(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6121926
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】半導体装置及びそれを用いた電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20170417BHJP
H01L 23/34 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L23/34 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-35284(P2014-35284)
(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公開番号】特開2015-162497(P2015-162497A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】増田 靜昭
【審査官】
井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−172322(JP,A)
【文献】
特開2003−224232(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/043493(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板に搭載されるベアチップを備えた半導体装置であって、
前記ベアチップと概ね同じ厚みで、かつ、当該ベアチップに隣接して配置された支持体と、
前記ベアチップ及び前記支持体が搭載され、かつ、該ベアチップ及び該支持体を包むように折り曲げられる可撓性回路基板と、
前記ベアチップ及び前記支持体を包みこんだ前記可撓性回路基板の外面に熱接触して設けられた放熱部と、
前記可撓性回路基板を挿通して、当該可撓性回路基板で包まれた領域内の熱を、該可撓性回路基板で囲まれた領域の外に導き、前記支持体、及び、前記ベアチップの大部分に形成される脚部と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記支持体に対向する前記可撓性回路基板における前記放熱部側の領域が開口されて、前記脚部が当該開口を挿通して、前記支持体と前記放熱部とを熱接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記支持体に対向する前記可撓性回路基板における前記実装基板側の領域が開口されて、前記脚部が当該開口を挿通して、前記支持体と前記実装基板とを熱接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記ベアチップに対向する前記可撓性回路基板における前記放熱部側の領域が開口されて、前記脚部が当該開口を挿通して、前記ベアチップと前記放熱部とを熱接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記ベアチップに対向する前記可撓性回路基板における前記放熱部側の領域と前記実装基板側の領域の両方が開口されて、前記脚部が当該両方の開口を挿通して、前記ベアチップ並びに前記放熱部及び前記実装基板とを熱接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記開口は矩形形状、楕円形状、円形状の少なくとも1つの形状に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記ベアチップ及び前記支持体を包む前記可撓性回路基板が複数積層されて、前記実装基板に搭載されていることを特徴とすることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記支持体は、Fe、NiとFeを含んだ合金、アルミニウム、アルミニウムを含んだ合金、銅、NiとCrを含んだ合金、Crを含んだ合金、シリコン、樹脂材料、雲母、マイカのうちいずれか1つの材料を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記ベアチップは、半導体IC、パッケージ化された電子部品、コンデンサ、抵抗、インダクタのいずれか1つを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置を搭載した電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱特性を改善した半導体装置及びそれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器における小型化及び低消費電力化等の要求を実現するために、半導体装置の高密度実装が必要とされている。そこで、特開平8−335663号公報では、ベアチップの半導体素子が搭載された可撓性回路基板を折り曲げて、当該ベアチップを包んだ構成の3次元実装型半導体装置が開示されている。
【0003】
ベアチップを可撓性回路基板に直接接続(搭載)することにより薄型化が可能になると共に、ベアチップと最終品である半導体装置との外形サイズが、概ね同じ寸法にすることができる。
【0004】
しかし、特開平8−335663号公報に係る構成では、ベアチップは可撓性回路基板で包まれる構成であるため、ベアチップの消費電力の大きい場合には、当該ベアチップで発生した熱が外部に逃げ難くなってしまう。この結果、ベアチップの温度が上昇し、誤動作を起こす問題があった。
