特許第6121859号(P6121859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121859
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】ロータ及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20060101AFI20170417BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20170417BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   H02K1/27 501A
   H02K1/27 501K
   H02K1/27 501M
   H02K21/14 M
   H02K1/22 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-199737(P2013-199737)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-65794(P2015-65794A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】森田 智恵
【審査官】 上野 力
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−099096(JP,A)
【文献】 特開2012−115085(JP,A)
【文献】 特開2013−118801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 1/22
H02K 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、
前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる円板磁石と、
前記第1ロータコアの爪状磁極と前記第2ロータコアの爪状磁極との間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置される背面磁石部とを有する整流磁石とを備え、
前記円板磁石と前記極間磁石部と前記背面磁石部とは、互いに磁化方向が異なり、
前記整流磁石前記円板磁石と異なる材料で構成されており、前記整流磁石はボンド磁石であるとともに、前記円板磁石は異方性の焼結磁石であり、
前記整流磁石は、接着により前記円板磁石と一体化されていることを特徴とするロータ。
【請求項2】
それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、
前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる円板磁石と、
前記第1ロータコアの爪状磁極と前記第2ロータコアの爪状磁極との間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置される背面磁石部とを有する整流磁石とを備え、
前記円板磁石と前記極間磁石部と前記背面磁石部とは、互いに磁化方向が異なり、
前記整流磁石と前記円板磁石とは異なる材料で構成されており、前記整流磁石はボンド磁石であるとともに、前記円板磁石は異方性の焼結磁石であり、
前記円板磁石を第1及び第2ロータコアのコアベースで挟んだ状態で、前記整流磁石をインサート成形して前記円板磁石に対し前記整流磁石を一体化したことを特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータにおいて、
前記整流磁石は、配向方向が極異方配向であることを特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載のロータと、該ロータと対向配置されるステータとを有することを特徴とするモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ及びモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータに使用されるロータとして、周方向に複数の爪状磁極をそれぞれ有して組み合わされるロータコアを備え、それらの間に円板磁石(界磁磁石)を配置して各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させる所謂永久磁石界磁のランデル型構造のロータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のロータでは、爪状磁極の背面に設けられる補助磁石(背面磁石)と、周方向における各爪状磁極間に設けられる補助磁石(爪状磁極)とを有し、これら補助磁石と円板磁石の全ての磁石を予め一体成形して部品点数の増加を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−118801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなモータでは、全ての磁石を一体化することで部品点数の増加を抑えることが可能となっている。
しかしながら、予め一体成形された磁石では、各部位での磁束の調整が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数の増加を抑えつつ磁束の調整を容易とすることができるロータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するロータは、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる円板磁石と、前記第1ロータコアの爪状磁極と前記第2ロータコアの爪状磁極との間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置される背面磁石部とを有する整流磁石とを備え、前記円板磁石と前記極間磁石部と前記背面磁石部とは、互いに磁化方向が異なり、前記整流磁石前記円板磁石と異なる材料で構成されており、前記整流磁石はボンド磁石であるとともに、前記円板磁石は異方性の焼結磁石であり、前記整流磁石は、接着により前記円板磁石と一体化されている
【0008】
この構成によれば、整流磁石と円板磁石とが異なる材料で構成されることで、各部位での磁束の調整が容易となって出力調整が可能となる。また、円板磁石と整流磁石が接着により一体化されることで、部品点数の増加を抑えることができる。
【0009】
