(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
末端にフランジ部を設けた外筒と、該外筒の内側に回動可能に嵌挿された内筒と、該内筒の端部近傍に該内筒と係合可能に該外筒の内側に配設された錠軸と、を備えてなる変換式錠本体を、延設ブロックの先端部に取り付けたキー変換式錠であって、
該変換式錠本体の該内筒と外筒には各々複数の貫通孔が軸方向と直角に、該内筒の貫通孔と外筒の貫通孔が各々連通可能な対応位置に穿設され、該内筒と錠軸間にリセット用貫通孔が穿設され、該リセット用貫通孔にはリセットピンが錠軸と内筒を係合させるために挿入され、該リセットピンの係合を解除させるために操作ノブが該変換式錠本体の末端に移動可能に設けられ、該内筒と外筒の複数の貫通孔には、各々ドライブピンとコード設定用スペーサとベースピンがコイルばねにより付勢されて挿入され、
該変換式錠本体のフランジ部の背面に該延設ブロックが固定され、該延設ブロックの末端部に取付孔を有した取付フランジが設けられ、
該延設ブロック内には軸用凹部が形成されるとともに、該軸用凹部に隣接して操作軸用凹部が形成され、
該軸用凹部には連結軸が挿入され、カバー体を該連結軸の上から該軸用凹部に嵌め込むことにより、該連結軸が回動可能に保持され、
該操作軸用凹部には操作軸が軸方向に摺動可能に嵌め込まれるとともに、該操作軸の先端近傍に、該操作軸を先端側に押圧摺動させたとき、該先端の押圧によって前記操作ノブの操作方向に動く作動部材が設けられ、
該作動部材には該延設ブロックから突出して該操作ノブと係合可能な係合凸部が設けられ、該操作軸の末端には該延設ブロックから背面側に突出する摘み部が設けられ、
該摘み部を押し込むことにより、該操作軸を軸方向に摺動させ、該作動部材を動かして、キー変換のためのリセットを行うことを特徴とするキー変換式錠。
前記作動部材は前記延設ブロックの一部に回動可能に軸支され、前記操作軸の先端が該作動部材にリンク結合され、該操作軸を押圧摺動したとき、該作動部材が該係合凸部を前記操作ノブの操作方向に動かすように回動し、該操作軸には戻し方向に付勢する戻しばねが設けられたことを特徴とする請求項1記載のキー変換式錠。
前記操作軸の先端に傾斜面が設けられるとともに、前記作動部材には該傾斜面が当接する傾斜部が設けられ、該操作軸を押圧摺動したとき、該作動部材は該係合凸部を前記操作ノブの操作方向に動かすように摺動し、該作動部材には該作動部材を戻し方向に付勢する戻しばねが設けられたことを特徴とする請求項1記載のキー変換式錠。
末端にフランジ部を設けた外筒と、該外筒の内側に回動可能に嵌挿された内筒と、該内筒の端部近傍に該内筒と係合可能に該外筒の内側に配設された錠軸と、を備えてなる変換式錠本体を、延設ブロックの先端部に取り付けたキー変換式錠であって、
該変換式錠本体の該内筒と外筒には各々複数の貫通孔が軸方向と直角に、該内筒の貫通孔と外筒の貫通孔が各々連通可能な対応位置に穿設され、該内筒と錠軸間にリセット用貫通孔が穿設され、該リセット用貫通孔にはリセットピンが錠軸と内筒を係合させるために挿入され、該リセットピンの係合を解除させるために操作ノブが該変換式錠本体の末端に移動可能に設けられ、該内筒と外筒の複数の貫通孔には、各々ドライブピンとコード設定用スペーサとベースピンがコイルばねにより付勢されて挿入され、
該変換式錠本体のフランジ部の背面に該延設ブロックが固定され、該延設ブロックの末端部に取付孔を有した取付フランジが設けられ、
該延設ブロック内には軸用凹部が形成されるとともに、該軸用凹部に隣接して操作軸用凹部が形成され、
該軸用凹部には連結軸が挿入され、カバー体を該連結軸の上から該軸用凹部に嵌め込むことにより、該連結軸が回動可能に保持され、
該操作軸用凹部には操作軸が中間部の支軸を介して揺動可能に軸支され、該操作軸の先端側に作動部材が該延設ブロックに対し揺動可能に軸支され、該操作軸の先端が該作動部材にリンク結合され、
該作動部材には該延設ブロックから突出して該操作ノブと係合可能な係合凸部が設けられ、該操作軸の末端には該延設ブロックから背面側に突出する摘み部が設けられ、
該操作軸には戻し方向に付勢する戻しばねが設けられ、
該摘み部のスライド操作により、該操作軸が該支軸を軸に揺動し、該作動部材が揺動して該係合凸部が該操作ノブを動かし、キー変換のためのリセットを行うことを特徴とするキー変換式錠。
前記変換式錠本体の内筒の鍵穴に鍵を挿入して該内筒を回動操作したとき、該内筒を元の位置に戻す方向に付勢するトーションばねが、前記連結軸に外嵌されたことを特徴とする請求項1または4記載のキー変換式錠。
前記連結軸の先端に異形断面を有する連結部が設けられ、前記変換式錠本体の錠軸の先端に、異形断面の連結穴を有する連結部材が嵌着され、該連結軸の先端の連結部が該連結部材の連結穴に嵌合し、該連結軸が該錠軸に連結されたことを特徴とする請求項1または4記載のキー変換式錠。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本出願人は、上記特許文献1により、既存の変換式錠の鍵穴面から錠軸までの長さを長くして使用できると共に、延設ブロックに設けた操作軸をその軸の回りで回動操作してキーの変換操作を容易に行うことができるキー変換式錠を提案した。
【0012】
このキー変換式錠は、延設ブロックの端部から露出する操作軸の先端を回動操作してキーの変換操作を行なうことができるものの、操作軸の小径の先端部を捻って変換操作する構造のため、操作の容易性に難点があり、変換操作を容易に行うことができるキー変換式錠が要望されていた。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、延設ブロックを付加した錠であっても、操作軸の摘み部を押すのみ或いはスライドさせるのみの簡単な操作で、キーの変換操作を容易に行うことができるキー変換式錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のキー変換式錠は、末端にフランジ部を設けた外筒と、該外筒の内側に回動可能に嵌挿された内筒と、該内筒の端部近傍に該内筒と係合可能に該外筒の内側に配設された錠軸と、を備えてなる変換式錠本体を、延設ブロックの先端部に取り付けたキー変換式錠であって、
