特許第6122102号(P6122102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122102
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】可変剛性画像化窓及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20170417BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   A61B8/12
   A61M25/00 624
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-511425(P2015-511425)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公表番号】特表2015-523109(P2015-523109A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2012037627
(87)【国際公開番号】WO2013169269
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2015年3月2日
(31)【優先権主張番号】13/468,705
(32)【優先日】2012年5月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508286762
【氏名又は名称】アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ゼレンカ
(72)【発明者】
【氏名】ラス イー.ビーバイ
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/027821(WO,A1)
【文献】 特表2002−528188(JP,A)
【文献】 特開2005−013453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
A61B 1/00 − 1/32
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化カテーテルにおいて、
画像化窓が、近位端と、遠位端と、有限長と、一定の外径と、一定の内径とを有し、かつ所定の曲げ弾性率を有する第1材料から形成された第1画像化窓区分と、
近位端と、遠位端と、有限長と、一定の外径と、一定の内径とを有し、かつ所定の曲げ弾性率を有する第2材料から形成された第2画像化窓区分と、を含み、
前記第1材料の曲げ弾性率は、前記第2材料の曲げ弾性率とは異なり、前記画像化カテーテルは、近位端と、遠位端とを有し、前記第1画像化窓区分は前記第2画像化窓区分よりも近位側にあり、前記第1画像化窓区分の前記遠位端は前記第2画像化窓区分の前記近位端に結合されており、前記第1材料の曲げ弾性率は前記第2材料の曲げ弾性率よりも大きく、前記第1画像化窓区分の前記一定の外径は前記第2画像化窓区分の前記一定の外径と等しく、前記第1画像化窓区分の前記一定の内径は前記第2画像化窓区分の前記一定の内径と等しく、前記第1材料及び第2材料は超音波エネルギーに対して透過的である、画像化カテーテル。
【請求項2】
前記第1材料及び第2材料はポリエチレン材料である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1材料及び第2材料はそれぞれ画像化性能特性を有しており、
前記第1材料及び第2材料の画像化性能特性は同等である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
画像化カテーテルにおいて、
画像化窓が、近位端と遠位端を有する第1画像化窓区分と近位端と遠位端を有する第2画像化窓区分とを有する、順次整列した複数の画像化窓区分を含み、それぞれの画像化窓区分は、有限長と、一定の外径と、一定の内径とを有しており、かつ所定の曲げ弾性率を有する材料から形成されており、
それぞれの画像化窓区分を形成する材料の曲げ弾性率が、他の画像化窓区分のそれぞれを形成する材料の曲げ弾性率とは異なり、前記第1画像化窓区分の前記遠位端は前記第2画像化窓区分の前記近位端に結合されており、前記画像化カテーテルは、近位端と遠位端とを有し、前記第1画像化窓区分及び前記第2画像化窓区分を形成する材料の曲げ弾性率が、前記カテーテルの近位区分から遠位区分に向かって減少し、前記第1画像化窓区分の前記一定の外径は前記第2画像化窓区分の前記一定の外径と等しく、前記第1画像化窓区分の前記一定の内径は前記第2画像化窓区分の前記一定の内径と等しく、前記第1画像化窓区分及び前記第2画像化窓区分の各々は超音波エネルギーに対して透過的である、画像化カテーテル。
【請求項5】