【0005】
この様な観点から、WO2011/043493号公報においては、ベアチップと共に支持体を可撓性回路基板で包み込み、かつ、この支持体を突出させることにより、ベアチップで発生した熱の放熱効率を改善させた半導体装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−335663号公報
【特許文献2】WO2011/043493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、WO2011/043493号公報に係る構成では、支持体が可撓性回路基板から突き出した構成となるため、半導体装置の実装面積が大きくなる問題がある。
【0008】
そこで、本発明の主目的は、実装面積の増大を抑制しながら発生した熱を効率よく放熱できるようにした半導体装置及びそれを用いた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、ベアチップと概ね同じ厚みで、かつ、当該ベアチップに隣接して配置された支持体と、ベアチップ及び支持体が搭載され、かつ、該ベアチップ及び該支持体を包むように折り曲げられる可撓性回路基板と、ベアチップ及び支持体を包みこんだ可撓性回路基板の外面に熱接触して設けられた放熱部と、可撓性回路基板を挿通して、当該可撓性回路基板で包まれた領域な内の熱を、該可撓性回路基板で囲まれた領域の外に導く脚部と、を備える個とを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実装面積の増大を抑制しながら発生した熱を効率よく放熱できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図2】可撓性回路基板の構成を説明する図で、(a)は展開図、(b)はベアチップと支持体とを包む様子を示す断面斜視図である。
【
図4】ベアチップからの熱が放熱される熱伝導パスを矢印で示した図である。
【
図5】半導体装置における主要要素の図で、(a)はベアチップの側面図、(b)は支持体の上面図、(c)は可撓性回路基板の断面図、(d)は可撓性回路基板の上面図である。
【
図6】ベアチップ等が仮搭載された可撓性回路基板の図で、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【
図7】可撓性回路基板によりベアチップと支持体とを包み、かつ、これらに接着して形成したパッケージの断面図である。
【
図8】はんだボールで、はんだ接続したパッケージの断面図である。
【
図9】第2実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図10】第3実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図13】第4実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図14】2つのベアチップを積層した半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態にかかる半導体装置2Aの断面図である。かかる半導体装置2Aは、家庭用ゲーム機、医療機器、ワークステーション、サーバー、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、携帯電話、ロボット、計測器等の小型化・高集積化の要求が高い電子機器で使用することができる。
【0013】
このような半導体装置2Aは、素子部4と放熱部6とを主要構成として構成されて、実装基板10に搭載して用いられる。
【0014】
素子部4は、ベアチップ11、支持体12、及び、可撓性回路基板13を含んでいる。そして、ベアチップ11と支持体12とは、可撓性回路基板13に搭載されて、当該可撓性回路基板13によって包まれている。即ち、素子部4は、可撓性回路基板13によりベアチップ11、支持体12が包まれた袋状態となっている。
【0015】
そこで、袋状態にある可撓性回路基板13の外面(
図1において放熱材21側の面)を放熱側面Fhと記載し、他方の外面(
図1において実装基板10側の面)を端子側面Ftと記載する。また、端子側面Ftの裏面(ベアチップ11が搭載される面)をチップ搭載面Fcと記載する。
【0016】
ベアチップ11として、半導体IC、パッケージ化された電子部品、コンデンサ、抵抗、インダクタ等の受動部品等が例示出来る。
【0017】
支持体12は、ベアチップ11と概ね同じ厚みに形成されて、当該ベアチップ11の縁端に過大な荷重が加わることを防止している。このような支持体12の材料としては、例えば金属(鉄、アルミニウム、アルミニウムを含んだ合金、NiとFeを含んだ合金、NiとCrを含んだ合金、Crを含んだ合金、銅)、シリコン、樹脂材料(ナイロン、PP、エポキシ樹脂、カーボン、アラミド樹脂)、雲母(マイカ)などが利用出来る。
【0018】
可撓性回路基板13は、可撓性のプリント基板等からなる配線基板で、チップ搭載面Fcにはベアチップ11と電気的接続するための図示しないベアチップ接続用電極が形成され、このチップ搭載面Fcと反対側の端子側面Ftには外部端子14と電気的接続するための図示しない外部端子用電極が形成されている。
【0019】