該変換式錠本体の内筒と外筒には各々複数の貫通孔が軸方向と直角に、該内筒の貫通孔と外筒の貫通孔が各々連通可能な対応位置に穿設され、該内筒と錠軸間にリセット用貫通孔が穿設され、リセット用貫通孔にはリセットピンが錠軸と内筒を係合させるために挿入され、該リセットピンの係合を解除させるために操作ノブが変換式錠本体の末端に移動可能に設けられ、内筒と外筒の複数の貫通孔には、各々ドライブピンとコード設定用スペーサとベースピンがコイルばねにより付勢されて挿入され、
該変換式錠本体のフランジ部の背面に該延設ブロックが固定され、該延設ブロックの末端部にねじ孔を有した取付フランジが設けられ、
該延設ブロック内には軸用凹部が形成されるとともに、該軸用凹部に隣接して操作軸用凹部が形成され、
該軸用凹部に連結軸を挿入し、カバー体を該連結軸の上から該軸用凹部に嵌め込むことにより該連結軸が回動可能に保持され、
該操作軸用凹部には操作軸が軸方向に摺動可能に嵌め込まれるとともに、該操作軸の先端近傍に、該操作軸を先端側に押圧摺動させたとき、該先端の押圧によって前記操作ノブの操作方向に動く作動部材が設けられ、
該作動部材には該延設ブロックから突出して該操作ノブと係合可能な係合凸部が設けられ、該延設ブロックから背面側に突出する操作軸の末端に摘み部が設けられ、
該摘み部を押し込むことにより該操作軸を軸方向に摺動させ、該作動部材を動かして、キー変換のためのリセットを行うことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、延設ブロックに設けた操作軸の摘み部を押すのみの簡単な操作で、容易にキー変換のためのリセットを行うことができる。
【0016】
ここで、上記キー変換式錠において、上記作動部材は前記延設ブロックの一部に回動可能に軸支され、前記操作軸の先端が該作動部材にリンク結合され、該操作軸を押圧摺動したとき、該作動部材が該係合凸部を前記操作ノブの操作方向に動かすように回動し、該操作軸には戻し方向に付勢する戻しばねを設けることができる。
【0017】
またここで、上記キー変換式錠において、上記操作軸の先端に傾斜面が設けられるとともに、上記作動部材には該傾斜面が当接する傾斜部が設けられ、該作動部材には該作動部材を戻し方向に付勢する戻しばねを設けることができる。
【0018】
さらに、本発明の別のキー変換式錠は、末端にフランジ部を設けた外筒と、該外筒の内側に回動可能に嵌挿された内筒と、該内筒の端部近傍に該内筒と係合可能に該外筒の内側に配設された錠軸と、を備えてなる変換式錠本体を、延設ブロックの先端部に取り付けたキー変換式錠であって、
該変換式錠本体の該内筒と外筒には各々複数の貫通孔が軸方向と直角に、該内筒の貫通孔と外筒の貫通孔が各々連通可能な対応位置に穿設され、該内筒と錠軸間にリセット用貫通孔が穿設され、該リセット用貫通孔にはリセットピンが錠軸と内筒を係合させるために挿入され、該リセットピンの係合を解除させるために操作ノブが該変換式錠本体の末端に移動可能に設けられ、該内筒と外筒の複数の貫通孔には、各々ドライブピンとコード設定用スペーサとベースピンがコイルばねにより付勢されて挿入され、
該変換式錠本体のフランジ部の背面に該延設ブロックが固定され、該延設ブロックの末端部にねじ孔を有した取付フランジが設けられ、
該延設ブロック内には軸用凹部が形成されるとともに、該軸用凹部に隣接して操作軸用凹部が形成され、
該軸用凹部には連結軸が挿入され、カバー体を該連結軸の上から該軸用凹部に嵌め込むことにより、該連結軸が回動可能に保持され、
該操作軸用凹部には操作軸が中間部の支軸を介して揺動可能に軸支され、該操作軸の先端側に作動部材が該延設ブロックに対し回動可能に軸支され、該操作軸の先端が該作動部材にリンク結合され、
該作動部材には該延設ブロックから突出して該操作ノブと係合可能な係合凸部が設けられ、該操作軸の末端には該延設ブロックから背面側に突出する摘み部が設けられ、
該操作軸には戻し方向に付勢する戻しばねが設けられ、
該摘み部のスライド操作により、該操作軸が該支軸を軸に揺動し、該作動部材が揺動して該係合凸部が該操作ノブを動かし、キー変換のためのリセットを行うことを特徴とする。
【0019】
ここで、上記キー変換式錠において、上記延設ブロックは、前記フランジ部が固定されるフランジ取付部と施錠装置の被取付部に固定される取付フランジとを金属板により略コ字状に曲折して形成されたブロック外本体と、該ブロック外本体内に嵌着される合成樹脂製のブロック内本体とを備え、該ブロック外本体のフランジ取付部には、フランジ部を固定するためのねじ孔が設けられ、該取付フランジには該被取付部に固定するためにねじ孔が設けられ、該ブロック内本体には上記軸用凹部及び上記操作軸用凹部を設けて構成することができる。
【0020】
この発明によれば、延設ブロックのブロック外本体が略コ字状の金属板から形成されるので、フランジ部が固定されるフランジ取付部と施錠装置の被取付部に固定される取付フランジとを強固に形成して、不正行為などでシリンダ錠に加わる荷重に対する補強を充分に行なって、強固なキー変換式錠とすることができる。
【0021】
また、上記キー変換式錠において、上記変換式錠本体の内筒の鍵穴に鍵を挿入して該内筒を回動操作したとき、該内筒を元の位置に戻す方向に付勢するトーションばねを、前記連結軸に外嵌させることができる。
【0022】
また、上記キー変換式錠において、上記連結軸の先端に異形断面を有する連結部が設けられ、前記変換式錠本体の錠軸の先端に、異形断面の連結穴を有する連結部材が嵌着され、該連結軸の先端の連結部が該連結部材の連結穴に嵌合し、該連結軸を該錠軸に連結させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のキー変換式錠によれば、延設ブロックを付加した錠であっても、操作軸の摘み部を押し或いはスライドさせるのみの簡単な操作で、キーの変換操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜
