが生じ、加熱管32aと被処理物との接触が十分に行われなくなる場合がある。
図2(a)に示すように、本実施形態では、乾燥物Dを搬送気体とともにブリッジBにぶつけることによって、このブリッジBを崩すことができる。これによって、崩れた被乾燥物Rが、加熱管束32の内側に位置する加熱管32aに達するようになることで被乾燥物Rが受熱され、乾燥を促進することができる。
【0045】
次に、
図1および
図2(a)に示す乾燥機の変形例について説明する。以下に説明する変形例においては、
図1および
図2(a)に示す実施形態との相違点を中心に説明し、
図1および
図2(a)に示す実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0046】
図2(b)は、
図1および
図2(a)に示す乾燥機の変形例における、
図2(a)に対応した態様を示す図である。本変形例では、主として、本体シェル2に、共通受入口23が複数設けられている点が、
図1および
図2(a)に示す本体シェル2と相違する。
【0047】
図2(b)に示すように、本変形例の本体シェル2には、時計回りに見た場合に、基準円における9時の位置から3時の位置の範囲内の所定箇所に向けて設けられた共通受入口23が、多管式加熱管3の回転方向に所定の間隔をあけて複数設けられている。これら複数の共通受入口23それぞれの入り口部分には、ダンパ231が配置されている。また、各共通受入口23には、
図1に示す搬送管52から分岐した分岐搬送管521がそれぞれ接続されている。これら分岐搬送管521の分岐部分には、不図示の分岐弁が設けられている。搬送管52内を搬送気体によって搬送されてきた乾燥物Dは、分岐弁によって各分岐搬送管521に振り分けられる。各分岐搬送管521に振り分けられた乾燥物Dと搬送気体は、それぞれのダンパ231で量が調整され、それぞれの共通受入口23から本体シェル2内に吹き込まれる。
【0048】
本変形例の乾燥機1によれば、投入される被乾燥物Rの物性や含水率、および本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rの量等に応じて、それぞれの共通受入口23から吹き込む、乾燥物Dおよび搬送気体の量を調整することができる。これによって、より効率的に、ブリッジを崩し、また、被乾燥物Rに乾燥物Dを混合することができる。例えば、本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rが、基準円における10時位の位置まで溜まっている場合(実線で示す被乾燥物R参照)には、基準円における10時半位の位置の箇所に向けて設けられた共通受入口23から、他の共通受入口23に比べて多量の乾燥物Dおよび搬送気体を吹き込む。これによって、ブリッジBが生じてから直ぐにこのブリッジBを崩すことができる。なお、基準円における9時位の位置の箇所に向けて設けられた共通受入口23からの乾燥物Dおよび搬送気体の吹き込みは遮断すればよい。一方、本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rが、基準円における9時位の位置までしか溜まっていない場合(一点鎖線で示す被乾燥物R’参照)には、基準円における9時位の位置の箇所に向けて設けられた共通受入口23から、他の共通受入口23に比べて多量の乾燥物Dおよび搬送気体を吹き込めばよい。また、これら複数の共通受入口23から、いくつかの共通受入口23を選択し、この選択した共通受入口23のみから、乾燥物Dおよび搬送気体を吹き込む態様としてもよい。
【0049】
以上説明した乾燥機1によれば、乾燥物を所望の箇所に戻す搬送経路の配置が容易になり、乾燥物のみならず、加熱された搬送気体を乾燥機に受け入れ、積極的に乾燥に利用することができる。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態である乾燥機について説明する。これより後の説明では、
図1および
図2(a)に示す第1実施形態の乾燥機1との相違点を中心に説明し、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0051】
図3(a)は、第2実施形態の乾燥機における、本体シェルを中心とした部分を抽出して示すブロック図である。なお、第2実施形態の乾燥機10でも、
図1に示す第1実施形態の乾燥機1と同様に、本体シェル2の排出口22から排出された乾燥物Dは、その一部が振分機構によって振り分けられ、振り分けられた乾燥物Dが搬送気体によって搬送管52を通って本体シェル2側に搬送される。
【0052】
図3(a)に示すように、第2実施形態の乾燥機10における搬送経路5は、搬送管52の下流端部分に分離機53を備えている。この分離機53は、例えば、サイクロンであり、搬送気体によって搬送されてきた乾燥物Dを、搬送気体と分離するものである。分離機53の上部には、搬送管52を通って搬送されてきた乾燥物Dを搬送気体とともに受入れる分離機受入口531が形成されている。また、分離機53の下端部分には、第2ロータリバルブ532が設けられている。本体シェル2には、