上記課題を解決するロータは、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる円板磁石と、前記第1ロータコアの爪状磁極と前記第2ロータコアの爪状磁極との間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置される背面磁石部とを有する整流磁石とを備え、前記円板磁石と前記極間磁石部と前記背面磁石部とは、互いに磁化方向が異なり、前記整流磁石と前記円板磁石とは異なる材料で構成されており、前記整流磁石はボンド磁石であるとともに、前記円板磁石は異方性の焼結磁石であり、前記円板磁石を第1及び第2ロータコアのコアベースで挟んだ状態で、前記整流磁石をインサート成形して前記円板磁石に対し前記整流磁石を一体化した。
【0010】
この構成によれば、整流磁石と円板磁石とが異なる材料で構成されることで、各部位での磁束の調整が容易となって出力調整が可能となる。また、円板磁石と整流磁石が上記インサート成形により一体化されることで、部品点数の増加を抑えることができる。また、整流磁石をインサート成形することで、整流磁石の成形とともに円板磁石との一体化を行うことができる。更に、整流磁石が円板磁石並びに各ロータコアに直接成形されるため、例えば整流磁石と各ロータコアとの間に接着層や機械的なエアギャップが発生することを抑えることができる。その結果、ロータのパーミアンスが向上し、ロータのトルクを確保することが可能となる。
【0011】
上記の各ロータの構成によれば、例えば背面磁石部と極間磁石部との両方を備えた整流磁石として形状が複雑になった場合であっても、焼結磁石よりも寸法精度が高く、形状の自由度が高いため、容易に製造することが可能となる。
【0012】
また、上記の各ロータの構成によれば、爪状磁極を各磁極として作用させる円板磁石を比較的磁束の強い焼結磁石で構成することで、爪状磁極をより確実に磁化させて磁極として作用させることが可能となる。
【0013】
上記ロータにおいて、前記整流磁石は、配向方向が極異方配向であることが好ましい。
この構成によれば、背面磁石部と極間磁石部のそれぞれ最適な方向の成分を有するように磁化できる。
【0014】
また上記課題を解決するモータは、上記いずれかのロータと、該ロータと対向配置されるステータとを有する。
この構成によれば、上記いずれかに記載の効果と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のロータ及びモータによれば、部品点数の増加を抑えつつ磁束の調整を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態におけるモータの概略構成図である。
図2】一体磁石を構成する整流磁石の斜視図である。
図3】一体磁石を構成する円板磁石の斜視図である。
図4】ロータの部品構成を示す分解斜視図である。
図5】ロータの斜視図である。
図6図5におけるロータの6−6断面図である。
図7】別例における一体磁石の成形方法について説明するための斜視図である。
図8】別例における一体磁石の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、モータの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、ステータ11と、ステータ11の内部においてステータ11と対向配置されるとともに回転可能に支持されるロータ21とを有する。
【0018】
ステータ11は、ステータコア11aと、ステータコア11aのティースに巻回される巻線11bとを有する。そして、ステータ11は、巻線11bに駆動電流が供給されることでロータ21を回転させる回転磁界を発生する。
【0019】
図1及び図4に示すように、ロータ21は、回転軸22が圧入されることで互いの軸方向の間隔が保持されつつ回転軸22に固定される一対のロータコア23,24と、これら一対のロータコア23,24に挟まれた一体磁石25とを有する。
【0020】
ロータコア23は、略円板状のコアベース23aの外周部に、等間隔に複数(本実施形態では5つ)の爪状磁極23bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。詳しくは、爪状磁極23bは、コアベース23aの外周部から径方向外側に突出した突出部23cと、該突出部23cの先端に設けられ軸方向に延びる爪部23dとを有する。突出部23cは、軸方向から見て扇形状に形成されている。爪部23dは、軸直交方向断面が扇形状に形成されている。
【0021】
図3及び図4に示すように、ロータコア24は、ロータコア23と同形状であって、略円板状のコアベース24aの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極24bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。詳しくは、爪状磁極24bは、コアベース24aの外周部から径方向外側に突出した突出部24cと、該突出部24cの先端に設けられ軸方向に延びる爪部24dとを有する。突出部24cは、ロータコア23の突出部23cと同様に、軸方向から見て扇形状に形成されている。爪部24dは、軸直交方向断面が扇形状に形成されている。また、一方のロータコア24の爪部24dは、他方のロータコア23の爪部23dよりも軸方向に長い構成とされる。ちなみに、ロータコア23が第1ロータコアに相当し、ロータコア24が第2ロータコアに相当する。
【0022】
そして、各ロータコア23,24は、その中央孔に回転軸22が圧入されるとともに、各コアベース23a,24aの軸方向の外側(相反する側)の距離が予め設定された距離となるように回転軸22に対して圧入固定される。この際、ロータコア24は、爪状磁極24bが周方向に隣り合う他方のロータコア23の爪状磁極23b間に配置されるようにして、且つコアベース23aとコアベース24aとの間に一体磁石25が配置(挟持)されるようにしてロータコア23に対して組み付けられている。
【0023】
一体磁石25は、円板磁石26と、整流磁石27とを有する。一体磁石25は、整流磁石27が例えば接着等の後加工によって円板磁石26と一体化されて構成される。円板磁石26と整流磁石27とは、異なる材料で構成される。
【0024】
図3に示すように、円板磁石26は、中央孔が形成された円環状に形成される。
円板磁石26は、ロータコア23の爪状磁極23bを第1の磁極(本実施形態ではN極)として機能させ、ロータコア24の爪状磁極24bを第2の磁極(本実施形態ではS極)として機能させるように、軸方向に磁化されている。即ち、本実施形態のロータ21は、円板磁石26を用いた所謂ランデル型構造のロータである。ロータ21は、N極となる5つの爪状磁極23bと、S極となる5つの爪状磁極24bとが周方向に交互に配置されており、極数が10極(極対数が5個)となる。