図6はキー変換式錠の外観を示している。このキー変換式錠1は、基本的には、キーコードを変更して解錠キーを変換可能なシリンダ錠の変換式錠本体2を、延設ブロック10の先端に取り付けたキー変換式錠であり、変換式錠本体2のフランジ部7の背面側に、延設ブロック10を固定して構成される。延設ブロック10内には、連結軸15が変換式錠本体2の錠軸5の端部と連結させて回動可能に嵌入され、さらに操作軸18が変換式錠本体2の操作ノブ6と係合可能に且つ押し込み摺動可能に挿入され、操作軸18の押し込み操作により操作ノブ6を動かすように構成される。
【0026】
変換式錠本体2は、汎用のシリンダ錠と同様な大きさの円筒形の外筒3と、その外筒3の内側に回動可能に嵌挿された内筒4と、その内筒4の先端に係合可能に外筒内に配設された錠軸5と、を備えて構成され、内筒4と外筒3には、図示を省略しているが、各々複数の貫通孔が軸方向と直角に、内筒4の貫通孔と外筒3の貫通孔は各々連通可能な位置に穿設される。
【0027】
また、外筒3にはスペーサ供給用貫通孔が、コード設定用スペーサを供給するために穿設されている。このスペーサ供給用貫通孔は上記貫通孔に対し180度の角度位置に設けられる。そして、内筒4と外筒3の上記貫通孔には、各々ドライブピンとコード設定用スペーサとベースピンがコイルばねにより内側に付勢されて挿入され、スペーサ供給用貫通孔には、ドライブピンとコード設定用スペーサがコイルばねと共に挿入されている。
【0028】
さらに、内筒4と錠軸5間にリセット用孔が穿設され、リセット用孔にはリセットピンが錠軸5と内筒4を係合させるために、操作ノブ6により移動可能に挿入される。変換操作用の操作ノブ6は、
図7,8に示すように、変換式錠本体2のフランジ部7の背面に覆うように取り付けたカバー板から突出し、内側(錠軸5側)に移動可能に配設されている。フランジ部7の両端部には、取付ねじ24の挿入用の孔が穿設される。
図7のように、2本の取付ねじ24をフランジ部7の孔に挿入し、ブロック外本体13のフランジ取付部13bに設けたねじ孔13cにねじ込み、変換式錠本体2のフランジ部7の背面に延設ブロック10が固定される。
【0029】
変換式錠本体2は、内筒4と錠軸5間に穿設されたリセット用孔に、コイルばねと共にリセットピンが挿入され、このリセットピンを操作ノブ6によりコイルばねの付勢力に抗して押し込んだとき、リセットピンの端面が内筒4と錠軸5の境界線と一致し、この状態では内筒4に挿入した解錠キーを回すことにより、内筒4のみを(錠軸5を切り離して)回動させることができる構造となっている。そして、操作ノブ6の非操作時には、リセットピンが内筒4と錠軸5の境界線を横断して位置し、内筒4と錠軸5はリセットピンによって連結され、共に回動する。
【0030】
解錠キーを変換する場合には、現状の解錠キーを変換式錠本体2の鍵穴に挿入し、リセット用の操作ノブ6をリセット位置つまり内側に押して移動させた状態で、そのキーを180度回動させる。このとき、内筒4のみが180度回動し、内筒4内の貫通孔が外筒3内のスペーサ供給用貫通孔と連通した状態となり、各貫通孔のコード設定用スペーサが内筒の貫通孔とスペーサ供給用貫通孔に集まる。
【0031】
そして、現状の解錠キーを抜いて新たなキーを鍵穴に挿入すると、その新たなキーの溝の深さに応じて、コード設定用スペーサがスペーサ供給用貫通孔から内筒4の貫通孔に移動し、キーコードが新たなキーに対応したコードに変更される。この状態で、キーを元の位置に戻すように180度回動すれば、リセットピンが内筒4と錠軸5を連結する位置に戻り、内筒4と錠軸5が一体に回動する状態となり、解錠キーが新たなキーに変換される。
【0032】
上記構成の変換式錠本体2におけるフランジ部7の背面側に、延設ブロック10が取付ねじ24により固定される。延設ブロック10は、
図7、8、9に示すように、変換式錠本体2のフランジ部7が固定されるフランジ取付部13bと施錠装置の被取付部に固定される取付フランジ13aとを金属板により略コ字状に曲折して形成されたブロック外本体13と、ブロック外本体13内に嵌着される硬質合成樹脂製のブロック内本体16とを備えて構成される。
【0033】
ブロック外本体13のフランジ取付部13bには、
図9に示す如く、フランジ部7を固定するためのねじ孔13c、操作ノブ6を内側に入れるための開口部13d、及び錠軸5を内側に入れるための開口部13eが設けられる。一方、取付フランジ13aには、
図9のように、被取付部に固定するためにねじ孔13f、操作軸18の摘み部18bを突出するための開口部13g、及び錠軸端部15bを突出させるための開口部13hが設けられる。
【0034】
さらに、金属板製のブロック外本体13の板部には、カバー体17及びブロック内本体16を一体的に取り付けるための取付ねじ23用のねじ孔13iが形成され、2本の取付ねじ23によりカバー体17及びブロック内本体16がブロック外本体13に対し共締めされ固定される。
【0035】
また、硬質合成樹脂により成形されるブロック内本体16内には、連結軸15を収容する軸用凹部11、及び操作軸18を収容する操作軸用凹部12が長手方向に沿って設けられる。また、
図9のように、操作軸用凹部12の先端側には、作動部材用凹部12aが設けられ、作動部材用凹部12aには作動部材19が支軸19bを軸に揺動可能に収容される
上記のように、延設ブロック10のブロック外本体13が略コ字状の金属板から形成されるので、フランジ部7が固定されるフランジ取付部13bと施錠装置の被取付部に固定される取付フランジ13aとを強固に形成することができ、これにより、不正行為などで変換式錠本体2に加わる荷重を、ブロック外本体13のフランジ取付部13bにより保持し、補強された強固なキー変換式錠としている。また、変換式錠本体2のフランジ部7は取付ねじ24の先端を金属板のフランジ取付部13bのねじ孔13cにねじ込んで取り付けるため、変換式錠本体2と延設ブロック10とは強固に固定される。
【0036】
図7,8のように、操作軸用凹部12内に摺動可能に挿入される操作軸18はその押し込み操作によって変換式錠本体2の操作ノブ6を移動させてキーの変換操作を行う軸であり、
図9に示す如く、帯板状に形成される。操作軸18の先端部に、連結軸18aが側方に突設され、連結軸18aに作動部材19の連結孔19cが嵌合してリンク結合される。作動部材19はその支軸19bを軸に揺動する。
【0037】
