(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の例示的ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造を示す。
【
図1B】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の例示的ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造を示す。
【
図2A】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドのソールに配置された調節可能なウェイト部材を有する例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
【
図2B】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドのソールに配置された調節可能なウェイト部材を有する例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
【
図2C】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドのソールに配置された調節可能なウェイト部材を有する例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
【
図3A】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能なウェイト部材を有する別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
【
図3B】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能なウェイト部材を有する別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
【
図3C】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能なウェイト部材を有する別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
【
図4】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の調節可能なウェイト部材の上面図である。
【
図5】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の5-5線に沿った
図4の調節可能なウェイト部材の断面図である。
【
図6】
図6Aおよび6Bは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能なウェイト部材を有しかつ複数の位置におけるウェイトを示す別のゴルフクラブヘッドを示す。
【
図7】
図7Aは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能なウェイト部材を有する別のゴルフクラブヘッド配置である。
図7Bは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面のA-A線に沿った
図7Aのゴルフクラブヘッドの断面図である。
【
図8】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材、およびこの加重部材をゴルフクラブヘッドに接続するために使用可能な複数のファスナの分解図である。
【
図9】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材を有する別のゴルフクラブヘッド配置を示す。
【
図10】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材を有するさらに別のゴルフクラブヘッド配置である。
【
図11A】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材と共に使用されるが調節可能な加重部材が取り外されたゴルフクラブヘッドを示す。
【
図11B】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材と共に使用されるが調節可能な加重部材が取り外されたゴルフクラブヘッドを示す。
【
図11C】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材と共に使用されるが調節可能な加重部材が取り外されたゴルフクラブヘッドを示す。
【
図12A】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドおよび調節可能な加重部材の代替配置を示す。
【
図12B】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドおよび調節可能な加重部材の代替配置を示す。
【
図12C】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドおよび調節可能な加重部材の代替配置を示す。
【
図12D】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドおよび調節可能な加重部材の代替配置を示す。
【
図13】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材がゴルフクラブヘッドから取り外されて示され、矢印が調節可能な加重部材の回転を示す、別のゴルフクラブヘッド配置である。
【
