特許第6121846号(P6121846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6121846基板処理装置、基板処理方法、および基板処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121846
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理方法、および基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20170417BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   H01L21/02 Z
   G05B19/418 Z
【請求項の数】11
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2013-168952(P2013-168952)
(22)【出願日】2013年8月15日
(65)【公開番号】特開2015-37159(P2015-37159A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2016年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170324
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 克明
(72)【発明者】
【氏名】佐野 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】内田 雄三
(72)【発明者】
【氏名】山中 智史
【審査官】 ▲高▼須 甲斐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−007912(JP,A)
【文献】 特開2005−223031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する第1基板処理装置で処理された基板を前記第1基板処理装置の外部で直接支持した状態で当該基板を搬送する中間装置に接続された基板処理装置であって、
複数枚の基板を収容可能な複数のキャリアをそれぞれ保持する複数の第2ロードポートと、
前記中間装置から搬入される基板を受け入れる直接搬入口と、
前記複数の第2ロードポートおよび前記直接搬入口の少なくとも一方から搬送された基板を処理する複数の第2処理ユニットと、
前記複数の第2ロードポートと前記直接搬入口と前記複数の第2処理ユニットとの間で基板を搬送する第2搬送ユニットと、
前記基板処理装置を制御する第2制御装置とを含み、
前記第2制御装置は、
基板を前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬入工程と、前記第1搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第1処理工程と、前記第1処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬出工程と、を含む第1計画を作成する第1ステップと、
前記第1基板処理装置で処理された基板を前記直接搬入口から前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬入工程と、前記第2搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第2処理工程と、前記第2処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬出工程と、のうちの少なくとも一つが、前記第1搬入工程、第1処理工程、および第1搬出工程の少なくとも一つと同時に実行されるように、前記第2搬入工程、第2処理工程、および第2搬出工程を含む第2計画を作成する第2ステップと、
前記第2計画で計画されている基板の処理開始予想時刻が、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記基板処理装置で処理すべき処理開始期限以前であるか否かを判断する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記第1計画および第2計画を変更し、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させる第4ステップと、
前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前である場合、前記第1計画および第2計画を変更せずに前記基板処理装置に実行させる第5ステップと、を実行する、基板処理装置。
【請求項2】
前記第2ステップは、前記第1基板処理装置で処理された基板が前記中間装置に到着した後に前記第2計画を作成するステップである、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板処理装置は、基板を退避させる退避ユニットをさらに含み、
前記第4ステップは、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、基板が前記退避ユニットを介して前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに搬送されるように前記第1計画を変更すると共に、前記直接搬入口から搬入された基板が変更前の前記第1計画で基板を処理する予定であった前記第2処理ユニットに搬入されるように前記第2計画を変更することにより、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記処理開始予想時刻を早め、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させるステップである、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2制御装置は、前記第1基板処理装置で処理された基板を当該基板が前記基板処理装置に搬入される前に検査する検査ユニットの検査結果に応じて基板処理条件を設定する第6ステップをさらに実行し、
前記第2ステップは、前記第2処理工程において前記基板処理条件で基板が処理されるように前記第2計画を作成するステップである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第6ステップは、前記第1基板処理装置および中間装置の一方に設けられた前記検査ユニットの検査結果に応じて前記基板処理条件を設定するステップである、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
基板を処理する第1基板処理装置で処理された基板を前記第1基板処理装置の外部で直接支持した状態で当該基板を搬送する中間装置に接続された基板処理装置であって、複数枚の基板を収容可能な複数のキャリアをそれぞれ保持する複数の第2ロードポートと、前記中間装置から搬入される基板を受け入れる直接搬入口と、前記複数の第2ロードポートおよび前記直接搬入口の少なくとも一方から搬送された基板を処理する複数の第2処理ユニットと、前記複数の第2ロードポートと前記直接搬入口と前記複数の第2処理ユニットとの間で基板を搬送する第2搬送ユニットと、前記基板処理装置を制御する第2制御装置とを含む、前記基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
基板を前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬入工程と、前記第1搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第1処理工程と、前記第1処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬出工程と、を含む第1計画を作成する第1ステップと、
前記第1基板処理装置で処理された基板を前記直接搬入口から前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬入工程と、前記第2搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第2処理工程と、前記第2処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬出工程と、のうちの少なくとも一つが、前記第1搬入工程、第1処理工程、および第1搬出工程の少なくとも一つと同時に実行されるように、前記第2搬入工程、第2処理工程、および第2搬出工程を含む第2計画を作成する第2ステップと、
前記第2計画で計画されている基板の処理開始予想時刻が、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記基板処理装置で処理すべき処理開始期限以前であるか否かを判断する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記第1計画および第2計画を変更し、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させる第4ステップと、
前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前である場合、前記第1計画および第2計画を変更せずに前記基板処理装置に実行させる第5ステップと、を含む、基板処理方法。
【請求項7】
前記第2ステップは、前記第1基板処理装置で処理された基板が前記中間装置に到着した後に前記第2計画を作成するステップである、請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記基板処理装置は、基板を退避させる退避ユニットをさらに含み、
前記第4ステップは、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、基板が前記退避ユニットを介して前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに搬送されるように前記第1計画を変更すると共に、前記直接搬入口から搬入された基板が変更前の前記第1計画で基板を処理する予定であった前記第2処理ユニットに搬入されるように前記第2計画を変更することにより、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記処理開始予想時刻を早め、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させるステップである、請求項6または7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記第1基板処理装置で処理された基板を当該基板が前記基板処理装置に搬入される前に検査する検査ユニットの検査結果に応じて基板処理条件を設定する第6ステップをさらに含み、
前記第2ステップは、前記第2処理工程において前記基板処理条件で基板が処理されるように前記第2計画を作成するステップである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記第6ステップは、前記第1基板処理装置および中間装置の一方に設けられた前記検査ユニットの検査結果に応じて前記基板処理条件を設定するステップである、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
基板を処理する第1基板処理装置と、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置と、
前記第1基板処理装置で処理された基板を前記第1基板処理装置の外部で直接支持した状態で前記第1基板処理装置と前記基板処理装置との間で搬送する中間装置とを含む、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置、基板処理方法、および基板処理システムに関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、洗浄処理、熱処理、成膜処理、エッチング処理、レジスト塗布処理、露光処理、および現像処理の2つ以上を含む多数の工程が、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板に行われる。
