(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記白色ベース塗料に含まれる二酸化チタン顔料は、体積平均粒子径D90が650〜2000nmであり、かつ、体積平均粒子径D50が140〜1100nmである請求項1〜3いずれかに記載の複層塗膜形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の光輝性塗料組成物は、干渉性光輝性顔料および特定の二酸化チタン顔料の両方を含んでいる。
【0019】
干渉性光輝性顔料
本発明の光輝性塗料組成物に含まれる干渉性光輝性顔料は、通常パール色塗料に用いられるものであり、マイカフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク及びガラスフレークからなる群から選ばれた1種以上の基材の表面に金属酸化物の被覆層が設けられたものを挙げることができる。白色度の点から、表面に、例えばTiO
2等およびそれらの含水物等の金属酸化物をコーティングしたアルミナフレーク顔料が好ましい。上記干渉性光輝性顔料の形状は特に限定されず、例えば、鱗片状のものであれば、平均粒子径D50が2〜50μmであり、かつ厚さが0.1〜3μmであるものが適している。
【0020】
なお、平均粒子径D50は、体積平均粒子径であり、動的光散乱式法で測定される。より具体的には、UPA−150(マイクロトラック社製粒度分布測定装置)で測定することができる。
【0021】
上記干渉性光輝性顔料は市販されており、シラリック T60−10 WNT(メルクジャパン社製干渉性アルミナフレーク顔料)、シラリック T60−23 WNT(メルクジャパン社製干渉性アルミナフレーク顔料)およびパールグレイズSME 90−9(日本光研社製マイカ系パール顔料)、メタシャインMC1020RSJA1(日本板硝子社製)等が白さとキラキラした立体感付与の観点で好適に用いられる。
【0022】
二酸化チタン顔料
本発明の光輝性塗料組成物に含まれる二酸化チタン顔料は、光輝性塗料組成物において、その一次粒径および/または二次粒径が特定の粒径分布を有するものであり、当該特定の粒径分布は体積平均粒子径D90およびD50で規定することができる。即ち、二酸化チタン顔料は光輝性塗料組成物中で、体積平均粒子径D90が700〜1200nmであり、かつ、体積平均粒子径D50が250〜900nmであることが必要である。ここで、体積平均粒子径D90とは、二酸化チタン顔料の粒度分布において、小粒子径側からある粒子径までの間で積算した粒子の合計体積を、粒子全体の体積に対する百分率で表したときに、その値が90%となるときの粒子径であり、体積平均粒子径D50は、この百分率の値が、50%となるときの粒子径である。体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50は、動的光散乱法、特にUPA−150(マイクロトラック社製粒度分布測定装置)を用いて測定する。
【0023】
上記二酸化チタン顔料は、体積平均粒子径D90が700〜1200nmであり、800〜1100nmであることが好ましく、900〜1000nmであることがさらに好ましい。上記体積平均粒子径D90が700nmを下回ると、上記干渉性光輝性顔料の発色する補色を抑制する効果が不十分になる。一方、上記体積平均粒子径D90が1200nmを上回ると、得られる塗膜の光沢が低下する。
【0024】
また、上記二酸化チタン顔料は、体積平均粒子径D50が250〜900nmであり、270〜800nmであることが好ましく、300〜700nmであることがさらに好ましい。体積平均粒子径D50が250nmを下回ると、得られる塗膜の隠蔽性が低下し、900nmを上回ると上記干渉性光輝性顔料の発色による意匠性が低下する。
【0025】
上記二酸化チタン顔料は、得られる光沢と干渉性光輝性顔料の発色する補色を抑制する効果の両立の観点から一次平均粒子径が200〜2000nmであることが好ましく、250〜1600nmであることがさらに好ましい。また、遮熱効果を得る観点でも、上記二酸化チタン顔料の一次平均粒子径が200〜2000nmであることが好ましく、250〜1600nmであることがさらに好ましい。上記一次平均粒子径は、動的光散乱法で測定することができる。より具体的にはUPA−150(マイクロトラック社製粒度分布測定装置)、電子顕微鏡を用いて測定することができる。
【0026】
上記一次平均粒子径が200〜2000nmである二酸化チタン顔料は市販されており、TITANIX JR−1000(テイカ社製、一次平均粒子径800nm)、タイペークCR−95(石原産業社製、一次平均粒子径250nm)が例示できる。もちろん、これらに限定されるものではない。
【0027】
上記光輝性塗料組成物は、上記干渉性光輝性顔料と上記二酸化チタン顔料の2種類を含む。上記干渉性光輝性顔料と上記二酸化チタン顔料との質量比は、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の比で10/1〜5/1、好ましくは10/1〜6/1である。上記質量比で、10/1より干渉性光輝性顔料が多いと得られる塗膜の仕上がり外観が低下し、5/1より干渉性光輝性顔料が少ないと光輝感が無くなり干渉性光輝性顔料の発色による意匠性が低下する。
【0028】