図14】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材を有するさらに別のゴルフクラブヘッド配置である。
【
図15】本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能な加重部材を有するさらに別のゴルフクラブヘッド配置である。
【0011】
上記で言及した図は、必ずしも原寸通り描かれているわけではなく、本発明の特定の態様の表示を与えるものと理解すべきであり、本質的に概念的であって、関係する原理を例示するものであるというだけである。図面に示すゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造のいくつかの特徴は、説明および理解を容易にするために他の特徴と比べて拡大または歪曲されている。図面においては、様々な代替態様に示す同様のまたは同一のコンポーネントおよび特徴について、同一の参照番号を使用する。本明細書に記載されるゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造は、それらが使用される所期の用途および環境によって部分的に決定される構成およびコンポーネントを有しうる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、一つまたは複数のゴルフクラブ構造またはゴルフクラブヘッド構造を含む様々な例示的物品が実例として示されている添付図面を参照する。さらには、本発明の範囲を逸脱することなく、パーツおよび構造の他の具体的配設を利用することができ、構造的および機能的変更を加えることができることが理解されよう。また、本明細書においては、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「上」、「下」、「前」、「後」、「後方」、「側方」、「下面」、「頭上」という語が使用されることがあるが、これらの語は、本明細書中、たとえば図に示す例示的向き、および/または通常の使用における向きに基づいて便宜上使用される。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元的または空間的向きを要するものと解釈されるべきではない。さらには、本発明は概して、ウッドタイプゴルフクラブに関するものとして記載される。しかし、本発明の局面は、ハイブリッドタイプゴルフクラブ、ユーティリティクラブなどを含むいくつかの種類のゴルフクラブのいずれかで使用可能であり、本明細書または図面におけるいかなる記載も、記載されるウッドタイプゴルフクラブでの使用に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0013】
A.調節可能なウェイトを有するゴルフクラブヘッドを有する例示的ゴルフクラブの一般的説明
概して、上記のように、本発明の局面はゴルフクラブ構造またはゴルフクラブヘッド構造に関する。本発明の局面のより詳細な説明は以下の通りである。
【0014】
1. 調節可能なウェイトを有する例示的ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド
本発明の局面はゴルフクラブ構造およびゴルフクラブヘッド構造に関する。少なくともいくつかの例において、ゴルフクラブヘッドボディは前部、後部、上部、ソール、トウおよびヒールを有する。調節可能な加重部材はゴルフクラブヘッドボディのソールに沿って前部から後部への方向に延びる。調節可能な加重部材は、第一のウェイトを有する第一の端部、および第一のウェイトとは異なる第二のウェイトを有する第二の端部を有する。調節可能な加重部材は、第一の端部および第二の端部の位置を調節するためにゴルフクラブヘッドから取り外し可能である。
【0015】
少なくともいくつかの他の例において、ゴルフクラブヘッドボディは前部、後部、上部、ソール、トウおよびヒールを有する。陥凹がクラブヘッドボディのソールに形成され、ゴルフクラブヘッドボディのソールに沿って前部から後部への方向に延びる。調節可能な加重部材が陥凹に収容されるように構成されている。調節可能な加重部材は、第一のウェイトを有する第一の端部、および第一のウェイトとは異なる第二のウェイトを有する第二の端部を有する。調節可能な加重部材は、第一の端部および第二の端部の位置を調節するためにゴルフクラブヘッドから取り外し可能である。
【0016】
上記物品のさらなる局面および具体例を以下でより十分に詳説する。これらの具体例は単に本発明の例を明らかにするために開示されるものであり、本発明を限定するものとしてそれらを解釈すべきではないということを、読者は理解すべきである。
【0017】
B.本発明の具体例
図1Aおよび1Bは、本発明の例示的ゴルフクラブ100、および/またはゴルフクラブヘッド102を一般に示す。この例のゴルフクラブ構造100全体は、ゴルフクラブヘッド102に加えて、ホーゼル104と、ホーゼル104に収容され、かつ/またはホーゼル104に、および/もしくはそれを通って挿入されるシャフト106と、シャフト106に取り付けられるグリップまたはハンドル108とを含む。場合によっては、望むならば、外部ホーゼル104を除くことができ、シャフト106をヘッド102に直接挿入し、かつ/または他のやり方で取り付けることができる(たとえばクラブヘッド102の上部に設けられる開口を通るか、内部ホーゼル(たとえばクラブヘッド102によって規定される内部チャンバ内に設けられる)を通るなどして)。
【0018】