操作軸18の末端部は摘み部18bとなって、取付フランジ13aの開口部13gから背面側に突出し、操作軸18の摘み部18bを押すことにより、操作軸18を所定のストロークだけ押し込み可能とされ、キーの変換操作を容易に可能としている。さらに、操作軸18の中間部には、操作軸18を戻し方向(背面側)に付勢する戻しばね20が装着され、操作軸18を押し込んだ後、ばね力により元の位置に戻るようになっている。
【0038】
操作軸18の先端にリンク結合される作動部材19は、
図9,10に示すように、その背面側下部に支軸19bが側方に突設され、作動部材19の先端には、操作ノブ6と係合する係合凸部19aが突設される。作動部材19は、ブロック内本体16内の作動部材用凹部12aに設けた軸孔に、その支軸19bが嵌入され、
図10に示す如く、その係合凸部19aを上下に揺動(回動)させるように軸支され、変換式錠本体2の操作ノブ6を押し下げてキーの変換動作を行なうことができる。上記構成より、
図10のように、操作軸18の摘み部18aを所定ストロークだけ押し込むと、その先端にリンクされた作動部材19が、その支軸19bを軸に
図10の時計方向に揺動し、その先端の係合凸部19aが同方向に移動し、変換式錠本体2の操作ノブ6が係合凸部19aに押されて下方に動き、キーの変換が可能となる。
【0039】
延設ブロック10のブロック内本体16の略中央には、長手方向に沿って軸用凹部11が形成され、軸用凹部11の内側に、上記変換式錠本体2の錠軸5の端部と連結される連結軸15が回動可能に嵌入され、収容される。連結軸15の先端部には連結部15aが異形断面を有して形成され、
図7に示すように、同様異形断面の連結穴22aを有する連結部材22がその連結部15aに連結穴22aを嵌合させて連結されるようになっている。連結部材22は、
図7に示すように、変換式錠本体2の背面側に突出する錠軸5の先端に、ねじ25で固定される。
【0040】
図9に示すように、連結軸15の末端に、錠軸5と同様な形状の錠軸端部15bが設けられ、延設ブロック10の取付フランジ13aから外側に突出する錠軸端部15bには、
図7のように、カム部材8がねじ26により固定される。また、連結軸15の中間部には、
図8,9に示すように、トーションばね21が外嵌され、連結軸15は、このトーションばね21の付勢力により、常にもとの回動位置に戻るようになっている。
【0041】
連結軸15の中間部には、係合片15c(
図9)が設けられ、この係合片15cがトーションばね21の両側脚部間に係合するように、トーションばね21が連結軸15に外嵌される。トーションばね21の両側脚部はブロック内本体16の内側に係合する。これにより、キー変換式錠1の通常の使用時、キー操作によってその錠軸5が回動操作され、それに応じて連結軸15が回動したとき、トーションばね21により元の角度位置に戻るように付勢される。このため、使用者がキーを回す力を解除すれば、連結軸15、錠軸5、及び内筒4がトーションばね21の付勢力により元の位置に戻される。
【0042】
上記軸用凹部11と操作軸用凹部12は、その凹部に連結軸15、操作軸18を嵌入したとき、
図7のように、その左側面に開口が生じ、その開口を閉鎖するように、カバー体17が嵌着される。このカバー体17は、硬質合成樹脂により成形され、軸用凹部11内の連結軸15と操作軸用凹部12内の操作軸18を回動可能に保持するように、延設ブロック10の開口に嵌め込まれ、取付ねじ23により締め付け固定される。
【0043】
また、カバー体17には、
図8に示す如く、背面側端部に係合部17aが内側に曲折するように突設される。カバー体17は、取付時、その係合部17aをブロック外本体13の取付フランジ13aに設けた切欠部に嵌入させ、且つ正面側のフランジ取付部13b側からねじ17bをカバー体17にねじ込み、カバー体17を定位置に強固に固定するようになっている。さらに、カバー体17をブロック内本体16に対し取り付ける取付ねじ23の先端は、金属板製のブロック外本体13に設けたねじ孔13iにねじ込まれ、共締めにより締め付け固定されるため、カバー体17及びブロック内本体16が合成樹脂製であっても、強固にカバー体17を金属製のブロック外本体13に対し固定することができる。
【0044】
上記のように構成されたキー変換式錠1は、例えばスロットマシンの施錠装置の基枠体31における取付板32に、
図11〜
図15のように取り付けられる。
【0045】
施錠装置は、
図11〜
図15に示す如く、金属板をプレス加工して形成された縦長の基枠体31を有し、基枠体31は略断面L形に曲折された取付板32と支持板33を持ち、取付板32の反支持板側の端部は、短い幅で外側に長手方向に沿って曲折され、取付板32には上記キー変換式錠1の取付用の孔と複数の固定孔が穿設されている。
【0046】
図11,12に示す如く、取付板32に対し略直角に曲折された支持板33の上部と下部近傍に幅広部が形成され、その部分に、鉤部材35、36が枢軸37、38により回動可能に軸支されている。鉤部材35,36は、その先端部が傾斜面を有したフック状に形成されている。
【0047】
上下の鉤部材35,36は、
図12に示すように、鉛直姿勢の支持板33に対し、各々略水平横方向に突出した状態で静止するが、このために、当接支持部33aが、上の鉤部材35の元部下側に当接可能な位置に、支持板33の一部を内側に切り起こした状態で設けられている。したがって、鉤部材35,36はその元部が連結杆34を介して下側に付勢されることにより、略水平横方向に突出した状態で、その元部が当接支持部33aに当接し、静止する。
【0048】
そして、鉤部材35,36は、そのような水平姿勢から下側に傾動可能に、枢軸36、37によって枢支されている。基枠体31の支持板33の内側に沿って帯状の連結杆34が摺動可能に配設され、上下の鉤部材35、36の末端部に連結軸39、40を介して連結杆34の上端と下端が連結される。したがって、連結杆34が上方に摺動することにより、鉤部材35、36は下側の解錠位置に傾動する。連結杆34にはこれを下側(施錠方向)に付勢するためのコイルばね47が後述のスイッチ作動杆45との間に装着されている。
【0049】
図12に示すように、鉤部材35,36を枢支した支持板33の幅広部には、フック状の鉤部材35,36の係止凹部に対応した背後位置に、当接部33bが設けられている。この当接部33bは、