特許文献1には、成膜処理を行う成膜処理装置と、成膜処理装置により成膜処理された基板を洗浄する洗浄装置と、成膜処理装置と洗浄装置との間で基板の受け渡しを行う中間受渡部と、複数枚の基板を収容する基板搬送用カセットを成膜処理装置に搬送するカセット搬送装置とが開示されている。成膜処理装置で処理された基板は、中間受渡部を介して洗浄装置に搬送され、洗浄装置によって洗浄される。洗浄装置は、基板搬送用カセットが置かれる搬入搬出テーブルを備えている。洗浄装置は、中間受渡部から搬入された基板を洗浄し、洗浄装置の搬入搬出テーブル上のカセットから搬出された基板を洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−321575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、基板の品質を高めるために、ある基板処理装置での基板の処理終了から別の基板処理装置での基板の処理開始までの時間を短縮したい場合がある。たとえば、特許文献1の構成において、カセットから搬出された基板の搬送または処理が洗浄装置で実行されているときに、追加基板が中間受渡部から洗浄装置に搬入された場合を考える。この場合、基板搬送機構や洗浄ユニットなどの洗浄装置のリソースが、カセットから搬出された基板のために使用されているので、追加基板の処理開始時刻が処理開始期限を超えてしまい、基板の品質が低下してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、基板の処理を処理開始期限以前に開始できる基板処理装置、基板処理方法、および基板処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態は、基板を処理する第1基板処理装置で処理された基板を前記第1基板処理装置の外部で直接支持した状態で当該基板を搬送する中間装置に接続された基板処理装置であって、複数枚の基板を収容可能な複数のキャリアをそれぞれ保持する複数の第2ロードポートと、前記中間装置から搬入される基板を受け入れる直接搬入口と、前記複数の第2ロードポートおよび前記直接搬入口の少なくとも一方から搬送された基板を処理する複数の第2処理ユニットと、前記複数の第2ロードポートと前記直接搬入口と前記複数の第2処理ユニットとの間で基板を搬送する第2搬送ユニットと、前記基板処理装置を制御する第2制御装置とを含む、基板処理装置を提供する。
【0007】
前記第2制御装置は、基板を前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬入工程と、前記第1搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第1処理工程と、前記第1処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬出工程と、を含む第1計画を作成する第1ステップと、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記直接搬入口から前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬入工程と、前記第2搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第2処理工程と、前記第2処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬出工程と、のうちの少なくとも一つが、前記第1搬入工程、第1処理工程、および第1搬出工程の少なくとも一つと同時に実行されるように、前記第2搬入工程、第2処理工程、および第2搬出工程を含む第2計画を作成する第2ステップと、前記第2計画で計画されている基板の処理開始予想時刻が、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記基板処理装置で処理すべき処理開始期限以前であるか否かを判断する第3ステップと、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記第1計画および第2計画を変更し、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させる第4ステップと、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前である場合、前記第1計画および第2計画を変更せずに前記基板処理装置に実行させる第5ステップと、を実行する。
【0008】
この構成によれば、キャリア内の基板が第2ロードポートから第2処理ユニットに搬送され、第2処理ユニットで処理された基板が第2処理ユニットから第2ロードポートに搬送されるように、第2制御装置が第1計画を作成する。さらに、第1基板処理装置で処理された基板が直接搬入口から第2処理ユニットに搬送され、第2処理ユニットで処理された基板が第2処理ユニットから第2ロードポートに搬送されるように、第2制御装置が第2計画を作成する。第2制御装置は、第2計画に含まれる少なくとも一つの工程が第1計画に含まれる少なくとも一つの工程と同時に実行されるように第2計画を作成する。
【0009】
第2制御装置は、第2計画を作成した後、第2計画で計画されている基板の処理開始予想時刻が、第1基板処理装置で処理された基板を基板処理装置で処理すべき処理開始期限以前であるか否かを判断する。処理開始予想時刻が処理開始期限以前であれば、第2制御装置は、当初の第1計画および第2計画(第1ステップおよび第2ステップで作成された第1計画および第2計画)を基板処理装置に実行させる。その一方で、処理開始予想時刻が処理開始期限より後である場合には、第2制御装置は、処理開始予想時刻が処理開始期限以前となるように当初の第1計画および第2計画を変更し、変更後の第1計画および第2計画を基板処理装置に実行させる。これにより、第2計画で計画されている基板の処理を処理開始期限以前に開始でき、基板の品質低下を防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記第2ステップは、前記第1基板処理装置で処理された基板が前記中間装置に到着した後に前記第2計画を作成するステップである、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、第1基板処理装置で処理された基板が中間装置に到着した後に第2計画が作成される。第2計画で計画されている基板の処理開始予想時刻は、基板処理装置での基板の処理が開始される予想時刻である。つまり、搬送ロボットなどの装置がある動作を実施するのに実際に必要な時間と、この動作を実施するのに必要と考えられる予想時間とには差があるので、実際に処理が開始される正確な時間を予想することは難しい。特に、基板の搬送距離が長いと不確定要因が増加するので、実際に必要な時間と予想時間との差が広がり、処理開始予想時刻の正確さが低下する。したがって、基板が中間装置に到着した後、すなわち、基板が基板処理装置に近づき、基板の搬送距離が短くなった後に、第2計画を作成することにより、処理開始予想時刻の精度を高めることができる。これにより、より正確な処理開始予想時刻を処理開始期限と比較できるので、第2計画で計画されている基板の処理を処理開始期限以前に開始できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記基板処理装置は、基板を退避させる退避ユニットをさらに含み、前記第4ステップは、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、基板が前記退避ユニットを介して前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに搬送されるように前記第1計画を変更すると共に、前記直接搬入口から搬入された基板が変更前の前記第1計画で基板を処理する予定であった前記第2処理ユニットに搬入されるように前記第2計画を変更することにより、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記処理開始予想時刻を早め、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させるステップである、請求項1または2に記載の基板処理装置である。退避ユニットは、第2ロードポートまたは直接搬入口から複数の第2処理ユニットに搬送される基板の搬送経路(基板処理装置内での搬送経路)外に配置されていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、処理開始予想時刻が処理開始期限より後である場合、第2制御装置は、基板が退避ユニットを介して複数の第2ロードポートから複数の第2処理ユニットに搬送されるように当初の第1計画を変更する。さらに、第2制御装置は、直接搬入口から搬入された基板が変更前の第1計画で基板を処理する予定であった第2処理ユニットに搬入されるように当初の第2計画を変更することにより、処理開始予想時刻が処理開始期限以前となるように処理開始予想時刻を早める。そして、第2制御装置は、変更後の第1計画および第2計画を基板処理装置に実行させる。これにより、第2計画に対応する基板の処理が、第1計画に対応する基板の処理よりも優先され、第2計画に対応する基板の処理が処理開始期限以前に開始される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記第2制御装置は、前記第1基板処理装置で処理された基板を当該基板が前記基板処理装置に搬入される前に検査する検査ユニットの検査結果に応じて基板処理条件を設定する第6ステップをさらに実行し、前記第2ステップは、前記第2処理工程において前記基板処理条件で基板が処理されるように前記第2計画を作成するステップである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0014】
この構成によれば、第1基板処理装置で処理された基板が基板処理装置に搬入される前に当該基板の品質を検査する検査ユニットの検査結果に応じて基板処理条件が設定される。そして、第2制御装置は、第2処理ユニットが検査結果に応じた基板処理条件で基板を処理するように第2計画を作成する。したがって、基板の品質に応じた条件で基板を処理することができ、清浄度などの基板の品質を高めることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記第6ステップは、前記第1基板処理装置および中間装置の一方に設けられた前記検査ユニットの検査結果に応じて前記基板処理条件を設定するステップである、請求項4に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、検査ユニットが第1基板処理装置および中間装置の一方に設けられており、第1基板処理装置で処理された基板の品質が、第1基板処理装置および中間装置の一方で検査される。検査ユニットが第1基板処理装置および中間装置以外の装置に設けられている場合、第1基板処理装置および中間装置の外まで基板を搬送することが必要であり、そのための余分な搬送時間が発生する。したがって、第1基板処理装置および中間装置の一方に検査ユニットを設けることにより、第1基板処理装置から基板処理装置までの基板の搬送時間を短縮できる。
【0016】
本発明の他の実施形態は、基板を処理する第1基板処理装置で処理された基板を前記第1基板処理装置の外部で直接支持した状態で当該基板を搬送する中間装置に接続された基板処理装置であって、複数枚の基板を収容可能な複数のキャリアをそれぞれ保持する複数の第2ロードポートと、前記中間装置から搬入される基板を受け入れる直接搬入口と、前記複数の第2ロードポートおよび前記直接搬入口の少なくとも一方から搬送された基板を処理する複数の第2処理ユニットと、前記複数の第2ロードポートと前記直接搬入口と前記複数の第2処理ユニットとの間で基板を搬送する第2搬送ユニットと、前記基板処理装置を制御する第2制御装置とを含む、前記基板処理装置によって実行される基板処理方法を提供する。
【0017】
前記基板処理方法は、基板を前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬入工程と、前記第1搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第1処理工程と、前記第1処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第1搬出工程と、を含む第1計画を作成する第1ステップと、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記直接搬入口から前記複数の第2処理ユニットに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬入工程と、前記第2搬入工程によって前記複数の第2処理ユニットに搬送された基板を前記複数の第2処理ユニットに処理させる第2処理工程と、前記第2処理工程によって前記複数の第2処理ユニットで処理された基板を前記複数の第2処理ユニットから前記複数の第2ロードポートに前記第2搬送ユニットに搬送させる第2搬出工程と、のうちの少なくとも一つが、前記第1搬入工程、第1処理工程、および第1搬出工程の少なくとも一つと同時に実行されるように、前記第2搬入工程、第2処理工程、および第2搬出工程を含む第2計画を作成する第2ステップと、前記第2計画で計画されている基板の処理開始予想時刻が、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記基板処理装置で処理すべき処理開始期限以前であるか否かを判断する第3ステップと、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記第1計画および第2計画を変更し、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させる第4ステップと、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前である場合、前記第1計画および第2計画を変更せずに前記基板処理装置に実行させる第5ステップと、を含む。この方法によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、前記第2ステップは、前記第1基板処理装置で処理された基板が前記中間装置に到着した後に前記第2計画を作成するステップである、請求項6に記載の基板処理方法である。この方法によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