図1に示す第1実施形態の乾燥機1における共通受入口23に代えて、乾燥物受入口26と搬送気体受入口27とが別々に設けられている。乾燥物受入口26は、分離機53の第2ロータリバルブ532に接続され、搬送気体受入口27は、分離機53の上端部分から伸びた送気管533が接続されている。
【0053】
搬送管52を搬送されてきた乾燥物Dは、搬送気体とともに分離機受入口531から分離機53内に受入れられ、分離機53内で乾燥物Dと搬送気体が分離される。分離された乾燥物Dは、第2ロータリバルブ532から落下して、乾燥物受入口26から本体シェル2内に導かれる。また、分離された搬送気体は、送気管533を通って搬送気体受入口27に送られ、この搬送気体受入口27から搬送気体が本体シェル2内に吹き込まれる。
【0054】
次に、多管式加熱管3の回転方向における、乾燥物受入口26および搬送気体受入口27それぞれの位置について説明する。
【0055】
図3(b)は、同図(a)に示す本体シェルの横断面を模式的に示す図である。この
図3(b)でも、太い曲線の矢印で多管式加熱管3の回転方向を示すように、多管式加熱管3が時計回りに回転する方向から見た図である。なお、
図3(b)でも、図面を簡略化するため、投入口21、キャリアエア口24、排気口25およびシュート222等は省略している。また、本体シェル2内に、一般的な充填率である50%程度の被乾燥物Rが滞留している状態を実線で示している。
【0056】
図3(b)に示すように、時計回りに見た場合に、乾燥物受入口26は、基準円における12時の少し手前の箇所に向けて設けられている。これにより、乾燥物受入口26から受入れる乾燥物Dが、基準円における、多管式加熱管3の12時の少し手前の箇所に落下する。この落下した乾燥物Dが、リフタ341によって掻き上げられた被乾燥物Rに混ざり、被乾燥物Rに乾燥物Dを効率的に混合させることができる。
【0057】
また、第2実施形態では、搬送気体受入口27が2つ設けられ、一端側が分離機53に接続した送気管533が分岐し、この送気管533の分岐した他端側それぞれが、2つの搬送気体受入口27にそれぞれ接続されている。一方の搬送気体受入口27は、基準円における10時半位の位置の箇所に向けて設けられている。これによって、一方の搬送気体受入口27から搬送気体を本体シェル2内に吹き込み、滞留している被乾燥物Rよりも上方に生じたブリッジBに搬送気体を吹き付け、ブリッジBを崩すことが可能になる。ここで、搬送気体受入口27から吹き込まれる搬送気体は、
図2(a)に示す共通受入口23から吹き込まれる乾燥物Dおよび搬送気体に比べて、ブリッジBを崩す作用は少ないが、乾燥物Dを加熱管32a等にぶつけないため、加熱管32a等の摩耗が生じることもない。また、他方の搬送気体受入口27は、基準円における7時半位の位置の箇所に向けて設けられている。これによって、他方の搬送気体受入口27から搬送気体が本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rに向けて吹き込まれ、滞留状態の被乾燥物Rから蒸発した蒸気を積極的に排気側に移送させることができる。
【0058】
ここで、時計回りに見た場合に、搬送気体受入口27は、基準円における3時半の位置から12時の位置の範囲内の所定箇所に向けて設けることが好ましい(
図3(b)における円弧状の両矢印参照)。本体シェル2内に滞留している被乾燥物Rは、充填量が多い場合には、基準円における3時半位の位置から10時半位の位置の範囲内に溜まっている場合がある(一点鎖線で示す被乾燥物R’’参照)。この状態において、時計回りに見た場合に、搬送気体受入口27を、基準円における12時の位置から3時半の位置の範囲内の箇所に向けて設け、この部分に生じたブリッジを崩すことも可能であるが、基準円における3時半の位置から10時半の位置に搬送気体受入口27を設けることにより、滞留している被乾燥物R’’中の蒸気を搬送気体により積極的に排気側に移送する作用効果を生じさせ、滞留している被乾燥物R’’の乾燥が促進される。この乾燥が促進された被乾燥物R’’と、投入される被乾燥物Rとが混合されて、ブリッジが発生しにくくなる効果を発揮する。なお、
図3(b)に示す本体シェル2では、搬送気体受入口27を2つ設けているが、いずれか一方の搬送気体受入口27のみを設ける態様としてもよく、3つ以上の搬送気体受入口27を設ける態様としてもよい。
【0059】
次に、
図3(a)および同図(b)に示す、第2実施形態の乾燥機10の変形例について説明する。
【0060】
図4(a)は、
図3(a)および同図(b)に示す乾燥機の第1変形例における、
図3(b)に対応した態様を示す図であり、
図4(b)は、
図3(a)および同図(b)に示す乾燥機の第2変形例における、