図15のように、ゲーム機の前扉51がキャビネット50に対し閉じられ、鉤部材35,36が本体枠側の受け金具53の板状係止部54,55に係止したとき、その当接部33bに板状係止部54,55が当接可能とされ、不正行為によって前扉51が上方に持ち上げられた際、鉤部材35,36が下側に傾動して不正解錠される不具合を防止している。
【0050】
取付板32の上部と中間部と下部寄りに、山形のガイド支持部32aが連結杆34をガイドするように、取付板32の一部を内側に切り起して形成されている。連結杆34はそのガイド支持部32aと支持板33間に配設され、ガイド支持部32aと支持板33により上下摺動可能にガイドされる。また、
図12のように、連結杆34の一部に長孔34bが穿設され、その長孔34bにガイドピン42が挿通されて支持板33に固定され、連結杆34はガイドピン42により長手方向に摺動可能にガイドされる。また、連結杆34の中間部には、カム部材8の係合凸部に係合可能な係合部34cが形成されている。
【0051】
さらに、取付板32の中間部には、
図13、14のように、キー変換式錠1を取り付けるための幅広部が形成され、その幅広部に異形孔が形成され、その孔にキー変換式錠1が背面側から挿入され、その延設ブロック10の取付フランジ13aを取付板32の内側にねじ止めして、キー変換式錠1が取付板32上に突出して取り付けられる。さらに、
図12、
図14に示すように、支持板33と連結杆34との間に、スイッチ作動杆45が摺動可能に配設される。このスイッチ作動杆45は、キー変換式錠1によりカム部材8を左に回したとき、そのカム部材8に係合して下側に摺動し、作動スイッチ49をオンオフ動作させるように構成される。連結杆34とスイッチ作動杆45の間にコイルばね47が掛けられ、このコイルばね47のばね力によって連結杆34は下側に付勢され、スイッチ作動杆45は上側に付勢されている。
【0052】
キー変換式錠1の連結軸15における錠軸端部15bの先端に、カム部材8がねじ26により固定される。
図14に示すように、カム部材8には2つの係合凸部が設けられ、連結杆34の対応箇所には、一方の係合凸部と係合可能な係合部34cが設けられ、スイッチ作動杆45には他方の係合凸部と係合可能な係合凹部が設けられる。カム部材8はキー変換式錠1のキーを右に回した時、連結杆34と係合して連結杆34を上方に移動させ、カム部材8はキーを左に回した時、スイッチ作動杆45と係合してこれを下方に摺動させる。
【0053】
図14に示すように、スイッチ作動杆45の下端部に対向した位置の取付板32上に、透過型の光電スイッチ、近接スイッチなどの非接触式の作動スイッチ49が取り付けられ、キー変換式錠1を左に回し、スイッチ作動杆45が下に移動したとき、その端部を検知してリセット信号などの信号を出力する。
【0054】
支持板33の下部の幅広部には、合成樹脂製のローラ48が回転自在に軸支される。このローラ48は、前扉51の閉鎖時に受け金具53に設けたローラ受け57上を転動して前扉51を支持する。また、
図12のように、支持板33と反対側の取付板32の側縁部には、縁部を直角に曲げて側壁32bが形成され、これによって、基枠体31を補強すると共に、カム部材8やその係合部分に、針金等を侵入させないようにしている。
【0055】
このように構成された施錠装置は、
図15に示すように、ゲーム機例えばスロットマシンの前扉51の内側に基枠体31の取付板32を縦に固定して装着され、ゲーム機のキャビネット50側の対応位置に受け金具53が取り付けられる。
【0056】
受け金具53は、
図15のように、縦長の基板の上部と下部に、板状係止部54,55を突設して形成され、板状係止部54,55は施錠装置側の鉤部材35、36の対向位置に配置される。さらに、受け金具53の板状係止部55の下側にはローラ受け57が設けられる。また、受け金具53の側部には、長尺の基板の側縁に沿った側縁部として隙間覆い部が設けられる。
【0057】
施錠するために、前扉51をキャビネット50に対し閉じると、先ず、鉤部材35,36の傾斜面が受け金具53の板状係止部54,55の端部に接触して鉤部材35,36が下側に傾動し、鉤部材35,36の係止凹部が板状係止部54,55に係合したとき、
図15のように、鉤部材35,36が上側に傾動復帰して施錠状態となる。
【0058】
一方、前扉51を開くために、解錠キーをキー変換式錠1に挿入し、それを右に回すと、変換式錠本体2の錠軸5及びカム部材8が同方向に回動し、カム部材8との係合により連結杆34がコイルばね47の付勢力に抗して上方に移動し、これにより、上下の鉤部材35、36が下側に傾動して、キャビネット50側の受け金具53の板状係止部54,55との係合を外し、解錠状態となる。
【0059】
一方、ゲーム機をリセットする場合、解錠キーをキー変換式錠1に挿入し、それを左に回すと、錠軸5及びカム部材8が同方向に回動し、カム部材8との係合によりスイッチ作動杆45がコイルばね47の付勢力に抗して下方に移動する。このとき、作動スイッチ49がこのスイッチ作動杆45の下端部を検知して信号を出力し、この信号がリセット信号として送出される。
【0060】
一方、この施錠装置の解錠キーを、新たなキーに変換する場合、現状の解錠キーを使用して前扉51を開放し、その状態で、前扉51の内側に指を挿入し、基枠体31の内側の延設ブロック10の背面に位置するリセット用の操作ノブ6に連係された操作軸18の摘み部18bを押し込む。この摘み部18bの押し込みは
図10の如く僅かなストロークで行うことができる。
【0061】
このとき、
図10に示すように、操作軸18の軸方向の摺動により、その先端にリンクされた作動部材19が支軸19bを軸に
図10の時計方向に揺動し、その先端の係合凸部19aが下に振られ、変換式錠本体2の操作ノブ6が下側つまりリセット側に移動する。その状態で、解錠キーを180度回動させる。この操作軸18及び操作ノブ6の動作によって、錠のリセットピンが押されて、内筒4と錠軸5の係合が解除され、内筒4のみが180度回動する。このとき、内筒4内の貫通孔が外筒3内のスペーサ供給用貫通孔と連通した状態となり、各貫通孔のコード設定用スペーサが内筒の貫通孔とスペーサ供給用貫通孔に集まる。