上記光輝性塗料組成物に含まれる干渉性光輝性顔料は、光輝性塗料組成物に含まれる全ての樹脂成分及び全ての顔料の合計量に対する顔料質量濃度(PWC)で1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%の量であることがより好ましい。また、上記光輝性塗料組成物に含まれる二酸化チタンは、PWCで0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましい。上記光輝性塗料組成物に含まれる干渉性光輝性顔料と二酸化チタン顔料との合計量は、PWCで1.1〜35質量%が好ましく、1.1〜30質量%であることがより好ましい。
【0029】
バインダー成分
本発明の光輝性塗料組成物には、上記干渉性光輝性顔料と二酸化チタン顔料の他に、通常、バインダー成分として塗膜形成樹脂を含んでいる。上記塗膜形成樹脂には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。上記バインダー成分は、必要に応じて硬化剤を含んでいる。上記硬化剤としては、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられる。上記光輝性塗料組成物に含まれる上記バインダー成分の固形分含有量は、塗料組成物の製造時には塗料組成物全体に対して30〜70質量%であり、塗布時には10〜50質量%の範囲である。
【0030】
他の成分
本発明の光輝性塗料組成物には、上記干渉性光輝性顔料、二酸化チタン顔料およびバインダー成分の他に、一般に塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。上記粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋あるいは非架橋の樹脂粒子等を挙げることができる。
【0031】
更に、本発明の光輝性塗料組成物には、所望により、その他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分子のような表面調整剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等がある。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0032】
本発明の光輝性塗料組成物には、所望により、干渉性光輝性顔料以外の光輝性顔料を含有させることができる。上記光輝性塗料組成物に含まれる干渉性光輝性顔料と干渉性光輝性顔料以外の光輝性顔料の合計量は、PWCで1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。干渉性光輝性顔料以外の光輝性顔料としては、アルミフレーク、着色アルミフレーク、ガラスフレーク、ホログラム顔料、液晶ポリマー顔料などが挙げられる。
【0033】
本発明の光輝性塗料組成物には、所望により、着色顔料を含有させることもできる。着色顔料としては、紫系、青系、赤系、緑系、黄系顔料が挙げられる。着色顔料として減法混色により明度調整することのできる2種類以上の着色顔料を用いて、遮熱効果を高めることができる。着色顔料のPWCは0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましい。体質顔料としては、タルク、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸マグネシウムが挙げられる。体質顔料のPWCは、25〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
【0034】
本発明の光輝性塗料組成物の塗料形態としては特に限定されず、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型のいずれでもよい。
【0035】
本発明の光輝性塗料組成物は、上記干渉性光輝性顔料その他の光輝性顔料、二酸化チタン顔料、バインダー成分、粘性制御剤およびその他の成分を混合・分散することにより調製する。
【0036】
本発明の光輝性塗料組成物を調製する際に重要なことは、含まれる上記干渉性光輝性顔料と上記二酸化チタン顔料との質量比と、分散される上記二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50の制御である。
【0037】
特に、上記二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90および体積平均粒子径D50が最も重要であり、塗料組成物を調製する際に、例えば、分散に用いるメディアおよび分散時間等を調整することにより制御することができる。また、2種以上の異なる粒度分布を有する二酸化チタン顔料を混合することによって調整したり、分級等によって調整したりすることができる。上記二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90および体積平均粒子径D50の制御の点から、上記二酸化チタン顔料を、別途、分散剤、分散樹脂および/またはバインダー樹脂等の塗料原料と混合・分散することによって、予め二酸化チタン顔料ペーストを調製しておいた後、他の成分と混合・分散して、上記光輝材塗料組成物を調製することが好ましい。
【0038】