前記画像化窓区分のそれぞれがポリエチレン材料から形成されている、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記画像化窓区分のそれぞれが画像化性能特性を有しており、
前記画像化窓区分の前記画像化性能特性は互いに同等である、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項7】
画像化カテーテル内で使用する画像化窓を製造する方法であって、
前記方法は、
固着防止膜付きマンドレルを用意する工程と、
前記マンドレル上に複数の画像化窓管区分を順次装着する工程であって、前記複数の画像化窓管区分のそれぞれは超音波エネルギーに対して透過的である材料から形成されており、前記管区分のそれぞれは他の管区分の曲げ弾性率とは異なる曲げ弾性率を有する、順次装着する工程と
画像化窓区分を形成するように、前記管区分の端部同士を接合する工程と、
前記画像化窓区分をマンドレルから取り外す工程と、を含む、方法。
【請求項8】
前記順次装着する工程は、前記画像化窓区分の曲げ弾性率の漸進的な違いに対応する所与の順序で、画像化窓管区分をマンドレル上に装着することにより実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所与の順序が、前記画像化窓管区分の曲げ弾性率の漸増に対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記画像化窓管区分はポリエチレン材料から形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記接合する工程は、前記画像化窓管区分に熱を加えることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記接合する工程はさらに、前記画像化窓管区分に熱を加える前に、前記画像化窓管区分を熱収縮管で被覆することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記接合する工程は、鉛直ラミネータを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
複数の前記画像化窓管区分が複数の第1画像化窓管区分を形成して、第1画像化窓区分を形成し、
前記方法はさらに、
前記マンドレル上に複数の第2画像化窓管区分を順次装着する工程であって、前記複数の第2画像化窓管区分のうちの前記管区分のそれぞれは、前記複数の第2画像化窓管区分の他の管区分の曲げ弾性率とは異なる曲げ弾性率を有する、順次装着する工程と、
前記複数の第1画像化窓管区分と前記複数の第2画像化窓管区分との間にスペーサ管を配置する工程と、
第1画像化窓区分及び第2画像化窓区分をそれぞれ形成するように、前記複数の第1画像化窓管区分及び前記複数の第2画像化窓管区分の管区分の端部同士を接合する工程と、
前記第1画像化窓区分及び前記第2画像化窓区分を前記マンドレルから取り外す工程と、
を含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2011年5月11日付けで出願された同時係属中の米国仮特許出願第61/484,941号の優先権を主張する。前記出願は全体を参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は大まかに言えばカテーテルに関する。本発明はさらに様々な剛性を備えたシースを有するカテーテルに関する。本発明はさらに血管内画像化カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
冠動脈疾患患者における経皮冠動脈処置はしばしば、含酸素血液を患者の心臓へ供給する冠動脈を開いておくために、ステントを留置することを伴う。血管内超音波画像化カテーテルを使用して、ステント付着及びステント内の最小管腔直径の決定を含む、ステント留置の妥当性を評価することがある。
【0004】
機械的に回転する画像化コアを有する現在の血管内超音波画像化カテーテルは、単独の曲げ弾性率を有する画像化窓を含む。単独の曲げ弾性率を有する画像化窓は画像欠陥(image artifact)に基づく測定の不正確さを回避する。画像欠陥は、編組スリーブ又は壁厚が変化する押し出し物のような、可変曲げ弾性率を有する画像化窓の使用によって導入されることがある。こうした曲げ弾性率又は剛性は、カテーテルのプッシャビリティ(pushability)及びカテーテルのトラッカビリティ(trackability)に影響を与える。プッシャビリティは、カテーテル近位端で長手方向に伝達された力がどのようにカテーテル遠位端の長手方向運動に伝達されたかを表す。トラッカビリティは、カテーテルがその目的地(例えば冠動脈区域)にいかに容易に到達し得るかを表す。単一の曲げ弾性率を有する画像化窓の使用は、カテーテルのプッシャビリティとトラッカビリティとの間に二律背反をもたらす。現在の血管内超音波画像化カテーテルは、いくつかの冠動脈をナビゲートする上で制限がある。
【0005】