【0062】
次に、現状の解錠キーを抜いて新たなキーを鍵穴に挿入すると、その新たなキーの溝の深さに応じて、コード設定用スペーサがスペーサ供給用貫通孔から内筒4の貫通孔に移動し、キーコードが新たなキーに対応したコードに変更される。この状態で、キーを元の位置に戻すように180度回動すれば、リセットピンが内筒4と錠軸5を連結する位置に戻り、内筒4と錠軸5が一体に回動する状態となり、解錠キーが新たなキーに変換される。
【0063】
このように、汎用の変換式錠を使用しそのフランジ部の背面に延設ブロック10を取り付けて長尺状としたキー変換式錠1であっても、延設ブロック10の背面に操作軸18の摘み部18bを押し込み可能に突出させているため、その摘み部18bを押すのみの簡単な操作で、解錠キーの変換を行なうことができる。したがって、スロットマシンのように厚さの厚い前扉をもったゲーム機でも、汎用の変換式錠を使用して低コストで施錠装置を製造することができる。
【0064】
また、スロットマシンの厚い前扉を施錠する施錠装置のみではなく、近年のパチンコ機における厚い前面枠にも、上記キー変換式錠を有する施錠装置を使用し、解錠キーを容易に変換することができる。
【0065】
図16〜
図19は第2実施形態のキー変換式錠を示している。なお、上記実施形態と同様な部分については、図に上記と同じ符号を付してその説明は省略する。第2実施形態の延設ブロック60は、先端に傾斜面68aを設けた操作軸68が使用され、その操作軸68の傾斜面68aに対向して先端側に、傾斜面69bを設けた作動部材69が
図19の下方に摺動可能に配設される。
【0066】
延設ブロック60は、
図16〜
図19に示すように、変換式錠本体2のフランジ部7が固定されるフランジ取付部63bと施錠装置の被取付部に固定される取付フランジ63aとを金属板により略コ字状に曲折して形成されたブロック外本体63と、ブロック外本体63内に嵌着される硬質合成樹脂製のブロック内本体66とを備えて構成される。
【0067】
ブロック外本体63のフランジ取付部63bには、
図18に示す如く、フランジ部7を固定するためのねじ孔63c、操作ノブ6を内側に入れるための開口部63d、及び錠軸5を内側に入れるための開口部63eが設けられる。一方、取付フランジ63aには、
図18のように、被取付部に固定するためにねじ孔63f、操作軸68の摘み部68bを突出するための開口部63g、及び錠軸端部15bを突出させるための開口部63hが設けられる。さらに、金属板製のブロック外本体63の板部には、カバー体17及びブロック内本体66を一体的に取り付けるための取付ねじ23用のねじ孔63iが形成され、2本の取付ねじ23によりカバー体17及びブロック内本体66をブロック外本体63に対し固定する。
【0068】
また、カバー体17には、
図18に示す如く、背面側端部に係合部17aが内側に曲折するように突設される。カバー体17は、取付時、その係合部17aをブロック外本体63の取付フランジ63aに設けた切欠部に嵌入させ、且つ正面側のフランジ取付部63b側からねじ17bをカバー体17にねじ込み、カバー体17を定位置に強固に固定するようになっている。さらに、カバー体17をブロック内本体66に対し取り付ける取付ねじ23の先端は、金属板製のブロック外本体63に設けたねじ孔63iにねじ込まれ、共締めにより締め付け固定されるため、カバー体17及びブロック内本体66が合成樹脂製であっても、強固にカバー体17を金属製のブロック外本体63に対し固定することができる。
【0069】
一方、硬質合成樹脂により成形されブロック内本体66内には、連結軸15を収容する軸用凹部61、及び操作軸68を収容する操作軸用凹部62が長手方向に沿って設けられる。また、操作軸用凹部62の先端側には、
図18のように、作動部材69を摺動可能に収容する作動部材用凹部62aが設けられる。
【0070】
上記のように、延設ブロック60のブロック外本体63が略コ字状の金属板から形成されるので、フランジ部7が固定されるフランジ取付部63bと施錠装置の被取付部に固定される取付フランジ63aとを強固に形成することができ、これにより、不正行為などで変換式錠本体2に加わる荷重を、ブロック外本体63のフランジ取付部63bにより保持し、補強された強固なキー変換式錠としている。また、変換式錠本体2のフランジ部7は取付ねじ24の先端を金属板のフランジ取付部63bのねじ孔63cにねじ込んで取り付けるため、変換式錠本体2と延設ブロック60とは強固に固定することができる。
【0071】
図16,17のように、操作軸用凹部62内に摺動可能に挿入される操作軸68はその押し込み操作によって変換式錠本体2の操作ノブ6を移動させてキーの変換操作を行う軸であり、
図18に示す如く、帯板状に形成される。操作軸68の先端部に、傾斜面68aが形成され、その傾斜面68aに対向して作動部材69が下方に摺動可能に配設される。作動部材69には、操作軸68の傾斜面68aに当接する傾斜面69bが設けられる。これにより、
図19に示すように、操作軸68を押し込むと、その先端の傾斜面68aが作動部材69の傾斜面69bを押し、作動部材69は下方に摺動する構造である。
【0072】
操作軸68の末端部は摘み部68bとなって、取付フランジ63aの開口部63gから背面側に突出し、操作軸68の摘み部68bを押すことにより、操作軸68を所定のストロークだけ押し込み可能とされ、キーの変換操作を容易に可能としている。さらに、作動部材69には、戻しばね67が装着され、操作軸18を押し込み、作動部材69が下降した際、ばね力により作動部材69を元の位置に戻すように作用する。
【0073】
作動部材69の先端には、操作ノブ6と係合する係合凸部69aが突設される。作動部材69は、ブロック内本体66内の作動部材用凹部62aに配設され、
図19に示す如く、その係合凸部69aを下方に摺動させるように構成され、変換式錠本体2の操作ノブ6を押し下げてキーの変換動作を行なう。このように、
図19の如く、操作軸68の摘み部68bを所定ストロークだけ押し込むと、その先端の傾斜面68aが傾斜面69bを押し、作動部材69は下方に摺動し、その先端の係合凸部69aが同方向に移動し、変換式錠本体2の操作ノブ6が係合凸部69aに押されて下方に動き、キーの変換が可能となる。