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、基材上に二酸化チタン顔料を含んだ白色ベース塗料を塗布して白色ベース塗膜を形成する工程(1)、得られた白色ベース塗膜上に干渉性光輝性顔料を含んだ光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成する工程(2)、得られた光輝性塗膜上にクリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(3)を含む。上記工程(2)において用いられる光輝性塗料が、上記光輝性塗料組成物である。
【0039】
基材
本発明の複層塗膜形成方法において基材としては特に限定されず、例えば、金属、ガラス、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着塗装可能な金属製品が好ましい。
【0040】
上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩、ジルコニウム化合物等で化成処理されたもの、さらにカチオン電着塗膜を有しているものが好ましい。
【0041】
工程(1)
本発明の複層塗膜形成方法において、工程(1)は、基材上に二酸化チタン顔料を含んだ白色ベース塗料を塗布して白色ベース塗膜を形成するものである。上記白色ベース塗料は下地を隠蔽して光の透過を防止し、得られる複層塗膜をより白く見せるために形成される。下地隠蔽が悪く光の透過を抑制できない場合は同じ白色ベース塗料を2回塗装し2回焼付けしてもよい。また、その際、1回目の白色ベース塗膜をL値が20〜60のグレー色ベース塗膜に変更してもよい。上記工程(1)において用いられる白色ベース塗料は、二酸化チタン顔料を含有する。
【0042】
上記白色ベース塗料に含まれる二酸化チタン顔料としては特に限定されず、通常の二酸化チタンを挙げることができる。得られる複層塗膜の遮熱効果を高めるためには、一次平均粒子径が200〜2000nmである二酸化チタンを利用することが好ましく、250〜1600nmであることがさらに好ましい。市販品としてはTITANIX JR−1000(テイカ社製、一次平均粒子径800nm)やタイペークCR−95(石原産業社製、一次平均粒子径250nm)等が挙げられる。
【0043】
上記白色ベース塗料に含まれる二酸化チタン顔料は、体積平均粒子径D90で650〜2000nmに、体積平均粒子径D50で140〜1100nmであることが好ましい。上記白色ベース塗料に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とをこの範囲に制御して用いると、得られる塗膜に遮熱効果を付与することができる。上記白色ベース塗料における二酸化チタン顔料含有量は、塗料固形分質量で30〜75質量%である。
【0044】
上記二酸化チタン顔料は、体積平均粒子径D90が650〜2000nmであり、700〜1300nmであることが好ましく、700〜1200nmであることがさらに好ましい。上記体積平均粒子径D90が650nmを下回ると、上記遮熱効果が得られなくなる。一方、上記体積平均粒子径D90が2000nmを上回ると、塗膜光沢や外観が悪くなり、つやが無くなったような塗膜となる。
【0045】
また、上記二酸化チタン顔料は、体積平均粒子径D50が140〜1100nmであり、160〜1000nmであることが好ましく、160〜900nmであることがさらに好ましい。体積平均粒子径D50が140nmを下回ると、遮熱効果が低下する、一方、上記体積平均粒子径D50が1000nmを上回ると、下地隠蔽性が著しく悪くなり透けた塗膜となってしまう。
【0046】
上記白色ベース塗料は、上記二酸化チタン顔料の他に、通常、バインダー成分を含んでいる上記バインダー成分としては、上記光輝性塗料組成物のところで述べたものを挙げることができる。
【0047】
さらに、上記白色ベース塗料は、上記二酸化チタン顔料とバインダー成分との他、当業者によってよく知られているその他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分子のような表面調整剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等がある。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。上記白色ベース塗料の塗料形態は特に限定されず、具体的には、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型等を挙げることができる。
【0048】
上記工程(1)において、基材上に白色ベース塗料を塗布する方法としては特に限定されず、意匠性を高めるためにエアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エアー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法等が挙げられる。基材上に白色ベース塗料を塗装する。
【0049】
上記塗布方法による白色ベース塗料の塗布膜厚は用途により変動するため限定されないが、例えば乾燥膜厚で10〜50μmである。50μmを上回ると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいはワキ、タレ等の不具合が起こることがあり、10μmを下回ると、下地が隠蔽できず膜切れが発生する。
【0050】
