【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1
噴霧型化粧料:
脱アシル型ジェランガムをゲル化させる架橋剤として塩化カルシウムを、親水性凝集性高分子として球状カルボマーNaまたはヒドロキシプロピルデンプンリン酸を用い、下記の表1に示す組成および下記製造法により発明品1〜7の噴霧型化粧料を製造した。得られた噴霧型化粧料について、「安定性」、「高分子のヨレのなさ」、「使用時の濃厚感」、「霧の細かさ(液滴の均一性)」、「霧の拡散性」および「霧分布の均一性」について後記評価方法で評価した。なお、比較品として表2に示す組成の噴霧型化粧料を使用した。
【0031】
(製造方法)
A:成分3〜6を75℃で加熱し、混合溶解させる。
B:Aに75℃加熱をした成分7および8を添加混合する。
C:Bに成分9〜13を添加混合する。
D:Cに成分1〜2を添加混合した後、20℃まで冷却する。
E:Dを25℃で保管し、ゲル化させる。
F:Eにディスパーで剪断力を与え、微細化する。
G:Fを取り出し、噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したアトマイザーに充填し、噴霧型化粧料を得た。なお、今回使用したアトマイザーはポンプ式アトマイザー(Z−155−29−1−(PCV513−8−0)、三谷バルブ社製)である。また、成分4、5および9〜11は、予めBG(1,3−ブチレングリコール)と各高分子を混合した後、75℃に加温した精製水を加えたものを用いた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
(評価方法)
以下の(1)安定性、(2)高分子のヨレのなさ、(3)使用時の濃厚感、(4)霧の細かさ(液滴の均一性)、(5)霧の拡散性および(6)霧分布の均一性の評価項目について、下記の評価基準に従って評価を行った。
【0035】
(1)安定性:
50℃の恒温槽に1ヶ月間保管し、目視によって排液について評価した。
<評価基準>
◎:状態の変化がなかった
○:ごくわずかな排液が確認された
△:著しい排液が確認された
×:著しい排液が確認され、容器を振っても再分散しない沈殿物が生じた
【0036】
(2)高分子のヨレのなさ:
20名の化粧品評価専門パネルを用い、洗顔後の顔面に発明品、比較品の噴霧型化
粧料を噴霧し、馴染ませた後に生じる高分子のヨレの程度を評価した。
<評価基準>
5点:全くヨレがなかった
4点:目にはみえないが、指で触るとわずかにザラつきを感じた
3点:わずかに目に見えるヨレが生じるが、さらに馴染ませるとすぐに消えて気
にならなかった
2点:ヨレが生じ、顔面に高分子の凝集物が残った
1点:非常に多くのヨレが生じ、高分子の凝集物が多量に顔面に残った
【0037】
(3)使用時の濃厚感:
20名の化粧品評価専門パネルを用い、洗顔後の顔面に発明品、比較品の
噴霧型化粧料を噴霧し、使用時の濃厚感を評価した。
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不足
1点:不足
【0038】
上記高分子のヨレのなさ、使用時の濃厚感の判定は、前記評価得点から平均点を算出し、以下の基準で実施した。
<判定>
◎:4.5点以上
○:3.5点以上4.5点未満
△:2.5点以上3.5点未満
×:2.5点未満
【0039】
(4)霧の細かさ(液滴の均一性):
発明品、比較品の噴霧型化粧料を机においた黒色の色画用紙に向かって20cmの
高さから噴霧し、紙に残った液滴の大きさと数で評価した。なお、評価は3回の噴霧
の平均値をもとに実施した。
<評価基準>
◎:直径3mm以上の液滴の数が3個以下、細かな液滴が均一に存在した
○:直径3mm以上の液滴が4個以上20個未満存在するものの、それ以外は細か
な液滴が均一に存在した
△:直径3mm以上の液滴が20個以上存在するものの、それ以外は細かな液滴が
均一に存在した
×:ほとんどの液滴が直径3mm以上であり、また、液滴の大きさが不均一であっ
た
【0040】
(5)霧の拡散性:
発明品、比較品の噴霧型化粧料を机においた黒色の色画用紙に向かって20cmの
高さから噴霧し、噴霧された領域の直径によって評価した。なお、評価は3回の噴霧
の平均値をもとに実施した。
<評価基準>
◎:20cm以上
○:10cm以上20cm未満
△:5cm以上10cm未満
×:5cm未満
【0041】
(6)霧分布の均一性:
発明品、比較品の噴霧型化粧料を机においた黒色の色画用紙に向かって20cmの
高さから噴霧し、噴霧された領域の形で評価した。
<評価基準>
◎:円形状
○:中心部への噴霧量がやや少ない円形状
△:ドーナツ状(中心部は、わずかに噴霧される)
×:ドーナツ状(中心部に噴霧されない)
【0042】
この結果より、発明品1〜7の噴霧型化粧料はいずれも安定性、高分子のヨレのなさ、使用時の濃厚感、霧の細かさ(液滴の均一性)、霧の拡散性および霧分布の均一性において良好なものであった。一方、脱アシル型ジェランガムの代わりにネイティブ型ジェランガムを含有する比較品1は霧の細かさ(液滴の均一性)および霧の拡散性が劣り、脱アシル型ジェランガムの代わりにカラギーナン及びスクロースを含有する比較品2は安定性が悪く、高分子のヨレが生じ、霧の細かさ(液滴の均一性)および霧の拡散性が非常に悪いものであった。架橋剤を含有しない比較品3は脱アシル型ジェランガムが架橋しないため、特に使用時の濃厚感及び安定性が劣るものであり、比較品3から脱アシル型ジェランガムの含有量を増量させた比較品4は粘度の増加は見られるものの、高分子のヨレが生じ、霧の細かさ(液滴の均一性)、霧の拡散性および霧分布の均一性において効果が乏しいものであった。また、脱アシル型ジェランガムを含有しない比較品5は、使用時の濃厚感及び安定性が悪いものであった。