血管内超音波画像化カテーテルを安全且つ効果的に冠動脈に送達するためには、冠動脈に到達するのに十分なプッシャビリティと、曲がりくねった冠動脈をナビゲートするのに十分なトラッカビリティとを有する画像化窓が必要となる。画像化窓の剛性が、カテーテルのプッシャビリティとトラッカビリティとのバランスを最適化するために、長さとともに変化することができると有利になる。画像化窓がその全長に沿って均一な画像化性能を提供するとさらに有利になる。
【発明の概要】
【0006】
1実施態様において、画像化カテーテルの画像化窓が、有限長を有し、かつ所定の曲げ弾性率を有する第1材料から形成された第1画像化窓区分と、第2画像化窓区分とを含む。第2画像化窓区分は有限長を有し、かつ所定の曲げ弾性率を有する第2材料から形成されている。第1材料の曲げ弾性率は、第2材料の曲げ弾性率とは異なっている。
【0007】
カテーテルは近位端と遠位端とを有しており、第1画像化窓区分は第2画像化窓区分よりも近位側にあり、そして第1材料の曲げ弾性率は第2材料の曲げ弾性率よりも大きい。
【0008】
第1材料及び第2材料は超音波エネルギーに対して実質的に透過的である。第1材料及び第2材料はポリエチレン材料である。第1材料及び第2材料はそれぞれ、実質的に同等である画像化性能特性を有している。
【0009】
別の実施態様では、画像化カテーテルが、順次整列した複数の画像化窓区分を含む画像化窓を有しており、それぞれの画像化窓区分は有限長を有しており、かつ所定の曲げ弾性率を有する材料から形成されている。それぞれの画像化窓区分を形成する材料の曲げ弾性率は、他の画像化窓区分のそれぞれを形成する材料の曲げ弾性率とは異なる。
【0010】
別の実施態様の場合、画像化カテーテル内で使用する画像化窓を製造する方法が、固着防止膜付きマンドレルを用意する工程と、マンドレル上に複数の画像化窓管区分を順次装着する工程であって、管区分のそれぞれは他の管区分の曲げ弾性率とは異なる曲げ弾性率を有する、順次装着する工程と、画像化窓区分を形成するように、管区分の端部同士を接合する工程と、画像化窓区分をマンドレルから取り外す工程と、を含む。
【0011】
順次装着する工程は、画像化窓区分の曲げ弾性率の漸進的な違いに対応する所与の順序で、画像化窓管区分をマンドレル上に装着することにより実施することができる。所与の順序は、画像化窓管区分の曲げ弾性率の漸増に対応する。画像化窓管区分はポリエチレン材料から形成される。
【0012】
接合する工程は、画像化窓管区分に熱を加えることを含んでもよい。接合する工程はさらに、画像化窓管区分に熱を加える前に、画像化窓管区分を熱収縮管で被覆することを含んでもよい。接合する工程はさらに、鉛直ラミネータを使用することを含んでもよい。
【0013】
複数の画像化窓管区分は複数の第1画像化窓管区分を形成して、第1画像化窓区分を形成することができる。そして、この方法はさらに、マンドレル上に複数の第2画像化窓管区分を順次装着する工程であって、複数の第2画像化窓管区分のうちの管区分のそれぞれは、複数の第2画像化窓管区分の他の管区分の曲げ弾性率とは異なる曲げ弾性率を有する、順次装着する工程と、複数の第1画像化窓管区分と複数の第2画像化窓管区分との間にスペーサ管を配置する工程と、第1画像化窓区分及び第2画像化窓区分をそれぞれ形成するように、複数の第1画像化窓管区分及び複数の第2画像化窓管区分の管区分の端部同士を接合する工程と、第1画像化窓区分及び第2画像化窓区分をマンドレルから取り外す工程と、を含むことができる。
【0014】
添付の図面とともに以下の説明を参照することによって、本発明を更なる特徴及び利点とともに最良に理解することができる。これらの図面のうちのいくつかにおいて、同様の符号は同一の構成要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来技術のカテーテルを示す部分断面側方図である。
図2図2は、別の従来技術のカテーテルを示す部分断面側方図である。
図3図3は、本発明を具体化するカテーテルを示す部分断面側方図である。
図4図4は、本発明を具体化するカテーテルを示す部分断面側方図である。
図5図5は、本発明を具体化する画像化窓を製造するための処理工程を示すフローダイヤグラムである。
図6図6は、画像化窓組立体フィクスチャの1実施態様を示す部分断面側方図である。
図7図7は、画像化窓組立体フィクスチャの別の実施態様を示す部分断面側方図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、長さに伴って剛性が変化する従来技術のカテーテル100を示す部分断面側方図である。カテーテルは近位シース110と遠位区分120とを含んでいる。遠位区分120は編組スリーブ130を含んでいる。編組スリーブは、近位区分110からカテーテル遠位チップ(図示せず)に向かう方向で漸減するピッチ及び編成密度を有している。編組スリーブフィラメント132,134,136,138は金属又はナイロンを含む比較的硬質の材料であってもよい。編組スリーブは、遠位方向(すなわち図1では右側)に進むにつれて可撓性を増大させる。遠位区分120の漸進的可撓性は、カテーテルのプッシャビリティ及びトラッカビリティにとって有利なことがあるものの、編組スリーブ130は血管内超音波画像化にとっては問題をはらむ。編組スリーブフィラメント132,134,136,138は超音波音場の望ましくない散乱及び画像化欠陥を招くことがある。