請求項8に記載の発明は、前記基板処理装置は、基板を退避させる退避ユニットをさらに含み、前記第4ステップは、前記第3ステップにおいて前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限より後である場合、基板が前記退避ユニットを介して前記複数の第2ロードポートから前記複数の第2処理ユニットに搬送されるように前記第1計画を変更すると共に、前記直接搬入口から搬入された基板が変更前の前記第1計画で基板を処理する予定であった前記第2処理ユニットに搬入されるように前記第2計画を変更することにより、前記処理開始予想時刻が前記処理開始期限以前となるように前記処理開始予想時刻を早め、変更後の前記第1計画および第2計画を前記基板処理装置に実行させるステップである、請求項6または7に記載の基板処理方法である。この方法によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、前記第1基板処理装置で処理された基板を当該基板が前記基板処理装置に搬入される前に検査する検査ユニットの検査結果に応じて基板処理条件を設定する第6ステップをさらに含み、前記第2ステップは、前記第2処理工程において前記基板処理条件で基板が処理されるように前記第2計画を作成するステップである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法である。この方法によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【0020】
請求項10に記載の発明は、前記第6ステップは、前記第1基板処理装置および中間装置の一方に設けられた前記検査ユニットの検査結果に応じて前記基板処理条件を設定するステップである、請求項9に記載の基板処理方法である。この方法によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
本発明のさらに他の実施形態は、基板を処理する第1基板処理装置と、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置と、前記第1基板処理装置で処理された基板を前記第1基板処理装置の外部で直接支持した状態で前記第1基板処理装置と前記基板処理装置との間で搬送する中間装置と、を含む、基板処理システムを提供する。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理システム1の模式的な平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る第2基板処理装置4の内部の構成を示す模式的な側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る中間装置3の内部の構成を示す模式的な正面図である。
図4】第2基板処理装置4の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図5】基板Wが第1基板処理装置2および第2基板処理装置4で処理されるときのフローチャートである。
図6】第2基板処理装置4でジョブが生成されてから第2基板処理装置4で基板Wが処理されるまでのフローチャートである。
図7】ジョブ優先順位決定制御について説明するためのフローチャートである。
図8A】生成済みPJと登録済みPJとを示す一覧表である。
図8B】生成済みPJと登録済みPJとを示す一覧表である。
図8C】生成済みPJと登録済みPJとを示す一覧表である。
図8D】生成済みPJと登録済みPJとを示す一覧表である。
図9A】3つの第1PJ1〜PJ3にそれぞれ関連付けられた3枚の基板Wを処理する計画を示すタイムチャートである。
図9B】3つの第1PJ1〜PJ3にそれぞれ関連付けられた3枚の基板Wを処理する計画を示すタイムチャートである。
図9C】4つのPJ(3つの第1PJ1〜PJ3と1つの第2PJ)にそれぞれ関連付けられた4枚の基板Wを処理する計画(3つの第1計画と1つの第2計画)を示すタイムチャートである。
図9D】処理開始予想時刻が処理開始期限を超える場合の計画(3つの第1計画と1つの第2計画)を示すタイムチャートである。
図9E】処理開始予想時刻が処理開始期限以前となるように変更された計画(3つの第1計画と1つの第2計画)を示すタイムチャートである。
図10】第1計画および第2計画の要否判断を示すフローチャートである。
図11】第1計画および第2計画の変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理システム1の模式的な平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る第2基板処理装置4の内部の構成を示す模式的な側面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る中間装置3の内部の構成を示す模式的な正面図である。
【0023】
図1に示すように、基板処理システム1は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の第1基板処理装置2と、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の第2基板処理装置4と、第1基板処理装置2と第2基板処理装置4とを互いに接続する中間装置3と、複数枚の基板Wを収容可能なキャリアC(たとえば、FUOP)を第1基板処理装置2と第2基板処理装置4とに搬送するキャリア搬送ロボット5とを含む。キャリアCは、間隔を空けて上下方向に配置された複数のスロット(棚)を内部に有している。キャリアCは、複数枚の基板Wが水平な姿勢で間隔を空けて上下に積層されるように当該複数枚の基板Wを複数のスロットで支持可能である。
【0024】
第1基板処理装置2は、洗浄装置、熱処理装置、成膜装置、エッチング装置、レジスト塗布装置、露光装置、および現像装置のいずれであってもよく、基板Wに対するその他の処理を行う装置であってもよい。第2基板処理装置4についても同様である。また、第1基板処理装置2および第2基板処理装置4は、同種の処理を基板Wに行う装置であってもよいし、異なる種類の処理を基板Wに行う装置であってもよい。以下では、第1基板処理装置2がドライエッチング装置であり、第2基板処理装置4がドライエッチング後の基板Wを薬液やリンス液などの洗浄液で洗浄するウェット洗浄装置である例について説明する。
【0025】
図1に示すように、第1基板処理装置2は、水平な配列方向D1に配列された状態で複数のキャリアCをそれぞれ保持する複数の第1ロードポートLP1と、第1ロードポートLP1に保持されているキャリアCから搬出された基板Wを処理する(ドライエッチングする)枚葉式の第1処理モジュール7と、第1ロードポートLP1と第1処理モジュール7と中間装置3との間で基板Wを搬送する第1インデクサモジュール6と、第1基板処理装置2に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する第1制御装置8とを含む。第1基板処理装置2は、さらに、第1処理モジュール7によって処理された基板Wを検査する第1検査ユニット9を含む。第1検査ユニット9の一例は、処理後の基板W(ドライエッチング後の基板W)の表面に形成されたパターンの線幅を測定する走査型電子顕微鏡を備えるユニットである。
【0026】
図1に示すように、第1インデクサモジュール6は、基板Wを水平な姿勢で搬送する第1搬送ロボットとしての第1インデクサロボットIR1と、第1インデクサロボットIR1および第1検査ユニット9を収容する第1インデクサボックス10とを含む。第1インデクサボックス10は、第1ロードポートLP1、第1処理モジュール7、および中間装置3に接続されており、第1処理モジュール7および中間装置3の内部は、第1インデクサボックス10の内部に接続されている。第1インデクサロボットIR1は、キャリアC、第1処理モジュール7、第1検査ユニット9、および中間装置3に対して基板Wの搬入または搬出を行い、キャリアC、第1処理モジュール7、第1検査ユニット9、および中間装置3の間で基板Wを搬送する。
【0027】
未処理の基板W(第1基板処理装置2によって処理される前の基板W)が収容されたキャリアCは、キャリア搬送ロボット5によって第1ロードポートLP1の上に置かれる。第1ロードポートLP1上のキャリアC内の基板Wは、第1インデクサボックス10の内部を通じて、第1インデクサロボットIR1によってキャリアCから第1処理モジュール7に搬送される。そして、第1処理モジュール7で処理された基板Wは、第1インデクサロボットIR1によって第1処理モジュール7から第1インデクサボックス10に搬送される。処理済みの全ての基板Wは、第1インデクサロボットIR1によって一枚ずつ第1検査ユニット9に搬入され、第1検査ユニット9によって一枚ずつ検査される。そして、処理および検査済みの基板Wは、第1インデクサロボットIR1によって第1ロードポートLP1に保持されているキャリアCまたは中間装置3に搬送される。また、処理および検査済みの基板Wが搬入されたキャリアCは、キャリア搬送ロボット5によって第1ロードポートLP1から第2基板処理装置4に搬送される。
【0028】
図1および図3に示すように、中間装置3は、第1基板処理装置2から搬出された基板Wを水平な姿勢で支持可能な上流支持部材11と、第2基板処理装置4に搬入される複数枚の基板Wを水平な姿勢で支持可能な下流支持部材12と、上流支持部材11と下流支持部材12との間で基板Wを水平な姿勢で搬送する中間搬送ロボットR3と、上流支持部材11、下流支持部材12、および中間搬送ロボットR3を収容する中間ボックス14と、中間装置3に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する中間制御装置13とを含む。
【0029】
図1に示すように、バッファーとして機能する下流支持部材12は、複数枚の基板Wが水平な姿勢で間隔を空けて上下に積層されるように当該複数枚の基板Wを支持可能な二枚の支持プレート12aを含む。二枚の支持プレート12aは、間隔を空けて上下方向に配置された複数のスロット(棚)を二枚の支持プレート12aの間に有している。二枚の支持プレート12aは、配列方向D1に直交する水平な直交方向D2に間隔を空けて対向している。下流支持部材12は、中間搬送ロボットR3側に開いていると共に、第2基板処理装置4側に開いている。基板Wは、二枚の支持プレート12aの間の空間を通じて、中間搬送ロボットR3によって二枚の支持プレート12aの間に搬送される。
【0030】
図3に示すように、中間ボックス14は、第1基板処理装置2に接続された上流ボックス15と、第2基板処理装置4に接続された下流ボックス17と、上流ボックス15と下流ボックス17とに接続されたボックス本体16とを含む。中間装置3は、さらに、ボックス本体16の内部と下流ボックス17の内部とを繋ぐ開口を密閉する上流シャッタ18と、上流シャッタ18を開閉させる第1開閉装置と、第2基板処理装置4に設けられた開口(直接搬入口25a)に接続された下流ボックス17の開口を密閉する下流シャッタ19と、下流シャッタ19を開閉させる第2開閉装置と、下流ボックス17内の気体を排出する排気ダクト20とを含む。
【0031】
上流シャッタ18は、ボックス本体16から下流ボックス17に基板Wが搬送されるとき以外は閉じられている。同様に、下流シャッタ19は、下流ボックス17から第2基板処理装置4に基板Wが搬送されるとき以外は閉じられている。上流シャッタ18および下流シャッタ19が閉じられている状態では、下流ボックス17の内部が、ボックス本体16の内部と第2基板処理装置4の内部とから隔離される。この状態で、下流ボックス17内の気体が、排気ダクト20を通じて排出されると、下流ボックス17の内部が減圧される。上流シャッタ18および下流シャッタ19が閉じられている状態では、下流ボックス17内の気圧は、第1基板処理装置2内の気圧(第1インデクサモジュール6内の気圧)よりも低く、第2基板処理装置4内の気圧(後述する第2インデクサボックス25内の気圧)以上の値に維持される。
【0032】