上記工程(1)によって得られた白色ベース塗膜は硬化させても硬化させなくてもよい。塗布後、白色ベース塗膜を硬化させる場合の温度および時間は、上記白色ベース塗料に含まれるバインダー成分によって適宜設定することができるが、通常、120〜160℃で10〜30分間である。なお、白色ベース塗料が水性塗料である場合は、硬化させない場合でも、塗布後に水を取り除くために得られた白色ベース塗膜を、例えば、20〜80℃で1〜10分間乾燥させてもよい。そうすることで最終的に得られる複層塗膜の平滑性および意匠性を向上させることができる。
【0051】
得られる白色ベース塗膜は、L値が80以上〜100以下であることが好ましい。このような明度を有することにより、最終に得られるパール調複層塗膜の白色度L値も同程度となることから白く見え、ホワイトパール調の複層塗膜となる。L値が80未満であると、当該白色ベース塗膜を用いた複層塗膜は中明度域となりホワイトパール調とは言えないグレー調の意匠に見える。L値は市販の測色計にて測定することができ、例えば、CM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)のL25値によって決定することができる。
【0052】
白色ベース塗膜において、所望により、着色顔料を含有させてもよい。ただし、当該白色ベース塗膜を用いて一般的なホワイトパール調複層塗膜に見えるようにするためには、着色顔料を含有する場合でも当該白色ベース塗膜のL値が80以上〜100以下の範囲内である必要がある。ここで、着色顔料として、減法混色により明度を下げることのできる2種類以上の着色顔料を用いることにより、遮熱効果を向上させることができる。このような着色顔料としては、紫系、青系、赤系、緑系、黄系顔料から選ばれるものが挙げられる。この場合の着色顔料のPWCとしては、0.1%〜30%が好ましい。
【0053】
上記白色ベース塗膜に代えて、L値が20以上80未満のカラーベース塗膜を用いることもできる。ベース塗膜がかかる明度を有することにより、当該カラーベース塗膜を用いた複層塗膜は中明度域となりホワイトパール調とは言えないグレー調の意匠に見えるようになる。L値は市販の測色計にて測定することができ、例えば、CM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)のL25値によって決定することができる。着色顔料として、減法混色により明度を下げることのできる2種類以上の着色顔料を用いることにより、遮熱効果を向上させることができる。このような着色顔料としては、紫系、青系、赤系、緑系、黄系顔料から選ばれるものが挙げられる。着色顔料のPWCは0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましい。
【0054】
工程(2)
本発明の複層塗膜形成方法において、工程(2)は、上記工程(1)で得られた白色ベース塗膜上に光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成するものである。上記光輝性塗料は、上述した光輝性塗料組成物と同様であり、透過光および上記白色ベース塗膜による反射光から、得られる複層塗膜にキラキラ感やパール系干渉色等の意匠を発現させるために形成される。
【0055】
上記塗布方法および塗布後の光輝性塗膜に対する処理方法に関する条件は、上記工程(1)の白色ベース塗膜の塗布方法および処理方法の条件と同様である。但し、塗布膜厚としては、乾燥膜厚で10〜30μmとすることが好ましい。
【0056】
工程(3)
本発明の複層塗膜形成方法において、工場(3)は、上記工程(2)で得られた光輝性塗膜上にクリヤー塗料を塗布して、クリヤー塗膜を形成するものである。
【0057】
上記クリヤー塗料は、通常、塗膜形成樹脂および硬化剤等を含有している。クリヤー塗料に用いられる塗膜形成樹脂および硬化剤としては、特に限定されるものではなく、上記白色ベース塗料のところで述べたものが挙げられる。なお、得られる塗膜の透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等が挙げられる。ウレタン系クリヤー塗料の場合は、1液型、2液型のいずれであってもよい。
【0058】
更に、上記クリヤー塗料には、上記白色ベース塗料と同様、その他の添加剤を含むことができる。特に、二酸化チタン塗膜と得られるクリヤー塗膜との混層、反転またはタレを未然に防止するために、粘性制御剤を含有することが好ましい。上記クリヤー塗料に含まれる樹脂固形分100質量部に対する粘性制御剤の形分含有量は0.01〜10質量部であり、0.02〜8質量部が好ましく、0.03〜6質量部がより好ましい。上記固形分含有量が10質量部を上回ると外観が低下し、0.01質量部を下回ると粘性制御効果が得られず、タレ等の不具合をおこす原因となる。
【0059】
上記クリヤー塗料の塗料形態としては特に限定されず、上記白色ベース塗料と同様、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型、並びに粉体型、スラリー型等を挙げることができる。
【0060】
上記クリヤー塗料の固形分含有量は特に限定されず、例えば20〜60質量%であり、好ましくは35〜55質量%である。また、塗布時の固形分含有量は、10〜50質量%であり、好ましくは20〜50質量%である。
【0061】