本発明を逸脱することなく、当技術分野において公知であり、使用される従来のやり方を含む任意の好適なまたは所望のやり方で、シャフト106をクラブヘッド102に収容し、係合させ、かつ/または取り付けることができる。より具体的な例としては、シャフト106を、ホーゼル104を介してクラブヘッド102に係合させることができ、かつ/または、例えば、接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、機械的コネクタ(ねじ山、保定要素などの)などを介するか、クラブヘッドボディ102内に延びるシャフト収容スリーブまたは要素などを通じるなどして、クラブヘッド構造102に直接取り付けることができる。また、シャフト106は、グラファイト系材料、複合材料または他の非金属材料、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム材料、他の金属合金材料、ポリマー材料、様々な材料の組み合わせなどの、当技術分野において公知であり、使用される従来の材料を含む任意の好適なまたは所望の材料から作製することができる。また、当技術分野において公知であり、使用される従来のやり方を含む任意の好適なまたは所望のやり方で、たとえば、接着剤またはセメントを使用するか、溶接、はんだ付け、接着剤などを介するか、機械的コネクタ(ねじ山、保定要素などの)を介するなどして、グリップまたはハンドル108を、シャフト106に取り付け、係合させ、かつ/またはそこから延ばすことができる。別の例としては、望むならば、グリップまたはハンドル108を、単体1ピース構造としてシャフト106と一体に形成することができる。さらには、本発明を逸脱することなく、ゴム材料、革材料、その中に埋め込まれるひも材料または他の布材料を含むゴム材料または他の材料、ポリマー材料などをたとえば含む任意の所望のグリップまたはハンドル108用材料を使用することができる。
【0019】
クラブヘッド102それ自体も、本発明を逸脱することなく、任意の好適なもしくは望ましいやり方で、および/または任意の好適なもしくは望ましい材料から、たとえば、当技術分野において公知でありかつ使用される従来の材料から、および/または従来のやり方で、構築することができる。たとえば、
図1に示す例示的クラブヘッド102において、クラブヘッド102は前面102aを含み、前面は打球面102b(打球面プレートおよびフレームが一緒に打球面102a全体を構築するように、打球面102aと一体的に形成されるかまたはクラブヘッドに取り付けられる、打球面プレートを場合によって含む)を一般に含む。クラブヘッド102は、上部またはクラウン102c、ソール102d、トウ107およびヒール109をさらに含みうる。クラブヘッド102は後部(
図1に示さず)を含んでもよい。
【0020】
多種多様なクラブヘッド構造全体が、本発明を逸脱することなく可能である。たとえば、望むならば、上記のクラブヘッド102の様々な個々のパーツの一部または全部を、(たとえば溶接、接着剤または他の融着技術、機械的コネクタなどによって)一緒に接続される複数のピースから作製することができる。軽量金属材料を含む金属材料などの、当技術分野において従来公知であり、使用される材料を含む、任意の所望の材料および異なる材料の組み合わせから、様々なパーツ(たとえばクラウン、ソール、前面、後部など)を作製することができる。好適な軽量金属材料のより具体的な例としては、鋼、チタンおよびチタン合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金などが挙げられる。さらにまたは代わりに、クラブヘッドの様々なパーツを一つまたは複数の複合材で形成することができる。クラブヘッド102は、鍛造、鋳造、または当技術分野において従来公知であり、使用されるクラブヘッド形成プロセスを含む他の所望のプロセスによって作製することもできる。
【0021】
クラブヘッド構造102を構成する様々な個々のパーツは、複数のピースから作製されている場合、当技術分野において公知でありかつ使用される従来のやり方を含む任意の好適なまたは望ましいやり方で、互いに係合させ、かつ/または一緒に保持することができる。たとえば、前面102a、打球面102b、上部102c、ソール102dなどの、クラブヘッド構造102の様々なパーツを、接着剤、セメント、溶接、はんだ付けまたは他の結合もしくは仕上げ技術、(ねじ山、ねじ、ナット、ボルトもしくは他のコネクタなどの)機械的コネクタなどで(直接的にまたは中間部材を介して間接的に)一緒に接合、および/または固定することができる。望むならば、クラブヘッド構造102の様々なパーツの嵌め合い縁部は、それが接合される対向側縁部の中または上に設けられる対応する溝、スロット、表面、レッジ、開口または他の構造の中または上に嵌合される、一つまたは複数の隆起リブ、タブ、レッジまたは他の係合要素を含みうる。セメント、接着剤、機械的コネクタ、仕上げ材料などを上記の隆起リブ/溝/レッジ/縁部または他の接続構造との組み合わせで使用することで、クラブヘッド構造102の様々なパーツを一緒に固着することをさらに支援することができる。
【0022】
本発明の例のゴルフクラブヘッド構造の寸法、および/または他の特性は、本発明を逸脱することなく著しく変動してもよく、寸法は、当技術分野において同様のクラブヘッドおよびクラブに一般的に使用される寸法と一致してもよい。
【0023】
図2A〜2Cは、ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を改変するために複数の位置において構成可能である調節可能なウェイト部材を有する、一つの例示的ゴルフクラブヘッドを示す。