図1に示すように、第1基板処理装置2内の基板Wは、第1基板処理装置2の内部(第1インデクサボックス10の内部)と上流ボックス15の内部とを繋ぐ開口(直接搬出口10a)を通じて、第1インデクサロボットIR1によって、第1基板処理装置2から上流支持部材11に搬送される。上流支持部材11に支持されている基板Wは、上流シャッタ18が開かれている状態で、中間搬送ロボットR3によって上流支持部材11から下流支持部材12に水平な姿勢で搬送される。その後、下流支持部材12に支持されている基板Wは、下流シャッタ19が開かれている状態で、後述する第2基板処理装置4の第2インデクサロボットIR2によって、下流支持部材12から第2基板処理装置4に搬送される。これにより、中間装置3を介して第1基板処理装置2から第2基板処理装置4に基板Wが搬送される。
【0033】
図1に示すように、第2基板処理装置4は、配列方向D1に配列された状態で複数のキャリアCをそれぞれ保持する複数の第2ロードポートLP2と、第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCから搬出された基板Wを処理する(洗浄する)第2処理モジュール23と、第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCと第2処理モジュール23と中間装置3との間で基板Wを搬送する第2インデクサモジュール22と、第2基板処理装置4に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する第2制御装置24とを含む。
【0034】
図1に示すように、第2インデクサモジュール22は、基板Wを水平な姿勢で搬送する第2搬送ロボットとしての第2インデクサロボットIR2と、第2インデクサロボットIR2を収容する第2インデクサボックス25とを含む。第2インデクサロボットIR2と、後述する第2センターロボットCR2および一時保持ユニット27とは、第2搬送ユニットの一例である。
【0035】
第2インデクサボックス25は、第2ロードポートLP2、第2処理モジュール23、および中間装置3に接続されており、第2処理モジュール23および中間装置3の内部は、第2インデクサボックス25の内部に接続されている。第2インデクサボックス25の内部と中間ボックス14の内部とを繋ぐ直接搬入口25aは、下流シャッタ19によって密閉されており、下流シャッタ19によって開閉される。第2インデクサロボットIR2は、キャリアC、第2処理モジュール23、および中間装置3に対して基板Wの搬入または搬出を行い、キャリアC、第2処理モジュール23、および中間装置3の間で基板Wを搬送する。
【0036】
図1および図2に示すように、第2インデクサロボットIR2は、異なる高さに配置された2つのハンドHを備えている。図1では、2つのハンドHが平面視で重なっている状態が示されている。第2インデクサロボットIR2は、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させる。さらに、第2インデクサロボットIR2は、鉛直軸線まわりに回転(自転)することにより、ハンドHの向きを変更する。さらに、第2インデクサロボットIR2は、受渡位置(図1に示す位置)を通る経路に沿って配列方向D1に移動する。受渡位置は、平面視で、第2インデクサロボットIR2および第2処理モジュール23(後述する一時保持ユニット27)が直交方向D2に対向する位置である。
【0037】
第2インデクサロボットIR2は、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることにより、第2ロードポートLP2上の任意のキャリアCにハンドHを対向させる。同様に、第2インデクサロボットIR2は、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることにより、第2処理モジュール23(後述する一時保持ユニット27)や中間装置3にハンドHを対向させる。そして、第2インデクサロボットIR2は、キャリアC、第2処理モジュール23、および中間装置3のいずれかにハンドHが対向している状態で、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることにより、キャリアC、第2処理モジュール23、および中間装置3のいずれかに対して基板Wの搬入または搬出を行う。
【0038】
図1に示すように、第2処理モジュール23は、第2インデクサモジュール22によってキャリアCから搬出された基板Wを一枚ずつ処理する(洗浄する)枚葉式の複数の第2処理ユニットMPCを備えている。図1では、12個の第2処理ユニットMPCが第2処理モジュール23に設けられている例が示されている。第2処理モジュール23は、さらに、第2処理モジュール23内で基板Wを水平な姿勢で搬送する第2センターロボットCR2と、第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCまたは中間装置3から搬送された基板Wを一時的に保持する一時保持ユニット27とを備えている。第2インデクサロボットIR2、第2センターロボットCR2、および一時保持ユニット27は、第2搬送ユニットの一例である。
【0039】
図1に示すように、12個の第2処理ユニットMPCは、平面視において第2センターロボットCR2を取り囲む4つの位置に配置されている。12個の第2処理ユニットMPCは、上下に積層された3つの第2処理ユニットMPCによってそれぞれが構成された4つの塔を形成している。4つの塔は、平面視において直交方向D2に並んだ2つの列を形成している。一方の列を構成する2つの塔は、それぞれ、他方の列を構成する2つの塔に配列方向D1に間隔を空けて水平に対向している。第2センターロボットCR2は、配列方向D1における4つの塔の間に配置されている。一時保持ユニット27は、平面視において第2インデクサロボットIR2の受渡位置と第2センターロボットCR2との間に配置されている。一時保持ユニット27および第2センターロボットCR2は、平面視で、直交方向D2に対向している。
【0040】
図2に示すように、一時保持ユニット27は、第2インデクサロボットIR2と第2センターロボットCR2との間で基板Wを中継する中継ユニット28と、中間装置3から搬出された基板Wを一時的に退避させる退避ユニット29とを含む。中継ユニット28および退避ユニット29は、上下方向に配列されており、平面視で重なっている。図2では、中継ユニット28が退避ユニット29の下方に配置されている例が示されている。中継ユニット28は、退避ユニット29の上方に配置されていてもよい。
【0041】
図1に示すように、中継ユニット28は、基板Wの下面周縁部に接触することにより当該基板Wを水平な姿勢で支持する一つ以上の支持部材30と、支持部材30に支持される基板Wを収容する中継ボックス31とを含む。中継ボックス31は、第2インデクサロボットIR2側に開いた開口と、第2センターロボットCR2側に開いた開口とを含む。第2インデクサロボットIR2は、第2インデクサロボットIR2側に開いた開口を通じて、中継ボックス31の内部と中継ボックス31の外部との間で基板Wを搬送する。同様に、第2センターロボットCR2は、第2センターロボットCR2側に開いた開口を通じて、中継ボックス31の内部と中継ボックス31の外部との間で基板Wを搬送する。
【0042】
図1に示すように、退避ユニット29は、基板Wの下面周縁部に接触することにより当該基板Wを水平な姿勢で支持する一つ以上の支持部材30と、支持部材30に支持される基板Wを収容する退避ボックス32とを含む。退避ボックス32は、第2インデクサロボットIR2側に開いた開口と、第2センターロボットCR2側に開いた開口とを含む。第2インデクサロボットIR2は、第2インデクサロボットIR2側に開いた開口を通じて、退避ボックス32の内部と退避ボックス32の外部との間で基板Wを搬送する。同様に、第2センターロボットCR2は、第2センターロボットCR2側に開いた開口を通じて、退避ボックス32の内部と退避ボックス32の外部との間で基板Wを搬送する。
【0043】
図1および図2に示すように、第2センターロボットCR2は、異なる高さに配置された2つのハンドHを備えている。図1では、2つのハンドHが平面視で重なっている状態が示されている。第2センターロボットCR2は、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させる。さらに、第2センターロボットCR2は、鉛直軸線まわりに回転(自転)することにより、ハンドHの向きを変更する。第2センターロボットCR2の土台部分は、第2基板処理装置4に固定されており、第2基板処理装置4に対して移動不能である。第2センターロボットCR2は、直交方向D2に移動可能であってもよい。
【0044】
第2センターロボットCR2は、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることにより、任意の第2処理ユニットMPCにハンドHを対向させる。同様に、第2センターロボットCR2は、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることにより、中継ユニット28または退避ユニット29にハンドHを対向させる。そして、第2センターロボットCR2は、第2処理ユニットMPC、中継ユニット28、退避ユニット29のいずれかにハンドHが対向している状態で、ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることにより、第2処理ユニットMPC、中継ユニット28、退避ユニット29のいずれかに対して基板Wの搬入または搬出を行う。
【0045】
未処理の基板W(第2基板処理装置4によって処理される前の基板W)が収容されたキャリアCは、キャリア搬送ロボット5によって第2ロードポートLP2の上に置かれる。第2ロードポートLP2上のキャリアC内の基板Wは、第2インデクサロボットIR2によってキャリアCの内部から第2インデクサボックス25の内部に搬送される。そして、第2インデクサボックス25内に搬送された基板Wは、第2インデクサロボットIR2によって、第2インデクサボックス25の内部から中継ボックス31の内部に搬送され、中継ユニット28の支持部材30の上に置かれる。中継ユニット28に水平な姿勢で支持されている基板Wは、第2センターロボットCR2によって中継ボックス31の内部から第2処理ユニットMPCの内部に搬送され、第2処理ユニットMPCによって処理される(洗浄される)。そして、処理済みの基板Wは、第2センターロボットCR2によって第2処理ユニットMPCから中継ユニット28に搬送され、第2インデクサロボットIR2によって中継ユニット28から第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送される。
【0046】
また、中間装置3の下流支持部材12に支持されている未処理の基板W(第2基板処理装置4によって処理される前の基板W)は、下流シャッタ19が開かれた状態で、第2インデクサロボットIR2によって中間装置3の内部から第2インデクサボックス25の内部に搬送される。そして、第2インデクサボックス25内に搬送された基板Wは、第2インデクサロボットIR2によって、第2インデクサボックス25の内部から中継ボックス31または退避ボックス32の内部に搬送され、中継ボックス31または退避ボックス32内の支持部材30の上に置かれる。退避ボックス32内に搬送された基板Wは、第2処理ユニットMPCを経由せずに、第2インデクサロボットIR2によって退避ユニット29から第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送される。また、中継ボックス31内に搬送された基板Wは、第2センターロボットCR2によって中継ボックス31の内部から第2処理ユニットMPCの内部に搬送され、第2処理ユニットMPCによって処理される。そして、処理済みの基板Wは、第2センターロボットCR2によって第2処理ユニットMPCから中継ユニット28に搬送され、第2インデクサロボットIR2によって中継ユニット28から第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送される。
【0047】
図4は、第2基板処理装置4の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図4に示すように、第2制御装置24は、中間装置3および第2ロードポートLP2などの第2基板処理装置4に備えられた複数の装置に接続されている。さらに、第2制御装置24は、ホストコンピュータHCなどの第2基板処理装置4以外の装置にも接続されている。第2制御装置24は、コンピュータ本体33と、コンピュータ本体33に接続された周辺装置36とを含む。コンピュータ本体33は、プログラムを実行するCPU34(中央処理装置)と、CPU34に接続された主記憶装置35とを含む。周辺装置36は、主記憶装置35に接続された補助記憶装置37と、ホストコンピュータHC等と通信する通信装置38とを含む。
【0048】
図4に示すように、第2制御装置24は、ホストコンピュータHC、中間装置3、および第2ロードポートLP2等の複数の装置と通信するオンライン制御部39と、オンライン制御部39に送信された指令を中継する装置管理部40と、基板Wを搬送および/または処理する計画を装置管理部40から送られた指令に従って作成し、作成された計画に従って第2基板処理装置4のリソースを動作させるスケジューリング部41とを含む。オンライン制御部39、装置管理部40、およびスケジューリング部41は、CPU34が補助記憶装置37に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。
