【文献】
「戦国無双 Chronicle ガイドブック」,日本,株式会社 コーエーテクモゲームス,2011年 3月25日,初版,p.4,16−19
【文献】
株式会社カプコン,"鬼武者Soul オンラインマニュアル",INTERNETARCHIVE waybackmachine,米国,Internet Archive,2012年11月20日,[2017年2月15日検索],URL,http://web.archive.org/web/20121120050845/http://cog-members.oni-soul.jp/sp/manual/page47.html
【文献】
株式会社カプコン,"鬼武者Soul オンラインマニュアル",INTERNETARCHIVE waybackmachine,米国,Internet Archive,2012年11月18日,[2017年2月15日検索],URL,http://web.archive.org/web/20121118020247/http://cog-members.oni-soul.jp/sp/manual/page46.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をロールプレイングゲーム(RPG)を行なうオンラインゲームシステムに適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、同実施形態に係るオンラインゲームシステムが使用される環境の一例を説明する図である。同図で、インターネットを含むネットワーク1に対して、ウェブサーバ装置2,3が接続されると共に、本システムでユーザが使用するクライアント装置となる携帯端末4,5が、無線LANのアクセスポイント(AP)6あるいは無線通信回線網の基地局7を介して接続される。
【0014】
ウェブサーバ装置2,3は、本実施形態に係るオンラインゲームシステムを実現するためのコンピュータであり、オンラインゲームのサービスを提供するべくネットワーク1に対して並列に複数台設置する。本実施形態では説明を簡易にするために2台のみを図示している。
【0015】
一方、クライアント側の携帯端末4,5は、スマートフォン、フィーチャー・フォン(feature phone)などを含み、例えば、Android(登録商標)、iOS(登録商標)などのOS上で動作する携帯電話であっても良いし、さらにはノートブック型のパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、タブレット型コンピュータなどであってもよい。いずれにしても、本実施形態においては説明を簡易にするために2台のみを図示するが、これら携帯端末4,5のいずれにも、予めウェブサーバ装置2,3から提供されるオンラインゲームのためのゲーム用アプリケーションプログラムがインストールされているものとする。
【0016】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図2は、ウェブサーバ装置2,3が提供するロールプレイングゲーム内で、プレーヤが操作するキャラクタ(以下「プレーヤキャラクタ」と称する)が使用することが可能なアイテム、特に武器アイテムに関する概念について説明する図を示す。同図に示すようにこのゲームシステムで使用できる武器アイテムは、
図2(A)に示すグレード1から
図2(C)に示すグレード3までの3段階のグレードを有する。
図2は、いずれも武器アイテムの1つである「ナイフ」を例にとって示している。
【0017】
この武器アイテム「ナイフ」は、グレードに応じて、主人公のプレーヤキャラクタが使いこなすことが可能なレベルの上限を示すレベル(Lv.)キャップが設定されているものとする。当然ながら、最下段階のグレード1から、グレード2、グレード3と段階が上がるに連れて、レベルキャップで設定する最大レベルも上がるものとする。
【0018】
さらに、武器アイテムは、この「ナイフ」も含めてグレード値に応じた数の特性(以下「スキル」と称する)を設定可能な枠(以下「スキル枠」と称する)が付与されるものとする。最下段階のグレード1には、予め1つのスキル枠(1)が設定されるもので、武器アイテムの種類やその個体毎によっても、スキル枠(1)内に実際のスキルが設定されたものと、設定されていないものとが混在するものとする。
【0019】
グレードが上がることにより付与されるスキル枠(2),(3)は、いずれも付与された当初は枠内に何も設定されておらず、ユーザが他の武器アイテム等を用いて後述するスキル変化合成の処理を実行することにより、任意に設定されるものとする。
【0020】
図2(A)〜