図2Aはゴルフクラブヘッド200の下面斜視図である。下部またはソール202は、調節可能なウェイト部材210を収容するように構成された陥凹204を含む。陥凹204は前部203から後部205への方向に延びうる。陥凹204は概して長方形であってもよく、長い縦軸および短い横軸を有しうる。例示的態様において、長い縦軸は概してクラブヘッドの打球面と交差する向きである。横軸はクラブヘッド上でヒールからトウへの方向に延びる。調節可能なウェイト部材210は陥凹204に位置してもよく、いくつかの例においては、開口212を通って延びるねじまたは他のファスナを介してゴルフクラブヘッド200に接続されてもよい。また、クラブヘッドが、ヒールからトウまでクラブヘッド200のソールを横切ってかつ概して打球面に隣接して延びるチャネル207を有してもよいことに留意されたい。チャネルは、ボール衝突時にクラブヘッドの特定量の圧縮を可能にする。この特徴は、クラブのパフォーマンスをさらに向上させるために、他のクラブヘッド構造および加重特性と協働しうる。
【0024】
ウェイト部材210は陥凹204中で嵌め合い接続部220を介してゴルフクラブヘッド200に接続されうる。嵌め合い接続部は、ウェイト部材210を位置合わせすることおよびウェイト部材210の位置を維持することに役立つように、ウェイト部材210の形状に対応する形状を有しうる。
図2Bに示すように、嵌め合い接続部220は隆起部を画定しうるものであり、ファスナを収容する開口が隆起部の概して中心に位置している。
図2Aから認識できるように、ゴルフクラブヘッドに固着される際に嵌め合い接続部220を受容および収容するための対応する切欠部分をウェイト部材210が有しうることが理解されよう。切欠部分によってウェイト部材210の中心部分からウェイトが除去され、それによりウェイトはウェイト部材210の端部にさらに集中しうる。上述したように、ウェイト部材210は、開口部212を通って嵌め合い接続部220中に延びるねじなどのファスナを介してゴルフクラブヘッド200に接続されうる。
図2Aから認識できるように、ウェイト部材210は、ウェイト部材210が陥凹204に収容される際にクラブヘッド200のソール面全体と概して面一になるように寸法決めされている。
【0025】
所望に応じて、ウェイト部材210の位置は、第一の端部210aがゴルフクラブヘッドの前部203に近接しかつ第二の端部210bがゴルフクラブヘッドの後部205に近接するように、ファスナを取り外し、ウェイト部材210を取り外してそれを「反転させる」ことで調節されうる。ウェイト部材210の所望の位置が実現された後に、ファスナを挿入し、ウェイト部材の位置が維持されるように締結することができる。
【0026】
ウェイト部材210は、ウェイト部材210の長さに沿って異なるウェイト特性を含みうる。たとえば、ウェイト部材210は、異なるウェイト特性を有する二つの端部210aおよび210bを含みうる。いくつかの例において、二つの端部210aおよび210bは異なる材料で形成されうる(二つの異なる材料の単一のピースとして形成されるか、または異なる材料から別々に形成されて接合される)。いくつかの例において、一つの材料は第二の材料よりもたとえば重い、密であってもよい。したがって、ウェイト部材210の各端部210a、210bは異なるウェイト特性を有しうる(たとえば、一方の端部が他方よりも重いことがある)。これにより、所望に応じたゴルフクラブヘッド200に関連するウェイトの配分が可能になる。
【0027】
さらにまたは代わりに、二つの端部は、ウェイト部材210の各端部210a、210bにおいて異なるウェイト特性を与えるために、異なって構築されうる。たとえば、
図2Bに示すように、ウェイト部材210aの一方の端部は、さらなるウェイトを与えるために、別の端部210bよりも厚いことがある。さらにまたは代わりに、一方の端部210bでは、ウェイト部材210の反対側の端部210aと比べてその端部210bのウェイトを減少させるために、中空構造または開口がそこに形成されていることがある。
【0028】
図3A〜3Cは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、調節可能なウェイト配置を有する別のゴルフクラブヘッドを示す。上記の配置と同様に、ゴルフクラブヘッド300のソール302は、嵌め合い接続部320がそこに配置された陥凹304を含む。加重部材310は、ウェイト部材の位置合わせおよびウェイト部材310の位置づけに役立つ嵌め合い接続部320に対応するように陥凹304に位置しうる。また、加重部材310は、ウェイト部材310と嵌め合い接続部320との間で延びるねじまたは他のファスナを介してゴルフクラブヘッド300に接続されうる。クラブヘッド300は、上記のようにソールに沿ってチャネルを有してもよい。
【0029】
図3Cに示すように、嵌め合い接続部320は、ゴルフクラブヘッド300の上部から見えないようにゴルフクラブヘッド300内に配置されうる。
【0030】
図4は
図3A〜3Cの加重部材310の拡大近接図である。
図5は
図4の5-5線に沿った加重部材310の断面図である。上記で説明した配置において加重部材は長方形であるが、以下で説明するように、様々な他の形状が本発明を逸脱することなく使用可能である。図示される配置において、加重部材310は概して長方形であって、クラブヘッドに設けられる陥凹に概して対応する長い縦軸および短い縦軸を有する。さらには、図示される配置において、一方の端部310aが反対側の端部310bよりもたとえば重い、密であってもよい。上記で説明したように、端部は、異なるウェイト特性を与えるために、異なる材料で形成されうるかまたは異なる構造を有しうる。いくつかの例においては、一方の端部(たとえば310b)が加重部材310の中心接続部と同じ材料で形成されうる一方、他方の端部310aは異なる材料(たとえばより重い材料)で形成される。ウェイト部材310の端部310a、310bのウェイトの差は、ゴルフクラブヘッド300の所望のパフォーマンス特性を与えるようにユーザが加重部材を位置づけることを可能にしうる。すなわち、ユーザがゴルフクラブヘッドの重心をゴルフクラブヘッド300の後部に向かって移動させることを望む場合、彼または彼女はより重い端部をゴルフクラブヘッド300の後部に近接させて加重部材310を位置づけることができる。