上記塗布方法は、上記白色ベース塗料のところで述べたものが挙げられる。上記塗布方法によるクリヤー塗料の塗布膜厚は用途により変動するため限定されないが、例えば乾燥膜厚で10〜70μmである。
【0062】
クリヤー塗料の塗布後、得られたクリヤー塗膜を硬化させる。硬化温度および硬化時間は、上記クリヤー塗料に含まれるバインダー成分によって適宜設定することができるが、例えば、120〜160℃で10〜30分である。尚、上記クリヤー塗料がウレタン系のクリヤー塗料を用いる場合には、硬化温度および硬化時間を、例えば、60〜120℃で10〜30分に設定することができる。
【0063】
本発明の複層塗膜形成方法によって形成される複層塗膜の乾燥膜厚は、30〜300μmであり、50〜250μmであることが好ましい。複層塗膜の乾燥膜厚が30μmを下回る塗膜自体の強度が低下するおそれがあり、複層塗膜の乾燥膜厚が300μmを上回ると、冷熱サイクル等の膜物性が低下する。
【0064】
本発明の複層塗膜は、上記複層塗膜形成方法で得られたものである。上記複層塗膜は、従来の干渉性光輝性顔料を用いた複層塗膜とは異なり、光輝性塗膜の中に存在する特定の粒径分布を有する二酸化チタン顔料によって、光輝性顔料の発色するパール系の意匠のうちで不要なハイライト部での青味およびシェード部での黄味の発色を抑制することができ、パール系本来の発色が得られ、白色の際立った高い光輝感を得ることができる。また、光輝性塗膜および白色ベース塗膜において特定の粒径および/または粒径分布の二酸化チタンを含有することにより、優れた遮熱効果を発揮する。
【実施例】
【0065】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0066】
使用する塗料の作成
白色ベース塗料1
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、固形分酸価8mgKOH/g、水酸基価80mgKOH/g、数平均分子量1,800、固形分70質量%)51.0質量部とタイペークCR−97(石原産業社製二酸化チタン、一次平均粒子径200nm)49質量部を加えて均一分散し、更に、ユーバン128(三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分60質量%)25.5質量部を加えて均一分散することにより白色ベース塗料1を得た。白色ベース塗料1に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とを、UPA−150(マイクロトラック社製粒度部分布測定装置)にて測定したところ、それぞれ650nmと1000nmであった。CM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)で測定したところ、L値は90であった。
【0067】
白色ベース塗料2
タイペークCR−97をTITANIX JR−1000(テイカ株式会社製二酸化チタン、一次平均粒子径800nm)に代えたこと以外は白色ベース塗料1と同じで白色ベース塗料2を得た。白色ベース塗料2に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とを、UPA−150(マイクロトラック社製粒度部分布測定装置)にて測定したところ、それぞれ900nmと1500nmであった。CM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)で測定したところ、L値は88であった。
【0068】
光輝性塗料1
日本ペイント社製アクリルエマルション(体積平均粒子径150nm、不揮発分20%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/g)を271.5質量部、ジメチルエタノールアミン10質量%水溶液を10質量部、日本ペイント社製水溶性アクリル樹脂(不揮発分は30.0質量%、固形分酸価40mgKOH/g、水酸基価50mgKOH/g)を27.4質量部、プライムポールPX−1000(三洋化成工業社製ポリエーテルポリオール、不揮発分100%)を7.2質量部、サイメル204(三井サイテック社製混合アルキル化型メラミン樹脂、不揮発分100%)を28.2質量部、そして、ラウリルアシッドフォスフェート0.2質量部、シラリックT60−23WNT(メルク社製干渉性ブルーアルミナフレーク顔料)4.0質量部、シラリックT60−10WNT(メルク社製干渉性アルミナフレーク顔料)4.0質量部およびタイペークCR−95(石原産業社製二酸化チタン顔料、一次平均粒子径250nm)1.0質量部を容器に加えて、ガラスビーズで、180分間分散することにより、光輝性顔料/二酸化チタンの質量比が8/1である光輝性塗料1を得た。光輝性塗料1に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とを、UPA−150(マイクロトラック社製粒度部分布測定装置)にて測定したところ、それぞれ900nmと300nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0069】
光輝性塗料2
タイペークCR−95の代わりに、TITANIX JR−1000を用いたこと以外は光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料2を得た。光輝性塗料2に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ900nmと800nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0070】