【0049】
図4に示すように、スケジューリング部41は、第2基板処理装置4に搬入される基板Wに関連付けられたジョブの識別情報が所定の優先順位に従って登録されるジョブ管理リスト42を管理するジョブ管理部43と、ジョブ管理リスト42に登録されているジョブに関連付けられた基板Wの搬送および/または処理を行う計画をジョブの優先順位が高いものから順に作成するスケジューリングエンジン44と、スケジューリングエンジン44によって作成された計画(スケジューリング結果)に従って第2基板処理装置4のリソースを動作させることにより第2基板処理装置4のリソースに基板Wの搬送および/または処理を実行させる処理実行指示部45とを含む。
【0050】
補助記憶装置37は、基板処理内容を定義する複数の基板処理情報(以下、「レシピ」という。)を記憶している。レシピは、識別情報、基板処理条件、および基板処理手順を含む。より具体的には、レシピは、並行処理ユニット情報、使用処理液情報、および処理時間情報等を含む。並行処理ユニット情報とは、使用可能な第2処理ユニットMPCを指定する情報であり、指定された第2処理ユニットMPCによる並行処理が可能であることを表す。換言すれば、指定処理ユニットのうちの一つが使用できないときには、それ以外の指定処理ユニットによる代替が可能であることを表す。「使用できないとき」とは、当該第2処理ユニットMPCが別の基板Wの処理のために使用中であるとき、当該第2処理ユニットMPCが故障中であるとき、オペレータが当該第2処理ユニットMPCで基板Wの処理をさせたくないと考えているとき、などである。
【0051】
後述するように、レシピの識別情報は、ホストコンピュータHCから第2制御装置24に送信される。スケジューリング部41は、補助記憶装置37に記憶されている複数のレシピの中からホストコンピュータHCから送信されたレシピの識別情報に対応するレシピを選択し、選択したレシピを読み込む。そして、スケジューリング部41は、読み込んだレシピに含まれる基板処理条件および基板処理手順に従って基板Wを処理する計画を作成し、作成された計画を第2基板処理装置4のリソースに実行させる。これにより、複数の基板処理工程(たとえば、処理液供給工程や乾燥工程)が、レシピで指定された基板処理条件で、かつレシピで指定された基板処理手順で実行される。
【0052】
図5は、基板Wが第1基板処理装置2および第2基板処理装置4で処理されるときのフローチャートである。
未処理の基板W(第1基板処理装置2によって処理される前の基板W)が収容されたキャリアCが、キャリア搬送ロボット5によって第1ロードポートLP1の上に置かれると(ステップS1)、第1基板処理装置2の第1制御装置8は、第1キャリア設置情報をホストコンピュータHCに送信し(ステップS2)、キャリアCが設置されたことをホストコンピュータHCに伝える。第1キャリア設置情報には、第1キャリアCの識別情報と、第1キャリアCが設置された第1ロードポートLP1の識別情報と、第1キャリアCの複数のスロットのうちで基板Wが差し込まれているスロットの位置を示す第1スロット情報とが、含まれる。したがって、「どの第1ロードポートLP1」に置かれた「どのキャリア」の「どのスロット」に未処理の基板Wが配置されているか、言い換えると、ある特定の基板Wの位置情報がホストコンピュータHCによって認識される。
【0053】
キャリアCの設置が第1制御装置8から伝えられると、ホストコンピュータHCは、第1仮想キャリア生成指示を第2制御装置24に送信し(ステップS3)、第1ロードポートLP1に設置された第1キャリアC、すなわち第2基板処理装置4に実在しないキャリアに対応する第1仮想キャリアを生成するように第2制御装置24に指示する。第2制御装置24は、ホストコンピュータHCからの第1仮想キャリア生成指示を受けて、第1仮想キャリア(論理情報)を第2制御装置24の内部に生成する(ステップS4)。第1仮想キャリア生成指示には、第1キャリアCの識別情報と、第1キャリアCが設置された第1ロードポートLP1の識別情報と、第1キャリアCの複数のスロットのうちで基板Wが差し込まれているスロットの位置を示す第1スロット情報とが、含まれる。つまり、第1キャリア設置情報と同様の情報が第1仮想キャリア生成情報に含まれている。
【0054】
その一方で、第2基板処理装置4で処理された基板Wを収容する第2キャリアCが、キャリア搬送ロボット5によって第2ロードポートLP2の上に置かれると(ステップS5)、第2制御装置24は、第2ロードポートLP2上の第2キャリアC、すなわち第2基板処理装置4に実在するキャリアに対応する第2仮想キャリアを第2制御装置24の内部に生成する(ステップS6)。さらに、第2制御装置24は、第2キャリア設置情報をホストコンピュータHCに送信し(ステップS7)、第2キャリアCが設置されたことをホストコンピュータHCに伝える。第2キャリア設置情報には、第2キャリアCの識別情報と、第2キャリアCが設置された第2ロードポートLP2の識別情報と、第2キャリアCの複数のスロットのうちで基板Wが差し込まれていないスロットの位置を示す第2スロット情報(スロットマップ)とが、含まれる。
【0055】
後述するように、第2制御装置24は、第1仮想キャリアから第2仮想キャリアに基板Wを搬送する計画を第2制御装置24の内部で作成し、第2基板処理装置4にこの計画を実行させる。
第1キャリア設置情報および第2キャリア設置情報がホストコンピュータHCに受信されると、ホストコンピュータHCは、第1ジョブ生成指示を第1制御装置8に送信し(ステップS8)、ジョブを生成するように第1制御装置8に指示する。第1ジョブ生成指示には、ジョブの識別情報と、レシピの識別情報と、処理すべき基板Wを収容しているキャリア(ここでは、第1キャリアC)の識別情報と、このキャリアのどのスロットに基板Wが差し込まれているかを示す第1スロット情報と、処理済みの基板Wを収容するキャリア(ここでは、第2キャリアC)の識別情報と、このキャリアのどのスロットに基板Wを収容すべきかを示す第2スロット情報と、が含まれる。
【0056】
同様に、第1キャリア設置情報および第2キャリア設置情報がホストコンピュータHCに受信されると、ホストコンピュータHCは、第2ジョブ生成指示(PJ・CJCreate)を第2制御装置24に送信し(ステップS9)、ジョブを生成するように第2制御装置24に指示する。第2ジョブ生成指示には、ジョブの識別情報と、レシピの識別情報と、処理すべき基板Wを収容している出発キャリア(ここでは、第1キャリアC)の識別情報と、このキャリアのどのスロットに基板Wが差し込まれているかを示す第1スロット情報と、処理済みの基板Wを収容する目的キャリア(ここでは、第2キャリアC)の識別情報と、このキャリアのどのスロットに基板Wを収容すべきかを示す第2スロット情報と、が含まれる。
【0057】
ホストコンピュータHCから送信された第2ジョブ生成指示が第2制御装置24に受信されると、第2制御装置24は、複数枚の基板Wにそれぞれ関連付けられた複数のPJ(プロセスジョブ)と、複数のPJに関連付けられたCJ(コントロールジョブ)とを第2制御装置24の内部に生成する(ステップS10)。たとえば、第2ジョブ生成指示で「1」、「2」がそれぞれ二枚の基板Wにジョブの識別情報として指定されている場合には、第2制御装置24は、二枚の基板Wにそれぞれ対応するPJ1、PJ2と、PJ1、PJ2に対応するCJとを第2制御装置24の内部に生成する。
【0058】
各PJには第2ジョブ生成指示で指定されているレシピの識別情報が含まれている。レシピの内容は、基板Wごとに異なる場合も、複数枚の基板Wで共通の場合もある。第2制御装置24は、補助記憶装置37に記憶されている複数のレシピの中からジョブ(PJ)で指定されているレシピの識別情報に対応するレシピを選択し、選択したレシピを主記憶装置35に読み込む。これにより、複数枚の基板Wに対応するレシピが第2制御装置24によって準備される(ステップS11)。
【0059】
また、CJには、出発キャリアの識別情報と、出発キャリアの第1スロット情報と、目的キャリアの識別情報と、目的キャリアの第2スロット情報と、が含まれている。これらの情報は、第2ジョブ生成指示で指定されているものである。第2制御装置24は、共通のCJに対応する複数のPJにそれぞれ対応する複数枚の基板Wが、CJで指定されている出発キャリア(第1仮想キャリア)からCJで指定されている目的キャリア(第2仮想キャリア)に搬送されるように計画を作成し、作成された計画を第2基板処理装置4に実行させる。
【0060】
第2ジョブ生成指示では、第1基板処理装置2に配置されている第1キャリアCが、出発キャリアとして指定されている。これに対して、第2ジョブ生成指示では、第2基板処理装置4に配置されている第2キャリアCが、目的キャリアとして指定されている。したがって、第2ジョブ生成指示では、第2基板処理装置4に対して、第2基板処理装置4とは異なる装置である第1基板処理装置2に配置されている第1キャリアCから第2基板処理装置4に配置されている第2キャリアCに基板Wを搬送するように指示されている。
【0061】
第1制御装置8は、第1インデクサモジュール6や第1処理モジュール7などの第1基板処理装置2に備えられたリソースに第1ロードポートLP1に保持されている第1キャリアC内の一枚の基板Wを第1処理モジュール7に搬送させ、第1処理モジュール7に基板Wを処理させる(ステップS12)。そして、第1制御装置8は、処理済みの基板Wが第1検査ユニット9で検査された後に、第1基板処理装置2のリソースにこの基板Wを中間装置3に搬送させる。複数枚の基板Wが第1キャリアCに収容されている場合、第1制御装置8は、これらの動作を第1基板処理装置2のリソースに繰り返させる。また、第1制御装置8は、基板Wに対する処理および検査が完了すると、基板Wごとに第1処理結果情報をホストコンピュータHCに送信し(ステップS13)、その基板Wの処理および検査が完了したことをホストコンピュータHCに伝える。第1処理結果情報には、第1検査ユニット9での検査結果を示す検査情報が含まれている。
【0062】
第1処理結果情報がホストコンピュータHCに受信されると、ホストコンピュータHCは、検査情報に対応するレシピの識別情報を選択する。そして、ホストコンピュータHCは、選択されたレシピの識別情報を含むレシピ差し替え指示を第2制御装置24に送信し(ステップS14)、ジョブ(PJ)で指定されている現在のレシピの識別情報を選択されたレシピの識別情報に変更させる。そのため、第2制御装置24は、差し替えられたレシピの識別情報に対応するレシピを補助記憶装置37に記憶されている複数のレシピの中から選択し、選択したレシピを主記憶装置35に読み込む。これにより、既に準備されていたレシピの内容が別のレシピの内容に置き換えられ、検査結果を反映したレシピが第2制御装置24によって基板Wごとに準備される(ステップS15)。
【0063】
第1ロードポートLP1に設置された第1キャリアCに複数枚の基板Wが収容されている場合、第1制御装置8は、処理および検査が行われた複数枚の基板Wを第1インデクサロボットIR1によって第1基板処理装置2から中間装置3の上流支持部材11に一枚ずつ搬送させる。中間制御装置13は、第1インデクサロボットIR1によって上流支持部材11の上に置かれた基板Wを中間搬送ロボットR3によって下流支持部材12のいずれかのスロットに搬送させる(ステップS16)。中間搬送ロボットR3が下流支持部材12のいずれかのスロットに基板Wを差し込むと、中間制御装置13は、基板到着情報をホストコンピュータHCに送信し(ステップS17)、基板Wが第2基板処理装置4の近傍に到着したことをホストコンピュータHCに伝える。基板到着情報には、下流支持部材12の識別情報と、下流支持部材12のどのスロットに基板Wが差し込まれているかを示す第1スロット情報と、が含まれる。
【0064】
基板到着情報がホストコンピュータHCに受信されると、ホストコンピュータHCは、基板到着情報を第2制御装置24に送信し(ステップS18)、第2インデクサロボットIR2が基板Wを搬送可能な搬送可能範囲内に基板Wが到着したことを第2制御装置24に伝える。前述のように、基板到着情報には、下流支持部材12の識別情報と、下流支持部材12のどのスロットに基板Wが差し込まれているかを示す第1スロット情報と、が含まれる。基板到着情報が第2制御装置24に受信されると、第2制御装置24は、第2制御装置24に保持されている第1仮想キャリア(論理情報)を変更する。具体的には、第1仮想キャリアに含まれる既存の情報(第1ロードポートLP1上の第1キャリアCに対応する位置情報)が、上流支持部材11の識別情報と、上流支持部材11に設けられた複数のスロットのうちで基板Wが差し込まれているスロットの位置を示す第1スロット情報とに置き換えられる。したがって、ホストコンピュータHCから第2制御装置24に送信された第2ジョブ生成指示は、第2基板処理装置4とは異なる装置である中間装置3の上流支持部材11から第2ロードポートLP2に保持されている第2キャリアCに基板Wを搬送するように変更される。
【0065】