図3(b)に対応した態様を示す図である。第1変形例および第2変形例は、主として、本体シェル2の横断面形状、および搬送気体を加熱するヒータの位置が、
図3(a)および同図(b)に示す乾燥機10と相違する。
【0061】
図4(a)に示すように、第1変形例では、本体シェル2の横断面形状が略円形に形成されている。また、
図1に示す、ブロワ6と混合ノズル51との間に配置されているヒータ7に代えて、第2ヒータ71が搬送管52の下流側に設けられている。この第2ヒータ71によって搬送管52を流れる、搬送気体および乾燥物Dが加熱され、この加熱された搬送気体と乾燥物Dが分離機53に供給される。これによって、
図3(a)および同図(b)に示す乾燥機10のように、加熱された搬送気体を搬送経路5に供給する場合と比べて、搬送気体が加熱されてから本体シェル2内に導かれるまでの時間が短くなり、搬送気体の温度低下を抑えることができる。なお、第1変形例においては、時計回りに見た場合に、基準円における7時半位の位置の箇所に向けた搬送気体受入口27のみを設け、乾燥物受入口26を、基準円における1時半位の位置の箇所に向けて設けている。
【0062】
また、
図4(b)に示すように、第2変形例では、本体シェル2は、略U字状の部分と、このU字状の部分の上端部分を閉塞する平面状の部分とを備えた横断面形状を有するものである。また、搬送気体を加熱する第3ヒータ72が、送気管533に設けられている。これによって、分離機53によって乾燥物Dと搬送気体とが分離された後、搬送気体のみが加熱され、この加熱された搬送気体が搬送気体受入口27から本体シェル2内に吹き込まれる。このように、第2変形例では、乾燥物Dと分離された後に搬送気体が加熱されるため、搬送気体が加熱されてから本体シェル2内に導かれるまでの時間を、第1変形例よりもさらに短くすることができる。また、搬送気体のみを加熱すればよいため、搬送気体ととともに乾燥物Dも加熱する第1変形例に比べて第3ヒータ72の加熱出力を抑えることもできる。
【0063】
以上説明した第2実施形態の乾燥機10によっても、乾燥物を所望の箇所に戻す搬送経路の配置が容易になり、乾燥物のみならず、加熱された搬送気体を乾燥機に受け入れ、積極的に乾燥に利用することができる。
【0064】
本発明は上述の実施の形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことが出来る。例えば、
図2(b)に示す共通受入口23、ならびに
図3(b)および
図4(b)に示す搬送気体受入口27を、多管式加熱管3の回転方向に複数設けているが、これらと併せて、本体シェル2の延在方向においても、共通受入口23および搬送気体受入口27を複数設けてもよい。また、乾燥物受入口26を、多管式加熱管3の回転方向に複数設けてもよいし、本体シェル2の延在方向に複数設けてもよい。さらに、本体シェル2の形状は、以上説明した実施形態や変形例のものに限られるものではなく、下側部分が円弧状の断面形状を有するものであれば、その上側部分は適宜の断面形状を採用することができる。
【0065】
またさらに、乾燥機1による乾燥運転を行っている間に乾燥物Dを搬送経路5により本体シェル2に搬送する運転を同時に行うだけでなく、例えば、乾燥運転中にブリッジが生じたことを検知してから乾燥物Dを搬送経路5により搬送する運転を行うことも可能である。ブリッジが生じたことの検知は、多管式加熱管3を回転させるための不図示のモータの駆動電流値、あるいは、加熱管32aから乾燥機1の外に排出されるドレンの排出量に基づき行うことができる。
【0066】
またさらに、上述のモータの駆動電流の単位時間当りの変化量、あるいはドレンの排出量の単位時間当りの変化量を検知し、これに基づき搬送経路5を用いて搬送する乾燥物Dの量とブロワ6による搬送気体の量を増減する制御を併用することも可能である。これらによれば、必要以上に乾燥物Dを本体シェル2に搬送することがなくなり、効率的に最終乾燥物を第2排出口413から得ることができる。
【0067】
なお、以上説明した実施形態や変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や変形例に適用してもよい。
以下、これまで説明したことを含めて付記する。
(付記1)他の乾燥機は、投入口から本体シェル内に投入された被乾燥物を該本体シェル内で回転する多管式加熱管に接触させることで該被乾燥物を乾燥させ、該本体シェル内から乾燥物を排出する乾燥機において、
上記本体シェル内から排出された乾燥物が上記投入口側まで搬送気体によって搬送される際の経路になる搬送経路と、
上記搬送気体を加熱する加熱手段とを備え、
上記本体シェルは、加熱された搬送気体、および搬送されてきた乾燥物を受け入れるものであることを特徴とする。
(付記2)付記1記載の乾燥機において、上記本体シェルは、上記搬送経路が上記投入口側で接続した共通受入口が設けられたものであり、
上記共通受入口は、上記搬送気体によって搬送されてきた乾燥物を該搬送気体とともに上記本体シェル内に導くものであってもよい。