図4および5にさらに示すように、ウェイト部材310は、嵌め合い接続部320を収容する切欠部分311を有する。切欠部分があるにもかかわらず、ウェイト部材310の下面は概して平面状である。特に、下面は、ウェイトが集中する各端部310a、310bにおいて概して平面状である。端部310、310bにおいて垂下構造は存在しない。
【0031】
加重部材310およびこの部材310の端部310a、310bは任意の好適な材料で形成されうる。たとえば、より重い端部が鋼または他の重金属で形成されうる一方、より軽い端部はアルミニウム、チタンなどの軽金属、金属合金、複合材料、プラスチックなどで形成されうる。上記で説明したように、加重部材310は、二つの端部310a、310bが異なる材料、または同じ材料のより密な/より密でない形態で(たとえばツーショットプロセスにおいて)形成された単一のピースとして形成されうる。さらにまたは代わりに、加重部材310は、スナップ嵌合、機械的ファスナ、接着剤、溶接などの公知の方法を使用して接合された一つまたは複数のピース中で形成されうる。
【0032】
図6Aおよび6Bは、本明細書に記載される少なくともいくつかの局面の加重部材の調節可能な性質を示す。ゴルフクラブヘッド400は、上記で説明した加重部材と同様の加重部材410を含む。上記で説明したように、一方の端部である第一の端部410aは反対側の端部410bよりも大きなウェイトを有しうる。これは、端部410a、410bを形成するために使用される異なる材料、端部410a、410bの異なる構造、などが理由でありうる。
図6Aにおいて、より重い端部410aがゴルフクラブヘッドの後部405に近接して位置する一方、より軽い端部410bはゴルフクラブヘッドの前部403に近接している。
図6Bにおいて、ウェイト部材410は逆転しており、より重い端部410aがゴルフクラブヘッドの前部403に近接している一方、より軽い端部410bはゴルフクラブヘッドの後部405に近接している。
【0033】
図7Aおよび7Bは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、代替加重部材配置を有するゴルフクラブヘッド500を示す。
図7Bは、7B-7B線に沿った
図7Aのゴルフクラブヘッド500の断面図である。
図7Aに示すように、加重部材は、二つの端部510aおよび510bを接合させる細長い中心部分を有する。細長い中心部分が画定する幅が減少するに従って、クラブヘッドのパフォーマンス特性に対する加重部材の効果を最大化するように、より多くのウェイトが加重部材の端部に集中しうる。上記で説明した配置と同様に、端部510aおよび510bは異なるウェイト特性を有してもよく、ウェイト部材510は、ゴルフクラブヘッド500の所望のパフォーマンス特性を与える位置にウェイト部材510を位置づけるように調節可能であってもよい。
【0034】
図示される配置において、加重部材510はゴルフクラブヘッド500に、一つが各端部である二つの地点において接続されうる。ウェイト部材510はねじまたは他のファスナを使用してゴルフクラブヘッドに接続されうる。
【0035】
さらには、
図7Bに示すように、加重部材510はゴルフクラブヘッド510のソール中の陥凹内に位置する。切欠部518は、ゴルフクラブの使用中に加重部材510をごみや摩耗などから保護するために十分な、この部材用の陥凹を与える。さらには、陥凹は、加重部材510がゴルフクラブヘッドのソールから外方に突出することを防止する、かつ/または地面との接触によって緩むことなどを防止することに役立ちうる。
【0036】
ゴルフクラブヘッド510のソールの上方傾斜は、ゴルフクラブヘッドのウェイトを調節することにさらに役立つ。たとえば、加重部材のより重い端部をクラブの前部により近く位置づけることで、重心がソールに向かって下方に移行しうる。他方で、加重部材のより重い端部をクラブの後部により近く位置づけることで、重心が後部に向かって後方に移行しうる。
【0037】
図8は、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の一つの加重部材締結配置の分解図である。加重部材610は、
図7Aに示す配置と同様に二つの締結点を含む。いくつかの例において、加重部材610は一つまたは複数のねじ込みファスナを介してゴルフクラブヘッドに接続されうる。
図8に示すように、ねじ込みファスナ650a、650bの一部分がねじ込み式であって、ゴルフクラブヘッドに挿入されうる。ねじ込みファスナ650a、650bの第二の部分は平滑でありうる。ねじ込みファスナ650a、650bはねじ込み突起部651a、651bを含みうるものであり、ねじ込み突起部は、加重部材610中の開口を通って延びており、加重部材610をゴルフクラブヘッドに固着させるために加重部材610の反対側でナット652a、652bに接続される。
【0038】
上記で説明したように、加重部材610は加重部材610の各端部において異なるウェイト特性を有しうる(たとえば、一方の端部が反対側の端部よりも重いまたは密であり得る)。また、加重部材610は、ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を調節するために、所望の位置において所望のウェイト特性を伴ってゴルフクラブヘッドに接続されうる。さらには、ねじ込みファスナ650a、650bが所望に応じて異なる加重特性を有してもよいことが理解されよう。
【0039】
図9は、