光輝性塗料3
タイペークCR−95を0.8質量部として、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の質量比を10/1としたこと以外は、光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料3を得た。光輝性塗料3に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ900nmと300nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0071】
光輝性塗料4
タイペークCR−95を1.2質量部として、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の質量比を7/1としたこと以外は、光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料4を得た。光輝性塗料4に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ900nmと300nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0072】
光輝性塗料5
タイペークCR−95に代えてタイペークCR−97を用いたこと以外は、光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料5を得た。光輝性塗料5に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ800nmと300nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0073】
光輝性塗料6
分散時間を120分間にしたこと以外は光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料6を得た。光輝性塗料6に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ1400nmと1000nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0074】
光輝性塗料7
分散時間を270分間にしたこと以外は光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料7を得た。光輝性塗料7に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ600nmと300nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0075】
光輝性塗料8
分散時間を270分間にしたこと以外は光輝性塗料5と同様にして光輝性塗料8を得た。光輝性塗料8に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ700nmと150nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0076】
光輝性塗料9
タイペークCR−95を2.0質量部として、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の質量比を4/1としたこと以外は、光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料9を得た。塗料配合を表1に示した。
【0077】
光輝性塗料10
タイペークCR−95を0.5質量部として、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の質量比を16/1としたこと以外は、光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料10を得た。塗料配合を表1に示した。
【0078】
光輝性塗料11
二酸化チタン顔料を配合しなかったこと以外は光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料11を得た。塗料配合を表1に示した。
【0079】
光輝性塗料12
分散時間を240分間にしたこと以外は光輝性塗料2と同様にして光輝性塗料12を得た。光輝性塗料12に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ650nmと200nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0080】
光輝性塗料13
分散時間を140分間にしたこと以外は光輝性塗料2と同様にして光輝性塗料13を得た。光輝性塗料13に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ1600nmと800nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0081】
光輝性塗料14