後述するように、第2制御装置24は、中間装置3に搬送された基板Wを第2処理モジュール23に搬送し、第2処理モジュール23で処理された基板Wを第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送する計画を基板Wごとに作成する。そして、第2制御装置24は、第2インデクサモジュール22や第2処理モジュール23などの第2基板処理装置4に備えられたリソースにこの計画を実行させる(ステップS19)。したがって、第1基板処理装置2で処理された基板Wは、中間装置3を介して第1基板処理装置2から第2基板処理装置4に搬送される。つまり、基板Wは、キャリアCに収容された状態でキャリア搬送ロボット5によって搬送されるのではなく、第1基板処理装置2、第2基板処理装置4、および中間装置3によって、第1基板処理装置2から第2基板処理装置4に搬送される。そして、第2基板処理装置4に搬送された基板Wは、第2基板処理装置4で処理された後、第2ロードポートLP2に保持されている第2キャリアCに収容される。その後、処理済みの基板Wが収容された第2キャリアCが、キャリア搬送ロボット5によって、次工程を行う基板処理装置に搬送される(ステップS20)。
【0066】
図6は、第2基板処理装置4でジョブが生成されてから第2基板処理装置4で基板Wが処理されるまでのフローチャートである。
前述のように、ジョブ生成指示(PJCreate)がホストコンピュータHCから第2制御装置24に送信されると、第2制御装置24は、識別番号が基板Wごとに異なるジョブ(たとえば、PJ1やPJ2)を生成し(ステップS31)、ジョブ生成指示で指定されているレシピの識別情報に対応するレシピを補助記憶装置37から読み込んで準備する(ステップS32)。
【0067】
複数のPJにそれぞれ対応する複数のジョブ登録指示(PJExecute)がホストコンピュータHCから第2制御装置24に送信されると、第2制御装置24は、以下で説明するジョブ優先順位決定制御に従ってPJの優先順位を決定し、複数のジョブ登録指示で指定されている複数のPJを優先順位に従ってジョブ管理リスト42に登録する(ステップS33)。
【0068】
複数のPJに対応する複数の処理開始指示(PJStart)が、中間装置3、第2ロードポートLP2、およびホストコンピュータHCのいずれかから第2制御装置24に送信されると、第2制御装置24は、ジョブ管理リスト42に登録されている順番に従って、基板Wを第2基板処理装置4で搬送および/または処理する計画(スケジュール)を基板Wごとに作成する(ステップS34)。そして、第2制御装置24は、第2インデクサモジュール22や第2処理モジュール23などの第2基板処理装置4に備えられたリソースにこの計画を実行させる(ステップS35)。
【0069】
第2制御装置24によって作成される計画の一例は、第2ロードポートLP2に保持されているキャリアC内の基板Wを中継ユニット28を介して第2処理ユニットMPCに搬送し、第2処理ユニットMPCで処理された基板Wを中継ユニット28を介して第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送する計画である。つまり、この計画では、第2基板処理装置4のある位置から第2基板処理装置4のある位置(最初の位置と同じ位置または異なる位置)に基板Wが搬送される。
【0070】
第2制御装置24によって作成される計画の他の例は、中間装置3に保持されている基板Wを中継ユニット28を介して第2処理ユニットMPCに搬送し、第2処理ユニットMPCで処理された基板Wを中継ユニット28を介して第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送する計画である。つまり、この計画では、第2基板処理装置4とは異なる装置(中間装置3)のある位置から第2基板処理装置4のある位置に基板Wが搬送される。
【0071】
第2制御装置24によって作成される計画のさらに他の例は、中間装置3に保持されている基板Wを退避ユニット29に搬送し、退避ユニット29内の基板Wを第2処理ユニットMPCで処理することなく退避ユニット29から第2ロードポートLP2に保持されているキャリアCに搬送する計画である。つまり、この計画では、第2基板処理装置4とは異なる装置(中間装置3)のある位置から第2基板処理装置4のある位置に基板Wが搬送される。
【0072】
図7は、ジョブ優先順位決定制御について説明するためのフローチャートである。
以下では、中間装置3を介して第1基板処理装置2から第2基板処理装置4に搬送される基板Wに対応するPJ(以下、「第2PJ」という。)が、第2ロードポートLP2上のキャリアC内の基板Wに対応するPJ(以下、「第1PJ」という。)よりも優先されるように、第2制御装置24がジョブ管理リスト42を作成または変更する例について説明する。
【0073】
ジョブ登録指示(PJExecute)は、PJごとに第2制御装置24に送信される。第1PJのジョブ登録指示は、キャリアCが第2ロードポートLP2に置かれた時以降に送信される。第2PJのジョブ登録指示は、当該第2PJで当初指定されていたレシピが検査結果を反映したレシピに差し替えられ、当該第2PJに関連付けられている基板Wの位置情報が下流支持部材12のいずれかのスロットに変更された後に送信される。
【0074】
第2制御装置24は、ジョブ登録指示が送信されたか否かを確認している(ステップS51)。ジョブ登録指示がホストコンピュータHCから第2制御装置24に送信されると(ステップS51でYes)、第2制御装置24は、ジョブ管理リスト42への登録が要求されたPJが、第1PJと、第2PJとのいずれであるかを判断する(ステップS52)。
【0075】
登録が要求されたPJが第1PJである場合(ステップS52でNo)、第2制御装置24は、登録が要求されたPJをジョブ管理リスト42の末尾に登録する。具体的には、別のPJ(第1PJおよび第2PJの少なくとも一方)が既にジョブ管理リスト42に登録されている場合、第2制御装置24は、登録済みの全てのPJの後に新規のPJを登録する。また、登録済みのPJがジョブ管理リスト42になければ、第2制御装置24は、このときの末尾に相当するジョブ管理リスト42の先頭に新規のPJを登録する(ステップS53)。
【0076】
一方、登録が要求されたPJが第2PJである場合(ステップS52でYes)、第2制御装置24は、PJが既にジョブ管理リスト42に登録されているか否かを判断する(ステップS54)。登録済みのPJがジョブ管理リスト42になければ(ステップS54でYes)、第2制御装置24は、登録が要求されたPJをジョブ管理リスト42の先頭に登録する(ステップS55)。また、登録済みのPJがジョブ管理リスト42にある場合(ステップS54でNo)、第2制御装置24は、登録済みのPJが第1PJと第2PJのいずれであるかを判断する(ステップS56)。
【0077】
登録済みの全てのPJが第1PJである場合(ステップS56でNo)、第2制御装置24は、登録が要求された第2PJを登録済みの全ての第1PJの前に登録し、第2PJが全ての第1PJよりも優先されるようにジョブ管理リスト42を変更する(ステップS57)。
また、登録済みのPJに第2PJが1つ以上含まれる場合(ステップS56でYes)、第2制御装置24は、登録済みの全ての第2PJが新規の第2PJよりも優先され、新規の第2PJが登録済みの全ての第1PJよりも優先されるように、ジョブ管理リスト42を変更する。
【0078】
具体的には、登録済みのPJが全て第2PJである場合(ステップS56でYes1、第2制御装置24は、新規の第2PJをジョブ管理リスト42の末尾に登録する(ステップS58)。また、第1PJと第2PJとが既にジョブ管理リスト42に登録されている場合(ステップS56でYes2、第2制御装置24は、末尾の第2PJ(優先順位が最も低い第2PJ)の後に新規の第2PJを登録し、登録済みの全ての第1PJの優先順位を新たに登録された第2PJよりも下げる(ステップS59)。
【0079】
図8A図8Dは、生成済みPJと登録済みPJとを示す一覧表である。
図8A図8Dでは、第1PJをPJ1〜PJ20のいずれかで示しており、第2PJをPJA、PJBのいずれかで示している。また、図8A図8Dでは、登録済みのPJの状況を「払出停止」、「停止解除」、および「処理中」のいずれかのステータスで示している。「払出停止」は、第2制御装置24がそのPJの処理開始指示(PJStart)を受信する前の状況を示している。「停止解除」は、第2制御装置24がそのPJの処理開始指示を受信してから処理開始指示があった基板Wのスケジューリングを開始する前の状況を示している。「処理中」は、計画の実行中であってキャリアCまたは中間装置3からの基板Wの搬送が開始された後の状況を示している。
【0080】
図8Aは、登録済みのPJがジョブ管理リスト42にないときに10個の第1PJ(PJ1〜PJ10)のジョブ登録指示が第2制御装置24に順次送られ、10個の第1PJの処理開始指示が第2制御装置24に順次送られた後のジョブ管理リスト42を示している。この場合、図8Aに示すように、PJ1〜PJ10が先頭からこの順番でジョブ管理リスト42に登録される。さらに、10個の第1PJの処理開始指示が第2制御装置24に送られたので、各第1PJの状況が「停止解除」に変更されている。
【0081】
図8Bは、10個の第1PJがジョブ管理リスト42に登録されているときに1個の第2PJのジョブ登録指示と処理開始指示とが第2制御装置24に送られた後のジョブ管理リスト42を示している。この場合、第2PJの登録が要求される前に登録済みの全てのPJが第1PJであるので、第2制御装置24は、登録が要求された第2PJを登録済みの全ての第1PJの前に登録し、第2PJが全ての第1PJよりも優先されるようにジョブ管理リスト42を変更する。さらに、第2PJの処理開始指示が第2制御装置24に送られているので、第2PJの状況が「停止解除」に変更されている。登録済みの10個の第1PJに関しては、優先順位の高い先頭から5番目までの5個のPJ1〜PJ5の状況が「処理中」に変化しており、PJ1〜PJ5にそれぞれ対応する5枚の基板Wの搬送が開始されている。
【0082】
図8Cは、10個の第1PJと1個の第2PJとがジョブ管理リスト42に登録されているときに1個の第2PJのジョブ登録指示と処理開始指示とが第2制御装置24に送られた後のジョブ管理リスト42を示している。この場合、第2制御装置24は、登録済みの第2PJ(PJA)と登録済みの10個の第1PJ(PJ1〜PJ10)との間に新規の第2PJ(PJB)を配置し、登録済みの第2PJが新規の第2PJよりも優先され、新規の第2PJが登録済みの10個の第1PJよりも優先されるようにジョブ管理リスト42を変更する。
【0083】
図8Dは、10個の第1PJと2個の第2PJとがジョブ管理リスト42に登録されているときに10個の第1PJ(PJ11〜20)のジョブ登録指示が第2制御装置24に順次送られた後のジョブ管理リスト42を示している。この場合、10個の第1PJと2個の第2PJとが既にジョブ管理リスト42に登録されているので、第2制御装置24は、登録済みの全てのPJの後に新規の10個の第1PJ(PJ11〜20)を順次登録する。
【0084】
以上のように、ジョブ管理リスト42に複数のPJが登録される(図6のフローチャートのステップS33)。次に、複数のPJに対応する複数の処理開始指示(PJStart)が、中間装置3、第2ロードポートLP2、およびホストコンピュータHCのいずれかから第2制御装置24に送信されると、第2制御装置24は、ジョブ管理リスト42に登録されている順番に従って、基板Wを第2基板処理装置4で搬送および/または処理する計画(スケジュール)を基板Wごとに作成する。そして、各計画の各要素を基板W同士が干渉し合わないように第2基板処理装置4の各リソースに割り付けるスケジューリングを実行する(図6のステップS34)。
【0085】
スケジューリング完了後、第2制御装置24は、ステップS34で作成された計画に従って、第2インデクサモジュール22や第2処理モジュール23などの第2基板処理装置4に備えられたリソースに基板Wの搬送および/または処理を実行させる(図6のステップS35)。
ところで、先に図7および図8A図8Dを用いて説明した例では第2計画のPJが第1計画のPJに対して常に優先してスケジューリングされる例を説明したが、第2計画のPJが第1計画のPJに対して常に優先するようにスケジューリングしないことも可能である。
【0086】
但し、その場合、第1計画に従って第2制御装置24が基板Wの搬送および/または処理(図6のステップS35)を実行している最中に第2計画が追加されたときに、既存の第1計画と追加の第2計画との関連性が問題になる可能性がある。図10は、ジョブ管理リストにジョブ登録する(図6のステップS33)際に第1計画に対して追加の第2計画が必ずしも優先しないように設定した場合における、図6に示すスケジュール作成工程(ステップS34)と処理実行工程(ステップS35)との関連性をより詳細に示すフローチャートである。
【0087】
具体的には、図10に示すように、第2制御装置24が複数のPJに関連付けられた第1計画を作成した(ステップS34)後、第2制御装置24はこの第1計画に従い、順次処理を実行していく(ステップS35)。この処理実行工程(ステップS35)と並行して、第2制御装置24は追加PJの有無を監視している(ステップS36)。追加PJが発生すると(ステップS36でYesの場合)、第2制御装置24は追加PJに関連付けられた仮計画を作成(ステップS37)した上で、既存計画と追加PJに関連付けられた計画との関連性を検討し必要な対策を講ずる(ステップS38〜ステップS41)。