【0025】
円板磁石26は、例えば異方性の焼結磁石であり、例えばフェライト磁石、サマリウムコバルト(SmCo)磁石、ネオジム磁石等で構成される。
図2図5及び図6に示すように、整流磁石27は、背面磁石部28,29と、極間磁石部30とを有している。整流磁石27は、例えばボンド磁石(プラスチックマグネット、ゴムマグネット等)であり、例えばフェライト磁石、サマリウム鉄窒素(SmFeN)系磁石、サマリウムコバルト(SmCo)系磁石、ネオジム磁石等で構成される。
【0026】
図5及び図6に示すように、背面磁石部28,29は、ロータコア23の各爪状磁極23bの背面23e(径方向内側の面)とロータコア24のコアベース24aの外周面24fとの間、及び、ロータコア24の各爪状磁極24bの背面24eとロータコア23のコアベース23aの外周面23fとの間に配置される。
【0027】
一方の背面磁石部28は、爪状磁極23bの背面23eに当接する側が爪状磁極23bと同極のN極に、ロータコア24のコアベース24aの外周面24fに当接する側がコアベース24aと同極のS極となるように磁化されている。
【0028】
他方の背面磁石部29は、爪状磁極24bの背面24eに当接する側がS極に、ロータコア23のコアベース23aの外周面23fに当接する側がN極となるように磁化されている。
【0029】
極間磁石部30は、爪状磁極23bと爪状磁極24bとの周方向の間に配置されている。極間磁石部30は、周方向においてロータコア24の爪状磁極24b側がS極に、ロータコア23の爪状磁極23b側がN極となるように磁化されている。
【0030】
次に、本実施形態のモータの作用を説明する。
本実施形態のモータ10は、巻線11bに駆動電流が供給されると、ステータ11にて回転磁界が発生され、ロータ21が回転駆動される。
【0031】
ここで、本実施形態のロータ21は、整流磁石27と円板磁石26とが異なる材料で構成されている。このため、整流磁石27と円板磁石26とが同一材料である場合と比較して磁束の調整が容易となっている。また、整流磁石27と円板磁石26とは後加工によって一体化されているため、部品点数の増加を抑えることができる。さらに、整流磁石27が極間磁石部30及び背面磁石部28,29を有するため、極間磁石部30及び背面磁石部28,29の一方しか有さない整流磁石と比較してロータ21の磁束量が増えるとともに、円板磁石26の磁束の流れが整えられるため、ロータ21の出力向上に寄与できる。
【0032】
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)整流磁石27と円板磁石26とが異なる材料で構成されることで、各部位での磁束の調整が容易となって出力調整が可能となる。また、円板磁石26と整流磁石27が後加工で一体化されることで、部品点数の増加を抑えることができる。
【0033】
(2)また、整流磁石27をボンド磁石とすることで、背面磁石部28,29と極間磁石部30との両方を備えて形状が複雑になった場合であっても、焼結磁石よりも寸法精度が高く、形状の自由度が高いため、容易に製造することが可能となる。
【0034】
(3)爪状磁極23b,24bを各磁極として作用させる円板磁石26を比較的磁束の強い焼結磁石で構成することで、爪状磁極23b,24bをより確実に磁化させて磁極として作用させることが可能となる。
【0035】
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、一体磁石25は整流磁石27を円板磁石26と接着によって一体化する構成としたが、これに限らない。例えば、一体磁石25は、図7に示すように円板磁石26を各ロータコア23,24で挟んだ状態で、整流磁石27をインサート成形して前記円板磁石26に対し前記整流磁石27を後加工で一体化する構成を採用してもよい。整流磁石27をインサート成形することで、整流磁石27の成形とともに円板磁石26との一体化を行うことができる。更に、整流磁石27が円板磁石26並びに各ロータコア23,24に直接成形されるため、例えば整流磁石27と各ロータコア23,24との間に接着層や機械的なエアギャップが発生することを抑えることができる。その結果、ロータ21のパーミアンスが向上し、ロータ21のトルクを確保することが可能となる。
【0036】
図8に示す一体磁石25のように、主磁束を発生する円板磁石26に対して補助的に機能する整流磁石27の着磁態様を極異方配向としてもよい。詳述すると、一体磁石25は、S極の背面磁石部29の外側面から隣接の極間磁石部30を経由してN極の背面磁石部28の外側面に向けて磁束が径方向内側に凸状に湾曲して流れる、いわゆる極異方配向の着磁がなされている。これにより、背面磁石部28,29は径方向成分の磁束を有し、極間磁石部30は周方向成分の磁束を有することとなり、上記実施形態の一体磁石25と同様に機能し、背面磁石部28,29と極間磁石部30のそれぞれ最適な方向の成分を有するように磁化できる。
【0037】
・上記実施形態では、整流磁石27が極間磁石部30及び背面磁石部28,29を有する構成としたが、これらの少なくとも一方を有する構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、各爪状磁極23b,24bのそれぞれを5つとして、極数が10極のロータとしたが、これに限らず、適宜変更してもよい。
【0038】
・上記実施形態では、極間磁石部30を10個、背面磁石部28,29を計10個としたが、爪状磁極23b,24bの個数に応じて適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、円板磁石26を焼結磁石とし、整流磁石27をボンド磁石としたが、これに限らず適宜変更してもよい。
【0039】
・上記実施形態の円板磁石26及び整流磁石27の材料は、上記実施形態で示したものに限らず、円板磁石26と整流磁石27とで異なる材料のものを採用すれば適宜変更してもよい。
【0040】
・上記実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…モータ、11…ステータ、21…ロータ、23a…コアベース、23b…爪状磁極、24a…コアベース、24b…爪状磁極、26…円板磁石、27…整流磁石、28…背面磁石部、29…背面磁石部、30…極間磁石部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8