【0017】
図2は、長さに伴って剛性が変化する別の従来技術のカテーテル200を示す断面側方図である。カテーテルは近位シース210と遠位シース222とを含んでいる。遠位シース222の壁厚は長さに伴って減少し、そして遠位方向(すなわち図2では右側)に進むにつれて可撓性を増大させる。遠位シース222の漸進的可撓性は、カテーテルのプッシャビリティ及びトラッカビリティにとって有利なことがあるものの、変化する壁厚は血管内超音波画像化にとっては問題をはらむ。変化する壁厚は超音波画像における血管壁とステント位置との整合状態を不正確なものにし、そして管腔の直径及び面積の測定精度に影響を及ぼすことがある。
【0018】
図3を参照すると、本発明の1実施態様によるモノレール・カテーテル300の断面側方図が示されている。カテーテル300は中軸シース310と、画像化ウィンドウ320と、遠位チップ340とを含む。中軸シース310は高密度ポリエチレン(HDPE)から構成されてもよい。中軸シース310は、カテーテルに十分なプッシャビリティを提供し、そして約1.37×10kPa(1平方インチ当たり200キロポンド(ksi))〜約1.72×10kPa(250ksi)、一般には約1.55×10kPa(225ksi)の曲げ弾性率を有し得る。中軸シース310を、例えば熱ボンディングによって画像化窓320に結合することができる。画像化窓320をさらに遠位チップ340に結合することができる。遠位チップ340は例えば、2010年3月4日付けで発行された米国特許出願公開第2010/0057019号明細書(この完全な開示内容は参照することにより本明細書中に組み込まれる)にさらに詳しく記載されているような形態を成すことができる。模範的実施態様として、以下の説明は、冠動脈の画像化に適した血管内超音波画像化カテーテルの留置に関するが、本発明をこれに限定する意図はない。同様に下記説明はさらに、画像化窓320が3つの区分を含む事例に関するが、本発明をこれに限定する意図はない。
【0019】
画像化窓320の外径は一定であり、カテーテルが6Fガイド・カテーテルを通って送達されるのに十分に小さいものであることができる。さらに画像化窓320の内径は約0.61mm(0.024インチ)〜約0.97mm(0.038インチ)であり、一般には約0.85mm(0.0335インチ)で一定であり得る。画像化窓壁厚は約0.025mm(0.001インチ)〜約0.18mm(0.007インチ)であり、一般には約0.13mm(0.005インチ)であり得る。
【0020】
ポリエチレン(PE)は、画像化窓に適した材料であることが判っている。さらに、ポリエチレンは種々異なる曲げ弾性率又は剛性で利用することができる。高密度ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)よりも剛性が高い。中間剛性のポリエチレンシースは、中間密度PE(MDPE)から構成することができる。MDPEはHDPEとLDPEとの混合物から形成することができる。
【0021】
画像化窓320の3つの区分は画像化窓近位区分324と、画像化窓中央区分328と、画像化窓遠位区分332とを含む。画像化窓近位区分324の遠位端は、画像化窓中央区分328の近位端に結合されている。画像化窓中央区分328の遠位端は、画像化窓遠位区分332の近位端に結合されている。画像化窓320の長さは、100mm〜200mmであり、一般には100mm〜150mmであり得る。画像化窓の長さは一般に、画像化されるべき血管長さに依存する。画像化窓320の剛性は近位側から遠位側に向かって減少する。画像化窓近位区分324はHDPEから構成されていてもよく、その曲げ弾性率は約1.34×10kPa(195ksi)〜約1.69×10kPa(245ksi)であり、一般には約1.52×10kPa(220ksi)である。画像化窓近位区分324の長さは40〜100mmであり、一般には70mmであり得る。画像化窓中央区分328はMDPEから構成されていてもよく、その曲げ弾性率は約1.07×10kPa(155ksi)〜約1.41×10kPa(205ksi)であり、一般には約1.24×10kPa(180ksi)である。画像化窓中央区分328の長さは30〜70mm、一般には50mmであり得る。画像化窓遠位区分332はLDPEから構成されていてもよく、その曲げ弾性率は約2.41×10kPa(35ksi)〜約5.86×10kPa(85ksi)であり、一般には約4.14×10kPa(60ksi)である。画像化窓遠位区分332の長さは10〜50mm、一般には20mmであり得る。
【0022】