図2(C)の左側には、例えば主人公のプレーヤキャラクタが所有しているアイテムを一覧表示する場合などで携帯端末4の表示部に表示される、この武器アイテム「ナイフ」の表示情報としてのアイコンを例示するもので、ナイフの画像に加えて、このゲーム内において武器アイテム「ナイフ」を示すイニシャル「N」と、グレード及びスキル枠の数に応じた数の星マークを併設している。星マークは、スキル枠内が設定されている場合は黒星、スキル枠内が設定されておらず空である場合は白星とする。
【0021】
また、本図では説明しないが、スキル枠に設定するスキルの属性に応じて、例えば「炎」の属性を有するスキルでは赤色、「氷」の属性を有するスキルでは青色、「雷」の属性を有するスキルでは黄色、など、スキルが設定されている場合には、そのスキルの属性に合わせた色の星を表示するものとしても良い。
【0022】
以下、ゲーム内でユーザが所持する携帯端末4,5からの操作を受け、ネットワーク1を介してウェブサーバ装置2,3が実行する武器アイテムのグレードアップ動作について説明する。
【0023】
図3は、ウェブサーバ装置2,3によって実行される、ロールプレイングゲーム内の武器アイテムの合成処理に関する内容を示すフローチャートである。以下、ウェブサーバ装置2が処理を実行し、合成を要求してきた携帯端末4に対してゲーム環境を提供する場合について説明する。
【0024】
ウェブサーバ装置2では、処理当初にネットワーク1を介して武器アイテムの合成の要求が端末装置側からなされるのを待機する(ステップS101)。
同要求を受けた場合、ウェブサーバ装置2は上記ステップS101で要求があったことを判断すると、同要求をしてきた携帯端末4に対してもまずベースとなる武器アイテムの選択を促し、携帯端末4からの選択に応じた操作を受け付ける(ステップS102)。
【0025】
このベースとなる側の武器アイテムは、その時点で設定されているスキル枠の内容が維持された上で、あらたにスキル枠が追加されることになる。
【0026】
携帯端末4側でベースとなる武器アイテムを選択する操作がなされた場合、ウェブサーバ装置2ではまずその選択された武器アイテムがグレード3であるか否かを判断する(ステップS103)。
【0027】
ここで選択されたベースとなる武器アイテムがグレード3であると判断した場合、それ以上のグレードアップを行なうことはできないものとして、ウェブサーバ装置2は携帯端末4に対してそれ以上の武器合成は不可である旨を示すガイドメッセージの表示画像データを送信した上で(ステップS104)、他の携帯端末または同一携帯端末から別の武器アイテムの合成処理が要求されるのに備えるべく、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
【0028】
また上記ステップS103で選択されたベースとなる武器アイテムがグレード3ではないと判断すると、ウェブサーバ装置2は次にベースとなる武器アイテムと、同一グレード、且つ同一の素材となる武器アイテムがあるか否かを携帯端末4側に問い合わせる(ステップS105)。
【0029】
ここで同一グレード、且つ同一の素材となる武器アイテムがないと携帯端末4側から応答があった場合、やはり選択された武器アイテムのグレードアップを行なうことはできないものとして、ウェブサーバ装置2は携帯端末4に対して素材となる武器アイテムが欠如している旨を示すガイドメッセージの表示画像データを送信した上で(ステップS106)、他の携帯端末または同一携帯端末から別の武器アイテムの合成処理が要求されるのに備えるべく、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
【0030】
また上記ステップS105で同一グレード、且つ同一の素材となる武器アイテムがあると判断した場合、ウェブサーバ装置2は素材となる武器アイテムの選択を促し、携帯端末4からの選択に応じた操作を受け付ける(ステップS107)。
【0031】
そして、携帯端末4側で素材となる武器アイテムを選択する操作がなされた場合、その操作を受け付けたウェブサーバ装置2は、ベースとなる武器アイテムの基礎値を上げ、グレードを1段階上げると共に、スキル枠を1つ追加設定し(ステップS108)、合わせて素材として選択された側の武器アイテムに関しては、上記武器合成により消費されたものとして、携帯端末4に対して消去するよう指示する(ステップS109)。
【0032】
以上で武器アイテムの合成を要求してきた携帯端末4に対する一連の処理を一旦終了して、他の携帯端末または同一携帯端末から別の武器アイテムの合成処理が要求されるのに備えるべく、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
【0033】
図4は、上記武器アイテム「ナイフ」の合成処理によるグレードの変化を示す。上述した如く本実施形態では同一グレードの同一の武器アイテム同士を合成することにより、グレードが上がるものとした。
【0034】
すなわち、