【0088】
なお、ステップS36〜ステップS41までの処理は、第2基板処理装置4による基板の搬送および/または処理工程(ステップS35)が終了するまでステップS35と並行して行われる(ステップS42)。
ステップS36〜ステップS41までの処理を具体例を用いて詳述する。
図9Aのタイムチャートに示すように、3つの第1PJ1〜第1PJ3にそれぞれ関連付けられた3枚の基板Wを処理する計画(3つの第1計画)が図6のステップS34において作成されていたとする。なお、図9Aに示されたバーB1〜バーB7の定義は、以下の図9B図9Eにおいても同様である。また、各バーの番号における枝番はPJの番号に対応している。また、図9A図9Eでは、中継ユニット28(図2参照)を「PASS」と表記している。
【0089】
「バーB1」で図示される期間では、第2ロードポートLP2上のキャリアCまたは中間装置3からの基板Wの搬出を第2インデクサロボットIR2が開始してから、一時保持ユニット27に基板Wを搬入した第2インデクサロボットIR2が中継ユニット28から退避し終えるまでの「取出し工程」が実行される。
「バーB2」で図示される期間では、基板Wが第2インデクサロボットIR2によって中継ユニット28に搬入されてから、中継ユニット28内の基板Wが第2センターロボットCR2によって搬出されるまでの「順受け渡し工程」が実行される。
【0090】
「バーB3」で図示される期間では、中継ユニット28からの基板Wの搬出を第2センターロボットCR2が開始してから、第2処理ユニットMPCに基板Wを搬入した第2センターロボットCR2が第2処理ユニットMPCから退避し終えるまでの「搬入工程」が実行される。
「バーB4」で図示される期間では、基板Wが第2センターロボットCR2によって中継ユニット28から第2処理ユニットMPCに搬送されてから、第2処理ユニットMPCで処理された基板Wが第2センターロボットCR2によって第2処理ユニットMPCから搬出されるまでの「基板処理工程」が実行される。
【0091】
「バーB5」で図示される期間では、第2処理ユニットMPCからの基板Wの搬出を第2センターロボットCR2が開始してから、中継ユニット28に基板Wを搬入した第2センターロボットCR2が中継ユニット28から退避し終えるまでの「搬出工程」が実行される。
「バーB6」で図示される期間では、基板Wが第2センターロボットCR2によって第2処理ユニットMPCから中継ユニット28に搬送されてから、中継ユニット28内の基板Wが第2インデクサロボットIR2によって搬出されるまでの「逆受け渡し工程」が実行される。
【0092】
「バーB7」で図示される期間では、中継ユニット28からの基板Wの搬出を第2インデクサロボットIR2が開始してから、第2ロードポートLP2上のキャリアCに基板Wを搬入した第2インデクサロボットIR2がキャリアCから退避し終えるまでの「収容工程」が実行される。
第1PJ1〜第1PJ3で指定されたレシピでは、3つの第2処理ユニットMPC1〜MPC3がレシピで指定された基板処理を実行する並行処理ユニットとして指定されているものとする。したがって、第2制御装置24は、各基板Wが3つの第2処理ユニットMPC1〜MPC3のいずれかで処理されるように図6のステップS34の段階で第1計画を作成する。図9Aでは一枚目の基板Wが第2処理ユニットMPC1で処理され、二枚目の基板Wが第2処理ユニットMPC2で処理され、3枚目の基板Wが第2処理ユニットMPC3で処理されるように計画されている。第2制御装置24はステップS34で作成された計画に従い、第2基板処理装置4の各リソースを使用して各基板Wの搬送および/または処理を実行する(図6のステップS35)。
【0093】
先述したように、第2制御装置24はステップS35の処理と並行して追加PJがあったか監視している(図10のステップS36)。図9Bは、一枚目の基板Wの搬出工程が開始された時点で、第2制御装置24が保持する処理計画を示している。この時点では、追加のPJがないため、図10のステップS36はNoとなり、第2制御装置24は、図6のステップS34において作成していた既存の計画に沿って処理を続行する(図6および図10のステップS35)。
【0094】
追加PJが発生した場合の処理を図9C図9Dおよび図9E並びに図10および図11を用いて説明する。
図9Cのタイムチャートの「現在時刻」の時点において4つ目のPJ(第2PJ4)に関連付けられた計画(1つの第2計画)が追加されたとする。これにより図10のステップS36がYesとなり、第2制御装置24はステップS37に移行する。すると、第2制御装置24は、追加PJに関連付けられた計画をステップS34で作成された既存計画の後段に仮配置することにより第2PJ4(追加PJ)の仮計画を作成する。なお、第1PJ1〜第1PJ3で指定されたレシピと同様に、第2PJ4で指定されたレシピでは、3つの第2処理ユニットMPC1〜MPC3が基板処理工程を実行可能な並行処理ユニットとして指定されているものとする。第2処理ユニットMPC1〜MPC3のうち最も早期に基板処理が終了するのは第2処理ユニットMPC1であるため、第2PJ4で指定された基板Wを第2処理ユニットMPC1に搬入するような仮計画が作成される(図9C参照)。
【0095】
具体的には、まず、基板処理工程B4−4を基板処理工程B4−1の直後に仮配置する。この仮配置を行うにより、基板処理工程B4−4で使用される基板Wの処理開始予想時刻を取得することができる。次に、第2PJ4で指定された基板Wが基板処理工程B4−4の開始時刻までに第2処理ユニットMPC1に搬入できるように、第2インデクサロボットIR2による中間装置3からの基板Wの取り出し工程B1−4、PASS(中継ユニット28)を介した第2インデクサロボットIR2から第2センターロボットCR2への基板Wの順受け渡し工程B2−4、第2センターロボットCR2による第2処理ユニットMPC1への搬入工程B3−4を時間軸に沿って配置する。また、基板処理工程B4−4の後段に搬出工程B5−4、逆受け渡し工程B6−4、収容工程B7−4を時間軸に沿って配置する。これにより、追加PJである第2PJ4を実行するための仮計画が作成される(ステップS37)。
【0096】
なお、上記では、最初に基板処理工程B4−4の時間セグメントを仮配置した後、その前段工程である基板Wの取り出し工程B3−4、基板Wの順受け渡し工程B2−4および搬入工程B1−4を順番に仮配置している。仮配置された搬入工程B1−4の開始予想時刻よりも、基板Wが中間装置3に到達する時刻が遅い場合には、基板Wの順受け渡し工程B2−4、基板Wの取り出し工程B3−4および基板処理工程B4−4を順番に遅らせなければならない。このため、第2PJ4に関連づけられた仮計画の作成(ステップS37)は、第2PJ4で指定される基板Wが中間装置3に到達する時間が確定した後(例えば、当該基板Wが実際に中間装置3に到達した後)に実行されることが望ましい。
【0097】
次に、追加PJである第2PJ4について図10のステップS38(処理開始予想時刻と処理開始期限の取得)が実行される。「処理開始予想時刻」は仮配置された基板処理工程B4−4の開始予想時刻に相当するため、追加PJに関連づけられた仮計画を作成することにより取得することができる。「処理開始期限」は、例えば、第1基板処理装置2で発生した汚染(たとえば、ドライエッチング後に発生するエッチング残渣)を第2基板処理装置4で除去できる最も遅い処理開始の予想時刻である。第2基板処理装置4での基板Wの処理が処理開始期限より後に開始されると、第1基板処理装置2で発生した汚染を基板Wから除去できないおそれがある。この「処理開始期限」の情報は、基板Wが第1基板処理装置2に搬入されてから、第1基板処理装置2で処理された基板Wが中間装置3を介して第2基板処理装置4に搬入されるまでの期間にホストコンピュータHCから第2制御装置24に送ることにより取得することができる。「処理開始期限」は、第1処理結果情報に含まれていてもよいし、基板到着情報に含まれていてもよい。
【0098】
次に、図10のステップS39に進み、処理開始予想時刻と処理開始期限とが比較される。ステップS37で作成された仮計画において、追加PJで指定されたレシピに基づく第2基板処理装置4での基板処理の開始予想時刻が、処理開始期限の以前である場合には既存計画と仮計画の変更は不要と判断される。その一方で、処理開始予想時刻が処理開始期限よりも後になる場合には既存計画と仮計画の変更が必要と判断される。
【0099】
図9Cの例では、処理開始予想時刻が処理開始期限の以前であるため、図10のステップS39でYesと判断されステップS40に進む。ステップS40では、第1PJ1、第1PJ2および第1PJ3に関連付けられた既存の計画(第1計画)を変更しない。また、ステップS37で作成された第2PJ4に関連付けられた仮計画(第2計画)も変更しない。第2制御装置24は、ステップS40の後、図6のステップS34で作成された計画と、図10のステップS37で作成された仮計画とに従って、第2基板処理装置4の各リソースに基板Wの搬送および/または処理を実行させる(ステップS35)。
【0100】
なお、追加PJに関連付けられた計画が第1計画の場合、上記した処理開始期限は通常存在しない。このため、ステップS37で作成された仮計画が第1計画の場合、通常は、ステップS39はYesと判断され、ステップS39からステップS40に移行する。ただし、追加PJに関連付けられた計画が第1計画であっても、当該PJが処理開始期限のあるレシピを指定している場合は、ステップS39でNoと判断され、ステップS39からステップS41に移行する可能性もある。
【0101】
図9Dは、処理開始期限が図9Cの例よりも先に到来する第2PJ4が追加された場合において、図10のステップS37(追加PJの仮計画の作成)が実行された後のタイムチャートを示している。この例では、追加PJで指定されたレシピに基づく第2基板処理装置4での処理開始予想時刻が処理開始期限の後であるため、図10のステップS39でNoと判断され、ステップS41(既存計画と追加PJの仮計画の変更)に進む。
【0102】
図11は、ステップS41の内容をより詳細に説明するフローチャートである。第2制御装置24は、図11に示すフローチャートに従って、図9Dに示すタイムチャートを図9Eのタイムチャートのように変更する。
なお、図9E中、「バーB8」で図示される期間では、中継ユニット28からの基板Wの搬出を第2センターロボットCR2が開始してから、退避ユニット29に基板Wを搬入した第2センターロボットCR2が退避ユニット29から退避し終えるまでの「搬入工程」が実行される。
【0103】
「バーB9」で図示される期間では、基板Wが第2センターロボットCR2によって中継ユニット28から退避ユニット29に搬送されてから、退避ユニット29内の基板Wが第2センターロボットCR2によって搬出されるまでの「退避工程」が実行される。
「バーB10」で図示される期間では、退避ユニット29からの基板Wの搬出を第2センターロボットCR2が開始してから、第2処理ユニットMPCに基板Wを搬入した第2センターロボットCR2が第2処理ユニットMPCから退避し終えるまでの「ユニット間移動工程」が実行される。
【0104】
図11のステップS41aでは、複数の第2処理ユニットMPCの中から、追加PJで指定されたレシピを実行することのできる第2処理ユニットMPCを特定MPCとして選択する。追加PJである第2PJ4で指定されたレシピでは、3つの第2処理ユニットMPC1〜MPC3が基板処理工程を実行可能な並行処理ユニットとして指定されているため、ステップS41aでは第2処理ユニットMPC1〜MPC3が特定MPCとして選択される。
【0105】
次のステップS41bでは、特定MPCで実行される予定の基板処理工程であって、処理開始予想時刻が現在時刻よりも遅く、かつ、処理開始予想時刻が処理開始期限の以前であるものを選択すると共に、その基板処理工程の対象だった基板Wを退避ユニット29に退避させる計画を生成する。図9Dの例では、第2処理ユニットMPC3で実行される予定の基板処理工程B4−3がこの条件を満たすため、第2制御装置24は基板処理工程B4−3の対象の基板Wを退避ユニット29に退避させる計画を生成する。この計画変更を図9Eでは、退避ユニット29の時間軸にバーB9−3を割り当てることにより表現している。なお、以下では、上記第2処理ユニットMPC3のように、追加PJで関連付けられた計画のために転用される第2処理ユニットMPCを転用MPCという。
【0106】
次のステップS41cでは、退避工程の対象の基板Wが退避ユニット29に搬送されるように既存計画を変更する。具体的には、第1PJ3で指定された基板Wが、中継ユニット28から搬出された後、第2処理ユニットMPC3でなく退避ユニット29に搬入されるように、既存の計画を変更する。この計画変更を図9Dおよび図9Eでは、バーB3−3(図9D)をバーB8−3(図9E)に変更することにより表現している。
【0107】