図7Aおよび7Bのゴルフクラブヘッド500と同様のゴルフクラブヘッド700の下面図である。図示される加重部材710は二つの地点においてゴルフクラブヘッドに接続される。いくつかの配置において、加重部材710はねじ込みファスナ752a、752bを使用してゴルフクラブヘッド700に接続されうる。上記で説明した配置と同様に、加重部材710は、加重部材710の摩耗を防止しかつその位置の維持に役立つように、ゴルフクラブヘッド700のソールに形成された陥凹704に位置しうる。
【0040】
端部710aは端部710bとはわずかに異なる外観を有し、これにより、端部710aが端部710bとは異なるウェイト特性を有することが示されうる。たとえば、端部710aは、端部710bとは異なる材料で形成されることで端部710bよりも重くまたは軽くなりうる。さらにまたは代わりに、端部710aの構造は710bの構造と異なっていてもよい(たとえば、710aが中空でありうる一方で710bが中実である、およびその逆)。端部710aおよび710bの間の外観の差は、加重部材710の所望の位置を決定することに役立ちうる。たとえばユーザは、外観の差に基づいてより重いまたはより軽い端部を容易に同定することができ、外観に基づいて加重部材710を所望の向きにして加重部材710をゴルフクラブヘッド700に接続することができる。外観の差は、使用される異なる材料によって与えられても、製造中に与えられてもよく、異なる色、形状、サイズ、厚さなどを含みうる。
【0041】
あるいは、いくつかの配置において、端部710a、710bは、端部が異なるウェイト特性を有しながら同じに見えるように、実質的に同様のまたは実質的に同一の外観を有しうる。たとえば、
図10のゴルフクラブヘッド800は、端部810a、810bが実質的に同様の外観を有する加重部材810を含む。端部810a、810bの実質的に同様の外観にもかかわらず、端部810a、810bは上記で説明したように異なるウェイト特性を有しうる。
【0042】
図11A〜11Cは、加重部材を収容するように構成されているが、加重部材、ファスナなどが取り外されたゴルフクラブヘッド800を示す。ゴルフクラブヘッド800は、ソール802に形成され、加重部材を収容するように構成された、陥凹804を含む。上記の配置と同様に、陥凹804は、加重部材の形状に対応するように一般に成形されうる。ゴルフクラブヘッド800はさらなる陥凹区域807を含みうるものであり、さらなる陥凹区域は、使用中に加重部材を損傷、摩耗などから保護するために設けることができる。すなわち、いくつかの例において、加重部材はゴルフクラブのソール802よりも下に位置してもよく、使用中に地面との接触を最小限にするかまたは地面との接触がないようにしてもよい。
【0043】
上記で説明した配置と同様に、加重部材は、異なる加重特性をそれぞれ有する二つの端部を有しうる。ユーザは、ゴルフクラブヘッド800の一つまたは複数の所望のパフォーマンス特性を決定することができ、この所望のパフォーマンス特性を与えるために陥凹804に加重部材を位置づけることができる。
【0044】
図11Cに示すように、加重部材を収容するための陥凹804は、ゴルフクラブヘッド800の後部805から見えてもよく、使用中の地面との接触を最小化するように位置してもよい。
【0045】
図12A〜12Dは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、ゴルフクラブヘッドおよび加重部材の様々な代替配置を示す。
図12Aは、加重部材919を有するゴルフクラブヘッド900を示す。上記のいくつかの配置と同様に、加重部材919は二つの地点においてゴルフクラブヘッド900に接続されうる。加重部材919は実質的に長円形でありうる。上記で説明した配置と同様に、加重部材919の一方の端部は加重部材の別の端部とは異なるウェイト特性を有しうるものであり、したがってゴルフクラブヘッド900のカスタマイズ可能なパフォーマンス特性が加重部材919の位置に基づいて与えられる。
【0046】
図12Bは、加重部材929を有する別のゴルフクラブヘッド920を示す。加重部材929は実質的に長方形であり得、二つの地点においてゴルフクラブヘッドに接続されうる。さらには、
図12Bに示すように、加重部材929の各端部の外観は、加重部材929の各端部に関連するウェイト特性またはパフォーマンス特性の差を示すように異なっていてもよい。外観の差は、加重部材を形成するために使用される異なる材料の結果であってもよく、加重部材929の端部の異なる特性の視覚的指示を与えるように製造中に与えられてもよい。
【0047】
図12Cは、加重部材949を有するさらに別のゴルフクラブヘッド940を示す。
図12Aの配置と同様に、加重部材949は実質的に長円形でありうる。しかし、加重部材949の端部の外観は異なりうる。上記で説明したように、外観の差は、端部を形成するために使用される異なる材料が理由であってもよく、各端部の異なるウェイト特性の視覚的指示を与えるように製造中に与えられてもよい。加重部材949は、二つの地点においてゴルフクラブヘッド940に接続されており、ゴルフクラブヘッド940のパフォーマンス特性を調節するためにゴルフクラブヘッドから取り外されて再配置されうる(たとえば、第二の端部の以前の位置に第一の端部を置くおよびその逆を行うために加重部材949を旋回または「反転」させることができる)。
【0048】
図12Dは、加重部材969を有するさらに別のゴルフクラブヘッド960を示す。加重部材969は、上記で説明した他の加重部材と同様の形状を有してもよく、二つの地点においてゴルフクラブヘッド960に接続されうる。加重部材969の端部は異なる加重特性を有してもよく、ゴルフクラブヘッド960内での加重部材969の位置の調節によってゴルフクラブヘッド960の一つまたは複数のパフォーマンス特性が調節されうる。
【0049】