外部端子14は実装基板10との接続に用いられる端子で、例えばSnを含んだ金属材料で構成されたいわゆる半田ボール等が好ましい。無論、半田ボールに限定するものではなく、表面実装型部品の形状であれば、対応できるのは言うまでもない。
【0020】
図2は可撓性回路基板13の構成を説明する図で、(a)は可撓性回路基板13の展開図、(b)は可撓性回路基板13でベアチップ11と支持体12とを包む様子を示す断面斜視図である。なお、
図2(a)においては、ベアチップ11と支持体12とを点線で示している。ベアチップ11は、可撓性回路基板13のほぼ中央に搭載され、このベアチップ11を囲むように、支持体12が配置されている。
【0021】
そして、可撓性回路基板13には支持体側開口部15aが設けられている。支持体側開口部15aは、可撓性回路基板13を折り曲げてベアチップ11と支持体12とを包んだ際に、支持体12の直上に位置するようになっている。但し、支持体側開口部15aの面積は対向する支持体12の面積より適宜小さくなっている。従って、可撓性回路基板13を袋状態にした際には、支持体12の外周部近傍領域のみが可撓性回路基板13で覆われた状態となる。
【0022】
この支持体側開口部15aの形状は矩形形状に限定するものではなく、例えば
図3に示すように楕円形状であっても良く、また長穴形状であっても良い。
【0023】
次に、放熱部6について説明する。放熱部6は、放熱材21と導熱シート22とを含んでいる。
【0024】
放熱材21は、脚部23、及び、放熱部24を備える。この放熱材21として、所謂ヒートシンクが利用できるが、導熱シート、導熱ゴム、または半導体装置2Aをカバーしている筐体などを用いることも可能である。以下においてはヒートシンクを想定して説明する。また、脚部23と放熱部24とは一体物である必要はなく、少なくとも両者は密着し、その接触面で熱抵抗が発生しない(熱抵抗が小さいように)ことが要件である。以下においては、脚部23と放熱部24とは別体物であることを想定する。
【0025】
脚部23は、シート状部材の放熱部24に立設され、その解放端は支持体側開口部15aを挿通して支持体12と密着している。従って、支持体12の熱は、脚部23を介して放熱部24に効率よく熱伝導するようになる。放熱部24に流入した熱は、大気等の周辺の雰囲気や部材に効率よく放熱される。
【0026】
導熱シート22は、放熱部24に密着して設けられたシート状部材である。導熱シート22と放熱部24とは密に面接触している。このため、放熱部24と導熱シート22との熱伝導パスは均一、かつ、最短となり導熱シート22の熱は効率的に放熱部24に伝達できるようになっている。
【0027】
図4は、ベアチップ11からの熱が放熱される熱伝導パスを矢印で示した図である。ベアチップ11で発生した熱は、このベアチップ11の表裏に接触している可撓性回路基板13に伝わる。その後、可撓性回路基板13の熱の一部は、導熱シート22を経由して放熱部24に伝わり、大気等に放熱される。一方、可撓性回路基板13の残りの熱は、支持体12に伝わる。この支持体12には、脚部23が密着しているので、可撓性回路基板13からの熱は、脚部23を介して放熱部24に伝わって、放熱される。
【0028】
次に、上述した半導体装置2Aの製造方法について説明する。
【0029】
図5は、半導体装置2Aにおける主要要素の図で、(a)はベアチップ11の側面図、(b)は支持体12の上面図、(c)は可撓性回路基板13の断面図、(d)はこの可撓性回路基板13の上面図である。また、ベアチップ11の外形サイズを約13mm×13mm×高さ0.7mmとし、支持体12の外形サイズを約23mm×17mm×厚さ0.7mmとする。可撓性回路基板13は、外形サイズを約17mm×36mm×厚さ0.14mmとする。この可撓性回路基板13として、例えば、
図5(c)に示すような第1絶縁層13a、第2絶縁層13b、第3絶縁層13cからなる配線層数が2層の基板を用いることがでる。外部端子14は、直径約0.8mmのSnAgCuはんだボールを、約100個を用いる。なお、ベアチップ11等のサイズや可撓性回路基板13の層数、外部端子14の数は例示である。
【0030】
このとき、可撓性回路基板13のチップ搭載面Fcにおける支持体12の表面やベアチップ11の表面と接着する領域R(
図5(b)を参照)に接着層として、厚さ約25μmの熱可塑性(接着温度が約150℃)のの接着シート13dを貼り付けておく。
【0031】
この様な材料を用いて、先ず、可撓性回路基板13におけるチップ搭載面Fcのベアチップ接続用電極13eにフラックス又はクリーム半田を塗布し、フリップベアチップ実装マウンターやベアチップマウンターを用いて、ベアチップ11、支持体12を
図6に示すように仮搭載する。
図6は、ベアチップ11等が仮搭載された可撓性回路基板13の図で、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【0032】
次に、ベアチップ11等が仮搭載された可撓性回路基板13を180℃に加熱したヒーターステージ上に吸着固定させる。そして、この状態で、加圧ツールを用いて可撓性回路基板13を辺K(
図6(b)参照)で折り曲げ、ベアチップ11と支持体12の表面に接着させる。これにより、可撓性回路基板13は、ベアチップ11と支持体12とを包み、かつ、これらに接着する。
図7は、この様にして形成されたパッケージの断面図である。
【0033】
その後、可撓性回路基板13における端子側面Ftの外部端子14に、はんだボールをフラックスで仮搭載した後、リフロー炉に投入して、はんだ接続を行った。
図8は、はんだボールで、はんだ接続したパッケージの断面図である。