次のステップS41dでは、追加PJで指定された基板処理工程が処理開始期限までに転用MPCで開始されるように既存計画を変更する。具体的には、第2PJ4で指定された基板Wが、第2処理ユニットMPC3に運ばれるように、取り出し工程B1−4、順受け渡し工程B2−4、搬入工程B3−4の各時間セグメントを既存計画のタイムチャート上に時間軸に沿って配置する。また、第2PJ4で指定された基板Wの基板処理工程B4−4を第2処理ユニットMPC3に割り当てる。
【0108】
次のステップS41eでは、退避ユニット29に退避中の基板Wを、当該基板Wの基板処理を実行可能な第2処理ユニットMPCが発生次第、退避ユニット29から取り出してその第2処理ユニットMPCに移動させるユニット間移動工程の計画を作成する。本実施形態に係る事例では、退避ユニット29に退避中の基板Wを退避ユニット29から第2処理ユニットMPC1に移動させる計画を作成する。図9Eでは、この計画作成を第2処理ユニットMPC1からの基板搬出工程であるバーB5−1の直後に、退避ユニット29から基板Wを取り出して第2処理ユニットMPC1に搬入するユニット間移動工程であるバーB10−3を配置することにより表現している。
【0109】
次のステップS41fでは、別の第2処理ユニットMPCに移動した基板Wをその第2処理ユニットMPCで基板処理する基板処理工程の計画を作成する。本実施形態に係る事例では、ユニット間移動工程B10−3の直後に、第2処理ユニットMPC1での基板処理工程B4−3を開始するような計画を作成している。
次のステップS41gでは、転用MPCからの基板Wの搬出工程の計画を作成する。本実施形態に係る事例では、第2処理ユニットMPC3での基板Wの基板処理工程B4−4の直後に、第2PJ4に関連付けられた基板Wの搬出工程B5−4、逆受け渡し工程B6−4、および収容工程B7−4が順次実行されるような計画を作成している。
【0110】
次のステップS41hでは、これまでの既存計画の変更と、追加PJに関連付けられた計画の追加とによって生じた、基板Wの搬出工程の調整を行う。本実施形態に係る事例では、ステップS41a〜ステップS41gに実行したスケジューリングに伴い、第1PJ2で指定された基板Wの搬出工程B5−2、逆受け渡し工程B6−2、および収容工程B7−2の実施タイミングが既存計画のそれよりも繰り下がるような計画を作成している。
【0111】
このように、ステップS34で作成された計画(第1計画)とステップS37で作成された仮計画(第2計画)の変更がステップS41で行われた後、第2制御装置24は、その変更された計画に従って、第2基板処理装置4の各リソースに基板Wの搬送および/または処理を実行させる(ステップS35)。
以上のように本実施形態では、キャリアC内の基板Wが第2ロードポートLP2から第2処理ユニットMPCに搬送され、第2処理ユニットMPCで処理された基板Wが第2処理ユニットMPCから第2ロードポートLP2に搬送されるように、第2制御装置24が第1計画を作成する。さらに、第1基板処理装置2で処理された基板Wが直接搬入口25aから第2処理ユニットMPCに搬送され、第2処理ユニットMPCで処理された基板Wが第2処理ユニットMPCから第2ロードポートLP2に搬送されるように、第2制御装置24が第2計画を作成する。第2制御装置24は、第2計画に含まれる少なくとも一つの工程が第1計画に含まれる少なくとも一つの工程と同時に実行されるように第2計画を作成する。
【0112】
第2制御装置24は、第2計画を作成した後、第2計画で計画されている基板Wの処理開始予想時刻が、第1基板処理装置2で処理された基板Wを第2基板処理装置4で処理すべき処理開始期限以前であるか否かを判断する。処理開始予想時刻が処理開始期限以前であれば、第2制御装置24は、当初の第1計画および第2計画を第2基板処理装置4に実行させる。その一方で、処理開始予想時刻が処理開始期限より後である場合には、第2制御装置24は、処理開始予想時刻が処理開始期限以前となるように当初の第1計画および第2計画を変更し、変更後の第1計画および第2計画を第2基板処理装置4に実行させる。これにより、第2計画で計画されている基板Wの処理を処理開始期限以前に開始でき、基板Wの品質低下を防止できる。
【0113】
また本実施形態では、第1基板処理装置2で処理された基板Wが中間装置3に到着した後に第2計画が作成される。第2計画で計画されている基板Wの処理開始予想時刻は、第2基板処理装置4での基板Wの処理が開始される予想時刻である。つまり、搬送ロボットなどの装置がある動作を実施するのに実際に必要な時間と、この動作を実施するのに必要と考えられる予想時間とには差があるので、実際に処理が開始される正確な時間を予想することは難しい。特に、基板Wの搬送距離が長いと不確定要因が増加するので、実際に必要な時間と予想時間との差が広がり、処理開始予想時刻の正確さが低下する。したがって、基板Wが中間装置3に到着した後、すなわち、基板Wが第2基板処理装置4に近づき、基板Wの搬送距離が短くなった後に、第2計画を作成することにより、処理開始予想時刻の精度を高めることができる。これにより、より正確な処理開始予想時刻を処理開始期限と比較できるので、第2計画で計画されている基板Wの処理を処理開始期限以前に開始できる。
【0114】
また本実施形態では、処理開始予想時刻が処理開始期限より後である場合、第2制御装置24は、基板Wが退避ユニット29を介して複数の第2ロードポートLP2から複数の第2処理ユニットMPCに搬送されるように当初の第1計画を変更する。さらに、第2制御装置24は、直接搬入口25aから搬入された基板Wが変更前の第1計画で基板Wを処理する予定であった第2処理ユニットMPCに搬入されるように当初の第2計画を変更することにより、処理開始予想時刻が処理開始期限以前となるように処理開始予想時刻を早める。そして、第2制御装置24は、変更後の第1計画および第2計画を第2基板処理装置4に実行させる。これにより、第2計画に対応する基板Wの処理が、第1計画に対応する基板Wの処理よりも優先され、第2計画に対応する基板Wの処理が処理開始期限以前に開始される。
【0115】
また本実施形態では、第1基板処理装置2で処理された基板Wが第2基板処理装置4に搬入される前に当該基板Wの品質を検査する第1検査ユニット9の検査結果に応じて基板処理条件が設定される。そして、第2制御装置24は、第2処理ユニットMPCが検査結果に応じた基板処理条件で基板Wを処理するように第2計画を作成する。したがって、基板Wの品質に応じた条件で基板Wを処理することができ、清浄度などの基板Wの品質を高めることができる。
【0116】
また本実施形態では、第1検査ユニット9が第1基板処理装置2に設けられており、第1基板処理装置2で処理された基板Wの品質が、第1基板処理装置2で検査される。第1検査ユニット9が第1基板処理装置2および中間装置3以外の装置、つまり基板Wの搬送経路外に設けられている場合、第1基板処理装置2および中間装置3の外まで基板Wを搬送することが必要であり、そのための余分な搬送時間が発生する。したがって、第1基板処理装置2に第1検査ユニット9を設けることにより、第1基板処理装置2から第2基板処理装置4までの基板Wの搬送時間を短縮できる。
【0117】
本発明の実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の実施形態では、当初の第2計画で処理開始予想時刻が処理開始期限よりも後である場合、処理開始予想時刻が処理開始期限以前となるように第1計画および第2計画を変更する場合について説明した。しかし、当初の第2計画で処理開始予想時刻が処理開始期限を超える場合であっても、第2制御装置24は、当初の第2計画を第2基板処理装置4のリソースに実行させると共に、処理開始期限の後に基板Wの処理を開始したことをホストコンピュータHCに伝えてもよい。もしくは、第2制御装置24は、基板Wが第2処理ユニットMPCを経由せずに中間装置3から第2ロードポートLP2に搬送されるように第2計画を変更すると共に、第2基板処理装置4での基板Wの処理を回避したことをホストコンピュータHCに伝えてもよい。
【0118】
また、前述の実施形態では、PJで当初指定されているレシピが、第1検査ユニット9の検査結果を反映したレシピに差し替えられ、第2処理ユニットMPCでの基板処理条件が変更される場合について説明した。つまり、どのような検査結果であっても、基板Wが第2処理ユニットMPCで処理される場合について説明した。しかし、レシピの差し替えが行われず、当初指定されているレシピで基板Wが処理されてもよい。また、第2制御装置24は、第1検査ユニット9の検査結果(ホストコンピュータHCから送られた検査情報)に基づいて、基板Wが第2処理ユニットMPCを回避して中間装置3から第2ロードポートLP2に搬送されるように第2計画を作成してもよい。
【0119】
具体的には、第2制御装置24は、直接搬入口25aを介して第2基板処理装置4に搬入される基板Wが複数の第2処理ユニットMPCを回避して第2基板処理装置4の外部から第2ロードポートLP2に第2搬送ユニット(第2インデクサロボットIR2、第2センターロボットCR2、一時保持ユニット27)によって搬送されるように第2計画を作成し、作成された第2計画を第2基板処理装置4のリソースに実行させてもよい。もしくは、第2制御装置24は、直接搬入口25aを介して第2基板処理装置4に搬入される基板Wが第2インデクサロボットIR2によって中間装置3から退避ユニット29に搬送されるように第2計画を作成し、作成された第2計画を第2基板処理装置4のリソースに実行させてもよい。
【0120】
また、前述の実施形態では、第1検査ユニット9が、処理後の基板W(ドライエッチング後の基板W)の表面に形成されたパターンの線幅を測定する場合について説明したが、線幅の測定以外の検査が第1検査ユニット9で行われてもよい。たとえば第1基板処理装置2が成膜装置である場合には、第1基板処理装置2で形成された薄膜の厚みが第1検査ユニット9で測定されてもよい。
【0121】
また、前述の実施形態では、基板Wの品質を検査する検査ユニット(第1検査ユニット9)が第1基板処理装置2に設けられている場合について説明したが、検査ユニットは、中間装置3に設けられていてもよい。また、第1検査ユニット9が、基板処理システム1から省略されてもよい。
また、前述の実施形態では、第1検査ユニット9が、第1基板処理装置2で処理された全ての基板Wを検査する場合について説明したが、第1基板処理装置2で処理された一部の基板Wに対してのみ第1検査ユニット9による検査が行われてもよい。
【0122】
また、前述の実施形態では、第1基板処理装置2、中間装置3、および第2基板処理装置4が、この順番で水平なキャリアCの配列方向D1に配列されている場合について説明したが、キャリアCの配列方向D1に直交する水平な直交方向D2に、第1基板処理装置2、中間装置3、および第2基板処理装置4がこの順番で配列されていてもよい。
また、前述の実施形態では、退避ユニット29の退避ボックス32が、第2インデクサロボットIR2側に開いた開口と、第2センターロボットCR2側に開いた開口とを含む場合について説明したが、第2インデクサロボットIR2および第2センターロボットCR2の一方だけが退避ユニット29内にアクセスできるように2つの開口のうちの一方が省略されてもよい。すなわち、退避ボックス32は、第2インデクサロボットIR2および第2センターロボットCR2の少なくとも一方のハンドHが退避ボックス32の内部に進入できるように構成されていればよい。
【0123】
また、前述の実施形態では、第2処理モジュール23が一時保持ユニット27を備えており、第2インデクサロボットIR2、第2センターロボットCR2、一時保持ユニット27が、第2搬送ユニットを構成している場合について説明したが、一時保持ユニット27が省略され、第2インデクサロボットIR2および第2センターロボットCR2が直接基板Wの受け渡しを行ってもよい。
【0124】
また、前述の実施形態では、直接搬入口25aを開閉する下流シャッタ19を開閉する第2開閉装置が中間制御装置13によって制御される場合について説明したが、第2開閉装置は、第2制御装置24によって制御されてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 :基板処理システム
2 :第1基板処理装置
3 :中間装置
4 :第2基板処理装置
9 :第1検査ユニット
11 :上流支持部材
12 :下流支持部材
13 :中間制御装置
14 :中間ボックス
15 :上流ボックス
16 :ボックス本体
17 :下流ボックス
18 :上流シャッタ
19 :下流シャッタ
20 :排気ダクト
22 :第2インデクサモジュール
23 :第2処理モジュール
24 :第2制御装置
25 :第2インデクサボックス
25a :直接搬入口
27 :一時保持ユニット
28 :中継ユニット
29 :退避ユニット
41 :スケジューリング部
42 :ジョブ管理リスト
43 :ジョブ管理部
44 :スケジューリングエンジン
45 :処理実行指示部
C :キャリア
CR2 :第2センターロボット
HC :ホストコンピュータ
IR1 :第1インデクサロボット
IR2 :第2インデクサロボット
LP1 :第1ロードポート
LP2 :第2ロードポート
MPC :第2処理ユニット
R3 :中間搬送ロボット
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11