図12Dに示すように、一方の端部969bは別の端部969aとは異なって成形されうる。たとえば、端部969bは端部969aよりも長いことがあり、したがって、端部969bが端部969aよりも重くなるようにするまたは多くの関連するウェイトを有するようにする材料が多くなる。この配置において、加重部材969が収容される陥凹は、加重部材969の任意の位置を受容するように長方形でありうる。
【0050】
図12A〜12Dをなお参照すると、各クラブヘッド陥凹およびウェイト部材は代替位置を有しうる。特定の例示的態様において、陥凹およびウェイト部材は斜めの位置または角度をなす位置を有しうる。陥凹およびウェイト部材は、概してクラブヘッドの打球面と交差する向きの縦軸に対して角度をなしうる。そのような角度をなす位置はゴルフクラブヘッドの加重特性のさらなるカスタマイズを提供する。
【0051】
図13は、調節可能な加重部材1010を有する別のゴルフクラブヘッド1000を示す。
図13の加重部材1010は、ゴルフクラブヘッド1000から、特にゴルフクラブヘッド1000のソール1002に形成された陥凹1004から取り外されて示される。矢印1015は、加重部材1010が、上記の配置と同様に、ゴルフクラブヘッド1000のパフォーマンス特性を調節するために陥凹1004において代替構成で回転および置換されうることを示す。
【0052】
図14は、調節可能なウェイト部材1110を有する別の例示的ゴルフクラブヘッド1100を示す。調節可能なウェイト部材1110は、異なる加重特性をそれぞれ有する二つの端部を有しうる。加重部材1110の端部は、各端部の異なるウェイト特性の視覚的指示を与えるように、異なる外観を有しうる。
【0053】
加重部材1110の形状は、任意の好適な配置でゴルフクラブヘッドに収容されるように対称でありうる。しかし、加重部材1110の一方の端部の外観は、多少なりとも非対称の外観を示すように加重部材1110の半分超にわたって延びる。外観の差は、加重部材1110の半分超にわたって延びる外観を有する端部が、より重い端部でありうることを示しうる。
【0054】
図15は、調節可能な加重部材1210を有するさらに別のゴルフクラブヘッド1200を示す。加重部材1210は、ゴルフクラブヘッド1200のソールに位置しており、ゴルフクラブヘッド1200の一つまたは複数のパフォーマンス特性を調節するために取り外しおよび再配置されうる。
【0055】
加重部材の形状は、様々な図に示すように変動しうる。たとえば、加重部材の端部は、単一の加重部材に二つの異なるウェイト領域を与えるように、正方形、長方形、円形、楕円形または三角形でありうる。説明するように、加重部材は流線形の中心部分、または減少した横寸法を有する中心部分を有してもよく、ウェイトは加重部材の遠位端により多く集中しうる。
【0056】
加重部材をゴルフクラブヘッドに接続するために、ねじおよびボルトなどの任意の好適な手段を使用することができる。加重部材を定位置に導きかつ何らかのウェイト特性を与えるために、突出部が存在しうる。参照によりその全体が組み入れられる米国特許第7,153,220号では、突出部の例が開示されている。
【0057】
本明細書に記載されるいくつかの配置は、前部から後部への方向に延びる加重部材を一般に含むが、いくつかの例においては、加重部材は、トウからヒールへのまたはヒールからトウへのウェイト配分の調節を可能にするように、トウからヒールへの方向に延びうる。本発明を逸脱することなく、加重部材の様々な他の位置を使用することができる。
【0058】
さらには、加重部材は、様々な成型プロセス、鋳造、機械加工などをはじめとする一つまたは複数の公知の製造方法を使用して形成されうる。さらには、いくつかの配置は、加重部材を仕上げるためのコーティング、塗布などの、製造後の加工段階を含みうる。
【0059】
調節可能な加重部材は、金属、非金属材料、複合材、セラミックス、ポリマーなどをはじめとする任意の好適な材料で作製されうる。いくつかの配置において、調節可能な加重部材は、炭素鋼、ステンレス鋼、炭素繊維、タングステン、タングステン担持ポリマー、一つまたは複数のこれらの材料の組み合わせなどで形成されうる。いくつかの配置において、調節可能な加重部材は、調節可能な加重部材において何らかの屈曲または撓みを可能にする可撓性材料で形成されうる。他の配置において、調節可能な加重部材はより剛性の高い材料で形成されうる。第一の端部および第二の端部に異なるウェイト特性を与えるために、第一の端部および第二の端部が同じ材料で作製されるが、例えば異なる密度または厚さを有するように形成されてもよく、第一の端部および第二の端部が異なる材料で形成されてもよい。加重部材は、所望の加重特性を与えるために、懸濁粒子を利用する材料によって形成されてもよい。
【0060】
調節可能なウェイト部材は多くの利点を有する。第一の構成から第二の構成にウェイト部材を調節することは、衝突によってボールに伝達されるエネルギーおよび速度、ならびにクラブヘッドの慣性モーメントおよび重心に影響しうる。また、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは異なるウェイト構成によって影響されうる。さらには、クラブヘッドの重心は異なる加重構成によって影響されうる。
【0061】