分散時間を100分間にしたこと以外は光輝性塗料2と同様にして光輝性塗料14を得た。光輝性塗料14に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ1800nmと950nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0082】
光輝性塗料15
分散時間を210分間にしたこと以外は光輝性塗料2と同様にして光輝性塗料15を得た。光輝性塗料15に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ1000nmと200nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0083】
光輝性塗料16
分散時間を160分間にしたこと以外は光輝性塗料2と同様にして光輝性塗料16を得た。光輝性塗料16に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ1000nmと950nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0084】
光輝性塗料17
タイペークCR−95の代わりに、TITANIX JR−1000を用い、分散時間を190分にしたこと以外は光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料17を得た。光輝性塗料17に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ1000nmと600nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0085】
光輝性塗料18
タイペークCR−95の代わりに、TITANIX JR−1000を用い、分散時間を200分にしたこと以外は光輝性塗料1と同様にして光輝性塗料18を得た。光輝性塗料18に含まれる二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50とは、それぞれ900nmと500nmであった。塗料配合を表1に示した。
【0086】
クリヤー塗料1
マックフローO−1820クリヤー(日本ペイント社製カルボン酸・エポキシ硬化型クリヤー塗料)を使用した。
【0087】
【表1】
【0088】
実施例1
(1)試験板の作成
カチオン電着塗膜を有する30cm×40cm、厚み0.8mmのダル鋼板に、白色ベース塗料1を乾燥膜厚30μmとなるようにスプレー塗装し、白色ベース塗膜1を得た。この白色ベース塗膜1のL値をCM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)のL25値にて測定したところ、85であった。次に、得られた白色ベース塗膜1上に、光輝性塗料1を乾燥膜厚15μmとなるよう回転霧化式静電塗装装置を用いて1ステージ塗装し、光輝性塗膜1を得た。その後80℃で4分間プレヒートを行った。
【0089】
次に、得られた光輝性塗膜1上に、クリヤー塗料1を乾燥膜厚35μmとなるように回転霧化式静電塗装装置を用いて1ステージ塗装し、クリヤー塗膜1を得た。その後、得られた白色ベース塗膜1、光輝性塗膜1およびクリヤー塗膜1を140℃で20分間、一度に加熱硬化させ、複層塗膜を備えた試験板を得た。
【0090】
(2)評価
得られた試験板の塗膜外観について、ハイライト部での干渉色(青味)およびシェード部での透過色(黄味)の発色状態と平滑性とを、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0091】
ハイライト部の干渉色(青味)の発色状態
3 ぼんやり青味が見え柔らかいイメージ。
2 青味が若干見える程度。
1 青味が弱く見える。
0 青味が非常に強く見える。
シェード部の透過色(黄味)の発色状態
3 黄味がほとんど見えないイメージ。
2 黄味が若干見える程度。
1 黄味が弱く見える。
0 黄味が強く見える。
【0092】
平滑性
○:塗膜表面が平滑でなめらかである
×:塗膜表面の凹凸が大きい
【0093】
干渉性光輝性顔料の発色による意匠性
○:パール系の発色が見える
×:パール系の発色が見えない
【0094】
赤外線反射率(%)
日立ハイテク社製分光光度計U4100を用いて赤外線反射率(800〜2500nm)を測定した。
【0095】
実施例2
白色ベース塗料1を白色ベース塗料2に代えて白色ベース塗膜2を得たこと以外は、実施例1と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。この白色ベース塗膜2のL値を実施例1と同様にして測定したところ、90であった。
【0096】
実施例3
光輝性塗料1を光輝性塗料2に代えて光輝性塗膜2を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0097】
実施例4
光輝性塗料1を光輝性塗料3に代えて光輝性塗膜3を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0098】
実施例5
光輝性塗料1を光輝性塗料4に代えて光輝性塗膜4を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0099】
実施例6
光輝性塗料1を光輝性塗料5に代えて光輝性塗膜5を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0100】