ここで図4を参照すると、カテーテル300はより具体的には、画像化コア340を含むことができる。画像化コア340はさらに、可撓性駆動ケーブル342と、トランスデューサハウジング344と、超音波トランスデューサ・スタック346と、伝送ライン348とを含んでもよい。音速、音響インピーダンス、及び減衰を含む、画像化窓区分324,328,332の超音波特性の違いは十分に少ないので、異なる画像化窓区分を通した画像化性能の違いは無視できる程度である。さらに、画像化窓区分の超音波減衰は十分に低いので、画像化窓区分は超音波エネルギーに対して実質的に透過的である。
【0023】
本発明による可変剛性画像化窓を製造する方法の1実施態様は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜付きマンドレル上に、画像化窓近位管、画像化窓中央管、及び画像化窓遠位管を順番に装着することを含む。画像化窓管区分は、鉛直ラミネータ・ヒータによって結合することができる。本発明の画像化窓製造方法は具体的には限定されない。下記方法は製造方法の1実施態様である。
【0024】
本発明を具体化する画像化窓を製造するための処理ステップを示すフローダイヤグラムが図5に示されている。対応する画像化窓組立体フィクスチャ(fixture)500が図6の断面側方図で示されている。固着防止膜付きマンドレル502がマンドレル504と、薄いPTFE膜506とを含んでいる。固着防止膜付きマンドレル502は直径が約0.57mm(0.0225インチ)〜約0.86mm(0.0340インチ)、一般には約0.84mm(0.0330インチ)であり得り、管組立体510の装着のために使用することができる。管組立体510は、中軸管512と、画像化窓組立体513と、遠位管520とを含むことができる。画像化窓組立体513は、画像化窓近位管514と、画像化窓中央管516と、画像化窓遠位管518とを含む。中軸管512、画像化窓近位管514、画像化窓中央管516、画像化窓遠位管518、及び軟質チップ管520の内径は約0.61mm(0.024インチ)〜約0.97mm(0.038インチ)、一般には約0.85mm(0.0335インチ)で一定であり得る。画像化窓近位管514、画像化窓中央管516、及び画像化窓遠位管518の壁厚は約0.025mm(0.001インチ)〜約0.18mm(0.007インチ)、一般には約0.13mm(0.005インチ)であり得る。中軸管512は、曲げ弾性率約1.38×10kPa(200ksi)〜約1.72×10kPa(250ksi)、一般には約1.55×10kPa(225ksi)のHDPEから構成することができる。画像化窓組立体513は、近位側から遠位側へ進む方向に剛性が減少する。
【0025】
工程400において中軸管512を60mm〜100mm、一般には80mmの長さまでトリミングする。工程402において、トリミングされた中軸管512をPTFE膜付きマンドレル502上に装着する。中軸管512の近位端は、PTFE膜付きマンドレル502の端部から100mm〜150mm、一般には125mmのところに位置決めされ得る。PTFE膜付きマンドレル502の端部と中軸管512の近位端との間隔を、トップ・クランピング領域508と呼ぶ。トップ・クランピング領域508の長さは、鉛直ラミネータ・クランプが中軸管512をクランプしないことを保証するのに十分に長い。
【0026】
次いで工程404において、画像化窓近位管514を40mm〜100mm、一般には70mmの長さにトリミングする。工程406において、トリミングされた画像化窓近位管514をPTFE膜付きマンドレル502上に装着し、そして中軸管512の隣に位置決めした。画像化窓近位管514を、曲げ弾性率約1.34×10kPa(195ksi)〜約1.69×10kPa(245ksi)、一般には約1.52×10kPa(220ksi)のHDPEから構成することができる。
【0027】
次いで工程408において、画像化窓中央管516を40mm〜100mm、一般には50mmの長さにトリミングする。工程410において、トリミングされた画像化窓中央管516をPTFE膜付きマンドレル502上に装着し、そして画像化窓近位管514の隣に位置決めする。画像化窓近位管516を、曲げ弾性率約1.07×10kPa(155ksi)〜約1.41×10kPa(205ksi)、一般には約1.24×10kPa(180ksi)のMDPEから構成することができる。
【0028】
次いで工程412において、画像化窓遠位管518を10mm〜50mm、一般には20mmの長さにトリミングする。工程414において、トリミングされた画像化窓遠位管518をPTFE膜付きマンドレル502上に装着し、そして画像化窓中央管516の隣に位置決めする。画像化窓遠位管518を、曲げ弾性率約2.41×10kPa(35ksi)〜約5.86×10kPa(85ksi)、一般には約4.48×10kPa(65ksi)のLDPEから構成することができる。
【0029】