図4(A)に示すグレード1の武器アイテム「ナイフ」と、同じく
図4(B)に示すグレード1の武器アイテム「ナイフ」とを合成することにより、図
4(E)に示すグレード2の武器アイテム「ナイフ」が生成され、ここでは図示しないが2個目のスキル枠(2)が追加されることになる。
【0035】
同様に、
図4(C)に示すグレード1の武器アイテム「ナイフ」と、同じく
図4(D)に示すグレード1の武器アイテム「ナイフ」とを合成することにより、
図2(F)に示すグレード2の武器アイテム「ナイフ」が生成され、ここでは図示しないが2個目のスキル枠(2)が追加される。
【0036】
さらに、上記
図4(E)に示すグレード2の武器アイテム「ナイフ」と、上記
図4(F)に示すグレード2の武器アイテム「ナイフ」とを合成することにより、図
4(G)に示すグレード3の武器アイテム「ナイフ」が生成され、ここでは図示しないが3個目のスキル枠(3)が追加されることになる。上述した如く、これ以上のグレードアップは不可となる。
【0037】
次に、スキル枠に何らかのスキルを設定する場合の動作についても合わせて図面により説明する。なお、スキル枠に対するスキルの設定に関しては、ベースとなる武器アイテムと、素材となる武器アイテムが同一のグレード、あるいは同一の武器アイテムである必要はないものとする。
【0038】
図5は、ベースとなる武器アイテムのスキル枠に空きがある場合の、スキル設定の具体例を示す。
図5(A)に示すベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」のスキル枠(2)が空いており、これに素材としてグレード1の武器アイテム「ナイフ」を選択した場合を示す。素材側の武器アイテム「ナイフ」はグレード1であり、スキル枠(1)のスキル「HP+100(初期)」しかスキルの設定がない。
【0039】
したがって、選択の余地なく、その素材側のスキル「HP+100(初期)」が、ベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」のスキル枠(2)に設定される。素材となったグレード1の武器アイテム「ナイフ」は、スキル設定後に消去される。
【0040】
図6は、ベースとなる武器アイテムのスキル枠に空きがない場合の、スキル設定の具体例を示す。
図6(A)に示すベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」は、スキル枠(2)にも既にスキルが設定されており、このスキル枠(2)のスキル「攻撃力+10」を図示する如く削除対象として選択した後に、素材としてグレード1の武器アイテム「ナイフ」を選択した場合を示す。素材側の武器アイテム「ナイフ」はグレード1であり、スキル枠(1)のスキル「HP+100(初期)」しかスキルの設定がない。
【0041】
したがって、選択の余地なく、その素材側のスキル「HP+100(初期)」が、ベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」のスキル枠(2)に上書きで設定され、元のスキル「攻撃力+10」が削除される。素材となったグレード1の武器アイテム「ナイフ」は、スキル設定後に消去される。
【0042】
図7は、ベースとなる武器アイテムのスキル枠に空きがあり、且つ素材となる武器アイテムに複数のスキルがある場合の、スキル設定の具体例を示す。
図7(A)に示すベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」は、スキル枠(2)にスキルが設定されておらず、
図7(B)に示すように、素材となるグレード2の武器アイテム「ナイフ」を選択した場合を示す。この場合、素材側の武器アイテム「ナイフ」はグレード2であり、スキル枠(1)(2)共にスキルが既に設定されている。ここではスキル枠(2)のスキル「ドロップ率アップ」をベース側に合成するスキルとして選択するものとする。
【0043】
したがって、素材側の選択したスキル「ドロップ率アップ」が、ベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」のスキル枠(2)に設定される。素材となったグレード2の武器アイテム「ナイフ」は、スキル設定後に消去される。
【0044】
図8は、ベースとなる武器アイテムのスキル枠に空きがなく、且つ素材となる武器アイテムに複数のスキルがある場合の、スキル設定の具体例を示す。
図8(A)に示すベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」は、スキル枠(2)にも既にスキルが設定されており、このスキル枠(2)のスキル「攻撃力+10」を図示する如く削除対象として選択した後に、