実施例7
光輝性塗料1を光輝性塗料17に代えて光輝性塗膜17を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0101】
実施例8
光輝性塗料1を光輝性塗料18に代えて光輝性塗膜18を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0102】
比較例1
光輝性塗料1を光輝性塗料6に代えて光輝性塗膜6を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0103】
比較例2
光輝性塗料1を光輝性塗料7に代えて光輝性塗膜7を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0104】
比較例3
光輝性塗料1を光輝性塗料8に代えて光輝性塗膜8を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0105】
比較例4
光輝性塗料1を光輝性塗料9に代えて光輝性塗膜9を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0106】
比較例5
光輝性塗料1を光輝性塗料10に代えて光輝性塗膜10を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0107】
比較例6
光輝性塗料1を光輝性塗料11に代えて光輝性塗膜11を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0108】
比較例7
光輝性塗料1を光輝性塗料12に代えて光輝性塗膜12を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0109】
比較例8
光輝性塗料1を光輝性塗料13に代えて光輝性塗膜13を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0110】
比較例9
光輝性塗料1を光輝性塗料14に代えて光輝性塗膜14を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0111】
比較例10
光輝性塗料1を光輝性塗料15に代えて光輝性塗膜15を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0112】
比較例11
光輝性塗料1を光輝性塗料16に代えて光輝性塗膜16を得たこと以外は、実施例2と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
上記実施例および比較例から明らかなように、実施例1〜6で得られた複層塗膜では、ハイライト部での干渉色(青味)が、若干見えるか、または、ぼんやり見える程度にまで減少し、シェード部での透過色(黄味)が、ほとんど見えないか、または、若干見える程度にまで減少しているが、干渉性光輝性顔料の発色による意匠そのものは良好である。このとき、ハイライト部におけるぼんやり見える程度の青味(評価:3)または若干〜ぼんやり見える程度(評価:2〜3)の青味に限っては、人間の目にはむしろ全体の白さが際立って見える効果をもたらすものであり、この青味が弱い程度の青味(評価:1)になると、人間の目には白さが際立つことはなく青味を感じるようになる。
【0115】
また、実施例2では、白色ベース塗料2を用いて白色ベース塗膜を形成した点で実施例1とは異なるが、白色ベース塗膜における二酸化チタン色と光輝性塗膜の干渉色が重なる事で打ち消しあい、青味がぼんやり見える程度に抑制されたと考えられる。
【0116】
一方、比較例1では、二酸化チタン顔料の体積平均粒子径D90と体積平均粒子径D50が本発明の範囲外の例であり、ハイライト部での青味もシェード部での黄味も視覚的に確認できる。また、比較例6のように、二酸化チタン顔料を配合しない例では、当然であるが干渉性光輝性顔料の発色による意匠は良好であるが、ハイライト部での青味もシェード部での黄味も強く見える。
【0117】
比較例2および3では、二酸化チタン顔料のD90かD50のいずれか一方が本発明の範囲を外れる場合であるが、共にハイライト部の青味が見えている。比較例4および5は、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の質量比が外れる場合であり、二酸化チタン顔料が多い比較例4では、ハイライト部の青味がぼんやり見える程度にまで減少し、シェード部での黄味もほとんど見えないか、または、若干見える程度にまで減少しているが、干渉性光輝性顔料の発色による意匠は低下してしまっている。干渉性光輝性顔料が多い比較例5では、光輝性顔料の発色による意匠そのものは良好であるが、ハイライト部での青味もシェード部での黄味も視覚的に確認できる。比較例7では、平滑性はよいが、ハイライト部の青味も、シェード部における黄味も強く見え、パール系発色は見えない。比較例8、比較例9では、ハイライト部の青味もシェード部の黄味も若干見える程度であるが、パール系の発色があまり見えない。さらに比較例9は、平滑性も凹凸が観察されて悪い。比較例10は、平滑性は悪くはないが、ハイライト部の青味もシェード部の黄味も比較的強く見える上に、パール系発色は見えない。比較例11は、ハイライト部の青味もシェード部の黄味が比較例7よりも強く見え、パール系発色はあまり見えず、平滑性もあまりよくない。