【0074】
上記構成の延設ブロック60は、
図16に示す如く、変換式錠本体2のフランジ部7の背面側に、ブロック外本体63のフランジ取付部63bに対しねじ24を用いて固定される。そのとき、錠軸5には、ねじ25により連結部材22が取り付けられ、その連結穴22aに、連結軸15の連結部15aが嵌入され、錠軸5と連結軸15が連結される。連結軸15の錠軸端部15bの先端には、カム部材8がねじ26により固定される。
【0075】
図16に示すように、連結軸15の末端に、錠軸5と同様な形状の錠軸端部15bが設けられ、延設ブロック10の取付フランジ13aから外側に突出する錠軸端部15bには、カム部材8がねじ26により固定される。また、連結軸15の中間部には、
図16に示すように、トーションばね21が外嵌され、連結軸15は、このトーションばね21の付勢力により、常にもとの回動位置に戻るようになっている。
【0076】
連結軸15の中間部には、係合片15c(
図18)が設けられ、この係合片15cがトーションばね21の両側脚部間に係合するように、トーションばね21が連結軸15に外嵌される。トーションばね21の両側脚部はブロック内本体66の内側に係合する。これにより、キー変換式錠1の通常の使用時、キー操作によってその錠軸5が回動操作され、それに応じて連結軸15が回動したとき、トーションばね21により元の角度位置に戻るように付勢される。このため、使用者がキーを回す力を解除すれば、連結軸15、錠軸5、及び内筒4がトーションばね21の付勢力により元の位置に戻される。
【0077】
一方、延設ブロック60を取り付けたキー変換式錠1は、上記と同様に、
図11に示す如く、施錠装置の基枠体31の取付板32の正面側に取り付けられるが、カム部材8を基枠体31の取付板32の内側に入れるように、その取付フランジ63aを取付板32にねじ孔13fと取付ねじを用いて固定して、キー変換式錠1は取り付けられる。
【0078】
この施錠装置の解錠キーを、新たなキーに変換する場合、現状の解錠キーを使用して前扉51を開放し、その状態で、前扉51の内側に指を挿入し、基枠体31の内側の延設ブロック60の背面に位置するリセット用の操作ノブ6に連係された操作軸68の摘み部68bを押し込む。この摘み部68bの押し込みは
図19の如く僅かなストロークで行うことができる。
【0079】
このとき、操作軸68が
図19の右方向に摺動し、傾斜面68aが傾斜面69bを押すことにより、作動部材69が
図19の下方に移動し、その先端の係合凸部69aが変換式錠本体2の操作ノブ6を押し下げ、リセット側に移動させる。その状態で、変換式錠本体2のキー孔に挿入した解錠キーを180度回動させる。この操作軸68及び操作ノブ6の動作によって、錠のリセットピンが押されて、内筒4と錠軸5の係合が解除され、内筒4のみが180度回動する。このとき、内筒4内の貫通孔が外筒3内のスペーサ供給用貫通孔と連通した状態となり、各貫通孔のコード設定用スペーサが内筒の貫通孔とスペーサ供給用貫通孔に集まる。
【0080】
次に、現状の解錠キーを抜いて新たなキーを鍵穴に挿入すると、その新たなキーの溝の深さに応じて、コード設定用スペーサがスペーサ供給用貫通孔から内筒4の貫通孔に移動し、キーコードが新たなキーに対応したコードに変更される。この状態で、キーを元の位置に戻すように180度回動すれば、リセットピンが内筒4と錠軸5を連結する位置に戻り、内筒4と錠軸5が一体に回動する状態となり、解錠キーが新たなキーに変換される。
【0081】
このように、汎用の変換式錠を使用しそのフランジ部の背面に延設ブロック60を取り付けて長尺状としたキー変換式錠1であっても、延設ブロック60の背面に操作軸68の摘み部68bを押し込み可能に突出させているため、その摘み部68bを押すのみの簡単な操作で、解錠キーの変換を行なうことができる。したがって、スロットマシンのように厚さの厚い前扉をもったゲーム機でも、汎用の変換式錠を使用して低コストで施錠装置を製造することができる。
【0082】
図20〜
図23は第3実施形態のキー変換式錠を示している。なお、上記実施形態と同様な部分については、図に上記と同じ符号を付してその説明は省略する。第3実施形態の延設ブロック70は、支軸78cを軸に揺動する操作軸78が使用され、操作軸78の先端側に作動部材79が支軸79cを軸に揺動可能に軸支され、操作軸78の先端部が連結軸78aを介して作動部材79にリンク結合される。作動部材79は、操作軸用凹部72の先端側に設けた作動部材用凹部72a内に、支軸79cを軸に上下に揺動可能に軸支され、作動部材79の先端には係合凸部79aが設けられる。
【0083】
延設ブロック70は、
図20〜
図23に示すように、変換式錠本体2のフランジ部7が固定されるフランジ取付部73bと施錠装置の被取付部に固定される取付フランジ73aとを金属板により略コ字状に曲折して形成されたブロック外本体73と、ブロック外本体73内に嵌着される硬質合成樹脂製のブロック内本体76とを備えて構成される。
【0084】
ブロック外本体73のフランジ取付部73bには、
図22に示す如く、フランジ部7を固定するためのねじ孔73c、操作ノブ6を内側に入れるための開口部73d、及び錠軸5を内側に入れるための開口部73eが設けられる。一方、取付フランジ73aには、
図22のように、被取付部に固定するためにねじ孔73f、操作軸78の摘み部78bを突出するための開口部73g、及び錠軸端部15bを突出させるための開口部73hが設けられる。さらに、金属板製のブロック外本体73の板部には、カバー体17及びブロック内本体76を一体的に取り付けるための取付ねじ23用のねじ孔73iが形成され、2本の取付ねじ23によりカバー体17及びブロック内本体76をブロック外本体73に対し固定する。
【0085】
また、カバー体17には、