図8(B)に示すように、素材となるグレード2の武器アイテム「ナイフ」を選択した場合を示す。この場合、素材側の武器アイテム「ナイフ」はグレード2であり、スキル枠(1)(2)共にスキルが既に設定されている。ここではスキル枠(2)のスキル「ドロップ率アップ」をベース側に合成するスキルとして選択するものとする。
【0045】
したがって、素材側の選択したスキル「ドロップ率アップ」が、ベースとなるグレード2の武器アイテム「ソード」のスキル枠(2)に上書きで設定され、元のスキル「攻撃力+10」が削除される。素材となったグレード2の武器アイテム「ナイフ」は、スキル設定後に消去される。
【0046】
なお上記実施形態では、武器アイテムとしての「ナイフ」あるいは「ソード」に関する合成に伴うグレードアップやスキル枠に対する設定を行なう場合に関して説明したが、本発明におけるゲーム内のゲーム媒体としては、例えば武器アイテムなどのアイテムの種類を限定するものではなく、さらにはアイテムのみならず、ゲーム内に現出する他のゲーム媒体、例えばプレーヤキャラクタやプレーヤキャラクタに装着する各種装備、プレーヤキャラクタと行動を共にする他のキャラクタ、プレーヤキャラクタが使役するペットやモンスター、使用できる技や魔法の呪文等であっても同様に適用可能となる。
【0047】
以上詳述した如く本実施形態によれば、ゲーム内に現出する各種のゲーム媒体をユーザの好みに応じて有効に活用して、ゲームの進行に役立てることが可能となる。
【0048】
加えて上記実施形態では、付与されたスキル枠に、所有している他のアイテム等から任意にスキルを設定できるものとしたので、ユーザによるカスタマイズの幅を広げて、より愛着のあるゲーム環境を実現できる。
【0049】
さらに上記実施形態では、スキル枠を追加設定した武器アイテムに関し、アイコンでそのアイテムを表示する際に、スキル枠の数やスキル枠に対するスキルの設定の有無、あるいは設定されているスキルの属性等を画像情報として表示することを可能としたので、ゲーム媒体としてのアイテムの状態を視覚的に理解し易く、ゲームを円滑に進行することが可能となる。
【0050】
なお上記実施形態では説明しなかったが、アイテムのグレードアップのための合成や、そのアイテムを用いての攻撃、防御等に関し、ユーザが操作するプレーヤキャラクタのレベルに応じて制限を加えるようにすることで、プレーヤキャラクタを充分に育成することで、アイテム類もより強力なものを合成して使用できるような設定を採用することも可能であり、こうすることでよりゲーム性を高めることができる。
【0051】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0052】
以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
コンピュータにおいて実行されるゲームのプログラムであって、
上記プログラムは、
上記コンピュータに、
上記ゲーム内で使用され、上記ゲーム内におけるグレードが段階的に変化するゲーム媒体に対して、複数のゲーム媒体の合成の要求を受け付けさせる合成受付ステップと、
上記合成受付ステップにより上記ゲーム媒体の合成要求を受け付けた場合、ベースとなるゲーム媒体の選択に応じた操作を受け付けさせ、素材となるゲーム媒体の選択に応じた操作を受け付けさせ、上記受け付けた操作により選択された素材となるゲーム媒体を上記ベースとなるゲーム媒体に合成させ、上記ベースとなるゲーム媒体の特性枠に上記素材となるゲーム媒体の複数の枠に設定された複数の特性のうち、ユーザにより選択された特性を設定する特性設定ステップと
を備えるプログラム。
[2]
上記特性設定ステップは、さらに、上記ベースとなるゲーム媒体の全ての特性枠に特性が設定されている場合、上記ユーザにより選択された特性を上記ベースとなるゲーム媒体の特性枠に上書きして設定する、[1]に記載のプログラム。
[3]
上記特性設定ステップは、さらに、上記ベースとなるゲーム媒体の上書きして設定された特性の特性枠に設定されていた特性を削除する、[2]に記載のプログラム。
[4]
上記ユーザにより選択された特性を上書きして設定するベースとなるゲーム媒体の特性枠は、ユーザにより選択可能である、[2]に記載のプログラム。
[5]
ゲーム内で使用され、上記ゲーム内におけるグレードが段階的に変化するゲーム媒体に対して、複数のゲーム媒体の合成の要求を受け付ける合成受付手段と、
上記合成受付手段により上記ゲーム媒体の合成要求を受け付けた場合、ベースとなるゲーム媒体の選択に応じた操作を受け付け、素材となるゲーム媒体の選択に応じた操作を受け付け、上記受け付けた操作により選択された素材となるゲーム媒体を上記ベースとなるゲーム媒体に合成し、上記ベースとなるゲーム媒体の特性枠に上記素材となるゲーム媒体の複数の枠に設定された複数の特性のうち、ユーザにより選択された特性を設定する特性設定ステップと
を備えるコンピュータ。