【0034】
次に、導熱シート22を配置し、可撓性回路基板13における支持体側開口部15aから見える支持体12と放熱部24とを接触させる。
【0035】
そして、半導体装置2Aをマウンターにより実装基板10に搭載し、リフロー装置を用いて、これらの半導体装置2Aを実装基板10に、はんだ接続させた。
【0036】
なお、上記製造方法は一例であることを敢えて付言する。従って、発明の精神を逸脱しない範囲でさらに多くの改変を施しえるのは言うまでも無いことである。
【0037】
以上説明したように、可撓性回路基板13の支持体側開口部15aに露出している支持体12を、脚部23を介して放熱部24に熱伝導させることが可能になって、ベアチップ11で発生した熱が効率的に放熱できるようになる。放熱性が向上することは、実装面積の増大が抑制でき、また高密度実装が可能になることを意味する。
【0038】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と、同一構成に関しては同一符号を用いて説明を適宜省略する。
【0039】
第1実施形態においては、脚部23は、支持体12とのみ熱接触する構成であった。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば
図9に示すように、ベアチップ11とも熱接触するようにしても良い。なお、
図9において導熱シートは図示省略されている。
【0040】
図9に示す半導体装置2Bは、ベアチップ11に対向した可撓性回路基板13の領域を開口してベアチップ側開口部15bを形成すると共に、このベアチップ側開口部15bに対応して脚部25を追加して設けている。
【0041】
これにより、ベアチップ11の熱は脚部25からも放熱されるので、これまで述べた効果に加え、さらに放熱効率が向上する。
【0042】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。なお、上述した実施形態と、同一構成に関しては同一符号を用いて説明を適宜省略する。これまでの各実施形態においては、放熱効率を向上させるために、脚部23,25等を設けてベアチップ11の熱を放熱部24に導く構成について説明した。しかし、本発明は、かかる構成に限定されるものではない。例えば
図10に示すように、熱を、脚部23を介して実装基板10に流動させるようにしてもよい。
【0043】
なお、
図11に示すように、可撓性回路基板13にベアチップ11と対向するベアチップ側開口部15bのみを設けた構成の半導体装置2Dでも良い。また、
図12に示すように、可撓性回路基板13に支持体側開口部15aとベアチップ側開口部15bとを設けて、脚部23,25により放熱する構成の半導体装置2Eでも良い。
【0044】
これら
図10〜
図12に示す半導体装置2C〜2Eは、実装基板10が放熱部24の放熱機能を兼ねた構成である。これにより、これまで述べた効果に加え、半導体装置の高さを高くすることなくベアチップ11の発熱を外部に効率よく放熱できるようになる。
【0045】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。なお、上述した実施形態と、同一構成に関しては同一符号を用いて説明を適宜省略する。
【0046】
これまで説明した半導体装置においては、脚部23,25は、放熱部24側又は実装基板10側のいずれか一方に設けた。これに対し、本実施形態では、脚部を放熱部24側と実装基板10側との両方に設けた。
図13は、この様な構成の半導体装置2Fの断面図である。
【0047】
この半導体装置2Fでは、支持体12を挟んで上下に脚部23が設けられ、この脚部23に放熱部24や実装基板10が熱接触している。従って、これまで述べた効果に加え、放熱パスが増大することによる放熱効率が向上する。
【0048】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を説明する。なお、上述した実施形態と、同一構成に関しては同一符号を用いて説明を適宜省略する。
【0049】
上述した各実施形態においては、半導体装置は、1つのベアチップを含む構成であった。しかし、本発明は係る構成に限定されない。即ち、複数のベアチップを含んでも良い。このとき、各ベアチップは同種類又は異なる種類であってもよい。
【0050】
図14は、2つのベアチップ11a,11bを積層した半導体装置2Gの断面図である。即ち、半導体装置2Gは、第1実施形態に係る半導体装置2Aの下部に第3実施形態に係る半導体装置2Cを配置して、これらを実装基板10に搭載した構造となっている。
【0051】
このとき、半導体装置2Aと半導体装置2Cとは、外部端子14により電気的に接続されて、半導体装置2A,2Cへの信号は実装基板10を介して行われる。
【0052】
このように、複数のチップを積層した構成にすることで、実装面積の増大を抑制しながら、放熱効率の優れた半導体装置を得ることができる。
【0053】
なお、
図14に示す半導体装置2Gは、半導体装置2Aと半導体装置2Cとを積層した構造であるが、積層する半導体装置を限定するものではないことを敢えて付言する。
【符号の説明】
【0054】
2A〜2G 半導体装置
4 素子部
6 放熱部
10 実装基板
11,11a,11b ベアチップ
12 支持体
13 可撓性回路基板
15a 支持体側開口部
15b ベアチップ側開口部
21 放熱材
22 導熱シート
23 脚部
24 放熱部
25 脚部