さらには、異なる加重構成はゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性にさらに影響しうる。異なる加重構成に関する以下の説明では、クラブヘッドスピード、衝突場所および使用されるゴルフボールなどが同一であるという一定の仮定を行う。第一の加重構成において、より重いウェイトがクラブヘッドの後部に向かって位置するようにウェイト部材が位置する。したがって、ゴルフクラブヘッドの重心はゴルフクラブヘッドの後部にさらに向かう。ゴルファーがゴルフクラブをスイングすると、より重いウェイトがクラブの後部にさらに向かうことで、ゴルフクラブシャフトがさらに弓状に曲がって、ボール衝突の直前に、クラブヘッドフェースがより高ロフトの位置にあり、フェース角がより狭くなる。ボール衝突時に、より多くのボールスピンおよびより高いロフトを伴ってより高い打ち出し角が与えられる。右利きのゴルファーでは、ゴルフボールの弾道は左に向かう傾向がより大きくなる。第二の加重構成において、より重いウェイトがクラブヘッドの前部に向かって位置するようにウェイト部材が位置する。したがって、ゴルフクラブヘッドの重心はゴルフクラブヘッドの前部にさらに向かう。ゴルファーがゴルフクラブをスイングすると、より重いウェイトがクラブの前部にさらに向かうことで、ゴルフクラブシャフトが第一のウェイト構成よりも小さな程度で弓状に曲がって、ボール衝突の直前に、クラブヘッドフェースがより低ロフトの位置にあり、フェース角がより広くなる。ボール衝突時に、より少ないボールスピンおよびより低いロフトを伴ってより低い打ち出し角が与えられる。右利きのゴルファーでは、ゴルフボールの弾道は右に向かう傾向がより大きくなる。したがって、ボールスピンの差は、ウェイト部材を異なる加重構成に位置づけることで実現される。より多くのボールスピンは、より重いウェイトをクラブヘッドの後部に向かって配置することで実現され、より少ないボールスピンは、より重いウェイトをクラブヘッドの前部に向かって配置することで実現される。本設計によって、ゴルファーは、所望のボールスピンなどの特性を与えるためにゴルフクラブヘッドをカスタマイズする能力を有する。
【0062】
本発明のさらなる例示的態様としては、本明細書に記載されており、かつ調節可能なパラメータを有することも可能な、ゴルフクラブヘッドが挙げられる。たとえば、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのロフト角の調節などの特定のパラメータの調節を可能にする、ゴルフクラブヘッドに関連する調節機構を有しうる。調節機構は様々な形態をとりうるが、一般的にはゴルフクラブヘッドに操作可能に関連している。一つの例示的態様において、調節機構は、たとえば米国特許第8,182,357号ならびに米国特許出願第61/577,660号および第61/526,325号に示されるホーゼルに基づく機構でありうるものであり、これらの特許および特許出願は参照により本明細書に組み入れられる。
【0063】
そのような調節機構は、ゴルファーがドライバタイプゴルフクラブのロフト角を11度、11.5度、12度または12.5度などであるがそれに限定されない比較的高ロフトの設定に調節することを可能にしうる。調節可能なウェイト部材をより重いウェイトがクラブヘッドの後部に向かうように位置づけることで、ゴルフクラブヘッド中の更に後方に存在する低い重心が得られる。そのような構成は、そのような比較的高ロフトの設定に有利な打ち出し条件、およびクラブヘッドの比較的高い慣性モーメントにより得られる、増大した寛容度をさらに与えうる。他のゴルファー、多くの場合では比較的熟練したゴルファーは、比較的低ロフトのゴルフクラブヘッドを好み、7.5度、8度または8.5度、さらには9度などであるがそれに限定されないロフト設定を与えるために調節機構を利用するであろう。そのようなロフト設定は、ゴルファーがより棒球かつ低ロフトのゴルフショットを打つことを一般に可能にする。また、そのようなゴルファーはゴルフショットを制御するかまたは形作る能力を一般に好み、重心がゴルフクラブヘッドの後部に向かって後ろすぎる場所に存在する場合にはそのような制御が妨害されることがある。本発明の調節可能な加重部材では、加重部材のより重い端部がゴルフクラブヘッドの前部に向かって位置しうる。これにより、ゴルフクラブヘッド中のより前方に存在する重心、およびクラブヘッドのより低い慣性モーメントが得られる。比較的低ロフトの設定(たとえば7.5〜9度)を有するそのような位置において、熟練したゴルファーは、クラブヘッドによる向上したショット形成能力、および改善された打ち出し条件による利益を得ることができる。したがって、他の調節機構との組み合わせで利用される調節可能な加重部材はさらなるカスタマイズのオプションをゴルファーに与える。そのような特徴がドライバタイプゴルフクラブに加えてフェアウェイウッド、ハイブリッドなどの他のゴルフクラブにも同等に適用可能であることが理解されよう。
【0064】
増大したクラブヘッドスピードを発生させる能力を有するゴルファーが、異なる加重構成に関して本明細書に記載される利点と同様の利点を得るために、比較的剛性の高いシャフトを選択することができることが理解されよう。
【0065】
したがって、ヘッドの加重およびウェイト配分を調節またはカスタマイズすることを可能にするクラブヘッドの特徴は、ボール弾道、ボールスピード、ロフト、距離およびスピンをはじめとするいくつかの点で改善されたパフォーマンスを与えることができる。使用される特定のゴルフボールに望まれる特性を生成するようにクラブヘッドをカスタマイズするために、調節可能なウェイト特徴を使用することができる。
【0066】
したがって、様々な態様の基本的な新規特徴を示し、説明し、指摘してきたが、例示される装置の形態および詳細ならびにそれらの操作の様々な省略、置換および変更を、当業者が本発明の真意および範囲を逸脱することなく行うことができると理解されよう。たとえば、同一の結果を実現するために実質的に同一の機能を実質的に同一の方法で行う要素、および/または段階のすべての組み合わせが本発明の範囲内であることが明確に意図されている。記載される一つの態様から別の態様への要素の置換も完全に意図および想定される。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲による指示によってのみ限定されることが意図される。