【0043】
実施例2
噴霧型化粧水:
下記の処方および製法により噴霧型化粧水を製造した。
(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(20モル)ポリオキシプロピレン
(6モル)デシルテトラデシルエーテル 0.2
(2)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(3)エタノール 12.0
(4)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.05
(5)オレイン酸エチル 0.01
(6)香料 0.04
(7)脱アシル型ジェランガム2%(BG20%水溶液) 12.0
(8)ジプロピレングリコール 5.0
(9)精製水 40.0
(10)塩化カルシウム 0.04
(11)精製水 1.0
(12)キサンタンガム1%(BG20%水溶液) 1.0
(13)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸 0.015
(14)精製水 残量
【0044】
(製法)
A:成分7〜9を75℃で加熱し、混合溶解させる。
B:Aに75℃加熱をした成分10、11を添加混合する。
C:Bに成分12、13、14を添加混合する。
D:Cに成分1〜6を添加混合した後、20℃まで冷却する。
E:Dを25℃で保管し、ゲル化させる。
F:Eにディスパーで剪断力を与え、微細化する。
G:Fを取り出し、噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したアトマイザーに充填し、噴霧型化粧水を得た。
【0045】
得られた噴霧型化粧水は、安定性が優れ、高分子のヨレもなく、使用時の濃厚感も有しており、さらにミストの均一な噴霧性および拡散性にも優れていた。さらに肌に塗布した際のうるおい感及び化粧直しに優れ、外観がとろみ感を有していた。
【0046】
実施例3
噴霧型化粧水:
下記の処方および製法により噴霧型化粧水を製造した。
(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(20モル)ポリオキシプロピレン
(6モル)デシルテトラデシルエーテル 0.2
(2)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(3)エタノール 12.0
(4)オクチルドデカノール 0.05
(5)香料 0.04
(6)脱アシル型ジェランガム2%(BG20%水溶液) 12.0
(7)ジプロピレングリコール 5.0
(8)精製水 40.0
(9)塩化カルシウム 0.04
(10)精製水 1.0
(11)キサンタンガム1%(BG20%水溶液) 1.0
(12)球状カルボマーNa1%(BG20%水溶液) 2.0
(13)精製水 残量
【0047】
(製法)
A:成分6〜8を75℃で加熱し、混合溶解させる。
B:Aに75℃加熱をした成分9、10を添加混合する。
C:Bに成分11、12、13を添加混合する。
D:Cに成分1〜5を添加混合した後、20℃まで冷却する。
E:Dを25℃で保管し、ゲル化させる。
F:Eにディスパーで剪断力を与え、微細化する。
G:Fを取り出し、噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したアトマイザーに充填し、噴霧型化粧水を得た。
【0048】
得られた噴霧型化粧水は、安定性が優れ、高分子のヨレもなく、使用時の濃厚感も有しており、さらにミストの均一な噴霧性および拡散性にも優れていた。さらに肌に塗布した際のうるおい感及び化粧直しに優れ、外観がとろみ感を有していた。
【0049】
実施例4
噴霧型日焼け止め料:
下記の処方および製法により噴霧型日焼け止め料を製造した。
(処方) (%)
(1)p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 7.0
(2)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
(3)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2.0
(4)ポリオキシエチレン(30モル)フィトステロール 0.2
(5)ポリオキシエチレン(5モル)フィトステロール 0.1
(6)脱アシル型ジェランガム2%(BG20%水溶液) 12.0
(7)ジプロピレングリコール 5.0
(8)精製水 40.0
(9)塩化カルシウム 0.04
(10)精製水 1.0
(11)球状カルボマーNa1%(BG20%水溶液) 2.0
(12)フェニルイミダゾールスルホン酸 2.5
(13)トリエタノールアミン 1.4
(14)精製水 残量
(15)エタノール 12.0
(16)香料 0.04
【0050】
(製法)
A:成分6〜8を75℃で加熱し、混合溶解させる。
B:Aに75℃加熱をした成分1〜5を添加し乳化する。
C:Bに成分9、10を添加混合する。
D:Cに成分11〜16を添加混合した後、20℃まで冷却する。
E:Dを25℃で保管し、ゲル化させる。
F:Eにディスパーで剪断力を与え、微細化する。
G:Fを取り出し、噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したアトマイザーに充填し、噴霧型日焼け止め料を得た。
【0051】
得られた噴霧型日焼け止め料は、既存の噴霧型日焼け止め料と比較してミストの均一な噴霧性および拡散性にも優れており、また肌上でも均一な化粧膜でありべたつきのない噴霧型日焼け止め料であった。