次いで工程416において、遠位管520を10mm〜30mm、一般には25mmの長さにトリミングする。遠位管520をPEから構成することができる。工程418において、トリミングされた遠位管520をPTFE膜付きマンドレル502上に装着し、そして画像化窓遠位管518の隣に位置決めする。遠位管520の主要な目的は、管組立体510の位置が変位するのを防止するための処理補助手段として役立つことである。
【0030】
管組立体510は、中軸管512、画像化窓近位管514、画像化窓中央管516、画像化窓遠位管518、及び遠位管520の配列を含む。次いで工程420において、管組立体510及びPTFE膜付きマンドレル502のトップ・クランピング領域508に熱収縮管522を被せる。熱収縮管522を、フッ化エチレンプロピレン(FEP)から構成することができる。熱収縮管522は、内径が約1.07mm(0.042インチ)〜約1.22mm(0.048インチ)、一般には約1.14mm(0.045インチ)であり得る。熱収縮管522の長さは、トップ・クランピング領域508及び管組立体510の長さを被覆するのに十分に長く、少なくとも380mmである。工程422において、管組立体510区分を押し合わせることによって、管組立体510の区分間のいかなる間隙をも閉じる。このことは、管組立体510区分が加熱時に共に流れることを保証する。
【0031】
画像化窓組立体フィクスチャ500は、PTFE膜付きマンドレル502、管組立体510、及び熱収縮管522を含む。工程424において、画像化窓組立体フィクスチャ500を鉛直ラミネータ内に装着する。ここで、鉛直ラミネータ・クランプによって、トップ・クランピング領域508を所定の位置に固定する。
【0032】
工程426において、500°F〜700°F、一般には645°Fの温度に設定された鉛直ラミネータ・ヒータによって、管組立体510の管区分を互いに結合する。鉛直ラミネータ・ヒータは、画像化窓組立体フィクスチャの温度を上昇させるのに十分に高いので、管窓組立体は流動するが、しかし熱収縮管は流動しない。鉛直ラミネータ熱ノズルの横断方向速度は画像化窓組立体フィクスチャの温度に影響を及ぼし、1mm/s〜10mm/s、一般には5mm/sである。
【0033】
管区分の結合に続いて、工程428において画像化窓組立体フィクスチャ500を鉛直ラミネータから取り出す。工程430において、管組立体510を切断又は摩耗させないように特に注意しながらかみそり又は他の切削工具によって、熱収縮管522を画像化窓組立体500から取り外す。工程432において、管組立体510をPTFE膜付きマンドレル502から取り外す。管組立体は、中軸区分512と、画像化窓組立体513と、軟質チップ520とを含む。
【0034】
ここで図7を参照すると、画像化窓組立体フィクスチャ600の別の実施態様が示されている。管組立体610は、第1画像化窓組立体513と第2画像化窓組立体613とを含んでいる。第1画像化窓組立体513と第2画像化窓組立体613との間には、「仕切り(divider)」管612が装着されている。仕切り管612を、中軸管512と同じ材料であるPEから構成することができる。仕切り管612の主要な目的は、第1画像化窓組立体513と第2画像化窓組立体613との区域化を容易にするための処理補助手段として役立つことである。第1画像化窓組立体513は、第1画像化窓近位管514、第1画像化窓中央管516、及び第1画像化窓遠位管518を含む。第2画像化窓組立体613は、第2画像化窓近位管614、第2画像化窓中央管616、及び第2画像化窓遠位管618を含む。画像化窓組立体フィクスチャ600のこの別の実施態様の利点は、1つのPTFE膜付きマンドレル502上に2つ以上の画像化窓組立体が製造されることである。鉛直ラミネータ内で画像化窓組立体フィクスチャ600を処理し、熱収縮管522を取り外した後、かみそり又は他の切削工具によって仕切り管612をロールカットすることにより、画像化窓組立体513,613を分離することができる。次いでPTFE膜付きマンドレル502から管組立体610を取り外す。
【0035】
管組立体の別の実施態様は3つ又は4つ以上の画像化窓組立体を含んでよい。画像化窓組立体は仕切り管によって分離される。さらに、付加的な画像化窓組立体フィクスチャを鉛直ラミネータ内に装着することができ、1つの画像化窓フィクスチャをそれぞれの鉛直ラミネータ部署毎に装着する。本発明のさらに別の実施態様の場合、4つの画像化窓組立体フィクスチャを組立ててもよく、それぞれの画像化窓組立体フィクスチャは、4つの仕切り管によって分離された5つの画像化窓組立体を有する管組立体を含む。少なくとも4つの加熱部署を有する鉛直ラミネータを使用して、管組立体を熱ボンディングしてよい。
【0036】
本発明の具体的な実施態様を示し説明してきたが、改変を加えてもよく、従って、本発明の真の思想及び範囲内に含まれるすべてのこのような変更及び改変を添付の請求項において対象とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7