図21に示す如く、背面側端部に係合部17aが内側に曲折するように突設される。カバー体17は、取付時、その係合部17aをブロック外本体73の取付フランジ73aに設けた切欠部に嵌入させ、且つ正面側のフランジ取付部73b側からねじ17bをカバー体17にねじ込み、カバー体17を定位置に強固に固定するようになっている。さらに、カバー体17をブロック内本体76に対し取り付ける取付ねじ23の先端は、金属板製のブロック外本体73に設けたねじ孔73iにねじ込まれ、共締めにより締め付け固定される。これにより、カバー体17及びブロック内本体76が合成樹脂製であっても、強固にカバー体17を補強し、金属製のブロック外本体73に対し固定している。
【0086】
一方、硬質合成樹脂により成形されブロック内本体76内には、
図22のように、連結軸15を収容する軸用凹部71、及び操作軸78を収容する操作軸用凹部72が長手方向に沿って設けられる。また、操作軸用凹部72の先端側には、
図22のように、作動部材79を揺動可能に収容する作動部材用凹部72aが設けられる。
【0087】
上記のように、延設ブロック70のブロック外本体73が略コ字状の金属板から形成されるので、フランジ部7が固定されるフランジ取付部73bと施錠装置の被取付部に固定される取付フランジ73aとを強固に形成することができ、これにより、不正行為などで変換式錠本体2に加わる荷重を、ブロック外本体73のフランジ取付部73bにより保持し、補強された強固なキー変換式錠としている。また、変換式錠本体2のフランジ部7は取付ねじ24の先端を金属板のフランジ取付部73bのねじ孔73cにねじ込んで取り付けるため、変換式錠本体2と延設ブロック70とは強固に固定することができる。
【0088】
図21,22のように、操作軸用凹部72内に揺動可能に挿入される操作軸78は、その先端の摘み部78bをスライド操作したとき、変換式錠本体2の操作ノブ6を移動させてキーの変換操作を行う軸であり、
図22に示す如く、帯板状に形成され、中間部を支軸78cにより揺動可能に軸支される。
【0089】
操作軸78の先端部に、連結軸78aが突設され、連結軸78aにより作動部材79がその先端に連結される。作動部材79は支軸79cを介して揺動可能に軸支され、作動部材79の先端には係合凸部79aが設けられ、揺動によって係合凸部79aが上下動する構造である。これにより、
図23に示すように、操作軸78の摘み部78bを下方にスライド操作すると、その先端の連結軸78aを介して、作動部材79がその先端の係合凸部79aを下降させるように揺動する。
【0090】
操作軸78の末端部の摘み部78bは、取付フランジ73aの開口部73gから背面側に突出し、操作軸78の摘み部78bを押し下げるようにスライド操作すると、連結軸78aを介して作動部材79の先端の係合凸部79aが下降する。これにより、操作軸78の先端の摘み部78bを所定のストロークだけスライド操作すると、係合凸部79aがそれに対応したストロークだけ下降し、これにより、変換式錠本体2の操作ノブ6を下方に押し下げ、キーの変換動作を行う構造である。なお、
図23に示すように、操作軸78の摘み部78b側に、戻しばね77が装着され、操作軸78を押し込み、作動部材79の係合凸部79aが下降した際、ばね力により操作軸78及び作動部材79を元の位置に戻すように作用する。
【0091】
このように、
図23の如く、操作軸78の摘み部78bを下方に所定ストロークだけスライド操作すると、その先端の連結軸78aを介して作動部材79がその先端の係合凸部79aを下降させるように揺動し、これにより、変換式錠本体2の操作ノブ6が係合凸部79aに押し下げられ、キーの変換を可能とする構造である。
【0092】
上記構成の延設ブロック70は、上記と同様、
図20に示す如く、変換式錠本体2のフランジ部7の背面側に、ブロック外本体73のフランジ取付部73bに対しねじ24を用いて固定される。そのとき、錠軸5には、ねじ25により連結部材22が取り付けられ、その連結穴22aに、連結軸15の連結部15aが嵌入され、錠軸5と連結軸15が連結される。連結軸15の錠軸端部15bの先端には、カム部材8がねじ26により固定される。
【0093】
また、延設ブロック70を取り付けたキー変換式錠1は、上記と同様に、
図11に示す如く、施錠装置の基枠体31の取付板32の正面側に取り付けられるが、カム部材8を基枠体31の取付板32の内側に入れるように、その取付フランジ73aを取付板32にねじ孔73fと取付ねじを用いて固定して、キー変換式錠1は取り付けられる。
【0094】
この施錠装置の解錠キーを、新たなキーに変換する場合、現状の解錠キーを使用して前扉51を開放し、その状態で、前扉51の内側に指を挿入し、基枠体31の内側の延設ブロック70の背面に位置するリセット用の操作ノブ6に連係された操作軸78の摘み部78bをスライド操作する。この摘み部78bのスライド操作は
図23の如く僅かなスライド幅で行うことができる。
【0095】
このとき、操作軸78の先端が図の上方に振れ、連結軸79bを介して、作動部材79が揺動し、その先端の係合凸部69aが下方に振れて、変換式錠本体2の操作ノブ6を押し下げ、リセット側に移動させる。その状態で、変換式錠本体2のキー孔に挿入した解錠キーを180度回動させる。この操作軸78及び操作ノブ6の動作によって、錠のリセットピンが押されて、内筒4と錠軸5の係合が解除され、内筒4のみが180度回動する。このとき、内筒4内の貫通孔が外筒3内のスペーサ供給用貫通孔と連通した状態となり、各貫通孔のコード設定用スペーサが内筒の貫通孔とスペーサ供給用貫通孔に集まる。
【0096】
次に、現状の解錠キーを抜いて新たなキーを鍵穴に挿入すると、その新たなキーの溝の深さに応じて、コード設定用スペーサがスペーサ供給用貫通孔から内筒4の貫通孔に移動し、キーコードが新たなキーに対応したコードに変更される。この状態で、キーを元の位置に戻すように180度回動すれば、リセットピンが内筒4と錠軸5を連結する位置に戻り、内筒4と錠軸5が一体に回動する状態となり、解錠キーが新たなキーに変換される。
【0097】
このように、汎用の変換式錠を使用しそのフランジ部の背面に延設ブロック70を取り付けて長尺状としたキー変換式錠1であっても、延設ブロック70の背面に操作軸78の摘み部78bをスライド操作可能に突出させているため、その摘み部78bを押し下げて、解錠キーの変換を行なうことができる。したがって、スロットマシンのように厚さの厚い前扉をもったゲーム機でも、汎用の変換式錠を使用して低コストで施錠装置を製造することができる。